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競馬回顧 2002年3回京都・3回東京

京王杯スプリングカップ(GⅡ)

ゴッドオブチャンス

今日は落ち着いていた。東京新聞杯の時も落ち着いていたので、関西への長距離輸送が良くなかった様だ。勝因は極めて簡単で、前走の暴走振りに恐れを為した他馬が「この馬に絡んでいくのは損だ」とばかりに、控える策へ回ってくれたのが全て。好発馬も有ったが、東京1400mの大外枠にも関わらず、楽に行かせてもらえた。あとは教科書通りに4角で一息入れての楽々逃げ切りで、本番でマークがキツくなってもこの芸当が出来るかどうかは甚だ疑問。

グラスワールド

今日はコズみがちで、昔のグラスワールドに戻ってしまった印象。スタートで安目を売ったが、直ぐに中段へ取り付いた。道中も外、4角も大外から来ていて、中々良い脚を長く使っている印象。ダービー卿チャレンジトロフィーはハンデ戦で、今回こそが真価が問われる一戦だったが、今日は結果を出したというレベルの話では無く、むしろ一番強い競馬をしている印象。歩様さえスムーズになれば、次走安田記念でも相当有力な一頭。

ビリーヴ

2走前の中山戦は輸送でガクっと減っていたが、今回はそんな事も無く、関西時のこの馬と何ら変わらず。これも好発だったが、スッと控えて好位。そのまま流れに乗っていたが、直線に向いても追い出しを我慢していて、坂下辺りから漸く追い出していた。この相手での好走とはいえ、良い脚が一瞬しかなかっただけに、この距離は1F長いのは否定出来ないだろう。

ダンツフレーム

ブライアンズタイム産駒の中でも、太く見せるタイプの代表格だが、相変わらず太い。加えて今日は張りも無かった。マイルチャンピオンシップ同様に、今回もペースはそれ程速くならず、追走スムーズ。勝負どころで多少モタついていたが、それはアーリントンカップやダービー辺りで出していた、この馬独特のお馴染みの癖。まあ、元々1400mは短いのだろうし、仕上がり途上は否めない馬の造り。とりあえず能力の高さは再認識出来ただけに、本質のマイルになればまた違った結果も出る様に思える。

マグナーテン

安田記念を意識し過ぎたのか、多少重い印象。前走、ゴッドオブチャンスに一番酷い目に遭わされたのがこの馬で、ゲートも恐る恐る出した様な印象。道中3番手からの競馬だが、微妙に力んで走っていたし、重目も祟って伸び切れず。

トロットスター

前々から述べている様に、450kgを超えると重く見せてしまう。ペースが遅いので位置取りはこんなものだと思うが、インから2着争いの一角には食い込んだ。ガサが無いので59kgも辛いのだが、どちらかといえば三振かホームランの一発長打タイプ。こんな中途半端な着順を重ねる馬ではない筈で、現状これが目一杯ではないかという気もするのだが...。

ネイティヴハート

3歳時からそうだが、東京へ来ると気負う。馬体は良いのだが...。今日は後続がゴッドオブチャンスを捕まえに行かなくてはならない展開で、良い脚が一瞬しかないこの馬には辛い流れだったのだが、ホームグラウンドの大井はこの馬が一番不得意とする様な馬場。それだけに、こういうチャンスを確実にモノに出来ない様では、相当先が暗いとしか言わざるを得ない。

ゼンノエルシド

昨秋同様に、相変わらず良く見せる。手応え良くインから一瞬伸び掛かって、勝ったかというシーンも、そこまでで止まってしまった。元々掴みどころの無い馬だが、休み明けか59kgか...。

ダイタクリーヴァ

落ち着いていたし、この馬は叩けば確実に変わるタイプ。多頭数で奇数番枠となるとやはり出遅れてしまうが、加えてこの流れでは手も足も出ない。

ザカリヤ

多少太いものの好気配だったが、道中まともに揉まれ込んでしまい競馬にならなかった。

下鴨ステークス

アサカディフィート

暖かくなって馬体が絞れてきた印象。発馬五分。1角まではコスられ気味だったが、コーナーワークを利してハナへ。ペースはスローだったが、単騎で折り合いついたし、4角で後続を引き付ける余裕も有った。直線、二の脚使って楽々逃げ切り。道悪走るパラダイスクリーク産駒、微妙に渋化の残る馬場だったのも幸いしている印象。

ハッピーリクエスト

あまり良くなった印象も無いのだが...。前走は妙に行き振り悪かったが、今日は手応え良く、宥めるのに苦労する程。手応え良く、4角大外へブン回したが、どうも伸び切れない。結果的には2着を確保するのがやっとになってしまった。やはりまだ本調子とは言い難い。

アスクコマンダー

毛ヅヤ一息で、華奢。好発切って、アサカディフィートの直後。スローな流れを前で折り合えたのが大きい。ただ、とにかく華奢で、使うと如何にもガタっと来そうなタイプ。デキの維持が今後の課題。

マイネルエスケープ

まだ絞れるとは思うが、大分マシになってきた。ゲートは一息だったが、押して2番手。2角辺りまでは、ちょっと行きたがっていたが、そのあとは折り合いついた。逃げたアサカディフィートに並び掛けた時は良い感じだったのに、ここからが甘い。現状、ここらが精一杯か。

ダークウィザード

例に依って好馬体。落ち着いていた。出遅れて、ポツンと離れた後方。4角もそのままインを突いたが、前が相当楽をしているだけに、捕まえ切れない。

マヤノトライミー

まだ良くなって来ないし、今日はスローで折り合いを欠いていた。

オースミタイカン

今日は良く見えた。4角はハッピーリクエストと同じ位置にいただけに、そこから伸びて来てくれても良い筈だが...。どうも良く分からない。

NHKマイルカップ(GⅠ)

テレグノシス

中間一頓挫が有って皐月賞回避も、これが大正解。マイナス体重でも、前走指摘した非力さもすっかり消え、必要なところに筋肉がついてきた印象。スタートこそ互角だったが、ダッシュつかず後方からの競馬。動こうにも動けず、というのが正直なところだろうが、そのまま直線へ。それにしても、抜け出す時の脚の速さは凄く、次から次へ馬が出てくるこの世代の層の厚さをまざまざと見せ付けた形。そして最後に審議の件だが、あの位置から抜け出してくるには、あれ位強引でないと抜けて来れないだろうし、何より仮柵明けのA1コースで馬群が密集状態。責めを負うべきは勝浦騎手ではなく、やはりそういうコース設定をした主催者側だろう。

アグネスソニック

煩いが、これは何時も通り。スタートで挟まれた様だが、意外にもというべきだろう、注文をつけて最後方からの競馬。サーガノヴェル回避で、大方は1000m通過58秒台の平均ペースを予想していた様に思うが、意外にハイペースになってしまい1000m通過が57.3秒。しかも、4角辺りでガクっとペースが落ちて直線入り口では一団の競馬。全てに展開がこの馬に向いて、それでも2着止まり。良い脚が長く使えない事を改めて証明してしまった印象で、やはり東京コースは不向きと言わざるを得ない。

タニノギムレット

あまり変わらず。ソロソロこの馬の成長神話も止まってきたか。道中は中段も、4角で出すところが無く、そのまま突っ込んだら、坂下でスターエルドラードとタイキリオンに挟まれる不利。圧倒的人気になった以上は外を回ってくるべきで、あの乗り方は酷いと思うのだが、ただメジャーカフェにピタッとマークされていたのも事実。従って、一概には責められないのだが、ここは松田国英調教師が無理を押して出走させた経緯があるだけに、失った代償はあまりに大きくて。

メジャーカフェ

前走も同じことを述べたが、やはりまだ成長途上。タニノギムレットの項で述べた通り、執拗に同馬をマークしていたのだが、4角もタニノギムレットを内へ閉じ込めたのを確認してから追い出す形。追い出してからも、インにササりながらとはいえ、伸びていたのだが、坂上で止まってしまった。加えて前走、手前を替えるのが遅く、その意味から左回り向きだろうと言われていたのだが、今回もインにササっていた通り、左回りでも手前を替えるのが遅い。従って、まだまだ覚えなくてはならない事は沢山有る訳だが、逆に言えばこの時期にこれだけやれるのはそれだけの潜在能力を持っているという裏返しでも有る。

カノヤバトルクロス

トモに良い感じで筋肉もついていて、気配目立った。これも後方からだが、アグネスソニックの直ぐ前で、最後方といって良い位置。ただ、アグネスソニックの項で述べた通り、今日は一瞬の決め手を要求される展開。それだけに、ジワジワ伸びてくるこの馬のには辛い流れだった。

タイキリオン

前走よりは気負い気味。展開向かなかったのも事実だが、気負っていた分、折り合いにスムーズさを欠いた印象も。

京都新聞杯(GⅡ)

ファストタテヤマ

馬体減も馬を大きく見せて好調キープ。例の最後方からでは無く、中段からの競馬。手応え良くなかった所為か、直線も馬群の中へ突っ込んでしまったのだが、直線半ばで外に出してからの一瞬の決め手。この馬、元々平坦向きの印象だったが、今日でその印象をさらに深めた。従って、東京コースには全く適性が無い様に思えるのだが。

キーボランチ

皮膚の薄そうな馬体で、絶好調といえる部類。前走同様に前で流れに乗って、渋太く伸びているのだが、甘いのも確か。今日のところは能力を計りかねている部分も有るのだが、ダービーへは使わず、既に放牧に出したそうで、またその時に再評価を。

マイネルアンブル

毛ヅヤは良かったが、華奢。前走で折り合い付くのは確認出来ているだけに、内々でスムーズに流れに乗れた。ちょっと4角で反応悪かった分、3着止まりだったが、こちらは上位2頭とは違って良い脚が長く使えるタイプなので、坂の有るコースの方が良いかも知れない。

ゼンノカルナック

これも相変わらず非力な印象。前々での競馬。今年の2走は不利も多分に有ったのだが、今日は不利が無い割には案外の内容。ただ、まだ腰に力が付き切ってないので、決め手勝負になるとやや辛い面も有ろう。

ナムラサンクス

サクラチトセオー産駒で、元々そういう馬なのだろうが、ちょっと腹回りがスカッと見せ過ぎている印象。後方からの競馬だが、外から一瞬コレというシーン。これもゼンノカルナック同様に、まだ力が付き切ってない分、止まってしまったが、成長してくれば、また違う競馬が出来るように思える。

エリモマキシム

メンバー中1,2を争う好馬体だったが、メンバー中一番煩かったのもこの馬。後方からだが、外に出すのに苦労して、競馬が終わってから突っ込んできた。前が開いていたらという前提はつくが、そのままインを突いていたら、突き抜けていた様な切れ味。相当に能力高い。

チアズシュタルク

前走時に張りが無いと述べたが、今日はそんな事も無く、今まで見てきた中で一番良く見えた程。レースは鋭さ負けした様な印象で、要するにこの馬には34秒台の脚は使えないという事だろう。当面は上がりが掛かる阪神向きという事か?

シゲルゴッドハンド

下見では落ち着いていたのだが、レースに行くと力んで走ってしまう。

プリンシパルステークス

メガスターダム

今日は比較的大人しい。前から5〜6番手程の好位からの競馬。こういう競馬でも、折り合いは皐月賞から付くようになっているのだが、その割に今日は直線向いた時の反応が妙に悪い上、手前を替えるのが遅く、この段階では圏外。しかし、坂を上がって手前を替えてからが渋太く、二の脚を使って差し切ってしまった。皐月賞時にも述べたが、きさらぎ賞のアクシデントが良い経験になっていて、皐月賞は苦しい位置から差す内容。これまた良い経験が出来た訳で、馬が強かになっている印象なのだが、手前の問題を思うと、あまり左回りは得意とはいえないかも。

マチカネアカツキ

良く見せるのは2歳時のまま。しかもラジオたんぱ杯2歳S同様に下見で気負わないので好感を持っていたのだが、レースになるとそこは休み明け。岡部騎手が1角で意図的に外を回ったりして宥めているのだが、やはり2角辺りまでは持って行かれそうになっていた。ただまあ、2角からは折り合いついたし、相変わらず相手に合わせた様な競馬振り。まだ何か本気で走ってない印象で、強敵相手でものらりくらりと走って2着に来てしまいそうな気も。

モノポライザー

馬体は確実に良くなったが、今日は普段よりもテンション高い。この馬、これまで掛かった事は無い筈だが、今日は確かに掛かり気味。引っ掛かったとはいえ、追ってどうも頼りない。あまり良い脚が長く続くタイプでは無いので、その意味からは東京はこの馬向きではないといえるのだが、今日のパンパンの良馬場で来れないのはかなり不満。従って、今日のところは成長待ちとしか言い様が無い。

サンヴァレー

かなりイレ込む馬だが、前走よりはマシといった感。余程、田中剛騎手と相性が良いのだろう、折り合いが実にスムーズ。まあ、ちょっとスロー過ぎた嫌いも無い訳ではないのだが、少なくとも全能力は出し切れた印象。

グラスステージ

馬体良いが、気合を表に出さないタイプ。こういう気性で折り合いはつくのだが、枠順を素直に利用して、前に行ったのが正解。仮柵明けのA1コースで、インピッタリを回って掲示板に雪崩込んだ。

天皇賞・春(GⅠ)

マンハッタンカフェ

昨年の有馬記念と同じ馬体重、デキも当時と変わらず。好発馬、例に依って折り合いがピタリとついていたのだが、今日は普段と違って前々で立ち回っているだけに、4角で後続を待つ余裕が有った。相変わらず一瞬の瞬発力は史上最強クラスで、スローの長距離戦は無敵の存在。

ジャングルポケット

相変わらず煩いが、大人しいと全く走らない。1周目の坂の下りで引っ掛かっていたが、武豊騎手、これは有る程度織り込み済みだった様に思える。ただ、引っ掛かったのはそこだけで、あとは折り合いついたし、変に折り合いを意識し過ぎて位置取りが悪くなる事も無かった。勝ち馬とは距離適性の差だろうが、珍しく勝負どころでも自在に動けているし、今日は収穫多かっただろう。

ナリタトップロード

今季は毛ヅヤを良く見せているが、例に依って馬場入り入場後に騎乗。4角同じ位置からヨーイドンではやはり分が悪い印象。本当はもっと前で闘いたかった筈だが、マンハッタンカフェの好発で行けなくなったのが痛い。ただ、マンハッタンカフェと内外違っていたら、展開も変わっていたと思えるだけに、この距離にしては珍しく、枠順に泣いたといえるかも知れない。

ボーンキング

イレ込み何時も通り。エリモブライアンに行かせて2番手。本来はもうちょっと良い脚が有る筈だが、道中どうしてもロスが有るだけに、決め手で見劣ってしまう。

サンライズペガサス

この距離を走るには立派過ぎる印象。デキは目立っているのだが。競馬が終わってから突っ込んできたが、どうしてもこの距離では、折り合いに気を取られ過ぎるだけに、位置取りが後ろ過ぎてしまう。

テレビ東京杯 青葉賞(GⅡ)

シンボリクリスエス

流石に評判馬といった馬体。道中は中段のインだったが、馬群が密集して相当揉まれ込んでいたし、多少行きたがっていた。直線向いても中々前が開かなかったが、坂下辺りでバラけてから抜け出す時の脚が速い。終わってみれば、2 1/2馬身差の圧勝だが、東京Cコースでインを突くのは定跡中の定跡。時計も平凡で、相手に恵まれた面も否定し難い。

バンブーユベントス

また馬体減。中段よりやや後方といった位置、外枠でもありジワっと流れに乗った印象。ただ、終始外を回らされたし、4角も大外を通って来た。揉まれなかったのが良かったのかも知れないが、それでも外を回ってここまでやれたのだから地力は有る。

ヤマノブリザード

デキ変わらず。スタートはシンボリクリスエスの方が良く、1角まではシンボリの後ろにいたが、徐々に進出して、2角ではシンボリの前。上手くインで折り合っていたし、ダディーズドリームの進出で先行勢を一掃。願ったり適ったりの展開で、坂下で先頭に立った時には押し切れるかといった感じも有ったのだが、ここからが案外。どうも距離が長い様な印象。

ダディーズドリーム

トモが甘く、相変わらずスタートが悪い。前走同様に向正面から追い上げて行ったが、最後まで良く頑張っている。まあ本来は最初からハナ切るべきなのだろうが、ホットシークレット同様にスタートが悪い先行馬、トモがパンとしてこない現状では中々難しいところ。

アグネスプラネット

中段の外目を追走も、今日は上手く折り合っていた。バンブーユベントスと同じタイミングで仕掛けているのだが、イマイチ伸び切れない内容。現状の能力自体がこんなものか。

ゼヴンスバード

多少引っ掛かっていたし、追い出すとフォームがバラバラ。

オーストラリアレーシングボード賞 オーストラリアトロフィー

タフネススター

マイナス体重も細くはない。今日は珍しく好発馬。ドンジリ強襲がパターンのこの馬としては、何時もより前での競馬。道中は内々を回って、直線だけ外に出したが、それにしても良く伸びた。トモに力強さが出てきて、ゲートがマトモに出られる様になったのも大きいが、京都コースの外回りコースも合っている印象。

アドマイヤカイザー

相変わらずスカッと見せるが、元々休み明けでも走るタイプ。道中外を回らされたが、4角で一旦タメてインを突いたのが好判断。1800mは元々得意で、決め手勝負になってくれたのも幸い。

ダイイチダンヒル

2人曳きも煩い。前々で折り合っていて、定跡通り乗っているが、イブキガバメントが早く来過ぎた分、終い保たなかった印象。意外な程といっては失礼だが、確実に成長していて、良く駆けている。

エイシンスペンサー

元々張りが無いように見えるタイプなのだが、今日は流石に一枚重いだろう。加えて、集中力が無い。同じ前々にいたクチでも、こちらはダイイチダンヒルとは違って、インに潜り込んでいたが、エイシンルバーンとトウカイパルサーに前をカットされてしまった。一瞬の脚が無く、ダラダラ脚を使うタイプなので、こうなるとどうしても甘くなってしまう。

トウカイパルサー

-8kgは全く気にならないし、チャカつくのも毎度のこと。2番手では馬が力んで走ってしまうので、やはり終いが甘くなる。

ダイタクバートラム

毛ヅヤは良いのだが、トモに力強さが無い。昔から平均的に速いラップになると伸びないので、実績が示す通りに、4角でぺースが落ちる阪神の方が向いている。

グランドシンザン

休み明けだが、攻め馬通りキッチリ仕上がっていた。ソコソコ走っているが、決め手の差。

イブキガバメント

今日は明らかに重い。自分から動いていったが、失速。