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競馬回顧 2009年3回京都・2回東京

第4回ヴィクトリアマイル(GⅠ)

ウオッカ

馬体の成長は無いが、間違い無くデキは良かった。デキだけならデビュー以来最高に近い。東京の内枠、何時も通りに好位のイン。ここでも出脚は一番速かった。今日は直線向いた時の手応えが抜群。あとはチギる一方だった。センセーショナルな瞬発力は相変わらずだが、ブラボーデイジーが2着なら、次走牡馬相手でコケる方に賭けるのがギャンブルの常套。

ブラボーデイジー

物見は仕方無し。毛ヅヤ上々。背丈が有るのでもっと増えても良い位。出脚悪くなかったが、無理せず好位から。枠なりにインを回り、ウオッカとは脚の差違い過ぎたが、ジワジワ脚を伸ばして2着を確保。ウオッカは相手にしても仕方が無いのだが、この馬自身時計に対応出来たのが収穫。毎度の話だが、出脚が有るからこういう着が拾える。

ショウナンラノビア

これでも落ち着いている方。毛ヅヤの関係も有るが、もう少し馬体に張りが欲しい。少しゲートで後手踏んだのだが、最内枠で押してハナ。通常ならこの形は直線失速のパターンだが、それでも外から差して来る馬が居らず3着粘り込んだ。この馬自身の頑張りというよりは、それだけ今の東京がイン有利という事なのだろう。東京マイルは中央競馬で一番GⅠを多く施行するプラットフォーム。それがこの有様では...。

ザレマ

暖かくなって毛ヅヤが良化。歩様にも力強さが出て来た。安藤勝己騎手はこれが時々有るのだが、スタートが少し分が悪く中段から。道中かなり行きたがるのを宥めての追走。少し捌くのに手間取りながらインからコトコト伸びてここ迄来たが、それよりも行き振りが良くなった点を今日は評価したい。馬力が出て来た。

ジョリーダンス

2人曳き。馬は良かったが、今日は所作の硬さが目に付いた。出たなりで中段から。序盤行きたがっていた様に見えたが、直ぐにスムーズに。直線ジリジリは来ているが、前有利の展開でここ迄。ウオッカを別にすれば地力上位だが、それ以上の馬でもなくて。

リトルアマポーラ

キビキビ歩けている点に好感。毛ヅヤ良く、良い方のデキ。道中はウオッカと前後する位置。枠順の関係も有るが、もう少し前で競馬したかった。本職の馬とは追っての決め手で差が有る。

第54回京王杯スプリングカップ(GⅡ)

スズカコーズウェイ

少し歩様硬いのは気になったが、馬はバランス取れてかつ雄大な造り。直ぐ外のマヤノツルギに叩かれる格好にはなったが、ハナ迄行ってくれてスムーズに好位から。イン圧倒的有利な馬場状態で、一度としてインに入れる場面は無かった上に、早目に先頭立たされながらそのまま押し切った。新装阪神初っ端の外回りマイル戦を勝った事で有名な馬で、あの時から器用さだけの馬といった印象も有ったのだが、意外に強い内容。日曜日にGⅠで7馬身チギった馬が居たが、あれはメンバーが大概。好勝負も。

トウショウカレッジ

-12kg。前走中京戦が太かった。絞れたと見て良い。好発も、出脚は大した事無く中段のイン。道中は宥めるのに懸命、直線も外へ持ち出そうとして中々出せず、定跡として考えるとスズカコーズウェイの後からでは一手遅い。ただ、基本線として良い脚が長く続かない馬、結果的に一瞬の決め手を最後に残せた感も。スズカコーズウェイとは対照的に乗り難しさが有るのがネック。

ファリダット

これ位落ち着いているなら上等。ただ、馬が迫力不足。今日はゲート五分。その分、道中は中段から。それでもかなり序盤は行きたがっていたが、前に馬が居て一応我慢は利いていた。直線もイチかバチかでインから。一瞬抜け切ったのだが、そこで止まった。これもトウショウカレッジ同様、良い脚が長く続かない。気性面で進歩が無い馬は、鍛錬が疎かになりがちで、それがモロに出た格好。

タマモホットプレイ

+12kg。前走中山戦が減り過ぎ。手先が軽かったのも好印象。ジワッと好位から。ウエスタンダンサーとマイネルファルケを壁にしての競馬。中々前が開かず、少し窮屈な場面も有ったが、この2頭を交わしたところがゴール。近況は途中で競馬を投げていたそうで、久々に真面目に走ったといったところだろうが、それでもこの馬がここ迄走るというのは如何にこの路線のレベルが低いか。そこは避けて通れないだろう。

タケミカヅチ

2人曳き。シープスキンノーズバンド。馬を大きく見せる様になって本格化。スタート直後に躓いて後方から。直線も、外へ内へと右往左往。こういう場面は乗り役の性格が出るところ。タマモホットプレイに先着されたのは大概だが、一応言い訳は有る。次走狙い目に。

スマイルジャック

2人曳き。今日は落ち着いていた。毛ヅヤの良さも変わらず。出脚有る筈だが、折り合いに専念して中段やや後方。ただ、3角で例の不利が有った訳だが、それでも直線はそれなりに伸びていた。ここなら差の無い馬。

リザーブカード

-6kg。メリハリの付いた馬体。毛ヅヤも良かった。出遅れて後方。これは仕方が無いが、直線向いて行き場を無くす場面。2走続けての不利は馬に運が無さ過ぎる。力は有るが...。

第14回NHKマイルカップ(GⅠ)

ジョーカプチーノ

前々走中京戦に有ったトモの張りが戻っていた。小じんまりとした馬で目立たないが、デキは悪くない。出脚良く、ゲットフルマークスに行かせての離れた2番手。このパターンは、後続の目標にされ易く、馬が前を追い掛けてしまいがちになるという2点で厳しいケースが多いのだが、今日はこの2点がクリア。前者はともかく、後者が無かったのはこの馬の完成度の高さだろう。今年の3歳牡馬は完成度の低い馬が兎に角多い。GⅠは死角の少なさが最後にモノを言う。

レッドスパーダ

+2kg。少しでも増えたのは良い傾向だが、如何せん馬が未完成。前後のバランスが悪い。毛ヅヤが良いのでデキは良い筈だが。ゲートは一番速かった位だが、控えて好位から。直線、後続を相手と見て追い出しを待っていた位だったが、今日はこれが裏目。前とは2馬身差が有った。前走中山戦から能力の絶対値に疑問も、競馬は上手い。

グランプリエンゼル

仕草に堪えが利いていた。馬が小さいので目立たないが、デキは抜群。離れた3番手かも、出脚はこれが一番速かった位。直線レッドスパーダとの併せ馬からラスト200mで脱落したが、ギリギリ3着は確保。まあ、相変わらず矢鱈に手前が替わるのだが、今日は真っ直ぐ走っていた点を評価。左回りの方が向いているのだろう。このレースの3着馬は後にスプリンターとして大成するとの説が有るそうだが、この馬も可能性は有る。

マイネルエルフ

2人曳き。テンション高いのは皆同じ。少し縦長気味の馬だが、デキはまあまあ。出脚は有る馬で、ジワッと好位。ただ、揉まれた影響も有るが、序盤少し掛かり気味。直線伸びているが、ジワジワになっていた。相変わらず決め手で甘い。

フォフスペトル

2人曳き。デキは間違い無くNo.1。もう少し落ち着いて欲しい気もしたがマイルなら。好発。前走中山戦は控える策だったが、マイルで自信持って好位の外。上位馬が前に居た、つまり外を回っていない分は有るのだが、もう少し伸びて欲しかった。直線の長い東京でどうかと思ったが、不安が的中した格好。

ワンカラット

少しチャカついていたが許容範囲。バランスの取れた造りで、トモの造りも中々。出遅れて後方から。最内伝った分は有るが、終いは一番伸びていた。この馬の場合はフィフスペトルと違って、前でも脚が使える馬。好位なら2,3着は有っただろう。惜しい内容と同時に、今年の3歳世代は牡馬の層が薄いのが露呈。

アイアンルック

2人曳き。トモの張りは目立ったが、レッドスパーダ同様に前駆が弱い。前走阪神戦から1ヶ月半。間に合わなかった印象。道中は中段やや後方。ただ、4角からサンカルロに寄られ、直線入口で立ち上がる場面。それでも最後100mの脚に素質の片鱗は見せた。今春は無理でもGⅠは見えた。

ブレイクランアウト

2人曳き。シープスキンノーズバンド。中間、攻め本数が明らかに足りないのだが、それでこの造りでは駄目。馬が細い。前走と違い、道中は中段やや後方も、折り合いは付いていた。それで居て直線は全く伸びず。その前走時に述べた様に能力面に疑問の余地が有る馬だが、それにしても伸び無さ過ぎ。今後へ向けてという点ではともかく、この時期の結果だけを言えば使った馬の方が圧倒的に有利。

ゲットフルマークス

馬は抜群だが、発汗イレ込みが未だ治まらず。ゲート自体は然程速くなかったが、出脚でハナ。1000m通過57.2秒は流石にオーバーペースだが、それでも暴走という程ではなかった。直線失速は止むを得ぬととしても、この位の距離の方が自分の競馬が出来る。あとは経験。

第57回京都新聞杯(GⅡ)

ベストメンバー

相変わらずトモは薄いのだが、大分歩様がしっかりして来た。出脚は甘い馬だが、少し出して好位直後。折り合って、スパッと切れた感じでは無かったが、前のロードロックスターを捉えて、後続を凌ぎ切った。必勝体制の早目策で勝ち切った辺り、ここでは力が違ったという話になるのだが、一方で新興勢力がダラしないといった印象も。レースレベルは先週の東京戦の方が上だろう。

デルフォイ

まだ仕上がり切っていない印象だが、歩様に力強さ。素質は高い。出脚悪くなさそうだが、無理せず中段から。少し行きたがるのを宥めての追走、4角でも手応え充分だったが、追っての渋太さで相手が一枚上だった。事実上、ダービー出走が不可能になったが、まだ成長途上の身。馬にとっては良かったのだろう。

ロードロックスター

-8kg。前走阪神戦はもっと良く見せていた。数字通り、中身が無くなった印象。出脚利かせてハナ。道中スローに落として単騎で行けたが、今日はベストメンバーと同馬主トランセンドに良い仕事をされた。直線良く粘っているが、今日のデキで4角手前で来られると流石に堪え切れない。力は通用。立て直せば重賞でも。

メイショウドンタク

身長が高い。毛ヅヤは良かったが、それ故まだ華奢。歩様にも力が無い。510kg位の馬だろう。好位の外に居たが、坂の下りで手応えが怪しくなり、直線は雪崩込んだだけ。坂のアップダウンが駄目なのは体質が弱い証拠。現状は見た目通りの馬。

リクエストソング

歩様が硬い。気配も地味。道中は中段。デルフォイと前後する位置だったが、そこからが無かった。力量不足。

第31回新潟大賞典(GⅢ)

シンゲン

2人曳き。シープスキンノーズバンド。デキは間違い無くコレ。まず馬振りが最上位。チャカついていたが、皮膚の薄さも印象的。道中は中段の内目。折り合い付けて手応え充分。直線、前の進路だけ確保して追い出したのはラスト400m。昨年暮れの中京戦から56kgは見込まれた感有ったのだが、今日はそれ以上に強かった。完勝。祖母ニフティニースは新潟で91年関屋記念の覇者だが、トビが大きくこの馬も広いコース向き。秋の東京戦で強敵相手に一発食らわす場面も。

ニホンピロレガーロ

シープスキンノーズバンド。テンション高い。毛ヅヤは良かったが、張りが無い様に映った。その気になれば行ける馬だが、最近は待機策。中段やや後方。直線外へ持ち出し、ハイアーゲームを挟んでオースミグラスワンに寄られるシーンも有ったが、それでも渋太く伸びて来た。馬装通り天井向いている様な走法だが、余程スタミナが有るのだろう。走法が少しでもマトモになれば重賞勝てる筈。

オペラブラーボ

シープスキンノーズバンド。馬格が無いのでそれなり感は有るが、キビキビした歩様に好感。これも中段やや後方。ただ、枠順の分、外回される格好になったのと上位2頭との比較で幾分早仕掛け。最後は甘くなったが、休み明け思えば良く走っている。ただ、以前に述べた様に右手前の脚が強い馬。今日でも左手前になってからが甘い。次走中京と東京で両睨みだそうだが、中京なら危険。

アドマイヤフジ

前走阪神戦と変わらず。まあまあレベル。好位のイン。何時もの競馬だが、重過ぎる斤量,長過ぎる直線,速過ぎる時計の三重苦の中では良く頑張っている。ここらでは格が違う印象。ただ、次走東京戦も、上記の三重苦がそのまま襲い掛かって来るプラットフォーム。過信は禁物。

アーネストリー

下見は落ち着いていた。毛ヅヤが冴えて、馬体に張り。好位で手応え充分に流れに乗ったが、追い出して案外。ただ、一旦は7番手位に落ちながら最後100mで再び盛り返しての5着。とどのつまりは速い脚が無いだけ。これは東京で狙い目。

オースミグラスワン

2人曳き。前走阪神戦よりはマシだが、まだ手先だけの歩様。馬もまだ緩い。例に依って後方。他馬にとっては早仕掛けでも、エンジンの掛かりの遅いこの馬の場合は直線向いて直ぐ追い出して丁度という事になるのだが、最近この辺りの反応が速くなった反面、止まるのも早くなったのは前走阪神戦で述べた通り。ヨレて降着になったが、サラブレッドの適性は3年で変わる。

第139回天皇賞・春(GⅠ)

マイネツキッツ

-8kg。歩様に力強さが出て来たのは好感。ただ、強調出来る程デキが良い様には見えなかったが。出たなりで道中は中段のイン。前が入れ替わり立ち替わりで、真ん中が落ちないラップになったが、我関せずでインで脚を矯められた。2周目3角手前から好位に進出、アルナスラインが相手をアサクサキングスと決め付けての競馬で、内がノーマークになったのも向いた。全てが上手く行ったが、何度か述べている様に広いコース向きの馬。ズブさが京都のこの距離で合った。関東馬は高速道路の渋滞で苦しいという論調が戦前有ったのだが、栗東滞在も良かったのだろう。

アルナスライン

-4kg。オーストラリアンブリンカー外す。絶好調とは思わないが、張りが出てかなり上向いていたのも確か。少しゲートが悪かったが、出して中段。この距離にしては流れた競馬で、各馬折り合い付いていたが、この馬は序盤だけ多少掛かり気味。ただ今日はそれよりも相手をアサクサキングスと決めたのが裏目。慌ててマイネルキッツに併せて行ったが、時既に遅し。教科書通りに乗って、一番強い競馬はしているが、この馬そういうパターンが多いのも確か。落鉄という言い訳も出て来たが、以前に述べた様に何かが足らないのは間違い無い。

ドリームジャーニー

今季は初っ端の中山戦が悪かった以外はずっと好調。今日も馬が張っていた。1馬身出遅れ。ただ、出脚でカバーして中段やや後方。2周目3角で少し動かしてアルナスラインを射程圏に。外から良く伸びているが、最後脚色一緒になったのは距離だろう。良く走っている方。

サンライズマックス

2人曳き。-10kg。多少煩いが、中距離なら気配絶好。皮膚を薄く見せ、叩き一変。折り合って中段のイン。道中はマイネルキッツの直ぐ前に居たが、そのマイネルキッツが早目に動いた時に一緒に動けず競馬が後手に。直線はそれなりに伸びていたが、距離に自信が無いだけにあのタイミングで動いていたら直線は歩いていた筈。これも悪くない内容。

ジャガーメイル

+8kg。今季初っ端という事を思えば上等。馬を大きく見せないのも何時も通り。ゲート出たが、イチかバチかの待機策。上手く立ち回って馬場のど真ん中でドリームジャーニーとの併せ馬になったが、そのドリームジャーニーに伸び負け。関東馬だが、マイネツキッツと違って美浦からの輸送、休み明け初っ端でこの距離、敗因はその辺りという事になるのだろう。

アサクサキングス

2人曳き。-6kg。まだ太いだろうが、毛ヅヤは良化。道中は中段。何時ものパターンで坂の下りを利して、4角先頭。自分の競馬はしているが、そこからがサッパリだった。ただ、マクる馬をGⅠで買ってはいけないのは毎回述べている通り。この馬自身も過去最速の上がり3Fがデビュー戦の34.2。とどのつまりは決め手が無い。

スクリーンヒーロー

2人曳き。シープスキンノーズバンド。前走阪神戦と変わらず。悪くは無かった。出脚で前ヅケに出て好位の内。馬鹿正直に競馬してハイペースに巻き込まれた感は有るのだが、それにしても止まり過ぎ。距離が長い?

第16回テレビ東京杯青葉賞(JpnⅡ)

アプレザンレーヴ

細身に映る辺りはまだ成長途上という事なのだろうが、デキ自体は上向き。今日はゲート五分。少し出して中段から。ずっと外回される格好になり、坂で競馬を投げそうになっていたが、手前を替えて本気出してからが速い。馬が完成していないが故の遊びだろうが、逆に言えばそれだけ性能が高く、次走も圏内。ただ、この未完成の状態で本気で走らされると成長が止まり易い。真っ直ぐ走らないところがハイアーゲームを彷彿とさせるのだが...。

マッハヴェロシティ

+8kg。トモに張りが出て、見た目通りに歩様がしっかり。一息入れて正解だったか。2歳時はゲートが悪かったが、今年に入ってからは互角に出る様になっていて、今日も普通に出て好位のイン。この馬にしては珍しく不利の無い競馬が出来た。四肢を一杯に伸ばす走法、一瞬の決め手というタイプではないので、広い東京そして距離延長がプラスに出たのは間違い無いだろう。今日は勝たないと値打ちの無い競馬だが、取り敢えず汚名は濯いだ。

トップカミング

非力な歩様だが、これでもかなりマシになっている。気配も上々。距離を意識して中段やや後方。丁度目の前に居たアプレザンレーヴをマーク。直線向いて一瞬の反応が良く、一旦はアプレザンレーヴの前に出ているのだが、そこからがフラフラ。時々一瞬の反応が悪くなったり、まだ全能力を競馬に使えていない。まだ馬が若い。

ピサノカルティエ

-10kg。歩様が硬く、馬体も淋しく映った。初めてゲートがマトモに出て中段やや後方から。有る程度内に入れての道中だったが、直線行き場が無くアプレザンレーヴとトップカミングの外へ持ち出して競馬が後手に回ってしまった。そのトップカミングもヨレていたが、こちらも内へかなりモタれて、何回も手前が替わっていた。これも馬が若いという事になるのだが、今日は馬体減で余計に苦しかっただろう。マトモならこの相手でも通用。

イネオレオ

バランスの取れた馬体。皮膚を薄く見せているのが良い。歩様も力強い。ゲート少し分が悪く、後方のイン。道中少し行きたがる場面も有ったが、直線最内伝って一瞬は勝ったかの場面もそこで止まってしまった。器用さは有るが、良い脚が長く続かない。

第44回サンケイスポーツ賞フローラステークス(JpnⅡ)

ディアジーナ

スクウェアに見せる馬だが、牝馬にしてこの重量感は特筆出来る。毛ヅヤも上々。この枠だが、出脚が速くスッと好位。前走中山戦とは違い、東京なら出脚比べにならなかった分、折り合いもスムーズ。今日はこの段階でほぼ勝ちが確定。あとは如何に楽に勝つかだが、直線追い出しを待つ余裕も有った。追い出して直ぐハナへ立ってしまい、瞬間に手前が替わって遊んでいたが、それでも後続との差が開いたのは地力が違い過ぎるからだろう。文句無い内容。東京で重賞2勝、そしてこの出脚。折り合い面も序盤無理しなければ問題無い事が分かったのも収穫。

ワイドサファイア

2人曳き。一時見られたギスギス感が解消。落ち着いていて、トモに丸み。出脚で勝負する馬ではないが、ディアジーナに叩かれて中段から。昨秋は苦しかった面も有ったが、今年に入ってからは道中折り合いが付く様になっている。ただ、見せ場は直線向いてディアジーナに並び掛ける場面迄。そこからは力量差を感じさせた。前述した遠回りがここに来て差となって出て来ている。次走は東京戦出走だろうが、これは正直期待薄。鍛え直して秋に改めて。

ハシッテホシーノ

攻め強化して馬体減。少し細く見せるが、メイチの仕上げという事。出脚鈍かったが、ディアジーナが内を叩いて行ってその隙に出して好位直後。折り合いが付くからこれが出来るのだが、追っても少し反応の鈍さが有る。遊んで外にモタれたディアジーナと外から来たワイドサファイアとの間で一瞬逡巡する場面が有ったが、この馬自身に一瞬の脚が無かった故の産物。相手なりに走る面は有るが、決め手に疑問。しかも今日はテレビ的に何が何でも3着は確保せねばならない競馬。それがこの仕上げに繋がっている嫌いが有り、本番で苦しい面が出なければ良いが...。

アイアムネオ

2人曳き。+6kg。馬体回復は良い傾向。寸詰まり気味だが、手先に柔らかさが有り、気配も上々。今日はゲート五分。枠の利で好位のイン。前走中山戦は道悪でサッパリだったが、スムーズに流れに乗ってあとちょっとの位置迄は来た。良馬場ならソコソコの馬。これも割と器用さが有る。

エオリアンハープ

-10kg。流石に細い。毛ヅヤも一息。例に依って出遅れて、最後方から。策も毎回同じで大外ブン回し。それなりに伸びている。ただ、今日は強い馬が好位で競馬しているだけで、ソコソコ流れたのも確か。自己条件で人気になる様だと嫌ってみる手も。

ミクロコスモス

馬体フックラ。前走阪神戦よりは良さそう。ただ、今日でもトモが流れ気味。また出遅れ。後方で頭を上げて全く競馬にならず。競馬に進歩が無い。ただ、唯一の救いが有るとすればデビュー当時より馬体が増えている点。鍛え直せる土台は有るので、秋に改めて。

第14回アンタレスステークス(GⅢ)

ウォータクティクス

歩様硬いのは何時もの事。ただ、馬はここへ入ると並。出脚の違いでハナ。1000m通過59.8秒は見掛け上ハイペースだが、この日は500万でも1分50秒を切る時計。オープンなら決して速くない流れ。これを単騎で有る程度折り合って行けたのだから4角でほぼ勝負有り。他の有力馬が時計勝負で宜しくないクチだったのも大きいが、戦前述べた様にこういう馬場は合う。逆に言えば時計の掛かる馬場では厳しい面も有ろう。次走中京戦だそうだが、取り敢えずここは馬場次第になりそう。ただこの馬、ソエで歩様が硬いという話。これが直って更に奥行きが有るなら10年に一度の馬という可能性も。

ワンダースピード

悪くは無いが、少し緩い様にも映った。出脚速いタイプでは無いが、ウォータクティクスの先行に乗って好位。ただ、これだけの高速馬場だと、道中の追走は楽ではない。斤量背負っているだけに尚更だろう。最後は2着を確保するのがやっとだった。今日はこの時計で走った相手を褒めるしかない一戦。これも次走中京戦だが、良馬場なら当然逆転へ。

ボランタス

今日はドッシリ見せる。前走中山戦はスカッと見せて褒めたが、これはこれで良い仕上がり。バネの利いた歩様も変わらず。出脚はイマイチ鈍いのだが、ダイショウジェットが好発切って先行、これに乗って中段から。4角馬群が切れて、その隙に外へ持ち出し、ジワジワ伸びてあとちょっとだったが...。戦前は時計が無いのでどうかと思ったのだが、前走中山で先着されたダイショウジェットよりは少なくとも適性が有りそう。ただ、近年のダートは高齢馬が幅を利かす現状。逆に言えば賞金が無いと出走すら叶わぬ場面も多数。このハナ差が後々響かねば良いが。

マコトスパルビエロ

少しでも増えたのは好材料。中身が戻って来た。毛ヅヤ良化して、皮膚を薄く見せる様に。スタート直後に躓いたが、押して2番手。このロスは少なからず有った筈だが、その割に4角中々の手応え。一瞬オッと思わせたのだが、やはりそこからは苦しくなった。周知の通り、重賞では少し足らない面の有る馬で、今日も取り敢えず賞金銜えて来たので馬主としては充分という事にはなるのだが、今日を含めて2戦連続ゲートを失敗したのが気掛かり。特に先行馬だけに一つ間違うと前走中山戦の様にサッパリのシーンも。

ダイショウジェット

+8kg。恐らくはデキが良過ぎて太い状態。皮膚を薄く見せていた点に好感。好発。ウォータクティクスには出脚でやられたが、無理せず好位から。競馬としては最高の立ち回りだった筈だが、伸び切れなかった。要は時計が速過ぎたという事になるのだが、最低限前走中山で負かしたボランタスには先着したかったところ。太目も祟ったか。

アロンダイト

多少太いがそれでも張りが有る。漸く良いと言える状態に。内枠の馬に先行されて位置取り悪くなかったが、良い時の出脚が戻って来た。3角過ぎから1頭だけ敢然と前を追い掛けてここ迄。良馬場なら。

メイショウトウコン

何度も述べている様に重量感が来て本格化。歩様もスムーズ。出遅れて後方から。今日はマクる場面も無かったが、レース後鼻出血が判明。参考外。