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競馬回顧 2014年4回阪神

グローバルスプリントチャレンジ第8戦 第48回スプリンターズステークス(GⅠ)

スノードラゴン

2人曳き。シープスキンノーズバンド。前肢にバンテージ。歩様はこんなモノ。春と比べて特別良くなった印象もない。この馬にしてはゲートも出ている方で、中段やや後方。今日は3〜4角中間から上がって行く脚が速かった。手前を替えるのは下手糞だが、馬場の良い外をずっと回ってこの馬らしい伸び。この馬自身、春も8枠 (17番枠) での好走だったが、父アドマイヤコジーンが安田記念を制した際も大外18番枠。こういうのは偶然ではない。スプリント戦では流石に人気になるだろうが、今日の時計と10Rの1000m戦で8枠3頭での決着だったことを考えると嫌ってこそ妙味。マイル戦の8枠で出て来た時が馬券上の狙い目に。

ストレイトガール

2人曳き。+10kg。馬体増はそのままパワーアップ分。何時もは毛ヅヤが怪しい馬が、今日はその点も良かった。出たなりでジワッと中段。内外前に馬が居て、ちょっと下を気にしながらの追走。その影響も有るのか、少し4角で置かれているのだが、直線は挫けずに伸びて来た。広い新潟だけに、不利なく捌いているのも確かながら、今日の馬場で内から差して来たのは評価出来る。半馬身差だが、勝負に負けただけで、比べ馬では勝っている。あとは運の問題。

レッドオーヴァル

前後肢にバンテージ。しっかり踏めていれば力は出せる馬。外からジワッと中段、外から被されることもなく、馬場の良いところを選んで回って来れた。直線もそのまま回って来たらコースロスとトラックバイアスが造る連立方程式の交点的進路。重賞勝ちもないだけに、これで大健闘だが、最高の競馬をしているだけにこの3着は評価が下がる。GⅠで勝ち負け持ち込むにはもうひと成長欲しいところ。

グランプリボス

2人曳き。+14kg。馬体の雰囲気だけなら前走東京戦よりは良いが、今日は歩様がダメ。今日は妙に積極的に乗られて好位。スプリントだと多少追走に戸惑うかと思われたが、意外な程行けた。直線伸びなかったが、スプリントならこれが現状の実力だろう。今春にも述べたが、あれだけの道悪で好走したのはスピードがなくなっている証拠。

ベルカント

2人曳き。テンション高いが、この馬にしてはむしろマシな方。筋肉も浮いて今年一番のデキ。斤量利も大きいのか、ハナへも行ける出脚だったが、控えて3番手。ハクサンムーンとは違い、この馬はこれで良いが、最後甘くなったのは馬場状態だろう。内から早目先頭に立たされながらも、ゴール寸前迄粘っていた。中山ならほぼ勝っていたで有ろう好内容。来年は何とかなりそう。

コパノリチャード

2人曳き。前後肢にバンテージ。ぶっつけだが、まあまあ。完璧ではないにしても、減点材料はない。出遅れ、しかもスタート直後に躓いて1馬身不利。この馬は後方からでは何も出来ないタイプ。道中は嫌々走っており、スタートで全てが決まった。ただ、毎回述べている様に、この馬はダイタクヘリオスの生まれ変わり。この手の凡走は有る程度織り込み済。

ハクサンムーン

2人曳き。絞れて前走阪神戦以上。絶好調時と比べても遜色はない。一完歩目が怪しいのは何時ものことで、充分ハナへ行けるだけの出脚は有った筈だが、内からダッシャーゴーゴーに譲って2番手。直線も少し内へモタれていたのを無理矢理外へ持ち出そうとしていたが、これでは伸びない。この手の馬は如何にラチを頼らせるかがポイントで、今日の馬場ではどうしようもなかったのかも知れないが、2番手では自分の力が出し切れず悔いが残る。

第18回シリウスステークス(GⅢ)

クリノスターオー

2人曳き。前後肢にバンテージ。下見は最後方を周回。青毛で馬は見栄えがする。ダートならもっとドッシリと見せても良いが。好発もサトノプリンシパルに行かせて2番手。コーナーでの手応えが怪しくなる馬ではない筈だが、4角で完全に叩かれる形となりながらも、直線で盛り返して最後は3/4馬身差。完勝だった。ただ、基本的には1頭になるとフワッとする面は有り、阪神2000mで淡々とした流れがむしろ悪かったかも。それがナムラビクターのマクりで勝負根性に火が付いたと考える以外に説明が付かない。何れにしても馬は強いということにはなるのだが。

ナムラビクター

シープスキンノーズバンド。-16kg。これ位でも走った実績の有る馬。スカッと見せて、細い印象はない。芝で出脚が付かなかったが、何とかネジ込んで中段。多少行きたがったが、止むを得ぬところだろう。それでも早目にマクる形を造り、クリノスターオーも含めて前は完全に潰しているのだが、差し返されて2着に。序盤のロスが多少響いた感も有るとはいえ、自分の形に持ち込んでの結果には、ちょっと情けなさも残った。ハンデも0.5kg差なら言い訳なしで、相手の強さを称える外なさそう。

トウシンイーグル

前後肢にバンテージ。数字はないが、低重心。歩様もパワフル。先行争いには参加せず、最初から内へ潜りに行って結果的に中段。直線だけ上手く外へ持ち出すと、下見通り、重心の低い走りで伸びて来た。結果的に佐藤哲三騎手を引退に追い込んだ曰く付きの馬になってしまったが、差し一手ながらも重賞でもメドが立つ内容。広いコースなら常に馬券に絡めたい馬。

サトノプリンシパル

2人曳き。遮眼革。胴長だが、迫力有る馬体。戦前の想定通りハナへ。阪神2000mなら外枠でも楽に行ける。1000m通貨63.2秒は想定通りとはいえ、かなり遅いペース。それを1馬身程の離しての単騎で行けた上に、ハンデ55kg。これで粘れなかったのだから弁護の余地がない。もう少し流れた方が向いている可能性もない訳ではないのだが、重賞では力が足りないと見るのが妥当。

ケイアイレオーネ

遮眼革。前後肢にバンテージ。560kgの馬だが、妙に馬が軽い。歩様は力強いが。ゲートも悪かったが、行く気もなく最後方から。勿論、ノビノビと走って自分の力は出し切っているだろうが、このペースでは当然前が残ってしまう。今日はこれでも良く頑張っている方。最後方から行く騎乗が悪いといえばそれ迄だが、枠順の影響は有るところ。この手の馬は外枠の方が向く。

ソロル

+8kg。馬体は多少緩い程度だったが、一応は及第点。それよりもチャカついていたのがマイナス。出たなりで好位直後。下見の気配を考えると折り合いも付いて、流れに乗れていたが、追ってサッパリ。阪神の方が確率が低いのは確かだが、それにしても負け過ぎ。デキの問題?

第60回産経賞オールカマー(GⅡ)

マイネルラクリマ

2人曳き。近走は高値安定。何時もより多少気合が乗っていた程度。ハナ宣言のカレンブラックヒルが逃げて、ジワッと2番手。最近はこの距離でも折り合いは付く様になっている。カレンブラックヒルも弱い馬ではないが、イメージとしては相手は外。直線は馬場の良い外へ少し持ち出し、後続の追撃を振り切った。戦前は距離が課題だったが、内回りにも関わらず淡々とした展開となり、何とかなったというところ。GⅠで勝ち負けの馬ではないにしても、マイネルの稼ぎ頭として息が長い。

ラキシス

前後肢にバンテージ。+8kg。緩んだところなく、ディープインパクト産駒らしい皮膚の薄い馬体。好位のインへ潜り、序盤だけは怪しかったが、折り合いも付いていた。コース利は大きいものの、内はそれなりに悪く、渋太く脚を使っている。相手はローカル重賞レベルだったが、牝馬でこれだけやれれば充分だろう。2200mで異様に強いのを改めて証明。本番も楽しみに。

クリールカイザー

下見だけパシュファイヤー。レースでオーストラリアンブリンカー。前肢にバンテージ。+6kg。叩いて順当に良化。行こうと思えばハナへも行ける馬だが、今日は控えて後方待機。恐らく戦前からの作戦だったか。4角の縦位置でマイネルラクリマの直後にラキシス、この馬はその後ろで上手く進路が出来た。ただ、雰囲気としてはマイネルラクリマの方が底力は有りそう。

フラガラッハ

前後肢にバンテージ。最近の中では一番良いかも。毛ヅヤと歩様の勢いが良かった。最近はゲートで大出遅れすることもなくなったが、それでも1馬身程分が悪く、例に依って後方から。 3角過ぎから外へ持ち出し、大外から良い脚を使っているが、一瞬突き抜けそうな脚勢にも関わらず最後が甘くなってしまった。悪くいえば良い脚が長く続かないということになるのだが、前崩れの展開ではなかっただけに、距離も考慮すれば今日は相当頑張っている。あまり直線が長過ぎるコースも不向きなのかも。

アロマティコ

変わらずまずまず。キビキビした歩様。外枠でゲートをソロッとだし、最初から内へ潜る策。勿論、あまり最内に拘ると馬場が悪過ぎるのだが、位置取りは気にせず、良いところを選びつつ、コースロスを出来る限り少なくする方向で乗られていた。直線は暫く前が開かなかったが、脚でコジ開けて伸びて来た。仕掛けがワンテンポ遅れているのは間違いなく、今日のパフォーマンスとしてはラキシスとも同様の評価が出来る。

第62回神戸新聞杯(GⅡ)

ワンアンドオンリー

-4kg。歩様の力強さは有る。ただ、馬体はトライアルを考えると仕上がり過ぎ。ゲートは五分だが、下げて後方から。折り合いというよりはむしろズブい位の馬だが、今日もジックリ行かせて、3角過ぎからマクり一気。坂下でサトノアラジンを掴まえで、その後一瞬サウンズオブアースに出られているのだが、勝負根性で抜かせず凌ぎ切った。着差以上の底力を見せた一方で、坂を上がって右手前になっており、苦しかったのも確かだろう。馬体減も有り、評価に迷うところ。ただ、古くはダイナガリバー、ウイニングチケット、最近ではアグネスフライトやロジユニヴァース等、5年に1回程、関係者にダービーを取らせるだけの馬が現れるが、今日の内容でそれを払拭出来たのは良かったか。

サウンズオブアース

2人曳き。シープスキンノーズバンド。-6kg。ワンアンドオンリーを含め、迫力のない馬が妙に多かったが、このメンバーではマシな方。春よりはかなり良くなっているが、もう少ししっかり踏めれば文句なし。出たなりでジワッと中段。道中はずっとワンアンドオンリーの左前に居たが、ワンアンドオンリーがマクりに来た際に、一旦行かせて外から追い出す形。直線に向いた段階では内外離れていたが、横山典弘騎手も上手いところで相手がこちらだと気付き、併せ馬に持ち込まれたのが痛かった。一瞬前に出ているものの、相手の根性に屈した格好。後述するトーホウジャッカルやヴォルシェーブは別にして、春にGⅠ路線で闘っていた中では一番成長力を感じさせる内容だった。

トーホウジャッカル

まだ少し線が細い。テイエムオペラオーの3歳時の様な馬体。押してもあまり進んで行かなかったが、枠の利で何とか中段のイン。2000m迄の馬で折り合いがポイントだったが、問題はなかった。4角で眼前がゴチャついたところも、上手く捌いて外へ持ち出したが、直線でワンアンドオンリーとサウンズオブアースの間を狙ったところ、ここが塞がってしまい、外へ立て直すロスが有った。着差が着差だけに痛恨だったか。次走は狙い目。内枠引けるならアタマから買ってみたい。仮に駄目でも来年迄追い掛ける価値は有りそう。

サトノアラジン

均整の取れた馬体だが、これも520kgのスケール感ではない。出たなりでジワッと先行。ちょっと行きたがっていた。春にもこの条件で走っており、シャンパーニュに逃げ切られたが、この距離だとそういう面は有りそう。スムーズには立ち回っているものの、ワンアンドオンリーの目標にされ、迎え撃つだけの余力が残っていなかった。展開も厳しかったが、距離も少し長い。

ヴォルシェーブ

2人曳き。ここへ入れば馬は最上位。行こうと思えば行ける出脚は有る馬だが、次走を考えてワンアンドオンリーをマーク。4角付いて行く迄は問題なかったが、追って案外。止まってはいないのだが...。マトモならもっと走って良い馬だが、時々トボけた面が有る。

ハギノハイブリッド

2人曳き。前後肢にバンテージ。馬は出来ていたが、この厩舎独特の迫力はない。好発も、控えて中段やや後方から。4角で外へ出すタイミングがなく、インを突く形。捌いて来ているが、馬場が少し悪いのと、前3頭で併せ馬になってしまっており、届く気配ではなかった。次走勝ち負けとなるとどうかだが、悲観する程でもない。

トーセンスターダム

春と変わらず。歩様は伸びているが、馬体の成長がない。前走東京戦と違い、出遅れて今日は後方待機。これはこれで良いが、4角で少し置かれる様な場面。直線は再び伸びているが。少なくとも能力を出し切っての敗戦ではない。前走の精神的ダメージが有るかも。

第68回朝日杯セントライト記念(GⅡ)

イスラボニータ

+6kg。ほぼ出来ていた。テンションのは相変わらず。出たなりで好位から。スタートして直ぐ外へ持ち出そうとしていた為、内にモタれていた様にも見えたが、折り合い自体は付いていた。追ってから、全身を目一杯伸ばして走る姿は春以上に良くなっている。楽勝だった。東京と京都で現在両睨みだが、京都よりは東京の方が確率は高そう。

トゥザワールド

春とほぼ変わらぬ状態。この血統にしては元々完成度が高い。外からジワッと好位。頭が高くて多少掛かっている様に見えるのは何時ものこと。イスラボニータに対して、ワンテンポ早く仕掛ける策も予定通りだっただろうが、この血統は良い脚が長く続かず、このパターンでは何かにやられてしまう。それでも2着確保したのは地力の証明。前走でも述べた様に、東京には縁がないが、京都は悪くない。

タガノグランパ

少し馬が緩いが、休み明けだけにこれはこれ。これも出たなりで中段の外。色々な距離を使われているが、どの距離でも何とか折り合ってくれるのはこの馬の長所。向正面で馬群へ潜って、4角でイスラボニータの真後ろ。上手く乗れたが、直線は手応え以上に渋太く伸びている。ただ、本当に価値が出るのはトゥザワールドを掴まえてから。底力の差が出たともいえる。

ステファノス

前肢にバンテージ。メリハリの利いた馬体。足取りも確か。初距離で折り合い重視でジックリと後方から。ただ、3〜4角で手応えが異様に悪く、完全に置かれていたが、直線で馬群を捌きながら盛り返してここ迄。乗り役に言わせると馬場を気にしたとのことだが、パワー面での課題は残るものの、取り敢えず距離に目途が立ったのは収穫か。

ラングレー

+8kg。多少成長した程度。基本的には馬が若い。ゲートは五分に出ているが、出脚が案外で何とか中段。ステファノスの手応えからこの馬も最内枠の影響が多少有ったのだろうが、それよりも追ってから内にモタれていた。レースにも若さが残る。

第32回関西テレビ放送賞ローズステークス(GⅡ)

ヌーヴォデコルト

前肢にバンテージ。-6kg。これでも走れる状態だろうが、数字通りギリギリなのも確か。少し押し気味に内枠の馬だけ叩いて好位。出している分、少し行きたがっていたが、許容範囲だろう。道中はずっとインに居て、坂下でリラヴァティを捕えると、あとは影を踏ませず完勝だった。競馬が上手過ぎて能力判定不能だが、それよりも馬体減が一番の気掛かり。

タガノエトワール

目立つ馬ではないが、歩様も悪くなく、特に減点材料はない。ゲートが悪いのは何時ものことだが、今日は半馬身程度。デビュー以来、一番マシだった。出脚を使わず後方馬群の中で我慢させる形。コーナーワークで差を詰めた利は大きかったが、追い出しての反応が軽快で、ヒルノマテーラは一瞬でパスしていた。未勝利上がりだけに1戦毎の上積みも大きく、次走どうかは別としても来年には女王の座も。

リラヴァティ

前後肢にバンテージ。マイラー体型だが、気配は文句なし。押して押してハナ。外枠からこういった形で逃げるとハイペースになり易いのだが、直線が長い影響なのか、むしろスロー。2着馬がインを回っており、イン有利な馬場をフルに生かし切った。ただ、ヌーヴォレコルトには坂下で交わされており、それを考えたら良く粘っているともいえる。次走、他馬がどれだけ競り掛けて来るかにも依るが、京都内回りだけに一発が怖い。

ブランネージュ

2人曳き。かなり気負っていた。馬体はこの中でも上位。出脚は速く、ジワッと先行。追って切れる脚がないので、例に依ってジリジリだが、リラヴァティに並び掛けたところがゴールだった。これでリラヴァティとは2戦2敗。変な分の悪さは有るが、一方で堅実振りも評価出来る。次走上手く立ち回れば馬券圏内も。

ヒルノマテーラ

もっとトモのボリューム感が欲しい。歩様も力感を欠く。出遅れ1馬身不利。促して中段。多少、掛かったにしてもスムーズな立ち回りだったが、追ってからが案外。出した影響も少なからず有るのだろうが、基本的にはパワー不足。

レッドリヴェール

2人曳き。前後肢にバンテージ。+10kg。もっと増えても良い位だが、筋肉が浮いて1頭次元が違った。歩様も力強い。好発も、この馬の出脚で中段。折り合いも付いて直線は弾けそうだったが、追って案外。失望感も強いが、上位馬が内を通った馬ばかりで、トラックバイアスに殺されたか。少々ゴチャつく位が勝負根性が出て良いのかも。ただ、ゲート出たのは収穫。次走は内枠が欲しい。

サマーマイルシリーズ第3戦 第59回京成杯オータムハンデキャップ(GⅢ)

クラレント

前走と変わらず。特別良いとも思わないが、踏み込みはしっかりしている。前走より行きたい馬が少ない組み合わせとなり、ジワッと好位。前走と比較して、1000m通過が1.8秒遅く、結構宥めていた。直線は徐々に外へ。馬場は内外そんなに変わらない気もするのだが、渋太いタイプだけに後続の足音が聞こえる位置迄持ち出したのは正解だったか。枠も良かったが、このスローで前へ行ったペース判断も正解だった。京都も平坦だけに悪くないが、最近のマイルチャンピオンシップは結構パワータイプが勝っている。この馬はそのカテゴリーからは外れるのが。

ブレイズアトレイル

+6kg。太目感はない。歩様も悪くないが、ちょっとテンション高い。少しゲートが悪く、後方から。これもスローで引っ張り切り。直線向いてズラッと横一線となり、後ろに居たこの馬にとっては壁になったが、ラスト200mで前が開いて、真っ直ぐに伸びて来た。前走で少し述べた様に追い込みに徹して結果を出した。この方がパンチ力が有る。もう少しペースが速かったら何とかなっていたかも。

ミトラ

前肢にバンテージ。馬体の印象は悪くないが、歩様に伸びがない。出たなりで好位。道中はクラレントの真横に居た。直線向いて壁が有り、結構待たされている間にクラレントは遥か前方に居たが、とはいえ良い脚は長く続かないタイプで、結果的には上手く末を残せたか。基本は小回り向き。

キングズオブザサン

前肢にバンテージ。一息入ったが、多少緩い程度。筋肉の輪郭は見えていた。好発。直後はハナを覗かせていたが、控えて好位。クラレントの直後だから良いところにいたが、追ってからがフラフラ。最初に内へササり、次は外へ...。乗り役もかなり追い辛そうにしていた。能力はここでもそれ程差はなさそうだが、チチカステナンゴ産駒は小回りが本質。この馬も例外ではなさそう。

サトノギャラント

寸が詰まってマイラー。完歩も小さいタイプ。今日はゲート五分。それでも最近は出脚がなくなっており、後方から。直線は思い切って内ラチ沿いに進路を取り、ガラ空きのところを伸びて来たが、最後に甘くなった。ただ、馬場状態というよりは併せ馬にならず1頭になってしまった影響だろう。結果的には併せて行った方が良かった気もしないでもないが、何れにしてもワンパンチが足りない馬だけに責められる策ではない。

サマースプリントシリーズ第6戦 第28回セントウルステークス(GⅡ)

リトルゲルダ

+8kg。更なる馬体増に好感。歩様も決して良くはないが、キープは出来た。好発も出脚でやられて好位のイン。4角で外へ持ち出して、追い出した時の反応が良く、ハクサンムーンとの併せ馬。並んでからは相手も渋太かったが、ラスト100mで競り落として重賞連勝。開幕週の最内枠でしかもハイペース、今日も展開が向いた。休み明け3戦でのサマースプリントシリーズチャンプだけに例年と違って出涸らし感はないのだが...。

ハクサンムーン

2人曳き。遮眼革。パシュファイヤー。+12kg。トモの迫力が他馬とは全く違っていた。歩様もパワフル。出遅れ1馬身不利。そこからの出脚は速かったが、無理に行き切ることはせず2番手から。ペースも速かったが、やはり2番手だと多少力むところ。外からリトルゲルダに来られて、坂を上がる迄は粘っていたが、一踏ん張りが利かなかった。やはりベストはハナだろう。ただ、これでやるべきことは分かった。復調しているのも明らかで、次走は確勝レベル。

エピセアローム

前後肢にバンテージ。毛ヅヤが冴えていた。馬格も有って、緩んだところもなく、見栄えがする。出脚は有る馬だが、この馬にしてはゲートが悪く、中段から。バラけた位置でスムーズな競馬が出来たが、この馬自身、それ程スパッと切れる方ではないだけにここ迄。相変わらず堅実だが、最高に乗られないと重賞で勝ち切る迄のパンチ力はない。

スギノエンデバー

結果が出てないだけで近走は高値安定。歩様も力強い。この馬としてはゲートをしっかり出ており、中段やや後方から。4角でも徒に動かず最後方に居たが、直線だけで良く追い込んで来た。この馬の場合は基本的に毎回同じ脚を使っており、とにかくハマるかどうか。ただ、最近はゲートを出る様になっており、内枠の方が確率が高い。

マヤノリュウジン

-10kg。馬体はこんなモノだが、左後肢の送りが硬い。最近は後方待機策に味を占めており、今日も最後方から。ただ、スギノエンデバーとは違い、決め打ちだけに大外へ持ち出さざるを得ない。今日の馬場ではどうしようもなかっただけで、最後は強烈な脚で追い込んでいる。デュランダル的破壊力は感じさせるレース内容。新潟だと一発有るかも。