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競馬回顧 2015年2回京都

第32回フェブラリーステークス(GⅠ)

コパノリッキー

力感溢れる馬体。文句なし。王者の風格が有る。今日もゲートが少し悪かったが、芝の方が出脚が速く、サッとハナへ。ただ、直ぐにアドマイヤロイヤルが無理矢理主張した為、一旦2番手へ控える形にはなったが、砂を被ったり、揉まれる程ではなく、スムーズに回って来れた。直線向いて坂下で前を捕えて先頭。リードを保ったまま押し切った。昨年述べた様に、やはりこの馬が王者。毎回、ゲートがネックにはなるが、そこさえスムーズなら余程のことがない限りは何とかする力が有る。長期政権となるのは間違いないだろう。レース後の故障が判明し、対決は秋になるが、ホッコータルマエにも何処かで借りを返したいところ。

インカンテーション

-8kg。前後肢にバンテージ。数字分だけスカッと見せるが、毛ヅヤは変わらず冴えている。今日はゲート五分。これも芝での出脚が速かったクチだが、あまり無理せず好位直後から。それでも今日は終始手応えに余裕が有った。コパノリッキーとは登坂力で差が有ったが、上り切ってからはジワジワ差を詰めている。既に5歳で時間的余裕はなくなりつつ有るが、強敵と揉まれている間にこの馬は崩れる場面が少なくなって来た。何処かでタイトル取れる筈。

ベストウォーリア

前後肢にバンテージ。ゆったりした馬体。訴えて来るモノはないが、まずまず。これもスタート直後は先行争いの中に居たが、中段で折り合いに専念。乗り役は内に入れたかった様だが、下げても外を回さられる形になってしまった。直線はジワジワ伸びているが...。ただ、上位2頭は1800m,2000mがこなせるマイラーなのに対し、この馬はマイル迄。GⅠでその辺りの底力の差が出るのは今年に限った話ではない。

グレープブランデー

遮眼革。前後肢にバンテージ。今日は歩様からヤル気に満ちていた。馬体も見栄えして、完全復活。コパノリッキーのゲートが微妙に怪しく、態勢的にハナへも行けそうだったが、コパノリッキーは行かせて好位のイン。道中は少し掛かり気味にも見えた割に直線は弾けず、ジリジリだった。一昨年にこのレースを制した様な全盛期の力を望むのは酷だが、やはり東京マイルは走る。

ローマンレジェンド

2人曳き。+7kg。この馬体増は好感。この位の方が迫力が有る。行かせようと思えば行ける筈だが、全く行く気なく中段から。兎に角脚を矯めるだけ矯めてインを突く策。その点ではハマッているのだが、グレープブランデーが捕まえられそうで捕まえられず。もどかしい競馬になった。直線の我慢比べは向いておらず、基本は小回り向き。

ワイドバッハ

前走でも出来ていた。キビキビ歩けており、毛ヅヤも上々。出脚は有るが、末脚勝負の馬で後方に近い位置。これはこれだが、4角手前でシルクフォーチュンに叩かれた挙句、同じ目に遭ったカゼノコがマクりに来て、抵抗し切れず、更にワンテンポ待たされてしまった。今日はこれでも良く追い込んでいる方。スムーズならベストウォーリアと近い位置迄は来れていた。

第49回小倉大賞典(GⅢ)

カレンブラックヒル

前後肢にバンテージ。歩様が伸びないのは毎度。デキ自体は高値安定。出脚は速かったが、メイショウナルトが主張して2番手。とはいえ、折り合いに不安はなく、力む場面はなかった。秋山騎手は過怠金10万円を取られていたが、3角で強引にメイショウナルトを叩いて先頭。直線で突き離して、その貯金を生かし押し切った。展開と馬場も味方したが、ここでは力が違ったか。脚質から広いコースよりは小回りの方が良いだろう。

コスモソーンパーク

2人曳き。シープスキンノーズバンド。前肢にバンテージ。纏まった馬体で、手先の柔らかい歩様。今日もゲートが少し悪く後方から。ただ、今日は結果的にこれが良かったかも。道中の行き振り自体が良かったが、他馬が動く前に馬群の中を縫う様に動いている分、コーナーで極端に外を回されることなく、直線だけ外の良いところを通れた。最後は半馬身差迄詰めているだけに、惜しい競馬に。

ダコール

-16kg。メリハリは有って、細い印象はない。硬さもなかった。出たなりで中段。ただ、向こう正面で馬群が固まり、3角辺りでは後方に近い位置。直線だけ外に持ち出してここ迄追い込んで来た。今日はこれでベストリザルトだろう。思い切って乗ったのが奏功。少なくとも前走京都戦よりは好パフォーマンス。距離はあまり延びない方が良さそう。

キャトルフィーユ

前後肢にバンテージ。馬体はそれ程変わらないが、明らかに歩様が落ちて来た。1Mでは内外から来られていたが、積極的に乗られて好位。勝負どころでも早目に動いて勝ちに行く競馬だったが、直線は伸びが甘くなった。馬場が馬場なので終始外を回った策は間違っていないが、それでも2,3着馬が道中で内を通っていたのも確か。牡馬相手に健闘という見方は出来ても、ロスも有り過ぎたかも。今日の歩様からは次走手が出し辛い印象も有ったが、これで引退とのこと。 

マイネルミラノ

深目の遮眼革。-10kg。ちょっと硬いが、絞ったと見て良い。出脚は怪しかったが、これも積極的に食らい付いて好位へ。カレンブラックヒルが前を掃除して、外に居たこの馬がその隙に進出。4角では2番手に居たが、そこ迄だった。現状は重賞で力が足りないということになるが、それでも前走中山戦が15着だから大きな進歩。その内通用する筈。

第65回ダイヤモンドステークス(GⅢ)

フェイムゲーム

2人曳き。前後肢にバンテージ。前走より気配が良くなっている。やはりここ目標に造っていた様。ゲートが悪いのは毎度だが、位置取りも広報に近い位置だったが、今日は行き振りが良かった。2周目4角で外へ持ち出し切れず、リキサンステルスを引っ掛けてしまったが、内に切り替えて鋭い伸びを披露した。58kg背負っての連覇だけに文句なし。勿論京都戦が目標になるが、東京で強過ぎるのがどうかという気もしないでもない。

ファタモルガーナ

前肢にバンテージ。毛ヅヤ悪くなく、馬体もまずまずだが、何より踏み込みが深い。好発も、枠が遠くて中段から。1周目のホームストレッチ辺り迄は少し力んでいたが、そこで折り合いが付いた。2周目3角過ぎから早目に動いて坂下で先頭。流石に坂を上がって脚が上がったが、フェイムゲーム以外は差して来ず2着は確保。フェイムゲームの方が決め手が有りそうだが、堅実は堅実。今日は外回っていた点も評価出来る。京都なら案外五分では?

カムフィー

-6kg。トモに銭型が浮いて絶好調。馬体も見栄えこそしないが、長距離仕様で絞ったと見て良い。行く気なく中段やや後方。内外前に馬が居たが、少し掛かっていた。フェイムゲームと一緒に動いて、この馬も落馬の影響を受けながらも、渋太く伸びて3着浮上。3000m超は初体験だったが、多少折り合いを欠きながらも伸びて来るのだから適性が有る。慣れれば折り合いも問題なさそう。

ステラウインド

シープスキンノーズバンド。前肢にバンテージ。無駄な肉が一切付いておらず、歩様もスムーズ。デキは文句なし。好発も、中段で折り合いに専念。我慢は利いていた。最後の直線迄インで我慢させて、ファタモルガーナの直後に出て来たが、前走京都戦の様な脚は使えず。もっとスローの方が良さそう。乗り役のコメント通り、ハンドリングのみで距離をこなしている。

ネオブラックダイヤ

パシュファイヤー。少し腹回りがボテッと映るのと、歩様に力感がない。ゲートが少し悪かったが、押して中段。1周目の3角で掛かりそうになり、引っ張るのを嫌ってそのままハナへ。気分を損ねぬ様、内外離していた。直線は決め手の差だが、マイペースで走れた分の入着。東京でなかったら、何処かで一発有りそう。

第48回共同通信杯(トキノミノル記念)(GⅢ)

リアルスティール

気配は良いが、まだ馬体に力が付き切っておらず、メリハリに欠く。好発もスッと控えて好位のイン。隣でドゥラメンテが引っ掛かっていたが、スタート直後に一瞬だけ頭を上げた以外は連られることなく、折り合っていた。直線は少しヨレる場面も有ったが、立て直して逆手前と苦しいながらもドゥラメンテを振り切った。これで2戦2勝と新星誕生という形にはなるが、レース振りはまだ子供。このままでは通用しない。

ドゥラメンテ

488kg有って、しかもキングカメハメハ産駒だが、見た目は440kg以下。ただ、胴がスカッと見せる割にトモに丸みが有る。これも好発切ったが、マトモに行きたがってしまい、頭を上げて引っ掛かっていた。引っ張っている内に中段迄下がったのを乗り役は悔いていたが、それでも脚を使って一旦は先頭。リアルスティールに差し返される格好になったが、底力は見せた。あとは馬力や持続力の問題。勿論、折り合いも付くに越したことないのだが、それ以上に馬体が貧弱過ぎるのがネック。

アンビシャス

毛ヅヤピカピカ。馬体に大物感はないが、コンパクトに纏まっている。出脚が速く、掛かり気味に3番手。しかし、直ぐに折り合いは付いた。追い出しての反応も良く、一瞬は抜け切っているが、手前が替わってラチにへばりついてしまった。これもまだ馬が若い様なレース内容。距離に関しても1F長いかも。

ミュゼエイリアン

煩いのは何時ものこと。馬体はマイラー。後発。出脚も速そうだったが、控えて好位。道中は不利なく走れており、これで負けたら仕方がない。最後迄伸びていたのも間違いなく、要は決め手の差だろう。アンビシャスとは違い、こちらはもっと距離が延びた方が良い。

アヴニールマルシェ

-6kg。攻め馬軽かった割に馬体減。踏み込みはキビキビしているが...。ゲートは出ているが、出脚が鈍く後方から。折り合いは問題ない馬で、4角迄はスムーズに運べていた。ただ、ドゥラメンテの直後から追い出した際に、一瞬バランスを崩し、伸びが案外。乗り役はしっかり追っていたので故障ではない筈だが、フォームがバラバラになっていたのも気になった。敗因不明だが、少なくとも今日は全能力を出し切っていない。

第108回農林水産省賞典京都記念(GⅡ)

ラブリーデイ

2人曳き。+8kg。数字分だけ太いが、雰囲気は悪くない。今季はデキが良い。好発。何時も通り、積極的に乗られて2番手。ハナへは行きたくなかっただろうから、スズカデヴィアスが丁度良い先導役になった。1000m通過61.2秒とスローになり、決め手勝負を避ける意味でも早目早目。スズカデヴィアスも渋太かったが、何とか競り勝って重賞連勝。ただ、これで本格化というより、元々充分やれる力を持っているのは周知の通り。

スズカデヴィアス

+10kg。見た目はスカッと。相変わらず水平首で気合も乗っている。戦前からの決め打ちだったか、押してハナへ。前走中山戦は3600mで行きたがっていたが、流石にハナなら折り合いは付く。ラブリーデイが早目に動いて直線では一騎打ち。一瞬は出たかに見えたが、最後は首の上げ下げ。少し頭が高い分だけ負けた。逃げて上がり34.0秒なら最高に走っている。この辺りの距離なら展開一つ。

キズナ

2人曳き。+22kg。多少太いが、緩んだところはない。恐らく、成長分というよりはロンシャン仕様。例によって後方から。道中は折り合いも付いていた。早目に外に持ち出して、狙い通りの競馬は出来た筈。最後は手前を替えるのが遅かったのと、今の芝丈が長い馬場の影響だろう。この馬自身の脚は使っている。ただ、今年の目標を凱旋門賞一本に絞っているのか、前述した様に明らかにゴツくなり過ぎている。国内戦では今日の様なシーンも多くなりそう。

レッドデイヴィス

前後肢にバンテージ。元々3歳時から良く見せていた馬。少しチャカつく位で、精神面が前に出て来た。好発。出脚も速かったが、好位のインで折り合わせる形。上手く乗られたが、最後は決め手の差だろう。故障も有ったり、大不振に陥ったりと波乱万丈の馬だが、3歳時と能力減はそれ程なさそう。

ハープスター

+14kg。前走東京戦を考えたら遥かに良く見せる。歩様も力強い。毛ヅヤが冴えないのも毎度。この馬にしてはしっかり出た方で、そのまま中段。見た目にはスムーズに追走出来ていた。何時もの大外ではなく、馬群の中で競馬させてそのまま何処か開けばといった体で追い出したが、追って内にモタれてしまい、イマイチ伸び切れず。案外の内容。落鉄や道中の接触等、競馬で不幸続きの馬だけに、精神面で問題がなければ良いが...。

第50回デイリー杯クイーンカップ(GⅢ)

キャットコイン

1頭だけ別周回。少しイレ込んでいた。毛ヅヤも冴えず、下見からは強調材料がない。出遅れ半馬身不利。直後に他馬と接触する場面も有ったが、出脚で挽回して中段。それでも折り合いが付いていた。3角過ぎから少し外へ持ち出され、直線も内から5〜6馬身外から差し切った。これで負けなしの3連勝だが、最後詰められている様に強くはない筈。ただ、兎に角競馬で無駄がない。こういうタイプがオークス向き。

ミッキークイーン

-20kg。歩様からはバネを感じるが、明らかに細い。ゲート内でガタガタしており、これも半馬身程出遅れて最後方から。腹を括って直線向く迄何もせず。そこから進路を探して結局大外。今日の馬体では一瞬しか末脚がなかった筈だが、最後の最後に使って2着。ギャンブル騎乗が当たった。能力判定不能だが、賞金を加算出来たのは大きい。トライアルを走らずGⅠに使える。

ロカ

前後肢にバンテージ。毛ヅヤは悪いが、馬は最上位。2馬身近い出遅れ。これも高校からの競馬。ただ、スローの割に少しオッツケ気味。直線もスムーズに捌いているが、ミッキークイーンに一瞬の脚でやられてしまった。トビは大きいが、回転不足。距離が延びた方が良いのは間違いないが、今日は評価が下がる。

アンドリエッテ

前後肢にバンテージ。-12kg。極端に細いとも思わないが、迫力がなくなった。好発も全く行く気なく後方に近い位置。乗り役は内へ入れたかった様だが、ロカの位置迄下げる訳にも行かず、ずっと外を回されてしまった。逆にいえば最後はロカに追い負けた格好でも、力負けではない。馬体減も響いている。

メイショウメイゲツ

少しチャカつくが、トモにボリューム感が有り、数字以上に馬を大きく見せる。ゲートを五分に出て中段。上手く立ち回っているが、追ってジリッぽい。前走中山戦で触れた様に広いコース向きだが、それでこれだと値打ちが下がる。

ダノングラシアス

スカッと見せるのは何時ものこと。ただ、成長がないのは確か。好発切ってハナ。1000m通過が58.9秒なら決して速くないが、慣れない逃げで戸惑っていた様に見えたのは確か。坂を上がる辺り迄は頑張っていたが、そこで力尽きた。経験の問題は有るが、この形は良くなさそう。距離もマイルで既に微妙。

第65回東京新聞杯(GⅢ)

ヴァンセンヌ

前肢にバンテージ。-8kg。毛ヅヤは一息だが、細い印象はない。推進力を感じさせる歩様。出遅れ1馬身不利。挽回しようとしてマトモと掛かり、道中は中段。それでも前が開いてからの脚が速かった。最後際どくなったのは掛かった分だろう。粗相を別にすれば力が一枚上。ただ、この馬自身エビが有ったのと、母フラワーパークのスプリンターズステークスが1分8秒8で、渋った馬場も良かった。気性面だけでなく、時計勝負も課題となりそう。

アルフレード

前肢にバンテージ。まだ腹回りはボテッと映るが、少しでも絞れたのは良い傾向。デキ自体は良い。最近は出遅れてばかりだったが、今日は五分。内の様子を見ながら下げて後方。大外からあと一歩の伸びだった。これも気性的に淡泊な部分も有る馬だが、今季は何れも着順の割に大きく負けておらず、復活気配が有った。前走は中山マイルで出遅れただけ。若い頃は道悪もダメだったが、今日は外回ったのと、年を取った部分も有るだろう。逆にいえばこれも時計勝負は微妙。

フルーキー

前後肢にバンテージ。今日は更に歩様がゴツゴツ。馬の見た目は悪くないが、これではダメ。ゲートは出ているが、今日は折り合い重視で中段やや後方から。馬場の分、最近の中では折り合っていた方か。しかし、直線向いて完全に前が壁。諦めて内ラチ沿いへ進路を採ったら良く伸びてくれたが...。スムーズなら勝っていた。とはいえ、歩様には注文が付く。これで放牧は正解だろう。上位2頭と同様、これも今日のデキで時計勝負だと厳しかった筈。

シャイニープリンス

+6kg。一息入ったが、スカッと見せて出来ていた。歩様も悪くない。出たなりで中段。直後にフルーキーが居た。直線向いて、フルーキーとは違い、この馬はまだスペースが有ったが、一瞬モタついたのが痛かった。東京マイルは毎回堅実。最近は限定に近い馬になっているが、良馬場の方が良さそう。

リルダヴァル

結構気合が乗っていた。踏み込みも力強く、最近では一番。出脚でジワッと好位。上手く流れに乗って、一瞬はやったかの場面。そこからがもう一伸びなかったが、この馬は昔から道悪巧者。苦にせず走れている。あとはこの馬の能力の問題。

第55回きさらぎ賞(NHK賞)(GⅢ)

ルージュバック

2人曳き。脚長でメリハリの利いた馬体。落ち着いていた。好発。ほぼ最初から押さえに掛かっていたが、それでも出脚が速く3番手。折り合いは付いていた。逃げたネオスターダムは意識せず直線に向く迄我慢させて、追い出してからは弾ける様に突き抜けた。トビが大きくて如何にも本物の相。当時は中京時代、しかも公式記録上は砂コースだったが、フラミンゴに次ぐ51年振りの牝馬Vとのこと。こういった記録を作れる辺りも"持っている馬"なのだろう。

ポルトドートウィユ

前後肢にバンテージ。+6kg。まだ馬が若い。未完成感アリアリ。出ッパが悪かったことも有り、後方から2頭目。早目に外へ持ち出して、4角でルージュバックに並び掛ける形。ここ迄で脚を使った分も有るのだが、直線はアッサリ突き離された。ハッキリ言って下見だけなら一銭も買えない馬で、何故走るのか不思議な位だがコース利や仕掛けのタイミングを考えたら、前との2馬身差はほぼない様なモノ。意外に強い。

アッシュゴールド

2 人曳き。毛ヅヤ冴える。少し胴の詰まった造りだが、馬のボリューム感では断然。最初から少し掛かりそうな雰囲気が有り、前にルージュバックを置いて折り合いに専念。まだ競馬を教えている最中とのことで、4角では少し待たされた様にも見えたが、それも含めて意図通りの競馬が出来たか。ただ、追ってからの反応が一息。最後は何とか3着迄押し上げて来たが。一つ一つ確実に良くなっているのも確かだが、次々新星が登場している状況だけに物足りなさは残る。

グリュイエール

2人曳き。前肢にバンテージ。しっかり踏めている。馬体の迫力では上が居るが、まずまず。最初からの決め打ちで最後方から。気性面に難の有るタイプだが、この形なら折り合いは付く様。スローで外へ持ち出している分も有るのだが、折り合いが付いて4着では値打ちがないところ。500万は何とかなりそうだが、それ以上もどうか。

ムーンクレスト

少しチャカつく。スカッと見せる割にトモの迫力がない。成長途上。出たなりで中段のイン。只管インを回っていた。初の1800mでお決まりのスローだが、折り合いは付いていた。これも前と同じ脚は使っている。これも500万にはメドが付いたか。

レガッタ

少し太い様な気もするが、トモの筋肉は浮いている。道中はルージュバックと並走。前に壁がない影響なのか、道中は力んでいた。ただ、それにしても追ってからがサッパリ。この世代はサトノフラムが悲惨な道を辿っているが、それに続いてしまう可能性も。次走が試金石。

第29回根岸ステークス(GⅢ)

エアハリファ

前後肢にバンテージ。垢抜けた馬体。気合も乗っていた。好発。出脚も速かったが、次走を見据えてか全く急かすことなく、中段待機。4角迄長手綱出持ったままで、直線は狭いところをコジ開けて快勝。見た目は強いが、それ以上に虚心坦懐で乗った三浦騎手の好騎乗。馬に負担を掛けず、掴まっていただけだった。今日はそれだけに能力判定不能。時計が遅いのはペースも有るが...。

ワイドバッハ

一息入ったが、問題なし。馬体も出来ていたが、キビキビ歩けていた。ゲートも少し悪かったが、武豊騎手らしく後方でジックリと。道中は少しペースが落ち着き、この馬自身も伸びているが、前も止まらない。今日は良く差した2着。エアハリファとは1勝1敗だが、あくまでペースの違いで実力は五分。2頭の力量比較において距離もあまり関係なさそう。

アドマイヤロイヤル

若い頃から馬体はこんなモノ。大きくは変わらず。ダートで器用な馬だが、今日はゲートが少し悪かった分、中段から。エアハリファとの併せ馬で、先に仕掛けている分、坂を上がり切った辺り迄は前に居たが、そこで甘くなった。この内容なら力の衰えは感じない。8歳でも軽い馬場で走れたのも特筆出来る。ただ、昔から述べている様に重賞では2,3着が限界。

ゴールスキー

元々芝馬だけ有って歩様にバネが利いている。近走は悲惨だが、昨年とほぼ一緒。ゲートが微妙も悪かったが、出脚も甘く、中段やや後方から。3角で前が詰まり、手綱を引っ張る場面が有ったのは多少響いていそうだが、直線はジリジリ。アドマイヤロイヤルと同じ8歳馬だが、こちらは年齢なりのズブさが有りそう。

キョウワダッフィー

オーストラリアンブリンカー。後肢にバンテージ。馬体は悪くないが、もう少し歩様に力感が欲しい。出たなりで中段馬群の中。ただ、直線で微妙に進路が狭く、100m位待たされている間に大勢が決してしまった。ラスト50mは一番良い脚を使っている。勿体ない競馬に。

ロゴタイプ

2人曳き。前後肢にバンテージ。ここへ入ると馬は断然。一歩一歩がパワフル。スッと出脚が付いて好位のイン。これだけでも充分ダートに対するセンスは有る。追ってからも一瞬反応してやったかに見えたが、そこからがジリジリだった。ただ、元々決め手を生かす馬で、もっと矯めていたら結果は違った筈。これで芝へ戻す様だが、実にナンセンス。経験を積ませて行けば王者になれる可能性も有りそうだが。

第20回シルクロードステークス(GⅢ)

アンバルブライベン

少しスマートな牝馬らしい造り。硬さがないのは何より。ゲートは速いが、出脚は怪しく押してハナへ。この馬の場合は出脚で一瞬の内に決着を付けてスローを呼び込むのがパターンだが、今日はその分ニザエモンが絡む余地が生まれ、前半3F33.9秒とペースが速くなった。だがそれでも、4角先頭で回って、そのまま押し切った。枠も恵まれたが、やはりスピード上位。次走GⅠだそうだが、充分やれる筈。

サドンストーム

前後肢にバンテージ。筋骨隆々。歩様も力強く、迫力では上位。最近はゲートも出る様になっているが、例に依って後方から。ソツなく捌いているが、ここ迄後ろだと少し待たされる部分が有る。ただ、以前より確実性が増しているのは確か。GⅠで勝てるとは思わないが、中京で好走出来るのは1400m,1600mでも対応出来るタイプ。現状のこの馬ならそれが可能な筈で、無視も出来ないところ。

セイコーライコウ

+8kg。腹回りが多少ボテッと映る程度。ただ、張りは有ってデキ自体は良い。最初から行く気なく最後方から。人気薄でイチかバチかでインを突き、吉と出た格好。"直千"の馬だけに、ブレーキが掛かると良くないだろうが、インを突いてもアクセル全開で伸びて来た。ただ、あくまでそれだけ。今日の結果で能力云々は論じ辛い。

ベステゲシェンク

何時ものことながら、トモが付いて来ない様な歩様。馬体もオープンへ入ると貧弱。ゲートが少し悪く、押したら行きたがってしまい、4角迄はかなりチグハグな追走。4角の出し方もかなり雑だったが、それでもここ迄伸びて来た。セコい競馬の2,3着馬よりは余程評価出来る内容。既に5歳だが、もう少し馬体が成長すれば重賞の一つ二つは取れるかも。

バクシンテイオー

+6kg。馬体はそれ程目立たないが、トモに張りが有って、歩様も悪くない。出脚があまり速そうではなく、枠の利と押した分で何とか中段。セイコーライコウを外へ回し、絶好の展開だったが、追って案外。要はアンバルブライベンのスピードに追走負けした格好。今日の内容だけだとオープンでは家賃が高い。

エイシンブルズアイ

前後肢にバンテージ。馬体は見栄えしたが、今日は歩様が硬い。今日は意外に出脚が甘く、中段から。前走は好位に居たが、マトモに揉まれ込んでリズムを崩してしまった印象。追ってからもサッパリだった。人気先行なのは間違いないが、それにしても負け過ぎ。ただ、一ついえるのは、今日の出脚の鈍さは斤量と歩様の硬さに依るモノだろう。一度、休養と鍛錬をやり直す必要が有るかも。