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競馬回顧 2016年2回阪神

第76回皐月賞(GⅠ)

ディーマジェスティ

前走東京戦と変わらず。多少太く映るが、気配は良かった。外にヨレ気味に出て後方で折り合う形。内は唯でさえ馬場が悪い上に下がって来る馬も多く、素直に外を回ったのが正解。3角過ぎから上がって行く姿は11年前の父を彷彿とさせるモノが有り、今日はこの回り脚が速かった。ここで加速が付いたことも大きく、坂を上がってグイッと伸びて快勝。前走東京戦でも述べたが、恐らく相手なりのタイプ。操縦性が高いのがこのハイペースで生きた。後述するが、人気3頭はそれぞれウィークポイントが有り、そこを上手く突いた格好。次走圏内なのは間違いないが、大本命でもない。

マカヒキ

2人曳き。トモのボリューム感はデビュー当時から目立っていたが、腹回りもしっかりして大分重量感が出て来た。毛ヅヤも冴えていた。この馬としてはゲートを出た方だが、一回最後方迄下げる形。ハイペースだけにこれはこれで良かったのだが、ディーマジェスティの方が回り脚が速く、勢いが付いていた分、差し届かなかった印象。一瞬の脚は持っているが、前走と違ってフルゲートになると前に1頭居るのは仕方がないところ。東京なら逆転可能という計算は成り立つが、今日の競馬から最後方から行くのは避ける筈。大舞台でいきなり余所行きの競馬をして勝てるかどうかは微妙なところ。

サトノダイヤモンド

+6kg。やはり馬はまだまだ。トモの造りに大物感は有るが、全体に筋肉が付き切っていない。出脚は有る馬だが、ハイペースを読んで中段に待機。この作戦は間違っておらず、4角の手応えは勝ったかに見えた程だったが、いざ追ってからが案外。他馬との接触も有ったが、少なくとも掲示板5頭の中では一番内容が悪い。強敵相手と闘って来なかったツケが回って来た形。この馬主は中々GⅠが遠いことで知られているが、何故か馬が上品過ぎるケースが多い。とどのつまりは鍛錬不足。

エアスピネル

2人曳き。前後肢にバンテージ。動きキビキビ。馬体にも迫力が有る。出脚は速い方だが、リオンディーズには行かせて好位直後。先団馬群の最後方、5,6番手辺りに居た。折り合いは付いたが、この馬の位置でも少し早かったか。我慢比べのところでリオンディーズと接触する不利も痛かった。この馬なりには走っている。明らかに上位とは能力差有るが、毎回コンスタントに走っているのも確か。

リオンディーズ

前後肢にバンテージ。馬振りは流石。現時点で兄エピファネイア以上。下見だけ落ち着いているのも血統。好発。出脚も速く、スッと2番手。行きたがってはいたが、この血統だけにこれは許容範囲。ただ、1000m通過が58.6秒のハイペースだったのに、3角手前で前のリスペクトアースを潰しに行って3角で先頭。何とか3〜4角中間で矯めを造ろうとはしていたが、こうなると保たない。坂を上がるところで苦しがって外へモタれ、降着にもなる有様。引っ掛かってどうしようもなかったのかも知れないが、堪えていたらまた結果は違った筈。能力No.1は疑う余地がない。歴史を参考にするなら、エピファネイアは内枠時に折り合う確率が高かった。

第21回アンタレスステークス(GⅢ)

アウォーディー

前後肢にバンテージ。毛ヅヤ冴える。多少歩様は硬いが、馬はパワフル。スタートで躓いたのと、外から積極的に乗られた馬が多く、一旦全部行かせて中段から。最初から内を回すつもりはなかった様で、何時でも動ける外を早目に進出、直線はアスカノロマンも渋太かったが、力でネジ伏せた。単純に強い。戦前述べた様に時計が速い方が向いている様に見えるのだが、全部勝っているのだから大したモノ。

アスカノロマン

前肢にバンテージ。少し馬体の張りが一息。その分、歩様に力がない。ショウナンアポロンがハナへ行ってくれて、それに乗る形で2番手。外から行っている分、多少速かったが、それでも4角を手応え充分に回って来た。アウォーディーに並ばれてからは渋太かったが、まだ相手には余裕が有り、一応は完敗。アウォーディーは飛ぶ鳥を落とす勢いでは有るのだが、通って来たコースの差を考えると、少し評価が下がるかも。

サージェントバッジ

遮眼革。シープスキンノーズバンド。前後肢にバンテージ。ダートにしては少し軽い造りだが、デキ自体は問題ない。出遅れ1馬身不利。押しても進んで行かず、後方でそのままジックリと。4角で馬群が横に厚くなったことも有ってインを突き、捌いてここ迄。尤も、2着と3馬身差離れてしまっており、あまり評価出来る内容ではない。

クリソライト

馬体にメリハリが利いてカッコ良い造り。歩様もキビキビ。ステッキが入っても出脚が一息で、最内枠でも好位から。ただ、1F程して行き脚が付き、前に追突しそうになる場面も有り、ちょっとチグハグになった。そんな中でも渋太く入着したのは地力が有るのだろうが、この競馬では全能力を発揮出来ない。

ロワジャルダン

-6kg。ここでは馬振り上位。歩様も以前を考えたら数段スムーズになっている。好発。出脚も速かったが、無理せず好位から。ただ、結果的には行かせた方が良かったかも。ハナを譲ってからペースが落ちて引っ掛かっていた。直線もその分伸びを欠いた格好。能力評価が下がる内容ではないが、見栄えの悪い負け方。

第76回桜花賞(GⅠ)

ジュエラー

2人曳き。-4kg。これでもテンションは前走よりマシ。トモに迫力が有る。腹回りが妙にスカッとしていたのも大分マシになった。出遅れ1馬身不利。後方にそのまま待機。前走がシンハライトに差し返される様な格好だった為、今日は矯めるだけ矯めて直線一気。2cm差だそうだが、イチかバチかがハマった。結果的にシンハライトとメジャーエンブレムの漁夫の利を得た格好。この決め手なら次走も勝ち負け必至だが、血統がスプリンター寄りなのは気になるところ。歴史を紐解けば、春迄は何とかなるということになるが...。

シンハライト

前後肢にバンテージ。この馬独特の歩様。完成度の高い造りだが、これ以上は減って欲しくない。外からジワッと行かせて中段。馬群の一番外では有ったが、前を壁にして折り合いは付いていた。メジャーエンブレムの位置取りが悪かったことで、マーク策に切り替えて上手く行ったが、メジャーエンブレムに切れる脚がなかったことで早目に先頭に立たされてしまった。抜け出した瞬間にフワッとしており、そこをジュエラーに突かれた格好。競馬で負けただけで、勝負には勝っている。距離も保つ筈で、次走は最有力。

アットザシーサイド

-10kg。細くなった印象はなく、前走と比較して落ち着いていたのも好材料。出たなりで急かさず中段。シンハライトの直後で位置取りとしては最高だった。ただ、追って並ぶ迄の場面がなく、頭が上がり気味。坂を上って明らかに脚が鈍った。今日は内がゴチャついた分の3着。距離が長いのか、良い脚が長く続かないのか何ともいえないが、この条件でやる限り、上と能力差は有る。次走は苦しい。

メジャーエンブレム

前肢にバンテージ。下見に大きな減点材料はない。馬体は筋骨隆々。無理矢理粗を探せば多少歩様が硬くなった程度。直ぐ内のソルヴェイグが好発切ってこの馬が多少分が悪かったことも有るが、先行策を諦めてしまい、6〜7番手から。最初だけ戸惑っていたが、折り合いは付いた。ただ、先行策で突き放していただけに、4角で前が壁になり、直線向いてからも進路がなかったのは痛かった。何とか坂下でコジ開けたものの、瞬発力勝負では分が悪かった。今日はゲートで安目を売ったのが全て。奇数番枠が響いたかも。血統は別にして距離が延びればもっと楽に行ける筈だが、追って内にモタれたのは少し引っ掛かる。単にラチを頼るタイプというなら問題ないが...。

アドマイヤリード

毛ヅヤピカピカ。メリハリ利いて、数字考えたらこれ以上なく良く出来ている。外枠でも有り、決め打ちの最後方待機策。4角迄ラチ沿いを通って、直線は大外。実質競馬が終わった後だが、入着狙いの競馬だけにこれで上出来だろう。強いていえば4着以内に入って、権利が欲しかったところだろうが。

第34回ニュージーランドトロフィー(GⅡ)

ダンツプリウス

-8kg。数字分だけ少し細くなったが、大型馬で影響はなかった筈。毛ヅヤは良かった。出脚は有りそうだったが、直後に先行争いが激化しそうな気配が有り、一旦引いてペースが落ち着いたところで再び少し番手を上げる形。4角では内に居たが、前に居たジュンザワールドがバテて進路が出来てストーミーシーの追撃を何とか振り切った。メンバーレベルはともかく、前回も述べた通り、器用さ一本のタイプで勝負強い。これでブライアンズタイムは最高齢種牡馬産駒のJRA重賞勝利ということになるのだそうだが、同馬主ダンツフレームの様に時折こういったタイプを出す。

ストーミーシー

前肢にバンテージ。腹回りがボテッと映る。もっと絞った方が見栄えが良くなる筈。ゲートは五分だが、1200mしか今迄走って来ていないにも関わらず押しても進んで行かず後方に近い位置。折り合いも付いていた。4角はアストラエンブレムに行かせて、直線は大外へ。内に切れ込みながら乗り役は騎乗停止になっていたが、良い脚を長く使っていた印象。マクられていなかったら勝っていた可能性も有ったか。この脚なら東京でも期待が持てる。あとは今日真っ直ぐ走れなかったことで、次走余計なことに気を取られる点。

エクラミレネール

オーストラリアンブリンカー。前後肢にバンテージ。もう少し力強さが出れば理想的だが、キビキビ歩けていた。数字の割には悪くない造り。好発。内の馬は叩いたが、外から行きたかった馬が多く、結局は中段。尤も、今日は前がソコソコ流れており、これはこれで悪くない立ち回り。少なくとも脚は矯められただろう。4角もダンツプリウスの直後で進路が出来た。一瞬、良い脚を使ってやったかの場面だったが、ダンツプリウスにネジ伏せられ、更に外からストーミーシーが飛んで来て3着に。阪神戦は除外になっての中山回りだが、それだけこのレースのレベルが低いと見るのが妥当。

アストラエンブレム

2人曳き。数字は増減なかったが、筋肉の段差が目立ち過ぎて、ガレていた。内臓面に問題ありそう。ゲートは出ているが、行く気なく下げて最後方から。4角手前からマクッて行ったが、一旦は叩いた筈のストーミーシーに外からやられてしまった。審議の件は着順変わらなかった様に大勢決した後。今日はかなり評価が下がる敗戦。デキの問題も大きいだろうが、この一族宿命ともいえる競馬の下手さも目立つ。

レインボーライン

寸が詰まった体型で、少し頭が高い。その分、トモの送りが浅い。押しても全く進んで行かず後方に近い位置。4角で馬群が外に広がった関係でこの馬にも進路が出来た。頭が高いながら、勢いは3着有りそうだったが、外からストーミーシーに寄られて、この馬も進路がなくなり、万事休す。前走阪神戦もそうだったが、エンジンが掛かるのが少し遅い。広いコースの方が良さそう。前走から能力はダンツプリウスと差はない。

第59回サンケイスポーツ杯阪神牝馬ステークス(GⅡ)

スマートレイアー

前後肢にバンテージ。白くなって分かり辛いが、馬体の張りが有りそう。今日もスタートを決めて先行。ゲート自体は内のダンツキャンサーの方が早かったが、積極的に乗られて1F過ぎにハナへ。主導権を握ってからは3〜4角でペースを落として矯め逃げの格好。4角で馬群が固まったことで、ミッキークイーンの進路を潰す副効用も有り、その利を一杯一杯生かし切った。ミッキークイーンとの能力差は見せ付けられたものの、兎に角前走東京戦から別馬。今更ながら操縦性の向上は大きい。

ミッキークイーン

2人曳き。+4kg。大して見栄えはしないが、馬体細化傾向に歯止めが掛かったのが何より。ゲート自体は五分に出ているが、押しても進んで行かず後方から。3角過ぎ迄は結構オッツケていた。4角手前で前に追い付き、追撃態勢は造ったが、前述した様に外に馬が居て進路がなく、待たされる場面。坂の途中でやっと前が開いた状態では"時既に遅し"だった。最後の脚は1頭違っていたが、毎回述べている様に4角で変なところに閉じ込められるのは適性がないから。その典型だろう。東京マイルなら何とかなる可能性も有るが、アテにはし辛い。

ウインプリメーラ

2人曳き。前後肢にバンテージ。少しチャカついていたが、充分許容範囲。毛ヅヤが良かった。例に依ってゲートは速いのだが、今日は枠の関係も有って5番手辺りで控える形。インに上手くっ潜り込めたが、序盤は少し行きたがっていた。それでも脚は矯まっていた様で、馬群を割って一瞬は良い脚を使っている。スローとはいえ、このメンバーで1馬身圏内なら上々といえるのでは? 次走も無視は出来ない。

カフェブリリアント

毛ヅヤ一息も、数字の割に重量感が有る。昔は硬いイメージの有った歩様もキビキビ。出脚は速そうだが、元々1400mの馬で掛かり気味になっており、中段に控える形。スローで自然と前に追い付き、4角でストレイトガールの直後、そこから外へ持ち出して一瞬は脚を使っているが、坂を上る途中で甘くなった。折り合えばまた違うのだろうが、取り敢えずは現状の能力差だろう。今年から1F延長して、昨年の勝ち馬が4着になったという格好だが、つまりはメンバーレベルが上がったということ。

ココロノアイ

前肢にバンテージ。筋肉質の作りは元々。数字通り、馬は出来ていた。スタート直後から宥めに掛かっており、出脚は有っても自然と番手が下がり、3角で中段。直線入口で内がないと見て、外へ持ち出したが、ミッキークイーンには脚で弾かれている有様で、前とは離された5着。折り合いさえ付けば変わりそうだが、中々折り合わない。

ストレイトガール

2人曳き。前肢にバンテージ。歩様にスムーズさがなく、馬体そのものが硬く映る。外からジワッと好位。前に壁がない影響も有って、ちょっと掛かっていた。4角で前に並び掛けてそこ迄。ほぼ見せ場なしの惨敗。一度決めた引退を引っ込めて図々しい部分も有るのだが、馬場が軽ければ軽い程良いタイプで、しかも元々がスプリンター。今日は条件も揃わなかった。

第48回ダービー卿チャレンジトロフィー(GⅢ)

マジックタイム

前肢にバンテージ。今日は落ち着いていた。馬体はこんなモノ。歩様に力がない様な気もするが、手先のスナップは悪くない。ゲートが少し悪かったが、押して中段から。2角過ぎから少し番手を上げたものの、道中は決して最内に居た訳ではなかったのだが、逃げたキャンベルジュニアが内を開けてくれてVロードが出来た。内目の馬場はかなり荒れていたが、前走京都戦で述べた様に道悪でもしっかり脚を使ってくれるのが長所。

ロゴタイプ

前肢にバンテージ。毛ヅヤが冴えて、歩様も伸びる。何より馬体そのものが上。外枠でも、ジワッと先行させて3番手。4角の手応えが抜群で、キャンベルジュニアやサンライズメジャーを締め切った時には久々に勝ったかと思われたが、マジックタイムに内をスクわれる格好。とはいえ、この馬が悪い訳ではなく、内を開けたキャンベルジュニアの問題。58kgを背負って地力を見せ付けた。

サトノアラジン

+10kg。強調する点もないが、まあまあ。ほぼ出来ていた。数字分だけ少し立派に映る程度。ゲートは速かったが、出脚で負けて好位直後のイン。立ち回りはそんなに悪くなかった筈だが、4角での反応が悪く、少し置かれ加減。そこでマジックタイムとの差が付いてしまった。ズルズル行きそうなところを盛り返しているだけに、流石に地力が有るが、この辺りは休み明けの影響だろう。次走改めて。

ダイワリベラル

後肢にバンテージ。-8kg。馬体に張りが有る。歩様も、意外にしっかり踏めていた。ロゴタイプの出脚に叩かれる形となり、中段から。4角の手応えは決して良い様に見えなかったが、ジワジワ伸びてここ迄。キャンベルジュニアの粗相で外に厳しい展開になったことを考えればそれなりに頑張っている。牝馬にやられてしまう関東の低レベルでは有るが、その中では通用する力が有る。

サンライズメジャー

前後肢にバンテージ。前肢はユッタリだが、後肢の出がイマイチ。実績馬だが、まだ本調子ではない。最内のキャンベルジュニアが好発を決めたが、出脚でスッとその2番手。キャンベルジュニアは怪しかったが、この馬は折り合いが付いていた。ただ、4角でロゴタイプに回り脚で外からネジ伏せられそうになっており、直線も雪崩込んだだけ。実績考えたら案外の内容。叩いて何処迄良化出来るか。

第60回産経大阪杯(GⅡ)

アンビシャス

2人曳き。今年は本格化著しい。トモにボリュームが出た。今日もゲートが悪く、マイネルラクリマには叩かれているのだが、立て直して1角進入時で3番手、ここで少し掛かったが2番手で何とか宥めたのが大きく、向正面ではキタサンブラックと少し距離が出来る場面も有り、一息入っていた。3角過ぎから再び差を詰めて、一騎打ちを競り落とした。かつてカンパニーで見たパターンで、スローで2番手に付けたのが正解だった。斤量差考えるともう少し差が付いても良かった気もしないでもないが、初めての試みでいきなり決まったのだからやはり馬は本格化している。

キタサンブラック

2人曳き。前肢にバンテージ。元々がグッドルッキングホース。意外にシャープな造り。戦前の想定通り、このメンバーではハナ。直ぐ外が牝馬のショウナンパンドラでゲート内ではそちらばかりを気にしていたが、乗り役が上手く出したのが大きかった。道中は単騎で1000m通過61.1秒とスロー。ただ、一番切れる馬が2番手では最後に捕まってしまったのは仕方がないところ。斤量差も応えている。尤も、戦前述べた様にハナだと勝ちがないタイプ。次走は頭数が多いだけに誰か行ってくれそうで、そうなると持ち味が生きる。

ショウナンパンドラ

前後肢にバンテージ。+14kg。多少太いのだろうが、見た目には気にならない。歩様の推進力が抜群。出た内で中段から。折り合いは付く馬でそこは問題なかったが、今日はスローを見越して何時もより早目。3〜4角から動いて行ったが、前を捕まえる迄には至らず。今日は展開で仕方がないところ。勿論、矯めた方が持ち味が生きるのは言うまでもない。無難に走ったというだけで、評価が上がることも下がることもない。

ラブリーデイ

2人曳き。多少緩く映る。毛ヅヤは悪くなく、デキ自体は問題なさそうだが。ゲートをアオり気味に出たところをヌーヴォレコルトに頭を抑えられ中段から。折り合いを考えるとこれで仕方がないのだが、今日はスローでここ迄が一杯だった。元々、瞬発力という意味では若干分の悪さが有るタイプ。ゲートを失敗したのが響いた展開になっただけで、これも評価を下げる内容ではない。

イスラボニータ

叩いて良くなっていた。歩様もしっかり踏めていた。今日もゲートが少し悪かった上に、スタート直後からかなり行きたがっていた。直線伸びている訳ではないのだが、掛かったことを考えればそんなに悲観する程止まっていない。やはりマイラー色が強くなっているという面は有るだろうが、乗り役を替える等、何かキッカケ一つで変わる筈。

2016 グローバルスプリントチャレンジ第3戦 第46回高松宮記念(GⅠ)

ビッグアーサー

筋肉の塊の様な造りで多少不格好だが、前走京都戦よりは確実に良くなった。歩様も問題ない。珍しくゲートを決めた。前3頭が飛ばす中、離れた4番手。結果的に今日の展開なら内を突いても良かっただろうが、余裕を持って外へ。1完歩毎に伸びて、ラスト100mで先に抜け出したミッキーアイルを捕まえて3/4馬身差。完勝といえる内容。引き上げて来る際に乗り役を振り落とす程、レース後も元気が有り余っていた。10Rで2200m戦がJRAレコードとなった様に超高速馬場。このレコードも馬場状態を考慮すれば水準レベルなのだが、普段ゲートに難の有る馬がこの位置を取れたのが大きかった。兎に角今後はゲートだろう。たまたま決まったが、基本的にはアテにならない。

ミッキーアイル

前走阪神戦から出来ていた。暖かくなって毛ヅヤも良化。また馬体が増えた点も気にならない。ローレルベローチェが何が何でもの構えで行き、更にハクサンムーンも行って3番手。ただ、改装後の開催としては最速の前半3F32.7秒とかなりのハイペース。ベストはハナでも、引くしかなかった。それでも4角は手応え充分で、前2頭が外にフクれてコースロスは有りながらも坂を上って先頭。最後はビッグアーサーに屈したが、力は充分に示した。1200mがベストではない中では良く走っている。ただ、中山は向かない。

アルビアーノ

2人曳き。叩いて毛ヅヤが良化。歩様は相変わらずだが、馬体に迫力が有る。スプリント戦では出脚が苦しく、中段から。4角の手応えが怪しいのは前走中山戦同様だが、今日は何とか捌いて3着に。前走でも述べたが、変な位置に押し込められてしまうのはスプリント適性のなさ故。その中での3着は地力の証だ。馬体はスプリンターだが、毎回述べている歩様の硬さがネックになっている。今後は経験で何処迄カバー出来るかということになるが、そうなると他の距離で使えなくなって来るのがもどかしい。

アクティブミノル

緩んだところがなくなった。歩様もまずまず。ゲートが若干悪かったが、出脚でカバーして好位直後。ソコソコ流れたことも有り、前がバラけて後ろの方の馬群が固まる形だったが、揉まれない位置で競馬出来たのが大きかった。アルビアーノには捕まったが、時計に天井が有るだけでこの馬の力は出し切れた。尤も、何時能力が発揮出来るのか、良く分からない部分は有る。スムーズならGⅡでも通用することは分かっているのだが...。

エイシンブルズアイ

前後肢にバンテージ。前走中山戦と変わらず。キビキビ歩けており、高値安定。ゲートは出ているが、頑張ってもこの枠では自然と後方に。4角でも動ける余地がなく、直線勝負の格好。良く伸びているが、今日は仕方がない。力は通用する。出脚の問題も有るが、もう少し枠が内だったらといったところ。

第23回マーチステークス(GⅢ)

ショウナンアポロン

前後肢にバンテージ。-8kg。絞れたと見て良い。歩様も多少硬いが、こんなモノ。出脚でスッとハナ。2番手クリノスターオーが少し掛かりそうになっており、ガッチリ抑えてくれたのが大きく、1000m通過63.3秒のスロー。坂下で突き放して、そのリードを守り切った。オープンに上がって枠が遠くてハナへ行けないレースが続いていたが、昨秋の東京戦の様に最初からハナだと中々渋太い。この時が準オープン57kgだったので、54kgも恵まれていた。今後も展開次第ということになりそう。今日は行けたが、あまり出脚は速くない。

バスタータイプ

前肢にバンテージ。毛ヅヤ冴える。多少立派だが、動きは軽快。キョウナンアポロンんは出脚でやられたが、1枠2頭を叩いて好位のイン。返し馬は多少怪しかったが、レースでは何とか折り合いも付いた。スローでこの位置を取れたのも大きかった。4角でクリノスターオーの手応えが怪しくなったところでスペースが出来て、伸びているが、それ以上に前が楽をしていた格好。これで良く走った2着。使い詰めで来ており、暫く休ませる様だが、秋に改めて。

ドコフクカゼ

前後肢にバンテージ。決め手身上の馬で、バランスの取れた造り。歩様も問題ない。ゲートは五分に出ているが、例に依って出脚がなくて後方から。これしか手がないだけに仕方がないところ。この展開で4角大外は絶望的だったが、それでも3着に来るのだから良い脚を持っている。兎にも角にも展開一つ。

イッシンドウタイ

シープスキンノーズバンド。前肢にバンテージ。推進力の有る歩様。馬体もドッシリ見せる。この馬の出脚で好位から。このスローでも折り合いは問題なく付いていた。4角で少しズブくなっていたが、結果的に内に置かれる格好になって、直線向いてからは伸びて来た。最後はドコフクカゼに捕まっているが、これは決め手の差だろう。ただ、以前より出脚が強化されているのは間違いない。3連勝式には必ず押さえたいタイプ。

クリノスターオー

2人曳き。前後肢にバンテージ。毛ヅヤピカピカ。気配も良かったが、頭が高い分、馬体に迫力がない。良い時はもっと良く見せていた。出脚が速く、スッと2番手。毎度のことながら、ハナへ行きたくない様で、ガッチリ2番手で抑える形。ただ、あまり被されて良いタイプではないだけに、自分から動いた方が良かったかも。トウショウフリークに4角で並ばれた際に手応えが怪しくなり、直線も伸びずバテずの形。乗り難しい馬だけに、テン乗りが裏目に。

第64回日経賞(GⅡ)

ゴールドアクター

2人曳き。多少テンション高い。戦前は攻め馬の気配が一息という話だったが、太くは見せない。多少緩い程度。好発も、下見が気負っていたことも有って出脚を使わず3番手に控える形。尤も、前に壁がない状態、しかも超スローだったが、折り合いは付いていた。4角を手応え充分に回って、先に抜け出したサウンズオブアースを坂上でネジ伏せると3/4馬身差。ペースや斤量を考えると圧勝に近い。それなりに強い勝ち方だったグランプリホースに対して、流石に2番人気は舐められ過ぎだった。次走は枠番がモノをいうプラットフォームだが、基本的には最有力。

サウンズオブアース

シープスキンノーズバンド。良くも悪くも前走と変わらず。最初を考えれば大分良くなっているとはいえ、歩様の甘さがこの馬の限界。出脚は一番速かった位だが、行く気なく2番手から。スロー故に時々ディサイファを追い越しそうになるのだが、直ぐにブレーキが利いて、ユッタリ走れていた。ゴールドアクターが4角で並び掛けて来たが、こちらにも手応えが有り、いったんは突き放す場面。それでやられたのだから頂けない。何でも出来る馬だが、器用貧乏なところは有る。ただ、次走京都戦は昨年こそ馬場に殺されたが、普段は軽い馬場でこの手の馬が強い。内枠さえ引ければ単勝で狙ってみる手も。

マリアライト

前肢にバンテージ。気合が乗っており、ほぼ出来ていた。毛ヅヤもピカピカ。好発も、好位のインで控える形。このスローを逃げ馬の真後ろで進める理想的な展開となった。4角で外へ持ち出し、ここで多少フラついたが、一瞬水を開けられたことを考えると最後は伸びている。昨秋、強敵相手に揉まれた経験は大きい様。連覇が懸かるエリザベス女王杯を捨てる以外、使える時がないが、東京の決め手勝負なら逆転の可能性も有るのでは?

アルバート

コンパクトに纏まって、軽い造りのステイヤータイプ。毛ヅヤは冴えていた。ゲートが多少悪かったのと、枠の関係も有って有力馬を見ながら進める形。これはこれだが、2周目4角の反応が少し悪くモタついていしまい、直線入口で一瞬進路がなくなってしまった。それを考えると良く盛り返している方だろう。流れればまた別だろうが、今日のペースだと2500mでも短い。

ディサイファ

前肢にバンテージ。一歩一歩が力強い。絞れた分、馬体も締まっていた。サウンズオブアースやゴールドアクターに行く気がなさそうで、枠の関係で押し出される形でハナへ。距離に不安が有るのでスローの逃げは当然といえば当然。最後はスロー過ぎて決め手の差が出た様な格好だが、それで負けるのは3着迄。5着に落ちた説明が付かない。やはり距離を疑うのが妥当。

第63回毎日杯(GⅢ)

スマートオーディン

2人曳き。前後肢にバンテージ。-10kg。数字は絞れただけ。この厩舎らしい馬になって来た。ゲートは五分に出ているが、例に依って行く気なく後方から。序盤はかなり力んでおり、宥めるのに懸命だった位だが、4角で少し緩めてやると外を回って一気に進出。坂下では持ったままで先頭に立っており、力が違った。上がり32.7秒も出色の数字。ただ、京都からダービーへ向かうそうで、折り合いはカギとなろう。

アーバンキッド

前後肢にバンテージ。踏み込みが力強い。馬体も纏まっている。出脚は一番速かったが、オウケンダイヤが主張して2番手。しかし、直ぐにまたディープエクシードが来るとオウケンダイヤは引いてしまい、3角辺りでは中段迄番手下がっていた。とはいえ、直線でズラッと横に並ぶ展開で、それ迄脚を矯めていた利は大きかった様で、内ラチ沿いから一瞬脚を使って2着浮上。スマートオーディンの決め手には屈したが、器用さは見せた。マイラーという評価になっており、体型もそんな雰囲気だが、折り合いが付き、血統もむしろクラシックディスタンス向き。そこで立ち回りの上手さが生きる場面も有って良い。

タイセイサミット

前後肢にバンテージ。ここへ入るとスケールはそこ迄見劣らない。馬体も締まって来た。出脚は有りそうだが、あまり急かさず中段から。今日は最初から折り合いが付いた。前走中山戦同様、それなりに伸びているが、この馬の限界だろう。もう少し上がりも掛かって欲しかっただろうが、エアスピネルとの0.9秒差に上位2頭が居たということ。

レインボーフラッグ

前後肢にバンテージ。-8kg。絞れたと見て良い。歩様も悪くない。内の馬が行きそうなのを見て、後方に待機。道中は少しズブさも見せていたが、エンジン掛かってスマートオーディンを追撃する形は造れた。スマートオーディン程切れなかっただけで、最後迄しっかり脚を使っている。追って沈み込む様な走法にも好感が持てる。乗り役は距離が長いかもとコメントした様だが、レース内容を見る限り、もっと延びた方が良さそう。

ロワアブソリュー

イレ込みは毎度だが、使われる毎に馬体が締まって来た。ゲートもソロッと出たが、最初から折り合いに専念して、道中は中段やや後方。それでもかなり行きたがっていた。直線も伸び案外。現状はマイル向き。振り返ってみれば、前走は最後入れも良かっただろう。気性面がまだまだ若く、そういった細かい部分が結果に響くレベル。