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競馬回顧 2020年4回京都

第25回秋華賞(GⅠ)

デアリングタクト

+14kg。下見は最後方を周回。休み明けだけに、減って出て来るよりは好感が持てる。毛ヅヤが冴えてデキ自体も良さそうだが、如何せんイレ込みがキツい。毎度のことながら、ゲートでやや後手に回って中段やや後方から。ゲート内も結構煩かった。ペースが落ちた向正面で少し番手を上げ、あとは自分の外から来た馬に併せて、被されない様に進出。コーナーでの手前の替え方が雑で、ちょっと外へ膨れ、直線も右手前で走っている時間が結構有ったが、最後に左手前に替えて追い縋るマジックキャッスルを突き放した。鞍上が自信を持って乗って、それに馬が満点回答で応えた印象。文句なしの3冠といえるだろう。ただ、今後の馬券ということになれば話は別で、今日もゲートが危なっかしい。下見で落ち着いているに越したことはないところ。

マジックキャッスル

シープスキンノーズバンド。+10kg。細身の馬だけに馬体が増えたのは特に歓迎。数字以上の重量感が有った。馬格がないので小脚が利くのだろうが、好発。急かす様子もなかったが、そこからの行き脚も抜群に速いという訳ではなく、中段。序盤はデアリングタクトの一歩前に居た。向で正面でデアリングタクトが動いた際に付き合わず、更に外から動いた馬も多かったが、デアリングタクトの直後でジッと我慢。この矯めが最後の脚に繋がった。小回り2000mの外枠でどうかと思ったが、兎に角器用。小柄なタイプで2分を超える馬場状態も向かない筈だが、多少なりともパワーアップもしているのだろう。

ソフトフルート

2人曳き。胸がい。このメンバーでもそれ程馬は負けていない。皮膚を薄く見せて、しっかり踏めており、何より気配が良かった。ゲート内の駐立も悪かったが、思い切りアオッてしまい、2馬身近い出遅れ。そのまま最後方から。今日の馬場で内を突くのは得策ではなく、外を回さざるを得ないのだが、道中が最後方だったことも有って、4角も大外。更にデアリングタクトが外にフクれたことで合計10馬身近く外を回されてしまったが、渋太く伸びていた。今日の展開はこれはこれで良かった感も有り、五分に出た時の結果が果たしてどうだったかは微妙だが、前走中京戦はマトモにゲートを出ただけに、悔やまれるところ。それでも、前述の前走1000万が圧勝だった様に、重賞でも足りる力は持っている。

パラスアテナ

前後肢にバンテージ。-8kg。下見は物見をしながらの周回。一歩一歩が力強く、見た目に機動力が有りそう。これもゲートをアオり気味に出て後方から。枠の並びからも最初からの決め打ちでデアリングタクトを意識して乗られたのだろうが、今日は行き振りがイマイチで、3角手前位から置かれそうになっていた。3〜4角中間でやっとエンジンが掛かり、ソフトフルートには抵抗し、何とか3着確保かに見えたが、首の上げ下げで惜しい4着。能力で負けたという印象ではないが、本来の鞍上が乗れなかったのは結果的に痛かったか。

ミスニューヨーク

キビキビ歩けており、気配は文句なし。多少胴回りに薄さを感じなくもないが、逆にいえばトモにボリューム感が有った。外枠からジワッと行かせて好位直後。丁度馬群がバラけて、上手くポケットに潜り込めた。勿論、今日の馬場で潜ったことが必ずしもプラスとはいい難い部分も有るのだが、マジックキャッスル同様、結果的に脚が矯められたことは確か。それで居て、4着パラスアテナと3馬身半差。1000万は勝っているが、重賞どころか準オープンでも厳しいかも。

第68回アイルランドトロフィー府中牝馬ステークス(GⅡ)

サラキア

小ぢんまりと見せるのは何時ものこと。3歳時よりはマシになっていることも確かだが、まだ歩様にも非力さは残る。ゲートは決めたが、あまり進んで行かず、向正面で徐々に番手が下がり、結局は3角で後方。ただ、そこから外を回って急にハミを取る様になり、直線も1頭だけ脚が違っていた。結果論として、「道悪は良くないものの、引っ掛かる馬でも有り、この馬場で折り合いが付いた」という説明にはなるのだが、こんなケースは最近ないパターン。先週に弟のサリオスがGⅡを勝ち、今週は姉のこの馬。最大の勝因は血統の勢いという気もしないでもない。

シャドウディーヴァ

前肢にバンテージ。+8kg。もう少し重心が低いとベストだが、首でリズムを取って気配上々。馬体も最近の中ではいい方。1馬身出遅れて、そのまま後方。3角手前でサラキアと並走。これも道中の行き振りは良くなかったが、コーナーになると比較上マシで、直線はダノンファンタジーとラヴズオンリーユーの間から長くいい脚を使っていた。東京巧者は間違いないところだが、これも道悪がいいとは思えない。サラキアにもいえることだが、コーナーの外に良馬場前提の馬でも走れる馬場が有ったという外ない。

サムシングジャスト

2人曳き。メンバー中、唯一の500kg台で、馬体からパワフルさは感じるが、下見の動きはモッサリ。ゲートは半馬身程分が悪かったが、最初から行く気もなく最後方から。道中の行き振りは比較上、悪くなかった方。向正面とコーナーは外を回っていたが、直線は内外の馬場差が少ないということで内へ。勢いは外の方が良かったが、この馬も脚取りは力強く、3着確保。下見の印象通り、道悪は得意。スピード勝負となると分が悪いとしても、京都が改装に入る為、来年の関西は阪神、中京と力を要する馬場状態の2場が開催の主体となるだけに、この馬の出番が増えそうな気も。

トロワゼトワル

今季は休み明けの新潟戦から、前走中山戦も含めて高値安定。何より気配が良くて、歩様も落ちていない。出脚はダノンファンタジーの方が速い位だったが、押してハナへ。そのダノンファンタジーとは最大8馬身以上離した逃げで、思い通りの単騎で行けたのだが、4角でダノンファンタジーが待ち切れずに来たこと、雨で内が微妙に悪い馬場状態、最後に1800mの距離と悪い要素が三つ重なって4着に。恐らく悪材料が一つなくなる毎に着が一つずつ上がった筈。使い込める馬ではないだろうが、今後もハマれば一発期待出来る。

ラヴズオンリーユー

+12kg。休み明けなら馬体はこれでもいいが、もうちょっと歩様にバラツキが有り、ブレなく歩いて欲しい印象。出たなりで中段から。道中の行き振りはそこ迄は悪い様に見えなかったが、3〜4角中間でサラキアに並ばれた際に、一瞬だけ脚を滑らせた様な格好になり、そこからは雪崩れ込んだだけだった。走る位置の問題も大きいだろうが、休み明けで気持ちが前に来ていなかったことも大きいだろう。距離も1800m以下は短過ぎる感も有り、叩いて改めての狙い。

第71回毎日王冠(GⅡ)

サリオス

+10kg。数字分だけ単純に馬が良くなった。競走馬としてはもう少し絞ってもいいだろうが、歩様に力強さが有って、休み明けとしては満点。好発、出脚も速い馬だが、急かすことなく4番手から。前がやり合う形となり、1000m通過58.0秒は馬場状態を考慮すれば結構速かったが、短手綱で折り合い重視で乗られた。直線向いてからも追い出しを待てるだけ待ってから追い出す形。他馬がハイペースと微妙に緩い馬場に苦しむ中、1頭だけ手応えが違っており、追い出していとも簡単にに突き抜けた。パワー、スピードと競走馬として必要な要素の全部が違った印象。次走は国内ならマイル戦とのことだが、京都よりは阪神の方がいいタイプだろう。その点でも有望。

ダイワキャグニー

遮眼革。シープスキンノーズバンド。前後肢にバンテージ。前走重賞勝ちで去勢されたが、見た目に大きな変化はない。ただ、去勢した分、歩様はスムーズ。気配もイレ込みと迄はいえず、活気が有るといえる範囲。逃げるトーラスジェミニをコントラチェックが突く展開となったが、そこから離れた3番手。前述した様に単純なペース自体も速かったが、真後ろにサリオスが居て、意識はずっと後ろに有った。追い出すタイミングもサリオスを確認しつつ、そのサリオスが持ったままで、結果的にサリオスよりワンテンポ早く坂下辺りで追い出す形。坂を上った辺りで左手前になってしまい、伸びを欠いたが、何とか2着は死守。今日はサリオスに助けて貰った2着。去勢が失敗だったかどうかは何ともいえないが、パフォーマンスだけなら前走の方が良かった。

サンレイポケット

前後肢にバンテージ。胴長で馬が多少薄い印象も有るのだが、歩様は伸びやか。首を伸ばしてノンビリと歩けていた点も好印象。出脚が多少甘い気もしたが、押して中段。恐らくは戦前からの決め打ちでサリオスをマークする形。4角でサリオスの1馬身後方。直線向いて持ったままのサリオスに対し、懸命に追っても外へヨレて差が開いて行ったが、それでも最後迄良く頑張っていた。惜しい3着。前走新潟戦からクビがハナ差になったが、前走で触れた通り、鞍上が出世する為にも2着が欲しかった。真っ直ぐ走れていれば2着が有っただけに鞍上の技術不足といわれても仕方がないだろう。今日の3着は前走以上に痛恨。

カデナ

前のサリオスとは迫力が違い過ぎるが、それでもこの馬なりにしっかり造り込んで有った。歩様にも硬さは感じず。出ッパも微妙に甘かったが、例に依って行く気もなくそのまま後方から。3角過ぎからジワッと差を詰め、サリオスをマークするサンレイポケットの直後。徒に外を回さず、入着狙いで丁寧に乗られたのだが、一瞬は3着も有りそうな脚勢ながら、最後に甘くなった。雨の影響で少し力を要す馬場になっていたことも影響しただろうが、基本的にはいい脚が長く続かないタイプ。

ザダル

2人曳き。-2kg。大分涼しくなって来たが、その割に発汗が目立った。馬体も少し細く見せており、これ以上は減って欲しくないところ。下見はイレ込んでいたが、ゲートは五分。ならばと、これもサンレイポケット同様、有る程度の決め打ちでサリオスをマークする形。道中の折り合いも問題なく、展開としては上手く行った方だろうが、いざ追ってからがフラフラだった。見た目通り、上位とはパワー差が有りそう。

第55回農林水産省賞典京都大賞典(GⅡ)

グローリーヴェイズ

前肢にバンテージ。多少歩様のスムーズさを欠いて怪しい部分も有ったが、馬体は充実。何より馬に活気が有った。特に急かす様子はなかったが、この馬の出脚でジワッと好位。道中は兎に角余計なことをせず大事に乗られた印象。京都外回りだと坂の下りで動きたくなるところだが、下り切ってキセキを待ってからの追い出し。スパッと切れたというよりは、キセキが伸びれば、その分だけ伸びた印象。前走阪神戦はサッパリだったが、流れに乗れさえすれば勝負強い。ただ、恐らくは京都を走るのは生涯最後。次走は東京か香港とのことだが、平坦の方がいいのは間違いなく、昨年も制した香港の方が確率は高い。

キセキ

前後肢にバンテージ。最近は見た目の変化がなくなって来た。雄大な馬体で、序に気配も一緒。下見はゆったり構えられている。ゲートを出ないのは最近のパターン通り。ただ、鞍上が替わった影響なのか、最近の中では結構行きたがっていた様に見えた。最後方で馬を前に置いて何とか宥めようとしていたが、3角手前から進出。何時ものパターンといえばそうだが、少々ロスが有っても最後迄伸び切る馬が何時も程の踏ん張りではなかった。マトモに走ればグローリーヴェイズのレベルなら何とかなった筈で、道中で行きたがっていた分、パフォーマンスが落ちている。次走は東京2000mとのことだが、今日の様に最後方からの競馬となることは間違いなく、ひと雨欲しいところ。

キングオブコージ

基本的には歩様の硬い馬だが、今日はそこ迄気にならず。胴長の馬とはいえ、少し馬体の張りも緩く映った。自在性の有る馬で、行こうと思えば行ける筈だが、大外枠でも有り、無理せず後方からジックリと乗られた。キセキの早目進出には付き合わず、直線迄待ってからの追い出し。それなりに伸びているが、前には届かず。大外枠が多少なりとも応えた部分は有るだろうが、ちょっと能力差は有りそう。内枠ならセコい競馬は出来るタイプだが、GⅠで真っ向勝負となるともうワンパンチ欲しい。

シルヴァンシャー

-10kg。数字分だけスッキリした印象。これ以上は減るとマズいだろうが、トモのボリューム感は有って歩様も力強い。ゲートをアオり気味に出て、ダッシュが鈍ったが、直ぐに立て直して中段から。基本的には枠なりに内目を回って来たが、ところどころで機動力がなく、追ってからもジリジリだった。ただ、3着の昨年よりは今年の方が遥かにメンバーが揃っており、1年を経ての成長は有りそう。一応は重賞にメドを立てたといえる。

ステイフーリッシュ

小ぢんまりとした造りは毎度で、馬体に大きな変化はないが、中1週の影響か、何時も以上に歩様が硬く映った。内枠でゲートが決まったことも有り、好位から。坂の下りで惰性を付けて行くこの馬の京都出走時の何時ものパターン。ただ、もうちょっとここで進んで欲しかったところ。先頭に立とうとするところで、外のグローリーヴェイズに捕まっていた。前走中山戦の轍を踏まない様に早目に動かしてこの結果。メンバーが些かキツかったことも確かだが、下見通り、中1週の影響は少なからず有った様。

第6回サウジアラビアロイヤルカップ(GⅢ)

ステラヴェローチェ

+14kg。単純に成長分。胴長ということも有るが、まだスカッと見せる。可動域が広く、手先のスナップも利いていた。このメンバーだと馬が一枚上。前走阪神戦は逃げて勝った馬だが、半馬身程出遅れたことも有り、後方からジックリと。外を走らせていても、明らかに下を気にして走っていていたが、直線に持ち出してから一番外へ持ち出すと1頭だけ脚が違っていた。特殊な馬場だが、1分40秒近い時計ともなれば走り辛さは他馬も一緒で、案外この3馬身差がそのまま能力差という気もしないでもない。ただ、しかも例年より低調なメンバー構成。今日の反動も案ずるところで、次走は微妙。

インフィナイト

488kgとソコソコ数字が有る割に全体に力が付き切っていない印象。歩様も伸びやかでは有るが、まだ力強さに欠く。ゲート自体は速くなかったが、そこからの行き振りは良く、中段の内目で楽に追走出来た。他馬が徐々に苦しくなって来る中、徐々に前へ取り付き、4角で先団の直後。直線に向いてからも狭いところをちゃんと割って来れたが、ステラヴェローチェの脚が違っていた。道悪適性は高いが、能力差で負けた格好。尤も、道悪適性といっても前向きな気性面が適性の大半だろう。重賞で五分に闘うにはもっとパワーアップが必要。

セイウンダイモス

-14kg。トモにボリューム感が有り、絞れたと見て良さそう。首でリズムを取ってヤル気充分。もうちょっと歩様がパンとすれば尚いいが。半馬身程出遅れて後方から。道中は1200mの後ということで、少し行きたがる場面も有ったが、逆にこの馬場で脚を滑らせたか、一旦は最後方に後退。それでもへこたれることなく、3〜4角中間からジワッと進出、追い出してからもバランスを崩す場面が有ったのだが、それでも健気に全身を使って、渋太く脚を伸ばしていた。これも根性一本で走るタイプ。

ジャンカズマ

シープスキンノーズバンド。寸が詰まって、硬さはないものの、歩幅が小さいタイプ。テンションもこれ以上は上がって欲しくないところ。出脚には余裕有ったが、内からピンクカメハメハが主張して2番手から。下見同様、レースも比較的ピッチの利いた走りで、比較的馬場を苦にせず走れていた。直線に向いてからの反応も良く、坂下で先頭。ただ、そこからが続かなかった。最後は上位とのパワー差が出た格好。現状だと500万も怪しい。

キングストンボーイ

皮膚を薄く見せて、馬自体はカッコ良く見せるタイプだが、まだ全体に筋肉が付き切っていない。歩様も甘い。出遅れ1馬身不利。それでも3角迄には馬群に取り付いて、行き振り自体はそこ迄悪くなかったが、直線に向いて追い出してからが案外。出遅れてちゃんと流れに乗れていなかった影響も大きいだろうが、馬自身も鍛錬が必要。