Sakura Archives

競馬回顧 2022年1回阪神

第36回フラワーカップ(GⅢ)

スタニングローズ

このメンバーに入れば馬は上位。今年2戦目だが、一回使って馬体の張りも良かった。ただ、今日は少し歩様が硬目。ゲートのタイミングが合わず、出負け気味だったが、出脚を利かせて好位は確保。1000m通過が61.3秒のスローだっただけに今日はこれで正解。馬体だけでなく、気性的にもドッシリとした馬で、初の1800mでこの形でも折り合って追走出来た。直線もスムーズに前が開き、先を行くニシノラブウインクも中々渋太かったが、坂を上り切って競り落とし、完勝といえる内容。流石に牡馬相手でソコソコ走っていた実力が一枚上だった。取り敢えず阪神戦はスキップして、東京マイルとオークスの両睨みとのことだが、距離は保つ筈。むしろ2400mへ出て来た方が狙い目。

ニシノラブウインク

シープスキンノーズバンド。前肢にバンテージ。+6kg。下見はかなり煩かったが、馬体増は間違いなくいい方に出ている。トモに張りが出た。コルベイユの逃げに付いて行く形で2番手。少し押しており、出脚が本当に速いかといえばそうでもないだろうが、下見で煩かった割には何の問題もなく、リラックスして走れていた。4角の手応えも抜群で、直線入口で先頭。一旦は完全に抜け切っており、見せ場タップリの内容。最後は重賞常連のスタニングローズにネジ伏せられたが、2着は確保した。前走と違って、スムーズに運べたことが一番だが、馬も良くなっている。もう少し落ち着き出れば距離もこなしてくれそう。

シンティレーション

前肢にバンテージ。-4kg。良くも悪くも素軽い造り。馬体はこれ以上、減らない方がいいだろう。歩様も明らかに落ちて来た。好発も、出脚が甘く、押して何とか好位。鞍上の話では内目の荒れ馬場を気にしていたとのことだが、道中の手応えも一息。序盤はインに居たが、向正面で外に持ち出す形。4角でも外を回して、前との差が益々開いてしまい、3着確保がやっとだったが、確かに馬場のいい外へ持ち出してからは伸びている。ただ、馬場悪いといってもマトモな良馬場。パワー不足は否めないところ。

ダイム

-12kg。馬格のない馬だけに、この馬体減は頂けないが、それでも品のいい馬で、ギスギス感はない。歩様もトモがしっかりしているのか、ブレがなかった。ゲートでアオッてしまい、出遅れ1馬身不利。そのまま後方から。人気がなかったことも有るが、こちらは荒れ馬場に自信が有った様で只管インを突く形。直線に向いて上位2頭の直後迄押し上げて来ており、あそこ迄来たら3着が欲しかったところだが、最後にシンティレーションに捕まって4着。ゲート五分なら3着有ったかといったところだが、上位馬とは能力差が有り、500万でギリギリ勝ち負けのレベル。

デインティハート

どちらかといえば寸詰まりの体型。その分、490kgも有る馬で、その分、馬に幅は有るのだが、歩様も窮屈。ただ、毛ヅヤはいい。ゲートは分が悪い方で、1角進入時は後方。外だった割には折り合いも付いていたが、1000m通過61.3秒のスローということで向正面から番手を上げて行く形。3角でスタニングローズの外迄押し上げ、流石にそこからは手応えに余裕なかったが、何とか掲示板は確保した。スタミナは有りそう。ただ、この手のタイプは条件戦で勝ち切れないケースが多いのがネック。

第71回フジテレビ賞スプリングステークス(GⅡ)

ビーアストニッシド

2人曳き。例に依って、曳き手が宥めるのに懸命になる程、チャカついていた。ただ、馬は明らかに上位、トモのボリューム感が目立つ。ゲートが開いて、1完歩目に躓いたが、押してハナへ。今日は後続に付いて来る気がなく、1角の時点で既に楽々単騎、そこから少しペースを緩める余裕が有り、1000m通過が60.8秒とスロー。こうなればあとは仕掛けるタイミングだけ。4角手前で2番手のアライバルを一旦引き付けて、直線入口で突き放す形。最後はアライバルも際どく迫ったが、一杯一杯ハナ差凌ぎ切った。馬、鞍上共、気合一本で走った様な競馬。次走以降へ向けて、東京は厳しいが、中山だとこれが結構保ってしまうことも多く、次走は単勝だけ買ってみる手も。

アライバル

前後肢にバンテージ。-8kg。どちらかといえば腹袋が目立つマイラー体型だが、前走が+16kgで絞れたのはいい傾向。歩様に窮屈さがないのもいい。前走が消化不良の競馬だっただけに、今日は積極策に出て、外枠ながら2番手へ。道中は問題ないのだが、エンジンの掛かりが遅いタイプで、4角も少し早目のスパート。それでも、ビーアストニッシドとは機動力に差が有り、最後は良く詰めているが、直線入口での差は大きく、ハナ差届かなかった。機動力不足を先行してカバーするという作戦自体は間違っていないが、ここ迄来たら勝ちたかったところ。東京向きだとしても、今日のメンバーで勝てない様だと東京でも入着レベル。

サトノヘリオス

2人曳き。-4kg。無駄肉がなく、シャープに作り込まれていた。気配もこの馬としては落ち着いていた方。ゲート五分。内枠の利は有ったが、スタート直後から引っ掛かりそうになっており、折り合い重視で乗られて中段から。道中も引っ張り気味の追走。馬場の悪い内目に居て、4角は下を気にする素振りも有りながら、何とか抜けて来たが、前に届く迄には至らなかった。今日はそういう次元の話ではないが、相変わらず首が使えず頭が高いのがネック。2000mはともかく、これで東京2400mはかなり厳しい。

エンギダルマ

500kgを超える馬だが、腹袋が目立って不格好。もうひと絞り有ってもいいかも。デビュー当時より、歩様はマシになったが。ゲートはビーアストニッシドより速かったが、ビーアストニッシドが主張したことにより、好位に控える形。ビーアストニッシドに対して番手ピッタリではなく、自分のペースに徹して折り合い重視で乗られた。4角で少し前と差を詰め、直線入口でアライバルと並走。坂下辺りから付いて行けなくなり、ここ迄。未勝利即重賞挑戦としては悪い内容ではないが、500万楽勝級と迄はいえない。もう少し馬体を締めてから。

ディオ

前後肢にバンテージ。-8kg。数字分だけ締まって来た印象。毛ヅヤも良くなったが、現状は手先だけで歩いている。好発。出脚も有りそうだったが、行きたがる気配も有り、中段で前に馬を置いて我慢させる形。その意図通りに運べた様に見えたが、追ってからフォームがバラバラになり、エンジンが掛かる迄、少し時間が掛かった分の5着。もうちょっと体幹的な部分がしっかりして来ないと重賞では通用しない。

第70回阪神大賞典(GⅡ)

ディープボンド

2人曳き。前後肢にバンテージ。+8kg。今年初戦だが、馬に活気が有ったのは何より。ただ、数字分だけ太い。ゲートは出たが、今日は最初から行き振りが怪しく、オッツケ気味で中段。勝負どころの回り脚はソコソコ速かったが、直線に向いてからもアイアンバローズには少し梃子摺った感も有り、最後は登坂力で決着を付けて、底力でネジ伏せた様な勝ち方だった。単勝1.2倍に支持されていただけに、負けられないところで、内容はともかく勝てたのが何より。尤も、全体にズブかったのは一枚太かった影響も有るだろう。悲願のGⅠへ、一先ずは好発進。

アイアンバローズ

前後肢にバンテージ。3000mを走る馬としては結構煩かったが、馬振りの良さは目立つ。単純にカッコいいタイプ。好発。出脚も一番速かった位だが、好位で折り合いに専念。それでも、阪神で1周以上回って来る競馬が初めてだったことも有ったか、1周目3〜4角で頭を上げる場面も有ったか、そこで前に馬を置いて我慢させてからはスムーズ。ちょっと行き振りが良過ぎる程度で、流れに乗れた。2周目4角も手応えは抜群で、直線入口で先頭。一瞬、ディープボンドがモタつき、やったかに見えたが、流石に最後は相手が一枚上手だった。それでも地力強化を示す内容。次走も似た様なメンバーとなりそうで、圏内の1頭。

シルヴァーソニック

この距離だけに、小ぢんまりと見せる位で丁度。毛ヅヤも悪くなく、デキに問題はないが、毎度のこととはいえ、もう少し歩様に伸びやかさが欲しい。先行して行った馬にはスタート直後から押していた馬が多かったが、こちらは自分の出脚で中段のイン。内目はそれなりに悪いのだが、距離が長いだけに今日に関しては内を通ったメリットの方が大きかっただろう。折り合い面も含めて、上手く流れに乗れた。直線に向いてディープボンドがタイトに回って来た関係で、一瞬ブレーキを掛ける場面も有ったが、今日はそこがスムーズでも3着だったか。これで3戦連続3着だが、もうワンパンチ欲しい。

マカオンドール

前後肢にバンテージ。シルヴァーソニック同様、小ぢんまりと見せるタイプ。硬いと迄は行かないものの、これもトモの可動域が狭い。例に依ってゲートは速い方ではなく、後方から。基本的にはディープボンドをマークする形で乗られ、2周目4角で少し内を回って距離を稼いだ点もナイスプレーだったが、直線は突き放される一方だった。ちょっと案外感が残る内容。やはり重賞で3kg増は簡単ではなかったか。

ユーキャンスマイル

気配は地味だが、毛ヅヤピカピカ。最近の中ではいい方。トモがパンとすればもっと走っただろうが、中々直らない。ゲート五分も、例に依って行く気はなく、中段やや後方。これもディープボンドをマークして乗られていたクチだが、徐々に内へ潜って立ち回りとしては悪くなく、直線入口ではマカオンドールより前に出て来られたが、いざ追って雪崩れ込んだだけだった。ただ、直線が長い方がいいタイプで、最後も止まっている訳ではない。ベストは東京。

第36回中日スポーツ賞ファルコンステークス(GⅢ)

プルパレイ

このメンバーなら馬で負けることはない。微妙にテンション高いが、1400mなら活気が有るといえる範疇。毛ヅヤが冴えて、デキ自体も良さそう。出遅れ1馬身不利も、内枠の分、リカバーが利いて中段は確保。下見のテンションの割にコントロールの利く馬の様で、前に壁が出来る迄、押し気味で乗られ、4角で前に2頭。登坂力でヴィアドロローサをパスして、坂を上り切って逃げていたカジュフェイスを交わし、後続に1馬身3/4差。2着のタイセイディバインが競馬を失敗しており、文句なしの完勝とはいい難い部分も有るのだが、力任せに乗れるだけの地力が有ったということは確か。ただ、幾ら操縦性のいい馬とはいえ、マイルとなると、今日、急かせて乗ったことがマイナスに出る危険がない訳でもない。

タイセイディバイン

骨格のしっかりした馬で、馬振りの良さは一際目立つ。中距離を使われていた馬だが、テンションの高さも短距離向き。ただ、今日は全体に緩さが有った。かなり締める余地が有りそう。ゲート五分。初距離にも関わらず、出脚はむしろ速い方だったが、道中のスピードは不慣れだった様で、オッツケながらの追走。これが結果的に悪い位置に入ってしまい、コーナーはプルパレイと似た様な位置に居たが、4角で前が壁になり、坂下でやっと外へ持ち出すとそこから猛追したが、どうしようもなかった。マトモなら勝っていた競馬だが、距離経験のなさが招いた形ともいえる。次走未定だが、今日の経験は大きい筈で、今年の低調なマイル路線なら結構楽しみ持てる。

オタルエバー

+14kg。今年初戦だが、馬体増は全部成長分。歩様にも力強さが増して、2歳時とは別馬になった。ゲートは五分か少し分が悪い程度。ただ、鞍上も今日はあまり行く気はなく、中段で折り合いに専念する形。何とか我慢して走ってくれていた。4角を手応え充分に外を回り、直線は少し内にモタれていたが、結果的にタイセイディバインに大してフタをする形となり、この点も上手く行ったが、最後が甘くなった。枠に泣いた格好。ただ、2歳時は逃げていた馬だけに、この競馬がちゃんと出来たことは収穫。GⅠは抽選となるものの、降級のない現行制度では本賞金の加算されない重賞3着はこれはこれでオイシイところ。1000万は確勝級。

デヴィルズマーブル

-10kg。脚は長いが、寸詰まり気味の体型で、トモの張りが目立つ。歩様も一歩一歩に柔軟性が有る。半馬身程出遅れ。出脚はそこ迄速くなさそうだが、押して馬群に取り付き、同じく出遅れていたプルパレイに付いて行く形。道中でプルパレイが進んでくれて、直線もプルパレイが通った進路を伸びて来た。ただ、進路自体は結果的に全てプルパレイの後追いになったが、鞍上は進路を探しながら走っていた。その分、思い切り走れなかった印象も有るが、インに居た利もそれなりに有った筈で、評価に迷う内容。500万なら何とか勝てると思うが、その先は微妙。

トウシンマカオ

前後肢にバンテージ。毛ヅヤはイマイチだが、短距離馬らしいボテッとした体型。歩様にも力強さが有った。ゲート五分。出たなりで好位直後。ただ、道中は内外前に馬が居て、ストレスが掛かる展開。直線もズラリと前が壁になり、外へ持ち出した段階ではオタルエバーが抜け切った後。57kgを背負っていたことも有り、ここからエンジンを掛けて前を追う余力はなかった。もうちょっと立ち回りがスムーズなら結果は違った筈で、バタっと行かなかっただけでもそれなりの評価は出来る。

第56回報知杯フィリーズレビュー(GⅡ)

サブライムアンセム

トモに丸みが有って、馬体はこれでいいが、曳き手に甘えてテンションが高いのが気になった。1馬身近く出遅れ。そのまま後方のイン。道中は何とか我慢して走ってくれていた。4角迄は内を回って、直線迄待って進路を探す形。決して広いスペースではなかったが、キミワクイーンとスリーパーダの間を脚でコジ開け、先頭。ナムラクレアの猛追を一杯一杯凌ぎ切った。今日だけをいえば展開がハマった感が強いが、下見のテンションの割に折り合いが付いていたのは収穫。ただ、次走は1F延びることから、下見の落ち着きが何より重要。

ナムラクレア

+12kg。馬体に張りが有って、デキ自体はいいのだろうが、微妙に立派。ただ、これ以上、テンションは上がって欲しくないところ。ゲートで半馬身程後手。内枠の分、多少なりともリカバーは出来たが、それでも中段やや後方。圧倒的一番人気に推されていただけに、4角で外を回したことも間違ってはいなかったが、ちょっと外へ膨れ過ぎた印象も。良く追い込んでいるが、最後がアタマ差だけに惜しい。間違いなく一番強い競馬をしており、馬は頑張っている。ただ、4角に限らず、道中も鞍上が妙に慌てていた印象。これが1F延長で悪い方に出なければいいが...。

アネゴハダ

-6kg。2歳時から小さいなりに完成度の高かったタイプだが、今日もまずまず。歩様が落ちていないのが何より。この馬の出脚で好位5番手。前に馬を置いて折り合いを付ける形。いい形で流れに乗れた。直線もスムーズに前が開いて、坂下で先頭。サブライムアンセムには抵抗出来なかったが、3着には粘り込んで権利は確保した。本番で馬券になる馬ではないだろうが、実戦で渋太いのは長所。実に馬主孝行。

マイシンフォニー

パシュファイヤー。-6kg。馬体はこのメンバーでも上位だが、もうちょっと落ち着いて欲しい。ゲートを五分に出たが、押して行かせることはせず、中段から。これはこれで間違っていないが、4角で外を選択した際に、ナムラクレアが膨れて来た関係で、その外に居たモチベーションを交わすのに一苦労。最後迄ジリジリとは差を詰めており、ここでも能力そのものは遜色なさそう。ただ、カネより夢を追うタイプの馬主だけに、権利が取れなかったのは痛い。東京戦には間に合わせたいところ。

ラブリネスオーバー

前後肢にバンテージ。-6kg。もう少し絞ってもいいかも。歩様も甘い。ただ、1400mだけにスプリント色の強い馬が多かった中で、胴長の体型は1頭だけ目立っていた。1馬身以上の出遅れ。出脚自体は悪くなさそうで、馬群には取り付いていたが、そのまま最後方から。直線は進路を探しながらだったことも有るが、エンジンの掛かりが遅く、1400mを走るには少し回転数が足らない様にも見えた。ダート1200mで新馬を勝った馬で、The Factor産駒自体もそういう傾向だが、1600〜1800m辺りが良さそう。

第58回金鯱賞(GⅡ)

ジャックドール

2人曳き。オープンに入っても馬の迫力では負けていない。馬体に柔軟性が有り、歩様もしっかりしていた。ゲートが開いて、内のギベオンと接触。一瞬の出脚自体は速くなかったが、枠の利と誰も行かなかったことも有ってハナへ。1000m通過59.3秒自体は特別速かった訳ではないが、1F12秒台が殆どなく、見た目以上に積極的に乗られた。それでも直線に向いて後続を突き放し、後続に2馬身半差を付けてレコード。今日だけをいえば相当強い内容。ただ、トビが大きく、阪神2000m向きでもなさそう。自分の競馬が出来ればいいが、今日の勝ち方でマークがキツくなることも考えられ、次走は微妙。

レイパパレ

下見は最後方を周回。毛ヅヤがもうひとつ。ただ、昨年、勢いを持って勝ち上がって来た時よりも今の方が遥かにいい馬になっている。歩様のブレの少なさも特筆モノ。最初からハナへ行く気はなかった様だが、直ぐ内のシフルマンが先行してくれて、これに付いて行く形で3番手から。リラックスして走れていたとはいい難いが、以前のこの馬と比べれば良く我慢してくれた方だろう。基本的にはジャックドールに直接プレッシャーを掛けるというよりは、シフルマンを煽る形で乗られていたが、並び掛ける場面はなく、ラスト150mで左手前になって、前と脚色が一緒になってしまった。今日だけをいえば完敗。ただ、ジャックドールと違い、こちらは明らかに右回りの方が得意。次走阪神戦は何とかしたい一戦。

アカイイト

-4kg。今年初戦だが、ちょっと緩い程度で、休み明けとしてはほぼ出来ていた。気配が地味なのは毎度。最初から位置を取りに行くつもりだった様だが、そこ迄押さなくとも労せず中段は確保。基本的にはインに居て、向正面で前と離され過ぎたと感じた様で、結局的に追い掛けて行く形。4角でレイパパレの直後に取り付き、そこからは差が詰まらなかったが、見た目以上にキツい競馬を最後迄良く堪えていた。やはり持久力勝負には強い。2000mよりは2200mの方がいいだろうが、引き続き有望。

ポタジェ

-8kg。数字分だけ腹回りがスッキリ。かつてはトモの薄い不格好な馬だったが、トモがパンとして来た。ゲートは五分に出たが、スタートして進んで行かず後方から。道中もジッと動かず、直線は大外へ。開幕週の馬場ということを考慮すると、絶望的な位置だったが、後方待機組では1頭だけ違う脚でここ迄。上位3頭とは能力差有るだろうが、得意の左回りの2000mだけ有って、良く頑張っている。

ギベオン

オーストラリアンブリンカー。前肢にバンテージ。昨年もそれなりに良く見せたが、今年も悪くない。歩様に窮屈さがないのがいい。前述した通り、スタート直後にジャックドールと接触したが、出脚に問題はなく、そのジャックドールの番手から。上手く流れに乗れたが、昨年とは相手が違った様で、雪崩れ込むのがやっと。ただ、それでも昨春このレース以来の掲示板で、この条件が合っているのは間違いない。

第40回ローレル競馬場賞中山牝馬ステークス(GⅢ)

クリノプレミアム

毛ヅヤが多少怪しいものの、馬体には張りが有った。歩様もこの馬としては硬さがなく、結構しっかり踏めていた。ゲート五分。出脚も速い方だったが、外枠だけに深追いはせず、中段やや後方の外。アブレイズを目標に動いて、大外からいい脚を長く使って、そのアブレイズを半馬身競り落としたところがゴール。ブービー人気だったが、ハンデを別にすれば何処にも恵まれた要素がなく、完勝といえる内容。以前、函館で1000万を勝った際に、1800mだと力むという話も有ったが、今日はスムーズ。この点でも今日は収穫の大きい競馬。

アブレイズ

-14kg。前走東京戦がデビュー以来、最高体重。もう少し有ってもいいだろうが、スッキリ出来ていたといえる範疇。手先にバネが有って、毛ヅヤも良かった。ゲートは微妙に分が悪かったが、頑張って中段。ちょっと道中は力んでいたか。それでも3〜4角中段から積極的に前を追って、力強い脚取りで伸びて来たが、最後にクリノプレミアム。3kg差有っただけに仕方がないところ。ただ、昨夏の阪神戦が56kgでサッパリだったことを考えると、馬が慣れて斤量に来た印象も有る。

ミスニューヨーク

前走からは平行線。緩んだところがなく、スカッとした造り。毛ヅヤも変わらず悪くなかった。今日はゲート五分。ただ、出脚はない馬だが、今日は押して中段のイン。出した割には折り合いも付いて、直線もインから。坂下辺りで既に抜け切っていたが、結果的に上手く行き過ぎた印象。前走より2kg増だったことも有り、最後の踏ん張りが利かなかった。ただ、これはこれでいい経験になった筈。限定戦なら引き続き圏内。

スライリー

前肢にバンテージ。馬体は良くも悪くもこんなモノだが、前走中京戦よりは締まっていた。歩様もこの数字の馬としては力強い。ゲートは五分に出ているが、単純に行く気がなく後方から。ただ、道中は引っ張り気味の追走。4角でアブレイズやクリノプレミアムが動いた際に、少し待って距離を稼ぎ、直線入口ではクリのプレミアムと並走。もうひと伸びが足りなかった分の4着だが、惜しい競馬。ここでも力は足りる。

テルツェット

2人曳き。+8kg。432kgの馬だけに、馬体増自体はいい傾向だが、今日だけをいえば少し緩いかも。ただ、馬に活気が有るのはいい傾向。スタート直後に直ぐ内のゴルトベルクと接触。出脚が鈍って、後方から。ただ、道中もオッツケ気味の追走。4角でも付いて行くのがやっとで、最後もジリジリ。明らかにハンデ56.5kgが応えている。

第59回報知杯弥生賞ディープインパクト記念(GⅡ)

アスクビクターモア

前肢にバンテージ。-4kg。スカッした造りながら、トモに厚みが有って、良く出来ている。歩様もしっかりしていたが、気性面は散漫。出脚が速いという訳ではないが、外からジワッと行かせて2番手。隊列が決まってからはスムーズに折り合えていた。詳しくは後述するが、ロジハービンが動いた際に少し抵抗。ここでロジハービンが引いてくれて大分楽になった。切れるタイプではないが、道中からトビが大きく簡単には止まらないタイプ。ドウデュースに不利が有ったとはいえ、一杯一杯凌ぎ切ったのは立派の一言。中山のフルゲートとなればこれだけスムーズに行くとは思えないが、仮令負けても東京戦で狙ってみたい。

ドウデュース

+8kg。今年初戦としては良く出来ていた。もうひと絞り有ってもいいが、緩んだところがなく、一歩一歩が力強い。この距離なら出脚は速く、急かさずとも好位。初距離だけに、序盤に多少力むのは仕方がないところだが、2角辺りから折り合いはスムーズに。ただ、今日は3角手前からのロジハービンの挙動に泣かされた格好。ロジハービンがマクりに出たこと自体は問題ないのだが、ハナ迄行き切ってくれるならまだしも、4角手前でこの馬の前で何故か小休止。ここで後手に回ったのが痛恨だった。最後は同タイムだけに間違っても馬も鞍上も責められない。昨年のダノンザキッド同様、連勝が止まった点は残念ながら次走も最右翼。

ボーンディスウェイ

2人曳き。前肢にバンテージ。増減なしでは、やはり全体に緩慢。少し煩い位の気配は前走同様。図体の割に出脚が有って、持ったままで好位確保。アスクビクターモアやドウデュースの内。今日の馬場状態なら展開としては絶好の位置。ロジハービンの件も全く問題はなく、4角でアスクビクターモアの外へ持ち出せたが、一瞬の脚の差でドウデュースに弾かれ、ジリジリ盛り返して来たものの3着止まり。それでも前走を考えれば遥かに内容は良くなっている。馬体を締めればもっと機動力が来る筈で、次走以降も圏内。

ジャスティンロック

+10kg。元々がスカッと見せるタイプで、今日位で丁度。順当に成長している。歩様にブレがないのは前走阪神戦同様。ゲートも微妙に分が悪かったが、行く気もなく後方。2角迄は内ラチ沿いに居て、向正面で何時でも動ける外へ。この馬が一瞬、動き掛けたところで、ロジハービンが一気に行って、一旦手綱を引いてその後を追い掛ける形。前述した様に、そのロジハービンが中途半端だったのはこの馬にもいい方に出なかった印象。それで0.2秒差なら内容としてはそこ迄悪くない。前走阪神戦はメンバーに恵まれていた感も強かったが、少し評価を上げておきたい。

インダストリア

左のみオーストラリアンブリンカー。-6kg。馬体にキレが有って、如何にも瞬発力タイプ。歩様にもバネが有るが、体型はマイラー。ゲートを真っ直ぐ出ず、出脚が鈍り、後方から。序盤から行きたがっており、手綱を引っ張りながらの追走。4角の件は、この馬の回り脚が甘いのも一因で、ジャスティンロックに弾かれる格好になって損している。直線も外へヨレ気味。今日はいいところなし。マイルの方がいい。

第17回夕刊フジ杯オーシャンステークス(GⅢ)

ジャンダルム

-4kg。最近では一番良かった。数字程大きく見せないタイプだが、馬体が絞れて、曳き手を引っ張って行く位の気配。横の比較では出遅れに近いが、自分より外の馬が無理に来なかったことも有って、頑張って好位を確保。道中も追走が楽だったという印象ではないが、スピードに乗ってからの4角の手応えが抜群。逃げていたビアンフェとは実質同馬主だけに、そこ迄早仕掛けする訳にも行かないのだが、坂下でビアンフェと並走に持ち込み、最後は登坂力でネジ伏せた。今日の内容だけをいえば、1200mだと距離は若干短い様な内容。これで2回続けて先行出来た形とはなるが、ゲートもまだアテになるとはいえない。

ナランフレグ

+4kg。また馬体増。走っただけに結果的にはこれでいいのかも知れないが、見た目には腹回りが緩い。歩様や毛ヅヤは悪くないが。出ッパだけならジャンダルムと似た様なモノだが、例に依って行く気も出脚もなく後方から。4角手前から勢いを付けて、直線は大外。この時にサヴォワールエメを弾いていたが、1頭だけ違う脚で追い込んで、最後の最後に2着浮上。中山とはいえ、末脚の持続力を感じさせた。デビュー当時は良績が左回りに集中していたが、今なら右回りも全く問題なし。ここ2走、太い状態で走らされているのが気にならないでもないが、次走も圏内。

ビアンフェ

-6kg。少しでも減って締まって来たのはいい傾向。テンション高いが、これでも去勢して一時期よりはマシになっている。好発。外枠とはいえ、この馬としては出脚が少し鈍い様にも見えたが、1F過ぎにハナへ。前半3F通過が33.4秒ならそこ迄速い方ではなく、無理することなく走れた。前述した様に、直線に向いてからもジャンダルムも可愛がってくれており、最後迄渋太く抵抗しているのだが、だからこそ2着は確保したかったところ。平坦の方がいいということも有るだろうが、ワンパンチ足りない。

ダディーズビビット

良くも悪くも重厚に見せるタイプ。全体にボテッと映るのは毎度。中1週だが、歩様が落ちておらず、馬に活気が有るのがいい。ゲートは五分程度。出脚は有って、好位グループの一角に居たが、内の馬に粘られたことも有って、位置取りとしてはベストとはいい難いところ。案の定、3角過ぎに外から来られて、一旦は中段に引く場面が有り、そこから立て直して外へ持ち出す形。ジリジリと伸びた分の4着。ただ、基本的に左回りの方がいい馬で、右回りではコーナーで外へ張ってしまう傾向。3角過ぎに引かされた場面も、この馬自身の下手さ加減も有った。逆にいえば右回りで良く頑張っている。

デトロイトテソーロ

前後肢にバンテージ。馬体はこれでいいが、チャカついている割に、歩様が硬い。ダート向き。好発。出脚も抜群に速く、一旦はハナへ立ったが、そこからビアンフェが外から来て、その番手に収まる形。直線に向いても手応えは有ったが、坂下でビアンフェとジャンダルムが壁になり、一瞬ブレーキを掛ける場面が有ったのが痛かった。ここがスムーズだったが、4着有ったかも。スピードだけならオープンでも通用。まだ使っていないが、新潟1000mでも面白いかも。

第29回チューリップ賞(GⅡ)

ナミュール

馬体が増えるに越したことはなかったが、イレ込みは前回よりマシになった。歩様の力強さも特筆モノ。今日はゲート五分。位置取りが決まる迄、一瞬だけ手綱を引っ張る場面は有ったが、あとは内目でスムーズ。直線に向いて、前が壁になり、最初に突っ込んだところが狭くなってその外へ立て直すロスは有ったが、それでも余裕を持って差し切った。単純に力が抜けていた印象。次走も最有力の1頭となるが、あとはゲートが速い方ではないので、フルゲートでの位置取りと馬体維持。要は相手関係より、この馬自身の問題。

ピンハイ

2人曳き。-6kg。2人で曳く分には何とか堪えていた。馬体は今日でギリギリ程度だが、極端に非力な印象はない。ゲートは前走も悲惨だったが、今日も出遅れ。出脚もまだマシで、内枠とはいえ、馬群には直ぐに取り付いていた。押して行っている分も有るが、行き振りも掛かり気味になる位。直線も枠なりに内ラチ沿いから。前走もそうだったが、狭いところから出て来る勝負根性が有るのが長所。外を一気に伸びたナミュールとは次元が違ったものの、2着は確保した。インを伝った利が大きく、能力云々は何とも言えないところだが、混戦に強い点はフルゲートの本番でも魅力。

サークルオブライフ

シープスキンノーズバンド。-2kg。多少ボテッと見せるのは毎度で、見た目はイマイチ。休み明けで少し煩いのはいい傾向ではない。基本的にはズブい方の馬だが、今日は積極的に乗られ、押して好位。道中の行き振りも悪くなかった。直線に向いて、オーソレミオと接触しながらも前は開いたが、いざ追ってからがジリジリ。前走の脚は使えなかった。この競馬は向いていないということで、仕切り直して次走改めて。ただ、今日の乗り方で馬に変な癖が付いてしまう懸念は有る。

サウンドビバーチェ

前肢にバンテージ。今日のメンバーでは大きい方だが、まだ全体に緩慢。歩様はそれなりに悪くないが。好発。出脚が速いという訳ではなさそうだが、少し押して2番手。壁がないことも有って、序盤は少し力んでいたのは仕方がないところ。それでも4角の手応えは残っており、直線入口で先頭。坂が上り切れず4着止まりだったが、坂下で一旦は抜け切っており、見せ場充分の内容。オープンでも余裕で足りる。次走、抽選を潜り抜けて阪神戦に出て来たとしても、ヒモには加えておきたい。

ウォーターナビレラ

+8kg。多少余裕残しだろうが、距離適性は別にして、単純な迫力では一枚抜けている。落ち着きが有って、歩様も力強い。好発。出脚も一番速い位だったが、次走も含めて距離を意識した様で、好位に控える形。これ自体は仕方がないところで、何とか我慢して走っていたが、3角過ぎから周囲に馬が多く、馬にストレスが掛かる競馬になってしまったのはやや誤算だったか。直線に向いても、前が壁になって、バラけたのは坂を上り切る直前。ただ、そこから意外な程、差を詰めていた。今日の騎乗はお世辞にも褒められたモノではないが、結果的にマイルでもやれることを証明。次走狙い目。

第96回農林水産省賞典中山記念(GⅡ)

パンサラッサ

毎回そうだが、下見だけなら手が出し辛いタイプ。それでも緩んだところはなく、気配もそれなり。例に依って出脚が速いという訳ではないのだが、押してハナへ。といっても、1角で他馬に追い付かれ、そこからは押して1000m通過57.6秒。ハイペースでも委細構わず逃げて行く形。徐々にリードを広げて、4角で後続と5〜6馬身差。このリードを最後迄守り抜いた。この馬、お馴染みともいえる勝ち方。最近には珍しいスタミナを生かして逃げるタイプ。ただ、この手の馬は気力の問題も重要。勢いの有るうちは買い続けて損はなく、次走阪神戦も面白い存在。

カラテ

前走東京戦とほぼ一緒。数字の割に迫力の有るタイプではないが、スッキリとした仕上げ。淡々と歩いていた点も前走同様。ゲート内の駐立が怪しく、微妙に出負けしていたが、何とか立て直して中段。ただ、枠の関係も有り、一度も内へ入れられず、ずっと外を回される展開。4角からパンサラッサが追い掛け切れなかった馬が続々止まって行く中で、何とか最後迄頑張り通して2着確保。前走の3着に勢いのなさを感じたが、今日は底力を見せた競馬。GⅠでも軽視禁物。

アドマイヤハダル

前後肢にバンテージ。歩様に柔らか味が有って、毛ヅヤも悪くない。ただ、もう少し馬体が締まって見えるとベスト。ゲートはカラテと同程度に怪しかったが、押して中段やや前辺り。これもずっと外を回っていたが、4角手前から前を捕まえに行く雰囲気は一番この馬が良かった。坂下辺りで2番手に上がったものの、坂を上り切る脚がなく、最後の最後でカラテに捕まった。それでも、これ迄で一番いい内容。何よりこういう競馬は馬を強くする。重賞のひとつふたつは何処かで勝てる筈。

ガロアクリーク

前肢にバンテージ。+12kg。少し立派だが、キンシャサノキセキ産駒だけに本来の雰囲気が出て来たともいえる。少し歩様の硬い部分も有ったが、この点も大分マシになった。アオり気味ながらもゲートは五分に出ているが、折り合い重視で乗られて後方から。向正面迄は内で脚を矯めて、3角からカラテを追い掛けて行く形。実質的には競馬が終わった後だったが、最後の脚は結構目立っていた。今後もこの辺りのメンバーなら充分勝負になる。ただ、何故か3000mも走らされた馬ながら、道中の行き振りからも距離は短い方がいい様な気もしないでもない。

ウインイクシード

2人曳き。前後肢にバンテージ。骨格がしっかりしていて、見栄えのするタイプ。ただ、この見た目を考えると歩様が非力。好発という訳ではないが、出脚でカバーして好位。インで折り合いは付いていた。4角は先に仕掛けたコントラチェックの後を追い掛ける格好。そのコントラチェックを交わす前にアドマイヤハダルに捕まっていたが、暫く抵抗出来た分の5着。中山ならまず崩れることはなく、渋太い。

ダノンザキッド

前後肢にバンテージ。-6kg。馬振り自体は上位だが、中身がないかも。テンションが高いのも相変わらず。出遅れ1馬身不利。外枠でも有り、1角進入時は後方だったが、今日は結構積極的で、向正面から追い上げ態勢。4角迄は格好付けたが、直線入口で右手前のまま失速。現状はマイルでしっかり脚を矯めた方が向いており、強気に乗り過ぎた感も有るが、そこは鞍上の期待が有ってこそ。上で闘うには気性面等、解決すべき課題が有る。

第66回阪急杯(GⅢ)

ダイアトニック

叩いて順当に良化。馬体の張りが有って、毛ヅヤもピカピカ。少し高い位のテンションも1400mなら丁度。好発。ハナへは行きたくなさそうだったが、内の馬に行く気がなく、並走するよりはと一旦はハナへ。ただ、直ぐにモントライゼが外から行ってくれて、結局はその番手。結果的に絶好の形になった。直線に向いて、過怠金3万円を取られながらも、内ラチ沿いの1頭分をコジ開けて来たが、抜けてから右手前になって内ラチにへばりついていた様にも見えた。勝つには勝ったが、一昨年のこのレースで降着になった様に少し怪しい。トゥラヴェスーラが内にネジ込んでいたら事故になるところだった。かなり課題が残る内容。

トゥラヴェスーラ

+22kg。デビュー以来、最高体重。多少は重いだろうが、ドッシリ見せてこれはこれで悪くない。少なくトモの張りは有った。ゲート五分。出脚も有ったが、無理せず中段から。ただ、前のグルーヴィットが下がって来たことで、結果的に4角では後方に近い位置。ここは少し誤算だっただろうが、直線入口でグルーヴィットが進路を開けてくれたことで坂下でダイアトニックの直後迄持って来れた。この辺りの脚勢も目立っていたが、ダイアトニックが内にモタれたことで前と横が壁になり、一瞬だけブレーキを掛ける場面。最後は外へ立て直して際どく差を詰めたが、着差が着差だけに惜しい。勿論、ダイアトニックが展開を造ってくれたことも確かなのだが...。

サンライズオネスト

+10kg。太いというより、緩慢に映った。毛ヅヤも一息。姿勢が高いのもマイナスだが、その割に歩様の非力さはない。出脚が速いという訳ではなさそうだが、頑張って好位の外。今日は正攻法で乗られて、4角から積極的に前を掴まえに行く形。先頭に立つ前にダイアトニックが抜け出してしまい、上り切ってからも突き放され気味だったが、3着は確保。内からセコい競馬をしていた馬にやられるのは仕方がないところ。もうワンパンチ有るに越したことはないが、重賞でもやれるメドは立った。

リレーションシップ

何時もこんな感じだが、腹回りはやはりボテッと映る。歩様も短距離を走るならもう少しキビキビ歩いて欲しいところ。出脚はソコソコレベルながら、頑張って先行争いに首を突っ込んでいたが、ダイアトニックとは単純なスピードで差が有って、一旦引く形。これ自体は仕方がなかったが、更に外からドッと来られて、後方に近い位置迄下げさせられたのが痛かった。4角では前が壁になりながらも直線に向いてから外へ持ち出して進路は確保出来たが、今日の展開だとこの時点でほぼ態勢は決していた。スムーズなら際どくなっていた筈。これも重賞級。

グレイイングリーン

スッキリとした造りで、芦毛でも毛ヅヤも悪くなさそう。小走りは入っていたが、歩様にバネが有った。ゲートは出たが、先行争いに敗れる形となり、後方から。4角ではトゥラヴェスーラと並走する場面も有ったが、こちらは直線で大外。今日の展開ではどうしようもなかった。馬は責められない。次走改めて。

第39回フェブラリーステークス(GⅠ)

カフェファラオ

オーストラリアンブリンカー。+6kg。多少立派だろうが、ダートなら許容範囲。今日は単純に気配が良かった。今日もゲートは怪しかったが、何とか頑張って好位を確保。後述するが、ペースこそ決して速くないものの、前で出入りが有った展開を眺めながらの追走。今日の馬場でこれ以上、後方だと届かない危険も有ったが、絶好の位置で追走出来た。余裕綽々の手応えで直線に向いて、ラスト200mで先頭。あとは独走だった。東京マイルなら流石に強かったということになるが、展開が向いた感も強い。他場でサッパリという状況でも有り、次走以降は苦しい。

テイエムサウスダン

後肢にバンテージ。-8kg。前走が自己最高体重だっただけに、絞れたのはいい傾向。手先が軽やかなのも好印象。好発。出脚が抜群に速い訳ではなく、そのままなら3番手だったが、この馬自身が少し行きたがったことと、対ソダシも意識しつつ、向正面半ばから行かせてハナへ。それでも1000m通過59.2秒だから、馬場を考慮すればスローに近い流れ。4角からソダシに並び掛ける脚がなかったことも幸いし、カフェファラオの決め手には屈したものの、悠々2着は確保した。違った意味でソダシもそうだが、今日は雨が味方した。いいスピードが有ることは確かでも、これでマイルをこなしたのはいい難いところ。

ソダシ

前後肢にバンテージ。+6kg。白毛故に良く分からない部分も多いのだが、歩様に力強さは有った。このメンバーでも極端に迫力負けしている印象もない。ゲート内でしきりに首を上下に振っており、案の定出遅れ気味だったが、芝での出脚は流石に速く、2番手から。ただ、3角手前でテイエムサウスダンが外からハナへ行き、連られて少し力む場面が有った。直線でカフェファラオが来た際には、暫く粘っていたが、最後は3着確保がやっとだった。タラレバだが、ゲートが決まるか、テイエムサウスダンのマクりか、どちらかがないだけでも2着有ったか。ただ、雨の芝スタートはこの馬にとってベストの条件。それで勝てなかった点に不満は残る。ゲートの駐立もネック。

ソリストサンダー

後肢にバンテージ。ダートだけに何とも言えない部分は有るのだが、もう少し絞った方が良さそう。腹回りがボテッと映る上に、歩様も少し伸びを欠く。ゲートは五分程度。出脚も悪くなかったが、行きたがりそうになっており、攻めて乗れず好位直後。それでも3角では折り合いが付き、4角はカフェファラオの1馬身後方で回って来れたが、いざ追って手前を替えるのが遅く、モタつている間に付けられた2馬身差がそのまま最後迄詰まらなかった。能力自体がそこ迄劣る訳ではなさそうだが、細かいところで競馬が下手。逆にいえば良馬場なら逆転出来る可能性も。

タイムフライヤー

前後肢にバンテージ。手先にスナップが利いて、毛ヅヤも上々。もう少し歩様に力感が有れば尚いいが、下見に減点材料はない。出脚は速いほうではなく、中段やや後方。カフェファラオをマークしていたレッドルゼルをマークする形だったが、道中は動くに動けない展開。直線に向いて、そのレッドルゼルが前詰まりとなる中で、外から動いてレッドルゼルとの併せ馬。最後に競り落として掲示板は確保。現状のこの馬としては上出来といえる内容。届くかどうかは別にして、脚を矯めた方が向いている印象も。

第56回小倉大賞典(GⅢ)

アリーヴォ

父母アドマイヤグルーヴとよく似た胴長の体型。ただ、ちょっと姿勢が高く、歩様に伸びを欠く。出脚には余裕有りそうだったが、今日の馬場で大外枠だけに急かす理由もなく、中段やや後方から。道中も小細工せず、只管馬場の良い外を追走。4角手前から動き出して、直線も大外。全体に馬群が外へ張り出して来たことも有ったが、馬場の7分どころから1頭違う脚で突き抜けた。これで小倉は5戦5勝。小倉巧者の典型といえる回り脚の速さが最大の長所。他場でも走れる筈で、今春の最大目標となる阪神内回りも上手そうなタイプだが、他場だと相手が強くなる面も。強敵相手で闘うなら一雨欲しい。

ランブリングアレー

+4kg。秋の阪神戦以来と一息入ったが、8割方出来ていた。少し煩い位の活気も、この馬がいい時の気配。これも1800mなら出脚は速い方で、ジワッと好位の外。全体で6〜7番手辺り。ただ、こちらはアリーヴォと違い、コーナーの脚がないタイプで、アリーヴォの一歩前から同じタイミングで動きながらも、直線入口での加速が付かなかった分の負け。手前を替えるのが遅かった影響も有るが、左手前に替えてからは盛り返している。少し不器用ながらも、末脚は条件を問わず堅実。これで引退だそうだが、こういうタイプはクズをあまり出さない傾向。

カデナ

-10kg。前走中京戦が+16kgで、絞れたのはいい傾向だが、それでも少し立派。気配もイマイチ乏しい。ゲートで1馬身位出負け、そのまま行く気もなく、最後方から。上位2頭とは違い、道中は比較的、内目を追走。直線だけ外へ持ち出す形。アリーヴォが馬場の7分どころだけに、その後ろから差して来たこの馬はほぼ外ラチ沿いだったが、最後はキレていた。久々の馬券圏内だが、今日はハマった感も強く、次走は何とも。

ヴァイスメテオール

+18kg。デビュー以来、最高体重。前走阪神戦が3000m仕様で少しスッキリとした造りだったことも有るが、それにしても少し重たい。ただ、馬体に張りが有って、デキ自体は良好。好発を切った直ぐ外のトップウイナーに叩かれる格好にはなったが、立て直して好位4番手。3000mの後で、道中は少しオッツケ気味の追走だったのは致し方ないところ。4角の手応えも大したことはなかったが、その割には一瞬でも先頭の場面。直ぐにアリーヴォに交わされ、更に後続も殺到して馬券圏内を逃したが、見せ場充分の内容。もう少しスムーズに流れに乗れていたら違っただろう。このメンバーでも勝てる馬。

スカーフェイス

2人曳き。ドッシリ見せてデキに問題はなさそう。歩様も悪くなく、特にケチを付ける部分はない。カデナ程ではなかったが、半馬身程出負けして後方から。回り脚に余裕はなく、しかも両サイドに馬が居て、苦しい展開だったが、最後の最後に伸びて来た。内枠がいい方に出ない展開だったことも有るが、もう少し機動力が欲しいところ。オープン特別なら何とかなるとしても、出脚がないだけにアテにし辛い。

第72回ダイヤモンドステークス(GⅢ)

テーオーロイヤル

前後肢にバンテージ。この距離を走る馬だけに見た目から素軽いが、連勝馬らしい馬体の張りも有った。歩様にも柔軟性を感じさせる。後方待機馬で決まることが多いレースだが、鞍上に余程自信が有ったのか、積極的に乗られて好位4番手。それでも、道中はしっかり折り合いも付いていた。2周目4角での手応えが他馬とまるで違っており、この段階で勝負有り。直線は登坂中に内へモタれる場面こそ有ったが、ほぼ独走。最後は抑える余裕も有った。500万からひとつずつクラスを上って4連勝だが、その中でも今日が一番強かった。距離が延びて更に良さが出て来た。当然、阪神戦が大目標となろうが、有力馬の1頭。あとは相手関係よりも、58kgを背負ってどうか。

ランフォーローゼス

+6kg。毛ヅヤだけはイマイチだが、他は悪くない。伸びやかな歩様で、最近の中では一番良かった。枠が遠かったことも有り、行く気なく後方に近い位置。向正面迄は無理に内へ入れず、ノビノビ走らせていたが、2周目3角から一旦下げて内で死んだ振り。直線だけ外へ。しっかり伸びていた。若い頃から追走に骨を折っていたタイプの馬で、最近は特にズブい印象も有ったが、やはり3000m超の距離に新味が有った様。それでも追い込み一手でアテにはし辛いだろうが、稼ぎ場所は見付かった。

トーセンカンビーナ

前後肢にバンテージ。胴長でスカッと見せるタイプ。ただ、いい時はもう少し歩様にスムーズさが有った。これでも最悪時よりは大分マシになった方だが...。出遅れ1馬身不利。例に依って出脚もサッパリで後方から。道中もどうしてもズブさが出ており、2周目4角にしてもランフォーローゼスをもっと絞めて回れば2着有ったが、相手に進路を与えてしまっており、直線も追い負けて3着止まり。ゲートもそうだが、機動力不足も痛い。その点で東京3400mはベスト条件だった筈で、それでこの程度ではキツい。

ヴァルコス

+8kg。デビュー以来、最高体重。少し腹回りが重たい印象も有るが、ほぼ成長分。ドッシリ見せて、歩様も力強い。出脚は有りそうだったが、それと同時に引っ掛かりそうな気配も有り、抑え気味に乗られて中段のイン。早目の判断が吉と出て、上手く我慢して走ってくれていた。直線も少し外へ持ち出して、馬群を割って来たが、外の馬の決め手が一枚上手だった。この距離も走れなくはないが、2500m辺りで我慢比べになった方が向いているかも。

ヴェローチェオロ

今シーズン4走目。馬体,歩様と少し硬くなって来た印象。毛ヅヤも幾ら厳寒期とはいえ、少しくすんで見える。出脚自体はかなり速い部類だったが、直ぐに引いて好位の内目。テーオーロイヤルをマークする形。道中は折り合いも付いていたが、例によって追い出すと頭が上がってしまうのがネック。その分、末脚の持続性がなく、最後が甘くなってしまう。東京では直線が長過ぎる。中山向き。

第57回京都牝馬ステークス(GⅢ)

ロータスランド

前後肢にバンテージ。+18kg。今日の状態だけをいえば一枚重いだろうが、明らかにパワーアップしている。歩様に力感が増した。ゲートや出脚が抜群に速かった訳ではないが、直ぐ内のアスタルビーがハナへ行ってくれて、その2番手。どちらかといえば前向きに走るタイプだが、1400mということも有ったか、スムーズな追走。4角手前から前を捕まえに出たのは流石に少し早かった様で、後続に影程度は踏ませる形になったが、それでも完勝といえる内容だった。爪に不安が有るとのことで、雨馬場は間違いなくいい方に出た。距離適性も有りそうで、ダノンファンタジーの後継者位にはなれるだろうが、前述した様に良馬場だと爪の影響で決め手負けする時が有るのが厄介。

スカイグルーヴ

2人曳き。+6kg。事前に栗東へ入厩。下見でのイレ込みがマシだっただけに、効果は有った様。馬体もフックラ見せる。ゲート五分。最内のサンクテュエールが出遅れてくれたことも有って、労せず好位のイン。一瞬だけ行きたがる場面も有ったが、基本的にはスムーズ。枠を生かした競馬が出来た。インからジリジリ最後迄脚を伸ばして2着浮上。デビュー当時は2000mを主体に使われていたがが、1400m以下に本質が有った様。ただ、今日の展開だと勝たないと値打ちがないところ。自力で勝ちに行って押し切ったロータスランドとは能力差が有る。

タンタラス

遮眼革。-4kg。緩んたところが一切なく、均整の取れた造り。迫力という点でどうかだが、淡々と歩けていた。出脚が抜群に速い訳ではないが、何時も通りの積極策に出て2番手の外。道中は流れに乗れていた。ロータスランドが4角で早目に動いたが、この馬もほぼ同時の仕掛け。暫く暗いついていたが、坂下辺りから外へモタれたのが痛かった。ここで並走に持ち込んでいれば、もう少し踏ん張りが利いて2着有ったかも。とはいえ、スカイグルーヴとは枠の差も大きく、枠が逆でも2着有った筈。少なくとも馬は責められない。

シゲルピンクルビー

前後肢にバンテージ。+6kg。この時期としては毛ヅヤがいい。ちょっと気負っていた様にも見えたが、馬体の張りも有って、デキ自体は問題ない。時々出遅れる馬だが、今日はゲート五分。出脚も有って、スッと好位で流れに乗れた。道中はスカイグルーヴと並走していたが、4角辺りから手応えが怪しくなり、直線も止まった迄は行かないものの、雪崩込んだ程度だった。堅実だが、もうワンパンチがない。この点は馬場の良否を問わず、重賞で勝ち切るにはもう一段の成長が必要。

サンクテュエール

遮眼革。良くも悪くもキッチリ出来ていた印象。逆にいえば、以前は450kg前後で走っていた馬だけに、成長が有る。出遅れ1馬身不利。内枠の分、リカバーが利いて中段やや後方辺り。終始インを回って距離を稼ぎ、4角でスカイグルーヴの直後。インが有利な馬場だっただけに、もう少し伸びてくれても良かったが、前とは離され気味だった。最近の中では集中力が続いた方だが、今日の展開で掲示板がやっとの有様では話にならない。デキ自体は悪くないが、まだ当面は厳しい

第56回共同通信杯(トキノミノル記念)(GⅢ)

ダノンベルーガ

+4kg。まだトモに力が付き切っておらず、良くも悪くもグニャグニャ。ただ、背丈が高くて馬振りは目立つ。スケールの大きいタイプ。ゲートで分が良かった訳ではないが、出脚でカバーして好位グループ。前にジュンブロッサムは置けたが、外に馬が居ない状態でも折り合いは付いていた。直線向いて、頭が上がっていたのはかなり気になったが、それでも1頭だけ違う脚で伸びて快勝。単純に力が違った。今日は滑る稍重だったが、この走法でも良馬場で何処迄やれるのか、次走が試金石。

ジオグリフ

2人曳き。皮膚を薄く見せて、骨格もしっかりしており、馬はそれなり。ただ、如何せんテンションが高い。今日はゲート五分。出脚も悪くなく、好位確保。今迄にない競馬だが、行きたがったのは最初だけで、意外とリラックスして走れていた。それだけに直線はもっとスッと反応して欲しかったところだが、結構モタついており、伸び出した段階でダノンベルーガに並ばれており、2着確保がやっとだった。馬場の影響も有って、何とも言えない部分も有るのだが、レース運びは完璧だっただけに何とかしたかったところ。ちょっと案外感が残る。

ビーアストニッシド

最初は1人で曳いていたが、途中から2人曳き。2人で曳く分には何とか堪えていた。ただ、歩様は大分しっかりして来た。スケールで上は居るが、馬は良くなっている。前走中京戦が少し消極的な競馬だったことも有り、今日は積極的に乗られてハナへ。この馬場とはいえ、1000m通過61.1秒は遅い方の流れ。道中も折り合って、ずっと単騎で運べた。ただ、それで3着止まりかという気もしないでもない。有力馬が少しモタついた点もハマった筈で、重賞だと少し足りない部分が有る。

ジュンブロッサム

+18kg。緩い印象はないが、成長半分、太目半分といったところ。ただ、馬にパワーは有りそう。この馬自身の駐立が悪く、更にゲートが開いてビーアストニッシドに寄られたが、それでも頑張って好位の外。序盤に多少行きたがるのは仕方がないところ。腕試しの一戦といわんばかりに、結構強気に乗られた。直線は両サイドから1,2着馬に来られ、メンタル的にキツい展開だったが、最後は盛り返そうとしていた。一枚太い状況でこれだけ走れれば充分。間違いなくいい経験になった筈。次走狙い目。

アサヒ

+12kg。馬体に張りが有るので、そこ迄太い印象はないが、前走と比較して、歩様は少し落ちた気もしないでもない。出遅れ1馬身不利。そのまま最後方から。出遅れ自体も痛かったが、道中も進みが悪く、ところどころでオッツケる場面。馬群に中々追い付けず、コーナーで内を回って距離を稼ぐしかなかった。エンジンが掛かってからは上位馬と似た様な脚を使っているが、位置取り負け。道悪は向かない。

第115回農林水産省賞典京都記念(GⅡ)

アフリカンゴールド

前走中京戦もソコソコの状態だったが、今日も高値安定。馬に活気が有って、歩様が硬くないのが何より。お世辞にも出脚は速くないのだが、他馬にあまり行く気がなかったことも有り、少し押した程度でハナ。2番手のマリアエレーナは全く突く気がなく、1000m通過61.7秒とスロー。前走中京戦は少し仕掛けが早過ぎた様にも見えたが、今日は4角手前で引き付けて直線入口で突き放す形。もがく後続を後目に、オイデオイデの楽勝だった。レース後の鞍上は手応え云々の馬ではないという話もしていたが、今日はこの馬としては大事に乗られた印象の方が強い。そこに他馬のマークが緩かったことと開幕週の馬場が味方したことが勝因。

タガノディアマンテ

2人曳き。寸詰まり気味では有るが、トモにボリューム感が有って見栄えがする。気配も良かった。マリアエレーナの方が出脚が速く、その番手。枠なりにインから。道中はちょっと行きたがっていた様にも見えた。4角でアフリカンゴールドに突き放す脚が有ったことで、労せずとも進路が出来た。アフリカンゴールドには届く気配は全くなかったが、内から脚を伸ばして2着浮上。渋太いタイプなのは確かだが、今日は馬場と枠が味方した感も強い。

サンレイポケット

前後肢にバンテージ。+12kg。毛ヅヤだけは良かったが、数字分だけ丸々重い。歩様も窮屈。出脚は速い方ではなく、外から来た馬を行かせて中段やや後方から。今日のスローでこの位置は最悪に近い。ただ、その割に鞍上が慌てることなく、4角迄死んだ振りして、直線に向いてからの追い出し。今日はこの我慢が有った分の3着。結果的に6番人気となり、意外な程売れていなかったが、人気になっていたら早目に動かざるを得ず、今日はこれで仕方がないところ。ただ、これで右回りを克服とはいい難い。コーナーで動かなかった点に怪しさが残る。

ジェラルディーナ

+6kg。ガサがないので馬体増は素直に好感。この時期でも発汗の跡は目立ったが、イレ込みは何時もよりマシ。急かすと引っ掛かるので無理せず後方。前にサンレイポケットを置く形。怪しいながらも何とか我慢して走ってくれていた。4角でそのサンレイポケットに対し、フタをするイメージで外を動き、作戦自体は上手く行っているのだが、そのサンレイポケットに差し返された。一度、放牧に出して立て直す様だが、気性面を何とかしないことにはオープンでは通用しない。

ユーバーレーベン

前肢にバンテージ。-6kg。牝馬でもこの辺りのメンバーなら馬振りは目立つ。毛ヅヤも冴えてデキに問題はなさそう。意外に出脚が速かったことも有って、今日は積極的に乗られて好位から。道中もスムーズに運べたが、いざ追ってからがサッパリ。鞍上の話では他馬からのプレッシャーに弱いとのことだが、それにしてもダラしなかった。距離を延ばして追い込み一気の方がいいのか...。

第57回デイリー杯クイーンカップ(GⅢ)

プレサージュリフト

+12kg。馬体増でも、緩んだところは一切なく、全て成長分。歩様にも力強さが出て来た。鞍上の話ではゲートの音が苦手とのことだが、新馬同様に出遅れ1馬身不利。腹を括って後方で折り合いを付ける策。変に内へ入れることもなく、小細工なしに乗られ、直線も大外。スパッと切れるイメージではなかったが、フォームから力強さが有り、いい脚を長く使って捕まえた。新馬が1分36秒7、今日が1分34秒1と時計を詰めた点も好感。距離も保ちそう。ただ、32秒台迄の決め手はなさそうで、阪神で出遅れて届くかどうかは何とも。

スターズオンアース

前肢にバンテージ。胴長で垢抜けた馬体。毛ヅヤがピカピカということも有って、尚のこと見栄えがする。手先も軽い。ゲートを決め、この馬の出脚で好位確保。リラックスして走っていたとは言えないが、馬を前に置く分には我慢して走ってくれていた。直線に向いて、暫く前が開かなかったが、脚でコジ開けて先頭。ただ、抜け切ってから外へモタれたのが痛かった。これでも前走中山戦を考えれば遥かにマシになっているのだが、最後がクビ差だけに尚のこと勿体ない印象。ただ、プレサージュリフトと比較して、この馬の方が道中は器用。

ベルクレスタ

今日は落ち着ついていた。迫力はないが、コンパクトに纏まった造り。毛ヅヤも悪くなかった。半馬身出負け。これ自体はまだそこ迄の不利ではなかったが、序盤に進んで行かず、少し出したところ、引っ掛かって慌てて引っ張る形。これで更に位置取りが悪くなり、4角でほぼ最後方のイン。直線も中々前が開かず、実質250mの競馬。それでこの着差だから惜しいという以外にない。これも重賞を勝てるだけの能力は持っているが、序盤をスムーズに運べる様にならないことには。

ラリュエル

-10kg。背丈の低い馬で、馬体減も全く気にならないが、トモの送りが硬いのはマイナス。内の馬を出脚で軽く叩きつつ、外のスマイルアップには抵抗せず2番手から。ただ、道中は結構力んでいた様に見えた。直線は暫く前が開かず、ショショローザの前をカットして過怠金50,000円と、少々強引ながらも最内を突いてジリジリ来ているのだが、あと一伸びがなかった。

モズゴールドバレル

-4kg。輸送も有っての馬体減だが、これ以上は減らない方がいい。歩様も大分硬くなって来た。ゲートは五分程度か微妙に分が悪い位だったが、出脚が速く、楽に好位確保。壁がなかったのは微妙に痛かっただろうが、馬は我慢して走ってくれていた。直線もそれなりに伸びているが、ラスト150m辺りで左手前になって甘くなった。デキ落ち分を考えればこんなモノ。立て直しは必要だが、500万なら楽勝級。