土曜日の札幌戦で述べた通り、差す馬が本命。前走オープン勝ちのコウエイテンマに期待した。行きたい馬を全部行かせて、向正面ではしっかり脚を矯めて差すという味な競馬が出来た。能力的に最上位ではないのも明らかだが、大崩れはしない筈。
その能力最上位は勿論シュウジ。コウエイテンマにも前走中京戦で0.7秒差付けている。その前走は中京のマイル戦。これ迄闘って来た相手とはスピードが違うのも確かだが、初の1200mで下手に競られた時に疑問も。
ブンブンブラウも差して勝ち上がったクチ。左回りの後で前走は少しコーナーで外へ逃げそうになっていたが、直線に向いてからは重心が沈んでしっかり走れていた。ゲートが少し悪い中で勝ったのも、対応力を見せたと考えれば評価出来る。
ジュンゲルも同様。走破時計は同日の九州産馬にも負けていたが、尤もキリシマオジョウはここでも好勝負となるレベルで、この馬自身も一瞬の反応は良かった。抜け出して直ぐ抑えに掛かっており、本気で追えば時計は詰まる筈。
2歳重賞といえば、逃げて勝った馬より、差した馬。ただ、ここはそういった馬が少なく、狙いは立て易い。そこで本命はクロコスミア。前走同条件のオープン戦は、中段やや後ろから運んだが、直線で捌き損ねて後手に回る形の4着。しかし、直線半ばで外に持ち出してから一瞬だけ重心が沈む場面が有った。あれこそ本物のステイゴールド産駒の相。大駆け期待してみたい。
対抗は前述のレースを制しているラヴアンドポップ。こちらはスローを前で流れに乗って抜け出す優等生的な競馬。良馬場発表だったが、雨が残る中でも1分51秒2の時計もまずまず。前走同様スムーズに運べば。
3番手がアラバスタ―。下見で馬っ気を出す等、気性的に若い部分を残しているが、レースに行くとセンスタップリの内容だった。ゲートが少し悪かった為、直後に急かしているが、それでも折り合いが付いていた。ハービンジャー産駒らしく追い出すと頭が上がるのがネックだが、小回り札幌なら。
スパーキングジョイも圏内。新馬は4角で後方に近い位置からの差し切り勝ち。末脚だけをいえば今年の札幌で一番良い脚だった。ヴィクトワールピサ産駒にしては全身が使えていない点がネックだが、下見では明らかに太く見えただけに絞れて来ればその点も上積みになるだろう。
実際に来る来ないは別にしても、単純に考えれば上がり時計の一番速い馬を狙うのが新潟の常套。東京での33.2秒が有るロードクエスト本命で良いだろう。派手に出遅れて、後方だったが、上がり33.9秒のスローを外から鞭も使わずに差し切っていた。マツリダゴッホ産駒で、頭が上がるところは有るのだが、今年のメンバーなら断然。
対抗が新潟で一番速い脚を使ったルグランフリソン。ロードクエスト程ではないにしてもゲートが悪かったが、3角でスッと行ってハナ。多少4角で口向きの悪さも見せていたが、同じ新潟なら問題はないだろう。ただ、新馬でハナへ行った馬が重賞で勝つ場面は想定し辛い。抑えが利けば良いが。
穴はカネノイロ。ハイペースで流れたのと、内回り1400mでタイムは平凡だったが、直線入口で少し狭い場面も有っただけに内容そのものは強かった。マイルさえこなせば台頭も十分。
道悪となりそうで、押さえがマコトルーメン。馬が硬いタイプで、少しでも柔らかくなるのは歓迎。函館からの参戦だが、不器用なので新潟外回りも持って来い。あとは経験の問題。
18頭全てに新聞の印が付く様な大混戦だが、取り敢えずの本命はヘニーハウンド。前走新潟戦でも期待したが、前走は前へ行って甘くなってしまった。直線競馬での先行策がこの馬に合っていなかったと見たい。デキ自体は問題なく、時計勝負で巻き返す。
小倉で1分6秒台の持ち時計の有るバーバラが対抗。今年に入って案外だったが、前走福島戦は1200mで復活した格好。遮眼革が効いたのも間違いないだろう。外をスムーズに走れば勝ち負け必至。
ニザエモンの逃げも侮れないところ。レオパルディナが遮眼革を外すとのことで、行く気はなさそうなのは好都合。前走福島戦は久々のハナだったが、外枠から行っている分、内の馬に競られている。今回この枠なら楽に行ける筈。
押さえが5連勝中のビッグアーサー。前走阪神戦は準オープン戦とはいえ、ソコソコメンバーが揃っていただけにオープンでも通用する能力は有りそう。夏競馬も終わり掛けになって来たが、猛暑で枯れて来た馬も多く、レース間隔が開いたのもむしろプラスに受け取りたい。ただ、前走はゲートで若干後手に回っている。このフルゲートと内枠で包まれる様だと挽回が利かない可能性も。
毎年のことだが、どれだけ速い脚を使えるかが勝負を分ける。単純に過去4走の中で一番速い上がり (31.9秒) だったのがサトノギャラントの2走前。新潟のスローで条件が合ったといえばそれ迄だが、今回も似た様なスローになりそう。重賞でもこのメンバーなら。
対抗が2位タイ (32.9秒) のレッドアリオン。3走前で計時しており、京都のドスローだったが、当時外枠で出脚利かせてスッと流れに乗ったという点では同様の競馬が可能。同じ展開になる可能性も十分。
エキストラエンドもレッドアリオンが勝った京都戦が32.9秒。同じ脚は使っているが、位置取りの差で1着と4着に分かれた格好。直線の長いコースは基本的に得意で、新潟も悪くないが、名前の通り冬場に強いタイプ。酷暑の夏場はどうか。
4番目はアルバタックス。3歳時は詰めの甘い印象だったが、徐々に力を付けて来た。ただ、3走目の33.0秒より、前走の中京戦が評価出来る。内有利の馬場で15番枠というだけでも不利で、6着でもメンバー中最速の上がりが使えている。31秒台の勝負になった時に疑問も有るが、これも今年の相手なら勝ち負けになって良い。
別定戦になってからでは一番レベルが低いメンバー構成になったかも。ハンデ51kg、マローブルーが本命。3歳時の内容から基本的には軽い馬場の方が向くタイプの筈だが、前走は中京の重馬場で好走しており、地力も付けている。何よりこのハンデとこの相手は恵まれた。
対抗が3歳馬ベルーフ。クラシックでは通用しなかったが、前走中山戦に関しては落鉄した影響が有ったとのこと。今年の3歳馬は条件戦ではそれなりに通用しており、牡馬に関してはそれ程レベルが低い様には思えない。あとは時計との闘い。2分切る馬場は厳しい様な気もしないでもない。
時計勝負ではメイショウナルト。中々ハナへ行かせて貰えなくなっているのがマイナス材料だが、そんな中でもそれなりに踏ん張っているという見方も出来る。ここも何頭か抵抗しそうなのが居る組み合わせだが、徹底先行タイプは不在。ハナさえ行ければ逃げ切る場面が有っても。
穴はゼンノルジェロ。オープン昇格後は全く人気がないが、何れも大きく負けている訳ではない。前走福島戦は休み明けの影響も有った筈だが、グランデッツァ相手に4角辺り迄食らい付いていた。叩いてもうひと踏ん張り利けば上位争い。
例年は1頭3歳牝馬が居て、その馬が最低でも連に絡むというのがパターン化していたが、今年は3歳牝馬が不在。傾向的に3歳牡馬はあまり来ないのだが、レンイングランドに期待してみたい。前走函館戦は行き切れず、苦しい展開だった筈だが、追い上げての3着。あれなら"直千"自体には対応出来るだろう。あとは時計の問題。
対抗も3歳馬サフィロス。昨年11月以来となるだけに状態面は何ともいえないが、これも前走内容は評価出来る。勝ち馬が逃げ切る展開で、後方から差して来ていた。スローで流れるという点では東京1400mと直千は求められるモノが案外近い。
スピードではベルカント。近走はサッパリ、中京戦は挫創で取り消しと踏んだり蹴ったりだが、行って止まっているだけに直線競馬なら何とかなる可能性は有る。外枠でも有り、ラチ沿い取るのも容易な筈。
ヘニーハウンドも実績馬。昨秋に大穴を開けた際の時計が1分6秒7のレコード。当時も開幕週で時計の速い平坦馬場、休み明けと条件は似ている。直千も前走で経験したのも大きいだろう。