マカヒキ◎。ダービー以降が冴えなかったが、条件が向かなかっただけでやっと東京の良馬場で競馬が出来る。前走は道悪の中、最後迄諦めずに走った5着で、デキや気力面がしっかりしていることを証明した。決め手勝負になれば誰にも負けない。
対抗はキタサンブラック。前走は珍しく出遅れる形となったが、馬場が悪かったことも有って内にスペースが出来たのが大きかった。昨年の覇者でも有り、大きな減点材料はないが、前走が上手く行き過ぎただけに。
ソウルスターリングも前走の6着は一応巻き返したといえる内容。キタサンブラックが内を通って来たのに対し、こちらは外を回される不利も有った。良馬場なら決め手強化という意味で斤量利も生きて来そう。ただ、若干2400mは長く、折り合い面に一抹の不安は残す。
押さえがレイデオロ。前走阪神戦は完勝といえる内容。ダービーは鞍上の好プレーばかりが目立って半信半疑だったが、世代トップクラスの実力を証明出来た。それでも東京の決め手勝負となると若干微妙なのだが、この内枠は恵まれた。
無難な本命はタイムフライヤー。前走は道悪で多少行き振りが悪かったが、いざ追い出せばアッという間に4馬身差。兎に角決め手が違った。こトモが甘い歩様だけに1Fでも距離延長は歓迎しない可能性も有るが、あの脚が再度出せればこのメンバーでもまず負けない。
馬だけならグレイルの方が上。バランスの取れた造りで完成度が高く、見栄えがする。レースも中段から力でネジ伏せる様な勝ち方だった。あの極悪馬場でしっかり勝ち切ったのは走りのセンスが有るということになるのだが、とはいえ良馬場での決め手は未知数。まずはお手並み拝見。
逃げそうなケイティクレバーが単穴。前走は1角に飛び込んだ後でも仕掛けて来たジュンヴァルロにハナを譲ったら、相手に上手く運ばれて逃げ切られる形。とはいえ、出脚はまずまず速く、主張さえすれば行けるだけの脚は持っている。全体に馬が緩いのでもう少しシャキッとして欲しいところでは有るが、単騎なら大崩れはしないだろう。
押さえがスラッシュメタル。新馬の前走は外枠で行きたがるのを宥めながらの競馬となったが、それでも4角からの手応えが抜群で、終いのトビの高さも印象的だった。これもまだ馬が出来ていない状態だが、折り合いさえ付けば現状でも。
やや波乱ムード。マルターズアポジーの逃げ切りに期待してみたい。前走中山戦は58kgを背負って出脚が鈍ったのが敗因。それでも4着に踏ん張っていた様に、今年に入って力を付けているのは間違いない。57kgとなった上に、今回は同型不在のメンバー構成。条件は揃った。
サトノアラジンが対抗格。雨が降ったら二束三文の馬としてお馴染みだが、特に馬体に雨が当たるのを嫌う様で前走東京戦は論外。逆にいえばグルッと回って来ただけでダメージはないという見方も出来る。大敗からの巻き返しは春にも見せており、この点でも安心感が有るが、また週末雨予報なのが大幅な減点材料。とりあえず土曜日の内に雨は上がる様だが、どれだけ乾いてくれるか。
レッドファルクスは前走中山戦が文句なしの競馬。1200mでは有ったが、明らかに格上といえるレースだった。近年はマイルよりスプリント路線の方が低調だったが、今年に限れば五十歩百歩といえる様なレベルで、能力的も通用する筈。ただ、マイルは前々走東京戦の内容から微妙に長いだろう。平坦の京都なら踏ん張りが利いても不思議はないが。
押さえがエアスピネル。2走前札幌戦の内容から2000mではなく、やはりベストはマイル辺り。その意味で前走東京戦は期待通りの内容。ただ、決め手勝負になるとどうもイマイチ甘い面も残す。渋化残ってくれれば良いが。
世間の評判程レベルが高いとは思えないが、ルーカスが一応の中心。前走札幌戦は最初から行く気がなかったことも有るが、スムーズに折り合いが付いて3角から一マクりの競馬。直線がスパッと切れた訳ではないものの、完勝といえる内容だった。あとは多少スッキリし過ぎていた感が有っただけに、この数か月で成長が有れば通過点に出来るだろう。
対抗は1番人気が見込まれるワグネリアン。ただ、明らかに馬が若いのと、道中もちょっと行きたがる場面が有った。重馬場で上がり33.0秒は出色で1頭違う脚だったが、やや右前が外向している様に見えるのも左回りで疑問が残る。
一角崩せばコスモイグナーツ。スタート直後に520kgも有るタニノフランケルと接触しながらも、積極的にハナへ行っての逃げ切り勝ち。不良馬場で今回も出走するシャルルマーニュが内を開けてくれる展開も向いたが、一旦は前に出られた様に見えたにも関わらず差し返した根性は評価して良いだろう。再度の少頭数となり、しかも前述の人気2頭が差しに回りそうな組み合わせ。展開利は見込める。
休み明けになるが、単純に一番強いのはミッキークイーン。3歳時のオークスは別にして、前々走東京戦を見る限り、左回りは手前の関係でイマイチな印象。前走阪神戦で牡馬相手に見せた力が本来のモノだろう。京都に替わるが、同じ2200mでマトモに走ればまず勝てる。
ヴィブロスは今年に入って性能がワンランク上がっている。前走東京戦の内容も決して悪くなかったが、姉ヴィルシーナ同様、休み明け初戦がどうあれ、2走目は必ず結果を出すタイプ。外枠さえ克服出来れば好勝負必至。
これも外枠だが、ルージュバックも圏内。このレースといえば、クィーンスプマンテとテイエムプリキュアで決まった2009年が印象深いが、要は2200mという距離が競馬を難しくしている。能力的な上積みは3歳時から薄いのだが、適性という点ではこの馬がNo.1。
同じ理屈で逃げそうなクロコスミアも馬券には絡めておきたいところ。尤も、この馬の場合は2200m以上の経験がなく、距離適性に関しては恐らく厳しいのだが、今回は明らかに差し馬が多く、デキは良いだけに楽逃げの形に持ち込める様なら侮れない存在となる。
良血馬が人気になるだろうが、馬券的に狙ってみたいのはヒシコスマー。前走東京戦は台風接近の中で天皇賞ですら2分8秒掛かる極悪馬場。そんな中で、大外をブン回して最後は2着馬と接触しながらも差し切った根性はこのメンバーでもヒケを取らない筈。馬も決して負けていない。
人気になりそうなところではジャンダルムが一番手。母ビリーヴということで、上は今年ブレイクのフィドゥーシアということになるが、決して1200m一本という雰囲気ではなく、前走阪神戦にしてもマイルで壁がない状態にも関わらず折り合っていた。明らかに馬が若いのがどうかだが、センスは持っている。
カツジの新馬も好内容といえる。これも馬体は未完成感アリアリの造りだが、前走は道悪の中を好位から進めて、直線は全身を使った走法に好感が持てた。重馬場でこれだけ走れるのだから見た目は幼くとも芯はしっかりしているのだろう。今回も再度の道悪だけに有利に働く可能性も。
新潟2歳ステークス勝ちのフロンティアが押さえ。毎年述べている様に、新潟戦の覇者は中々アテに出来ないのだが、誰も行く気がない中でも抑えが利いて、直線の脚取りもしっかりしており、良い脚が長く使える点と乗り役の意のままに乗れる点がセールスポイント。他場でもこの競馬が出来れば大崩れはしないだろう。
3歳馬が人気となりそうだが、大してレベルが高いとも思えず、モルトベーネに期待。前走阪神戦は休み明けで57.5kg、更に2000mと条件が悪過ぎた。この馬とて本当の重賞クラスとは思えないのだが、京都1800mで内枠引けたのも恵まれた。
対抗はテイエムジンソク。前走札幌戦は北海道場所3戦目で少しデキが落ちていた。中京戦へ使う為にも賞金が欲しいところで、立て直してここは勝負が懸かる一戦となる。ただ、前述した様にこのレースは内枠圧倒的有利。大外枠が裏目に出る危険も。
3歳馬ではエピカリス。前走新潟戦が勿体ないレースになっており、楽勝の手応えで仕掛けを待ったところ、他馬に包まれてしまい、スペースを失くしてしまった。マトモなら勝っていただろう。外枠がどうかだが、揉まれるリスクは少なく、前走と違った競馬にはなる筈。
同じく3歳馬だが、内枠から逃げそうなサルサディオーネを押さえておきたい。牝馬ということも有って、52kgが出脚の面で相当味方してくれそう。マイペースで行けるかどうかはモンドクラッセ次第ということになるが、最近出脚が鈍っている感も有り、それが叶う組み合わせと見たい。
圧倒的人気でもタワーオブロンドンで仕方がなさそう。出脚はサッパリに近いが、前走阪神戦は直線は良い脚を長く使っていた印象。尤も、前々走の札幌1500mは大外をブン回したにせよ最後に甘くなっており、その反省を生かして矯めて乗られたのが奏功した感も有ったのだが、東京なら直線一気で。
対抗はタイセイプライド。当初は小倉か新潟の2歳ステークスへ使う予定だったとのことだが、ソエの影響で回避してここ迄待機。ただ、気の良過ぎる面は有り、1400m辺りがベストだろう。左回り2戦2勝も安心感が有り、前々で流れに乗って粘り込む。
面白いのはトーセンアンバー。4戦全て出遅れと、ディープインパクト産駒らしい馬だが、とはいえ東京向きの決め手は間違いなく持っている。1400mは初めてとなるが、前々走札幌戦が1800mで出して行って少し行きたがっていたことを考えると、1400mでも悪くないだろう。この頭数でも有り、上位争いには加わって来よう。
2歳ステークス覇者では、馬振りを評価してカシアスの方を上位に。着差こそ2着馬とアタマ差だったが、完全なスプリンター体型で、現時点で既にほぼ完成されている。レース内容も、中段で脚を矯めるセンス有る勝ち方。1400mさえクリア出来れば大崩れはしない筈。
1400mでどうかという部分は有るが、スピードだけならモズスーパーフレアが断然に近い。前走小倉戦は出遅れて序盤に無理したのが応えたが、それが却って豊かなスピードがクローズアップされた感も。スンナリのハナなら押し切れる筈。
人気になりそうなアマルフィコーストが対抗。新馬の阪神戦は逃げる形だったが、3頭雁行で引っ張り切り。前走中京戦は最初から控える競馬で突き抜けており、センスの高さが魅力。あまりスケールを感じさせる馬でもないのだが、今年のメンバーなら。
ベルーガは新馬札幌戦が圧勝。出遅れながらも、中段を確保出来る出脚が有って、外から突き抜けた。馬振りにも迫力が有る。あとは出遅れをリカバーする時に馬がムキになっていた様にも見えた点がどうか。1400mが裏目に出る危険は有る。
押さえが枠有利なペイシャルアス。新馬はゲート入りすらゴネている状況で、未勝利脱出にも3戦を要したが、前走中山戦は直線で寄られる不利が有りながらもコジ開けて突き抜けた。あの根性なら再度の最内枠を生かせる筈で、特に京都はBコース替わり初っ端でも有り、その点でも有利。