Sakura Archives

競馬回顧 2002年2回小倉・2回新潟

函館2歳ステークス(GⅢ)

アタゴタイショウ

まだ緩いとは思うが、馬体は絞れてきたし、落ち着いていた。スタート平凡ながらスッと流れに乗れたが、この馬場が余程合っているのだろう、4角もインをスルスル上がってきて、トーホウアスカと一騎打ち。今日は馬場適性だけではなくセンスも感じられたのだが、このメンバー自体がそれ程レベルが高いとも思えないので...。

トーホウアスカ

2人曳き、重い。スピード上位は確かな様で、インからハローマイフレンドにコスられても慌てない。逃げて楽をしているというよりは、スピードが違う分楽が出来ている印象。従って、追ってからも確かだったが、最後は勝ち馬の渋太さに屈してしまった。まあ、今日のところは仕方が無いだろう。

マイネルモルゲン

2人曳きでイレ込んでいたが、そんな事よりも踏み込みが浅いのが気になった。道中は中段の外にいて、4角も大外。今まで逃げて来た馬だけに、こういう競馬が出来たことは良かったが、この歩様だけにあまり時計の速い馬場は良くないだろう。本質はあくまで小回りやダート。

フジノタカネ

輸送を意識し過ぎたのか重い。その分、テンションが高い印象。ただ今日はそんなことよりも、まさかの速さ負け。3角までは付いて行けたが、4角からは無理が祟ってスッと反応出来ない。もうちょっと距離が有った方が良いか...。

ホワイトカーニバル

歩様スムーズ、加えて今日は集中力が出た。スッと行っているトーホウアスカとは違ってこっちは押し通しだったが、後ろが差し辛い馬場を利して粘り込む。

ハートオンウェーブ

2人曳きで、シープスキンノーズバンド着用だが、落ち着いていた。出負けしたが、前にスッと取り付いたスピードは評価して良いだろう。最後は馬場に泣いた印象で、今後変わる余地を残しているが、ノドが鳴るという話は気掛かり。

セイウンバクフーン

数字はともかく馬体は締まってきたが、非力だけに内の荒れた所を通らされては厳しい。

サマーオブキングス

馬振りはこの馬が抜けている。外へ逃げていた様に見えたが...。

オカノハーモニー

稽古は目一杯やれているが細い。馬体の成長が無いことには先々厳しいだろう。

マヤランレーシングアソシエーショントロフィー

エイシンダンズビル

今日は一枚重い。道中は中段だったが、揉まれない様に早目に外へ出したのが正解。前走、格上でも好勝負している様にここで地力上位だが、中々力を発揮出来ずにいた馬、力さえ出し切ればこんなものか。

オーゴンサンデー

イレ込みマシだが、細い。スタートも良かったが、早目に進出。今週からAコース使用で前の止まらない馬場である事も幸いしているのだろうが、確実に力を付けてきている印象。

イチロースワン

良く仕上がっている。行き切れなくとも、好位で上手く流れに乗れたが、直線で前をカットされて立て直すシーン。どうしても小回りはこういう一瞬のロスが応え易い傾向だが、今日は前が止まらない馬場だけに尚の事響いてしまった。

ゼンノケイマ

休み明けながら一番良く見えた程。ゲートアオって後方。道中はインの後方で我慢して直線だけ外に出す競馬。良く伸びているものの、この馬場では辛いところ。次走は人気になりそうだが、揉まれ弱い点と、使い込んで良くない馬であるという事は記憶の片隅にとどめておきたい。

フィールドスパート

使い込んでいるだけに、デキ変わらず。前で何の不利も無かった筈だが...。決め手不足か。

関屋記念(GⅢ)

マグナーテン

昔は散漫な馬だったが、一人で曳いている様にここへ来て集中力が出てきた。恐らく昔よりはマシになっているのだろうが、相変わらず見た目には気負い気味の追走。4角辺りから持ったままで並びかけ、昨年同様に追い出しを徹底して我慢。追い出したのはラスト300mといったところで、そこまで我慢しなくてはならないのは、追っての味は無いからだろう。まあ、この相手でそこまで楽が出来れば押し切って当然といえば当然、逆に言えばあんな競馬しか出来ないという辺りに武器の無さを改めて露呈してしまった。

ミデオンビット

一頭だけ外を周回して、デキは良かった。昨年のクリスザブレイヴは積極的にハナへ行ったが、今年はこの馬が押し出されてハナへ。新潟コースの場合、単騎でなくても逃げている馬は意外なほど楽が出来るのだが、今日はそれに加えてマグナーテンが昨年同様に逃げ馬を可愛がる競馬。こうなると普通の逃げ馬ならば残ってしまえるのだが、この程度の馬でも残ったことで、新潟コースの特殊性とマグナーテンの弱点が改めてクローズアップされる形になった。

ビッグフリート

体型的にボテっと見せる傾向はあるが、それを差し引いても一枚重い印象。マグナーテンを眺めながらの競馬だったが、4角で外から来られてしまって、マグナーテンから離れてしまった。この辺のロスが結果的に応えてしまった印象だが、時計勝負の馬場はちょっとしたロスが致命傷になってしまうだけに、決して力負けだとは思わない。

ウインブレイズ

2人曳き。絞れて好気配。スタートして直ぐは二の脚が続かなかったが、その時に外から来られて位置取りが悪くなってしまった。前が止まらないだけに、今日のところはここまでだが、とはいえこの馬もビッグフリート同様に力負けではない筈。その内、重賞でも通用するだろう。

キクカグロリアス

パッとしない。ゲートで暴れたが、スターターに待ってもらってスタート互角。後方で矯めて直線勝負だが、意図的に押さえて流れに乗れていた分、良く伸びた印象。

アグネススペシャル

例に依って煩いが、馬体減りが無かったのは好印象。外枠の馬がゲートで暴れ、スタートを仕切り直したが、今度はこの馬が暴れて出遅れ。インから良く伸びているが、今日のところは仕方が無い。

ツジノワンダー

まだ良くなってこない分もあるのだが、行き振り自体が悪いだけに、距離が短過ぎるのだろう。

九州スポーツ杯

アラタマインディ

歩様は何時もの事だが、馬体は充実してきた。誰も行かないのでハナへ、と思ったところへトーワスキーが一気に行ったが、折り合いピタリ。4角で持ったままで並び掛け、あとはそのまま押し切って圧勝。ハイペースの我慢比べに強いタイプでは有るのだが、時計勝負に対応出来るとは意外。

サンライズジェガー

馬体増だが、今充実しているだけに張りが有る。人気ということも有って、何時もよりも前々での競馬。内枠でも上手く捌いてきたのだが、どうもイマイチ伸び切れない。2走目の反動?

フェリシタル

赤いシープスキンノーズバンド。叩いて集中力出た様に見えたのだが...。出遅れて後方。難しい馬だけに、あまり無理に仕掛けてもという判断が働いた様だが、結果的には裏目。頭が高い走法なので、4角で一段になっての叩き合いも辛いところ。

タイムトゥチェンジ

結果こそ出ないが、見た目には非力さも大分マシになってきた。この馬の場合、サンデーサイレンス産駒にありがちなスローで瞬発力を生かすタイプで、ハイペースでなし崩しに脚を使わされると案外伸びない。

マヤノボイジャー

-10kg。絞れてはきたが、全体に緩んでいる。インを上手く立ち回っているが、最後は決め手の差だろう。

農林水産省賞典 函館記念(GⅢ)

ヤマニンリスペクト

前走辺りでも良く見せていたし、デキに関しては元々文句は無い。道中も、この馬場にしてはペースも速かったが、2000mだと流れに乗れる様で、楽に追走。3角手前で外に出し、3〜4角半ば辺りから徐々に進出。4角は大外だったが、直線は逆手前のまま差し切ってしまった。休ませて馬が実に良くなった印象だが、本質は小回り向きではないし、しかもサウスポー。それでも勝ったことに今日は意義が有る。

トップコマンダー

叩いて順当に良化。道中中段も、早目に仕掛けて4角で先頭に取り付いた。昨年暮れのウインシュナイトとの叩き合いが印象的だった様に、叩き合いに強い馬、持ち味を存分に発揮して、トーワトレジャーを競り落としたまでは良かったが、外からヤマニンに一気に来られてしまった。勝ち馬には漁夫の利を持って行かれた様な印象だが、強い競馬はしている。

トーワトレジャー

煩いのは昔から。ただ、デビューから30kg近く増えている様に、馬体に実が入ってきた印象。これも中段からだが、武士沢騎手、今日は密かに自信が有ったのだろう、相当に強気な競馬。流石にハンデに恵まれ過ぎていた様で、この位は走られてもといった印象もあるのだが、軽ハンデで駆けた牝馬は、その内別定戦でも通用するのが最近の傾向。

マイネルライツ

歩様スムーズ。出遅れて大外マクリ。インは伸びない馬場での最内枠だけに、これはこれで良かった印象。今日はパンパンの良馬場ではないだけに、ここまでやれれば充分。

クラフトマンシップ

418kgの馬だが、素晴らしく良く見せる。道中は良い感じで勝ちパターンにハマったと思ったが、叩き合いで真っ先に脱落。もっと矯めないとダメなのか...。

メイショウラムセス

チャカつくのは仕方が無いとしても、相変わらずトモが甘くて非力過ぎる。こういう馬場では競馬にならないのは何時もの事。

タップダンスシチー

走る気は有ったが、馬体はまだまだ。4角までは良い感じでも伸び切れなかったが、こういう馬場も得意だけに、やはりデキの問題が大きい。

ロードクロノス

意外に間隔詰めて使っても大丈夫なタイプで、今日も悪くは無いが...。ただ今日に関しては、デキの問題よりは、終始外々を通らされたのが痛い。中京記念が象徴的だった様に、インからの一瞬の脚を武器にする馬で、展開向かず。

ウインズ佐世保開設記念 佐世保ステークス

ビリーヴ

相変わらずデキは良さそう。好発馬も、控えて中段。あとは如何に被されない様に競馬するかが問題だが、引っ掛かり気味に行ってしまったので、結果的にオースミエルストよりも早目に立ち回った形。直線も危なげなく押し切ったが、今日は圧倒的能力差と外枠だからこそ出来た芸当で、今日のレース振りは褒められたモノではない。

オースミエルスト

下見でイレ込まなくなったし、馬体増も成長分。一時はどうなるかと思われたが、ここへ来て完全に立ち直った。スプリントということもあるだろうが、気性が成長した今ならば道中も実に折り合いスムーズ。最後は、地力の差というよりは先行有利な馬場に泣いた印象で、ちょっと展開が変われば逆転の目も充分にある。

フサイチオーレ

2人曳き。多少テンション高い。スタート良く、思い切ってハナ。ビリーヴに思ったよりも早目に来られたが、向こうは引っ張っていただけに、あまり影響は無かっただろう。力は出し切っている印象。

ボンデローザ

あまり良く見えないが...。道中は押し通しで、追走に汲々。直線こそ良く伸びたが、タムロチェリーの様な後方一気が決まる馬場状態では無いだけに、届く筈も無く。

エイシンダンズビル

馬振り良いが、若干太目。元々時計に限界があるタイプで、直線はジリっぽくなってしまった。

テレビ西日本賞 北九州記念(GⅢ)

トッププロテクター

併走馬をブッちぎって稽古動いた様だが、今日はデキの良さで不利な条件全て跳ね返してしまった様な印象。展開ハマったのは否めないにせよ、前から離れた5番手でピタッと折り合い、阪神マイル限定の差し馬というイメージを覆した。この時計に対応出来たのも立派、ハイペースをこなしたのも収穫だが、前述の通り展開が向いた印象もあるだけに、次走を見てから評価を確定させたい。

ロサード

馬運車でのアクシデントは問題無かった模様。漸くデキが戻ってきて、今年こそチャンスだと思ったが、今日は追走に余裕が無い上、自力で捕まえに行く展開。こうなるとどうしてもスパッと切れてくれない。最後は地力で2着をキープしたが、小回りは得てしてこうなりがちで、ある程度は仕方が無いだろう。唯でさえ極端な脚質だけに、出来れば騎手は固定して欲しいと思っているのだが、それでも結果を出しているのは立派。やはりここでは地力が違う。

トーホウドリーム

もっと煩くて良いと思っているのだが、この辺が休み明けの分だろう。中段のインで折り合っていたが、ここまでスムーズに流れに乗れたのはテイエムオペラオーに勝った産経大阪杯以来だろう。4角でも手応え充分だったが、最後は休み明けの分、ジリっぽくなってしまった。ムラ駆け傾向の馬が久々にハマった形だが、こういうチャンスはそうあるモノではないだけに、1回叩いておいて、勝ち切っていればと悔やまれる。

ウインマーベラス

馬体増は単に戻っただけ。ゲートアオって出遅れたが、腹括って直線一気に賭けたのが正解。馬群を割ってきたが、直線は久々に切れた。坂のあるコースでは東京での2着が最高だが、やはり平坦の方が切れる印象。

バンブーマリアッチ

出来てはいたが、歩様が硬さが休み明け。これも出負けしたものの、終いに賭ける競馬。ロサードをマークする形でジリジリ来たが、この馬、何時の間にか時計勝負に対応出来る様になっている分、入着。年齢を経ると、時計に弱くなるのが普通だけに、珍しいタイプの馬といえそう。

ダイイチダンヒル

綺麗な馬だが、イレ込みキツい。これも後方だが、イマイチ伸び切れず。現状の能力がこんなものなのだろう。

タマモヒビキ

今日は絶好調だと思ったが、ハイペースでついていけない。時計に限界がありそう。

パープルエビス

-8kgも細い印象は無いし、イレ込んでもいない。従って、今日はデキではなく展開の問題で、どちらかといえばスローでこその逃げ馬。それだけに人気は邪魔にしかならない。

トウショウノア

まだ絞れる体つきだが、今日はデキ以前にハイペースに巻き込まれた。時計もこの馬には速過ぎて、「家賃が高い」といった印象。

西部日刊スポーツ杯

ナムラサンクス

二人曳きで気合乗っていた。インでひたすらマイペース。3角辺りからインをスルスル上がって来て、4角で前を射程圏にいれ、開幕週で馬場良い最内を伸びて快勝。今日は力通りというより、展開が向いた印象。人気でインを突く競馬というのは、不利を被る可能性も有るだけに、あまり褒められたものでは無いのだが。

サンライズジェガー

太く見えるのは体型としても、トモが甘い。道中は後方、気負い気味だったが、一応折り合っていた部類。大外回って直線勝負も力通りに伸びた。勝ち馬は展開利有り過ぎただけに、この馬が一番強い競馬をしているといえるだろう。時計勝負に対応出来たのも収穫。

シマノフリート

小倉のパドックは、ファンとの距離が近過ぎるのか、しきりにファンを気にしていた。誰も行かないと見るや、スッとハナへ行ったが、コレが正解。ペースの割に離しての逃げが打てたし、道中で楽が出来た分、直線も中々渋太い。

エルウェースター

地味だが、この馬は何時もこんな感じ。好発馬も、無理には行かず好位。向正面は外から来る馬がいたが、ここでも無理をせず直線勝負。まあ、元々ジリっぽい傾向のある馬だけに最後は仕方が無いが、復調気配。

ダンディラッシュ

デキに問題が有ったとが思えない。スローを嫌って向正面から動いていったが、直線は全く伸びず。結果的には乗り方が強引過ぎたということなのだろう。

ウインエストレラ

パドック周回中に鉄を打ち直すアクシデントも落ち着いていた。道中は前で流れに乗っていたが、伸び切れず。瞬発力不足としか言い様が無い。