Sakura Archives

競馬回顧 2002年4回阪神・4回新潟

スプリンターズステークス(GⅠ)

ビリーヴ

2人曳き。馬体面から疲れを判断することは難しいが、今日は気合が乗っていただけに、精神的には充実している。ゲート入り梃子摺った割には好発馬で、道中は3番手から。4角でアドマイヤコジーンに連れて上がってきたが、直線入り口では何処を割るかだけといった手応え通りに、最内をズバッと差して快勝。まあ結果的には、平坦で決め手の差が出た印象もあるのだが、レース運び自体は一番人気のそれではなく、完全に漁夫の利を狙った騎乗。武豊騎手に、GⅠの一番人気でこの騎乗をされてしまっては仕方が無い。

アドマイヤコジーン

2人曳き。数字の増減の少ないタイプだが、休み明けでテンション高目。高松宮記念は追走に汲々としていたが、今日はショウナンカンプのペースが遅く、楽について行けた。安田記念同様のイメージ、というよりはショウナンカンプにだけは負けたくないとの思いなのか、かなり早めのスパート。安田記念はこの策で後続を押さえ込んだが、最後は本質がスプリントでない分と平坦で決め手のある馬が有利になっていたということだろう。次走はマイルチャンピオンシップの様だが、これを叩いて落ち着いて来れば最右翼。

ショウナンカンプ

2人曳き。仕上がっていて馬体は悪くないが、夏負け云々の話が有った通り、覇気に欠ける。ハナへ行くには行ったが、この馬の場合、絶好調ならばもっと楽に行ける筈で、またそれがこの馬の最大の武器。今日はその武器が使えなかった以上、失速も仕方が無いところが、最後はGⅠ馬の底力で3着に踏み止まった。まあ、アドマイヤコジーンが早めにコスりに来た割には良く抵抗している。

ディヴァインライト

休み明けになるが、数字通り仕上がっていた。これもショウナンカンプの遅いペースに救われたクチ。比較的楽に追走出来た分、最内を回って入着。比較的デキに正直な馬だが、デキさえ有ればとにかく堅実。

ゴールデンロドリゴ

ドッシリ見せて、馬はここでもヒケを取らないが、返し馬の際に大歓声で気負ってしまった。ゲートで立ち上がって後方から。ディヴァインライト同様にイン回ってここまで。前走は相手に恵まれただけでは無かったということか。

サイキョウサンデー

叩いて順当に良化。ただ、現状の能力ではここまでが精一杯。

サニングデール

馬体増は全て成長分。まだ増えても良い位で、凄い馬になってきた。ダッシュつかず後方から。外へ持ち出すロスが有ったにせよ、直線は全く伸びなかった。戦前述べた通り、血統的には時計勝負にも対応出来る筈だと思うのだが、今日は経験の無さということなのか...。

トロットスター

2人曳き。好調。ビリーヴをマークして連れて上がって来るシーンも有ったがそこまで。近走、体調自体は良い状態で使えていると思うが、能力の絶対値と馬のヤル気が落ちてきた。無理使いするとどうしても後から反動が来る。

サーガノヴェル

2人曳き。お馴染みのシープスキンノーズバンド。決して悪くないとは思うが、今春の方が全体的に引き締まっていた印象も。ショウナンカンプに往時のダッシュ力が無く、無理にインへ切れ込んで来た為、思い切り引っ張る不利。まあ、所属厩舎のショウナンカンプに行かせるのは当然で、吉田騎手も2番手で何とかなると思っていた筈だが、馬があれだけ嫌気を出してしまっては競馬にならない。結果的には騎乗ミスといえるが、本気で競り掛けて欲しかったら別の騎手に頼むべきで、調教師にも責任の一端は有る。

農林水産省賞典 札幌2歳ステークス(GⅢ)

サクラプレジデント

2人曳き。多少気負っていたが、馬体減は然程気にならない。スタート良かったが、控えて中段。1200mしか使っていない馬だけに、多少引っ掛かるのは仕方が無いところだと思っていたが、案の定折り合いを欠くシーンが有ったにも関わらず、インでちゃんと前が開くまで我慢。そして、開いたら開いたで繰り出した瞬発力の凄さ。今日は出来過ぎていた印象も有るだけに、今後の上がり目は課題だが、中々見所が有る。

テイエムリキサン

好位で流れに乗っていたが、中々外に出せず終いで、勝負どころでも完全に前が壁。前が開いてからは良い脚で来ていて、勿体無い競馬になってしまった印象だが、それでも流石にあの時計は伊達ではなかったということだろう。これも決して弱い馬ではない。

ワンダーボーイ

あまり良く見えなかったが...。距離を考慮されてか控える競馬。外から早目に動いて行ったが、インから差して来た2頭の決め手が上。単勝オッズはともかく、新聞紙上では圧倒的1番人気に推されていた馬だが、どうも買い被りだった模様。

マルブツトップ

全体的に非力。後方から前を眺めながらの競馬だったが、勝負どころで置かれてしまって、4角大外へ回されてしまったのが痛い。これも最後は良く詰めているが、まだまだ力が付き切っていない現状だけに、これからの馬。

フジノタカネ

気配悪くなかった筈だが...。前で折り合いついていたにも関わらず伸び切れない。とにかく決め手不足。

神戸新聞杯(GⅡ)

シンボリクリスエス

初長距離輸送も効いているのだろうが、馬体面気合面等、これが本番でも全く不思議が無い程のデキ。道中は中段位置。長距離一本で来ただけに、流れに乗れない心配も有ったのだが、全くの杞憂だった。4角も手応え充分で、仕掛けを遅らせる余裕。それが響いて変に包まれてしまったのはご愛嬌だが、それでも抜け出す時の脚が他馬とは全く違っていた。本番へ向けて、叩いての上積みは少ないかも知れないが、最近は強い馬よりも競馬の上手い馬が勝つ菊花賞。距離適性だけでなく、この点でも最右翼。

ノーリーズン

元々馬体重の変動が少ない馬で、今日もその通り。ただ、明らかに筋肉が落ちていて、その点が戦前伝えられた急仕上げの分。如何にも武豊騎手らしい後方からの決め打ち。皐月賞のインから出し抜けを食らわした印象が強く、強さを感じさせる馬では無かったのだが、今日は外から追い込んで底力を見せた。ただ、良く考えてみると、シンボリクリスエスが変わったのは、武豊騎手が青葉賞でインで我慢させていた経験故。皮肉といえば皮肉な結果。

ナムラサンクス

2人曳きで気合を表に出すのは前走と一緒。道中はシンボリクリスエスとノーリーズンの間位の位置。3〜4角中間辺りから、外を手応え良く進出して、4角先団に取り付いた。まあ、最後は決め手の差で、後続がゴチャついて来る筈の馬が来ない展開にも助けられたが、自力勝負で権利を取ったのは立派。

メガスターダム

夏負け云々の話は気にしなくて良いだろう。多少重いのだろうが、トライアルとしては完璧なデキ。道中は内々を追走して、直線だけ外に出す理想的な競馬が出来た...筈だったが、4角でレニングラードとノーリーズンにパッチンを食ってしまった。最後は立て直して良く伸びているが、このあと精神的ショックが無ければ良いのだが...。

レニングラード

2人曳きも気配を表に出さず、明らかに重目残り。2完歩目の遅い馬だが、今日はマトモな方で、上手く中段につけられた。勝負どころでも手応えは残っていて好勝負になるかと思われたが、外にヨレてしまって降着。直線フラ付く癖は元々あったが、今日は太い分もかなり響いているだろう。3000mは問題無いだけに、これを叩いて絞れて来れば。

タイガーカフェ

馬体減もそうだが、トモの甘さは相変わらず。今後、小島太厩舎お馴染みの栗東での調整でどれだけ馬体が回復するかが鍵になりそうだが、それにしてもレースは全く見所が無かった。

ローエングリン

下手にイレ込むよりはマシとはいえ、もうちょっとビリッとしたところが欲しい気もするのだが、ほぼ出来ていた。レースはそのピリッとしない部分が出てしまったのか、この馬としてはスローの逃げ。その影響で後続が突きに来るのが妙に早かった分失速してしまったが、この辺の感覚は乗り慣れた横山典騎手ならば当然解っていただけに、やはり乗り替わりが響いたということになるのだろう。まあ何れにせよ、逃げ馬の惨敗後を狙うのは競馬の基本的なセオリー。叩いて気合が乗ってこれば、次走一変も。

オークランドレーシングクラブトロフィー

エイシンスペンサー

シープスキンノーズバンド。休み明けで良く見えないが、下見ではあまりパッとしない馬だけに、これで上々。好発切った事もあって、1角までシーパッションを冷やかしに行って望み通りのハイペース。4角でもまだシーパッションとは大分差が有ったが、自分から捕まえに行って、直線は差が開く一方。流石にこういう展開になると強いが、とはいえこんな展開滅多に有るモノではない。

スリーローマン

毛ヅヤ良くデキは良さそう。この馬としては歩様もマシ。エイシンスペンサーを終始マークする展開だったが、それが見事にハマった形。他馬の凡走に助けられた印象も無い訳ではないが、この形になれば持ち前のスタミナが生きる。

ダンツシェイク

キッチリ出来ていたが、多少イレ込み気味。加えてトモが甘い印象も。気負って折り合いに不安が有るだけに、道中は後方から。シーパッションが大逃げを打った分、全体の上がりは掛かっているが、勝ち馬の使った脚は34秒台。あの位置からでは当然届かず。

ゼンノショウグン

2人曳き。多少気負っていたが、毛ヅヤも良かったし、馬体に張りも有った。中段から雪崩れ込んだだけといった印象だが、何れにせよ切れる脚が無いだけに、もうちょっと前で闘った方が良い気も。

キンショウテガラ

良く見えないが、この馬なり。最後方から直線勝負に賭け切れた分、入着。

アスクコマンダー

イレ込みは何時もの事。輸送競馬でもプラス体重で出てきたのは好感が持てる。ハイペースで成し崩しに脚を使わされる展開はダメ。あくまでスローの差し馬。

関西テレビ放送賞 ローズステークス(GⅡ)

ファインモーション

ここへ入ってしまえば圧倒的に抜けているし、牡馬の様な造りなのは確かだが、それは今年のメンバーが弱いだけで、あくまで牡馬並といったレベル。今日は直線で気合を付けただけの圧勝だが、札幌戦がそうだった様に相変わらず道中は掛かり気味。恐らくスピードが有り過ぎて、この程度のメンバーでは持って生まれたペースが違い過ぎるのだろう。秋華賞のあと、牡馬相手にジャパンカップから海外遠征だそうだが、一番危ないのは意外と秋華賞かも知れない。同じ伊藤雄二厩舎のエアグルーヴが、エリザベス女王杯で超スローに泣いて3着に沈んだあと、ジャパンカップでエルコンドルパサーの2着に来た事があったが、ちょうどあの現象が再び起こるかも。

サクラヴィクトリア

元々胴長の馬で、今春はトモが薄く見えたのだが、交流重賞を勝った辺りからトモに力が付いてきた。前走同様に後方のインで矯める競馬。ペースはスローだったが、スムーズに折り合い、佐藤哲三騎手お得意の4角イン強襲。使ってきた強みと成長度、そしてファインモーションがチギってくれる展開が嵌まっての2着だが、前走でレディパステルやティコティコタックに先着したのは、この馬に相当な自信を与えている。本番でも妙な色気さえ出さなければ怖い一頭。

トシザダンサー

2人曳き。下見で気負うのは仕方が無いが、数字は全て成長分でキッチリ造ってきた。中段よりやや後方のインで折り合う競馬。4角で外に出した時の手応えは完全に圏外の中、最後まで渋太く伸びて予定通りの権利取りだが、「渋太く伸びて」というのは、裏を返せばジリっぽいということ。今日は完璧に出来ていただけに、休み明けを理由に出来ず、決め手の差を思い切り露呈してしまった。

トリプレックス

もうひと絞り出来る筈だが、馬体は如何にも垢抜けたサンデーサイレンス産駒。好発も無理には行かず、逃げた馬を眺めながらの追走。今日は完璧な競馬が出来た筈で、それで負けたのだから力負けと表現する以外に無いが、この馬、手足のスナップが効いた中々良いフットワークをしているだけに、もう一段の成長があれば大化けする可能性も。

ニシオノーブル

2人曳き。太い分が気負わせていた印象。前走出負けしたが、今日は五分のスタート。ただ、どうも瞬発力不足は否めない。小回りで出入りの激しい競馬になった方が持ち味が生かせそう。

ブルーリッジリバー

馬体面はともかく、何故か放牧帰りは毎回踏み込みが浅い。例によって追い込みに賭ける競馬だが、いくら道中スムーズに運べても坂があるとどうしても詰めが甘くなる。まあ、賞金面で不足は無く、今日はこれで充分といえるかも知れないが、成長度の差は現実として存在する。あとは叩いた効果と本番は直線が平坦になる分で、どれだけカバー出来るかだが...。

ユウキャラット

シープスキンノーズバンド。増えてきたのは好感が持てるが、追い足りない分どうしても馬が緩い。ファインモーションにチギられる展開は確かに厳しかったが、この馬の場合、2番手では絶対に気負い気味になる。やはりオークス時に鮫島調教師も述べていた通り、ハナ切らないとダメ。

マイネミモーゼ

これもひと追い足らない分緩いのは確かだが、殆どが成長分。好位のインで掛かりながらの追走も、追ってサッパリ。

タムロチェリー

2人曳き。馬体は成長分だが、気性は相変わらず。休み明けは走らない傾向で、気性の難しさをモロに出してしまった。

ビーポジティブ

姉弟に比べると馬体に迫力が無い。思い切ってハナ切ったが、この血統は首の使い方が下手過ぎる。

アローキャリー

シープスキンノーズバンド。馬体は全体的に成長しているが、歩様が硬い。元々力んで走るタイプで、2000mは長過ぎる。

ラジオ日本賞 セントライト記念(GⅡ)

バランスオブゲーム

2人曳き。普段よりは落ち着いていたし、仕上がり上々。戦前の予想通りとはいえスローに流れただけに、引っ掛かるかと懸念していたのだが、インの絶好位で多少気負う程度で収まっていた。あとは、直線だけ外に出して、あとは手応え通りに伸びて楽勝だったが、それにしてもこの馬、新潟コースは無類の強さ。

アドマイヤマックス

2人曳き。馬体の成長は案外だが、キッチリ造ってきた。久々でスロー、多少行きたがるのは仕方が無いのだが、折り合いつけようとインに入れたら、外から被されて揉まれる展開。直線入り口でも接触したり、動けないシーンが有ったし、最後詰めている様に地力の高さは見せているのだが、どうもこの馬ツキが無い。

マイネルアムンゼン

太い分、気負っていた。スローを2番手で流れに乗る形だが、こうなると東京でシンボリクリスエスに先着した力が生きてくる。直線も中々渋太く頑張っていて、長距離のハンデ戦を賑わすタイプになりそう。

ヤマノブリザード

完璧に近いデキだったが、遮眼革を馬がしきりに気にしていた。ゲートを出てからフラついてしまった分、流れに乗れず最後方から。4角まで我慢していて、無理には大外へ出さず馬群の中へ突っ込んでいったが、札幌2歳ステークス以来の、久々にこの馬らしい無理やり馬群をコジ開けてくる伸び。今日は流れが流れだけにここまでだが、まだまだ終わっていないところを見せてくれた。

カンファーベスト

遮眼革。馬体増も太くはないのだが、イレ込みキツい。こちらは中段の外からの競馬だったが、意外に良い脚を長く使っている。馬群に入れない辺りがこの馬の弱さだろうから、今後はこの点が解消してこれば。

カッツミー

2人曳き。あれだけイレ込んでいては...。道中も終始掛かっていたし、今日は競馬になっていない。

バンブーユベントス

増減こそ少なかったが、中身がスカスカだった春に比べて、馬に実が入ってきた。道中は掛かっていたのは確かだが、全く動けなった。1番枠だった毎日杯も動けなかっただけに、内枠はダメ?

アクトナチュラリー

曳き手に甘えていて、気性が子供。後方から大外へ持ち出したら、そこで止まってしまった。

大阪スポーツ杯

メイショウラムセス

イレ込んではいたが、流石にここへ入ると馬が一枚上。2000mを使った後ということで、道中はオッツケ気味の追走。3〜4角中間から徐々に差を詰め、例に依って坂下で一息入れるも、最後はキッチリ捉えた。坂下で一息入れられる阪神はこの馬向きだが、非力な馬だけに今日はパンパンの良馬場になってくれたのが一番有り難かったか。

イチロースワン

例に依ってイレ込みキツい。比較的楽にハナへ行けたが、途中から控えた筈のフジヤマシンゲキが絡んで来る展開。平均ペースでも、こうなると逃げ馬には辛いが、その割には良く踏ん張っている。相手が重賞常連のメイショウラムセスであることを思うと、オープンでも通用して不思議は無い。

ボンデローザ

近走デキ安定。例に依って押さえて後方から。1200mのあとで折り合いを心配していたが、この点は心配無かった様。4角一番外へ出して、良く詰めているが、如何せん相手はオープンの器。今日は相手を褒める外無いだろう。

ミヤビリージェント

シープスキンノーズバンド。姿勢は高いが気配上々。これも押さえて後方から。下見通り頭が高い走法だけに、内々で立ち回って一瞬の脚を生かす競馬。一応展開はハマったが、どうしてもこの手の馬は見ていてモドカしい。

ナリタダイドウ

覇気は無いが、スカッと見せる。好位のインで折り合う策。インから一瞬伸び掛かったが、そこまで。これを叩いて変わって来れば。

マイネルタンゴ

黒光りして毛ヅヤは冴えているが、明らかに太いし、今日は不利も痛かった。

セントウルステークス(GⅢ)

ビリーヴ

-8kgも当日輸送の分。細いどころか、相変わらずの充実した馬体。スプリント戦ながら、前半はむしろ掛かり気味での追走。4角では何処へ出そうかといった手応えで、前が開いてからの脚がケタ違い。土曜日もレコード決着で、馬場良い分を差し引いても、時計は優秀。追い出して右へモタれる例の癖も出さず、今日は完勝といった内容だが、この馬案外追い込みに徹した方が良いかも。

パイアン

何時も通りに気合を表に出していたが、ここへ入っても馬振り上位。出遅れて後方。しかも格上挑戦なのだが、流れに乗れない様な事は無く、道中は手応え良く追走。差しが完全に板についた様で、ビリーヴ同様にこの馬の瞬発力も際立っていた。これからが楽しみな馬なのは間違い無いところではあるのだが、今日のところはビリーヴが突き放してくれた展開に恵まれた面も否めないだろう。

カルストンライトオ

遂に500kgを超えてきたが、元々腹回りはボテッと見せるだけにあまり変化は無い。前走は直線競馬なのでともかく、最近では一番楽にハナへ行けた。昔からラチを頼る馬で、望み通りの競馬が出来た以上、例のモタれる癖も出さなかったのだが、勝ち馬にあれだけチギられては苦しくなる。一応はこの馬自身の能力を出し切っているとはいえそうだが、近年の低調なスプリント界でこその馬、今年は新興勢力の台頭が著しいだけに、ソロソロ潮時なのも事実。

テンシノキセキ

踏み込みは何時もよりはマシだが、とにかく地味。何時も通りの好位からの競馬だが、勝ち馬の決め手が違い過ぎた。明らかに何の不利もない中で、これだけ歴然とした差を見せ付けられては如何ともし難い。

テンザンデザート

もっと煩い方が良いかも。戦前のコメントから何が何でも行くのかと思っていたが、枠順通り素直にカルストンライトオへハナを譲った。ハナには拘らないタイプで、道中は一応スムーズに運べているが、これも決め手不足。

ネイティヴハート

明らかに太い。本来ならばパイアン以上の脚が使える筈だが、これだけ太くては動けないのも仕方が無い。

サイキョウサンデー

数字こそ出来ていたが、全体的に緩い。これも動けなくて当然といったデキ。

京成杯オータムハンデキャップ(GⅢ)

ブレイクタイム

陣営の目論見通りに絞れてきた。好発も無理には行かず、外からジワッっと流れに乗る形。意外と手応え通りには伸びない馬だが、今日は余程自信があったのか、仕掛けを我慢するだけ我慢しての追い出し。追ってからの脚取りもシッカリしていたし、相手が弱過ぎた所為もあって完勝。この馬の場合、出入りの激しい競馬になると脆いが、新潟マイルは100%そんな展開にはならない。このレースを使って欲しいと進言したのは松永幹夫騎手だそうで、正にその通りの結果になったが、前述した通り出入りの激しい競馬になると辛いだけに、コーナーのある新潟1200mは正直微妙。

ミデオンビット

前走同様、下見所の外を周回して相変わらずデキは良い。ハナへ行ったサンライズタイガーは押して行っていたが、こちらは持ったままで2番手。前走時に述べた通り、新潟はこの形でも競馬出来る上、ブレイクタイムも無理には来なかったし、しかも今週からAコース使用で最内がグリーンベルト。ブレイクタイムとの4馬身差はそのまま能力差だが、トラックバイアスをフルに生かして粘り込んだ。

トッププロテクター

初コースでイレ込むかと思ったが、案外落ち着いていた。ここらが目下の充実振りを示しているのだろう。スタートこそ互角だったが、距離短縮そして初新潟ということもあってか、流れに乗れず最後方。腹を括って大外ブン回しての直線勝負に賭けたが、トラックバイアスも有ってここまで。今日はトラックバイアスさえなければといった内容だが、それにしても57.5kgで競馬にならなかった前走が嘘の様な競馬振り。この数分前に札幌でスエヒロコマンダーが60kgで逃げ切っているが、坂路調教全盛の中、ここまで斤量に敏感なタイプも最近珍しい。

ビッグフリート

馬体も絞れた上、落ち着いていたし、毛ヅヤも良かった。スタートでは安目を売ったが、スッと流れに乗って好位。ただ、最内がグリーンベルトになっているだけに、どうしても馬群が密集。この影響で追い出すタイミングが遅れたのが痛い。まあ、スムーズに捌けていた所で、2番手グループの一角止まりだっただろうから、重賞で勝つにはもう一段の成長が欲しいところではあるが。

ブラザータイクーン

馬体はこれで良いと思うのだが、気合が乗ってこない。折り合って伸びそうだったが、伸び切れず。まだ良くなり切ってないのか...。

トレジャー

もうひと絞り欲しい。今日のデキでは動けなくて当然。

ダービーレグノ

新潟記念時から走れるデキにはなっていた筈なのだが...。マイルで実績の有る馬だが、決め手不足なだけに新潟では適距離が2000m前後にシフトしてしまうのだろう。

朝日チャレンジカップ(GⅢ)

タップダンスシチー

2人曳き。馬体は締まってきたが、何時もよりテンション高い。ハイペースをオッツケ気味での追走。4角外から先頭に並び掛けて持ち前の渋太さを生かし切った。内外離れていたし、全体の時計はレコードだが、上がりが極端に速くならなかったのも幸いしている印象。

イブキガバメント

歩様スムーズ。中段のインで折り合いをつける競馬。タップダンスシチーが外へ行ったのを確認してから、インを差してきたが、直線は追い負けてしまった。対タップダンスシチーでは地力はこちらの方が上だと思うが、そうなると58kgが微妙に応えたということになるのだろう。

トゥルーサーパス

+8kgだが、以前よりもスカッと見せる。戦前指摘した通り、この距離ならば楽に追走出来ていた。最内を大事に乗って、4角もインがガラ開きだったが、どうも最後は甘い。まあ、一瞬の脚は見せていただけに惜しいといえば惜しいのだが、案外坂は良くないか...。

ビッグゴールド

ソコソコには出来ていたし、休養前に見られた歩様の硬さも消えた。道中は中段。イブキガバメントをマークする様な形で乗られていたが、レコード決着になると流石に辛い。

トウカイパルサー

落ち着いていたが、2番手から競馬しようと思うと、逃げ馬が余程飛ばしてくれないことには折り合いを欠いてしまう。先行するならば何が何でも行くか、愛知杯の様に最初から差しに回るか決めつけて乗らないと、中々上手く行かない。