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競馬回顧 2004年3回阪神・2回福島

マーメイドステークス(GⅢ)

アドマイヤグルーヴ

2人曳き。この中間不安説が流れたが、前走は牡馬相手でも輝きが有っただけに、デキとしては普通以下。例に依って出遅れ。多少行きたがってはいたが、その気になれば内へ入れられた訳で、それをやらない辺りはこの馬の力を信頼していたという事だろう。直線まで待って追い出した際の瞬発力は昨年以上だし、下見でムチャをしなくなっただけでも充分合格点をやれる。

チアズメッセージ

歩様に力が無いのは毎回指摘している通り。好位のイン。毎回そうだが、レースで強かで、今日も流れに乗って自在性をフルに生かす競馬。まあ、下見のイメージ通り、坂に弱く、その分で勝ち馬とは決定的な差を付けられたが、それ以前に次元そのものが違う印象も。一応、GⅢの限定戦なら上位クラスだが。

チャペルコンサート

多少コズミ気味なのは連闘の分だろうが、細いなりにデキは良さそう。2番手。これもスローを流れに乗って、展開利をフルに生かす形。もうちょっとやれると思っていたのだが、坂に弱いチアズメッセージにやられている様では先が暗いだろう。

マイネヌーヴェル

デキは良かったのだが、やはりこの馬歩様がネック。珍しく中段から。直線向いて一瞬行き場を無くし、立て直すロスも有ったが、今日はそれよりも小牧騎手が色気を持って 乗り過ぎた。小牧騎手、戦前からデキに自信持っていたそうだが、この馬この形は味が無い。

ヘヴンリーロマンス

-8kg。馬体絞れ、まあまあの気配。好位の外で、多少行きたがっていたが、この手応えのまま4角上がって来て、一瞬は見せ場。結局、最後は決め手の差に泣いた形だが、内容は悪くない。

日本中央競馬会創立50周年記念 七夕賞(GⅢ)

チアズブライトリー

馬が見栄えするのは元々。欲を言えばもうちょっとスムーズに踏み込んで欲しかったが、立て直されて休養前よりは確実に良くなった。テンから行く気無く、押さえて後方から。前半はペース遅かったが、カゼニフカレテの早仕掛けで、3角から急にペースが上がった中、一番最後に脚を使ったのがこの馬。トップハンデにも関わらず早目に動かなかった乗り役の好判断も有るのだが、元々がこういう馬なのだし、基本的には展開。

ストロングブラッド

テンション高いのは何時も通りだし、毛ヅヤの良さが目に付いた。中段の内々。カゼニフカレテが動いた時に多少手が動いたものの、4角でインで脚を矯めて直線抜け出すという久々に岡部幸雄騎手お得意のセコい騎乗。馬自身もこのコース得意なのだろうが、今日は岡部幸騎手の好騎乗を讃えたい。

マーベラスダンス

気配地味なのは普段と一緒。悪くは無さそう。中段の内目。勝負どころから反応が悪く、置かれ掛けたのだが、コーナーをロス無く回ってジワジワと。直線、メジロマントルは捕らえたが、外に2頭居て3着まで。やはり小回り向きでは無い。

メイショウキオウ

やはり今季がデキが違う。好発も、主張したメジロマントルに譲って2番手。折り合い付いたし、スローで前半は上手く運べたが、前述した通りカゼニフカレテの早仕掛けが痛かった。少なくとも悪い内容では無い。

メジロマントル

ややもすれば太く映る馬体で、目下絶好調。ゲートアオったが、押してハナへ。それでも上手くスローに落とせたのだが、3角手前でカゼニフカレテが動き、その前に居た組が皆連れて動いただけに、最後苦しくなってしまった。まあ、直線何度か振り切ろうと勝負根性も見せたし、今年の1番人気は少なくとも強い競馬をした1番人気だろうが、このレース、1番人気に推された馬は何故かツキに見放される。

カゼニフカレテ

この馬なりに悪くないが、もっとトモに力が付かないとオープンでは。前半は後方の近い位置取りも、スローを嫌って動いたが4角まで。良い脚が一瞬しかないので、この策は無謀なのだが、実質テン乗りの後藤浩輝騎手、有る程度は仕方が無いか。

ラジオたんぱ賞(GⅢ)

ケイアイガード

姿勢高いし、歩様も硬いが、元々がこういう馬。2頭が飛ばし、1頭挟んで、離れた4番手。恐らくこの馬の位置取りで平均ペースの流れ、それだけに今日は展開がズバリだったと見たい。ゲート斜めに出たし、頭の高い走法。もうちょっと強い様なイメージも有ったのだが、今日は失望。

カンパニー

+16kgは全て成長分。好気配。道中は中段。折り合い付いたし、ケイアイガードを目標に内を上手く立ち回ったが、直線で一瞬挟まり掛けるシーン。レニングラードのイメージから直線まで動けないタイプの馬だと思っていたのだが、意外に器用。このメンバー自体のレベルに疑問の余地は有るのだが、競馬の上手さは評価しておきたい。

リスティアエーデル

勿論、スケールの差は否定出来ないが、一息入れて中身が有った。2頭飛ばして離れた3番手。外から来られただけに折り合い欠く可能性も有った筈だが、上手く行かせてスムーズに流れに乗れた。元々が前有利な馬場状態、しかも後方は明らかにペース判断を誤っていて、今日は展開に恵まれた面は否定出来ないのだが、良く走っている。

ダイワネバダ

完歩の大きい歩様。馬振りも目立つ。逃げた2頭の内の1騎だが、こちらの方が行き振り似余裕が有った分、先着した印象。まあ、以前の岡部幸雄騎手なら考えられない騎乗なのだが、復帰後の岡部幸騎手にはこれが持ち味。

フウランジョー

尻跳ねして煩いのだが、デキはメンバー中随一と思える程。何が何でもの構えでハナへ。前有利な馬場状態では有ったのだが、2頭やり合った割には良く頑張っている。

ハットトリック

2人曳き。-12kg。デキは有ったと思うが、削り過ぎ。例に依って出遅れも、何とか中段の取り付いていたが、追って案外。やはりスローの差し馬。

ムーンシャイン

毛ヅヤ冴えていたし、デキ自体は良さそう。ゲート出て、ヨレたケイアイガードにブツけられ位置取り悪くなってしまった。途中、ペースが遅い事に気付いて、無理に追い上げたが、ここまで。今日は仕方が無い。

函館スプリントステークス(GⅢ)

シーイズトウショウ

2人曳き。チャカついているのは毎度だが、スッキリし過ぎている嫌いも。オープンにしてはペースが遅く、前半600m通過が33.7秒。多少行きたがっていたが、内枠で下手に押さえ込むよりは、外でスムーズに運べた方がマシという事なのだろう。4角で前へ取り付き、直線は突き放した。斤量差も有るとはいえ、スプリントは強い。

ゴールデンロドリゴ

2人曳き。函館の水が合うのだろう、最近では一番のデキ。ゲート悪くなかったが、押さえて後方待機。直線は一番外へ持ち出して、決勝線手前で逃げたカルストンライトオを捕まえた。今年の函館は天候が良く、内目の馬場もそれ程悪くないだけに、この競馬で届くのは少々意外な印象。このレース、5年連続連対中の横山典弘騎手、函館のコツを知り尽くしているのだろう。

カルストンライトオ

強行軍だが、歩様スムーズ。大方の予想通りハナへ。ただ、枠の差で、内の2頭を交わしてハナへ立つのに脚を使ったし、4角でまたサクラタイリンに来られてしまった。正直、結構キツい競馬を強いられたと思うのだが、それでもここまでやれるのだから、目下のデキが本物なのだろう。イケイケで使いたくなる理由も解らないでは無い。

ブルーショットガン

好気配。馬に張りが有った。好発も無理には行かず、中段で流れに乗る形。上手く運べている筈だが、最後は決め手の差。この馬なりに走っている。

ウインラディウス

煩いのは構わないが、今日は集中力が無かった。ダッシュ付かず後方から。3角までには掛かり加減に中段に取り付いてはいたが、ちょっと前半に脚を使い過ぎたのと、この馬内枠は良くない嫌いも。極端に速くなった場合は別だが、この位のペースならスプリント戦でもやれる筈で、もう一度外枠で見てみたい。

サニングデール

今季は好調期間が長い。道中は中段。流れには乗れていた筈だが、追って案外。唯一の懸念材料がモロに的中したか。

アタゴタイショウ

馬は見栄えするが、今日は悪い時の歩様。同中は中段。4角既に手応え悪かったし、追ってからもサッパリ。この馬場で、この歩様では厳しい。

日本中央競馬会創立50周年記念 宝塚記念(GⅠ)

タップダンスシチー

馬振り上位。ただ、毎回述べている様に左右のバランスの悪さは有る。ゲート良く、2番手。3角手前で早々とローエングリンを交わし、そこからは独走。正直、もっとスローになると思ったのだが、ローエングリンがそれなりのぺースで飛ばしているところへ自力で捕まえに行ったのだから、力が違っていた。戦前は、勝てる展開の幅が狭いと思って軽視したのだが、それ以前の問題だった様だ。

シルクフェイマス

-12kg。2人曳き。細く映ったし、馬に差が有るのだが、気が乗っているのが大きい。前半から一貫してタップダンスシチーをマーク。タップダンスシチーが早目に動いて行った時もこの馬だけがマトモに追い掛ける形。まあ、結果的にタップダンスシチーの早仕掛けに後続が済し崩しに脚を使わされた感も有るのだが、勢い有る馬は少々強引でもこの策に限る。好騎乗。

リンカーン

2人曳き。まだ本調子では無いと見たが、落ち着いていたのは好材料。流石に今日は折り合い付いて、中段やや後方から。この辺りは武豊騎手の上手いところなのだが、こういう流れでも必ずワンテンポ仕掛けを遅らせ、一息入れてから追い出している。勿論、ゼンノロブロイに多少不利も有ったとはいえ、デキの差思うと今日はエスコートの差も大きいだろう。

ゼンノロブロイ

例に依って毛ヅヤ目立つが、やはり一線級へ入るとシャープ過ぎる嫌いも。もっと前で競馬したかった筈だが、スローの3200mの後で気合を付けられながら中段。この展開でマトモに前を追い掛ける形になってしまったし、本質はスローで器用さを生かす馬。勿論、器用だからどんな展開でもそれなりにはやれるのだが、とはいえ最近器用貧乏な面が露呈してしまっている感も。

ザッツザプレンティ

何時もの造り。張りも有った。レースは中段から雪崩込んだだけだが、乗り手固定して今日のタップダンスシチーの策を徹底して教えるべき。現状ではどうも中途半端。

ツルマルボーイ

悪くないが、ちょっと歩様に硬さが。ゲート誘導員に怒られて機嫌悪かったそうで、出遅れ。加えて、多少行きたがる素振りも有ったのだが、それ以前に右回りは直線向くまで動けないタイプの馬、今日は前と離され過ぎた。一応、メンバー中最速の上がりで詰めているし、今日は展開に尽きる。

ローエングリン

2人曳き。本当に良い時はもっと歩様がスムーズだし、馬がもっと張っていた。枠の利生かしてハナへ。単騎では行けたが、3角からタップダンスシチーに一気に来られてしまった。今日は仕方が無い。

プロキオンステークス(GⅢ)

ニホンピロサート

気配抜群! 全盛期のデキを完全に取り戻した。出ッパ自体はそうでも無かったが、ダッシュ利かせて好位。スタート直後に脚を使った割には道中スムーズで手応え良かったし、追い出してからも手応え通りの伸び。57kgも良かったし、実績馬が本調子ならこんなモノなのだろう。今日は完勝。

エイシンハンプトン

馬体の迫力は流石に一枚違うが、歩様にスムーズさが欲しい。ゲート良かったが、無理には行かず控えて中段。ただ、今日は置かれ掛けていた程、勝負どころからの反応が悪かった。頭の高い走法で、オープンで弱点が顕在化されて来たと言えそうだが、それでも最後何とか2着まで押し上げて来た地力は評価しておきたい。

インタータイヨウ

シープスキンノーズバンド。歩様に勢いが有った。好発。今日は珍しく積極策で、ニホンピロサートをマーク。右回りは例に依って手前を替えないのだが、今日は何時もよりモタれなかったし、目下のデキが本物なのだろう。良く走っている。

ニューベリー

これも気配目立ったクチ。好発。何が何でものギャラントアローを行かせて2番手。慣れないダートのギャラントアローとは対照的に余裕持って運べたし、坂下で交わす策も予定通りだろう。最後は決め手の差に泣いたとはいえ、今日は文句の付け様の無い競馬。

サカラート

2人曳き。馬体に張りが有ったし、デキ目立っていた。ゲートはそれ程でも無かったが、押して好位のイン。多少頭上げ加減とはいえ、砂を被っても結果に影響する程嫌がらず、セコく内々を立ち回れているのだが、この馬も最後は決め手の差。上位馬とは力量差クッキリ。

ツルマルファイター

歩様はこんなモノだが、以前のデキは無さそう。外に馬を置くと良くないのか、どうしても行きたがってしまう。加えて、今日は前の止まらない流れで、折り合い気にして位置取り悪くなっていた分、どうしても届かない。やはりもっとスムーズに流れに乗らないと。

ビワシンセイキ

サッパリの前走を思えば良くなっているが、本当に良い時はもっと良く見せる。2300m戦の後という事も有り、芝の部分で置かれて後方から。結局終始砂を被る展開になってしまって、外に出すシーンが一度も無かった。デキも無いのだが、ツキも無かった。

ギャラントアロー

多少緩い嫌いは有るが、馬の造りは流石に上位。行くだけ行ったが、坂下まで。芝の方が良い。