Sakura Archives

競馬回顧 2004年4回阪神・4回中山

日本中央競馬会創立50周年記念 スプリンターズステークス(GⅠ)

カルストンライトオ

前走時と変わらぬ歩様。それよりも皮膚の薄さや馬体の張りが目に付いた。外のシーイズトウショウも好発だったが、構わず今年はハナへ。大外ブン回しのデュランダルにも同じ事が言えるが、道悪でハナ切るメリットは、泥を被らないという点と馬場の良いところが選べるという点。特にイマドキの道悪は馬場が良く出来ているだけに、個々の巧拙よりも前述2点が強く出る傾向。今日はあくまで展開だが、次走は1000mの香港戦との事。これはこれでラチが頼れる様なら。

デュランダル

多少緩い造りだが、これは恐らく意図的で、昨秋以来この造りで落ち着きが出た。最近はゲートも上手くなっている筈だが、ソロッと出して最初から馬場の良い外へ。そして、今日は馬場を考慮して何時もより早目のスパート。そんな中でも最後まで諦めずに伸びていたし、この馬、確実に強くなっている。昨年から何回も強調している様に本質はあくまでマイル。次走は確勝。

ケープオブグッドホープ

遮眼革。一頭目立つ巨体だが、デキはそれ程でも。中山1200mでベストとも言える12番枠だが、終始馬を外に置く形で、4角でも内の馬と接触と、かなり窮屈な競馬。直線もスペース有ったとはいえ、この馬場で馬群を割って来たのだから、根性は凄い。どちらかといえば頭の高い走法で、恐らく良馬場の時計勝負なら圏外だったのだろうが、こういう馬場になると底力がモノを言う。

ウインラディウス

使い込むと気負う面が出てくるが、休み明けの分リラックス。何時も通りゲートをフワッと出して折り合いに専念。1400m以上だと前に壁が無いと厳しいのだが、1200mなら壁が無くても大丈夫。ただ、折り合いに専念する余り、デュランダルにマクリ切られ、そこから外へ立て直さねばならなかったのは勿体無かった。これが無ければ3着は有った筈。

シルキーラグーン

2人曳き。テンション高かったが、デキは良さそう。外からジワッと好位へ。やはりここまで馬場が悪くなると余程パワー差無い限り外が有利だが、とはいえ似た様なコース取りのキーンランドスワンに競り勝ったのは立派。まあ、相手は坂が不得意とはいえ、中山は堅実。

キーンランドスワン

-4kg。デキは有る筈だが、まだ重い。これも外で流れに乗る競馬。ただ、シルキーラグーンの項で述べた様に、オープン特別を何とか勝つ程度の馬にやられたのだから、本当に坂が苦手。坂路で攻め駆けする事で有名な馬だが、実戦に行くとダメ。

シーイズトウショウ

一人で曳けているし、懸念された輸送はクリア。ゲートも良く、スッと好位へ。道中も上手く運べているのだが、追って案外。イマドキの道悪は...と述べたが、この馬は例外か。

サニングデール

色々苦労の多かった馬だが、春秋連覇へ向けてデビュー以来最高のデキ。雨でも毛ヅヤの良さや馬体の張りがが目立っていた。ゲート悪くなかったが控えて後方。4角ではデュランダルと似た様な位置にいたが、直線内へ突っ込んで前が開かず。まあ、道悪にしてはバラけずアンラッキーだったという見方も有るのだが、バラけていたら前との差が有り過ぎて届かなかった筈。基本的に中山1200mは逃げるか外を通るかのどちらかしか無く、それが道悪で余計に強調されていたのだが、そういえば福永騎手、以前このレースでビハインドザマスクに乗って同じ過ちを。ダイワエルシエーロのオークスは褒めた福永騎手だったが、中山1200mに限っては進歩が見られなかった。

ゴールデンキャスト

前走時に歩様が落ちたと述べたが、その状態を何とか維持。何時も通りゲート良く好位も、直線向く前に既にアラアラ。能力も有るのだが、こういう馬場で中途半端な策は向かない。

シリウスステークス(GⅢ)

アグネスウイング

テンション高いのは何時も通り。攻め強化出来ない分多少緩い感じは有るが、馬振りはここでものイメージ。好発。一旦はハナへというイメージも有った様だが、内の馬を見て控えたら、外のエコルプレイスに被されてしまった。ダートは1200mでしか走っていない馬で、今日は初めて経験する展開だったが、折り合いスムーズで追ってからもしっかり伸びた。相手が休み明けで斤量差3kg、色々有利な条件は揃っていたとはいえ、この路線のチャンピオン級エコルプレイスを負かしたのだから立派。昨年はマイネルセレクトが勝ちその後JBCスプリントであと一歩までサウスヴィグラスを追い詰めたが、今年はそのマイネルセレクトのデキが平凡。今の勢いなら逆転出来ると見たい。

エコルプレイス

2人曳き。松田国英厩舎らしい馬の造りになって来たが、今日は一枚重いか。外からジワッとハナヘ。恐らくは戦前の指示だったと思うが、ダッシュ力はそれ程でも無いだけに、無理な時は素直に引いた方が良い。最後まで頑張ってはいるのだが、一枚重かった分も響いて最後捕まってしまった。1400mも悪くは無いとはいえ、内の馬にあれだけ行かれた事を思うとベストはマイルか。

ツルマルファイター

+14kg。この馬にしては歩様スムーズだし、数字程は重くない。ペースも然程では無かったが、前に壁がない分行きたがってしまった。ただ、この大外枠はデメリットばかりでは無く、砂を被らないで済むというメリットも。一旦出られたサイレンスボーイを寸前で差し返したのは気分良く走って馬が競馬を諦めていなかったからだろう。一応自身の力は出している。

インタータイヨウ

シープスキンノーズバンド。今日は何故か姿勢が高かった。1700mはともかく、1400mは割と差し馬だが、内枠を嫌って前へ...も、他馬が速いのか結局は中段。まあ、例に依って直線手前を替えない分がもどかしいのだが、それでもジワジワとは詰めて来た。これも力は出し切っている。

サイレンスボーイ

2人曳き。デキ良さそうだが、一枚重い。これもダッシュがそれ程でも無いタイプで、内から押して好位へ。一応スムーズには運べたが、追って伸び切れなかったのは一枚重かった分だろう。叩けば変わる筈。

農林水産省賞典 札幌2歳ステークス(GⅢ)

ストーミーカフェ

評判馬だけ有って良く見せる。スピードに任せてハナへ。前半は真面目に走り過ぎていたが、向正面からはスムーズでこの分の矯めが今日の勝因。ハナさえ切れれば何とかなる様だし、2000mまではこなせると見て良いだろう。

ダンツキッチョウ

2人曳き。これも馬の造りは流石。丁度ハイアーゲームの様な完歩の狭い歩様。ダッシュ付かず後方も、1角で内の馬と接触し、一瞬ヒルむシーン。ただ、それでも最後まで渋太く伸びていたのだから根性は有る。この歩様だけに、あまり距離が延びても良くないだろうが、本格化すれば切れる脚が使える様になる筈。

セイウンビバーチェ

毛ヅヤは良いが、歩様が硬目。多少行きたがっていた程行き振り良く、好位のイン。内も開いていたし、スムーズに運べていたが、ここまで。ダンツキッチョウとは力量差認めねばならないだろうが、歩様が歩様だけにもう少し短い距離の方が良さそう。

ジェダイト

多少物見をしていたし、細く映る。ストーミーカフェとモエレフェニックスを行かせて3番手。折り合い付いていたが、ラスト100mで脱落。1200mからの転戦だっただけに、有る程度は仕方が無いか。

コスモスパーブ

結構使っているが、歩様が落ちて来ない。外から被されて行けなかったのだろうが、後方に近い位置取り。向正面で内に入れ、そこからはインを突いて来たが、ジワジワとしか伸びず前とは離された5着。多少ズブいところが有る様。

コマノハイ

2人曳き。良い気合をしていたし、デキも良さそう。ゲートの作法が悪く、また出遅れ。それでも新馬時の様なスローなら誤魔化しは利くのだが、今日は2歳戦にしては珍しくストーミーカフェが引っ張る流れで、流れに乗り切れなかった印象。直線も手前を替えずに内へモタれ、今日は参考外。

マイネルアドホック

500kg有る馬だが、まだヒョロヒョロ。道中はダンツキッチョウと前後する位置だったが、勝負どころからの行き振りがダンツキッチョウと歴然。ここまで差が有ると能力差と言わざるを得ない。暫く見送り。

グランプリペガサス

+4kg。今日は何故かトモに力が無い。同じサンデーサイレンス産駒だが、こちらはトビの大きいタイプ。1角でダンツキッチョウと接触したが、このタイプはそれが余計に響くし、トモが甘いだけに尚の事。外枠と良馬場条件に、もう一回だけ猶予を与えてみたい。

モエレフェニックス

シープスキンノーズバンド。-12kg。数字程は細くないが,,,。ストーミーカフェにハナを叩かれ2番手から。しかし、前半多少行きたがっていたとはいえ、4角で既にアラアラ。やはり距離が長い様。

神戸新聞杯(GⅡ)

キングカメハメハ

2人曳き。+8kg。勿論馬は断然。気合も周回重ねる毎に乗って来た。スタート直後から行く気無く後方から。ただ、3〜4角中間から自分で動いて行けただけに、これはこれでという内容。この馬、本気で走った時はフォームが変わるのだが、今日はまだ本気で走っていないだろう。逆に言えば本気で走らず上がり3F33.7秒なのだから、如何にこの馬の能力が凄まじいか。今更ながら他馬との差が有り過ぎる。

ケイアイガード

歩様は以前からこんなモノ。ただ、今日は銭形クッキリでデキが素晴らしかった。好位のインでスムーズな立ち回り。前走もそうだったが、バラけていても折り合いスムーズなのがこの馬の強みで、フォームも前走よりは良くなっていた。勿論3000mは長いのだが、2400mまでは何とかなりそう。

ハーツクライ

2人曳き。出来ていたが、成長が無い。元々がこういう馬だが、キングカメハメハを負かすべく徹底マーク。ただ、前走時に述べた様にコーナーで脚を外へ投げ出すフォームで、直線向くまで動けないタイプ。東京ならばともかく、この上がりで直線だけの競馬では届く筈が無かった。京都3000mは3角から動かないと勝てないだけに、ちょっと苦しいか。

グレイトジャーニー

毛ヅヤは目立っていたが、トモの甘い歩様は相変わらず。恐らく戦前から決めていただろうが、思い切った逃げ。単騎で行けたし、本質的に距離が長いだけにスロー過ぎる逃げも悪くなかったが、最後は能力差。血統馬で人気になりがちだが、所詮こんなモノ。

ラバグルート

2人曳き。もっと増えても良いと思うが、増加分もまだ消化し切れていないだけに、まずはそこから。好位の外。4角までは良い感じだったが、坂で手前を替えてしまい伸び切れない。理想は平坦だろうが、自己条件なら。

産経賞 オールカマー(GⅡ)

トーセンダンディ

前走も褒めたが、今日もデキ良さそう。誰も行く気が無かったのも有るが、前走前を追っ掛け気味になっていただけに、思い切って先行策。トリッキーな中山2200m、こうなると唯でさえ有利なのだが、何より逃げると気持ちが続く。勿論、展開利を否定しないが、距離を克服出来たのは大きい。

スーパージーン

馬体張っていたし、前走のデキを維持。スローなのに変に折り合う馬が多かったが、この馬だけ前半掛かり気味。ただ、こういう流れになってしまうと、この位の行き振りの方がむしろ良いのだろう。直線は手前を替えずその分が詰め切れなかったが、こういう流れを最後追い込んで来るには勢いとデキが要る。

ウインジェネラーレ

シープスキンノーズバンド。-22kgは全く気にならない。ゲートもそれ程では無かったし、トーセンダンディが主張して好位から。このレース、勝ち馬と2着馬以外は、全能力出し切ってない印象で、恐らくは何処かで済し崩しに脚を使わされている筈。58kgも有るのだろうが、逃げないとダメか。

ハイアーゲーム

左側だけ遮眼革。ダービー時より酷いとはいえ、歩様の怪しいのは以前から。ただ、今日は姿勢が高かった。道中は中段。休み明けとはいえ、ハイペースのダービーの後、それを思えば妙に折り合い付き過ぎていたし、勝負どころからの手応えも悪かった。まあ、今日だけを言えばこういう結果だし、何かの間違いで片付けても良いのだが、ゲートでフワッとしていたし、何よりあの歩様と姿勢の高さ。デビュー当時の悪い状況に逆戻りしているだけに、唯でさえ距離が長い菊花賞が更に苦しくなった印象。

トウカイオーザ

欲言えばシャキッと歩いて欲しいが、馬の張りは悪くない。勿論、枠も有るが、終始内々に拘る競馬。まあ、ズブさは相変わらずだが、そういうタイプは終い止まらない。今週からBコース使用で、そのトラックバイアスも利いている。

トレジャー

歩様の怪しいところの有る馬だが、今日はスムーズ。デキも良さそう。道中は最後方待機から4角外へ。この流れだけに、今日はどうしようも無いが、最後まで諦めずに走っていた点は好感。デキも有るだけに、次走東京で変わる。

ダイワメジャー

-

2人曳き。パシュファイヤー。シープスキンノーズバンド。歩様の硬さもそうだたが、それ以前に馬が気負っていた。道中は2番手も4角で既にアラアラ。こういう歩様だけにこういうトリッキーな流れはどうしようも無く、今日は参考外。

関西テレビ放送賞 ロースステークス(GⅡ)

レクレドール

-14kg。馬体減は気にならないどころかむしろトモの張り目立つ位なのだが、デビュー時から歩様に力強さが無い。例に依って出遅れ後方から。前半はスローだったが、逃げたのが武豊騎手。こうなると各馬早目早目のスパートを余儀無くされ、これを前走同様一番外へブン回して差し切る形。ゲート難はそのままだけに、本質に変化無しと見て今日は展開一本と判断したが...。

グローリアスデイズ

+14kg。落ち着いていたというより覇気が無かった。馬体に張りは有ったが...。道中は中段のインで脚を矯める策。4角で馬群捌いて丁度隣に居たスイープトウショウと直線ビッシリ併せ馬の形になったが、坂を上がって競り落とした。一瞬出られ掛けただけに、最後差し返したのは立派。悪くない内容。

スイープトウショウ

春は使う毎に良くなっていっただけに、それを思うと物足りないが、休み明けとしては悪くない程度。何時も通り後方も、珍しく行きたがっていた気も。前述した通り、道中スローで逃げているのが逃げているのが武豊騎手、4角からマクリ加減に動いて行ったが、元々が一瞬の切れを生かすタイプで、流石に早過ぎた印象。今日は仕方が無いだろうが、京都2000mの方がこういう流れになりがち。

ヒカルドウキセイ

1人で曳いていたが、テンション高く、細い。これも出遅れて後方から。如何にもトライアルらしい乗り方で策自体悪くなかったし、今日はこれがハマッているが、前に3頭。能力といえばそれまでだが、ツキが無かった。

アズマサンダース

2人曳き。+16kg。多少重目だが、重目分は精々一桁。好位のイン。多少捌くのに下手を打った嫌いは有るが、前に居た組では最先着。負ける時は割とアッサリしたタイプで、それ故人気にならないタイプだが、今日は良く頑張っていた。

マルカフローリアン

何時ものパシュファイアー。+10kgだが、まだ細く映る。中段の内目。前も開いていたし、展開も絶好だった筈だが、舌がハミを越して伸び切れない。今日はかなり不満の残る内容。

ダイワエルシエーロ

2人曳き。+12kg。松田国英厩舎らしい馬の造りになってきたが、歩様がサッパリ。道中は2番手。追ってサッパリだったが、道中かなり気負っていたし、今日は前崩れの流れ。叩けば変わる筈。

ラジオ日本賞 セントライト記念(GⅡ)

コスモバルク

2人曳き。-12kg。テンション高いのは前走と一緒だが、迫力だけなら前走の方が良かった気も。スマートストリームの逃げを抑え切れずにハナへ。平均的に速いラップを刻み、終わってみればJRAレコード。以前から述べている様に時計は遅ければ遅い程良いというのが正しい勝ち方だが、今日は乗り役自ら時計勝負に持ち込んでの競馬。この策一本で突き進んでいくというならそれも有りなのだろう。キングカメハメハさえ居ないのなら、菊花賞でも。

ホオキパウェーブ

春とは気配一変! 今季はデキも素晴らしいのだが、馬に中身が入った印象。道中は中段。この平均的に速い流れを自力で動いて同タイムクビ差。こういう流れは得てして前で決まるケースが多いが、この馬だけが中段に居た組で、馬体の充実が示す通り上昇度はピカイチだろう。今年は距離に不安の有る馬が多いだけに、案外これが本命候補かも。

トゥルーリーズン

シープスキンノーズバンド。多少硬いところが有るのは以前からだし、馬振りの良さも以前から。外からジワッと好位へ。上手く流れに乗れたし、今日はかなり強い内容。ロベリア賞時は眉唾なイメージも有ったのだが、時計の速い馬場ならそれなりにやれる様。

モエレエルコンドル

シープスキンノーズバンド。多少テンション高かったし、ここまで来ると流石に太いか。好位のインで、上手く立ち回っていたが、最後は決め手の差。500万勝っていきなりだったが、1000万でも勝ち負けの力有りそう。

エスユーグランド

2人曳き。多少硬さは残っているが、以前より遥かにマシになったし、成長分も有りそう。道中は好位のイン。4角ちょっと行き場を無くし掛けていたが、バラけてからはもう一伸び。今日は4角での位置取りの差だけで、オープン2着の力は本物と見たい。

セントウルステークス(GⅢ)

ゴールデンキャスト

デキは高いレベルで平行線。ただ、歩様が落ちて来た。復帰後、出ッパが一変し、今日も2番手から。デュランダルを唯一の例外として、近年前が止まらないスプリント重賞、この位置で折り合い付くのはかなりの強みで、直線アッサリ抜け出した。ここに来て歩様が落ち加減だし、前々走の内容から能力そのものに疑問符付くだけに、次走は良いお客さんだろうが、ここまで立て直した陣営の手腕は見事。

キーンランドスワン

+8kg。多少重いのだろうが、デキは有った。道中はゴールデンキャストを眺めながら手応え良く。ただ、この手応えの割に坂でもがいてゴールデンキャストに突き放されてしまった。ゴールデンキャストとの能力差はそれ相応に有る筈だけに、如何にこの馬が坂に弱いか。

サニングデール

秋になるとデキが落ちるケースの多い馬だが、今季は比較的マシな印象。斤量意識したか、押さえて後方からの競馬だったが、このスローの中、ここまで押し上げて来たのだから悪くない内容。今季はデキもそれなりに有り、57kgの次走は額面通りの評価を。

フォルクローレ

+12kg。目下充実一途。外からジワッと前のキーンランドスワンを目標に乗られていたが、坂でキーンランドスワンと脚色一緒に。キーンランドスワンが坂が苦手とは述べたが、あくまで次元の違う話で、この馬としては悪くない内容。実績通り坂も大丈夫。

チリエージェ

デキは文句無し。ただ、馬自体に差は有るのと、鳥足気味。内枠活かしてハナへ。ただ、今日はゴールデンキャストの競馬が優等生過ぎた。あれだけ早目に来られては苦しく、これでも良く頑張っている方だろう。

ドリームカムカム

シープスキンノーズバンド。栗東に滞在して当日輸送になった分テンション高かった。このペースで行きたがっていたし、今日は問題外。

京成杯オータムハンデキャップ(GⅢ)

マイネルモルゲン

馬体充実。今日は歩様もデビュー以来一番スムーズ。後藤浩輝騎手、中山マイルの外枠で行く気は無かったのだろうが、馬がその気でハナへ。ただ、ハナへ行き切ってからはスムーズで、実はスロー。後続が見た目に騙され、4角誰も鈴を付けに行かなかった事も有りまんまと逃げ切った。まあ、今日は能力云々を語れる勝利では無いのだが、このスローを鋭さ負けしなかったのは収穫。

シャイニンルビー

時々妙に非力に見せる時が有るが、今日はそんなところも無く、馬体もパンパン。道中は好位のイン。中山マイルの定跡通り終始内々に拘り、直線インから一瞬の脚。今週は、ヤマニンアラバスタがこの競馬で降着になる等、内側ゴチャつくシーンが多々見られ、それだけ内が有利だったという事。この馬も能力云々は評価し辛い。

マイネルソロモン

シープスキンノーズバンド。新潟戦の方が歩様がスムーズだった。内のマイネルゼスト同様、中段で馬を宥めるのに必死になっていたが、上手く前に壁を造ってからはスムーズ。ただ、乗り役と喧嘩している間に、行き場が無くなってしまい、前が開くのが遅過ぎた。元々一瞬の決め手という点で弱点を抱えているタイプだけに、今日は厳しかったか。

ミスキャスト

気配地味。以前はもっと煩かった。道中は後方。矯めるだけ矯めて直線だけブッ放す形だが、今日は切れるタイプが少ない上に、得意のスローだっただけに、勝ち切らないと評価出来ない。元々人気の有る馬で次走人気になるだろうが、絶対に買ってはいけない馬。

オーゴンサンデー

多少中身が無い嫌いも。歩様も甘い。離れた最後方で折り合いに専念。ミスキャストでここまで来ているだけにこの策は正解だったのだろうが、ちょっと直線捌き損ねたか。力量的にはミスキャストと大差無さそう。

メジャーカフェ

多少テンション高い。もうちょっと歩様に力強さが出て来れば完璧。好位の外も、スローで行きたがってしまったし、4角も押さえ切れずに行ってしまった。話題の長万部特別の勝ち馬だが、マイルとなると勝手が違うか。

朝日チャレンジカップ(GⅢ)

スズカマンボ

2人曳き。休み明けのマイナス体重だが、休む前が太かっただけにこれはこれで良い。今日はほぼ完璧な仕上がりで、何よりデキが有るのが良い。道中は中段。割と下見煩いタイプだが、今日も折り合いスムーズ。メジロマントルが楽に逃げていて、これに逃げ切られる可能性が高いのは武豊騎手重々承知だっただろう、武豊騎手曰く「一頭になるとソラを遣う」との事でも早目に進出して、前に居たヴィータローザとハナ差。その意味で、武豊騎手の策がハマッたのは否めないだろうが、ハーツクライにやられっ放しだっただけに、何は無くとも勝ち切れたのは収穫。

ヴィータローザ

今日は何時もより酷いとはいえ、この歩様は最初から。ただ、今日は訴えて来る程のデキが有った。見た目含めてこの一族の変わり者だけ有って、今日も好位から。ついでに58kg背負って早目の仕掛けも予定通りだろうが、ここからの粘りは期待以上だったのでは? 阪神走るとはいえ、デビュー以来一番の好内容。能力そのものがアップしている印象。

メジロマントル

多少歩様が落ちて来たが、馬体の張りは相変わらず素晴らしい。戦前からバレバレの単騎で、その通りになったが、流石に1000m通過62.6秒はスロー過ぎた。やられた2頭が切れるサンデーサイレンス産駒なのは偶然ではないだろう。今日は乗り役が責めを負うべき。

カナハラドラゴン

2人曳き。良い時はもっと良く見せていた気が。中身が無いのか。中段のインで折り合いに専念。4角多少強引では有ったが、この速い上がりの中、外へ出して良く差を詰めて来た。関東の準オープン上がりで能力そのものを不安視していたが、ソコソコ通用すると見て良い。

ブラックコンドル

2人曳き。綺麗過ぎる嫌いは有るのだが、キッチリ造ってきた。行き振り良く2番手から。道中スムーズだったし、追い出してからも集中力有る走り。まあ、最後は瞬発力の差という事になるのだろうが、以前は追い出すとフラフラだったし、ヨレるケースも結構有った馬。それだけに今日は収穫大きい。

オペラシチー

+10kg。デキは有りそうだが、戦前伝えられた通り一枚重い。道中は中段の内目も、4角既に手応えが怪かった。今日は太い以外デキは有っただけに、ちょっと負け過ぎの嫌いも。次走試金石。

エイシンチャンプ

歩様もそうだが、それ以前に馬に張りが無い。メジロマントルに行かせ、それを見ながらの競馬だったが、並ぶシーンすら造れなかった。暫く掛かりそう。

ノーリーズン

見栄えしないのは昔から。久々な割には良く出来ていた。道中最後方。元々がスパッと切れるタイプでは無いだけに、このスローではお手上げなのだが、レース後故障発症との事。