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競馬回顧 2006年1回阪神・2回中山

阪神大賞典(GⅡ)

ディープインパクト

2人曳き。毛ヅヤが良くて、雰囲気は前走の中山戦以上だが、その前走が最悪に近い状態。贔屓目に見ても80%。ただこの馬、駆動力を無駄無く使うタイプなのと、心肺機能で勝負している部分が有って、個々のパーツだけでは判断出来ない面も。近走、ゲートで進境も、例に依って後方。多少行きたがっていたが、昨秋の京都戦よりは遥かにマシ。2周目3角から何時もの行き脚で進出し、直線は独走。武豊騎手は、ターフビジョンを数回確認し、股の間から後ろを振り返り、そして坂を上がって手綱を緩める余裕が有った程。現状維持が一杯のこの馬だが、それでもこれだけのアドバンテージ。道悪をこなしたのも立派だが、コーナーを逆手前で走る癖が有るだけに、3〜4角が直線になる阪神こそがベストコース。

トウカイトリック

2人曳き。例に依って毛ヅヤは良いが、見栄えはしない。前走の東京戦で不利を食らったのを嫌ってハナへ。1000m通過が60.9秒、2000m通過が125.2秒。前走で長距離適性を見抜いた芹沢騎手が道中も積極的に飛ばし、ディープインパクト以外の馬は潰したが、ディープインパクトとは行き脚が違い過ぎた。ただ、それでも楽々2着は確保。京都の方がこの競馬向きの舞台で、次走も面白い存在。

デルタブルース

-8kg。まだ腹回りがボテッと見せる。確実にデキは良い筈だし、攻め強化して、気配も良いが。押して好位へ。この距離なら少々ペースが速くても、この位置で楽に追走出来ていたが、2周目3角からは付いて行くのがやっと。それでも3着確保する辺りが底力なのだろうが、何度も述べている様にもっと絞れて来ないと機動力が出ない。

ハイフレンドトライ

-12kg。前走の東京戦でも述べたが、昨年程の迫力が無い。道中は後方からジックリと。ジワジワ番手を上げるディープインパクトも相手にせず、自分の競馬に徹して入着。長距離適性は言わずもがなだが、4着以下は乗り方一つだろう。

ファストタテヤマ

ちょっと歩様が落ちて来た。馬の造りは悪くないが、下降線。最近、ゲートも出る様になっているし、出脚も付いて来た事も有って、積極的に乗られて中段。ディープインパクトが動いた以上、直ぐ前に居たこちらも動かざるを得ず、一番キツい競馬を強いられた形。例年通りの待機策なら3着有った可能性は低くなかっただけに、些か勿体無い競馬。

アイポッパー

前駆が勝ち過ぎているというべきか、トモが寂しい様にも映る。調整途上。これも後方。ディープインパクトとの行き脚の差は仕方が無いにしても、掲示板も無かったのは情けない。ディープインパクトを別にすれば、上位入線馬は皆年明けて1走以上している分も有るのだが、果たして今日のデキで1ヶ月後間に合うのかどうか、やや疑問が残る。

インティライミ

2人曳き。-6kg。前走の京都戦よりは馬が締まって来た。決して悪くない。スッと2番手。折り合いは付いていた筈だが、4角からは下がる一方。敗因不明といえばそうだが、意外に成長が無いのかも。

フジテレビ賞スプリングステークス(GⅡ)

メイショウサムソン

前走京都戦同様、腹回り重たいが、今日は落ち着いていた。大外枠だが、出脚良く、スッと好位へ。折り合い面は元々がスムーズ。4角で膨れたのは頂けないが、直線は一旦ドリームパスポートに出られ掛かっているところを凌ぎ切った。出脚の良さと並んでの渋太さが身上で、今日はそれを生かせるコース形態だったという事だろう。当然、本番でも同様の競馬を期待出来るだけに、チャンス充分。

フサイチリシャール

2人曳き。-2kg。重いといえば重いが、張りが有っただけでも。歩様もスムーズで、毛ヅヤも悪くない。坂路での攻め馬の段階から前に馬を置いていて、今日は予定通りの控える策。前半は多少行きたがっていたが、これは乗り役にとっても想定の範囲内。ただ、今日はメイショウサムソンが4角で膨れて、4角どっち付かずになったのが痛い。追ってそれ程切れる馬では無いのと、メイショウサムソンが追って渋太いのも相俟って差し切れなかった。クロフネ産駒の割に出脚が無茶苦茶な程良く、折角の出脚を無駄にしてしまう待機策は愚の骨頂。本番は先行策に出るとは思うのだが、それが他陣営にもバレバレになってしまったのが痛い。ステキシンスケクンの存在も厄介。

ドリームパスポート

+4kg。気持ち余裕が有る様に見えるが、気が良過ぎて、これ以上馬を追い込めないのだろう。出負け気味。出脚も甘く、後方から。前走京都戦同様に、ガラ開きのインを差し込んで、一旦抜け掛かっているのだが、メイショウサムソンの渋太さに屈する形。前走は手応えが良過ぎた様にも見えた程だったが、今日はそこ迄では無かっただけに、下が悪いのが応えた印象。従って内容そのものは悪くないが、出脚が無いだけに、毎回多頭数をどう捌くかが課題となる。

タマモサポート

馬は上位と差が有るが、気配が良い。ゲート悪かったが、出脚が良く中段のインへ。4角では矯める余裕も有った程だが、坂下で勢い付けて来たドリームパスポートにスッと抜かれ、一瞬行き場を無くしたのが痛い。まあ、それが無くても着順は変わらなかった筈だが、この上位3頭は意外に強いだろう。それと差の無い競馬が出来ただけでも。

ニシノアンサー

デキ自体は悪くなさそうだが、歩様が硬い。前走、控えて失敗しているだけに、今日はハナへ。ただ、出脚ではフサイチリシャールに分が有りそうだったが。道中、比較的楽だった分も有るのだが、使えている脚は何時も一緒。今日は馬場が悪くて全体の上がりが掛かった分、入着。下が渋った時に怖さが有るが、それ以外は用無し。

トーホウアラン

2人曳き。-12kg。テンション高いのは何時もの事。馬振りが良いので、それ程目立たないが、多少細い。ゲート入り梃子摺る。今日もゲート悪かったが、掛かり気味に中段へ。その割に道中手応えの悪いシーンも有ったが、勝負どころでも4角ナイトレセプションのマクりに動かされと、2戦しかキャリアの無い馬にはキツい展開になってしまった。相手関係云々は判断しようが無い面も有るが、少なくとも中山向きでは無い。

ダイアモンドヘッド

2人曳き。前走は重かったが、今日は+2kgでもそこ迄では無かった印象。毛ヅヤが良く、張りが有って、デキ自体も良さそう。前走程イン有利では無かったにしても、終始好位のインで立ち回り、展開絶好だったが、追って案外。上位とは力量差有る。

ナイトレセプション

シープスキンノーズバンド。パシファイヤーをスタート直前に外す。デキ自体は前走から良かった。小さく纏まり過ぎているのは確かだが、歩様が良くなった。出脚が無かったのと、外からドッと来られて、中段やや後方。3〜4角中間から、外を果敢にマクッて行ったが、流石に最後は脚が上がってしまった。好位で流れに乗れれば、持続力を活かせる筈だが、出脚が無くなっているのが課題。

フラワーカップ(GⅢ)

キストゥヘヴン

2人曳き。-6kg。そこ迄細いとは思わないし、何より歩様が伸びていた。外の馬が行く気配を見せていて、出すだけ出して様子見ながら中段のインへ潜り込む形。前半折り合いを欠き、何とか宥めた後も、馬が一生懸命過ぎた様に見えたが、インへ潜り込んだ利は相当有っただろう。前がやり合って自滅する中、1頭インから際立つ伸びで差し切った。東京芝1400mと並んで、速くなり様が無いコース形態の中山1800mだが、この中山開催に3鞍有る芝1800mの重賞は、意外に前が速くなる事も多く、今日はこれを読み切った横山典弘騎手の好騎乗。2年連続桜花賞そしてアメリカンオークス連対馬を出しているこのレースに於いて、この馬はそれ程では無い印象も有るが、今年は他のトライアルも低調。輸送さえクリア出来れば一概には。

フサイチパンドラ

今日は2歳時同様の歩様。皮膚を薄く見せてデキ自体は良さそうだが。好発。1角ではビューティーパールに行かせたが、口を割って行きたがり、マトモに追い掛ける形。それでも直線ビューティーパールを突き放し、一旦はセーフティリードかに思えたが、坂を上がって最後にキストゥヘヴン。発揮したパフォーマンス自体はキストゥヘヴンの比では無い程素晴らしいが、気性面、勝てるところを落としていたツキの無さ、そして歩様が課題。歩様は本番の下見次第という事にはなるが、少々良化していたとしても、今日の競馬で人気になるなら嫌ってみる手も。

ブルーメンブラット

-14kg。テンション上がっていないのが、唯一の救いだが、細い。ゲートは出ているが、出脚が無く中段やや後方。道中流れに乗れていない様にも見えたが、それでも4角外から積極的に動いてここ迄。内容自体は悪くないが、権利取れなかっただけに。

ハネダテンシ

歩様に力強さが欲しいが、デキ自体は悪くない。スタート直後に行き場が無くなり、道中は後方。良いリズムで走れていた。4角外へ回し、良く伸びているが、縦長の展開で前と離され過ぎた。スタート直後のロスが全て。

アイスドール

2人曳き。チャカつくのは前走の東京戦同様。とにかく細い。珍しく好発も、中段でキストゥヘヴンの直後。終始最内立ち回って、キストゥヘヴンが直後に居るのだから、絶好の展開だった筈だが、追って案外。ここ数走、不利を食らう競馬が続いて、無理使いをさせてしまったのが、ここに来て応えている。

オリオンオンサイト

2人曳き。-12kg。これも細いのと、気負い過ぎ。やり合う2頭に行かせて3番手。道中スムーズだった筈だが、追って案外。デキに疑問。

報知杯フィリーズレビュー(GⅡ)

ダイワパッション

多少物見していた以外は落ち着いていた。多少硬さが有るのは前走の中山戦同様で、造り自体も悪くない。折り合い面懸念していたが、好発過ぎて、控えようと内のエイシンアモーレ、センパツトモ、ミッキーコマンドの3頭を行かせた際に一瞬行きたがった以外はスムーズ。今日はここで堪えが利いたのが大きく、前述3頭がやり合って結果的に絶好の展開。折り合い面での進境は評価するが、下見で論外だった馬も半数以上居て、相手関係からはどうか。

ユメノオーラ

-8kg。連闘。それ程細くは無いが、相変わらず歩様が頼りないのと、イレ込み気味。道中は中段。ただ、馬場を苦にしたのか、行き振りが悪く、ノメるシーンも。ただ、直線で馬場の中程に出されると渋太く伸びて来た。この競馬ならマイルでむしろ良さそうだが、連闘で馬体減。歩様が頼りない分、一戦毎の消耗も激しい筈で、これは次走狙い辛い。

エイシンアモーレ

チャカついているだけで、フックラ見せて、デキそのものは最上位。歩様にも柔らか味が有る。ゲートは互角程度だが、出脚良く内から先行。ペースそのものは速くなかったが、ずっとセンパツトモとミッキーコマンドに絡まれた。ただ、それでも坂下で前述2頭を振り切って最後も止まっていない。本番は前日に中山で圧勝したアサヒライジングという確固たる逃げ馬が居るだけに、競馬し易いのも好都合。イレ込む気性は大舞台になればなる程不利だが、ちょっと面白い存在に。

アルーリングボイス

2人曳き。+6kg。デキ一変。馬体充実して、気配そのものも上々。マチカネタマカズラ程では無いが出負け気味。出脚が良く中段へ。直線外から一瞬来たかに見えたが、坂の途中で手前が替わってしまい、内にモタれ気味。今週の坂路がサッパリだった割に、この下見。阪神で勝った時も先行押し切りで、どちらかといえば平坦向きなのだろう。過不足無い競馬で前と差が有っただけに、次走このままの競馬では狙えない。

ヤマニンエマイユ

-14kg。大幅馬体減も、造り自体はまずまず。歩様も、多少硬さは有るにせよ、頼りないよりは遥かに良い。アオる様に出たのも有るが、後方で行き振りが悪い。4角も反応の悪さに泣いて変なところに入ってしまったのだが、その割には追ってからが渋太い。もっと距離が延びた方が良さそう。

サンヴィクトワール

2人曳き。-8kg。煩いのは然程気にならないが、如何せん細い。毛ヅヤが冴えて、折角のデキだったが、台無し。マチカネタマカズラ程では無いが、ゲート自体は良かったが、出脚が無く後方から。行き振りが悪いのは距離の影響も有るだろうが、4角で既にアラアラの手応え。細い分、渋い馬場が余計に応えた印象。

マチカネタマカズラ

もうちょっと気配を表に出して欲しいが、馬振り自体は目立つ。大きく出遅れて後方から。従って、敗戦自体は仕方が無いが、4角で既にステッキが飛ぶ有様。先行出来れば話は違うとは思うのだが、意外なやられ方。

ローレル競馬場賞中山牝馬ステークス(GⅢ)

ヤマニンシュクル

2人曳き。チャカついていたが、これでも堪えが利いていた方。馬体も、増減無いが、太く見せなかった。色気を持って乗られた馬が多く、外枠でも積極的に前へ行った馬が多く、それらに全部行かせて中段でポツンと。今日はこの段階で勝ちが決まっていた。イン有利の中山を4角外へ回したが、今日は前崩れ。力が抜けているのは戦前に述べた通りで、復活というよりは今迄出し切れなかった能力を漸くにして発揮出来た印象。

ディアデラノビア

+6kg。緩い様にも見えるが、減るよりは良いだろう。気性面は何時もこの程度で、毛ヅヤも良化。ただ、歩様面には満点やれない。好発。内枠を嫌って、1角迄出して行ったが、結果的に馬がその気になっただけ。まだ内を突いていれば話は違っていたが、一旦下げて4角外を回す最悪の騎乗。前崩れだったにせよ、今日は良く2着に来たと迄思える程。逆に言えばそれだけデキが良くなっている。次走注目。

ヤマニンアラバスタ

2人曳き。関東圏はイレ込みに不安が無いのが良い。トモの送りにスムーズさが欲しいが、これは欲の部分。休み明けにしては上々の仕上がり。出負けして後方から。ソコソコ流れたにせよ、折り合い付いて、直線インを突く形。左回りと違って、右回りは内にモタれ気味になるのだが、抜けて来る脚は悪くなかった。上位2頭は使っていた強みも有り、休み明けで実績の無い右回りなら今日は良く走っている方。

コスモマーベラス

+5kg。大井の前走が減っていただけに、戻してフックラ。ただ、歩様が硬い。出脚は有りそうだったが、無理せず中段。折り合えた。道中は極端に外を回された訳では無かったが、早目マクりの策に出て4角大外。流石に最後は甘くなったが、上位3頭は皆GⅠでも馬券に絡んだ経験が有って、しかも重賞勝ち馬。これも良く頑張っている方だろう。

ライラプス

2人曳き。見栄えはこの厩舎なので...という事になるが、毛ヅヤと歩様が良くなって来た。積極的に押して好位。ただ、1角で外からメイショウオスカルが引っ掛かり、連られて行きたがったのが痛い。前とは差が有って完敗の5着だが、この厩舎にしては器用なタイプで、芝の方が良いのは確か。デキも上向き。

チアフルスマイル

-8kg。毛ヅヤは悪くないが、歩様が頼りない。道中は中段やや後方。ヤマニンシュクルをマーク。4角内からディアデラノビアが張り出して来たのは痛かったが、それが無くても上位3頭とは差が有っただろう。真っ向勝負でもソコソコの馬だが、元々は昨年のこのレースがそうだった様に器用さを活かすタイプ。今日は外枠でそれが出来なかった。

ウイングレット

2人曳き。馬体の造りや張りは良く出来ているが、トモの送りがイマイチ。外のカネトシディザイアが好発を切り、これを有る程度行かさないと自身の位置取りが悪くなってしまう為、1角迄出して行ったが、外からスターリーヘヴンやメイショウオスカルが来て、結局無意味に。出した分、馬がその気になって多少行きたがっていたし、直線内に斜行して審議対象に。絶好の最内枠が今日はアダ。

レクレドール

-6kg。この馬にしては良く出来ている方。歩様も、この馬にしてはという前提は有るが、悪くない。出負けも、コーナーワークで稼いで中段やや後方。直線向いて、メイショウオスカルとウイングレットの間をクビだけ突っ込んだら、前をカットされる不利。その後も前が詰まるシーンが有って、今日は仕方が無い。

プリンセスグレース

歩様に力強さが無い。休養前はもっと良い馬だった筈。好発。前走の京都戦からもっと母系のトニービンが出ているのだと思っていたのだが、出脚も有って、中段で流れに乗れた。ただ、4角置かれ掛かって、外の馬に出られ、スペースが無くなった上に、直線向いて手前が替わらず内へササり、前のライラプスが外へモタれて躓くシーン。不利自体は仕方が無いが、肝心なところで置かれる辺りにトニービンらしさが。東京で是非一度。

メイショウオスカル

下見は落ち着いていた。歩様も、多少硬さは有ったにせよ、もっと悪い馬は他にも居た。好発。内からカネトシディザイア、外からスターリーヘヴンに出られ、馬が行きたがってハナへ。4角では既にアラアラの手応えで、しかも直線向いてウイングレットに前をカットされる不利。ただ、故障して競争能力喪失との事。

中日スポーツ賞ファルコンステークス(GⅢ)

タガノバスティーユ

全体的にボテッとした造り。毛ヅヤは悪くないが、重目残り。出脚が無く、後方から。この枠で有る程度は仕方が無いのだが、ポケットにハマッてしまい、外のマルカアイチャンを行かせてから更に外を回る競馬。開催2週目で馬場が良いだけに、この位置取りではと思ったのだが、それでも差し切ったのだから強い。時計面は平凡で、今日の古馬1000万特別より0.6秒も遅いのだが、後方待機のこの馬に罪は無い。前肢を思い切り伸ばして走るフォームが良く、絞れさえすれば相当なところ迄行ける筈。

アイアムエンジェル

2人曳き。テンション高いのは2歳時同様。休み明けでもキッチリ出来ていて、馬体の張りも文句無し。ゲート五分に出ている割に意外に出脚が無かったが、それでも押してハナへ。頭の高いフォームでコーナリングが下手な分、直線向いてレッドスプレンダーに内をスクわれているのだが、それでも一番外から飛んで来たタガノバスティーユ以外は振り切っているのだから立派。前走の函館戦でも述べた様に、良くも悪くも破天荒な馬、今日も時計が平凡で評価し辛い面は有るのだが、面白い存在で有る事は間違い無い。

レッドスプレンダー

スケールで一線級と差が有るが、纏まっているのは確か。トモの造りも悪くなく、歩様もしっかり。ゲートは甘かったが、出脚が良いのと、前が開いていた幸運も有って、好位のイン。4角では逃げたアイアムエンジェルの直後に付け、最内飛び込んだ時には勝ったと思ったが、追って案外。単純に弱い。

ウエスタンビーナス

前走の中山戦はそこ迄では無かった筈だが、今日は煩過ぎる。デキ自体は悪くなさそうたっだが。好発もジワッと中段。ただ、前走もそうだったが、馬が待ち切れなくなって、4角では既に先段へ取り付く形。最後は手前が替わってしまい、余計に苦しくなってしまった。ちょっと競馬に進歩が無い。

コスモルビー

2人曳き。毛ヅヤ冴えないが、この数字の割には悪くない造り。気負っているのもスプリント戦だけに許容範囲。中段のイン。出脚が無かった割に、3角辺りから行きたがっていたが、追ってからがジリ。上とは力量差相当有る。

報知杯弥生賞(GⅡ)

アドマイヤムーン

2人曳き。前走の東京戦同様、馬が見栄えする。出脚も無さそうだったが、最初からジックリ乗るつもりだった様で、後方から。今日の馬場、しかもこのスローで、4角外を回すと辛い馬場。それを外を回して差し切ったのだから強いという事になるのだが、半馬身差の相手がグロリアスウィークというのが情けない。昨年同じ競馬で勝ったディープインパクトはクビ差の相手がアドマイヤジャパン。直線向いてから内にササッて、内からステッキを入れたら外へ飛ぶ様なシーンも有って、皐月賞当確迄はどうか。

グロリアスウィーク

踏み込みに力強さが無く、それがトモにも現れる。中段のイン。前に行った馬が行きたがっている妙な展開で、これらをインから捌いて外から一気に来たアドマイヤムーンと併せ馬。半馬身差だが、4角の位置取りの差が有る。下見のダメさ加減よりは相手なりに走っている様な印象も有るが、トモの甘さが解消されなければ一線級相手では厳しいだろう。

ディープエアー

前走の京都戦同様の状態。馬体は悪くないが、歩様に伸びが欲しい。ゲートはむしろ良かった位だが、直後に躓いて後方から。ただ、今日の馬場では結果的にインを立ち回れた利が大きかった印象。距離が延びてレースがし易くなった面は有るだろうが、これも前走内容から強いとは思えず、馬場状態がそれだけ特殊だったと見たい。

サクラメガワンダー

2人曳き。張りが無く、歩様も頼りない。道中は離れた最後方。アドマイヤムーン目掛けて3角から積極的に外をマクッて行ったが、直線甘くなった。アドマイヤムーンとは差が有ったにせよ、今日は馬場状態が言い訳に使えるのだが、下見の雰囲気がイマイチだったのが気になるところ。昨年のディープインパクトはもっと酷い状態で、時間がまだ有るだけに、何とかなる筈だとは思うが。

スーパーホーネット

2人曳き。-4kg。ギリギリの造り。歩様にももう少し力強さが欲しい。1角迄は多少行きたがっていたが、そこからはスムーズ。ただ、今日は直線向いてからの不利が痛い。あれが無ければ3着は有っただろう。下見がもう一つだったのが気にはなるが、距離が大丈夫な事が解っただけでも。

ナイトレセプション

2人曳き。増減無いが、妙に厚ぼったい造りで、その分歩様も窮屈。ただ、馬に気が張っていて、毛ヅヤも良く、デキ自体は有りそう。外枠だったが、積極的に好位と取りに行ったが、ちょっと道中力んで走っていたのか、追って案外。勿論、骨折明けの分は有るのだが、今日の馬場でインを立ち回ってダメだったのは頂けない。

トヨタ賞中京記念(GⅢ)

マチカネオーラ

歩様に柔らか味が有って、デキ自体は良さそう。ただ、初コースの影響か、集中力に欠ける嫌い。ゲート五分。出脚も有る筈だが、外から次々に来られて、1角では最後方に近い位置。3角からローゼンクロイツのマクりに乗る形で、3〜4角は一番外を回っていたが、それでも差し切った。戦前は期待したが、あくまで内枠活かした競馬を想定していただけで、この競馬で勝ったのは意外。かなり強い。

ローゼンクロイツ

-4kg。休養前が太い状態で、悪くない傾向。トモの張りも悪くないが、前走の京都戦でも述べた様に、相変わらず歩様に力が無い。3000mの前走とは違って、出脚が甘く中段やや後方。3角から外を自力で動いて行ったが、直線中々手前を替えず甘くなったところを勝ち馬に強襲された。それでもラスト50mで手前を替えて、最後盛り返している様に、力は見せた一戦。トモが甘くて、坂の有るコースでどうなるかという問題は有るが、平坦なら充分重賞級。

エアシェイディ

2人曳き。-10kg。前走の東京戦が重かっただけに、絞れたモノ。毛ヅヤがイマイチなのが気になるが、トモの張りが良く、デキも有りそう。ゲート五分。外の馬が行った事も有って、後方でインへ入れてジックリと。3角から内目を上がって、4角で逃げ馬の直後に付けた時は乗り役もやったと思った筈だが、直線向いてからが甘い。前走良い脚が有っただけに、余計に意外な印象。

エイシンドーバー

多少張りが落ちた様な気もしないでも無いのだが、歩様に柔らか味が有るのは良い傾向。スタート直後押していたが、出脚が無く、中段に付けるのがやっと。3〜4角、開きそうなところを狙っていたが、外をマクッて来た馬達との間で行き場を無くしてゴチャついたのが痛い。そういう意味では次走狙い目となる訳だが、前走の小倉戦で有った筈の出脚が今日は無かったのが気になる。勝てるレースを落とし続けている内にデキが無くなって来る典型例。次走人気になるなら思い切って軽視したい。

ファイトクラブ

遮眼革。-8kg。前を歩くオースミグラスワンが立派過ぎて、霞んでしまっているが、この馬なりに上々。気配の良さと、歩様にキビキビ感が有る。元々ゲートが悪い馬だが、今日もアオッてしまい最後方から。4角、外でゴチャついているのを尻目に、上手く直線迄来れたが、暫く追い辛そうなシーン。ハイペースで前が崩れて折り合えた利も有ったが、惜しい内容。

オースミグラスワン

多少テンション高いのは何時も通り。トモの張り目立ち、馬振りも最上位だが、立派過ぎる。それなりに押していたにせよ、スッと好位取れる出脚が有ったのは意外。道中も、ハイペースで行き振り悪いながらも3〜4角上がって行けた。まあ、4角あの程度の不利でアッサリ諦めてしまう辺りが如何にもグラスワンダー産駒なのだが、小回りは意外に対応出来そう。広いコースなら当然オープンでも上位の扱い。

メジロマントル

-6kg。ここ2走が重かっただけに、絞れただけ。今季はずっとデキが良い。遮眼革着用のコスモオースティンが何が何でもの構えで行って2番手だが、コスモオースティンが57.7秒で行ってはキツい。加えて、昨日のネイティヴハートがそうだった様にロートル馬は時計が掛かってこそ。今日の様に時計が速くなると若い馬に分が有る。

チューリップ賞(GⅢ)

アドマイヤキッス

+18kg。毛ヅヤがイマイチだが、馬体増は殆ど成長分。ただ、ちょっとチャカつき気味。道中は中段やや後方。4角手応え充分に並び掛け、直線内から来たシェルズレイとの一騎打ちを競り落とす形。武豊騎手にしては珍しく、終始外を回って来ていて、コース取りの差を考慮すれば圧勝に近い内容。下見で多少煩かったが、その割に折り合い面もスムーズ。現状課題は何も無く、昨年のシーザリオの様な化け物級が現れない限りは本番も当確だろう。ただ、全兄のプラズマはノドがダメで、満足に攻め馬が出来ず、せっかくの素質を活かせずに未だ条件で燻っている。牝馬のサンデーサイレンス産駒でノドが弱いという話はあまり聞かないのだが、気掛かりは気掛かり。

シェルズレイ

2人曳き。-8kg。多少ステップが硬いのだが、そこはクロフネ産駒。馬体もそれ程細くなった印象は無く、毛ヅヤも芦毛の割に悪くなさそう。好発。好位でずっと行きたがっていたし、3角手前で外から数頭来て引く形になった際にゴチャつく不利。それでも内から来るのだから、能力は有るが、アドマイヤキッスとは回った位置の差が有って、評価が難しい。前が壁に出来ればとは思うが、阪神マイルでこれをやると不利を食らう危険も高いだけに。

ウインシンシア

+2kg。前走の京都戦も細かったが、まだ戻り切っていない。ただ、毛ヅヤが良く、デキ自体は上々。出負けして最後方から。中山のシンボリグラン同様、却って道中内を通れた利と、アドマイヤキッスが仕掛けて前を潰してくれた利は有るのだが、それでも3角から外を回して、テイエムプリキュアを競り落としたのは立派。ただ、上位2頭とは力量差有りそう。

テイエムプリキュア

歩様に硬さが有るのが気になるが、毛ヅヤが良く、馬体は牡馬顔負け。1週前のDW好時計は伊達では無い。道中は中段。これも外々を回されて苦しくなったが、良馬場だと4角での手応えの悪さを挽回し切れない。前走懸念した気力の問題は一息入れても大丈夫だった様だし、能力的にも互角以上だとは思うのだが、この距離ではもっと時計の掛かる馬場にならないと。

ラッシュライフ

-14kg。前走の京都戦が+10kgだっただけに、絞れたと見て良いだろう。もう少しトモの肉が欲しいが、馬体の張りは上々。ただ、今日は歩様が案外。道中は2番手。力んで走っていた分も有るとは思うのだが、直線向いて意外に伸びない。今日は案外の内容。戦前は期待したのだが、マイルが長いかも。

タッチザピーク

細く映るし、何より歩様が頼りない。ジワッと好位へ。前に壁が無かったにせよ、折り合えていた様に見えたが、直線向いてからがサッパリ。力の要る阪神が合わない様子。

夕刊フジ賞オーシャンステークス(GⅢ)

ネイティヴハート

シープスキンノーズバンド。毛ヅヤの良さは目立ったが、馬体が緩く映るのと、歩様も硬目。道中は中段のイン。先週のブルーショットガン同様、馬群が2つに分かれて、前の馬が早目に動く絶好の展開。この馬、一瞬の脚は持っていても、その持続力が無くて勝ち切れなかったのだが、インを突く展開でその影響が軽減されたし、何より今週の中山芝は、インを突かないと勝てない馬場状態。しかも、ここ1年程、ズブさが出て来ていて、スピード優先の馬場では追走で終わっていただけに、今日は時計が掛かる馬場になったのも良かった。5年連続出走のご褒美。

コパノフウジン

-8kg。細くなった印象は無い。毛ヅヤも良く、デキ自体は維持しているが、前走の京都戦の際にも述べた様に歩様がイマイチ。ゲートアオり気味だったが、仕掛けて好位へ。上手く流れに乗って、内目捌いて坂下で逃げたギャラントアローに並び掛け、坂上で抜け切ったところをネイティヴハートに強襲される形。今日は前走と違って手前を替えていたが、それでも詰めの甘さは相変わらず。

シンボリグラン

前走の中京戦は一枚重く見えたが、今日はそれ程でも無かった。以外にデキが無いかも。出負けも有ったが、挟まれたのか出脚が全く無く、最後方。勿論、この不利は相当大きく、58kg背負って出遅れて3着ならとは思うが、結果的に腹括ってインを突けた利の方が大きいと思えてしまう程、今の中山は内が有利。次走人気になるなら思い切って嫌ってみたい。

アイルラヴァゲイン

2人曳き。多少チャカついているのは許容範囲。恐らくはイレ込み対策なのだろうが、多少緩く映るのが気になる。好発。引くタイミングが無くてジワッと乗っていたが、前走の京都戦同様に馬が待ち切れないから、最後が甘くなる。競馬に進歩が無いと言えばそうだが、とはいえこれで2走続けて同じ失敗。3度目もそうなると思うか、そう思わないかが、穴馬券的中の分かれ道。

ギャラントアロー

-8kg。前走の京都戦が一枚重かっただけに、絞れただけ。腹回りもう一絞りとは思うが、トモの張り目立って、歩様もスムーズ。好発。近走同様出脚良くハナへ行けたが、4角迄は行きたがったアイルラヴァゲイン、直線はコパノフウジンが早目に来て苦しくなった。絡まれると弱く、今日は仕方が無い。何度も述べているが、毎回この競馬を続けていればその内勝てる日が。

マイネルアルビオン

前走の京都戦も一枚重かっただけに、もう一絞り欲しい造り。道中は中段の外。ずっと外を回され、4角も大外。最後来てはいるが、今日の馬場状態では如何ともし難い。今日は参考外。賞金の関係上中京へ行けるかどうか微妙だが、一応次走狙い目。

マルカキセキ

-18kg。元々ボテッと見せる馬で、この方が格好は良い。ゲートも、出脚も良かったが、外々回されるのを嫌ったのか、1F程進んだ後、スッと引いて後方から。ただ、これもマイネルアルビオン同様、4角外を回される羽目になって、手も足も出ず。当然次走狙い目。

シーイズトウショウ

-18kg。また馬体減。戻りさえすれば何とかなりそうなデキは有る様に見えるが、チャカついていて、下見の段階で圏外。好位の外。この馬の場合はハナで無くても競馬出来る筈だが、4角でバッタリ。輸送に難が有るのか?

阪急杯(GⅢ)

ブルーショットガン

多少トモの送りが硬いが、スナップが利いて、馬体も悪くない。好発。5〜6頭、先行馬が行って、その直後。後続と馬群が分かれ、直線だけ外へ出す競馬。4角を逆手前で回って来てしまい、内へモタれたのだが、内からステッキを入れて立て直し、コスモシンドラーと併せ馬。ローエングリンが意外に頑張っていて、それ以外の先行馬が早仕掛けして展開ズバリだった。馬群が分かれてスムーズに外へだせた点も含めて、大穴ケースの典型例。函館走るので、力の要る馬場が向いたのは確かだが、そういう馬場状態になった事も含めて、今日で引退の松永騎手の話通り、競馬の神様が居た、それ以外に無い。

コスモシンドラー

-6kg。馬体が締まって、歩様に柔らか味。道中は後方から。なまじ切れるだけに、却って道悪はどうかと思ったのだが、デュランダルの様にピッチの利いたフォームで走る為か、意外に苦にしなかった。今日はブルーショットガンに展開が有った分の差だろう。中京1200mは向かないにしても、今のスプリント界のレベルを思うと、中山1200mならGⅠでも差は無い。

オレハマッテルゼ

相変わらず絞れて来ないが、張りはそれなりにマシになって来た。内枠の馬が殆ど行って、流石にという事で直後に控えたが、3角過ぎには馬が待ち切れなくなって行って、終いが甘くなった。内で脚を矯めてこその馬、外枠で仕方が無いのだが、今日は展開が無かった印象。もう少し絞れて来るのが理想だが、馬自体は復調気配。

スナークスズラン

気配が地味なのは何時も通り。ただ、馬体は悪くない。好発。出脚でローエングリンにやられて、ハナを譲る形。ただ、結果的に上手くインにハマッた形。坂下でローエングリンを捕らえた時には一瞬勝ったかに思われたが、条件戦とは違って、この馬場でも差して来た馬が3頭。もうちょっと出脚に余裕が欲しいが、そのズブさが距離の融通性に繋がる面も有るだろう。こういう馬場も強い。

ローエングリン

以前を思え歩様がスムーズに。馬体に張り詰めたモノが無いのは確かだが、それは何時もの事。出負け気味だったが、出脚良くハナへ。何時も通り多少ムキになっているのだが、それでも1400mでしかもこの馬場でスムーズに行っているとなると、流石に際どい競馬になる。歩様がスムーズになって、出脚が戻って来たのが良い。次走辺り、1600mでマークが甘くなる様だと一発も。

ウインクリューガー

造りは悪くないが、歩様がもう少ししっかりして欲しい。ゲート良かった程だが、差しに回るよう指示が出でいた様で最後方から。直線一番外へ回してそれなりに来てはいるが、この馬場で最後方から追い込むのは些か無理が有ったか。今日は仕方が無い。

タマモホットプレイ

トモが甘いのは毎度述べている通り。馬体自体は変わらず上々。馬群が2分割されていたが、道中は後方集団の先頭。前方集団の最後方だったブルーショットガンが勝っている位だから、良い位置取りだった筈だが、3角過ぎから手応えが無く、4角では既に圏外。道悪は3歳時の京都戦の内容からこなせる筈だが、阪神の馬場が合わないのか。

中山記念(GⅡ)

バランスオブゲーム

-4kg。絞れた。何時もはもっと煩い筈だが、今日は馬に集中力。ただ、もう少し歩様がスムーズでも。戦前はダイワメジャーが行く展開を予想する向きが多かったが、この馬の出脚が良くハナへ。59kgで道悪、行き切ったのが正解。4角でダイワメジャーが来た以外は、直線も独走。戦前はダイワメジャーの道悪適性が話題になっていたが、それ以上にこの馬が上手だった。連覇だが、昨年も述べた様に、GⅡならこういう競馬が有利だし、この策はこの馬が現役で一番上手い。

ダイワメジャー

+10kg。パシファイヤー。2人で曳いてもう1人付ける何時もの体制。多少重いが、休み明け思えば許容範囲。歩様もこの馬にしてはマシな方。ハナへ行くのかと思われていたが、バランスオブゲームが主張して、外から出脚良いエアメサイアも来たが、エアメサイアには譲らず2番手。この馬場でも少し行きたがる位の手応えで追走出来、4角並び掛けた時にはコレというシーンだったが、追って案外。ノドの疾患、脚質から道悪は良馬場よりこの馬に有利に働く筈だが、走法はそこ迄では無かったのだろう。バランスオブゲームとは道悪適性の差歴然。

エアメサイア

ゲート悪かったが、この枠でも出脚を利かせて3番手へ。道中は悪くない手応えで行けていたが、追ってからが案外。道悪で、牡馬相手のパワー勝負となると流石に分が悪かった印象だが、それでも3着。シーザリオやラインクラフト相手に完璧な競馬をして初めて互角の馬だが、それでもここ迄やれてしまうのだから、如何に前述2頭が強いか。ただ、2戦続けてゲートを失敗。今日は道悪で滑った様にも見えたのだが、些か気になる部分。

カンパニー

+6kg。悪くは無いが、前走の京都戦の方が雰囲気有った気も。この馬なりに出して行って中段へ。最後エアメサイアを追い詰めた脚は道悪適性の高さなのだろうが、前が有利過ぎるスローでは届かない。ただ、下見の印象がもう一つ。休み明けという言い訳は有るが、割と下見に正直なタイプなだけに、次走注目。

ダンスインザモア

スカッと見せて馬体に張り。下見だけなら上位。道中は中段。直線もその位置取りのまま伸びもせずバテもせずで雪崩込んだだけ。中京戦等の内容から重賞では些か厳しいのだが、今日はそれ以前の競馬。

ハットトリック

究極だった前走の京都戦では無いが、昨秋季初っ端の東京戦位の状態は有るだろう。かなり良い状態。出負けして後方。元々勝負どころの手応えは良くない馬だが、今日は最初から悪かった。道悪が全て。次走ドバイ遠征だそうだが、デキは有るだけに、良馬場なら。

アーリントンカップ(GⅢ)

ステキシンスケクン

これでも前走の東京戦より大人しい。頭の高いのも少しはマシに。ゲートはデンシャミチだったが、出脚利かせてハナへ。頭の高い走法で、競り掛けられた時が課題なのだろうが、今日は何が何でもの構えを見せて行き切ったのが正解。時計の掛かる阪神とはいえ、アドマイヤカリブと差の無い馬が1000m通過が59.1秒で単騎なら逃げ切って当然だろう。ただ、気性と走法から距離は延びれば延びるだけ不利。昨年のビッグプラネットと同じ程度だと考えておいた方が。

ロジック

この中間、短期放牧に出して、歩様に柔らか味が出て来た。ただ、まだ造り自体には余裕。ゲート良かったが、外の馬が主張して控える形。中段とやや位置取り悪くなったが、インへ潜り込めた。前走の京都戦は見た目より伸び切れなかったが、インを立ち回った利が有ったとはいえ、今日は坂をしっかり駆け上がって来た。下見の気配通り、良化していたのだろう。

アマノトレンディー

多少緩い造り。まだ馬に集中力が無く、如何にも若い印象。好位でジワッと。直線は右手前だったが、3角からの直線で左手前。ジワジワ来てはいるが、もうワンパンチが無かった。内を立ち回って、前に居た展開利も有っただけに、これは高く評価し辛い。

アドマイヤディーノ

-8kg。もっと良い馬だと思っていたが、今日は頭が高く、トモが薄く映る。勿論、それでもこの相手なら水準以上だが。ゲートは出ているが、挟まれる形で後方から。安藤騎手、出来るだけコースロス無く乗ろうという意図は感じられたが、それでも直線は外へ出さざるを得ず、スローで前との距離も中々詰まらなかった。とはいえ、キンシャサノキセキを交わした脚は中々。今日は枠順が全て。下見が思った程良くなかったのは気掛かりだが、ここでも通用の地力は有る。

ゴウゴウキリシマ

多少ボテッと映るが、緩い印象は無い。頭の高いのもマシになって、歩様に柔らか味が出て来た。出脚利かせてハナを覗かせたが、外のステキシンスケクンが速く、2番手。折り合って道中スムーズだったが、追って手前を替えず伸び切れない。前走の京都戦で負かしたロジックに先着されただけに、案外の内容だが、元々が器用なタイプでは無い。行き切るか差しに徹するかどちらか。

キンシャサノキセキ

多少気負っていたが、造り自体は最上位。2角で外に振られて、終始外を回される形。4角手前からスローを嫌って早目に動いて行ったが、追って案外。これもアドマイヤディーノ同様枠順に泣かされた印象。

イースター

2人曳き。前走の京都戦同様、馬に集中力が有って悪くない造り。後方で掛かり気味。前走はまだ4角の手応えが有ったが、今日はそれすら怪しい始末。着順そのものはスローも有って、それ程はと思うのだが、内容が悪過ぎる。暫く見送り。