Sakura Archives

競馬回顧 2008年1回阪神・2回中山

阪神大賞典(GⅡ)

アドマイヤジュピタ

2人曳き。-10kg。前走京都戦が調整失敗していただけ。デキ自体もずっと良い。好発。出脚そこ迄の馬では無いが、この距離でも有りスンナリ2番手。下見からテンション高く、折り合い面で不安に思わせるタイプだが、実戦に行けば毎回何とかなっている。直線向いてからも並ばれる事無く、突き放した。ただ、今週は圧倒的に内の先行馬が有利な馬場状態。最高の競馬が出来た感は有り、能力が五分で有る事を証明しただけに過ぎない。過大評価もどうか。

アイポッパー

-14kg。前走京都戦の方がむしろギスギスして映った。デキ一変。出脚は無い筈だが、出して行ってアドマイヤジュピタの直後。この辺りは折り合いに不安の無い馬の強みだろう。2周目4角でアドマイヤジュピタとポップロックの間を割る迄は行ったが、並ぶ脚が無かった。それでも2着は確保したのだから立派。前走の印象から過去の馬だと思っていたのだが、見事復活。ただ、元々がGⅠ級では無いので、この点は注意。

ポップロック

馬振り抜群。その割に歩様が付いて来ない感じも有るのだが、これも何時も通り。流石に引っ掛かる馬は居ないにせよ、このスローでもリラックスして走っている馬が多い中、多少力んで走っていた。2周目4角でアドマイヤジュピタとの間をアイポッパーに割られ、この段階で今日は圏外。最後差し返した点には好感が持てたが、国内で3000m超を走るのは今日が初めて。この経験で変わって来る可能性も高いが、現状は距離が長い。

トウカイトリック

+6kg。馬はこんなモノ。前走京都戦は歩様が悪いのが気になったが、今日はまだマシ。出遅れて後方。2周目3角手前から動いて行ったが、ただコーナーの脚が無いので付いて行くのがやっと。直線は無尽蔵のスタミナで伸び返して来たが、今日の馬場と展開ではこれでも良く走っている方だろう。一応次走も圏内。ただ、トウカイエリートもそうだが、転厩の影響が出て来るのはこれから。特にこの馬は仕上げ難しそうなだけに...。

トウカイエリート

ここに来て重厚感も感じさせる様になって来た。本格化。テイオーステップも変わらず。出たなりで中段のイン。アイポッパーを見ながらの競馬。この相手なら掲示板で上出来だが、今日は内目が圧倒的に有利な馬場で、もう少し食い下がっていても良い。能力差といえばそれ迄だが、距離も長いのだろう。

アドマイヤフジ

-4kg。一応張りは有る部類だが、まだ太い。出せる様になって本格化だが、この距離でも有り無理せず後方。折り合ってはいたが、今日は大事に乗り過ぎて、4角で圏外。競馬になっていない。

フジテレビ賞スプリングステークス(JpnⅡ)

スマイルジャック

2人曳き。-10kg。今迄は重厚感有ったが、流石にスカッとした造り。ただ、下見は堪えが利いていて、ここに馬体減の影響が出なかったのは幸い。好発。出脚だけならもっと速いのも居たが、枠の利でハナ。向正面でショウナンアルバが押さえ切れずにハナへ行ったが、ここで我慢が利いたのが大きい。4角で再び前を狙って、坂下で先頭。フローテーションの猛追も凌ぎ切った。性能の高さは随所に見せていて、折り合いさえ付けばこれ位はやれて当然の馬だが、今日はインしか伸びない馬場。評価が難しい。

フローテーション

-10kg。毛ヅヤは良いが、ここへ入ると馬体歩様共非力に映る。出脚で差が有ったが、出して行って中段のインへ潜り込む形。インしか伸びない馬場で、上手く脚が矯められたが、最後差し切れそうな勢いで止まったのは坂適性の無さだろう。今日は乗り役が上手く乗っただけ。

ショウナンアルバ

シープスキンノーズバンド。骨格がしっかりしているのでバランス取れて映る。ただ、まだ緩いのも確か。出脚速いのだが、馬が行きたがって、1角は落ち着かせる為に故意に数頭空けて回していたが、それでも宥め切れず向正面でハナ。ただ、行かせてからは案外スムーズで、最後3着に踏ん張れたのもその分が利いているだろう。能力は有るが、次走戦法からしてどうするのか...。出脚は速いので、最初からハナならチャンスは有りそうだが。

アサクサダンディ

2人曳き。-8kg。多少煩いが、トモの張りは目立つ。毛ヅヤも良い。半馬身出負けして後方から。4角無理に外を回さず立ち回り、最後は脚を余し気味。ショウナンアルバと五分とは言わないが、ここでも通用の馬。

アルカザン

2人曳き。-8kg。傑出した存在では無いが、バランスの取れた造り。毛ヅヤも良い。ゲートはむしろ悪かった位だが、出脚で挽回して中段。ただ、道中も手応えがイマイチで、直線も伸びずバテず。血統もそうだが、もっとゆったり行ける距離の方が競馬がし易そう。

ドリームシグナル

-6kg。前走京都戦もそうだったが、歩様が頼りない。出脚ソコソコの馬だが、ショウナンアルバの先行策に乗って好位。序盤少し行きたがっていたが、折り合いは直ぐに付いた。ただ、坂下で前へ並び掛けた迄で止まった。能力的にこの程度だが、距離も長い。

レインボーペガサス

2人曳き。テンション高いのは何時も通り。馬体に緩んだところ無く、歩様もこんなモノ。出脚で差が有って中段の外。途中引っ掛かったオーロマイスターに連られるシーンも有ったが、基本的にはスムーズに回って来れた。ただ、内目に入れて競馬出来るタイプでは無く、インしか伸びない馬場で今日はどうしようも無かった。これでも地力を見せた方。次走狙い目。

サダムイダテン

+2kg。寸詰まりの馬とはいえ、見た目は決して悪くない。出負け。道中も全く進んで行かず競馬にならなかった。脚元がおかしい?

フラワーカップ(JpnⅢ)

ブラックエンブレム

2人曳き。シープスキンノーズバンド。下見では集中力充分。もう少し馬体にボリューム有ってもと思うが、3歳牝馬ならこれで上出来。毛ヅヤも良い。今日はゲート五分。想定には無かった様だが、出脚速いのと枠の利でハナ。一息吐こうとしたところで、スペルバインドとスペシャルディナーに来られる最悪の展開。ここで矯めが利いておらず、ほぼワンペースで1800mを走り切った形。今日は底力を示した一戦。スタートが決まる様になったのも大きい。

レッドアゲート

好気配。ガサが無い割にバランス取れた造りで歩様もスムーズ。出脚で差が有って後方。4角ステッキが飛んで楽では無かった筈だが、上手く捌いて直線外から際どい競馬に。今週の馬場で最内回らずここ迄やれれば上等だが、ブラックエンブレムが強いだけでレース展開自体は前崩れ。過信は禁物。

シングライクバード

テンション高い。トモの張り良いが、その割に歩様に力が無い。出脚が無くて後方から。意図的に下げた部分は有るが、それにしても中山1800mでこの位置では厳しい。権利の欲しい馬の競馬では無い。今日はこの馬場思えば良く差している方で、距離はもっと延びた方が良さそう。

マイネウインク

気合と毛ヅヤは良いが、馬は目立たず。積極的に乗られて、逃げたブラックエンブレムの直後へ潜り込む形。出して行った分、少し行きたがっていたが、スペルバインドとスペシャルディナーが来た時には間に一頭噛んでいたのが良かった。逆に言えば今日の展開は最低でも連は確保したい展開。前走東京戦の様に差しに徹した方が良いのかも。

アロマキャンドル

2人曳き。かなり喧しい。多少重い気もするが、馬振りは目立つ。歩様も力強い。出脚が無くて行き切れず中段のイン。道中の行き振りが一息で、勝負どころの手応えも悪かった。デキ?

報知杯フィリーズレビュー(JpnⅡ)

マイネレーツェル

2人曳き。-8kg。遂に300kg台。小走り。歩様にも力が無い。もう少し前に行ける脚は有る筈だが、控えて後方から。道中は無理せず直線だけ外へ。今日は道中のペース自体が遅く、この頭数にしては比較的団子の展開でも厳しそうだったが、ジワジワ伸びて最後にハナ差。前々走京都戦や前走東京戦の様に下手に行かせるよりはこの形の方が良いのだろうが、今日は明らかにメンバーのレベルが低い。

ベストオブミー

まだ全体に緩慢だが、この時期にしては毛ヅヤも悪くなく、バランス取れた造り。好発も抑えて後方から。枠なりにインを回り、直線もインから。前述した様に団子の展開で前が開き、伸びて一旦ハナだけ覗かせたが、最後にマイネレーツェル。芝でもやれる事が判ったのは収穫だが、競馬としてはマイネレーツェルより劣る。

レジネッタ

-6kg。この数字思えばしっかりした造りだが、イレ込み激しい。半馬身出負け。行きたがる程では無いのだが、出脚で中段。ただ、直線何処へ出すかで迷って外へ出すロスがこの着差だけに痛い。内容的には悪くなく、地力は見せたが、前述した様にメンバーが低調で。

ラベ

-6kg。歩様しっかり。毛ヅヤも良く、デキは間違い無く良いが、流石に細い。出脚で差が有って中段。4角回ってレジネッタを併せ馬になったが、これを捕まえ切れず。着差こそ僅かだが、競馬が同じなだけに上位馬とは差が有りそう。

ビーチアイドル

歩様がダート馬だが、トモの丸みは目立つ。今迄は出脚が無い印象も有ったのだが、出して行って、好位のイン。慣れない先行策で馬が戸惑っている様に見えたにせよ、番手にハマッて形は出来た。ただ、追ってから頭が高く手応え程の伸びが無い。ベストはダート。

エイシンパンサー

2人曳き。-6kg。煩いのは気になるが、造りは悪くない。好発。出脚も速いのだが、行きたがるのを押さえ切れずに好位。4角手前で先頭と道中全く矯めが利かず追って伸びず。力はここなら上位だが、競馬がこれでは厳しい。

エイムアットビップ

+10kg。中間一頓挫有ったそうだが、馬体が増えても中身が無い。好発。中段の外。前に壁は無かったが、何とかでも我慢は出来た。ただ、その割に追って伸びなかった。前述した中間のアクシデントが応えたのだろうが、余程変わって来ないと本番は厳しい。

エーソングフォー

悪く言えばメリハリが無いのだが、ユッタリした造り。それよりも歩様が頼りない。出脚はかなり速い部類だが、無理せず中段。ただ、そこからの行き振りが一息で追ってからも全く伸びず。戦前に述べた様に、ここ迄人気になる程の馬では無いのだが、それにしても負け過ぎ。敗因不明。

ローレル競馬場賞中山牝馬ステークス(GⅢ)

ヤマニンメルベイユ

馬体もそうだが、キビキビした歩様に好感。好発。イクスキューズが外からハナへ行く展開になったが、出脚も速くイン叩いて先行策。折り合いに課題の無い馬で、これは何時も通り。坂下で前を捕まえて、遊んでいた位だったが、外からマイネカンナが来てもう一伸び。昨年1,2着馬が同レースを最後に引退、昨年3着馬が同ハンデでそのままスライドした形。前走東京戦で牡馬相手に好走し、今季はデキも良い。

マイネカンナ

シープスキンノーズバンド。小走り入っていたが、歩様はしっかり。馬も小さいなりには悪くない造り。ゲート出ているが、行く気無く後方から。勝負どころで手応え一息に見えた割に直線良く伸びたが、これも結局他馬が走っていないから来れた形。ハイレベルだった昨年暮れの中京戦でも最後脚は見せていたが、この馬としては同じ脚を使っただけ。ハンデとの兼ね合いも有るのだが、この馬が走る様だと凡戦の誹りは免れない。

キストゥヘヴン

2人曳き。シープスキンノーズバンド。歩様にバネ。集中力も有った。好発。出脚は無い馬だが、出して行って中段。ただ、これも4角の手応えが悪く、最後地力で差して来たが、前とは差が有った。案外の内容だが、ガサの無い馬が、多少渋化残る馬場でこのハンデ。同情の余地は有る。

ニシノマナムスメ

一息入ったが、気配,馬体とも出来ていた。出脚良く、好位の外。序盤少し掛かり気味だったが、2角辺りからはスムーズ。立ち回りとしては悪くなかった筈だが、追ってからが案外。ハンデ1kg分見込まれていたのは確かだが、もう少し伸びても良かった。坂?

ハロースピード

2人曳き。気配上々。ただ、マシにはなったとはいえ、歩様に力強さが無い。出脚無く後方から。直線外へ持ち出したが、マイネカンナに並ぶ間も無く交わされてしまった。距離が長いのは確かだが、良績が左回りに集中。サウスポー。

レインダンス

+8kg。数字上は戻った形だが、張りは一息。出脚良く好位から。ただ、距離も折り合いも問題無かったはずなのに、直線ズルズル下がってしまった。デキが無い。

中日スポーツ賞ファルコンステークス(JpnⅢ)

ダノンゴーゴー

2人曳き。馬体は上位。毛ヅヤも良くデキ自体は良い筈だが、歩様が硬いのとイラつき気味。出遅れ。出脚有りそうだったが、無理せず後方。ただ、今日は中段が厚い展開で、後方はバラバラ。最後切れたが、この展開でスムーズに競馬出来た利は大きい。例年より1週多く使われ、外が伸びる馬場状態。この時期に2走続けて33秒台で上がって来る決め手は例年の馬とは確かにレベルが違うのだが...。

マルブツイースター

見栄えしないのは何時もの事。以前より集中して歩けている。好発。出脚も速い馬だが、道中引っ張り切りというよりは真っ直ぐ走らず矯正しながらの追走。結果的に道中ずっと外を回された。直線もハミを掛け直すシーン。前走東京戦も最後左手前でモタれていて、左回りは良くないのだが、前述のロスを思えば今日は地力示した一戦。

ルルパンブルー

イレ込みも、毛ヅヤが抜群。手先に軽さも有り、デキは間違い無く良い。ゲートも良かったが、そのまま出して好位から。直線で先行勢並び掛けた時には既にマルブツイースターが来ていて、展開的に楽では無かったが、それでも寸前迄食い下がっていたのは立派。1200mしか走らない嫌いは有るが、負けた相手は何れも牡馬。ゲートを五分に出る様になった点も評価出来る。

ダイワシークレット

-6kg。馬体は小さいなりにしっかり。ただテンションが高い。この馬含め、内枠に出遅れた馬が多かったが、何とか好位。ただ直線、モタついていた分が有るにせよ、その間にマルブツイースターに被されてしまい、競馬が後手に回ってしまった。最後ジワジワ来ているが、もう少し序盤リラックスして走れればその辺りの反応も違って来る筈。そういう意味では現状ワンペースで走れるダートの方が向いていそう。

マヤノベンケイ

2人曳き。何時もそうだが、下見は堪えが利いている。馬体の良さも変わらず。もっと行けるかと思ったのだが、無理しなかった事も有って中段。ただ、道中ずっと外を回されてしまった。元々追って伸びるタイプでは無いにせよ、これでは伸びる筈が無い。参考外。

報知杯弥生賞(JpnⅡ)

マイネルチャールズ

歩様にバネ。首でリズムを取る何時もの周回。見栄えはしないが、バランスの取れた造りは変わらず。出脚の速いホッカイカンティを牽制しつつ2番手。余計な事をしている分、道中行きたがっていたが、早目に前を捕まえて後続を完封したのだから文句無い内容。ただ、ペースが遅いにしても、上がりも速くなく時計が平凡。今年の相手なら中山2000m適性で最右翼と見るが、例年だと3着争いがやっとの馬だろう。何か新興勢力が出て来そうな気もしないでも無いが。

ブラックシェル

2人曳き。-6kg。少しでも絞れたのは良い傾向。下見は我慢が利いている。今日はゲート五分。出脚は無いが、折り合いを気にしつつ出して中段。このスローで外を回って止むを得ぬ部分も有るのだが、それにしても追ってからがもどかしい。出脚が無いので、この血統の乗り方から外れざるを得ないのも辛いところ。

タケミカヅチ

シープスキンノーズバンド。全能力発揮させようと思えばもう少し絞れるのが理想だが、トライアルだけにまあまあ。ただ、今日は気配が地味。出脚と枠の利で好位から。これも少し行きたがる素振りが有り、ならばと早目に動いて行ったが、捕まえ切れず。距離が長い。

キャプテントゥーレ

気配は良いのだが、トモの甘い歩様は相変わらず。外枠だったが、出脚で好位へ。早目に動いたタケミカヅチに連れる形で動いて行ったが、追って坂で止まった。この辺りはトモが甘い分だろう。タケミカヅチと違って、折り合い付いていただけに余計にだらしない印象が有る。賞金が有るので次走JpnⅠ挑戦になりそうだが、かなり厳しい。

テラノファントム

馬自体もそうだが、まだ歩様が頼りない。好発も行く気が無く中段。ワンテンポ待ってブラックシェルの後を追う策は間違っていないが、ヨレヨレで追い辛いシーンが。そうはいっても、新馬からいきなりでこれだけ走れば上等。自己条件なら確勝級。

アインラクス

2人曳き。一見、トモ高に見える位だが、そうでは無くトモが張っている。数字は無い馬だが、素質は有りそう。気配も上々。行く気無く後方のイン。ただ、4角外へ出し切れず、全部行かせてから最後に大外へ。今日の流れでこれでは厳しい。一応脚は使っていて、見た目通り素質は有りそうだが、今日の競馬だけでは何とも。

トヨタ賞中京記念(JpnⅢ)

タスカータソルテ

2人曳き。気配絶好。トモの造り自体はまだ甘い様に見えるのだが、ここに来て歩様がしっかりして来た。出たなりで好位直後。あまり行き振り良く見えなかったが、ずっと最内通れた上に、直線も見事に前が開いた。昨年京都で重賞勝った時もそうだったが、この馬、運が良い。最後際どくなったのは早目に抜け出した分としても、基本線はオープン特別級。

センカク

-6kg。絞れて来た。ここでも馬振り的には地味な方だが、デキ自体は良い。出脚で差が有って中段やや後方。これも道中手応え良く見えなかったが、ローゼンクロイツやハイアーゲームが早仕掛けしてくれる展開が向いた。直線、中々手前が替わらずイマイチ感は有るのだが、左回りの方が走るのは確か。

ワイルドファイアー

-10kg。輸送すると減るタイプだが、毛ヅヤ目立ち、それで居て馬もリラックス。道中は中段。道中はインに居て、早仕掛けする馬が多い中、ワンテンポ待ってバラけてから外へ。最後は首の上げ下げで負けただけで、差はほんの僅か。ただ、タスカータソルテやセンカクとは違って、この馬は確実にハンデが1kg恵まれていた。年齢にハンデキャッパーが騙された形。

ワンモアチャッター

-12kg。前走小倉戦が太かっただけで、これも絞れたと見て良い。集中力も有った。出負けして後方から。ずっと手応え良く追走出来た。直線もインから。タスカータソルテの抜けた後を続いて、一旦は2番手だったが、最後に外から2頭。上手く立ち回っているが。僅差だけに、出遅れた分が痛かった。惜しい。

ハイアーゲーム

歩様が甘く頭の高いのは今更。ただ、毛ヅヤが良く馬体の張りも有って、今季は初っ端からデキが良い。出そうとしていたが、出脚が甘く中段。ただ、前に壁が有る間は良かったが、1角過ぎに無くなって引っ掛かってしまった。早目に動いたローゼンクロイツに連動して、半ば待ち切れずに行ったが、後続の餌食に。内枠なら話は変わって来るとは思うが、ちょっと競馬に進歩が無い。

ローゼンクロイツ

良い時はもっと迫力が有った気もするのだが、一応は出来ていた。ただ、気配が地味。ピカレスクコートには叩かれたが、ジワッと好位。ただ、これもハイアーゲーム同様行きたがってしまい、マクリ合戦の引き金を引く形に。まあ、大きく負けている訳では無いのだが、デキも甘かっただけに、余計に苦しかっただろう。これでシャキッとすれば。

トーホウアラン

+6kg。骨格が良いのでそこ迄太くは見せないが、全体に緩い。年齢の分も有るだろうが、良い時はもっと煩いタイプ。好発。好位から。少し出した分も有るのだが、序盤から行きたがって、ずっと気負いながらの追走。3角手前でタスカータソルテに最内入られたのも痛かった。ただ、それにしても負け過ぎ。デキが無い。

チューリップ賞(JpnⅢ)

エアパスカル

出脚そこ迄速くなかったが、主張してハナ。ただ、ユキノサッシュが引いてくれたから行けただけで、出脚自体にはかなり差が有った。まあ、折り合いに問題が無いからこの策が出来るのだろうが、直線も手前が替わらず僅差の競馬に。前走京都戦はダート変更が言い訳になるとしても、前々走京都戦の様にエーソングフォーが差せない様では一線級とは言えない。

トールポピー

好発。下げて好位策も、道中かなり行きたがっていた。ただ、今日は池添騎手の判断が冴えていて、早目に外へ持ち出したのが正解。結果2着でも、前が圧倒的有利な馬場で逃げ切られただけで、トビの大きさを思えば、馬群に沈んでいた可能性も有った。トライアルという意味でもこの方が常套。兄フサイチホウオー同様、気性難が大舞台で悪影響を及ぼす危険も高いのだが、やはり能力自体は最上位。

オディール

出遅れも、腹括って後方から。このペースで行きたがっている馬も多かったのだが、この馬はスムーズ。直線向いて外へ持ち出し、不本意な競馬でここ迄迫れれば上等。2歳時は詰めの甘い印象も有ったのだが、今日は地力示した3着。本来は好位で流れに乗れるタイプでも有り、配当次第ではこちらが狙い目に。

スペルバインド

出脚で差が有って中段のイン。ただ、血統なのだろうが、追って頭が高く、伸び案外。長いところをずっと使われていて、権利取りという事でのマイル戦。距離適性が微妙な面は有るのだが、このレースだけなら瞬発力不足。

ヤマカツオーキッド

出負け気味だったのを気合付けて行ったが、道中引っ掛かってしまった。これも頭の高い走法で、良い脚が長く続かない嫌いが有るのだが、道中のロスで余計に伸びなかった。何時もそうだが、中々競馬にならない。

夕刊フジ杯オーシャンステークス(JpnⅢ)

プレミアムボックス

1200mにしてはペースが遅い事も有ったが、むしろ行きたがる位で、道中引っ張り切りの追走。追って頭が高いので手応え程は伸びないのだが、中山1200mで大外回って勝ち切っただけでも上等だろう。時計が遅いのはエムオーウイナーの所為で、この馬は悪くない。水準級は有る。

エムオーウイナー

有力馬がゲートのタイミングを逃した事も有ってハナ。出脚は速い馬だが、1200mでハナ切れる馬では無く、恵まれた印象。前半3Fを34.1秒で行って、4角オッツケ気味では話にならない。時計的にも平凡。オープン特別もどうか。

ナカヤマパラダイス

好発。出脚も速いタイプだが、無理せず好位から。最近の中山はこの位置で伸びないパターンも多いのだが、それにしても直線はもどかしかった。昨秋の京都戦にしても、悪い内容では無く、ここなら上位の馬だと思うのだが、デキ落ち?

アイルラヴァゲイン

サンアディユ程では無かったにせよ、若干出負け。それでも道中は出脚で好位迄持って来たが、序盤のロスの分追って伸びが無かった。記者会見迄する位だから、ゲート裏のゴタゴタは見た目以上のモノが有った筈で、今日は度外視。

リキサンファイター

これも出遅れ気味。それでも枠の利で中段から競馬が出来たが、直線向いて前が壁。着差が着差だけに、スムーズなら際どくなっていた。次走注目。

阪急杯(GⅢ)

ローレルゲレイロ

2人曳き。馬に集中力。馬体も充実。ゲートはオースミダイドウの方が半馬身程速かったが、押してハナ。出脚自体はここでも最上位の馬だが、流石にこれだけ出られると前半それなりにロスが有った様で、道中も気持ち良く行けていた様には見えなかった上、直線も苦しがって外へヨレるシーンが。逆に言えば、そんな中で凌ぎ切った辺りは、目下の充実度を示しているとも言えよう。完全に本格化。

スズカフェニックス

毛ヅヤも悪くなく、馬体も何時ものこの馬。多少緩く映るのも昨年来からの傾向。前日にあれだけ逃げ切りが決まると59kgでも有り作戦面限られて来るが、行きたがらない程度に出して行って中段のイン。少なくともこの枠を活かす競馬は出来た。最後はローレルゲレイロが外へヨレて来た分も有り、斤量差込なら勝ちに等しい内容だ。ただ、昨年の中京戦は競馬が鮮やか過ぎた。アストンマーチャンが回避し、次走の相手なら地力断然の存在となるが、乗り替わりになる事も有り、馬券的には嫌ってこそという気も。

ローブデコルテ

変わらずデキ上々。ギスギス感が無いのが良い。枠の利活かすべく出して行って好位のイン。それでもこの距離なら引っ掛からずに追走出来た。ただ、この馬とて牝馬の56kg自体が楽では無いにせよ、59kgスズカフェニックスに食い下がるシーンすら無かったのは案外。この人気でこれだけ走れば充分という見方は当然有るが、馬場が良過ぎて今日は外枠勢が競馬になっていない面も有り、あくまで限定戦の馬。

ウインレックス

脚長の馬だが、馬体はしっかり。ただ歩様が硬い。馬なりに中段。これもイン回った利が有って、最後は突き放された。今日は評価出来ない4着。連闘で中山戦だそうだが、ここは嫌ってこそ。

キンシャサノキセキ

変わらずしっかりした造り。少しボケた位の気配も、折り合い思うとプラスに思えたが。安藤勝己騎手、戦前から決めていた様で、ゲートをソロッと出して後方から。ただ、単手綱の安藤勝騎手であれだけ持って行かれるのだから、どうしようも無い。直線も伸びずバテず。1400mならと思ったが、これでは...。

マルカフェニックス

馬はここでも通用。出遅れ。出脚有りそうだったが、行きたがるのを宥めて後方のイン。ただ、4角外へ持ち出す時にペールギュント等を弾く粗相が有り降着。直線、このダメージが何処迄影響していたかは未知数だが、道中の雰囲気は距離が長い印象。乗り役も強引過ぎたが、馬も少しヨレていた辺りに片鱗が。

農林水産省賞典中山記念(GⅡ)

カンパニー

叩いて順当に良化。今日は珍しく歩様がスムーズ。最近にしては珍しくゲート五分。逃げるコンゴウリキシオーが直ぐ内に居て、枠順的にも良かったのだが、押して2番手。折り合いは付く馬なので、後は終いが伸びるかどうかの一点だけが問題だったが、直線入り口で先頭に立ち、そのまま押し切った。乗り役の好判断も有るが、ゲートを五分に出すだけでも相当の苦労が有った筈。こういうところが厩舎技量。

エイシンドーバー

これもこの馬にしては歩様がしっかり。元々が冬場得意なタイプでも有り、馬も悪くない。好発。出脚も速かったが、無理せず中段。こちらは距離に課題が有るので仕方無かろう。ただ、4角の手応えはカンパニー以上。直線は地力の差が出たが、この枠を思えば最高の競馬が出来た。前述した様に、暑くなってどうかのタイプとはいえ、昨年辺りからはこの傾向も幾分かはマシに。次走、距離短縮なら主力視。

エアシェイディ

2人曳き。馬の雰囲気は悪くないが、少し毛ヅヤが落ちて来た。控えて後方。道中もそうだが、4角もインを回って馬群バラけてくれたが、ここ迄。開幕週で止むを得ぬ部分は有るが、前の馬と同じ脚しか使えていない様では駄目。前走時に述べた様に、今季は2000mの層が薄く、強いマイラーが出て来て格の差が出た格好。マトモなら良くも悪くもこの程度。

マルカシェンク

毛ヅヤ上々。今季は休み明けから良い状態をキープ。出たなりに中段やや後方。折り合い付いて4角エイシンドーバーの直後なら悪くない展開だが、坂上で止まった。前走小倉戦は平坦で誤魔化しが利いたが、基本的には距離が長い。

アサカディフィート

+6kg。少し重い気もするが、気配自体は上々。今季は歩様がスムーズなのも特筆出来る。ゲートは出ているが、出脚がサッパリで後方から。ここ迄は何時も通りだが、今日は前走小倉戦で有ったマクる脚が無かった。縦長の展開が有ったにしても案外。あくまでGⅢ,JpnⅢ級。これもエアシェイディ同様、2000mの層が薄い恩恵を受けていた一頭。

コンゴウリキシオー

-8kg。良い時はもっと迫力タップリに見せる馬。序に言えば大人し過ぎる。戦前の予想通りハナ。ただ、思ったより出脚が甘く、結構押していた。4角も早目に来たカンパニーに全く抵抗出来ず。昨春も、休養明け初っ端は惨敗だったが、下見の気配は抜群で、展開が無かっただけ。今日は展開が有って下見が悪いだけに、今季かなり厳しそう。

アーリントンカップ(JpnⅢ)

ダンツキッスイ

2人曳き。下見では堪えが利いている。見掛け倒しの多いシンボリクリスエス産駒故、過信は出来ないが、確かに見栄えする。殆ど出さずにハナ。見た目大逃げも、ペース自体はそこ迄速くなく、抜群の出脚に後続が騙された格好。直線向いた段階でも1秒以上のリードが有った。最後はオイデオイデの大楽勝。前走京都戦時に藤田騎手が述べていたが、無理に抑えるから引っ掛かるだけで、この形ならスムーズに競馬出来る様。距離に限界有る様に一見思えるが、出脚で展開を有利に導くという意味では2000mの方が。

エーシンフォワード

トモの造りしっかり。スケールでディープスカイと差を感じるが、完成度は高い。好発。出脚はそこ迄では無さそうだが、ゲートの利で好位のイン。ダンツキッスイが大逃げに持ち込む展開となったが、前を追い掛ける事無く立ち回れた上に、開幕週でインに居たのも良かった。過去のレース内容から弱い馬では無いのが、今日は展開が大き過ぎる。

ディープスカイ

2人曳き。-10kg。雄大な造りはそのままに、馬体がシャキッとして来た。ここへ入れば最上位に近い。ゲート自体は出ているが、出脚が付かず最後方から。道中の行き振りも大して良くなかったのだが、無理して追わず直線迄待ってから大外へ。下手に動くよりはこの方が正着手だった面は有るが、それを差し引いても上々の伸び。出脚の無さからマイルは確実に短いだろう。直線レーサーっぽさは有るが、距離延長で真価を。

ノットアローン

トモの造りで上位馬と差。気合乗りは良かったが。ダンツキッスイ程では無いにしても、ソコソコ速い馬だが、2走前の中京戦でダンツキッスイの暴走を見ているだけに喧嘩せず離れた2番手。折り合い的にはスムーズだったが、直線向いて前を追い掛けるどころか、追って内にモタれていた。まだ力が付き切っておらず、現状では自分のパターンにハマらぬと好走出来ない。

ミッキーチアフル

-8kg。悪い馬では無いが、歩様,馬体共力が付き切っていない印象。ただ、毛ヅヤが良く、デキ自体は良い。好発。出して行こうとしていたが、出脚が無くて中段やや後方。4角回ってエーシンフォワードと同じ位置に出て来たが、そこからの併せ馬で見劣った。手堅い印象も有って、ソコソコ人気になる馬だが、重賞では恵まれて3着がやっとの馬。

ドリームガードナー

造りとして悪いとは思わないが、馬が緩い。出脚はノットアローンと五分だったが、無理せず好位のイン。序盤は行きたがっていたにせよ、途中からは脚も矯められた様に見えたのだが、追って案外。前走京都戦も、メンバー思うとそこ迄は? という内容だったが、それをいきなりから暴露してしまった格好。

ポルトフィーノ

-6kg。トモの盛り上がりは如何にもこの厩舎。気配にも集中力が有った。戦前の報道通り控える策も、頭を上げて思い切り引っ掛かってしまった。直線向いて坂下迄追撃態勢造っていたのは地力だが、そこからがバッタリ。リズムを大事にしたいクロフネ産駒、こうなると競馬にならない。とはいえ、この競馬を試すには外枠自体もそうだが、直ぐ内のダンツキッスイが速くて連られる形になった点でも痛かった。次走改めて。

アポロドルチェ

2人曳き。気配は良かった。馬体も、寸詰まりだが、悪い訳では無い。ただ、歩様に伸びが無い。積極的に乗られて好位。ただずっと行きたがっていて、例に依って流れに乗れない。この中間は一頓挫有ったとの事だが、何れにしても競馬に進歩が無い。