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競馬回顧 2008年2回阪神・3回中山

皐月賞(JpnⅠ)

キャプテントゥーレ

-18kg。馬体減よりも、攻め強化して歩様がしっかりして来たのが大きい。出脚はスマイルジャックだったが、押してハナ。1000m通過61.4秒で場内が沸いたが、それだけ遅かった。スマイルジャック以外はロクなのが居ない好位勢、そのスマイルジャックが崩れたのだから、この馬にとっては楽も楽。ただ、レース後故障が判明。能力判定の意味が無くなってしまい...。

タケミカヅチ

シープスキンノーズバンド。-6kg。大物感は無いのだが、筋肉もそれなりに付いて無駄な肉が無く、キッチリ仕上げて来た。出脚有る馬だが、無理せず中段のイン。今日は折り合えた。4角外へ持ち出そうとしていたが、出し切れずに切り替えて最内から。ただこの辺りの脚が速く、運が悪ければ前が詰まっていた可能性も有った。前走内容から、これ以上距離が延びてどうかとは思うが、2000mに対応出来たのは収穫。

マイネルチャールズ

毛ヅヤが良く、デキ絶好。ただ何度も述べている様に、馬に迫力が無い。出脚有る馬だが、スタート直後にブラックシェルに押し込められて中段から。道中も結構揉まれ込んで、結果的に競馬が後手に回ってしまった。これでも最後良く差して来ている方だろう。次走も一応圏内。

レインボーペガサス

2人曳き。馬に集中力。馬体も悪くない。出脚が無く後方。1角辺り迄は口を割って行きたがるシーン。直線坂下迄全く動けず、最後何とか捌いてここ迄。戦前述べた様に、この馬が一番強いのだろうが、出脚の無さで最悪の展開を呼び込んでしまった。ただ、折り合い面から、次走東京で即狙い目となるかというとそれもまた微妙。それでもこのメンバーの中では一番有力なのだが。

レッツゴーキリシマ

オーストラリアンブリンカー。叩いて毛ヅヤが良化。多少ギスギス感が有るのだが、この馬何時もこんな感じ。出脚で好位。この距離は守備範囲外になるが、元々渋太いのと無理しなかったのが幸い。器用さは有るが、追って良い脚が長く使えず、直線の短いコースも良かった。この馬とすればこれだけ走れれば上等だろう。実に馬主孝行。

ブラックシェル

2人曳き。この馬にしては落ち着いている方。ただ、腹回りのボテッとした印象を思うと、もっとトモに筋肉が付いて良い。珍しく好発も、出脚が無く外から来られて中段やや後方。1角で少しゴチャついた。これもレインボーペガサス同様、坂下迄何も出来なかったクチだが、その坂下からの伸びでレインボーペガサスとは差。力量不足。

スマイルジャック

2人曳き。毛ヅヤ絶好。デキは変わらず良いが、テンション高い。出脚は一番速かった位だが、キャプテントゥーレが主張し、レッツゴーキリシマも行って3番手。完璧では無いにせよ、この馬としては折り合っていた方だが、直線ズルズル。距離?

ショウナンアルバ

シープスキンノーズバンド。トモの丸みは目立つ。馬だけなら最上位に近い。好発。ただ、スタート直後から引っ掛かって頭を上げていて、3角から待ち切れずに動く形。これでは直線失速も当然。競馬に進歩が無い。

読売マイラーズカップ(GⅡ)

カンパニー

+6kg。暖かくなって毛ヅヤが良化。前走中山戦程歩様がスムーズでは無く、絶好調とは思わぬが、及第点はやれる。例に依ってそこ迄の出脚では無いのだが、出して行って好位のイン。直線もスパッと前が開いた。今日はこの辺りの反応がどうなのかが見たかったのだが、これも分からず。ただ、ニシノマナムスメに詰められている様では程度が知れている。次走人気になる様なら危険。

ニシノマナムスメ

休み明けの前走中山戦から良い状態。何より気配が良い。出脚速そうだったが、無理せず中段。4角の手応えが良くて、追ってからもしっかり。あまりカンパニーの状態が良い様には見えなかったが、それでもここ迄詰められれば上出来。前走の敗因が良く判らぬ部分は有るが、今日の内容だけなら次走も圏内に。

エイシンドーバー

前走中山戦を思うと歩様が落ちた感も。馬体はこの馬にしてはしっかりとした造り。本来は出脚速い筈だが、今日はそこ迄では無く中段やや後方。最後は脚を見せたが、今日は位置取りの差。寒い時期に強い馬で、暖かくなって良くない馬だが、早くも落ち目の嫌いが。

ハイアーゲーム

遮眼革。-10kg。数字はこれでも良いが、何時にも増してトモの甘い歩様。出たなりで中段のイン。序盤は少し行きたがったが、前走中京戦とは違い、前外に馬が居ると折り合える。ただ、今日は前が開いていたのに追っての脚がジリジリ。下見の気配といい、ここに来てデキ落ち?

キングストレイル

下見は何時も悪く見せない。折り合い課題の馬で、ジワッと好位。ただそれでも、道中力んで走っていた。直線も頭が上がり、手応え程は伸びず。ここでも力量自体は遜色無い馬だが、気性面での問題が未だ解決出来ず。

マイネルポライト

毛ヅヤが良く、デキ自体は悪くないが、歩様に力が無く、重心が高い。無論、枠の利も有るが、この下見の割には出脚が有って中段。道中は少し掛かり気味。最後は坂で止まったが、直線向いて暫く待たされた割には良く伸びている。現状では馬が足らない感も有るのだが、トモがパンとすればここでも通用。

コンゴウリキシオー

+10kg。数字上は戻ったが、昨年ははちきれんばかりの造りだった。押してハナ。出脚はそこ迄速くないので、これは想定内。道中ペースも然程速くなく、単騎で行けたが、坂下迄。デキの問題に尽きる。

オースミグラスワン

2人曳き。今季はデキが良い。ただ、一時より歩様が落ちて来た。ゲート五分も、出脚が無くて後方から。少しでも渋化残ると駄目な馬で、今日も戦前から苦戦が想定出来たが、中々外に出せなかった事を思えば終い良く詰めている方。次走新潟でも有力。

ドリームジャーニー

2人曳き。毛ヅヤが良く、デキ自体は良いが、テンション高過ぎる。歩様の左右のバランスも悪い。大きく出遅れて最後方から。直線も全く伸びず。デキが無い。

桜花賞(JpnⅠ)

レジネッタ

チャカつく。ただ、この数字の割に造りはしっかり。折り合いに課題が有るので出脚使えず、出たなりで中段の外。馬群がバラけ、コーナーをコースロス無く回って来れたのが今日は大きい。直線だけ外へ持ち出して坂の途中で右手前になったが、変わらぬ伸びで差し切った。このスローの中、人気2頭が一番外へ行った段階で大波乱が確定。とにかくマイル戦にも関わらず、スタート直後に出した馬が4,5頭。折り合い面や人気馬に差し馬多かったとはいえ、余りに乗り役が消極的過ぎた。能力判定不能。

エフティマイア

-10kg。造りは悪くない。物見する位、落ち着いていたのも好感が持てたが、歩様が硬い。こちらは折り合いに不安が無く、少し出して中段。上手く馬群がバラけインへ潜り込めた。4角インで我慢し、直線外から一旦は抜け切った。惜しい内容。休養前はイレ込みが激しかったが、一息入れてレース前に無駄な力を使わなくなった。新潟2歳ステークスの覇者は強い内容なのにその後がサッパリというパターンが多かったのだが、好位折り合って当時からしっかり競馬が出来ていたこの馬は流石に本物だった。

ソーマジック

2人曳き。もう少し全体に力が付けば化け物だが、この相手なら上位。これも中段。従って外枠でもコースロス無く回って来れたクチ。ただ、追って一瞬の脚でレジネッタに出られ、ちょっと厳しい展開だったが、ジワジワ伸びて差の無いところ迄詰めて来た。ただ、坂を上がって内にモタれ気味。2走前の東京戦はそんな素振りは無く、現状は左回りの方が良さそう。距離延びても問題無さそうで、今日のメンバーの中では次走一番有力になる。

ハートオブクィーン

-10kg。走っていないだけで、何時も下見は良く見せる。レジネッタの項で述べた様にスタート直後に押していた馬が4,5頭しか居なかったが、その内の1頭。その影響でこのペースの割にかなりバラけた展開だったが、3番手のイン。ずっとコースロス無く回り、インからジワジワ伸びて来たが、ここ迄。最後は決め手の差だろうが、良馬場でも結果が出せたのは収穫。

リトルアマポーラ

+8kg。数字は回復分。小じんまりだが、一応は悪くない状態。出遅れて後方。後方で馬群が固まった上、中段の馬も外へ持ち出して、直線は大外馬場の8分どころから。これでは流石に厳しく、今日はこれでも良く差してきている方。戦前述べた様に、元々東京戦で期待されていた馬で、これも次走注目。

トールポピー

2人曳き。-10kg。良く見せる馬だが、今日は細い。ゲート出たが、出脚が無くて後方から。直線は大外だったが、道中はコースロス無く回っていて、リトルアマポーラやソーマジックとの比較を思うと伸びていない。馬体減が利いていそう。

ブラックエンブレム

2人曳き。シープスキンノーズバンド。+8kg。この中間、調整方法が話題になったが、下見だけなら問題無し。案の定出遅れ。道中は割り切って後方のイン。直線もインを突いたが、伸び案外。結果的に追い切りをやらなかったのが裏目。勿論、負荷掛けて別の悪さが出ていた可能性も有るのだが...。

サンケイスポーツ杯阪神牝馬ステークス(GⅡ)

エイジアンウインズ

2人曳き。馬体もそうだが、少しトモが甘い歩様。ただ、皮膚が薄くデキ自体は良い。出脚は大して速くなさそうだが、誰も行く気が無くハナ。1000m通過58.5秒も遅いが、スタート直ぐ1F12.8秒の遅さでハナへ行けたのだから楽。最後詰められたのは一頭抜けた分も有って、着差よりは強い内容なのだが、前半余りにも恵まれた。次走はハナへも行けないだろう。

ブルーメンブラット

変わらず馬体にボリューム感が有る。ただ、何時もより歩様が硬い。もう少し前に行きたいところだろうが、折り合い課題の馬で、出脚が使えず中段。スローで馬群が密集し、ずっと動けなかったが、4角の手応えが今日は良かった。この展開を、直線単騎で追い込んでこの差なら上々と言える。ただ、折り合ったとしても1400mがベスト。マイルは1F長い。

パーフェクトジョイ

オーストラリアンブリンカー。数字の無い馬だが、造りはしっかり。ゲート出ているが、出脚が無くて後方から。4角回ってブルーメンブラットとは同じ位置に出て来たにも関わらず一瞬で突き放されたが、ずっと外を回らされていた事を思えば3着確保しただけでも立派。実績からしてそうだが、道中の雰囲気も距離がもう少し有った方が良さそう。

キストゥヘヴン

2人曳き。シープスキンノーズバンド。一言で言えば今季はデキが良い。1800mの後なのか、出脚が甘くて後方から。ただ、外へも出し切れず、馬群を割る形に。比較的捌いた方だが、コース利は有っても真っ直ぐ伸びる外の馬とは勢いが違った。今日は展開。次走同斤で逆襲へ。

ジョリーダンス

多少煩いのは気にならないが、歩様が硬い。中段馬群の中。道中ゴチャつくシーンも。直線イン突いたのも半ば苦し紛れで伸びる気配は無かった。以前に述べた様に揉まれ弱さが有り、今日はそれがモロに出た。参考外。

ローブデコルテ

2人曳き。変わらず好調。落ち着いているのも良い傾向。積極的に乗られて好位の外。スローのあの位置は意外に伸びないが相場だが、それにしても案外。行かせると駄目?

ニュージーランドトロフィー(JpnⅡ)

サトノプログレス

シープスキンノーズバンド。この馬とすればこれでもスッキリ見せている方。まだ絞れても良い位。出たなりで好位のイン。ダンツキッスイ1頭が飛ばすハイペースの中、今日は展開がハマッた。前走の差す印象が強く、この競馬が出来たのは収穫だが、好位取れたのも枠順とダンツキッスイが行った分が有り、出脚自体は怪しい。今年、面白い様に中山で重賞勝っている横山典弘騎手の騎乗でも有り、この馬の能力としては過大評価出来ない。

エーシンフォワード

前走阪神戦もそうだったが、大物感は無いものの、バランスの取れた造り。出脚で差が有って中段の外。直線一番外へ持ち出し、逆手前で伸びてきながら、坂上で手前を替えてもう一伸び。ハイペースで展開向いたのは確かだが、今の中山マイルで外回ってここ迄差を詰められれば上出来。サトノプログレスとは五分の評価をして良い。意外に前走阪神戦はレベルが高かった?

アサクサダンディ

2人曳き。煩いが、集中力有った。トモの張りも変わらず目立つ。出脚が無くて後方から。前に居たリーサムクラウンが故障してリズムを崩し、直線向いても中々前が開かず、最悪の展開に。最後50mの脚は1頭違っていた。今日の競馬だけを言えばこの馬が一番強い。常識的には次走狙い目になるのだが、この手の不利を食らい続ける馬は案外スムーズでも伸びないケースが。

ホッカイカンティ

馬体充実していて、下見は何時も良く見せるタイプ。出遅れて後方から。ハイペースで下手に先行していたら恐らく掲示板無かった筈で、結果的にこれが正解。ただ、僅差とはいえエーシンフォワードには伸び負け。この競馬が出来たのは収穫だが、能力差は有る。

レオマイスター

-8kg。目立つ馬では無いが、細いという感じでも無い。出負けし、腹括ってインへ。故障したリーサムクラウンも上手く捌き、直線入り口では中段に取り付いていた。トビの大きい馬で中山向きでは無いのだが、今日は北村宏司騎手、上手く乗った。

ダノンゴーゴー

2人曳き。気配含めて、下見は問題無いのだが。出遅れて最後方。最後方なら折り合うというパターンも有るのだが、やはり行きたがった。現状マイルは長いが、ここ迄差したのは能力の証明。強い。

ダンツキッスイ

2人曳き。-6kg。下見は例に依って落ち着いている。デキ自体は悪くないが、輸送で多少細い気も。好発。戦前の想定通りハナも、最内枠スペシャルブレイドの出脚も速く、前走阪神戦よりは楽に行けていない。前半1000m通過が57.7秒自体はこの馬のパターンを思うと然程速くないが、序盤のロスで止まった印象。ただ、乗り役に言わせると馬場を気にしていたとの事。出脚の甘さもここから来ているとするならパンパンの良馬場で巻き返す余地が有る。

ゴスホークケン

+10kg。特別太いという訳でも無く、見た目には走れる状態。出脚で好位の外。今日の阪神戦ローブデコルテ同様、意外に伸びないパターンは多いのだが、それにしてもサッパリだった。ハナ切らないと駄目?

産経大阪杯(GⅡ)

ダイワスカーレット

2人曳き。+12kg。一枚重いが、益々この厩舎らしい造りになって来た。出脚が速く、持ったままでハナ。少し行きたがる面は有るが、ハナへ立てば問題無し。エイシンデピュティにインをスクわれそうになり、何時ものこの馬にしては最後苦しくなったが、一応は完勝。苦しくなったのは、太い分とアサクサキングスに道中来られていた分が有ったにしても、前に進んで行かない嫌いが有ったのは確か。近走長い距離を使われている事も有り、次走マイルで追走に骨を折るケースも。

エイシンデピュティ

2人曳き。変わらず毛ヅヤが良い。馬体も変わらず。押して内の馬は叩いたが、ダイワスカーレットが多少行きたがっていた事も有って、譲って2番手。今日は、決め手で甘いアサクサキングスやメイショウサムソンが早目に動いて、ダイワスカーレットの意識が外へ行き、上手くインをスクう形になったのが良かった。何度も述べている様に、マイルの馬が今年強い分も有るのだが、マイルだと出脚の鈍さで行き切れない時が有るので、この馬自身もこの辺りの距離の方が競馬がし易い。

アサクサキングス

2人曳き。+16kg。重いが、腹回りに余裕が有るだけで、馬体に張りが有る。もっと出脚が甘い印象だったが、思ったよりは楽に好位。早目に動いた割に、ダイワスカーレットには突き放されたが、後続を抑え切った点は評価出来る。取り敢えず今日は2000mで楽に行ける出脚が確認出来ただけで充分だろう。昨秋からハナへ行かなくても競馬出来る様になっているのも良い。

ドリームパスポート

完歩の小さい歩様は何時も通り。良い時の活気が有るのが良い。珍しく出脚が無くて後方から。腹括ってインへ入れた分も有るのだが、今日は折り合いが付いた。4角前も開いていたが、直線は前の馬と同じ脚しか使えず。何度も述べている様に、マイラーだと思うのだが、今日は出脚が無かったのが気になるところ。これではマイルに使ったとしても、GⅠでは苦しい。

ブライトトゥモロー

太い。その分メリハリがなく映る。デキ云々はまず削ってから。このスロー嫌って、早目外へ出して、積極的に乗られたが、ここ迄。所詮GⅢ級の馬で、今日の展開なら走っている方だろう。連覇目指して新潟戦が目標だそうだが、有力。

メイショウサムソン

2人曳き。悪くは無いが、馬体のバランスが変わって来た。腹回りは相変わらずな割にトモが薄くなって来ている。妙に落ち着いているのもどうか。出脚でエイシンデピュティに叩かれて好位から。結果から言えば追って伸びなかった訳だが、好調時はもっと掛かる位の行き振りの馬が妙に折り合っていて、出脚の甘さも含めてデキが無いのだろう。現状、良い所が無い。

サンライズマックス

2人曳き。全体に緩い感じを筋肉に出来ればとは思うが、毛ヅヤが良く、見た目には走れる状態。ゲート悪いのは何時もの事。ただ、今日は4角で既に手応えが悪かった。デキ?

ダービー卿チャレンジトロフィー(GⅢ)

サイレントプライド

2人曳き。シープスキンノーズバンド。テンション高いのは何時もの事。馬の造りも悪くない。ゲートはむしろ悪かった部類だが、カンファーベストがハナへ立てる位に2F辺り迄が異様に遅く、折り合いで喧嘩するよりはとハナへ。それでも1000m通過が59.6秒とスロー。良くも悪くも重賞入着級の能力だが、これだけ楽が出来れば流石に逃げ切れる。次走は当然論外だが、恐らく人気にもならないだろう。

ドラゴンウェルズ

一枚重く映るが、体型分も。張りは有った。出脚は一番速かった位だが、行きたがるのを宥めて好位。折り合いという点では外枠の馬に来られる展開も痛かったが、それらに行かせてからは折り合い付いた。ただ、ベストが1400mとはいえ、サイレントプライドに逃げ切られている様では駄目。重賞は遠い。

ダンスフォーウィン

迫力は無いが、バランスの取れた造り。デキは良い。ゲート少し悪かったが、サイレントプライドの後を追い掛ける形で好位のイン。カンファーベストやドラゴンウェルズが引いてくれて、持ったままでこの位置が取れたのは大きい。過去の成績が示す通り、重賞では基本的に用無しの馬。今日はそれだけ前が楽をしていたという事。

リザーブカード

パシュファイヤー。今日は馬に集中力。皮膚を薄く見せ、デキは絶好。枠内柱立不良。ゲート自体は速かったが、出脚でやられ、外から次々に馬が来て結局は中段。直線、内から詰めては来たが、並ぶ迄は行かず。以前より折り合いが付く様になっているのは良いが、中山1600mの1番枠は競艇同様勝って当たり前の枠。4着では駄目。

カンファーベスト

-8kg。気配がどうというより、中身が無くなった。ゲートは普通だったが、誰も行かなかった事も有って、少し押したらハナも、結局はサイレントプライドが行って好位から。展開的には絶好だったが、追ってジリジリ。ハンデ背負っているとはいえ、もう少し走っても良い筈だが、デキ?

オーシャンエイプス

馬体の張りが万全では無いが、休み明け思えば及第点。歩様の伸びやかさが目に付く。出遅れて後方2番手。ずっと外を回されて4角も大外。今日の展開でこれでは厳しい。度外視して良いだろう。ハンデも見込まれていた。

マルカシェンク

-6kg。ずっと述べている様に今季は休み明けから上々。スタート直後に躓いて最後方から。今日はこの段階で圏外。その前に居たオーシャンエイプスと同じ脚を使っていて、能力の一旦は示しているが、それよりも問題は福永騎手。重賞1番人気の馬で2週連続同じ粗相とは...。

キングストレイル

+6kg。一息入ったが、馬はしっかり。雰囲気も悪くなかったが。出負けも立て直して中段の外。位置取り的に良くなかったのも有るが、追って頭が上がる分、止まるのも早い。元々がこの程度。

高松宮記念(GⅠ)

ファイングレイン

相変わらず姿勢が高いが、前走京都戦よりは歩様に力強さが。ゲート五分。内のスズカフェニックスとプレミアムボックスが出遅れて、この馬の出脚でも中段。開催10日目だが、雨に祟られず内目も比較的良い馬場状態。コースロス無く回って来て、最後はクビ差。決め手は当然通用だが、位置取りが課題だった馬。今日は展開が向いた感は有る。1200mの出脚では無い筈。

キンシャサノキセキ

2人曳き。+6kg。中間挫石が有ったとの事だが、多少重いにしても一応は走れる状態。フサイチリシャールの出脚に乗って好位。序盤に無理していない分折り合いも付いた。追ってからもしっかり伸びたが、最後にファイングレイン。漸くにして地力発揮の形だが、デキが万全で無かった分掴まった印象。惜しい。

スズカフェニックス

何時もよりテンション高目だが、最近のユッタリした造りは変わらず。スタート直後に躓いて後方から。4角でも依然後方、この段階でほぼ馬券圏外だったが、ここ迄追い込んで来た。テン乗りの本命馬で、乗り役が気負った感は有るのだが、今日は地力を見せた一戦。馬は頑張っている。

ローレルゲレイロ

2人曳き。オーストラリアンブリンカー。気配抜群。馬体の充実振りも目立つ。好発。それでもエムオーウイナーの方が出脚が速く、ハナ切るのに脚を使い、道中もエムオーウイナーだけで無く、フサイチリシャールに絡まれる展開。ただ、4角我慢させたら、フサイチリシャールに一気に行かれ、競馬が後手に回ったが、スプリントがベストでは無いだけに仕方が無いところ。この我慢が有ったから4着残れたという見方も出来、今日は一応良く走っている方だろう。ただ、レース後故障が判明。二兎を追って全部逃してしまった形。

スーパーホーネット

-6kg。数字分を実に出来ていた前走京都戦の方がデキが良かったという事になるのだが、一応は及第点。出脚でやられて中段。まあ、ペース自体が大して速くなかった事も有るが、思ったより楽に追走出来た分、終いが伸びた印象。ただ、更に後方に居たスズカフェニックスに差されたのは課題。休み明けは言い訳になるのだが...。

マーチステークス(GⅢ)

ナナヨーヒマワリ

毛ヅヤ冴え、間違い無くデキが良い。重量感有る造りにも好感。例に依って最後方から。3角過ぎから動いて行ったが、取り付く脚が速く、直線では余裕の手応えで既に中段。 逆手前のまま差し切った。勿論、今日はフィフティーワナーの早仕掛けが大きいのだが、マクる脚が有るのが良い。特に交流戦はこの脚が重要。

マコトスパルビエロ

+8kg。もっと増えても良い位。前走船橋戦が細過ぎた。フィフティーワナーの方が出脚が速く、これを行かせてマーク策。早目に動いたフィフティーワナーをひたすら追い掛けて、坂で競り落としたが、最後にナナヨーヒマワリ。ジックリ行けばフィフティーワナーに押し切られていた可能性が高く、今日は一応これで正着手。地力は見せた。

フィフティーワナー

2人曳き。馬振りは流石だが、今日はイレ込み過ぎ。ここなら出脚は断然だが、ジワッと乗って3番手。3角過ぎに前を見切って先頭も、ずっとマコトスパルビエロがマークしていて、息が入らなくなった。綺麗に乗ろうとして結果的に最悪の展開を呼び込んだ。この競馬が出来る事が判ったのは収穫だが、今日は勝てた競馬。

レオエンペラー

2人曳き。シープスキンノーズバンド。-8kg。馬自体は目立たないが、毛ヅヤが良い。煩い位の気合もデキの良さ故だろう。出脚は並だが、枠の利で好位直後。ただ、勝負どころで前が詰まり、少し待たされて競馬が後手に。直線は伸びていて、フィフティーワナーを後一歩のところ迄追い詰めた。勿論、ハンデ差は有るのだが、交流重賞なら足りるレベルは有る。

アドマイヤスバル

-8kg。距離を意識して絞って来た。皮膚も薄く見せ良い状態を維持。この距離なら出脚速い部類だが、無理せず好位直後。折り合いは付いていたが、4角で既に脚が無かった。距離が長い。

毎日杯(JpnⅢ)

ディープスカイ

ゆったりした歩様。ここなら馬が違うが、究極を言えばもっと絞った方が。阪神1800mというプラットフォームの特性も有るが、この馬の出脚でも中段。道中も追走楽だったが、4角自信持って外へ出した段階で今日は勝負有り。トビが大きく、距離延長で漸く本領を発揮出来た。次走東京戦だそうだが、東京ならマイルでも有力視出来る一頭。ただ、それよりも2400mの方が更に向く。二兎追っ掛けて全部逃すという事態にならなければ良いが。

アドマイヤコマンド

途中から2人曳き。前走思うと大分締まって来た。馬自体はここでも通用。ゲートは悪かった位だが、舌がハミを越しながらも中段。直線向いて暫く前が開かなかったが、立て直して外へ持ち出してからは前走同様の伸び。最後は脚を余していただけに、もう少し際どくなっていた可能性も有った。ただ、戦前に述べた様に叩き付ける走法。ダートの方がよりベターだろう。

ミダースタッチ

2人曳き。気配は良い。馬にもう少しメリハリが欲しい。出遅れて最後方から。勝負どころではステッキが飛んでいて、行き振り悪かった筈だが、直線大外からアドマイヤコマンドに食い下がった。まあ、脚勢を言えばアドマイヤコマンドの方が遥かに余裕が有ったのだが、初芝でこれだけやれれば上等。自己条件は確勝級。重賞でも入着級は有る。

ヤマニンキングリー

この中間、一頓挫有ったとの事だが、造りが緩い。歩様にも力が無く、その分重心が高い。無理せず中段でジックリと。直線向いて前の馬がフラフラしていて、それに乗り役が連られて右往左往していた面は有るのだが、間を割る脚が無かったのも確か。前走京都戦の内容からもっと走る筈で、今日は案外。アクシデントの影響が応えているのだろう。

ロードバリオス

2人曳き。皮膚が一枚厚い様に映る。余り良い様には見えない。少しアオり気味も、出脚でハナ。モタれているのか、道中妙に乗り辛そうにしていたが、その割に最後迄止まっていない。未完成だが、力は有る。

マイネルスターリー

+8kg。少し無駄な肉が付いた印象も有るが、バランス取れた造り。出脚甘い馬だが、出して行って中段。折り合いは付いていたが、出して行った分なのか追っての脚が無かった。馬が本当なら、これでも伸びる筈だが、伸びないという事は、そういう事だ。

日経賞(GⅡ)

マツリダゴッホ

シープスキンノーズバンド。はち切れんばかりのボリューム有る造り。毛ヅヤもピカピカ。序盤は出脚使わず中段グループに居たが、少し行きたがって、バラけた4番手。シルクフェイマスが引っ張った分も有って、これで折り合いは付いた。回り脚で勝負の馬だが、3角から動き、例に依って4角手前から直線入り口の脚が速い。約1秒違う脚だから後続は半ば置き去り。東京限定馬というのは過去にも多かったが、中山限定馬というのは中々珍しい。

トウショウナイト

-8kg。かなり研ぎ澄まされて来た。毛ヅヤ相変わらず良く、歩様もスムーズ。この枠でも有り、出して行って中段のイン。出した分少し行きたがる場面も有ったが、大きくロスする程では。勝負どころでマツリダゴッホの回り脚には流石に付いて行けなかったが、2番手グループの中では格が違っていて、2着は悠々確保。パンチ力は無いが、相変わらず堅実。

アドマイヤモナーク

歩様は何時もこんな感じ。馬も前走東京戦と変わらず。出脚も無かったが、行き場を無くして後方から。2周目4角も付いて行くのがやっとだったが、マツリダゴッホ以外は皆一緒で仕方が無い。最後地力で差して来ているが、実質競馬が終わった後。3400m戦の後で、元々の出脚が鈍い分が有るにしても、村田騎手、中山2500mでこの位置取りは酷い。今日は2着をトウショウナイトとこの馬でどちらが取るかの競馬。3着なら非難されて仕方無し。

コスモバルク

腹回りボテッと映るのは気になるが、下見は落ち着いていた。何とか宥めようと、インに入れていたが、この枠からインに入る迄行ける段階で既にそれなりの脚を使っている。ただ、シルクフェイマスが暴走して、1角過ぎからスムーズに行けた事を思えば、この馬としてはこれでもスムーズに競馬している方。トウショウナイトも今季は充実しているのだが、これに抵抗出来ない様では能力が落ちて来ている。次走新嘉坡戦だそうだが、些か悲観的。

ブラックタイド

-10kg。歩様が伸びていた。まだ造り自体は緩慢な部分も有るが、一応は悪くないデキ。行きたがるのを宥めながらトウショウナイトと前後する位置。コーナーの脚はトウショウナイトと同じ程度だったが、直線向いてからの脚が無かった。現状の力がこんなモノ。

タスカータソルテ

前走中京戦時と良くも悪くも変わらず。半馬身程出負けして後方。距離を嫌って急かさずジックリだが、折り合いは付いた。道中は枠なりも、早目に外へ出してマクりに行く競馬。最後は止まったが、自分で動く競馬は殆ど初めてだろう。これが良い経験になれば。