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競馬回顧 2010年1回京都・1回中山

第17回平安ステークス(GⅢ)

ロールオブザダイス

この数字の割に重量感が有る。歩様も中々力強い。行きたい馬がそれぞれ行って中段のイン。道中ジッとして直線だけ叩き出される形。交流戦の印象が強く、京都の瞬発力勝負はどうかと思ったのだが、1頭分程しかない狭いところをコジ開けて来た。乗り役も上手く乗ったとはいえ、意外な内容。今日の中山もそうだが、GⅠ帰りが今年のトレンド。

ダイシンオレンジ

この時期にしては毛ヅヤが良い。スタート直後から少し行きたがっていたが、宥めて好位から。道中スムーズに運んでそれなりの伸びだが、ロールオブザダイスに内をスクわれて2着。結果論になるが、4角でネイキッドを内に押し込めるべきところを入られてしまい、1頭分だけ外を回る格好になったのが痛い。これが無ければ勝ちも有ったのだが、とはいえ示したパフォーマンスは悪くない。オープンいきなりでこれだけやれれば充分。賞金加算出来たのも大きい。

ネイキッド

+14kg。太くは映らないが、全体に緩い印象。出ムチ一発入れて好位のイン。これでこの馬のパターンなのだが、直線はジリジリだった。今日はデキが万全ではなかった影響も有るが、瞬発力勝負で甘いのもこの馬の特徴。交流戦向きの馬だが、現状では賞金が足らないのが...。

ダイショウジェット

数字通りで、何時も通り。もう少し絞れた方がベストだが、これで意外に機動力が有る。ジワッと好位直後。道中折り合って悪くない雰囲気だったが、直線が案外。好走時にはインから来る事が多いのも確かだが、もう少しやれて良かった。ベストは東京?

トーセンアーチャー

2人曳き。遮眼革。+8kg。テンション高いが、馬体には迫力。何時もの事だが、出遅れダッシュ付かず3馬身不利。それでも道中はロールオブザダイスの近くに居たが、砂を被るとダメとの事で、4角の手応えがサッパリ。逆に言えばバラけてからの伸びは悪くなかった。これも東京で一度走らせたい馬。

アドバンスウェイ

毛ヅヤは悪くないが、全体に緩慢。出脚は速いのだが、トシナギサが好発、この馬が出遅れて2番手からだが、この形ではどうしても馬が力んでしまう。トシナギサが早目に脱落し、ウォータクティクスの目標にされたのも余計に辛かっただろう。ただ、そのウォータクティクスとトシナギサには先着。意外に悪くない内容。次走狙い目に。

ウォータクティクス

2人曳き。歩様も以前思えばスムーズ。これで良い筈だが。一番速い位に思っていたが、意外に出脚が鈍く、道中は好位止まり。道中多少行きたがるのは止むを得ぬところだろう。それでも直線向いてアドバンスウェイに並び掛けて一瞬はハナ覗かせたが、そこからが無かった。最後はアドバンスウェイにも差し返されていて、案外感が残る。昨春に京都でレコード勝ちした時にはダート界を背負って立つ馬だと思ったのだが、その直後の中京戦でボコボコにされた歯車が未だ噛み合わず。

トシナギサ

+14kg。休養前のギスギス感が消え、これなら。好発。ゲートで1馬身抜けてハナへ。道中アドバンスウェイがビッシリ来たとはいえ、ペース自体は速くなかった筈。少なくともアドバンスウェイには先着して当然なのだが、4角で既に後退。下見の雰囲気とは違い、レース内容は変化無くて...。

第51回アメリカジョッキークラブカップ(GⅡ)

ネヴァブション

昨年思えば少し落ちるのだが、それでも近況の中ではかなり良い方。横山典弘騎手お得意の、出脚の無い馬を出せるだけ出してインに潜る形。結果的に道中は好位直後で運び、4角でキャプテントゥーレの内へ。ここで相手をシャドウゲイトに絞った判断も見事だった。最後はクビ差だっただけに、全てが噛み合わねば2着止まりで終わっていた筈。レース後に横山典騎手が妙に嬉しそうにしていたが、余程仕事に手応えが有ったのだろう。今日は何十手の詰将棋を一手たりとも間違わずに解いた様な競馬。

シャドウゲイト

2人曳き。多少太いが、張りは抜群。昨年からデキだけはずっと良かった。枠の分は有るのだが、少し出脚が鈍いのか押して2番手。そこからベルモントルパンがスローに落とそうとしたところを2角で叩いてハナ。何時もは4角でマクりに行って失敗するのだが、この策の方がやはり無難。前走でキツいペースを経験したのも良い方に繋がっただろう。ネヴァブションが少しでも競馬を間違えていたら単迄有った。人気薄での好走だが、むしろ惜しい競馬に。

トウショウシロッコ

使い詰めだが、デキは変わらず。実績上の数字からはもう一絞り有って良いのだが、張りは有る。スタート直後は押して押してだったが、先行激化しそうな雰囲気を察知して控える形。折角の内枠だけに、ネヴァブションの位置で競馬したかったところだが、それでもこれをマークする競馬は出来ており、4角で直後。ただ、坂を上る脚が甘く、そこで一気に突き放された。相変わらず本当の重賞級ではないのだが、それでもコンスタントに同じ能力を発揮出来ている。使っている内に地力も付いて来る筈で、何時か順番が回って来そう。

マイネルキッツ

気配を表に出し、歩様もスムーズ。完全復調成った。出脚もサッパリだったが、道中も追走に汲々。コーナーの脚も無く、4角苦し紛れに大外。ほぼ競馬が終わった後だったが、直線だけでこれだけ伸びていれば上等だろう。中山で人気になる方が間違いで、今日は地力の一旦を示した競馬。京都で再度あの策が決まるかどうかは微妙だが、取り敢えず態勢は整えつつ有る。

ゴールデンダリア

ほぼ何時も通り。歩様も伸びていて悪くない。出脚はともかく、道中は後方でジックリと。自分の競馬に徹し、追い出しを少し待っていた程だったが、その割に伸びず。現状壁が有るという事なのだろうが、この馬自身も東京向き。

キャプテントゥーレ

2人曳き。-12kg。見た目には細くなく、歩様もしっかりして来た様に思えるが。出脚は一番速かったが、行く馬が居て控える形。道中折り合っていた様に見えたが、4角の手応えが怪しく、坂下でバッタリ。単騎なら話は違う筈だが、この形では距離不安がモロに出た格好。ただ、イマドキ2200mをこなせぬ様では先行き暗い。

第57回日経新春杯(GⅡ)

メイショウベルーガ

小走り入っていたが、デキは昨季から上々。歩いた時の踏み込みも力強い。例に依って出遅れ。最初からソコソコ流れる展開だったが、我関せずで後方から。追い込みのイメージ強い池添騎手だが、実際はマクり。それでも今日はコーナーで動かず、直線だけでの追い出しとなったが、これは手応えに相当余裕が有ったのだろう。抜け出す脚が実に速かった。完勝。限定戦はスローが多く、追い込みのこの馬にとっては宜しくない展開も多かったが、混合戦の方がむしろ競馬がし易そう。

トップカミング

2人曳き。シープスキンノーズバンド。決して太くは見せず、トモの甘さも幾分マシに。スタートしてから全く出す気が無く、中段やや後方から。向正面で中段迄番手を上げ、直線向いてからも伸びているが、一瞬の内にメイショウベルーガが外を駆け抜けていた。折り合い面はスムーズだったので、今日は決め手の差以外に敗因が無い。もう少し器用さ活かせる展開に持ち込みたかったところ。

レッドアゲート

スカッとした造り。特に減点材料も無く、デキは良さそう。内の出方を窺って、流れたのを確認してから後方のイン。軽ハンデ馬らしく、イチかバチかのイン狙い。4角で一瞬反応悪い様にも見えたが、ジリジリでもここ迄。最後迄諦めず走っていた点に好感。

サンライズマックス

2人曳き。+8kg。少し太いのはまだ許容範囲内だが、気負い気味。その分、硬さが有る様に見える。前走阪神戦の轍を踏まぬ様下げて後方から。ただ道中で引っ掛かる場面が多数。一瞬落ち着いたと思っても、またハミを噛んでしまう。挙句に直線で前が詰まる不利。底力で4着迄来たが、踏んだり蹴ったりの競馬に。

ゴールデンゲート

+8kg。多少太い分は有るが、デキ自体は良くも悪くも変わらず。前走中山戦の様に先行したかっただろうが、出脚負けして中段やや後方から。ただ、今日は差し馬有利の展開。決め手で難が有るので、見た目にはモドカしいのだが、掲示板は確保。現状のこの馬としては悪くない内容。

ベストメンバー

+18kg。腹回りにダブつき有る割にトモが薄い。脚長の体型で成長は有ろうが、鍛錬不足。道中は中段から。このペースでも、ずっと行きたがっていた。終い伸びぬのは仕方が無かろう。これを叩いて変われば。

第50回京成杯(GⅢ)

エイシンフラッシュ

取り敢えず現状としては文句無し。ただ、スケールはアドマイヤテンクウの方が上かも。出脚利かせて好位の外。このスローを折り合っていたとはいえ、こういう展開は間に1頭噛んでいるログが結構邪魔になるのだが、4角の回り脚が速く、逆に一瞬モタついたアドマイヤテンクウに並び掛けて併せ馬。意外に相手も渋太かったのだが、余裕の有る併せ馬だった印象。中山での器用さなら圧倒的に上だろう。GⅠでも中山なら単穴級。

アドマイヤテンクウ

+8kg。少し緩いのだが、雄大な馬体に大物の相。ノンビリした気配に成長の跡。ゲートが下手で、出脚も怪しかったが、押してハナ。1000m通過が63.2秒とスロー。本来なら直線入口で突き放す展開が理想だった筈だが、コーナリングが下手でその隙にエイシンフラッシュに並び掛けられ、競りでは経験有るエイシンフラッシュに一日の長が有った。ただ、年を越して一気に馬が替わるのは父キングカメハメハが辿った道。その父の現役時代唯一の敗戦が中山のこのレース。東京で変わり身期待するのは当然。

レッドスパークル

+14kg。ほぼ成長分。馬がしっかりして来た。ただ、この時期の2000mだけにテンション高いのは減点。ゲートでアオり後方から。インに居た利は少なくないが、内枠で動くに動けず、このスローの中、直線向いてからの仕掛けでは一手遅い。3着だが、前が開いた時には競馬が終わっていた。スタートの失敗が下見のイレ込みと連動している事は想像に硬くなく、落ち着きが欲しいのは確かだが、肉体面は成長している。本番迄未だ3ヶ月有り、今後の調教次第では充分間に合う。

フラガラッハ

馬体は然程目立たぬが、しなやかさの有る歩様。道中は中段。行きたがるのを宥めつつ、エイシンフラッシュをマークする格好。この時期の3歳馬の場合はまずスムーズに走りたいところだが、同じ事を考えた乗り役も多く、一番外を回された。それを思えば良く走っている。自己条件は楽勝級。

アースステップ

使って馬体に張り。ただ、馬振りで上位と差。アオり気味だったが、出脚で好位のイン。立ち回りは完璧だったが、直線向いてからは前と離される一方。力量差は歴然。

第26回フェアリーステークス(GⅢ)

コスモネモシン

デキは間違い無く抜群。ただ、イレ込んでいたのと、馬が小さいので、目立たない。好発も、控えて中段のイン。道中は手応え抜群だったが、勝負どころでも内で我慢。直線だけ叩き出されて最後にクビ差。有力馬が外枠に苦しむ中、上手く乗った感は有るのだが、センスが良い。あとは関西への輸送が悪い方に出なければ。

アプリコットフィズ

落ち着いたのが何より。430kgの馬だが、存在感が他馬とは違う。踏み込みに柔らか味が有って尚且つ力強い。ここらが素質の差。引っ掛かりそうになるのを宥めつつ、人気でも有り中段の外。ただ、今日はこのハイペースをマトモに追い掛ける形になってしまった。相当強い競馬はしているが、急遽の乗り替わりとこの展開。運の悪さが見え隠れしており...。

テイラーバートン

馬は見栄えするが、その割に歩様が非力。もう少し鍛錬が必要。ゲート入り梃子摺るが、その割にゲート出て中段から。道中は行きたがるのを宥められながらの追走。4角からアプリコットフィズを目標に、捌いて進出したが、アプリコットフィズには届かず。現状アプリコットフィズとは差が有る様に思うのだが、今日は長距離輸送と差す競馬が初めてだった。今日1走は猶予を。

メジロオードリー

シープスキンノーズバンド。+8kg。毛ヅヤが良く、現状のデキは良さそうだが、もっと増えても良い造り。出脚で負けて中段のイン。そのままインが突けると良かったが、前が壁と見て直線だけ外へ。ただ、幾ら前崩れの展開でも、テイラーバートンの後追いでは一手遅い。取り敢えず500万にはメドが立った。ただ、血統馬なので人気になりそう。オープンで人気被る様だと...。

トーセンフリージア

馬に集中力。毛ヅヤが多少怪しいが、馬体は負けていない。出遅れたが、出脚も無く後方から。ただ、道中もズブさを見せており、直線もジリジリ。長い距離を使われている馬だが、確かに距離は延びた方が良さそう。

カホマックス

2人曳き。+8kg。元々肉付きの良い馬だが、少し太く映る。少し出してハナ。ただ、そこからが全くブレーキ利かず、前半33秒台で飛ばして大逃げの格好。これも乗り替わりが仇となったか。

第44回日刊スポーツ賞シンザン記念(GⅢ)

ガルボ

2人曳き。-12kg。この時期の馬体減が良いとは思わないが、トモの丸みは残していた。馬も堪えが利いていた。出脚速く、引っ張り切りの手応えで好位のイン。直線に向いてからの抜け出す脚が速かった。普通に回って普通に強かった印象。朝日杯がそれ程レベルが高いとは思わなかったのだが...。この馬自身が平坦向きなのか、他が弱いのか?

シャイン

2人曳き。これでも歩様は前走中京戦よりマシ。ステイゴールド産駒の様な小さく纏まった馬で、瞬発力が有りそう。ジワッと出してハナ。1000通過59.4秒なら絶妙といえるペース。ガルボはともかく、他馬は寄せ付けずに走っており、前走がフロックでないところは見せた。無論、現代競馬は前に行った方が圧倒的に有利なのだが、差した方がこの馬の味は出せる筈。何れにしても出脚が有って終いがしっかりしている点は強調しておきたい。

セレスロンディー

体高低いが、馬体そのものは完成度が高い。毛ヅヤの良さも光った。アオり気味に出て中段のイン。道中はコースロス無く回して、直線それなりの伸び。外が苦しい展開で、枠順活かしての3着。一戦毎に内容良くなっているのは確か。それ以上は疑問の余地も有るが、500万突破のメドは一応立てた。

クレバーサンデー

2人曳き。少しトモが付いて来ない歩様。馬体もまだ緩い。出脚で分が悪かったが、押して好位直後。丁度ガルボを見ながらの競馬だったが、道中の手応えが違い過ぎた。直線伸びずバテずで粘っていたが、寸前でセレスロンディーに内から差され4着に。未勝利上がりでこれだけやれれば上等だが、出脚が怪しい。次走自己条件で人気になる様なら嫌う手も。

カネトシディオス

小さい馬だが、デキは上々。キビキビ歩けている点に好感。後方で待機。外枠とはいえ、道中は下げていた分、然程外を回っていなかったが、4角は大外。直線は何度か手前を替えていたが、特に右手前時のササり方が酷く、殆ど追えていなかった。今日はそれで居て外回った組では最先着。性能面だけなら勝ち馬に近い評価が出来る。

キョウエイアシュラ

2人曳き。前走中山戦のデキではない。馬に張りが無く、歩様も案外。少し出負け気味だったが、行く気無く後方から。ただ、直線が全く伸びず。見た目通りにデキが無かった?

第48回スポーツニッポン賞京都金杯(GⅢ)

ライブコンサート

+12kg。この位がこの馬の適正体重。毛ヅヤは怪しいが、歩様含めそれ以外は思いの外悪くなかった。前走阪神戦で引っ掛かった為、今回は折り合いに専念して中段やや後方。4角迄、内でジッとして直線内から突き抜けた形。戦前述べた様にここなら力量上位だった。ただ、レースの上がりが3F35.9秒。前がソコソコ流れたのと、レース前に霙が降って多少なりとも渋い馬場だったのも向いた感。勝つ時はこんなモノだが、上がりが速くなった時の課題は今後も残る。

スマートギア

シープスキンノーズバンド。この時期でも毛ヅヤ悪くない。好調キープ。ゲート出ているが、例に依って後方から。例に依って外を回さざるを得ず、グッドキララに弾かれた分の差だが、この馬の上がりが34.5秒。色々な距離を使い回した悪影響は有るのだが、イマドキの追い込み馬はペース関係無く33秒台で上がらぬ限りは馬の責任だ。今後も単勝は買い辛い。

レインダンス

毛ヅヤが冴え、今日は歩様に硬さが無かった。馬体は然程変化無いが、これも意外に良いデキ。押してジワッと好位直後。普通に外回って来ただけだが、普通にしっかり伸びた。近走競馬を投げた様な止まり方が多かったのが、距離短縮で真面目に最後迄走った形。 ただ、これも時計掛かった利は相当。

グッドキララ

+6kg。馬体の張りは有ったが、少し太く映る。歩様の硬さは何時も通りだが。出遅れたが、前走阪神戦同様通りそのまま待機策。後方の外で4角スマートギアに内から併せる形での進出。スマートギアには僅かに見劣ったが、差は僅か。差しに回って成績が安定して来た。

マイネルファルケ

デキだけを言えば一番良かった位。踏み込みも力強い。スタート直後は一瞬様子を窺う場面も有ったが、マイネルレーニア行かないと踏んだところを押したところ、今度はマイネルレーニアが出て来て、引かざるを得ず2番手。そこからはともかく、序盤のロスは相当。最後は甘くなってしまった。それでも好位勢は振り切っており、地力上位は示したが、戦前述べた様にマイネルは平気でやり合うのが...。

タマモサポート

+12kg。500kgはデビュー以来最高体重。馬が緩んでいた。好位の外。普段は掛かる位の行き振りの馬だが、道中妙に折り合っていた。4角でも手応え一息で、直線伸び切れず。パンパンの良馬場の方が良い馬だが、今日のところは太目が祟った。

第59回日刊スポーツ賞中山金杯(GⅢ)

アクシオン

+14kg。馬体の張りは有ったが、太いのは否めず。チャカついていたのもマイナス。例に依って出脚が無く中段やや後方から。道中インで我慢させて、直線向いてから上手く捌いて外へ。前走阪神戦で述べた様に、GⅢレベルなら力は上。最後キッチリ捉えた。ただ、イマドキ良馬場で2分を超える時計とトウショウシロッコにクビ差ではGⅠは遠い。道中ペースが落ちたのと、一枚太いのは原因として大きいとは思うが、今日の内容では少し評価が下がる。

トウショウシロッコ

毛ヅヤが一息でそう見えるのか、馬に張りが無い様に見える。一瞬の出脚は速かったが、控えて内へ。前を壁にして折り合いを付ける形。4角でも我慢させて、直線狭いところをコジ開けて伸びて来た。力量上位を示す内容。ただこの馬、低レベル関東馬の象徴的存在。敗因の有る馬も個々には居るが、基本線としてはこの馬に負けた馬から重賞で勝負するのは避けた方が賢明。

トウショウウェイヴ

初遮眼革。馬自体が目立つという訳ではないが、所作に硬さ無くデキは悪くない。中舘騎手を鞍上に迎え、押して2番手から。2角でペースが落ち、それを嫌ったシェーンヴァルトがマクりに行った時に置かれてしまったが、直線そこから盛り返して3着浮上。東京に良績集中している馬で、コーナーでの脚はサッパリに近いのだが、ズルズル行かなかったのは収穫。あの辺りは目下のデキが良いのだろう。

デルフォイ

寸詰まり気味の馬体だが、休み明け思えばほぼ出来ていた。出脚は有る馬で、ジワッと好位。シェーンヴァルトのマクりを一旦行かせた迄は良かったが、更に外から来たマヤノライジンとゴールデンダリアには合わせざるを得ず、若干早目の競馬に。ジリジリ伸びて何とかシェーンヴァルトと捉えた刹那に、外から3頭。ただ休み明けで、古馬相手にいきなりこれだけやれれば充分だろう。この路線の安定勢力に成長しそう。

シェーンヴァルト

シープスキンノーズバンド。昨春時を思えば馬が良くなっている。歩様がしっかりしてトモに張り。行く気無く後方から。2角でペースが落ちた際に、一気に2番手へ。ほぼ馬任せの競馬で、ワンラップで回って来た格好。直線は内ににモタれ気味だったが、寸前迄粘って入着。適性はマイルだろうが、確実に地力を付けている。下見通り、以前のタルいイメージは捨てた方が良い。

ヒカルカザブエ

パシュファイヤー。馬体に重量感が出て来た。手先のバネも利いていて本格化ムード。この距離では出脚が辛く後方から。道中の手応えも決して良い様には思わなかったが、コースロス無く回して、イン強襲策。一瞬良い脚が有ったが、そこからは前が壁。ただ、力の有るところは見せた。これも下見の印象通り、本格化。