Sakura Archives

競馬回顧 2010年1回阪神・2回中山

第59回フジテレビ賞スプリングステークス(GⅡ)

アリゼオ

2人曳き。今日は集中力見せて、落ち着いていた。馬体も変わらず文句無し。ゲート悪かったが、出脚と枠の利でハナへ。序盤は折り合い怪しかったが、向正面でスムーズに。前走東京戦は決め手負けしており、直線入口で後続待たずにスパート。この貯金で振り切った。血統通り、良い脚を長く使えるが、一瞬の脚には期待出来ないという事なのだろう。今日のゲートでハナへ行けるなら、本番五分なら誰が相手でもハナへ行ける筈。ヴィクトワールピサは中山向きとは思えず、先行の利で逆転も。

ゲシュタルト

-10kg。スッキリし過ぎている感は有るが、雰囲気は悪くない馬。少し押し気味も、出脚は怪しく、枠の分で好位確保。とはいえ、この位置で折り合いはピタリ。直線入口で差を付けられたアリゼオには届かなかったが、一杯一杯2着は確保。展開利相当も、展開呼び込める器用さは評価しておきたい。ただ、馬体は今日でギリギリ。上積みは見込み辛く。

ローズキングダム

いきなりからキッチリ出来ていた。ここはトライアルだが、残りあと4週。この位出来ていても問題は無い。ゲートは一番速かった位だが、下げて中段のイン。道中は不利も無く、4角もスムーズに捌いたが、ここ迄。結果的には位置取りの差。この辺は乗り役の悪い癖でも有るのだが、前走時に述べた様に、ガサの無い馬が毎回コンスタントに走れるとも思えぬ。ドリームジャーニー的割り切りが何処かで必要。

サンライズプリンス

2人曳き。初コースでテンション高いが、垢抜けた馬体。ただ、歩様の力強さがもう少し。ゲートも少し悪かったが、出脚も甘く後方から。インに入れて、勝負どころからはローズキングダムをマークする形になったが、あくまで直線の伸びはジワジワ。一瞬の脚で差が有った。ただ、前後肢の可動範囲が広く、中山向きではない馬。前で決まる展開も有った。素質だけながら、この世代五本の指に入る。

バシレウス

シープスキンノーズバンド。少し腹袋が目立つ。デキは良いが、もう一絞り有っても。出脚が悪くなく、先行争いにクビだけ突っ込んでいたが、引いて好位。道中は少し力んでの追走。直線向いてローズキングダムと併せる形になったが、流石に瞬発力で差が有った。現状は決め手で劣るが、出脚は有るのでアリゼオの様にハナへ行った時に一発も。

サンディエゴシチー

2人曳き。少し立派過ぎる造りだが、張りは上々。気配を表に出している点も好感。前走東京戦は途中からハナへ行く形だったが、今日はそのまま待機策。この展開で、4角後方の大外では実質何も出来なかった。ただ、本来はどんな競馬でも出来る馬。デキは良いので、乗り方次第では変われる筈。

第58回阪神大賞典(GⅡ)

トウカイトリック

2人曳き。毎回述べている様に、歩様に問題無ければこの馬は力出せる。出たなりで中団やや後方。例に依って勝負どころでの手応えが怪しく、直線向いた段階では後述する様に一瞬窮屈な位置に押し込められたのだが、各馬脚が上がる中、ラスト200mの脚で先着。嘗てネイティヴハートが6年連続でオーシャンステークスに参戦して2勝を挙げたが、この馬もこれが5年連続の出走。この馬の場合は毎回掲示板確保、そして年々軽くなって行くメンバー。今年の相手なら勝って不思議は無い。ただ、モタつく癖はGⅠで致命傷になり易く...。

ジャミール

大分成長して来た印象。歩様も最初思えばこれでもマシ。ガッチリ押さえて、トウカイトリックと前後する位置。一旦引いて、4角外からトウカイトリックを押し込んだ時にはメイショウベルーガさえ交わせばといった雰囲気だったが、そのトウカイトリックがゾンビの如く生き返って2着。相手が渋太かったと称える以外に無さそう。初の3000mだったが、適性は充分。次走も圏内。

メイショウベルーガ

2人曳き。バネの利いた歩様。デキは高値安定。距離の関係も有るが、何時もより出して中段。折り合いは問題無かったにせよ、1番人気背負って早目早目の策。4角でステッキが飛んでいたのは珍しい。坂を上がって止まりそうだったが、それでも内外から馬が来て、食い下がる格好。根性は見せた。牝馬の3000mで1番人気は絶対勝てないが相場、パターンにはハマっているが、次走は追い込みに徹する形になりそう。直線平坦の京都で巻き返す場面も。

アサクサキングス

+28kg。毛ヅヤは良いが、流石に太い。例に依って出脚がは無いのだが、ジワッと好位。ただ、今日は少し前を追い掛けそうになる等、行き振りは悪くなかった。直線インから抜け出す形から、ホクトスルタンを交わしたところで止まったが、馬体増も考慮すれば及第点はやれる。決め手が無いので、GⅠで辛い面は有るのだが、立ち回り一つ。

ホクトスルタン

-8kg。叩いて順当に良化。歩様も問題無く、良い時のこの馬。出脚で優勢、スンナリハナ。最初から単騎で運び、道中でペース落として、一昔前の菊花賞の様なラップ。逃げ切って不思議は無いのだが、終いが意外に甘い。掛かってボロ負けならまだしも、却って案外感残る内容。

イコピコ

+14kg。数字は回復分。元々が小ぢんまりと見せる馬。昨秋京都戦同様、この距離では後方から。要は距離に自信が無い。直線も全く伸びず。

第24回フラワーカップ(GⅢ)

オウケンサクラ

トモの甘さは相変わらず。ただ、中1週続きでプラス体重。デキはかなり良い筈。意外に出脚が有って好位のイン。2角でインに潜って絶好の展開に。あとは普通に抜けて来るだけ。展開的ににも絶好だったが、向かい風の向正面だけ馬を前に置いてと、この点でも上手い競馬だった。トモが甘いので、瞬発力期待するよりは好位で流れに乗った方が良いタイプなのだろうが、今日のところは能力判定不能。

コスモネモシン

2人曳き。-6kg。毛ヅヤがピカピカ。馬体の迫力という点では一息だが、気配に集中力有ってデキは文句無し。出たなりがサンテミリオンマークの格好。ずっと外を回される展開だったが、結果的にマークする相手を間違えた格好。道中引っ張り切りの手応えも目下デキが来ている証。今季はアプリコットフィズがこの路線最強と何度か述べているが、展開味方したといっても伊達に負かしていない。次走アプリコットフィズの対抗に。

サンテミリオン

身体の柔軟性は感じるが、それ以上が無い。力が付き切っておらず、馬が未完成。ゲートが少し悪く、中段から。折り合いも問題無く、立ち回り自体は上手かったが、追ってからが一息。坂では内にモタれていた。ゲートも有るが、圧倒的一番人気の馬ではなかったという事だろう。鍛え直して秋に間に合えばといった程度の馬。

ベストクルーズ

コンパクトに纏まった馬体だが、歩様の力強さが欲しい。少し出して好位の外。2着確保すべく、サンテミリオンより早目早目の立ち回り。内外の差は有るが、その外からコスモネモシンが来ているだけに、言い訳無し。力不足。

シンメイフジ

初遮眼革。前走阪神戦思えば落ちるが、一応は及第点。珍しくゲート五分。内枠で遮眼革着用、定跡通りにハナへ。ただ、出脚の有る馬ではなく、ジュヴェビアンに一旦出られた上に、この強風。楽な逃げではなかった。最後は止まったが、今日はゲート出た点を評価したい。今日無理矢理行かせた点がマイナスにならなければ距離も保つ筈で、本番は2走共広いコース。巻き返し期待出来る。

第24回中日スポーツ賞ファルコンステークス(GⅢ)

エーシンホワイティ

デキ自体は悪くないが、歩様が硬いのがマイナス。この馬にしてはゲート出ている方だが、行かせる気が全く無く自然と後方に。3〜4角を少し内へ入れて距離を稼ぎ、直線は大外。最後キッチリ捕らえた。とはいえ、トシギャングスターが来たのは内から。馬場状態味方に強い差し馬が力任せに差し切った形。ただ、歩様が硬いので距離延長が良い方に出る事は無いだろう。二匹目 (ジョーカプチーノ) の泥鰌は居ない筈。

トシギャングスター

-6kg。絞れて来た。迫力は感じさせないが、集中力有って、デキは悪くない。これも行く気無く後方から。内の荒れ馬場を嫌って各馬が外へ行く中、ガラ空きのラチ沿い通って一旦は先頭の場面。そこで止まってエーシンホワイティに捩じ伏せられたが、抜けて来る脚は中々パワフルだった。ダートで瞬発力見せていた馬、こういう馬場は得意なのだろう。ただ、幾ら瞬発力タイプといえども、ダートで食って行くならもう馬体に迫力が欲しいところ。芝も時計が速くなってしまえば厳しいだろう。成長が欲しい。

サリエル

-8kg。いきなりからキッチリ出来ていた。寸は詰まっているが、今年の3歳牝馬では上位の馬。これも急かさず中団やや後方。前後の位置取りはこれで正解だが、エーシンホワイティよりずっと外を回される格好になってしまった。着差考えると互角の競馬はしている。権利取れず痛恨の3着となったが、出走叶えばソコソコやれる筈。

ダッシャーゴーゴー

腹回りは体型分も。一息入っていた事を思えば、及第点やれる。ゲート少し悪かったが、出脚でハナ。ただ、内から来たエーシンダックマンも引かず、3角で2番手控える形。馬場状態も含めて、かなり苦しい展開だった筈だが、先行馬では最先着。間違い無く一番強い競馬をしている。普通の馬場状態なら楽勝だっただろう。今日の経験も良い方に出そう。

ビービーエーディン

シープスキンノーズバンド。トモ高気味だが、骨格はしっかり。出負けも、偶然周りに馬が居らず中段から。向正面からラチ沿いを開けて走り、3〜4角を上手く捌いて直線は外へ。直線ジリジリだったが、コーナーで外へモタれていた。左回りは下手だが、中央でも足りる馬。

キョウエイアシュラ

もう一絞り有っても良いが、皮膚を薄く見せ、今季のデキは中々。出遅れて後方から。3角手前から外へ持ち出しての競馬は悪くないが、あまりにも外回され過ぎたのと、道中も行き振りが悪かった。最後迄止まっていないのだが...。最近、長い距離を使われて来たのがマイナスに出た様。

第28回ローレル競馬場賞中山牝馬ステークス(GⅢ)

ニシノブルームーン

+14kg。太いというより、緩慢に映ったが...。行きたい馬に行かせ、中段グループの先頭。ブライティアパルスが大逃げ打って、好位勢が苦しくなる展開、これを見ながら絶好の展開になった。前走中京戦の内容が悪くなく、勝って不思議の無い馬だが、基本線としては良い脚が長く続かないタイプ。土曜日のマイネルスターリーではないが、反動が出易いパターンでも有り、次走は様子見。

ウェディングフジコ

シープスキンノーズバンド。馬を大きく見せる。緩んだところも無く、デキは良い。これも行きたい馬に行かせて、先団馬群と後方馬群の間でポツンと。4角内を狙って、目論見通りの競馬は出来たが、ニシノブルームーンの決め手が一枚上。芝ダート問わず堅実だが、重賞勝ち切るには何かが足らない。

チェレブリタ

-14kg。トモの丸みは残していて、決して細くない。ただ、テンションが高い。これも中段でニシノブルームーンやウェディングフジコと似た様な位置。ウェディングフジコの直後から差しているが、イマイチ甘かった。少なくともウェディングフジコよりは切れる筈だが、これが交わせなかったのは案外感が有る。坂はダメかも。

コロンバスサークル

馬振りは然程ではないせよ、デキは文句無し。道中は上位馬の直後から。4角でニシノブルームーンを射程圏に捕らえたが、そこからの脚で差。戦前は何故か1番人気になっていたが、これは幾ら何でも過剰。

レジネッタ

例に依って最後方を周回。毛ヅヤが若干マシになった程度。大して変わらず。例に依って後方から。道中は最内を回り、直線それなりの伸び。まあ、賞金銜えて来たので、良しとすべきところなのかも知れないが、今日の展開で馬券圏内無いなら、二度と馬券になる事は無いだろう。

第44回報知杯フィリーズレビュー(GⅡ)

サウンドバリアー

2人曳き。毛ヅヤ冴える。トモのボリュームも中々。行かせれば好位取れる出脚も有る筈だが、折り合いに専念して後方から。道中は枠なり、直線だけコジ開けて大外へ。ラナンキュラスに併せ、坂を上がって最後に一伸び。ただこの馬、前走京都戦も同じ脚を使って9着。上がりはこれが限界。15年程前にサウンドバリヤーというサッカーボーイ産駒が居たが、これも上がり掛かって差して来る馬。血統は全く違うが、タイプは似ている。

ラナンキュラス

+6kg。もう少し踏み込みしっかりして欲しい。ただ、2歳時に細く映った馬体はかなりマシに。半馬身出遅れ。道中は中段に居たが、むしろズブい位の行き振り。押して4角手前で好位に取り付き、坂を上がって一瞬先頭に立ったが、最後にサウンドバリアー。王者の競馬で負けたのだから仕方無し。まあ、このズブさがマイルで良い方に出れば面白いが、今日でも1番人気はやや過剰。今日の競馬なら能力的には圏内だが、最終的には人気と相談。

レディアルバローザ

少し緩い。脚長で、スクウェアに見せる馬。これもゲート少し悪かったが、出脚で好位。4角迄はスムーズに運んだが、エリモエポナがラブミーチャンマークでタイトに回り、直線暫く待たされたのが痛い。今日はここがスムーズなら単迄有った。このレースから次走狙い目探すならこの馬に。

ロジフェローズ

2人曳き。造りはしっかりしているが、寸詰まり。出遅れ1馬身不利。後方で折り合いに専念して、2,3着狙い。直線上手く前が開いて、良く追い込んでいるが...。痛恨のクビ差。差の無い能力は有るが、全ては抽選待ちに。

ニシノモレッタ

一息入ったが、成長無し。華奢に映る。出脚悪くなく、ジワッと好位直後。4角迄は過不足無く運べたが、追い出して頭が上がったりヨレたりで、フォームがバラバラに。ロジフェローズとは同着の4着だが、上位馬とは差が有る。

ラブミーチャン

2人曳き。-5kg。落ち着いているのは良い傾向。一流ダート馬の様な風格は有るが、少し太いかも。ゲート入り少し梃子摺る。戒告受けたので若干強引だったという事にはなるのだが、出脚利かせてハナ。直線暫くは持ったままだったが、いざ追い出してからが案外。今日は後続にビッシリマークされており、もう1秒速いペースで飛ばしてどうかだが、完敗だろう。ダートで改めて。

テイラーバートン

馬体減は宜しくない傾向。歩様も硬さが出て来たが、馬振りは上位。出脚速く、ほぼ出さずに好位。ただ、それでも行きたがっていたので、控えたら直線で行き場を無くなり圏外に。ただ、直線は権利が取れないと分かった途端に追うのを止めていた。この着順を鵜呑みにするのは危険。次走人気落ちるなら却って狙い目に。

第58回トヨタ賞中京記念賞(GⅢ)

シャドウゲイト

ここへ入れば大威張り出来る馬。手先にも柔らか味。今日もゲート一完歩が怪しいのだが、少し出して3番手。トップハンデとはいえ、この位置で折り合えば何とかなる。この馬に乗った時の田中勝春騎手のパターンで、4角手前からマクりに行って直線そのまま押し切った。戦前述べた様に、ここなら力が違う。楽勝だった。ただ、年齢を経てハナへ行く出脚が無くなり、毎回マクりというのも難しい。これ以上を望むのは酷。

タスカータソルテ

2人曳き。シープスキンノーズバンド。一息入れて、意外な程良くなっていた。歩様がしっかり。スタート直後は少し行きたがったが、宥めて中段。馬場の良い外目を回り、4角で好位。形の上では大穴ブチ開けた格好だが、実績馬が復調して2着確保しただけ。以前は非力で良馬場大前提の馬だったが、この馬場をこなしたのは評価して良い。コーナーの脚も速く、あとは坂をこなせる様になればもう一稼ぎ出来る筈。

ホッコーパドゥシャ

-14kg。絞れて順当に良化。皮膚の薄さが有った。出脚は怪しい馬なので、この枠でも中段から。荒れ馬場だが、内でコースロス無く回して、直線ジワジワと。一瞬の決め手は無いが、ジワジワ脚を使う馬。時計の掛かる条件で浮上した格好。ただ、昨夏に新潟で重賞勝ちも有る馬だが、2000m路線はかなり低調だった。一応これが限界と見ておきたい。

サンライズベガ

気の良い馬で、出来ていた。デキ自体も問題無さそう。前と少し離れた4番手で折り合いに専念。シャドウゲイトを目標に早目早目の競馬で、一旦は2番手有ったが、寸前で力尽きた。長い時間掛けてオープン迄辿り着いたが、晩生という訳でも無く、勝てるところを落とし続けていただけ。3歳時思うともうチョイ走って良い気もするのだが、成長が無い。

リトルアマポーラ

-2kg。気配は地味なのは元々。見た目には決して悪くない。前走引っ掛かったので、出さずに好位のイン。シャドウゲイトがマクり、逃げ馬の直後で、馬場が内外均等なら絶好の展開。ただ、内の馬場が悪いのとこのハンデで一伸びが利かず。仕方が無いところだろう。ただ、限定戦は1800m以下の競馬が多く、この馬の使うところが無い。ハンデが軽ければクィーンスプマンテやテイエムプリキュアだが、一つ間違うと引っ掛かる上に、56kgが出脚に大きく響き...。

エアシャトゥーシュ

2人曳き。パシュファイヤー。チャカつき気味だが、トモのボリュームはオープンでも通用。ゲート真っ直ぐに出ずに、出脚が付かず後方に近い位置。序盤は頭上げるシーンも有ったが、引っ掛かったというより、ゴチャゴチャになっていた。4角も各馬早目に動く中、動けず直線でも後方。一瞬は伸びたが、最後もまた壁と消化不良の競馬に。馬はこの相手でも通用しそう。

マイネルスターリー

毛ヅヤが良いのでデキは有る筈だが、絞れず。出遅れて中段やや後方。4角タスカータソルテと一緒に動いて行ったが、直線向いてからが無かった。2走目のポカだろう。休み明けでも完全に仕上げて激走した時は問題無いのだが、デキ関係無く太い状態で走ると、反動が出易い。これは昔から競馬の基本。

第47回報知杯弥生賞(GⅡ)

ヴィクトワールピサ

-8kg。前走阪神戦思うと少し落ちた感は有るが、横の比較では最上位。ただ、手先のバネがこの馬の身上。そこだけは抜群。出脚は速い筈だが、下げて中段やや後方。枠なりにインを回って、直線バラける迄待ってからの追い出し。着差以上の楽勝だった。とはいえ、競馬を色々試したいのは分かるが、道悪でこの競馬をするのは危なかっかしい。前走後に述べた様に、今後は全て本命を背負う馬。ひたすら王道を進むべき。最早、競馬を試す必要すらない様に思うのだが。

エイシンアポロン

2人曳き。+4kg。良く言えばフックラ、悪く言えばメリハリが無い。この馬にしては珍しく、チャカついていた点もマイナス。好発。ヴィクトワールピサを叩いて好位。少し行きたがるのを宥めての競馬。直線、ラチ沿いから抜け出して一瞬は押し切り態勢だったが、最後にヴィクトワールピサ。ただこれは如何にも相手が悪い。初距離思えば無難にこなした事になろう。器用さは有るので次走も圏内。

ダイワファルコン

2人曳き。-10kg。ヴィクトワールピサと比較すれば見劣るが、この馬としては良くなっている。道中はヴィクトワールピサをマークしての競馬。内からヴィクトワールピサが通ったところをそのまま通って権利確保。インの利く道悪で枠順をフルに活かし切った。ただまあ、当然次走は用無し。

ダイワバーバリアン

相変わらず見た目は良いが、歩様に力強さが欲しい。出遅れて中段やや後方。3〜4角中間から一気に動いて坂下で先頭。権利取る為の強気な競馬は間違っていないが、結果的に最後止まって4着。この競馬なら距離は保つと見て良い。ただ、大本命馬の近くの枠でマーク出来たダイワファルコンが3着で、この馬は2歳時から重賞で幾ら好走すれども2着が無いばかりに権利が無い。運が無い以外に無い。

コスモヘレノス

トモの造りが中々で、中々スケール感じさせる造り。毛ヅヤも良い。他にであしで速い馬が居て好位から。ダイワバーバリアンがマクりに来る展開は、この馬にとって辛いところだったが、そこからズルズル行かなかったのは立派。重賞でも足りる馬。

アドマイヤテンクウ

-20kg。骨格のしっかりした馬で、見た目そこ迄ではないが、中身は無くなった。内臓面を壊した減り方。ジワッと中段の外。ただ4角でアラアラだった。今日はデキ以外に敗因は無かろう。一度立て直すそうだが、止むを得ぬところ。

第5回夕刊フジ杯オーシャンステークス(GⅢ)

キンシャサノキセキ

高い位置で平行線。毛ヅヤや張りが良く、落ち着いている点も強調出来る。ゲート少し悪かったが、内枠でそれ以上に出遅れた馬も多く、中段から。インベタで、先に抜け出したエーシンエフダンズを寸前で捕まえてクビ差。1200mは現状ベストとは思えぬが、パワー最上位の馬が道悪で有利に働いた印象。ただ、今開催中山の道悪はインしか伸びない。次走中京戦は微妙な面も。

エーシンエフダンズ

-6kg。叩いて順当に良化。馬体が締まって、皮膚を薄く見せる。セブンシークィーンの出脚に乗って好位のイン。坂下で馬群を割って先頭に立ったが、最後にインからキンシャサノキセキ。対キンシャサノキセキを言えば相手が悪かったという事になるが、時計の掛かるスプリント戦は堅実。

シンボリグラン

遮眼革。+4kg。流石に少し太く映る。硬さが無ければ走れる馬だが。ジワッと好位直後。直線ジワジワ伸びているが、最後は内外の差が出た感も。何れにしても、エーシンエフダンズ同様にこういう馬場は得意。

プレミアムボックス

歩様の硬さはマシになっていたが、今日は馬が緩い。例に依って出遅れ。後方から。4角内を諦めて4角大外。馬場状態思えばそれなりに流れたのだが、インが有利な馬場状態。それ思えば今日は良く差して来ている。意外な程の好内容。時計の掛かる馬場なら、中々強い。

ファイングレイン

中間の攻め馬が足らないとの話だが、歩様が多少甘い以外は出来ていた。これもゲート少し悪く、中段やや後方。プレミアムボックスは大外回したが、この馬はそのまま内へ。それなりの伸びだが、内を通った利は大きく、これは評価出来ぬ5着。次走は要無し。

第17回チューリップ賞(GⅢ)

ショウリュウムーン

トモの甘い馬が多い中、しっかりした歩様が目を惹いた。馬体も完成度が高い。ゲートで安目を売ったが、少し出して中段。道中も行き振りが良く、4角で既に好位に取り付き、坂の途中で逆手前になり、内にモタれていたが、脚取り自体は中々力強く快勝。ただ、右前が外向気味。直線のモタれ方を見ても、恐らく左回りはサッパリだろう。

アパパネ

シープスキンノーズバンド。個々へ入ると馬は最上位。ただ、テンション高いのがマイナス。これもゲート悪かったが、出して好位。その分、少し掛かったが、4角先頭に並び掛けて正攻法。最後差されたが、この馬が2着なら上出来とすべきだろう。昨年暮れに述べた様に、良くも悪くもこの程度の馬。

エイシンリターンズ

-8kg。ギリギリの造り。気配は悪くないが。好発。外から行きたい馬に行かせて好位。ただ、直線バラけた時には既にアパパネが前に居て、少し追い出しが遅れていたのと、前が遅くて4角で乗っ掛かりそうになる場面。結果的にはヴィクトリーマーチの前で競馬するのが正着手だったか。この馬体細化傾向はマイナスだが、何れにしても馬は頑張っている。

オウケンサクラ

2人曳き。馬の雰囲気は悪くないが、トモの甘い歩様。ゲートは出ているが、エイシンリターンズがもっと速かった事も有り、下げて中段。道中は問題無く、スムーズに外へ持ち出して、直線向いた段階ではショウリュウムーンの直後。しかし、ここからが甘かった。トモが甘いので、この馬場での坂越えは厳しかったという事だろう。鍛錬が必要。

ラフォルジュルネ

デキ云々以前に、もう少し馬体が増えて欲しい。出脚が鈍く、中段やや後方。まあ、ペースも遅いのだが、この距離でも追走は楽。4角回ってオウケンサクラの直後。ただ、そこからはオウケンサクラと同じ脚色だった。現状の造りではこの馬場をこなすのは厳しく、良く走っていると見た方が良いだろう。自己条件なら楽勝級。

第84回農林水産省賞典中山記念(GⅡ)

トーセンクラウン

以前思えばマシだが、もう少し落ち着いて欲しい。馬体も迫力不足。出脚が無く中段やや後方。その割に道中はずっと行きたがっていた。ずっとインを回り、直線一気に抜けて5馬身差。余程この馬場に適性が有ったのだろう。そしてこの乗り役も道悪が上手い。今日はこの2点以外に勝因考えられず。

テイエムアンコール

-12kg。前走小倉戦が太かった。絞れて順当に良化。芦毛だが、毛ヅヤが良い。出脚が速い馬ではなく、これも後方から。道悪でもノメる事無く、しっかりした脚取り。内を諦めて、直線大外だったが、上がりの掛かる展開で2着浮上。時計が速くなるとキツいのだが、条件整えばこの位はやれて不思議は無い馬。ただ、馬場適性云々はデキが良かった影響も大きいだろう。

ショウワモダン

+8kg。冬毛目立つのと、馬も少し太い。出遅れて後方から。ただ、この馬場に適性が有るのか、道中の行き振りが抜群。3角過ぎからマクッて行ったが、結果的に最後の最後で甘くなっただけに、もう少し待っても良かった。乗り方次第では2着も有った。ただ、前述した様に道悪は鬼の域。

セイクリッドバレー

+8kg。馬体はもっと増えても良い位。テンション高いのは仕方が無いが。道中は中段。折り合っていたというより、向正面で少し下がる場面も有ったのだが、内から鋭く差してここ迄。乗り役に言わせると、後ろの馬に乗っ掛けられて下がったとの事だが、何れにしても勿体無い競馬だった。これも実績通り、道悪はこなせる馬。

ドリームサンデー

トモの張り抜群。馬だけならコレ。押していたが、枠の差でモエレビクトリーに行かれて2番手から。4角でモエレビクトリーを見切り、ここで先頭。そこからがもう少しだったが、賞金は銜えて来て、この馬とすれば悪くない内容。インが利く馬場ならそれなりに堅実。

シャドウゲイト

2人曳き。今季多少太いのだが、毛ヅヤがピカピカ。好調キープ。スタート直後に躓いて3馬身の不利。最後方からインベタでここ迄。普通なら勝っていただろう。痛恨の競馬に。

第54回阪急杯(GⅢ)

エーシンフォワード

今日は雰囲気良かった。皮膚を薄く見せて毛ヅヤが良化。出遅れ1馬身不利。ただ、センター枠にビービーガルダンやヘッドライナーの直後を取られると競馬が後手に回るので、仕掛けて好位。その分、多少行きたがったが、この馬自身が乗り易いのと乗り役の技量で折り合い付けた。4角、ビービーガルダンが一瞬外へフクれたところをスクい、最後は1馬身半差。繰り返しになるが、乗り易さが有るのが長所。

ワンカラット

2人曳き。前走京都戦は案外だったが、今季デキ自体は間違い無く良い。1400mの相手では出脚速い方ではなく、中段から。4角の手応えが抜群、坂下で一瞬先頭に立った様に見えたが、そこからが甘く、エーシンフォワードに内をスクわれ、最後は2着確保するのがやっと。今日の競馬では1400mでも微妙に長い印象。前走から渋い馬場も良くないのだろうが、今なら1200mの方が良い。

サンカルロ

走っても中々人気にならない馬だが、実際下見はパッとしない。この馬のデキが悪い訳ではないが、馬が目立たない。ゲートは分が悪かったが、何とか中段。ただ、3角手前で行き場を無くしてブレーキ踏む場面。直線はワンカラットが抜けた後を通って、最後はこれとハナ差。斤量や道中のロスを思うと一番強い競馬をしている。下見は大した事無い様に見えるが、以前より強くなっている。

トライアンフマーチ

トモの甘さが解消されて本格化。ただ、前走東京戦時に述べた様に、距離を延ばして差しに徹した方が良さそう。少し押したら、引っ掛かって好位。3角過ぎから待ち切れずに進出。この形では直線伸びない。今日は競馬が雑。土曜日の続きになるが、乗り役が乗れていない。

テイエムアタック

シープスキンノーズバンド。太く映るのは確かだが、歩様に勢いが有る。デキ自体は良い。出脚で差が有って、中段やや後方。直線暫く右手前だったが、それなりの伸び。スローで外回ってこの差なら悪くないのだが、トライアンフマーチを捕まえていないと値打ちが無いところ。現状ではオープン特別級。ただ、1400m,1600mは意外に鞍数が少なくて...。

ビービーガルダン

遮眼革。休み明けにしては少し細い気もしたが、許容範囲。落ち着いていて、下見は問題無かった筈だが...。好発。出脚も速い馬だが、内からヘッドライナーが主張して2番手。3角迄は行きたがっていたが、落ち着いたところをトライアンフマーチに来られて、そこから再加速。下手に乗ったのは確かなのだが、それにしても直線は案外だった。良馬場発表でも、微妙に渋い馬場。これが敗因なら次走望みは有るが...。

第19回アーリントンカップ(GⅢ)

コスモセンサー

+8kg。数字はソコソコ有るが、纏まった造り。キビキビした歩様が印象的。内でモエレデフィニットの出脚も速かったが、これを叩いてハナ。ペース自体はスローだったが、シゲルモトナリとフラガラッハが3角過ぎから来ており、数字よりは楽ではなかった筈。無論、開幕週の利は大きいのだが、後続を坂下で突き放したのだから評価出来る内容。距離も2400m迄は保つ筈だが。

ザタイキ

歩様が力強い。馬もここでは最上位。好発も、控えて好位。道中は少し行きたがっていたが、折り合った途端に反応が悪くなり、4角で中段迄置かれる場面。まあ、直線はそれなりに差しているが、前走京都戦はもっとスパッと切れていた。坂なのか、微妙に渋い馬場なのか...。

レト

背丈が無いだけ。馬体そのものはしっかりしている。ジワッと好位直後。フラガラッハのマクりに乗っての進出。一旦は2番手に上がったが、乗り役に言わせると周りに馬が居なくてフワッとしたとの事で、ここ迄。悪くない内容。2歳時には1200mばかり使われていた馬で、前走京都戦は距離が長い様な気もしたのだが、今ならマイルも問題無い。学習能力が高い。

シゲルモトナリ

2人曳き。+6kg。毛ヅヤは良いが、まだ細く映る。もっと増えても良さそう。これもジワッと2番手。ただ、3角でフラガラッハが来て、一緒に動かざるを得ない展開に。一番キツい競馬を強いられた。この競馬が出来るならオープンでも通用。

フラガラッハ

相変わらず華奢だが、筋肉の柔らかさもキープ。ゲート内で立ち上がったところを開けられて3馬身出遅れ。馬群に取り付こうと仕掛けたら、行きたがって3角過ぎには既に先団。この競馬は流石に強引過ぎた。それでも寸前迄は粘っており、力は見せた内容。ただ、デムーロ騎手が今年乗れていない印象も。その辺りのリズムの悪さがゲートに出たと考えてしまうのも致し方無いところ。

ニシノメイゲツ

馬体はそれなりだが、もう少し歩様がしっかりして欲しい。ゲートで少し差が有って、道中は中段。もっと行きたがっている馬も居る中、道中は問題無かった様に思うのだが、4角で既に手応えが悪かった。敗因不明。馬場?