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競馬回顧 2010年2回小倉・3回新潟

第30回新潟2歳ステークス(GⅢ)

マイネイサベル

良くも悪くもキッチリ出来ていた。この血統だが、歩様の硬さも特に気にならず。出脚速かったが、この枠でも有り、一旦控える形。好位勢が少しゴチャついており、これを嫌った面も有ろう。今年は馬場が良いだけに、コースロスは少ないに越した事は無く、直線だけ外に出す教科書通りの競馬。内外でヨレる馬が多く、真っ直ぐ走るのに一苦労も有ったのだが、それらを振り切ってクビ差。強い内容。ただ、このレースの度に毎回述べているが、強い内容で勝った馬でもその後が大した事無い場合が殆ど。これもエフティマイアの様に、忘れた頃の一発を期待する程度にした方が。

マイネルラクリマ

完璧に仕上げている訳ではないだろうが、トモにボリューム感が有る。まずまず。好発。出脚も速かったが、急かさずに2番手から。行きたがる馬が多い中、とにかく素直な点が目に付いた。直線向いてからはそれがズブさにも繋がっていたが、逆に止まりそうで止まらない粘り腰を発揮。前走が1200mからの転戦で行きたがったが、今日は折り合いピタリ。この辺りの学習能力を特に評価したい。

レッドセインツ

見た目だけを言えば確かにディープインパクト。出脚も鈍かったが、1最初からこの競馬を狙っていた様で、中段のイン。ディープインパクトと違い、コーナーの脚が若干怪しいのだが、それでも直線内から伸びてここ迄。ただ、エンジン掛かる迄も少し遅い気がしたのだが、エンジン止まるのも少し早かった。良い脚が長く続かない印象も。

エーシンブラン

トモの送りが硬い。血統通りダート馬だろう。折り合い意識して、中段やや後方。ただ道中は少し行きたがっていた様に見えた。マイネイサベルと違い、ずっと外を回されたロスは有るのだが、追い出してヨレる場面が有り、最後は失速。マイルは微妙に長い。

デラコリーナ

+8s。毛ヅヤ文句無しだが、馬体はメリハリに欠ける。ゲートが少し悪いのと、直ぐ外のマイネイサベルが速く、控える形。3角で狭いところに突っ込んでしまい、頭を上げる場面も。従って、決して良い騎乗だった訳では無いのだが、直線馬群を捌いて入着。能力は有りそう。

第30回小倉2歳ステークス(GⅢ)

ブラウンワイルド

攻め強化して前走以上だが、もう少し絞れても良い。前走よりはマシだったが、今日もスタート直後から外にモタれ気味。外枠の馬が速く、全部行かせて中段から一度立て直しての競馬。しかも、3角で前に居たジンクアッシュが立ち上がる不利が有り、ここでも一瞬逡巡する場面。それ故か、コーナーの脚が無いところで4角大外。今日の馬場状態では「ほぼ無い位置取り」から差して来た。かなり強い内容。血統,馬体から1200m限定ではない筈で、過去も含めたこのレースの勝ち馬としては最上級。

シゲルキョクチョウ

2人曳き。実績通り完成度が硬い。短距離でハナへ行く馬だが、下見で落ち着いている点も好感。好発。一瞬の出脚が速い訳ではないが、ジワッとハナ。3角で内ラチ沿いを取って、直線入り口で突き放す逃げ馬としては理想的な展開だったが、最後にブラウンワイルド。馬場状態が前走より悪化していた分も有るが、それよりもスプリント戦がベストではない。トビが大きく、ギャラントアローをイメージしておくと1年後位に面白い場面が有りそう。

スギノエンデバー

数字はないが、寸が詰まって筋肉質の造り。見た目からスプリンター。出遅れたが、出脚が速く、内目を突いて4角で好位直後。ここ迄は上手く運んだが、ここで少し待たされ、立て直すロス。上手くブラウンワイルドには併せられたが、勢いが違った分届かず。サクラバクシンオー産駒で馬体も含めスプリント戦限定だろうが、器用さも有り、悪くない内容。

トキノゲンジ

少し太いというか、仕上がり途上。現状のデキ自体は悪くないが。またしても出遅れ。あまり行かせる気も無く、後方から。道中は最内を回って、直線だけ前の空いた外へ。一応ここ迄は来たが、上位3頭とは0.4秒差。何とも言えぬところ。まずはゲートを出ぬことには。

テイエムターゲット

馬は元々上位。前走気になった歩様も良くなっていた。出脚だけをいえば一番速い筈だが、控える指示が出ていたそうで、好位から。ただ、今日はこれが完全に裏目。内にモタれて引っ掛かる最悪の形。これでは伸びない。イマドキ短距離戦で控えても良い事は無く、今後は迷わず行かせる競馬を。

サマー2000シリーズ第5戦 第46回農林水産省賞典新潟記念(GⅢ)

ナリタクリスタル

皮膚を薄く見せて、毛ヅヤ上々。前走小倉戦とほぼ変わらずだが、全てで少し上向いていたのも確か。好発。少し出して3,4番手から。人気馬に差し馬が多く、スロー必至の組み合わせだったが、結果的にこれが二つの点で幸い。一つは当然追い込み馬が死んだ事。もう一つは各馬の差が付かず、ソラを遣う癖の有るこの馬にとって最後迄気を抜かずに走る形になった事。決して新潟が向いているとは思わないのだが、スローの方が競り合い分、ソラを遣う確率が減る。

トウショウシロッコ

馬体は決して良い様に見えないが、これは元々。この馬の基準からすれば悪くない。出脚も無い馬だが、行かせる気も無く中段やや後方から。道中は枠なりインに居たが、直線だけ馬群を捌きながら外へ。このスローで差し馬は苦しい中、得意の新潟で良く伸びているのだが、ナリタクリスタルに併せてしまい、相手の渋太さを引き出す格好になってしまった。千載一遇のチャンスを逃した形。東京では相手が強くなるだけに...。

サンライズベガ

+6s。今日は歩様の硬さが無くなっていた。ゲート少し悪かったが、積極的に乗られて3番手。ただ、その分序盤は行きたがっていて、これが終いの甘さに繋がった。どちらかといえばイマイチ的印象の強い馬だが、今日はゲートさえ出ていれば違った結果が待っていた筈。惜しい競馬に。

メイショウベルーガ

オーストラリアンブリンカー。馬体も悪くなかったが、何より気配が良かった。力は出せる状態。ゲート悪かったが、意外に行けて中段から。ただ、3角過ぎから急にズルズル下がり、直線向いた段階では最後方に近い位置。中段ならトウショウシロッコの競馬も出来たのだが、最初から外へ持ち出す格好になり、このスローで絶望的な位置取りになってしまった。コーナー回っている最中に手前が替わって下がったそうだが、今日は一番強い競馬。ハンデ戦でもGⅡ戦圧勝の実力は見せ付けた。ただ、それだけ牡馬が弱いのも確か。限定戦は却って飛び付き辛いが。

スリーオリオン

+10s。毛ヅヤが良く、馬体に張りは有ったが、少し太い。出脚でやられそうになったところを出して好位。従ってこれも序盤は少し行きたがっていたのだが、それでも不利の無い競馬はしていただけに、決め手の差は多少有ろう。ハンデ重賞の度に毎回思うのだが、準オープン勝ち即ハンデ重賞の形は中々通用しない。57sで準オープン勝ってハンデ55sがお決まりになっているが、1s重い印象が有る。

スマートギア

シープスキンノーズバンド。今日はまあまあの雰囲気。トモにボリューム感が有り、前走小倉戦以上。例によって後方から。内を突く形でも、今年の馬場ならこれでも競馬になる筈だが、エンジンの掛かりが遅く、伸び出したのはラスト1F。結局、コースの広さを問わず、エンジン掛かる位置が一緒。距離を変えてショック療法取るべきかも。

サマースプリントシリーズ第4戦 第5回キーンランドカップ(GⅢ)

ワンカラット

馬体もそうだが、気持ちにも張りが有る。手先にスナップが利いていたのも印象的。サープラスシンガーとポートジェネラルが何が何でもの構えで行き、叩かれる格好になったのだが、他の馬に被されぬ好位迄出しての競馬。4角も外で引っ張り切りの手応えだったが、この時既に落鉄していたとの事。確かに手応え思うとジェイケイセラヴィに食い下がられたのだが、となればむしろ強い内容。後述する様に、ビービーガルダンとローレルゲレイロがロクな競馬をさせて貰えなかった面は有るのだが、GⅠも見えて来た。

ジェイケイセラヴィ

2人曳き。前走新潟戦と然程変わらず。デキが悪いとも思わないが、強調材料が無い。行きたい馬には行かせるかたちになったが、出脚は一番速く、スンナリ好位。直線向いての反応も良く、一瞬やったの場面だったが、ワンカラットの能力が一枚上だった。前走後に酷評した様に、コーナリングが下手でベストは直線競馬だろう。ただ、今日は出脚で展開利を呼び込んだ。これなら今後も自分の競馬は出来る。

ベストロケーション

-14s。今冬の京都戦もそうだったが、腹回り弛んで見える。歩様も硬く、推す材料が無い。もう少し出脚は有る筈だが、無理せず中段から。道中はインに居たが、4角手前から外へ持ち出す策。この辺の動きが今日は中々機敏で、直線それなりに伸び、最後も差は僅か。先行して粘り込むのが基本だと思うのだが、今日は差しての結果。新味が出たといえばそうだが、掴みどころが無い。

ビービーガルダン

遮眼革。-6s。一度叩いて更に上昇。デビュー以来一番良く見せる。完璧。58kg背負って出脚で分が悪く、押して何とか好位。コーナーでモタつく癖が有るので、外から無理矢理でも勢い付けて行きたいところだが、4角で暫く待たされる場面も有った。それでも差の無い4着。競馬はしているが、この馬の弱点が出た格好。先週ヒルノダムールに対して述べたが、牝馬や3歳馬が結構走っているのは斤量面での恩恵も少なからず有る。58sのこの馬にはそういう意味でも辛かった。

モルトグランデ

トモの迫力は充分。もう少し歩様に柔らか味が有れば文句無しだが。例に依って出負け気味だが、同様に出脚も悪くなく中段やや後方から。ただ、この位置だと内が開かず、外へ出す間に競馬が終わってしまった。相変わらず、展開頼みの面が強い。

ローレルゲレイロ

2人曳き。オーストラリアンブリンカー。首を水平に保ち、気配上々。馬体もキッチリ出来ており、ほぼ完調。痛恨の出遅れ。出脚も鈍く、中段から。この形でバタッと止まるかと思ったら、意外に最後は伸びていた。今季の充実振りを示す内容。次走同斤で巻き返しへ。

第2回レパードステークス(重賞)

ミラクルレジェンド

2人曳き。数字以上に馬を大きく見せる。毛ヅヤも冴え、歩様にバネ。この数字にしては極上レベルの馬。出遅れ。例に依って後方から。道中は出来るだけコースロス無く回して、直線だけ外へ。慌てずに上手く乗った利と前崩れの展開は有ったにせよ、新潟で追い込み決めたのだから立派の一言。ただ、ガサの無い馬で、道中も追走に汲々。馬券的にはアテにし辛い。

グリッターウイング

-8s。馬体に張りは有るのだが、もっとダート馬ならトモが盛り上がっても良い。成長の余地を残す段階。出脚で差が有って中段。ハイペースで馬群がバラけたところを徐々に進出し、4角で好位。ただ、乗り役に言わせるとソラを遣うそうで、ソリタリーキングには楽に競り勝っているのに、相手に合わせる素振り。そこをミラクルレジェンドに突かれた。惜しい2着。

ソリタリーキング

血統馬らしい垢抜けたところは有るが、まだ成長途上。下見でチャカついていたのもマイナス。今日はゲート五分。スタート直後からステッキが入っていたが、大して進まず中段から。その分、道中は手応え良い様に見えたが、それなりのロスも有って、最後迄は脚が続かず。出脚が無さ過ぎる。これでミラクルレジェンドとは2戦2敗。能力差はかなり有りそう。

ロンギングスター

2人曳き。馬体には緩慢さ残るが、キビキビ歩けていて気配は文句無し。何が何でもの構えで行ったプレシャスジェムズとピカンチラヴには叩かれたが、直ぐに立て直して離れた3番手。結果的にソリタリーキングの目標にされて苦しくなったが、この出脚は評価したい。1000万は通過点に出来る筈。

プレファシオ

短足で腹回りがボテッと映る。不格好だが、この手の馬はダート走る。例によって後方から。これは仕方が無いのだが、ビッグバンやミッキーバラードが邪魔になり、新潟で4角大外では競馬にならない。それを思えば良く伸びている方。直線手前が替わっていなかった様に、初の左回りを気にしていた面も有ったそうで、一応は悪くない内容。

サマー2000シリーズ第4戦 第46回札幌記念(GⅡ)

アーネストリー

発汗も目立つが、馬体に張り。歩様の力強さも特筆出来る。有る程度前で競馬したい馬が多い中、楽に出脚で好位。折り合いも完璧に付き、あとは追い出すタイミングだけ。直線は前を行くロジユニヴァースをネジ伏せる様に押し切った。まあ、決め手で苦しい場面は有ると思うのだが、パワーが付いて間違い無く馬は本格化。東京で負けて中山で巻き返す形が馬券上の基本に。

ロジユニヴァース

+22s。もっと腹回りの張りが欲しいところだが、前走阪神戦思えば遥かに良い。積極的に乗られて2番手から。出した分、少し行きたがっていたが、ストライドの大きいフォームは戻って来ており、最低限の競馬が出来た。最後は決め手の差だが、今日は及第点やれる。ただ、この先に幾らデキが良くなったとしても、瞬発力が来る事は無いだろう。馬場状態と展開が上手く噛み合うケースが引退迄に1,2回有るかどうかといった程度の話。

アクシオン

一息入ったが、それなりの造り。及第点はやれる。位置取りと折り合いの兼ね合いを付けつつ中段。それでも道中少し行きたがっている様には見えたのだが、内を捌いてここ迄。ただ、勝ったアーネストリーとは0.5秒差。それなりの壁は有る。外回ると相当苦しい馬場状態で、この点も差し引くと高い評価はし辛い。

ヒルノダムール

+8s。恐らく太い。言い換えれば成長は無い。歩様も相変わらず。スタート直後に躓き、直ぐさま内へ潜り込んで中段。それでもラチ沿いを取れず、結局は4角外へ。札幌は斤量が妙に利く印象も有るのだが、この辺りのロスを思えば良く走っている方。皐月賞2着は伊達ではなかった。

ジャミール

-12s。絞れたのは良い傾向。前走函館戦叩いて順当に良化。その前走が2000mで出脚が上向いていた分も有るが、出して乗られて中段。ただずっと外回されて、4角では6頭分外を通らされる格好。これでは競馬にならない。アクシオン辺りよりは強い競馬をしていると見て良い。

マイネルスターリー

-6s。少し硬さが有ったが、前走函館戦が太かった。スカッと見せる。出遅れて後方に近い位置取り。それでも内をコースロス無く乗られたが、ここ迄。結果的に出遅れが応えたという事にはなるのだが、直ぐ前に居たアクシオンは捕まえられても良い。早目の競馬が合っているタイプとはいえ、その辺りに微妙な能力差が見え隠れしている。

マイネルキッツ

遮眼革。-12s。馬体の張り案外。物見していたのは3年振りの札幌で仕方無し。隣のヒルノダムールが躓いた事に驚いていた面も有ったが、この距離では出脚が苦しく後方から。レース後歩様が乱れて豪州遠征を断念したそうだが、4角外へ持ち出す際に強引過ぎた面は有った。何れにしても現状2000mでは競馬にならず。

シャドウゲイト

2人曳き。変わらず文句無し。集中して歩けていた。前走函館戦よりは出ているが、少し出負け。ジャミールに外から叩かれて、中段から。4角で玉砕覚悟のマクりに行ったがそこ迄。右回りより左回りの方がコーナーの脚が速いタイプで、右回りのマクりは余計に辛かった。仕方無し。

サマースプリントシリーズ第3戦 第45回テレビ西日本賞北九州記念(GⅢ)

メリッサ

2人曳き。変わらず毛ヅヤまずまず。デキはずっと悪くない。道中は後方だが、この馬にしてはゲート出た部類。それでも内が悪く、砂煙がかなり上がっていたのだが、これを苦にせず手応え充分。直線も前が空いたとはいえ、進路を選択する余裕が有った。昨年のサンダルフォンと似た様な競馬。サマースプリントシリーズが出来て以降、新潟1000mから参戦の馬が多く、ハイペースになりがち。今年は逃げて勝った馬が出走しており、ハイペースに拍車が掛かった格好になっていた。その意味で1200mでも折り合い課題のこの馬には展開が向いた。逆に言えばペースが速くならない中山で折り合うかどうかは未知数。人気なら切りたい。

スカイノダン

馬体ははち切れんばかりの充実振り。落ち着いている点も好感。唯一歩様が怪しい。好発も、大外枠で急かさず中段。ただここが一番馬群の厚いところで、距離損嫌って3角で一歩前へ。それでも4角で内ラチから5馬身外。道中動いたロスも加味すれば相当強い競馬をしている。今日は勝ちに等しい内容。次走GⅡ戦でどうかだが、一応は圏内に。

サンダルフォン

間違い無く今年の方が馬は良い。昨年完成途上と述べたが、本格化成った。ゲートは出ているが、出脚サッパリで後方から。枠なりに内に居てここ迄は昨年と一緒だが、4角で外へ。この捌きがかなり強引で審議対象になったのだが、自分の競馬は出来た。最後は手前が替わらず苦しくなっていたが、これはハンデ差だろう。良く走っている方。

ストリートスタイル

毛ヅヤピカピカ。数字は無いが、それなりの造り。ゲートの一瞬は一番速かった位だが、出脚が全く無くて後方から。差し馬が有る程度外回されるのは仕方が無いところだが、スカイノダンを起点とする不利が有り、余計に外を回されたのが痛い。ただ、追い出した時の重心の低いフォームに見どころ。オープン特別なら勝ち切る場面有って良い。

デグラーティア

手先のバネも利いていて、数字通り馬体も充実。下見は文句無し。このハイペースでも好位で手応え良く追走。最内から抜け出し掛かったが、直線で頭が上がり気味だった分伸びを欠いた。レース後に故障発症し、繁殖入りとの事。

ダッシャーゴーゴー

まだ腹回りの張りが古馬とは違う印象。鍛える余地が少なからず。ゲート少し悪かったが、出脚で中段。ただ今日はコーナーで何度か外へ弾かれる不利。競馬になっていない。参考外。

マルブツイースター

+8s。キビキビ歩いていて、雰囲気は前走新潟戦より数段上だが、数字分太い。好位のイン。これもデグラーティア同様ハイペースに巻き込まれた格好だが、4角で乗り役が下を気にする素振り。追えていたので問題は無いと思うが、故障案ずる様な止まり方。今日だけでは何とも言えぬ。

第58回北海道新聞杯クイーンステークス(GⅢ)

アプリコットフィズ

+10s。増えて当然の馬。この数字の割にトモにボリューム感が有る。少し煩いのは気になったが...。出脚に任せて2番手。行きたがるのを宥めての追走、待ち切れずの4角先頭だったが、そのまま押し切った。素質だけを言えば3歳No.1という評価は変わっていないのだが、ガサの無い馬は所々で苦しい部分が出て来る。良馬場の京都なら一矢報いる場面有って良いが、前述した様に今日は行きたがった上に舌がブラブラ。2ヶ月弱の間にやるべき事は多い。

プロヴィナージュ

2人曳き。悪い時の硬さが無い点に好感。数字通り馬体もキッチリ。好発も、出脚で差が有り、マルティンスタークに行かせての2番手。直線はこのまま雪崩込んだ格好。アプリコットフィズとは斤量の差も有ろう。ただ、出脚負けした辺り、ハナへ行く為にはもっと距離が欲しい。そういう意味では最大目標の京都2200mは悪くないところ。まあ、二匹目の鰌は中々居ないのがギャンブルの常套では有るのだが。

カウアイレーン

+18s。シープスキンノーズバンド。大幅馬体増だが、全て成長分。何より馬体に張りが有った。ゲートを真っ直ぐに出ず、出脚が鈍った分中段から。直線外から最後迄良い脚を使っているが、直線一旦左手前になったのがもう一度右手前に替えての伸び。コーナー走る距離の長い札幌では右回りで走っていた区間がかなり長い筈で、左手前のままなら2着は有っただろう。この決め手を生かす意味でもベストは東京,新潟。東京戦迄待機との事だが、次走自己条件出走で人気となっても問題無さそう。

レジネッタ

-6s。遮眼革外す。ケチをつければキリは無いのだが、悲惨だった昨年を思えば今年はまだ悪くない。出脚も無いが、行かせる気も無く後方から。ただ、早目に内に入れ、向正面でカウアイレーンと前後する位置。4角も内から捌いてここ迄。勝ち切る場面はもう二度と無いだろうが、近況堅実に走っている。

ショウリュウムーン

+16s。増えて来るのは良い傾向だが、張りが全く無い。出遅れたが、プロヴィナージュとマルティンスタークが行ってくれて中段から。ひたすらインを回ったが、直線入り口で前が壁になり、更に決勝線手前でもポケットにハマってしまう格好。スムーズなら2着争い参入出来ていた。極端な時計勝負は歓迎しないが、こういう少し力の要る馬場なら世代上位。

ブラボーデイジー

-20s。歩様が硬いのは気になったが、数字は絞れただけ。好発も、出脚負けして好位から。直線も脚が上がっている様なフォームではないのだが、伸び案外。結局は瞬発力が無い。決め手の無さを誤魔化す為にも現状はダートがベスト。

ヒカルアマランサス

+12s。トモの張り一息。集中力が無い。好位のイン。ただ、向正面で既に手応えが怪しく、コーナーでも付いて行くのがやっと。乗り役の話では周囲に気を遣ったとの話だが、デキが無かった面も少なからず有っただろう。