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競馬回顧 2010年1回小倉・2回新潟

第45回関屋記念(GⅢ)

レッツゴーキリシマ

-4s。気の良い馬で、数字通りキッチリ出来ていた。一瞬タマモナイスプレイがハナへ行き掛けたが、これを制してハナ。そのタマモナイスプレイがガッチリ抑えて楽逃げになった。人気馬が何れも瞬発力身上のタイプで、誰も動かずほぼ最後迄ノープレッシャー。最後はセイクリッドバレーに詰められたが、新潟のコース形態が却って良い方に向いた。ただ展開だけではなく、元々の地力も確か。この馬がこれだけ落ち着いて走れた点も大きい。目標の次走中山戦はハンデがキツくなってしまうが、今年はショウワモダンで何とかなるメンバーレベル。3歳馬から余程強いのが来ない限りは、京都でも何とかなって良い。

セイクリッドバレー

-12kg。狙い通り絞れた格好。ただ、歩様の硬さが相変わらず。例に依って出脚が鈍く後方から。スローは分かっていても、直線迄待ってから大外へ。上がり3F32.1で届かないのなら、仕方が無い。前々走が少し甘いイメージが有りどうかと思ったのだが、距離面でマイルがベストなのだろう。以前に述べた様に展開で苦しい場面は多いだろうが、今日は自分の型が分かった点が収穫。

リザーブカード

-8s。強調出来る様な雰囲気では無かったが、まずまず。休み明け思えば悪くない。この馬の出脚で中段から。上位入線馬は皆そうだが、このスローでもしっかり折り合っていた。元々、直線の長いコースも得意で、外へからそれなりに伸びたが、セイクリッドバレーには伸び負け。自分の力は発揮したが、セイクリッドバレーとの能力差はそれなりに有りそう。

テイエムアタック

シープスキンノーズバンド。馬体に張りが無く映る。出遅れて後方から。頭が高い走法だが、折り合ってはいた。これも大外から。良く伸びているが、あと一息。オープン8戦して何れも馬券に絡めていないのだが、全て勝馬から1秒以内。ゲートを五分に出るだけでも大分違って来ると思うのだが...。

タマモナイスプレイ

毛ヅヤピカピカ。オーストラリアンブリンカー。フジキセキ産駒らしい地味さは有るが、今季絶好調。出脚速く、一瞬ハナを覗かせたが、外のレッツゴーキリシマが主張して2番手から。微差でも、最後は鋭さ負け。前走阪神戦の時計なら競馬になるが、新潟の様な1分32秒台の決着では辛い。

スピリタス

馬は数字より大きく見せるのだが、トモの送りが硬い。今日はゲート五分。ただ道中はこの馬が一番行きたがっていた。他馬が折り合っている中、あれだけ気負うと最後の脚に差が出てしまう。前走東京戦はハマッたが、乗り難しさが有る。今の内に直さないとファリダットの二の舞に。

ムラマサノヨートー

+8kg。デビュー最高体重。ここ迄増えると気持ち太いが、今季はデキが良い。歩様の柔らかさが特筆出来る。例によって後方。これも少し行きたがっていた。直線は最内からそれなりの伸びだが、前とは差。スローで内を突くのは悪くないが、新潟に限ってはノビノビ走れる外へ持ち出した方が良い。そういう意味では枠順の差も。

第42回函館2歳ステークス(GⅢ)

マジカルポケット

+12s。然程太くは見せないが、良いとも思えず。少し緩慢に映った。出脚負けはしていないが、無理せず好位のイン。馬は行きたがっていた雰囲気も有ったが、物理的に4角迄動けず直線勝負。この状態でも脚が矯められた器用さは評価出来るのだが、それ以上は...。時計も平凡で、ここ数年でも最低に近いレベル。

マイネショコラーデ

2人曳き。毛ヅヤピカピカ。バランスの造り。悪く言えば完成度が高過ぎる。出遅れ1馬身不利。早目に外へ持ち出した迄は良かったが、ガツンと掛かり、4角で先頭。この展開を思えば良く踏ん張っている。少なくとも一番強い競馬出来たが、前走も抑え切れずにハナへ行ったそうで、競馬が雑。モタれる面は直っていたのだが。

ルリニガナ

胴が詰まった造り。デキ自体は悪くなく、特に減点材料は無い。好発もジワッと好位。前走はコーナーで外へ逃げていたが、今日は外からマイネショコラーデとエーシンジャッカルに来られて逃げ場はなかったものの、手応えが悪くなり、置かれていた。そこから3着だから、示したパフォーマンスとしては悪くないが、前述した様に今年はメンバーが低調で、その分の割引は必要。

エーシンジャッカル

2人曳き。腰回りがしっかりしているので、見栄えがする。出脚はサッパリだったが、3角手前でマイネショコラーデが内から進出した際に連られる様に4角前団に取り付く格好。競馬が強引だったにせよ、マイネショコラーデがあれだけ頑張っていた事を思えば物足りなさは残る。あの出脚を思うと距離ももう少し有った方が。

タイセイファントム

キビキビ歩けており、気配自体は良かったが、馬が薄い。8枠2頭の方がゲート速かったが、押してハナ、ただ明らかに出脚不足で、道中はかなり絡まれていた。それでもと行き切った分の入着だが、前2走の様に差した方が良さそう。

トラストワン

2人曳き。シープスキンノーズバンド。この時期の2歳馬にしては馬体のボリューム感が有る。痛恨の出遅れ。早目に外へ持ち出していたが、マイネショコラーデの様に挽回する脚も無かった。全く競馬にならず。ただ乗り役の話では落鉄していたとの事。1走は猶予を。

サマー2000シリーズ第3戦 農林水産省賞典第46回小倉記念(GⅢ)

ニホンピロレガーロ

-8s。シープスキンノーズバンド。前走新潟戦もデキは良かった。一息入ったが今日もはち切れんばかりの造り。サンライズベガとトーホウレーサーが先行し、これに乗る形で中段。新潟戦時に述べた様に、追ってスパッと切れるタイプではなく、好位勢が4角手前で潰れての持久力勝負も絶好。良く有る話だが、勝った馬が一番良い展開になった。ただ、馬装が有るとはいえ、以前思えば頭の高さもマシ。基本はステイヤーで、次走新潟戦も馬券圏内は有るだろう。東京2500mでの長打も期待したい。

バトルバニヤン

デキ自体は悪くないが、この数字では少し太い。ニホンピロレガーロよりは出脚有る筈だが、メイショウレガーロに叩かれたところを更に外から来られて後方。そこから立て直して、向正面ではニホンピロレガーロとの並走になっていたが、ここでの内外の差が最後迄響いた。前走福島戦の轍は踏んでいないのだが、ここ迄来ると運の問題。

スマートギア

これといって強調材料も無いが、馬体に張りは有って悪くは無い。出遅れ。例に依って後方から。前述した様に、好位勢が早目に潰れてマクり合戦の様相。小回りの競馬にしては展開が向いた。これで3着止まりなのは、些か案外感が有る。以前はもう少し良く見せた筈で、見た目はともかく、デキが完調ではないと見るのが妥当。

ナリタクリスタル

もう少し馬を大きく見せて欲しい。トモの送りも硬く、イマイチ感が残る。枠なり・出たなりで中段のイン。位置取り悪くないが、4角でシルクネクサスの内か外かで逡巡し、仕掛けが遅れたのが痛い。今日は枠順でこれしかないのだが、脚の使いどころが難しく、色々注文の多い馬。オープンへ来るとそこ迄の能力差が無いだけに、辛いところ。

ステップシチー

ステイゴールド産駒にしては大型。ただ、もう少し絞れても良い。今日はゲート五分。少し出して好位のイン。元々は長距離使われていたが、小回りのハイペースでも追走には問題無し。ひたすら内を回って、直線も一瞬は3着の場面が有った。この競馬なら自己条件確勝級だが、ハンデが1s恵まれていた。この分も大きかった筈。

サンライズベガ

馬体は悪くなかったが、意外に歩様が硬い。今日はゲート五分に出て、何時も通りに好位から。オースミスパークが飛ばして、これを見ながらの競馬。中段の馬が早目にマクりに来て、自力で動く格好になったのは確かだが、それにしても無抵抗だった。オープンでは少し甘い。

サマー2000シリーズ第2戦 農林水産省賞典第46回函館記念(GⅢ)

マイネルスターリー

2人曳き。+10s。デキ自体が悪いとは思わないが、腹回りに少し余裕。出たなりで中段から。前走新潟戦もそうだったが、追っての瞬発力に欠き、4角手前からマクる競馬。テイエムプリキュアが無茶なペースで引っ張って、かなりのハイペースだったのだが、これを意識した各馬がこの馬に付いて行かずワンテンポ待って楽になった。最後は3馬身半差。過去には粗相も有った馬だけに、直線でラチを頼れたのも大きかった筈。好騎乗というよりはギャンブルがハマった印象。

ジャミール

+10s。デキ自体は悪くないが、少し太いのと気合乗りが一息。引っ掛からぬ程度に出して中段。ただコースロス無くインへ入れた策が今日は裏目。前の馬が邪魔になり、マイネルスターリーがマクったところに付いて行けず、直線迄待たされる格好になった。最後は力で差した2着。近走長距離使われてばかりいたが、2000mをこなせたのも収穫。賞金加算出来た点も大きい。

ドリームサンデー

良い馬が少ない中で、近況好調馬らしく、これが一番良く見えた。出脚は勝っていたが、前述した様にテイエムプリキュアが主張して2番手から。1000m通過57.8秒で飛ばしており、これはこれで仕方が無いのだが、早目先頭に立たされて、マイネルスターリーがあれだけ早く来たのが誤算だっただろう。逆に言えば今日は苦しい展開を良く頑張った3着。重賞では勝ち切る迄は無い馬だったが、使われて少し前進した印象。下見の通り、目下のデキも良いのだろう。

エアジパング

+16s。数字通り太いのは確かだが、気合乗っている点が救い。この距離で出脚がどうかと思ったが、意外に行けて中段から。マイネルスターリーのマクりに付いて行く意思は有ったが、そこがこの馬の辛いところで、乗り役の期待程は進んで行かず。それでもバテぬのがこの馬の持ち味。最後の最後で4着に浮上。長距離なら出番有る。

フィールドベアー

-10s。近走が太かっただけで、これ位がベスト体重。トモの造りもしっかりしていた。前へ行こうと思えば行けた筈だが、セコい事考えて内へ入れたがあまりにも後ろになり過ぎて、結局は中段やや後方の外目。エアジパングの更に後ろでは二手遅い。枠順が応えたといえばそれ迄だが、もう少し違う方法は有った。

シャドウゲイト

2人曳き。気配は表に出している点には好感。少し太く映るのは体型。痛恨の出遅れ。この形では競馬にならず。ただ、大きく負けた訳ではなく、最後迄諦めずに走っていた。この点は今迄と違う点。次走札幌戦は無条件で本命に。

サマースプリントシリーズ第2戦 第10回アイビスサマーダッシュ(GⅢ)

ケイティラブ

牝馬にしてはしっかりした造り。ここでも上位の馬。手先にバネを感じさせたのも好感。好発切ってハナ。単純に出脚が一番速く、最初の1Fで1馬身近く抜けていた。あとは教科書通りに外目に持ち出し、そのまま押し切った。馬場状態が良い分、持ち時計を詰めているが、条件戦時代のパフォーマンスそのままを披露した形。小細工の利かないこのレースはクラス慣れという概念が無いのだろう。ラスト1F12.0に疑問は有るのだが、この出脚ならサンアディユ級有りそう。ただ、次走小倉戦との事。小倉戦は毎年馬場馬悪く先行馬不利。阪神戦へ直行した方が賢明とは思うのだが。

ジェイケイセラヴィ

馬体回復せず。中身が無い様な雰囲気で、良くは見えなかったが...。ゲートが若干悪い様に見えたが、出脚で2番手。良いスピードが有って、最後も前を詰めていた。この辺りは経験の差。過去の傾向から芝ダート兼用馬が好走するそうで、そのパターンにハマった格好だが、枠の利も多少は有った筈。今後へ向けての強調材料は無い。

マルブツイースター

気配が1000m戦にしては地味過ぎる。気配もそうだといえばそうなるが、見栄えしないのは3歳時から変わらず。サープラスシンガーとも出脚はそこ迄変わらない筈だが、あまり行かせる気も無かった様な雰囲気で500m地点では中段辺り。そこからジワジワ伸びて際どい3着争いを制した。内枠勢では唯一の掲示板確保。近走冴えなかったが、使う距離も悪かった。スプリント戦ならソコソコの馬。

アポロドルチェ

大物感は無い馬だが、近走では一番良く見せる。ゲート自体は出ているが、出脚が鈍くて後方から。馬券圏内には僅かに届かなかったが、ラスト300mの脚でここ迄追い込んで来た。このレースは昨年も2着に走ったとはいえ、パンパンの良馬場でこれだけ走れたのは収穫。近走ゲート失敗率が高い上に、出脚も無く、今後もキツい場面は多いだろうが、展開一つ。

シャウトライン

-8s。今冬の京都戦で太いと述べた様に、これ位がこの馬のベスト体重。歩様もしっかり。乗り役は押しているが、1000m戦の出脚ではなく中段から。最後も伸びずバテず。ケイティラブが持ち時計より0.6秒詰めたのだが、この馬も持ち時計から0.6秒詰めた形。馬場状態分だけ時計は速くなったのだが、自分の能力は全て出し切っている。そういう意味ではオープンでは少し足らない。

カノヤザクラ

2人曳き。何だかんだでこのレースになればマトモになるのだが、それでも悪くは無い程度。一昨年が一番良かった。時々出遅れる馬だが、今日はゲート五分。ただ、行き振りが悪く、道中半ばで勝ち負けは無理な位置。その割には渋太く伸びているのだが、決勝線寸前で故障。最悪の結果に。

メリッサ

強調材料も無いが、前走中京戦と変わらず。皮膚の薄さが有って、デキは悪くない筈。スタート直後は前の方に居たが、500m地点辺りからズルズル下がって殿負け。故障かと思った位だったが、そうではないとの話で、馬が競馬を投げたのだろう。適性自体は有る筈で、不慣れな面がマイナスに出た形。