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競馬回顧 2011年1回京都・1回中山

第18回平安ステークス(GⅢ)

ダイシンオレンジ

歩様もキビキビしており、前走阪神戦から本調子。好調持続。ゲートが少し怪しかったが、出脚で好位のイン。トーホウオルビスが飛ばして流れたのは折り合い面で良い方に出たが、そのトーホウオルビスを突いたダイナミックグロウが3角過ぎから手応えが怪しくなり、これを避けるべく早目に動かざるを得なくなったのが痛い。楽勝ムードから一転、ハナ差迄追い込まれてしまった。ただ、最後迄脚を残して差し切るイメージが強かった馬が、展開の綾とはいえ自力で動いての勝利。地力強化の跡は窺える。昨季からトランセンド相手に追っ掛けバテする競馬が2走続いていたが、こういう経験も大きかった様。

インバルコ

遮眼革。ゆったりと見せて馬に重量感。少し太目だが、バランスが良いのも確か。枠も大きいが、押しても進まない程の出脚で後方から。道中も追い通しだったが、直線も叩き通し。ダイシンオレンジの失敗も有ったとはいえ、ハナ差迄持ち込んだのは立派なのだが、乗り役にとっても苦しい競馬となった。審議になったサクラロミオとの接触の件も、右ステッキで脚が無くなりそうだったので左から叩いてモタれた格好。ただ、今日はペースが速くなって、サクラロミオとの併せ馬になった点は向いた。もっと距離が延びた方が良い。昔の様に東京大賞典が3000mや2800m戦なら不動の中心だった。乗り役は枠を悔いていたが、内枠ならこの展開は有り得ず、その際には嫌って妙味の馬に。

サクラロミオ

ダート馬としては軽い造り。見た目のデキは今秋から高値安定。行かせれば行ける馬だが、例に依って後方から。折り合って丁度インバルコの内。そのインバルコと一緒に動いては脚が続かないところで、4角もジワッと動いて直線だけインバルコの内へ併せる上手い立ち回り。直線は接触の場面も有ったが、最後は馬力負けの印象。以前にも述べた様にベストは東京マイルで、京都1800mならこれで上等だろう。ただ、ゲート入りを嫌がる場面。見た目は悪くなかったが、見えない疲れが有りそう。次走は様子見。

ピイラニハイウェイ

デキ自体は良いが、今日は馬格の有る馬が多く、サクラロミオ同様にこの中へ入ると馬が軽い。ゲートも速い方だったが、ステッキ入れて好位。本来はもう一歩前へ行きたいところだが、ペースが速くてそれが叶わず。それでも4角ダイシンオレンジが早目に動いたところを連れて動き、直線半ばでは2番手の場面。手前が替わらず最後は甘くなったにせよ、見せ場は造った。これも軽い馬場の方が良いタイプだが、ダイシンオレンジ同様にこういう経験が今後に活きて来る筈。

マチカネニホンバレ

遮眼革。シープスキンノーズバンド。+4s。毛ヅヤが中々良く、張りは有るが、明らかに太い。出脚は有る筈だが、無理せずダイシンオレンジに行かせて中段からの競馬。ただ、決め手が無いので今日はこれが失敗。内で立ち回った利は有った筈だが、伸びずバテずの内容。少々ハイペースでも行かせればそれなりに渋太い筈だが...。

トーホウオルビス

これも毛ヅヤは悪くない。ただ、逃げ馬にしては気配が地味。馬体の迫力でも劣る。出脚で楽にハナ。ただ、これをダイナミックグロウが突いて1000m通過60.8秒はかなりのハイペース。4角では筒一杯になっていた。この相手で通用するにはもう少し恵まれねば苦しいところ。馬格から、この馬自身も下が渋った方が良い。

第52回アメリカジョッキークラブカップ(GⅡ)

トーセンジョーダン

2人曳き。-6s。前走が+10sで狙い通り絞れた形。自分からハミを取っての周回で、気配の良さが目に付いた。最初から行くつもりも無かっただろうが、スタート直後に少し狭くなった事も有って無理せず中段から。意外に折り合いがスムーズで、スロー嫌って好位勢が動く中、これらに連れての進出。4角での手応えで勝ったかの雰囲気だった。大トビだが、追い出しての脚も力強く完勝。これが凄いという特徴が有る訳ではないが、乗り易さが来たのは大きい。今春京都戦でも上位争い必至。

ミヤビランベリ

叩いて毛ヅヤが良化。出脚も有る馬だが、スタミナには自信が有り、ならばとハナへ。道中単騎では行けたが、1000m通過63.4秒は遅過ぎる。3角で待ち切れない好位勢を呼び込んで、その直後に居たトーセンジョーダンに絶好の展開になってしまった。それでも持ち前のスタミナで好位勢は追っ掛けバテさせ、2着は悠々確保。6番人気で2着は上等といえる範囲だが、この相手なら実績は断然。上手く乗れば勝ちも有った競馬だろう。

ネヴァブション

遮眼革。歩様が硬いのが少し気になるが、皮膚を薄く見せてデキ自体は良い。出脚が付かず後方から。折り合いに不安はなく、道中は過不足の無い追走。3角からマクる展開も、好位勢追っ掛けバテの展開なら悪くないのだが、直線向いてからが内にモタれ通し。松岡騎手、かなり追い辛そうだった。3着は地力の為せる技。昨季から今日で5戦目、前走以外は全て掲示板確保しており、毎回メイチの競馬。見えない疲れも有りそうだが。

コスモファントム

+4s。今季はデキが良いので大きく目立たないが、この数字では太い。500s切るのがベスト。出脚は有る馬で、ハナへ行く手も有った筈だが、控えて好位。4角でトーセンジョーダンの直ぐ内、手応えも悪くなかった筈だが、追って甘い。前走時に述べた様に馬が本格化して保つ様になっているが、元々は2000mでも怪しい馬。2200mは長いだろう。

ダイワジャンヌ

数字なりの造りだが、バランスは取れている。完歩が狭いながら、歩様もキビキビ。牝馬で毛ヅヤは仕方無し。少し前を追い掛けそうになっていたのを抑えて中段。道中も少し噛んでいた様に見えたが、トーセンジョーダンマークの競馬は出来た。4角外回って更に外から来たネヴァブションには追い負けたが、初距離を考慮すれば悪くない内容。適距離に戻れば牡馬相手でも。

マルカボルト

メリハリの利いた造りでデキの良さは伝わって来るが、トモが甘い歩様。出脚は速い馬だが、ミヤビランベリの方が更に速く、2番手から。道中の折り合いという点では問題無かったが、3角でサンライズベガに急かされる格好になり、これが若干痛かった。坂下迄は雰囲気悪くなかったが、そこからが甘い。スローで一見単調な競馬でも、中山のスローは各馬の仕掛けが早くなりがち。勿論、今日のところはオープンの壁も有るのだが。

第58回日経新春杯(GⅡ)

ルーラーシップ

+4s。前走中山戦時で本調子。この数字でも太く見せないのは成長も有るからだろう。歩様のバネが他馬とは違う。今日はゲート五分。道中は好位。少し出した影響も有って、ずっと行きたがっていたが、トビの大きい馬であまりゴチャつくのも避けたいところ。ペースはソコソコ流れたが、前有利な馬場状態という事も有り、そのまま行かせて早目の進出。直線入口では既に先頭に立っており、危なげなく押し切った。広いコースならフォームの力強さが更に際立って見える。ただ、理想を言えば追い出した時にもう少し頭が下がって欲しい。現状でもGⅠ級だが、現状ここが父キングカメハメハに劣る点。古馬になってから走法変えるのは中々難しいのだが、これが来れば距離の融通性が来て顕彰馬級になるだろう。早目に抜け出した際に遊んで手前を替える余計な部分は似ているのだが。

ヒルノダムール

2人曳き。気配は上々。この数字では太く映った時期も有ったが、成長分も有ろう。歩様はこの馬独特。成長に伴って、出脚も来ており、中段やや後方。ローズキングダムを直ぐ内に置きながらの競馬。ただ、ローズキングダムが4角手前で手応えが悪く、これを見切って直線は外へ。良く伸びたが、2着確保の態勢になった途端に手前が替わって内にモタれ気味。程度はマシになっているが、症状自体は前走阪神戦と然程変わらず。下見はともかく、まだ本当ではない様。

ローズキングダム

+6s。小じんまりと見せるのは何時もの事。下見はこれで及第点。出脚が少し怪しく、中段やや後方のイン。折り合いは序盤だけ怪しかったが、向正面でスムーズに。ただ、坂を下る際に手応えが怪しく、内にモタれていた。ここで馬と格闘している間に、入口で一瞬前が壁になったのも痛かっただろう。直線向いてからはそれなりに伸びているが、菊花賞同様勝負どころでの大事な脚が無い。京都の坂が下れない馬は、古くは平成初期に走っていたヒシマサル、最近ではハットトリックやアドマイヤフジ等、時々居る。やはりこの馬は東京がベスト。一応今日はこれを敗因にするが、GⅠ馬となった以上、58sは背負っていかなければならない斤量。瞬発力身上の馬だけに、カンカン泣きしている可能性も高く、これが原因だと今後が苦しいが。

ナムラクレセント

+4s。少し太いだろうが、毛ヅヤが良くデキ自体は良い。戦前述べた様に、トモの甘さが解消されて本格化。出脚は若干怪しいが、少し出して好位。この分行きたがったが、向正面でスムーズに。内をコースロス無く回って、過不足無い競馬が出来たが、最後は地力の差。重賞未勝利ながら入着が多くハンデは仕方が無いのだが、57sも厳しかったところ。

ホワイトピルグリム

+10s。腹回りに余裕有るのだが、トモが薄い。調整途上。行く気も無かったが、出脚が無く後方から。最初から内に入れてローズキングダムを見ながらの競馬。ルーラーシップが早仕掛けして、馬群の外に居た馬は連られた中、内でジッとしていた分の入着。正月から馬場状態がイン有利だった影響も有ろう。レース内容としては高い評価は出来ず。

ゲシュタルト

+14s。馬体に張りが無い。気配,歩様,毛ヅヤ全てでダメ。出脚は有る様で、出たなりで行かせて3番手。ペース自体は意外に流れたが、道中無理はしておらず、何の問題も無い競馬は出来た筈。ただ、4角からはほぼ無抵抗だった。下見通り、デキが来ていないと見るのが妥当。

ビートブラック

+8s。馬体は張りが有ったが、流石に太い。出脚活かして内へ入れたかった様だが、結局ハナへ。これも拙かったが、本来逃げたいメイショウクオリアが突いて来たのが最悪だった。ほぼ息が入らぬ展開に。騎乗ミス。馬は悪くなく、参考外。

第51回京成杯(GⅢ)

フェイトフルウォー

毛ヅヤは仕方が無いところだろう。造りにメリハリが無いのは減点材料だが、歩様はスムーズ。今日はゲート五分。出脚もムラが有る馬だが、押して何とか好位。道中の折り合いは一応付いた。追い出して、大きいトビでフォームもしっかりしているのだが、最後デボネアにここ迄詰められた点には微妙な案外感も残る。リングハミに替えて走ったと陣営は見ている様だが、リフトザウイングスに負けた馬という評価は変わらず。

デボネア

数字も有るのだが、トモのボリューム感が目に付いた。折り合いを意識しつつジワッと中段。前に馬を置いて道中もスムーズだったが、4角回って前も開いた。この辺りの利は有るにせよ、最後は1頭で追い込んで来た脚は中々。フェイトフルウォーはもっと楽な競馬をしており、比べ馬では勝っていた。前走小倉戦はレコードでも所詮2.02.4だが、競馬が分かって来たのは大きい。馬振りも良く、先々走って来そう。

プレイ

チャカついていたが、イレ込み迄は行かず。まだ造りが華奢だが、骨格はしっかり。出脚は速かったが、無理せず好位。調教師の指示だったそうだが、何時でも動ける外に居て、4角早目のスパート。決め手で甘いので狙いは当たっているが、最後はギリギリの3着になってしまった。競馬が強引過ぎた印象も強い。控える競馬を試している段階なのだろうが、当座の結果を求めるなら出脚活かして逃げた方が良い。

マイネルメダリスト

-8s。もっと絞れても良い位だが、少し歩様に力が無い。出脚は有りそうだが、行かせると掛かるので控えて中段。スムーズに内を立ち回って来れたが、あと一歩。行かせて伸びず、差して届かずでもどかしさは有る。自己条件は何とかなる筈だが、これで人気になりそうなだけに、嫌って妙味と見たが。

メイショウトチワカ

仕草も幼いが、馬体も成長途上の印象。出たなりで中段やや後方。位置取りよりもコースロス無くという意識が有った様だが、これをやると外枠はどうしても位置取りが悪くなる。案の定、4角で行き場が無く後方。直線も坂下で前が詰まる場面。従って、そこからの5着は悪くないが、詰まってから立て直して伸びているかどうかは微妙なところ。これも500万に使える馬だが、出走しても信頼度は低い。

インナージョイ

然程目立たぬが、バランスの取れた造り。出遅れて後方。道中は枠なりに内を回っていたが、スマートロビンが4角手前でマクりに行って、そこを二段マクりの形。この回り脚はスマートロビンよりもかなり分が良かったが、坂下から右手前でモタつき、坂を上がり切って左手前に戻してもう一伸び。中山は向かないが、能力は有りそうな内容。勿論東京がベストだが、父ディープインパクト譲りの回り脚が福島や小倉で活きる場面も。

スマートロビン

2人曳き。馬振り断然。胴をスカッと見せて、トモに迫力。出遅れて後方から。人気でも有り、3角手前から動いて行く意思は見せていたが、同じディープインパクト産駒でもインナージョイとは違い回り脚が無い。4角での手応えの差は歴然だった。前走阪神戦の様にゲート出ていれば違うのだが、後ろからになると中山では辛い。

第27回フェアリーステークス(GⅢ)

ダンスファンタジア

元々良く見せる馬で、見た目には変わらず。落ち着いているのが何より。馬場入り時も意外に堪えていた。出脚は一番速かった程だが、控えて好位。今日は折り合いが付いた。4角で内を突く策も有ったが、アドマイヤセプターが外へ持ち出したのでこの馬も外へ。スピードリッパーを行かせている分、一手後手踏んだ形になっているのだが、アッサリ突き抜けた。完勝。時計も速く、ここ迄示したパフォーマンスは母ダンスインザムード以上。気性面は当日にならないと何とも言えない状況だが、頭が高いのがもう一つ減点材料。この二点が直れば母馬同様に牡馬相手でも。

スピードリッパー

+8s。強調点は無いのだが、全体にまずまず。道中は中段。先行した8枠2頭に連られ、序盤は行きたがっていたが、3角手前でスムーズに。ずっと最低3頭分は外を回されていたが、それでも自力で動いて一瞬は先頭。ダンスファンタジアには並ぶ間も無くやられたが、アドマイヤセプターを凌ぎ切ったのは大きい。まずまずの内容。ただ、これで次走以降人気になりそう。輸送の影響が大きい春の3歳牝馬は関東馬というだけで不利。

アドマイヤセプター

-10s。数字通り細い。毛ヅヤも悪かったが、歩様はキビキビ。落ち着きも有り、細い以外は及第点。ゲートは出たが、出脚が怪しく出して好位。ただ、外から来たコンプリートやピュアオパールとの兼ね合いが付かず、急ブレーキの場面。外へ持ち出したのは前の馬に脚が無いからで、これは正解だが、直線は内ラチにヘバリついており、ロクに追えず。スムーズなら2着有った。課題の折り合いはマイルなら保つことが分かり、収穫は有ったが、内へモタれる症状は問題。これは札幌戦時から素振りが有り、調教で工夫して来た筈の事が出来なくなっている。勿論、賞金加算出来ない3着というのが何より痛恨なのだが。

ピュアブリーゼ

ホライゾネット。下見は最後方を周回。少し細身の造り。出脚もまずまず有ったが、前でゴチャついたのに乗じて好位。イングリッドが引っ掛かる等、周囲は出入りの激しい競馬だったとはいえ、この馬は割とスムーズに立ち回れたが、その割に決め手で甘い。ダンスファンタジアには一瞬で突き放されていた。競馬は上手いが、マイルは微妙に短い印象。馬場入りの際にかなり梃子摺っていたのも何とかせねば。

ヤマノラブ

遮眼革。デキだけならコレ。背丈が無い分、不格好に映るが、ドッシリと見せて毛ヅヤが良い。出遅れ。出脚で好位を狙ったが、外枠の馬が前へ行く展開で、行き切れず中段やや後方。道中はそこ迄外回っていなかったが、今の中山で4角大外はキツい。従って内容そのものは悪くない。地味だが、500万は何とかなりそう。

イングリッド

2人曳き。小さいながら完成度の高いディープインパクト産駒だが、イレ込み。これも出遅れ1馬身不利。最初から引っ掛かっており、向正面頂点で中段、3角手前では先頭に。これでは保たない。直ぐに止まったにせよ、ハナ行ってからはスムーズに走っており、現状は逃げた方が良さそう。

第45回日刊スポーツ賞シンザン記念(GⅢ)

レッドデイヴィス

2人曳き。-10s。落ち着きの無さは気になったが、漸く絞れて来た。出脚速くスッと好位。シゲルソウサイとシャイニーホークが飛ばし、これを少し離れた位置で見ながらの追走。前走阪神戦での降着は空馬が気になったとの話で、今日は揉まれずに競馬が出来たのが大きい。コーナーも逆手前になる事無く、スムーズに回れていた。抜け出す脚もまずまず速い。頭が高いのは新馬戦同様に遊んでいるからだろう。今後も馬群の中でどうかだが、性能は世代上位。

オルフェーヴル

2人曳き。下見は堪えていた。ただ、馬の造りは子供。最近のドリームジャーニー程ではないが、出遅れて後方。内で行きたがって、3角では中段過ぎ位に居たが、ここからの回り脚は兄馬同様に有りそう。イン逃げ絶対の馬場状態だが、直線もこれだけ差せれば上等。首が下がって推進力感じさせる走りが血統だろう。行きたがる気性が何とかなれば兄馬に近付ける筈。

マルセリーナ

-6s。チャカつくディープインパクト産駒が多い中、気配は地味。ただ、数字無くても垢抜けたディープインパクト産駒が多い中、馬体も地味なのだが。出脚で差が有って中段。行きたがる馬が多い中、折り合いは付いていた。直線も内から一旦は2番手の場面。オルフェーヴルにはやられたが、追っての脚も確かだった。ディープインパクト産駒は使い込むと行きたがるので、今後がどうかだが、1戦1勝の牝馬がこれだけ走れば上々。あとは何処で権利を取るかが問題。今年のこの路線は牡馬よりも層が厚く。

アドマイヤサガス

2人曳き。腹回りもスッキリしつつ有り、馬振りの良さが出てきたが、デビュー以来一番気負っていたのが。ゲートを真っ直ぐに出られず出脚が鈍ったが、少し出して好位の内。下見では気負っていた割に実戦では折り合っていたが、いざ追ってからが甘い。イン有利の馬場で、コースロスも無く回れており、余計に案外感が残った。前走中山戦時に、グランプリボスが降着にならないのはこの馬に脚が無かったからだと述べたが、本当に弱かった様。

ドナウブルー

2人曳き。-4kg。毛ヅヤの良さは光った。見た目と数字が一致しており、馬体減も気にならなかったが、イレ込みがキツい。ゲート出て好位。最初から3〜4角中段辺り迄ずっと行きたがっており、これでは伸びず。今日はむしろズルズル行かなかった事を評価したい。ディープインパクト産駒は相変わらず気性面で厄介だが、流石に牝馬で1番人気になるだけの事は有る。

第49回スポーツニッポン賞京都金杯(GⅢ)

シルポート

前々走阪神戦で復調気配。毛ヅヤが良化して、馬体に重量感が出て来た。絶好枠でも行けない可能性も有る出脚なのだが、マイネルファルケが更に甘く、意外にスンナリハナ。ただ、デキが戻った今なら、行けば何とかなる。2番手のガルボも後続に意識が有った様で、4角でも単騎。前がバラけて、後方が団子という典型的なイン逃げの競馬になった。ただ、逃げ切ったとはいえ、前走はダンツホウテイ、今日もガルボとは僅差。マイルが合うというよりは、コーナー2回の競馬が向くという基本線は有るが、案外底は浅い。

ガルボ

毛ヅヤが良く、今季はデキも良いのだが、馬体がドッシリとして、歩様にも力強さ。本格化した。ゲートが若干怪しかったが、出脚で2番手。折り合いが怪しかったのはゲートが悪くて押した分も有ろう。ただ、4角でシルポートに並び掛けると自分が目標にされる。この辺の微妙な匙加減が難しいところで、結果的に前を可愛がり過ぎた分のクビ差。最近はマイルを基本に使われており、実際結果も残しているが、今後は人気になりそう。本格化成った今なら2000mでもこなせる筈で、ここが馬券上の狙い目に。

ライブコンサート

昨季から好調キープ。昨春より毛ヅヤが良く、歩様が力強いのが何より。出脚は怪しいが、折り合いに不安の無い馬の強みで好位から。こちらはあまり切れる脚が無いので、早目に動く意思を見せていたが、実際切れる脚が無く、4角での位置取りのまま雪崩込んで3着。昨年は微妙に下が渋っていて差し切れたが、ハンデも背負わされており、もうチョイ上がりが掛かってくれないと厳しいところ。乗り役としては最低限の仕事は出来ている。

リーチザクラウン

この相手なら馬振り上位。落ち着きも有り、まずまず。半馬身出遅れたが、少し出して中段。内を捌いてそれなりには伸びて来たが、前も似た様な脚色。今日の展開では出遅れが痛かった。出しても折り合いが付く様になったのは大きいが、58sが有ったとしてもこの辺の距離では瞬発力が足らない。今なら2000m〜2400mで逃げる位が面白い気もするのだが。

ネオヴァンドーム

これも歩様は良くなっているのだが、もっとトモに厚みが欲しい。毛ヅヤも一息。枠の分も有るが、出脚で差が有って中段。3000mの後の割にはスムーズに走っていたが、これも抜群の瞬発力があるという馬でもなく、伸びずバテずの格好。能力に大差は無いとしても、今日の様な展開では出脚で一歩落ちるのが結果に響く。

サンディエゴシチー

+22kg。全体に肉が付いた印象。毛ヅヤが良いのでデキは間違い無いが、歩様が窮屈なのもマイナス。半馬身出遅れ。押していたが、リーチザクラウンに前へ入られて、その直後から。乗り役に言わせるとタイヤの跡だったそうだが、4角でノメる場面も有った。直線で頭が上がっていたのは何時もの事とはいえ、今日は競馬にならず。ただ、直前の追い切りは明らかに軽かったにも関わらずこの馬体増。正月は調整が難しいとはいえ、厩舎技量に疑問。

スマートステージ

遮眼革。シープスキンノーズバンド。+6kg。しっかり歩けている点には好感持てるが、今日は太い。この枠で最後方迄下げてインからの競馬。最後迄しっかり走っており、内容は悪くないとしても、マイル戦は後方からの競馬となるので、結果が出ない。気性面何とかして適距離走らせるべきだと思うのだが。

第60回日刊スポーツ賞中山金杯(GⅢ)

コスモファントム

増減無しだから、前走中京戦で述べた通り太いが、張りは有る。気配も抜群で、この点は順当に良化。好発。ハナへ行く手も考えられたが、行きたい馬に行かせて好位のイン。器用さは有る馬で、スムーズに立ち回れていたが、直線向いて一旦最内狙ってからモエレビクトリーとケイアイドウソジンの間へ切り替える場面。このロスが有った分、着差は僅かとなったが、完勝。2歳時は2000mが少し長い印象も有ったものの、今季は歩様がしっかりして距離が保つ様になった。東京ではサッパリの場面も有ろうが、エイシンデピュティをイメージしておきたい。

キョウエイストーム

シープスキンノーズバンド。小走りは有ったが、この馬とすればこれでも落ち着いている方。幅の狭い歩き方も毎度。コスモファントムに出脚で勝てる馬ではなく、同馬をマークしながらラチ沿いへ。道中はそのコスモファントムが好位に控えて中段からの競馬。折り合いは元々問題無い馬で、4角迄は過不足無い立ち回りだったが、前でコスモファントムが進路に迷ったのが直後のこの馬には少し痛かった。乗り役の話では中山は最後の一脚が有るとの事だが、だからこそこのハナ差は大きい。石橋脩騎手、今日は馬に頭が上がらないだろう。距離は、昨夏の福島でも僅差の競馬が有り、回数走っていないだけ。戦前から不安要素とする方がおかしい。

ナリタクリスタル

数字通り出来ていた。小じんまりと見せるのも何時もの事。この時期にしては毛ヅヤが良い。あまり早く叩かれると位置取り悪くなるので、有る程度抵抗しつつ中段。この分、極端な外を回されずには済んだが、中山で馬群の外に居ると自力で動く形にならざるを得ない。直線は一瞬先頭に立つ場面も有り、差し返されたにせよ強い競馬はしている。次走は叩いた上積みも見込め、中心としたいところだが、以前にも述べた様に、この馬ソラを遣う癖が有るのが厄介。今日でも馬体が併さっていない影響は有った筈。単勝が買い辛いタイプ。

モエレビクトリー

馬体の張り一息。決して良い様には見えず。真っ直ぐゲートを出ていないのだが、立て直してハナ。2年前もそうだが、この馬ハナへ行けば折り合いが付くのが良い。直線向いても坂下迄は先頭だったが、そこからが甘いのも2年前同様。2年前は後の凱旋門賞2着馬と0.1秒差だったが、今年の相手でも0.1秒差。相手なりに詰めが甘い。

ケイアイドウソジン

+6s。若干太い気もするが、正月レースで似た様な馬は多い。バランスの取れた造りで及第点。ハナへ行ったモエレビクトリーに叩かれる展開となったが、出しつつ替わって2番手。見た目には折り合っていた様に見えたが、乗り役に言わせると少し噛んでいたそうで、モエレビクトリーが捕まえられそうで捕まらず。勿論、ハンデも大きい。ハンデについては以前にも散々述べたが、オープン特別55s勝ちで、GⅢ56sはキツい。オープン特別57sですら殆ど勝てておらず、このパターンでの56sはまず来ない。

ミステリアスライト

力強い歩様。毛ヅヤは怪しいが、デキはまあまあ。ヨレながら出たが、出脚は有る方で、中段やや後方から。道中は悪くなかったが、コーナーで手応えが怪しく手前を替える場面が有り、直線も右手前。中山は向かない印象。

マイネルスターリー

毛ヅヤは悪くないが、腹回りの雰囲気は太い。直ぐ内のアブソリュートがゲート内で何度か立ち上がる場面、これを気にしたのか出遅れ。今日はこれが全て。折り合いは元々こんなモノという気もするのだが、少し行きたがっていた。馬群の中で、この馬の形つまり自力で動く事も出来ず、今日は参考外。