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競馬回顧 2011年4回京都・3回中山5日目以降 (3回新潟4日目迄)

サマー2000シリーズ第2戦 農林水産省賞典第47回函館記念(GⅢ)

キングトップガン

+12s。基本的には良く見せる馬だが、数字分だけ太く映る。1角迄はコロンバスサークルの外に居たが、一旦下げてからラチ沿いに入れて、逆に内へ付ける形。ウォークラウンも同じ位置を狙っていたが、僅かの差で制しており、今日はこの差が大きかった。ラチ沿いをずっと通り、4角迄はマヤノライジンが誘導。直線はメイショウクオリアとマヤノライジンの間が割れず、外へ持ち出して最後はクビ差。つまり、4角迄乗り役は完璧な仕事、直線だけミスしたが、馬がミスを帳消しにしてくれた。勿論、あくまでマヤノライジン相手の話で、過大評価もどうかと思うのだが、馬格がしっかりしているので斤量はあまり関係ないタイプ。定量となる札幌戦でも。

マヤノライジン

+6s。2人曳き。馬体の張りが怪しいが、集中して歩いており、気配は上々。当然ながら引っ掛かる10歳馬は居らず、折り合い気にせず押してメイショウクオリアの直後。この馬場で内枠を活かす競馬が出来たという事になるのだが、4角ミッキーペトラがバテたスペースを突く脚は10歳馬とは思えぬ機動力。以前有ったズブさが消えていた。最後は決め手の差だが、それでも3着以下は0.3秒突き放している。昨年は2分切って案外だったが、2000mで2分以上の決着なら警戒必要なのだろう。

アクシオン

これも馬体の張りに年齢も感じるが、今季は毛ヅヤが良い。ゲート五分も、最初から引っ掛かりそうな雰囲気が有り、折り合い重視で馬群の中へ入れて中段やや後方。4角でも徒に動かず、直線も馬群を割る形。それでも暫くは待たされており、前が開いたのはラスト1F。この段階では対メイショウクオリアで4馬身程有った筈だが、これを捕まえての3着。示したパフォーマンスはほぼ勝ちに等しい。北海道は走る。

メイショウクオリア

トモの送りが硬いのは気になるが、馬自体はまずまず。少しアオッたが、押してハナ。逃げ馬はこのロスが意外に大きいのだが、道中中弛みした様なペースで、上手く運べた筈。前述した様に、4角でミッキーペトラが早々にバテた件が少し痛かったとはいえ、マヤノライジンにアッサリやられた。最後は外から差して来たアクシオンにも交わされ、3着すら確保出来ず。Bコース替わり初週でスロー、これで馬券圏内無い様では今後が苦しい。

コロンバスサークル

増減無しでも少し細く映るが、滞在で落ち着いていた。折り合い意識して中段から。その折り合いはスムーズだったから、これは間違っていないが、結果的に1角で外へ持ち出したのが失敗。4角から外回されて直線伸びあぐねた。特にこの枠だけに勿体無さが残る。

マイネルスターリー

一歩一歩が力強い。馬体も重量感有って良く見せた。ゲート出て少し躓く格好。出脚には影響していないのだが、口向きの悪さを見せており、少し捻っていたのかも。道中は中段に付けられたとはいえ、今日の展開で外々回っていては競馬にならないのは仕方がないのだが、次走はまず攻め馬に注目。

エドノヤマト

これも歩様に力強さが有り、トモに丸み。デキは良い。意外に出脚が鈍く、後方に近い位置。スロー嫌ってマクッって行ったが、そこ迄だった。参考外。

サマースプリントシリーズ第2戦 第11回アイビスサマーダッシュ(GⅢ)

エーシンヴァーゴウ

+6s。馬体ももう一絞り有って良さそうに映ったが、それ以前にイレ込みキツい。好発。行かそうと思えば行かせられた筈だが、序盤は無理せず中段。それでも500m地点で仕掛けた時の反応が良く、先頭に立つ迄が一瞬だった。そのまま押し切って内枠から1馬身3/4差なら楽勝と言って良い。見た目だけならGⅠでも通用する内容だが、人気背負って惨敗した馬は何れも斤量背負っていたクチ。何とも言えぬ面が有る。

エーブダッチマン

馬体は良く見せたが、イレ込んでいたのが...。歩様が硬いのは元々なのだが。序盤は前向き過ぎる位の行き振りで先行。道中半ばで近くに居た先行グループは全て振り切ったが、エーシンヴァーゴウの勢いが違っていた。それでも「直千」初でも適性有ったのは間違いない様だが、1000mでも行きたがっている様では今後が苦しい。まずは下見で落ち着きが出ない事には。

アポロフェニックス

一度叩いて良くなっていた。トモのボリューム感が目立つ。出脚から怪しかったが、少しズブい位の行き振り。ただ、押し通しで最後迄バテずに3着浮上。1分7秒台では競馬にならず、1200mでも時計に限界の有る馬だが、こういう粘りが利くのは余程デキが良いのだろう。札幌戦辺りに出て来るなら狙い目に。

シャウトライン

遮眼革。シープスキンノーズバンド。500s超える馬だが、重量感有りながら、造りにメリハリが利いている。オッツケて先行。ただ、徐々に頭が上がって来て、しかも内にモタれていた。今迄馬装含めて色々試して来たのだろうが、7歳にしてこれでは厳しい。今のオープンで勝ち切る場面はないだろう。

ジェイケイセラヴィ

スプリンターとしては軽目の造りだが、これは元々。外枠も有利だったが、出脚はまずまず速い方で、ジワッとハナ。ここ迄は上手く行った様に見えたが、ラスト400mからの脚がない。56sの昨年より0.5秒走っていないのだが、案外1sでこれだけの差が出るのかも。だとすれば、カルストンライトオ級でない限り、牡馬が勝つ場面はないという事になるのだが...。

サアドウゾ

キビキビ歩いていてデキ自体は良いが、この相手では少し差。テンから付いて行けず、中段やや後方。それでもアポロフェニックスの様にズブいながら終い迄バテなかった。直線競馬自体は合っているが、オープンではスピード不足。

ヘッドライナー

2人曳き。シープスキンノーズバンド。使っているのでデキは変わらず。下見は落ち着いていた。一瞬の出脚は一番速かったが、そこからが続かず、序盤から余裕が無かった。500m地点で既に付いて行けなくなり、先行した組では真っ先に脱落。前述した様に、このレースは斤量が利く。

サマー2000シリーズ第1戦 第47回七夕賞(GⅢ)

イタリアンレッド

-6s。イレ込むのは何時もの事だが、少し細く映る。折り合いに専念して後方。向正面で行きたがる場面が有り、ここで中段へ。従って道中ロスは有ったのだが、今日は3角からの手応えが良かった。直線も、馬場の良い大外へ持ち出し、一気に突き抜けた。外が利く馬場状態も向いたが、前走阪神戦の轍は踏まなかった分も。ただ、タッチミーノットに最後猛追されクビ差。追って頭が上がっていた印象も有り、折り合い面も含めて乗り難しさはかなり有りそう。

タッチミーノット

-8s。まだメリハリに欠くが、馬体絞れたのは大きい。出たなりで中段。これは道中折り合っていた。向正面で掛かったイタリアンレッドを行かせての競馬は悪くないのだが、ただコーナーでの脚がサッパリ。ステッキ飛んでも全く反応せず、イタリアンレッドに対して向正面並走から直線入口で2馬身遅れていた。それをクビ差迄巻き返したのだから脚は持っている。広いコース向きの馬という事にはなるのだが、前走新潟でセイクリッドバレーに完敗。程度は知れている。

アニメイトバイオ

-8s。キッチリ仕上げた印象。馬体が締まっていた。枠の利も有り、好位のイン。スタート直後から行きたがっており、向正面でも少し力んでいた。しかも馬場の悪い内をずっと通らされて、牝馬ながらハンデ55s。それでも最後迄諦めずに伸びており、示したパフォーマンスは勝ちに等しい。これなら限定戦へ行けば大威張りの存在になれる。

シャドウゲイト

2人曳き。馬体もかなり絞っていたが、気負い過ぎにも見えた。昨年辺りから出脚が鈍っており、押して何とか好位。スローで序盤は行きたがってしまったが、向正面で折り合いは付いた。キャプテントゥーレの進出に乗って、二段マクりの形。坂下で先頭に立ち、一瞬は夢を見た筈。最後は坂で止まったというより、決め手と序盤のロスの差だろう。時計の掛かる馬場で、自分の競馬が出来た。今後も馬券圏内充分だが、斤量,年齢等で、出脚が鈍っており、中々勝ち切る場面迄は。

ドモナラズ

今年も馬体には張り。この時期が合うのだろう。例に依って後方から。道中の行き振りは悪くないが、これもタッチミーノット同様、コーナーでの機動力が甘い印象。直線もジリジリだった。勿論、近況思えばこれで動いている方だが、今日の展開でこれでは馬券圏内無理だろう。

コスモファントム

-8s。鉄砲は利くタイプ。数字は前走東京戦が太かっただけ。出脚でジワッと好位。この馬場でも外回っての決め手勝負で勝てる馬ではなく、少しでも内へ入れて器用さ活かす競馬。上手く乗られたが、1角辺りから力んでいた。ハンデ差や休み明けの影響も有り、むしろ大きく負けていない点には好感。これで変わる筈。

キャプテントゥーレ

オーストラリアンブリンカー外す。デキは高値安定。歩様に硬さもなく、まずまず。枠の差も有るが、ハンデ背負わされている事も有り無理出来ず2番手から。この形でも道中は意外に折り合っていたが、4角でシャドウゲイトのマクりを食らい、ここからが抵抗出来ず。レースも消極的だったが、馬場も悪く、負けるべくして負けた感は有る。

第16回プロキオンステークス(GⅢ)

シルクフォーチュン

馬はメリハリ利いて良かったが、チャカつき目立ち。出遅れ1馬身不利。道中は離れた最後方から。普段は外回すことの多い馬だが、今日はそのまま馬群の中へ突っ込む形。昨年暮れに、34秒台で上がらねば展開の所為にすべきではないと述べたが、ハイペースで大外回さず、34秒台の脚。アッサリ突き抜けた。ここ数走、ずっと34秒台で上がっており、決め手に磨きが掛かって来た印象。あとはマイルでどうか。

ダノンカモン

2人曳き。シープスキンノーズバンド。キッチリ出来ていた。スカッと見せるタイプだが、この相手なら馬自体が上位。少し出して好位。ペースが速く、手応え良い様には見えなかったが、直線はジリジリ伸びて2着浮上。ケイアイガーベラを捕えたのはシルクフォーチュンに交わされた後で、今日は底力で掴んだ結果。この相手で56sなら勝ち切って欲しいところだが、追い出して苦しがる素振りもみせており、休み明けの影響も有っただろう。それでも今後へ向けて賞金加算出来たのは大きく、最低限の仕事は出来た。

ケイアイガーベラ

+10s。昨年と同じ数字。少し張りに欠いたのと、歩様も案外。好発。押してハナ。行き切って直線入口でも突き放す場面迄造ったが、手前が替わらず最後失速。芝で押していた際のフォームが怪しく、少し戸惑っていた面も有ったのだろうが、それ以前に今日は1000m通過57.5秒がオーバーペースだった。坂路は動いていたが、下見のデキも若干怪しく、枠順も含めた細かい積み重ねが響いた感。逆に言えばそれで3着踏ん張ったのが能力の為せる技。評価は下がらぬ敗戦。

コンティネント

少し太いが、馬体に張り。重心の低い歩き方にも好感。ゲート五分、出脚も悪くなさそうだったが、行く気なく後方から。勝ったシルクフォーチュンが外回っていないだけに、その分のロスは有ったのだが、それでも今日は前崩れの展開。実質初重賞挑戦だった事を思えば良く走っているともいえるが、高い評価は出来ぬ。

インオラリオ

オープンでも馬は負けていない。デキ自体も良さそう。好発。1馬身抜けていたが、控える競馬を教えている最中で中段から。この枠でも折り合いは付いていたが、砂を嫌がったか逆に4角での手応えが悪く、直線もジリジリ。当座の結果だけを言えば行かせた方が良さそう。

ナムラタイタン

+8kg。ダート馬とはいえ腹回りがボテッと映る。太い。スタート直後から行き振りが良く、スッと好位。今日はコーナーでもズブい印象は無かったのだが、いざ追ってからがサッパリ。乗り役に言わせるとパサパサの馬場が合わなかったとの話だが、何れにしても負け方が悪い。

スーニ

相変わらず下見は抜群。歩様にも力強さが有る。ゲートは出ているが、芝スタートで出脚が鈍り、後方から。ただ、砂を被ると頭を上げて嫌がる素振りを見せていた。追い出して切れないのは58sも有るのだが、道中集中して走れていない分も大きいだろう。ただ、これで大分好走条件は見えて来た印象も。前で砂を被らず競馬出来れば変われる筈。

シャア

+6s。数字分だけ太いかも知れぬが、馬体には張り。デキはまずまず。インオラリオが速いだけで、他とは五分。出たなりで中段やや後方辺りに居たが、4角から付いて行くのがやっと。大きく負けている訳ではないのだが、現状は1800m辺りの方が良いのだろう。

第60回ラジオNIKKEI賞(GⅢ)

フレールジャック

2人曳き。-10s。イレ込み,発汗,馬体減の三重苦だが、馬振りが抜群。少し出脚が怪しかったが、押して中段。1角でプランスデトワールが逸走した際に首が引っ掛かっていたが、何とか難を逃れた。多少怪しい面は有るにせよ、レースに行けば意外に折り合いは付く。4角から外へ持ち出して追撃態勢造り、今日は坂を上る脚が速かった。最後押し切ったとはいえ、決勝線手前で少し甘くなったのが今後へ向けての課題だが、これも下見で落ち着くだけで大分変わって来そう。「遅れて来た大物」的雰囲気は有る。

マイネルラクリマ

2人曳き。背丈が低いのだろうが、数字以上に大きく映る。バランス取れてまずまず。これはプランスデトワールの真横に居たが、内に居て難を逃れ2番手。逃げたアバウトよりも出脚に余裕が有った分、折り合いも付け易く、中山1800mとしては最高の競馬が出来た。直線入り口で前を捕え、坂下ではアバウトに決着付けて、一旦は完全に突き放したが、外からフレールジャックが一気。ただ、フレールジャックが止まり掛かっていたとはいえ、最後3/4馬身差に堪えたのは評価出来る。器用さで、GⅢは勝てる馬。

カフナ

2人曳き。+6s。馬体は相変わらず目立つ。心配されたイレ込みも、これで堪えている方。アオる1馬身不利。それでも出脚は負けて居らず、首突っ込んで枠の利で好位取れた筈だが、乗り役の話では馬場に脚を取られたそうで、急に脚が鈍り後方から。ならばと向正面で外へ持ち出し、4角も大外。元々は前へ行って粘る馬で、この形は本質ではないが、それでも力で差し込んでの3着。フレールジャックに瞬発力で負けたのは仕方が無かろう。これもチャンスは続く。

ターゲットマシン

2人曳き。シープスキンノーズバンド。+6s。これもこの馬にしては我慢していた。ただ、攻め馬が手緩い分、馬体には良化の余地を残している。今日はゲート五分。プランスデトワールが外を掃除して、スッと3番手。折り合いも意外な程スムーズに付いており、4角迄は完璧に運んだが、追って案外。直線は手前が何度も替わっていた。要は下見通り鍛錬不足。

アバウト

+8s。数字は有るが、マイラー寄りの馬体。ただ、発汗が目立ったのはマイナス。戦前の想定通りハナ。ただ、枠で逃げ込んだだけで、前述した様にマイネルラクリマには出脚でアオられていた。2角で少しペースを上げて後続とのリードを広目に取ったが、4角でマイネルラクリマに並ばれては苦しいところ。まずは出脚強化が先決。

ショウナンパルフェ

少し歩様が硬いのだが、馬体はまずまず。ゲートが少し悪かったが、押して先行。ただ、今日はこれが最悪。1角で前に取り付いたところでプランスデトワールが外へ逸走し、これで大きくリズムを崩してしまった。今日は参考外。あとは精神的な影響が無ければ。

プランスデトワール

芦毛だが、毛ヅヤは中々。ただ、寸の詰まった造り。これもマイラー。マイネルラクリマ程ではないが、出脚が有ってスッと先行。ただ、1角進入時に左手前だった影響が有ったのか、急に外へ逸走してしまった。新馬,未勝利戦ならまだしも、重賞でこういう事故は中々珍しい。素質有る馬だが、調教で余計な事に気を遣わなければならなくなったのが今後どう出るか。

サマースプリントシリーズ第1戦 第18回函館スプリントステークス(GⅢ)

カレンチャン

+10s。多少太いのだろうが、馬体には張りが有る。トモの迫力も相変わらずで、デキ自体は良い。内外の出方を窺いながら中段。本当はテイエムオオタカの直後に居たアンシェルブルーの位置が良いに決まっているのだが、アンシェルブルーだけではなくナイアードも引かず、位置取りが予定より後ろになったのは大誤算だっただろう。4角で一瞬のスペースから外へ持ち出し、直線は大外。外へ降られ過ぎて前とは大分差が有ったが、それでも最後捕まえた。強い! サマースプリントシリーズを目指すそうで、GⅠは出涸らしになりそうだが、馬体も良いだけに大崩れの少ないタイプ。新星誕生と見て良い。

テイエムオオタカ

ここに来て数字分だけ成長している。変わらず馬体のバランスも取れている。一完歩目が遅いのだが、押してハナ。それでも行き脚が付いてからは速く、道中は単騎。3角で少しリードを大目に取り、4角で一回息を入れて直線で突き放すほぼ理想的な競馬が出来た。最後差されたのはカレンチャンが強かっただけ。ただ、前述した様に出脚がもう少し速くなるだけで序盤の余裕が違う筈。追い出して頭の高い走法も直るに越したことはない。

アンシェルブルー

増減無しも、少し緩さの残る造り。前走東京戦の方が馬は張っていた。出脚が甘いというよりは、テイエムオオタカの直後だけ確保する程度に出して2番手。函館では直線迄待って追い出すと間に合わない場面が多いのだが、外に居たナイアードが4角手前でバテて、外へ持ち出すタイミングも完璧。最高の競馬が出来た筈だが、追ってテイエムオオタカが最後迄捕まらず。デキが上向けばまた違うかも知れないが、現状ではかなり差が有る。

ドラゴンファング

1年半振りで-14kg。脾腹は巻いていた割に、腹袋が有ってトモの造りもそれなりと、少し不格好な造り。出脚も速い方ではないが、内枠の馬が先行してこの直後に控える形。4角でカレンチャンが外へ行って前が開き、直線はインから。一瞬反応してテイエムオオタカに並び掛けそうな場面も有ったが、そこからが無かった。インを突いて上位着馬が先導してくれた面が大きいが、下見の悲惨さを思えばまずまずの内容。叩いて良くなれば馬券になる馬。

ベイリングボーイ

+8s。腹回りもそうだが、数字分だけ太く、造りにメリハリが無い。最初から行く気無く最後方から。直線大外へ持ち出し、良く伸びたが、イン逃げの展開ではここ迄。当座の着順だけを言えば内を突いた方が良かっただろうが、勝つなら内の馬が止まるという事で前が詰まる危険が有り、この辺りの判断は案外難しい。追い込み一手では中々厳しいとしても、力自体は重賞でも足る。

クリアンサス

シープスキンノーズバンド。一歩一歩がしなやか。トモのボリューム感も有り、下見だけならコレ。枠の差というよりは、出脚で負けて中段。内外に馬が居ると気を遣う様で、3角過ぎから下がって後方に置かれてしまったのだが、直線向いてバラけてからは最後盛り返していた。揉まれ弱いのは仕方ないとしても、スプリントでは出脚が通用しないのが何より致命的。出脚に関しては51sでも有り言い訳がない。それよりは揉まれる事に馬が慣れた方が早いだろう。経験で何処迄変わってくれるか。

ヘニーハウンド

-8s。細い印象はないのだが、少しトモの送りが硬い。ゲートは出ているが、出脚が全く無く後方から。前々走阪神戦の通り、コーナーでの脚は有り、追い上げる場面も有ったのだが、それも4角迄だった。直線は手前も替わらずサッパリ。デキ?