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競馬回顧 2011年4回阪神・3回中山4日目迄

第52回宝塚記念(GⅠ)

アーネストリー

叩いて順当に良化。毛ヅヤはこの時期で当然だが、馬体の張りが良くなった。出脚は一番速かった位だが、ガッチリ抑えナムラクレセントに行かせて2番手。終始手応えが良く、4角でナムラクレセントを見切って先頭。坂下で2馬身のリードを取り、この利で押し切った。前走京都戦後に「奇襲打たないと厳しい」と述べたが、上手く人気の追い込み馬に対して出し抜け食らわす事が出来た。レコード決着で決まる馬場状態も展開上幸いした印象。今秋東京でどうかだが、先行力は強み。

ブエナビスタ

+12s。数字通り少し太い。今日は造りにメリハリが無い。ゲートを真っ直ぐに出ず、出脚が鈍って後方から。コーナーでは動かない岩田騎手、先にルーラーシップを行かせてから直線外へ持ち出す格好。戦前は上がり目が無いと述べて、馬には失礼な事をしたが、道中余計な所作が無いから直線で伸びる。折り合いに問題のない馬も褒めるべきだが、乗り役にも同じ事が言える。まあ、だからこそ前走東京戦が案外だったという事にはなるのだが、東京以外で取り溢すのは止むを得ぬところ。ただ、今日も坂下で左手前→坂を上る最中は右手前→上り切って左手前と、手前を替え過ぎるのは良い傾向ではない。

エイシンフラッシュ

2人曳き。基本は瞬発力の馬だが、今季ドッシリと見せるのがデキの良さ。出たなりで中段やや後方。行きたがるのを少し宥めながらの追走。直線内から一瞬良い脚を使い、2番手浮上したが、そこから前を捕える脚が無かった。こういうペースの競馬では良い脚が長く続かない。乗り役のコメント通り、スローの決め手勝負の方が良さそう。ただ、坂を上がってから追うのを止めたところをブエナビスタに差された様にも見える。腰が上がっていないとはいえ、油断騎乗に見えるのが...。

ローズキングダム

今日は抜群。気配も良かったが、馬自体が良い。ゲート五分に出て、折り合いを意識しつつ好位から。道中の折り合いは問題無く、この馬としては正攻法。東京以外で甘いのは何時も通りだが、これもスローの方が良いタイプで余計に甘くなった印象。下見からは本格化ムードも有るのだが、現状これがこの馬の実力と見做しておくべきなのだろう。

ルーラーシップ

今日は馬に重量感が来ていた。前走京都戦以上。ゲートを真っ直ぐに出ずに出脚が付かず、近況折り合い面が課題となっており後方から。前走のイメージで早目に外へ持ち出し、早目にマクりに行ったが、4角でトゥザグローリーに弾かれる格好にもなり、GⅠでこれだけ無駄な脚を使うと流石に厳しいところ。昨年から述べている様に、細かい取り溢しは仕方が無いのだが、ゲートと折り合いが怪しく余計に競馬が難しくなっている。

ダノンヨーヨー

今季抜群というレベルではないが、前走東京戦の状態はキープ。今日はゲート五分。序盤は少し行きたがっていたが、直ぐに馬が納得した様で中段で折り合っていた。直線向いて坂下迄はルーラーシップにも食い下がっていたが、そこからが苦しくなった。それでも一応距離はこなしたといえよう。現状マイル路線よりはこちらの方がレベルが高く、今日はその分の差。選択肢広がったのは大きい。

ドリームジャーニー

2人曳き。-18s。メイチの仕上げだったが、少し馬が緩い。ゲート出ないのは何時もの事。乗り役に言わせると良くない傾向だったとの話だが、今日も折り合っていた。ただ今日は4角からのマクる脚が無かった。本来ならブエナビスタと並ぶ場面迄持って行ける馬。これで引退だそうだが、マクる脚が無いのでは競馬にならない。

シンゲン

2人曳き。シープスキンノーズバンド。テンション高いのは元々だが、毛ヅヤから案外。休み明けを差し引いてもデキ一息。掛かり気味に好位。道中頭が高い等、粗さは元々。従ってこれ自体は気にならないが、下見のデキの無さは気になった。今夏は新潟戦で人気になりそうだが、嫌って妙味有りそう。

トゥザグローリー

2人曳き。張り一息。歩様も少し硬い。出脚は有る馬だが、枠と折り合いを意識して中段。この距離で今日はソコソコ流れただけに、折り合いに関しては前走京都戦の様な事は無かったが、4角で既にアラアラの手応え。これもデキが無い。

第16回マーメイドステークス(GⅢ)

フミノイマージン

2人曳き。馬体は大差無いが、最近のこの馬としては少し煩い。例に依ってゲートも悪いのだが、行く気も無く後方から。今日でも1角過ぎに一瞬行きたがる素振りを見せていたのだが、折り合いを思うとこの馬はこの形がベスト。道中はずっと馬を前に置き、内回りでも直線だけ大外へ。3頭雁行で流れ、数字以上に先行馬にキツい展開では有ったのだが、アッサリ突き抜けた。完勝。前々走もそうだが、坂を上る脚が他馬と比較して特に速い。このレースは前有利という先入観が有り過ぎて嫌われていたが、力通り決まる展開なら当然の勝利。あとはレディアルバローザ等、牝馬2番手グループとの相手関係。

ブロードストリート

+10s。数字上は戻った格好だが、これでは少し緩く映る。集中力は有り、手先も軽やか、その二点は良かったのだが。これも出脚が無く、後方で折り合いに専念。コースロス無く回して、直線も内から馬群を割る形。スムーズに前も開き、一瞬はやったかの場面だったが、フミノイマージンの勢いが違っていた。1s差も有るが、近況の差が何より大きかった様。3歳時にはレッドディザイアにも先着した馬だが、昨年1年を無駄にしたのがここに来て大きな差に。

アースシンボル

チャカつくのは毎度。手先のスナップも利いていて、デキは悪くない。出脚が甘く、これも何時も通りの後方待機策。これもコースロス無く乗られたクチだが、直線はフミノイマージンに続いて大外へ。坂を上がる脚でフミノイマージンとは大分差が有ったのだが、何とか3着は確保。血統や戦績からスタミナは有るが、能力差は相当有りそう。ハンデ戦で如何に上手く着を拾えるかといった程度のレベル。

イタリアンレッド

馬体フックラ。トモのボリューム感も中々。出脚は有りそうだったが、折り合いに専念してこれも後方から。この策自体は今日の流れでは正解だったが、フミノイマージンやアースシンボルを行かせてから外へ持ち出す形が一手後手。しかも4角で躓く場面も有った。どちらかが無かっただけで3着、両方無ければ2着迄有っただろう。勿体無い競馬に。

モーニングフェイス

+18s。ほぼ出来ていた。気合も乗っていたが、トモの甘い歩様。特に右後肢の出が悪い。ハンデ差活かすべく、積極的に乗られて3頭雁行の一番外。3角では少し引っ張る場面も有った位、行き振りが良かったが、4角でも手応え良く坂下では先頭。流石にそこからは甘くなったが、見せ場はタップリ。先行した組では最先着という点も評価出来る。トモの甘さが直れば重賞でも馬券になる馬。

アスカトップレディ

スッキリと見せ、連勝馬らしい気配は有る。ただ、発汗がかなり目立つ。2番手グループのインで折り合いに専念。これも4角での手応えは良かったが、直線向いて一旦待たされる場面。ただ、前が開いてからもジリジリ。条件揃ったと見做されて戦前は1番人気に推されていたが、決め手の差は相当有りそう。ただ、この馬の後ろをブロードストリートが抜けて出しており、仮令結果論でも乗り役が進路取りで失敗している点は無視出来ないのだが。

セラフィックロンプ

気配そのものは良かったが、もう少し馬体に張りが有っても。ハナへ行く意思は見せていたが、斤量の影響なのか意外に出脚が鈍く、好位に引く形。それでも4角は手応え充分だった様に見えたが、坂を上がる途中で急に脚色が鈍った。昨年は2着だったが、どちらかといえば平坦の方が良績有る馬。今年は斤量分だけ苦しくなったか。

ラフォルジュルネ

+14s。数字程は太くない。キビキビ歩いており、気配も良かった。折り合い意識して中段から。道中は頭を上げて行きたがる場面も有ったのだが、それにしても直線はサッパリだった。ただ、乗り役に言わせると力の要る馬場は向かないとの話も。

プロヴィナージュ

2人曳き。戦前は状態面に関して良い話が無かったが、見た目には何時も悪くない。強いていえば少し歩様が硬い程度。2000mなら当然の先行策。後方4頭が上位独占する展開にはなったが、この馬自身は折り合って追走出来ており、道中は問題無かった。ただ、4角でステッキが入り、直線は乗り役も諦めて全く追っておらず。酷い負け方。叩いて変わってくれれば良いが...。