Sakura Archives

競馬回顧 2012年1回阪神

第61回フジテレビ賞スプリングステークス(GⅡ)

グランデッツァ

戦前攻め一息だったが、まあまあ出来ていた。1角迄は少し行きたがっている様にも見えたが、好位の外でスムーズに折り合いが付いた。4角でディープブリランテと並んで進出、このディープブリランテに外へ弾かれ加減になったものの、直線盛り返してアッサリ差し切り。脚勢に余裕が有り、着差以上の楽勝だった。本番へ向けて特に不安材料はなく、時計勝負で余程復活して来る馬が居ない限りはこれか土曜日阪神戦のワールドエースが中心となるだろう。コーナーでの脚が速い点も中山向き。

ディープブリランテ

-8s。迫力満点。一歩一歩踏み込んだ時のバネが本物の証。最初から馬が力んでおり、スッと好位。内へ入れて宥めようとしているのだが、前の3頭が飛ばして実質ハナを切っている状態。4角で外へ持ち出して前を交わし、4角コーナリングが悪くて外へフクれたものの、一旦は先頭。坂下では押し切ったかに見えたのだが、この競馬で交わされたのだから実質完敗だろう。現状は気性面が鍛錬で悪い方に出ている様にも見える。

ロジメジャー

+8kg。纏まった馬体だが、ダイワメジャー産駒らしい力感に欠ける。少し出し気味に中段。道中はあまり手応え良さそうには見えず、4角でも水車ムチが飛んでいた程だったが、これがどうして中々渋太い。この雰囲気だと道悪自体が良い様には見えないのだが、馬にそれだけ根性が有るのだろう。ローカルのハンデ重賞で強いタイプ。

サトノギャラント

トモの送りが硬い。馬体も小ぢんまりと映る。ゲート少し悪く、後方の外。距離損は有るにしても、馬場のいいところをずっと走れたのだが、4角での回り脚でグランデッツァとは差が有った。最後は良く差しているが、コーナーでの勢いの差は大きい。休み明けの影響が有るにしても、中山向きではないだろう。

ビービージャパン

現状はメリハリに欠く。上位とは差。積極的に乗られて2番手。少し行きたがりながら3頭雁行の真ん中に居た。ペース自体は馬場状態考慮しても速くないのだが、並んで行って精神的に苦しかった面は有り、終いが保たなくなってしまった。上位馬とは能力差有るにしても、悲観する内容ではない。重賞でもメンバー軽くなれば通用しそう。

アルフレード

-6s。馬体は出来ていた。勿論この相手なら上位の馬。出たなりで中段の外。4角前のグランデッツァを射程圏に追い上げて行ったが、直線向いてからがサッパリだった。一応は馬場だと思うが、前走内で上手く行き過ぎた面は有る。この距離で真っ向勝負ならこの程度かも知れないが。

第60回阪神大賞典(GⅡ)

ギュスターヴクライ

+6kg。馬体が本格化を告げる。前走東京戦思うと若干硬さも出ていたが、一応は許容範囲。折り合いは全く不安のない馬で、少し出して好位のイン。土曜日の中京戦でも触れた様に、最内と大外が伸びる馬場状態。内ラチ沿いをピッタリ回り、直線向いてからナムラクレセントの外へ。オルフェーヴルに大きなロスが有ったとはいえ、最高に乗って大金星の半馬身差。前走勝ち切れなかった点にケチを付けたが、どんな形でも重賞勝ったのが大きい。あとは今日の反動だけ。

オルフェーヴル

2人曳き。確かにテンション高かった。馬体にも休み明けの影響が多少有った。大外枠で最初から行きたがっていたのだが、1周目4角でナムラクレセントに外からコスられてこれがトドメ。我慢し切れず行ってしまい、1頭になって馬がパニックになり、2周目3角を左手前で突っ込んでコースアウト。ただ、今日はここからも凄かった。他馬が視界に入るや否や、再び前を猛然と追い掛け、道中完璧に運んだギュスターヴクライに対し、最後は惜しい2着。今更ながらバケモノ振りを発揮した。次走京都戦に出走するかどうかも微妙な状況だが、使えさえすれば何とかなるだろう。大外枠でなければ折り合いもクリア出来る筈。

ナムラクレセント

-10kg。まだ腹回りボテッと映るが、前走京都戦思えば遥かにマシ。出脚が若干怪しく、スタート直後は中段も、1周目3角過ぎから馬が我慢し切れずハナへ。途中オルフェーヴルが暴走し、絡まれたり先を越される場面も有ったが、ハナへ行けば何とか競馬は出来る。上位とは力量差有るものの、最後迄頑張り抜いた。気性的には相当難しいとしても、長距離で先行出来ればそれなりに堅実。

ヒルノダムール

2人曳き。-4s。毛ヅヤが良く、今季デキ自体は良い。ギュスターヴクライとは出脚で差が有り、これを見ながらの競馬。道中は内に居たのだが、2周目4角で外を通って進出したオルフェーヴルに抵抗する様に外へ。この馬自身が馬場を気にして伸び切れなかった面も有るが、直線半ばでオルフェーヴルに前をカットされる不利。池添騎手は過怠金10万円の制裁で済んでいるが、これがなければ3着だった。ナムラクレセント同様、この距離は手堅い。

ジャガーメイル

2人曳き。遮眼革。今日は少し細く映った。仕上がり過ぎ。この距離なら出脚負けはないのだが、序盤は掛かる場面。直ぐに折り合ったものの、この馬としては珍しい光景だった。2周目3角から動いて、前へ並び掛けて行ったが、そこ迄だった。この馬が勝ち切るのは現状では中々難しいのだろうが、それなりに走れる力はまだ残している。

第26回フラワーカップ(GⅢ)

オメガハートランド

オーストラリアンブリンカー。相変わらず馬を大きく見せる。歩様にキビキビ感。例に依って後方から。前々走の様に、前に馬を置く形なら折り合いは付く。直線外へ持ち出し、一気に突き抜けた。オーストラリアンブリンカー着用で、若干頭が高くなった印象は有ったが、全身使った走法は迫力満点。道悪も上手いのだろう。

メイショウスザンナ

-8kg。馬格がしっかりしているので然程気にならないが、少し腹が巻き気味。直ぐ内のヴュルデバンダムが好発。ハナを諦めたところで外から一気に来られて中段のイン。ペースや馬場状態も有るのだろうが、ノメる場面もなく上手く走れていた。直線向いて、進路で若干逡巡した面は有るのだが、それを差し引いてもオメガハートランドの勢いが違っていた。器用さ有るので、逃げ差しどちらでも対応出来るとしても、決め手をカバーするという意味では先行するのがベスト。

サンキューアスク

シープスキンノーズバンド。馬体の張り目立つ。煽る2馬身不利。最初から最内に潜っての競馬。直線は内を捌いて3着浮上。前走は500万の限定戦にも関わらずサッパリだったが、外回った影響が大。外が利く様になっている分、当時とは微妙に馬場状態違うのだが、何れにしても今の中山はこういう極端な競馬をした方が良い。

ヘレナモルフォ

トモに丸みが有り、デキ自体は良さそう。歩様もしっかり。最内有利の馬場状態を意識し、思い切ってハナへ。ペースの数字自体はともかく、馬場状態勘案すれば飛ばした方だろう。4角で並ばれたものの、コーナーワークで突き放す場面。そこで終わったが、先行策自体は正解だった。6戦中5戦が道悪という今年を象徴する様な馬だが、道悪では全て掲示板確保している一方、唯一の良馬場だったクイーンカップが10着。前に居た組では唯一の掲示板だが、馬場が味方した点も無視し辛い。

キャトルフィーユ

ディープインパクト産駒らしく、この数字の割には良くて来ている。脚取りも確か。戦前は先行する予定だっただろうが、1馬身出遅れて後方から。道中ノメッていた事も有り、早目に外へ持ち出して直線も大外へ。伸びて来たのは実質競馬が終わった後になってしまったが、最後の脚は光った。差す競馬で格好造っただけでも収穫だが、馬場を気にしながらこれだけ走った点も評価したい。この相手なら勝ち負け以上。

第26回中日スポーツ賞ファルコンステークス(GⅢ)

ブライトライン

少し重心が高いのは減点材料も、相変わらず馬振りは目立つ。ゲートは速い方だが、折り合いに専念して中段。行きたがっていたとはいえ、1400mなら前に壁がなくても我慢は利く。今月は週末後毎に雨に祟られ、3場共最内か大外が正解となる馬場状態。躊躇なく大外へ持ち出して、決め手を発揮した。昨年暮れに述べた様に、キンシャサノキセキ的上級フジキセキ産駒らしさは有る。パワー面もそうだが、道悪で強いのも血統背景有ってこそだ。言い換えれば気性面は常に課題となるものの、今回外枠で1400mこなしたのは大きい。内枠なら東京マイルも保つ筈。今のところは本命候補。

レオンビスティー

重量感の有る馬体。まずまず。好発も控えて中段。1200mのイメージだったが、中段で折り合いも問題なく付いていた。直線はスムーズに外へ。上手に走っているが、単に決め手の差というだけではなく、ブライトラインの思い切った騎乗や馬場適性に負けた印象も。例年思えばメンバーレベルも低いとは思えず、これも重賞は問題なく勝てる馬。

サドンストーム

+6s。トモにボリューム感。短距離指向は明らかながら、中々の迫力。18頭立ての17番枠は遠いのだが、出脚速く、ジワッと先行。スムーズに乗られたが、今日の馬場で先行すると案外厳しいところ。特に坂を上がってラスト100mからが苦しい。逆に言えば良く粘っている。これも重賞級の評価は出来る。

レオアクティブ

寸の詰まった馬体。良くも悪くも変わらず。行く気なく後方から。直ぐに内へ潜り込んだが、前と少しでも離れると直ぐに行きたがってしまう。内から捌いて脚は見せているものの、例に依って頭が高く、使える脚は一瞬。坂を上ってからが長い新装中京は尚更キツいところだろう。これが直らない事には勝ち切るのは中々難しい。

ローレルブリット

-8s。キビキビ歩いていてデキ自体は悪くなさそうだが、数字分だけ少し細く映る。1400mでは出脚が厳しく、後方から。これも内に入れて、基本的には道中スムーズに運んでいた。4角迄内を回って、直線は馬場の外目を突く形。最後は伸びているが、本当に最後の最後。経験でまた違って来るのかも知れぬが、現状この距離は忙しい。

トウケイヘイロー

-8s。例に依って若干トモが甘いのだが、絞れて良化。道中は中段。乗り役の話では他馬と接触したとの事だが、少し掛かり気味。直線もサッパリだった。落鉄も有ったとの事。一応は参考外に。

第30回ローレル競馬場賞中山牝馬ステークス(GⅢ)

レディアルバローザ

-8s。馬体の雰囲気は悪くない。歩様もこんなモノ。恐らく戦前からの決め打ちだったのだろうが、押して押してハナ。少し掛かり気味だったホエールキャプチャがずっとくっ付いて来てはいたものの、直線向いて坂を上る脚で突き放して逃げ切った。内有利の馬場が味方したと同時に、GⅠ3着が有ったにも関わらず54s止まり。何よりハンデが恵まれていた。従って評価は難しいのだが、昨秋は距離不適で走っていないだけ。1600m〜1800mは得意としている。

オールザットジャズ

チャカつくのは毎度。これ以上減ると良くないが、一応は許容範囲。スタート直後に挟まれてしまい、最後方から。4角でも殿だったが、直線は馬群を割って2着浮上。これも結局内ラチ沿い有利の馬場で腹括ったのが好走出来た最大の要因。掻き込みが力強く、道悪も得意としているのだろうが、上手く行った面は否定出来ないだろう。

エオリアンハープ

トモの送りが硬いのはマイナス。毛ヅヤも冴えず。出脚が多少怪しく、後方の内目。直線迄待たず、3〜4角中間から少し動いて、直線は外へ。上手く捌いて来ているが、極端な競馬をした馬が上位2頭。今の馬場では仕方がないところだろう。これが引退レースだそうで、元々が広いコース向きの馬。重賞勝てずに終わるのは残念だが、今日に関しては良く走っている。

マイネイサベル

-6s。一息入った影響は多少有るだろう。馬体の張りがもう少し。好発。出脚は勝っていたが、レディアルバローザが主張して好位のイン。内からジリジリ来てはいるが、一瞬の脚がないので、こうなるのは仕方がないところ。乗り役のコメント通り、逃げていればまた違ったのかも知れないが、中山で勝ち切るとなるともうワンパンチが要る。

ホエールキャプチャ

+14s。毛色で分かり辛いが、腹回りボテッと映る。多少太いのは間違いないだろう。秋華賞の件も有り、外から押して2番手。ただ、仕掛けて行った分、序盤は行きたがる素振り。今日の馬場で勝ちに行くとこれしか手はなかっただろうが、ハンデや一枚重かった影響も有るだろう。これを叩いて良くなってくれれば。

アプリコットフィズ

+8s。キビキビ歩けていてデキは問題なし。出脚の速い方でスッと好位。ただ、最初から少し掛かり気味だった。直線も内に居て全く伸びず。戦前は何故か1番人気に推されていたが、こういう馬場はダメ。

ドナウブルー

-16s。数字通り細い。イレ込んでいたのもマイナス。レディアルバローザの先行策に乗って好位の外。少し行きたがっていたのは想定の範囲内だったが、4角で既に手応えが怪しくなっていた。初東上で馬体減。これしか敗因がない。

第46回報知杯フィリーズレビュー(GⅡ)

アイムユアーズ

落ち着いていた。ただ、馬は目立たず。ゲートは分が悪い方だったが、押して先行。前走は少し行きたがる場面も有ったが、今日はソコソコ流れて折り合いも付き、今日は4角の手応えでほぼ決着が付いていた。直線向いて少し外へ持ち出し、確かな脚取りで快勝。派手さはないものの、安定感は有る。今年は、ジョワドヴィーヴルが本番しっかり走るかどうかがまず焦点になるのだが、凡走なら女王候補の1頭にはなるだろう。

ビウイッチアス

背丈が低いだけ。トモの丸みは有った。出脚はかなり速そうだったが、徐々に番手を下げて3角では中段やや後方辺り。道中上手く脚を矯められた印象。基本的には1200mの馬だそうで、最後が止まり気味になっていたのは1400mでも少し長いという事なのだろうが、一瞬の脚は光った。桜花賞スキップだそうだが、東京マイルはスプリンターでも走れるコース。出走ならここで狙い目になる。

プレノタート

2人曳き。+6s。メリハリの利いた馬体はメンバー中最上位。人馬共に行く気がなく、道中は離れた最後方から。4角で追い付いて直線は大外。届きはしなかったものの、1頭違う脚だった。これならマイルの方がむしろ良さそう。あとは多頭数をどう捌くか。「良くも悪くも」ながら、先週のハナズゴールと同等の評価は出来る。

イチオクノホシ

-6s。小さいなりに纏まっているが、集中力がない。出たなりで中段。多少折り合いに難の有る馬で、前に馬を置いて折り合いはスムーズ。直線も前が開いて、ジリジリ来ているのだが、もう一押しが利かず。乗り役の話では馬場を気にしていたとの事だが、詰めの甘い面も否定出来ないだろう。

サトノジョリー

2人曳き。毛ヅヤが良く、小さい割には良く出来ているが、テンション高い。ゲートも少し悪かったが、後方で折り合いに専念。直線向いて坂下辺り迄は中々良い脚色で伸びていたが、そこからがジリジリ。現状は平坦向き。

ラシンティランテ

この数字では少し細い。少し腹が巻き気味。行く気なく下げて後方から。これも折り合いに難の有る馬だが、この中間は攻め馬工夫したそうで、今日は問題なかった。直線外からジリジリ。更に外に居たプレノタートには一気に交わされていた。乗り役は馬場状態を敗因に挙げていたが、馬体細化の影響も少なからず有る筈。

第49回報知杯弥生賞(GⅡ)

コスモオオゾラ

2人曳き。気配は良かったが、馬体は目立たず。歩様にも伸びがない。道中は好位で宥め気味の追走。比較的内目に居たとはいえ、ラチ沿い走れないと競馬にならないのが今開催の特徴、そこをアーデントに取られていたのだが、追っての脚が中々力強い。完勝だった。スローや馬場状態も味方したのだろうが、同条件で勝ったのは大きい。次走も圏内の1頭に。

トリップ

-8kg。トモに丸みが有り、まずまず。踏み込みもしっかり。好発。出遅れながら無理矢理行ったメイショウカドマツを行かせて好位。抑えた関係で序盤少し行きたがったとはいえ、今開催の馬場状態ではこの利が大き過ぎる。追ってからはジリジリだった。次走余程恵まれない限り、馬券に絡む事はない筈。

アーデント

2人曳き。-6kg。スカッと見せてはいるが、力が付き切っていない印象。出脚は五分程度だったが、2枠2頭が行ってその直後。道中行きたがってかなり引っ張っていたが、前述した様に内ラチ沿いを走れたのは大きかっただろう。直線向いた段階でコスモオオゾラに前へ出られており、理想を言えばもう少し勢い付けて4角回りたかったところだが、内に居る馬は仕方がないところ。追ってスパッと切れる印象はなかった。まずは折り合いをもう少しスムーズにしたい。

ソルレヴァンテ

2人曳き。シープスキンノーズバンド。バランス取れた馬体。出脚は速そうだったが、上手く馬群の切れ目を見付けて内へ。ただ、中段やや後方辺りに居て、これもかなり行きたがっていた。ここ2走は何れも逃げる競馬、初めて差す競馬を試みた形だが、それでも終いは脚を伸ばしており、まずまず上手く走れた方だろう。権利取れるに越した事はなかったにせよ、500万は楽勝レベル。

エキストラエンド

-8kg。迫力はないにせよ、垢抜けた馬体。出脚も速くなさそうだったが、後方でジックリと。4角外回って追い上げたが、サイレントサタデーと接触して更に外になってしまった。トビが大きく、元々が中山向きではなさそうな点も考慮すれば良く走っている。この相手なら展開一つで勝てる馬。

フェノーメノ

2人曳き。悪く言えば細身だが、キリッとした馬体は目立つ。ゲート真っ直ぐに出られず、出脚が鈍って後方に近い位置。ずっと馬に囲まれていて、キツい競馬になったが、折り合いはスムーズだった。4角でも出す場面がなく、全部行かせてから最後に大外。それを思えば良く差している。現状、器用さ要求される中山は向かないにしても、やはりこの馬強い。GⅠでも足る馬。

アダムスピーク

2人曳き。出来ていたが、少しトモの甘い歩様はマイナス。ゲートは出たが、引っ掛かりそうな気配も有り、中段で折り合いに専念。その折り合い自体は付いていたが、馬群の中で包まれ通しだった。直線も前に馬が居て他馬とも接触、マトモに追えていない。今日は参考外。精神的ダメージがない事を祈りたい。

ジョングルール

-6kg。それでも腹袋がしっかりしており、もっと絞れても良い位。ゲートをポコンと出て出脚が鈍り、後方から。道中も内に居たが、直線も腹括ってインへ。近い位置には来ているが、前が開いたのは競馬が実質終わった後だった。これもアダムスピーク同様競馬になっていない。

第48回中日新聞杯(GⅢ)

スマートギア

シープスキンノーズバンド。今季デキが良いのは前走小倉戦で触れた通り。前走もそうだったが、少し出し気味に中段。手応えも良かったのだろうが、3角過ぎからジワッと動いて、4角先団に取り付き、直線もその勢いで突き抜けた。時々手前の替え方がおかしくなる馬だが、今日はそういう事もなく、直線右手前で力強い掻き込みだった。繰り返しになるが、目下好調。09年5月以来の勝利が人馬共重賞初制覇となった。

ダンツホウテイ

オーストラリアンブリンカー。-8kg。引き続き毛ヅヤが良い。絞れた点にも好感。折り合い面も有って、急かす事なく中段。この距離とこのペースで多少引っ張り気味になるのは仕方がないところだろう。向正面で外へ持ち出そうとしたところをダノンバラードに来られて、仕掛けるタイミングが少し遅れたのだが、それでも前述ダノンバラードとの追い比べを制して2着。元々中山で良績が有り、坂の有るコースは得意。今後も展開と折り合い一つ。

ダノンバラード

手先だけの歩様はこの馬独特。一応は及第点。道中は中段。大外枠で少し行きたがるのは仕方がないところだが、向正面では折り合っていた。3角からダンツホウテイと一緒に外をマクり加減に動いて行ったが、そのダンツホウテイに追い負け。枠とハンデに同情の余地は有るのだが、これだけ3着が多いと詰めの甘さは否定出来ないだろう。競った時の勝負根性に欠く印象が強い。

ヒットザターゲット

もう少し馬体にメリハリが欲しい。連勝馬だが、緩慢に映る。スタート直後、結構押していたが、出脚が怪しく中段やや後方から。直線は外に進路がなく、内へ切り替えたが、スルスル伸びてここ迄。初の左回りも無難に走れており、経験積めば重賞でも勝ち負け持ち込める筈だが、今日の出脚のなさは気掛かり。前走小倉戦はスッと前に付けられただけに、この点だけは案外感が有った。

エーシンジーライン

前走小倉戦と変わらず。好調持続。戦前の想定通りハナ。時計の掛かる馬場状態とはいえ、1000m通過62.6秒はスロー。ペース的には上手く乗れた方だが、2回の坂越えは中々厳しいのか、最後に甘くなってしまった。特に新装中京の2000mはスタート直後が上り坂。この馬も出脚の有る方ではない上にしかも今回は外枠、どうしても押して行く形になるのが余計に終いを苦しくさせている。このプラットフォームで逃げ馬買うなら内枠で出脚の有る馬に限った方が良さそう。

ダノンスパシーバ

-8s。馬体が締まって来た。例に依って行く気なく、後方から。道中はこれで良いが、3角から急に手応えが悪くなり、置かれてしまったのが痛い。向いてからの延びはまだ悪くなかったが、今日の内容だと左回りは向かなさそう。広い東京ならまだ誤魔化し利いても、改装有っても中京では。

コスモファントム

また馬体増。絞れない事には話にならず。好発も、エーシンジーラインに行かせて2番手。ただ、4角で既に手応えが怪しくなっており、直線もサッパリだった。太いにしても負け過ぎ感が有る。左回りがダメとの話も有るが...。

第7回夕刊フジ杯オーシャンステークス(GⅢ)

ワンカラット

-18kg。近走の540kg台は論外。これでスカッと見せる程度。相変わらずこの時期の牝馬にしては毛ヅヤが良い。あまり行く気なく中段のイン。ずっと内を回って直線もダッシャーゴーゴーに脚がなかった影響でスムーズに前が開いた。やはり近走は太かった影響が大きく、マトモならこの位は走れて何等不思議はない。ただ、追い出して頭が上がり気味。直線が延びた新装中京が良い方に出ない可能性も。

グランプリエンゼル

-10s。これはこれで走れる状態。相変わらず歩様がキビキビ。出脚は若干分が悪い程度だったが、枠の関係で道中は後方に近い位置。直線は外から差して来たが、今の中山で外から連に絡むだけでも大したモノ。今季のデキを証明する内容だ。次走へ向けて課題を挙げるとすれば時計面。逆に今日は時計の掛かる馬場状態に助けられた面は否定出来ない。

ベイリングボーイ

-8s。トモに丸みが有って、キリッとした止め絵は中々だが、前の出が硬過ぎる。ゲートが悪いのは何時も通り。頭の高い走法ながら、最後方で脚を矯めて、直線は馬群へ突っ込んで行く形。歩様が硬いので上がりが掛かる展開も良かったのだろうが、ジワジワ脚を伸ばして3着浮上。昔からこういう馬場も上手い。

カレンチャン

毛ヅヤが良く、馬体は問題なかったが、少し気負っている様に映る。スタート直後は先団に居たが、一旦引いて外を追い上げる形。一瞬だけ反応したが、それだけで止まってしまい、終わってみるとズルズル脚を使ってしまった感も有った。今日は56sの斤量も言い訳となるだけに、次走巻き返す要素は一応残しているが。

ジョーカプチーノ

-16s。数字上はこれでベスト。ただ、馬体に張りがない。スタート時に外へヨレてしまい、腹括って後方待機策。この馬の追い込みにしては良く伸びた印象だが、当然ながら勝ち負けには至らず。4角の回り脚でもワンカラットとは差が有った様に見えた。やはりこの馬は先行してナンボの馬だろう。

ダッシャーゴーゴー

馬体はこんなモノだろうが、トモの送りが硬いのが減点材料。今日はゲート五分。先行争いにクビだけ突っ込むつもりだった様だが、外から寄られて内ラチと接触する不利。そこからは上手く立て直して、直線も外へ持ち出す余裕が有った位だったが、いざ追ってからが案外。休み明けだけではなく、馬場状態も敗因に考えられるところだが...。

第19回チューリップ賞(GⅢ)

ハナズゴール

-12s。栗東留学のパターンだが、余裕はないにせよ、デキは良さそう。出遅れ1馬身不利。直線外へ持ち出し、坂下では既に決着付けていた。回転数の利いた走りで圧勝。あとは時計が平凡だった点と、多頭数で大外回した時の距離損。この2点は絶対に課題となるだろう。そうはいっても、突き抜けるか、何処にも居ないか、馬券的な扱いはどちらかしかないのだが。

エピセアローム

-12kg。毛ヅヤが良いのでデキ自体は良さそうだが、少し細く映った。これも出遅れ1馬身不利。戦前から折り合いが課題だったが、案の定行きたがっていた。ただ、馬を前に置けた分なのか、中段で堪えが利いたのは大きかっただろう。ハナズゴールの決め手には敵わなかったものの、連は確保。ジョワドヴィーヴルに先着出来たのも一つ自信になった筈。次走内枠引けば勝ち切る場面も。

ジョワドヴィーヴル

馬体にメリハリがなく、トモに力が入っている様に見えず。阪神2走目で物見は解消していたが。出たなりで道中は中段から。恐らくは馬群を捌く競馬をさせたかったのだろうが、決して不利が有った訳ではなく、スムーズに回って来れた。ただ、追ってから尻尾を振ってステッキに抵抗する場面も。3着確保するのが一杯で、今日は案外感だけが残った。マトモなら性能最上位だろうが...。

ジェンティルドンナ

2人曳き。-6kg。少しチャカつく。馬体のメリハリを言えば悪くなかったが。好発も、無理せず中段。内に居た影響も有ったが、折り合いは付いていた。直線向いてズラッと前が壁になり、右往左往した面も有るのだが、それでも脚が残っていれば3着は有った。戦前から報道されていた通り、熱発明けの影響は有るだろうが、少なくとも下見は悪くなく、折り合いもついただけに、言い訳が少ない印象は有る。

スピークソフトリー

-8s。トモの造りはまだ悪くないが、腹が巻き気味。出脚は一番速かった位だが、行きたい馬に行かせて好位。不利なく回って来れたが、今日の馬体で力の要る馬場は少し辛いところ。馬体回復して、パンパンの良馬場なら大差ない筈。

第86回農林水産省賞典中山記念(GⅡ)

フェデラリスト

2人曳き。胴長の馬体は迫力十分。前走で触れた様にGⅠ級の馬。出たなりで中段。大逃げのシルポートを含め、内4頭は枠なりに続いていた。終始内を回って、馬群捌いたのが坂下。この段階でもシルポートとは5馬身差程度有った様に見えたが、楽に捕えて重賞連覇。1頭違う脚だった。これで中山で4戦4勝という事にはなるものの、この決め手はむしろ東京向き。今春はUAE戦か新嘉坡戦との事だが、秋は天皇賞が負けられぬ一戦に。

シルポート

地味だが、まずまず。硬さがなければ力は出せる。マイル戦の後という事も有るだろうが、行く馬も居らず出脚使わずにハナ。1000m通過58.7秒は馬場状態考慮すると結構速いのだが、馬の気に任せて大逃げ。最大で15馬身程、4角でも7〜8馬身のリードを取っており、一瞬はやったかの場面だったが、最後にフェデラリスト。今日は中山らしい内有利の競馬が目立っていたが、条件を全て活かし切った。出脚を思うと1800mも合っていただろう。如何に序盤コスられぬかがポイント。

リアルインパクト

2人曳き。+10kg。少し腹回りに余裕が有るのだが、鍛えてこれで走れる様にしないと先がない。出脚はシルポートと五分だが、当然喧嘩せず好位のイン。折り合ってスムーズな追走。フェデラリストには一瞬で内から交わされたものの、3着は守り切った。悪い内容ではないが、内有利の馬場でフェデラリストには完敗。休み明けの影響が有っても疑問も残る。現状はパワー不足だと思うのだが...。

ネオヴァンドーム

3歳時思えばトモに力強さが出ているのだが、この相手では迫力負け。ゲート真っ直ぐに出ず、出脚が鈍って中段やや後方から。ペースか馬場状態か、今日は折り合っていた。4角でも動かず、直線向いてフェデラリストの直後。これには一瞬で引き離されたものの、最後に脚を使って4着浮上。道悪走るネオユニヴァース産駒の面目躍如といったところだが、昨年本格化とは述べたものの、相変わらずワンパンチが足りない。今日も内回った利が大き過ぎる。

ネオサクセス

遮眼革。+8s。少し太いが、馬体に張り。仕草に堪えが利いていた。ゲート出て進んで行かず後方から。3角で外へ持ち出して、自力で動いて直線は外へ。結果が結果だけに、伸びあぐねたという印象も強いのだが、ネオヴァンドームよりは余程良い競馬をしている。前走は外枠で競馬にならなかったが、好枠でスムーズなら重賞でも馬券圏内有りそう。

トゥザグローリー

-6s。フェデラリストと並び、この相手では馬の次元が違った。ゲートが悪いのは最近の傾向。序盤はまだ良かったが、向正面では既にリズムが悪そうな走りになっており、マクりに行って格好を付ける場面すらなかった。天皇賞を思うと、ジャパンカップは負け過ぎ。ムラっ気も有る馬で、負ける時は相手関係なく案外こんなモノなのだろう。UAE戦は取り敢えず回避だそうだが、今日は度外視。

レッドデイヴィス

+6kg。馬体はこんなものだが、鳥脚気味なのがマイナス。道中は中段から。序盤は掛かり気味の追走だったが、これもトゥザグローリー同様、向正面で既にフォームを崩していた。直線もサッパリ。力の要る馬場は下手ではないと思っていたのだが、もっと前で闘っていればという印象も。下見から脚元何ともなければ良いが...。

第56回阪急杯(GⅢ)

マジンプロスパー

気配抜群。馬体も中々パワフル。好発。行きたい馬に行かせて好位。4角で外からヘッドライナーに来られて、掛かったのだが、そのまま行かせて4角先頭。そのまま押し切ってしまった。土曜日に引き続き良発表ながらパワー優先の馬場状態で、馬格の差が出た印象も。つまりはパワー勝ち。前走京都戦もそうだったが、良馬場の決め手勝負では少し分が悪い筈。

スプリングサンダー

馬体は変わりないが、悪い時の硬さがないのが何より。例に依って出脚が速い方ではなく、中段やや後方。ソコソコ流れて3角では縦長の展開になったが、4角で密集。この3角手前でバラけた際に外に持ち出して、直線も外から。外から自力で動いた割には牡馬相手で良く走っている。まだ混合戦では厳しいイメージだった上に、決め手身上の馬で道悪も宜しくない筈だったが、阪神1400mは余程合うのだろう。今にして思えば、昨年の牝馬ステークスでも馬場悪い中で健闘していた。

サンカルロ

+10kg。完璧ではないが、8割方の仕上がり。数字分だけ腹回りがボテッと映る。ゲート悪いのは何時もの事。外枠で前に壁がない場合に多少掛かるのは仕方がないところ。これでもスムーズに走っていた方だろう。直線もそのまま大外。スプリングサンダー位は捕えて欲しかったところだが、今日は一枚太かった事も有り、負ける時はこんなモノだろう。新装中京はこの馬にとって悪くない筈で、改めて。

オセアニアボス

少しチャカついていたが、バネの利いたステップ。引き続き好調。元々出脚は速い方でなく、最後方から。外回さないのも何時も通りで内を狙ったが、中々前が開かず。マトモに追える様になるのだが、ラスト150m程。惜しい内容。ただ、阪神でこの形は仕方がないところでも有る。スムーズに行けば勝ち負けの馬だが、4角でバラける京都の方が確率は高いだろう。

ガルボ

-8kg。手先にスナップが利いて、変わらず上々。1200mの馬が行った影響も有るのだが、道中は6〜7番手辺り。しかも4角でマジンプロスパーがマクって進路がなく、仕掛け遅れ気味にもなった。バラけてからは捌いてそれなりの脚だが、決め手の鋭い方でもなければパワーの有る方でもなく、伸び切れないのは当然といえば当然だった。今日は展開に尽きる。

ヘッドライナー

2人曳き。-14kg。左トモの出が悪いのがマイナスだが、馬体絞って良化ムード。出脚がイマイチで、好位止まり。4角マジンプロスパーに食らい付いて行ったが、そこ迄だった。年齢を経てズブくなっているのは仕方がないのだが、それにしてもこの相手で出脚が通じないのでは話にならない。これで引退も致し方ないところ。

第21回アーリントンカップ(GⅢ)

ジャスタウェイ

-10s。馬体が締まって来た。これなら。好発も控えて後方から。少し行きたがっていたが、ずっと我慢させて直線大外。追い出して暫くモタついており、坂下では圏外かに思われたが、坂を上る時にエンジンが掛かり、一気に差し切ってしまった。外回りコースのない旧阪神コースでも届いていたのではと思える程の決め手だった。序盤のペースは遅いのだが、良馬場ながら雨の影響が強く残った今日の馬場状態で上がり3F34.2秒も出色。中山戦をどうこなすかが微妙ながら、東京マイルで通用する手応えは掴めただろう。あとは器用さの問題。

オリービン

-8s。今日も落ち着いていた。数字分だけスカッとした印象だが、まだトモに丸みは残している。ゲートは内のワイドバッハに対して半馬身程悪かったが、少し出してワイドバッハの前を確保。前述した様にペースは決して速くないのだが、道中折り合っての追走出来ていた。直線向いて暫く待たされたが、坂下手前で間を割って一旦は先頭。後続に1馬身は抜けているのだが、大外からジャスタウェイ。右手前のままだっただけに手前が替わっていればだが、ジャスタウェイの決め手には馬場状態の助けも有った。東京の様な軽い馬場の決め手勝負なら案外互角では?

アルキメデス

-8s。チャカつく。寸が詰まってマイラー体型。出遅れ1馬身不利。中段やや後方で引っ張り気味。直線は馬群の真ん中がスムーズに開いて伸びているが、追って下を気にしたのかバランスを何度か崩す場面。際どい3着争いは制したものの、ジリジリだった。これもパンパンの良馬場で改めて見たい馬だが、前走京都戦もゲートが悪かった。暫くは矯め込む形を教え込んで行く形になりそうなだけにあまり関係ないとしても、一応は懸念材料。

ローレルブリット

今日は妙に落ち着いていた。馬体も悪くないが...。スタート直後は中段、コーナーで前へ。最初からかなり押していたのだが、コーナーで動いて4角で先団グループ。結構強気に乗っていたのだが、追ってサッパリ。矯めればもうちょっと違ったと思うのだが、雑に乗った印象だけが残った。今週で解散となる鶴留厩舎、勝ちに行ったといえばそうなのかも知れないが...。

ヴィンテージイヤー

遮眼革。トモの送りが硬い。馬体にも重量感が欲しい。好発も、内からチャンピオンヤマトが主張して2番手。初芝だったが、折り合って上手く走っていた。最後は例に依って決め手の差という事になるのだが、頭が上がり気味だった割には良く粘っている。パワーは有りそう。基本は勿論ダートだが、成長すればかなりのレベルに。

ブライトライン

毛色の分、毛ヅヤは良く見せるが、数字の割に馬が薄い。ゲート少し悪く、無理せず中段やや後方から。向正面もそういう場面が有ったが、4角で引っ掛かってしまい、これが一番痛かった。外回りが出来てからの阪神で4角で引っ掛かると挽回が利かない。折り合い面を何とかしない事には。

ダローネガ

下見の周回順を最後方に回して落ち着かせていたが、馬体の造りは中々しっかりしていた。ゲート五分も、最初から首を上げて行きたがっていた。4角では何とか我慢させていたものの、追い出しての反応もイマイチ。折り合い抜きにしても負け過ぎ感は有るのだが、一息入っていた影響も。