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競馬回顧 2012年2回小倉

サマー2000シリーズ第5戦 第48回農林水産省賞典新潟記念(GⅢ)

トランスワープ

2人曳き。+14s。馬体に張りが有って、デキが良いのは確かだが、太いのも事実。やや出ッパ甘かったが、この馬にしてはこれでもゲートはマシだった方。道中は中段で折り合いに専念。今年は終始馬場状態良好な中で行われ、最終週もイン有利な馬場状態。ケイアイドウソジンの逃げで淡々と流れたのもこの馬には良かっただろう。直線は何処へ持ち出すかだけ。このスローで馬場の真ん中へ持ち出す余裕が有った。矢の様な伸びだった。展開も向いたが、函館と新潟で勝てば、合わせて一本と見て良いだろう。フミノイマージンにやられる今年の中距離路線、セン馬初となる天皇賞制覇の場面は十分。

タッチミーノット

シープスキンノーズバンド。-14s。前走福島戦が太かった。これがベスト。少し押して好位。前に馬が居ない状態だったが、折り合いはスムーズ。横山典弘騎手らしい騎乗。決勝線手前で外へ斜行し審議対象となっていたが、内から叩き出されて、スマートシルエットとの長い叩き合いを制したところを、更に外からトランスワープ。馬体が併さっていれば違った可能性も有ったが、これは仕方がないところ。一応自分の力は出している。

アスカクリチャン

2人曳き。トモのボリューム感は目立つ。今季はデキが良い。ジワッと出して好位直後。これもしっかり内で脚を矯められたクチ。直線向いて、前のトランスワープとエクスペディションがフラフラ。進路が少し難しいところだったが、その間へ突っ込んで寸前で3着浮上。スローだけに、見た目以上に厳しい展開だったが、馬は良く走っている。前々走福島戦が恵まれていたのは間違いないが、馬群を割れる根性は評価すべきなのだろう。

エクスペディション

2人曳き。例に依って垢抜けた馬体。テンション高いのも相変わらずだが。道中はアスカクリチャンの外。下見から折り合いが心配だったが、多少怪しいのは止むを得ないところ。アスカクリチャンより少し早目に仕掛け、頭を叩く形で内へ。ただ当初、ケイアイドウソジンへ併せようとしたところが、相手が違うと見るや否や慌てて外へ振ってと右往左往。着差が着差だけに勿体ないところ。最低でも3着は有った競馬だ。小倉で名前を売った浜中騎手だが、新潟ではまだ勉強が要りそう。

ムスカテール

+6s。コロンとした体型。少し太いだろう。出脚が速く、外からジワッと好位。タッチミーノットと同じタイミングで仕掛けて、一旦は1馬身出られたが、そこからジワジワ盛り返す形。ただ、最後は最後で内からタッチミーノットに寄られているところを外からトランスワープにも締められ気味になっているのだが、瞬時の反応に欠けた面は否めない。ハンデ差も有っただけに、現状重賞では厳しいと見るべきだろう。

スマートシルエット

少しチャカついていた点もマイナスだが、ここへ入ると馬体の迫力で負ける。内有利な馬場状態で、大外枠。矯める策も有っただろうが、何時も通り行かせて好位。早目に動いて、ラスト400mで先頭に立ったが、ここからが重賞の壁。流石に甘くなってしまった。僅差でも、確実に差を感じさせる内容だった。

トーセンラー

+8kg。基本的には増えた方が良い馬だが、これはこれで余裕が有る。調整が難しい。出たなりで道中は中段。この馬場とこのペースでずっと外を回されてしまった最後はそれなりには詰めているが、これだけ上がりが速くなると厳しい。参考外というよりは、相変わらず運がない。

第32回小倉2歳ステークス(GⅢ)

マイネルエテルネル

均整の取れた馬体。歩様が中々力強い。出脚は外枠勢の方が速かったが、出たなりで中段の内目。前半はスムーズに脚を矯められたが、4角でクラウンレガーロにマクられる形となり、一度立て直してから差す形に。前半3Fが33秒を切るハイペースとはいえ、この時計でキッチリ差し切るのだから立派。時計は評価出来ないにしても、例年の水準級は有るだろう。ただ、上位6着迄、3-5-8枠が縦並び。馬場状態と枠順が合致した面は有る。

クラウンレガーロ

この時期ならこの程度で十分だが、連闘の割に緩い。ゲート少し悪かったが、押して中段。上手く馬群が切れて、3角で外へ持ち出し、マクる形で進出。マイネルエテルネルを上手く締めてやったかと思われたが、最後に差されてしまった。乗り役はほぼ最高に乗っているが、惜しい競馬。ただ、前走もそうだったが、追っての反応が俊敏。操作性の良いタイプ。

ラヴァーズポイント

覇気がないのは気になったが、馬体はまずまず。ハナへ行ける出脚は有ったが、無理せず好位。これも出脚は負けていないが、無理せず中段やや前。マイネルエテルネルと前後する位置に居て、直線は内へ。ジリジリとは伸びているが、スパッとも切れず。馬場状態も有るが、これだけ着差を付けられると力差も有るのだろう。エーシンセノーテ

寸の詰まった造りだが、それを差し引いても華奢過ぎる。ハナへ行ける出脚は有ったが、無理せず好位。スムーズはスムーズだが、この位置だと33秒を切るペース。流石に速過ぎた。前に居た組では再先着しており、悪くない内容だが、本当に強ければスピードでハナ切って自分でペースを握れば良いだけの話。現状は成長待ち。

スイートドーナッツ

まだ馬が子供。馬っ気を出しており、気性面に限らず、馬体も筋肉が付き切ってない。出遅れ1馬身不利。この枠で、ジワジワ追い上げて、4角で中段。クラウンレガーロのマクりに乗る形で進出したが、直線向いてからはジリジリだった。能力云々も有るが、この時計で外回されっ放しでは辛いところ。

第47回農林水産省賞典札幌2歳ステークス(GⅢ)

コディーノ

この時期の2歳馬にしては、腹回りがどっしり。重量感が有る。今日はゲート五分。ロゴタイプの逃げに先導される形で好位のイン。この段階でシメシメだが、あとは仕掛けるタイミングだけ。ラウンドワールドへ抵抗する形で4角外へ持ち出し、直線はむしろ突き放し気味だった。完勝。このレースでの水準級は有りそう、つまりはクラシック候補ということ。

ラウンドワールド

この数字にしては馬を大きく見せる。まずまず。大外のジェネラルグラントが思い切って行った事も有り、後方でジックリと。イマドキのこういうところに出て来る2歳馬は折り合いで苦労する事は少ない筈だが、今日は少し掛かり気味。それでも3角から強引に外を回って進出。前を一気に捕まえに行ったが、内から併されたコディーノには突き放されてしまった。4角でフクれ加減になっており、コーナリングにも疑問が残る。広いコースで改めて。

エデンロック

-8kg。これ以上絞れると見た目は貧弱になるのだが、腹回りのタブつき具合からはもう一絞り。ただ、それよりもイレ込みがキツい。ゲートが少し悪く、後方から。道中はインベタで回り、直線も内へ。前の馬を避けながらの追い込みで、厳しい面は有ったのだが、しっかり脚を使って3着浮上。初戦が逃げ切り勝ちだっただけに、尚の事評価出来る。自在性の有るタイプ。

ロゴタイプ

+8s。馬振りはまずまずだが、少し歩様に力がない。好発切った事も有り、思い切ってハナ。1000m通過が61秒ジャストと、ペース自体は大して速くないのだが、ジェネラルグラントにビッシリ競られたのは少し痛かった。直線止まった訳ではないのだが、最後寸前で4着に。上位馬はGⅠを目標にしている連中だが、この馬も500万は楽に勝てる馬。

コスモシルバード

2人曳き。-8kg。少しチャカつくが、許容範囲。馬体はまだ若いが。半馬身程出遅れて中段やや後方から。下見のテンションの割には折り合っていたが、4角で少し待たされて内を突く形に。5着でも通った位置の差を考慮すれば、エデンロックとは五分の馬と見て良いだろう。従ってこれも500万は楽勝レベル。

トーセンパワフル

トモ高気味だが、馬は間違いなく最上位。ゲートは五分に出たが、内外から来られて好位直後に引く形。道中も少しムキになっていたが、勝負どころでの反応が一息で、直線も全く伸びなかった。トビの雰囲気に良血感は有るのだが、現状は回転数が足らない。少なくとも札幌がベストコースではないのだろう。

第32回新潟2歳ステークス(GⅢ)

ザラストロ

まだ馬が子供。歩様の甘さも目に付いた。出遅れ1馬身不利。そのまま後方で折り合いに専念する形。直線だけ大外へ持ち出したが、この時期の新潟にしては馬場状態良好。その関係で大外といっても馬場のド真ん中。これも大きかっただろう。仕掛けての反応は俊敏だったが、内からノウレッジに渋太く食い下がられた。それでもレコード勝ち。内容としては悪くないが、あとはこのレースの度に毎年述べている様に器用さの問題。

ノウレッジ

-10kg。寸詰まりの体型だが、腹回りは上がっていない。絞れたと見たい。出たなりで中段の内目。多少怪しいながらも一応折り合いは付いた。前述した様に今年は比較的馬場状態良好。この位置でも競馬は出来る。ラスト200mで先頭に立ったところで手前が替わって苦しくなったが、粘りに粘って2着は確保。ダートから来た馬だが、これならむしろ芝の方が良い。

サウンドリアーナ

2人曳き。+20kg。少し太いが、数字程でもなさそう。出脚は一番速かった位で、好位のインで序盤は少し掛かっていた。追って殻もしっかり伸びており、ノウレッジに併せようとしたところで相手がもう一伸び。掛かったのが最後の甘さに繋がってしまったか。絞れればもう少し違う筈だが、まずは折り合いを。

メイショウオオゼキ

馬体絞れず。腹回りがタプタプ。出たなりで中段の外。折り合いは問題なかった。直線も前が開いてスムーズだったが、追ってからのズブさが目に付いた。伸び出したのは競馬が終わった後。前走はスローで誤魔化しが利いたが、現状は機動力に欠ける。やはりもっと絞った方が良さそう。

カラフルブラッサム

落ち着いていた。歩様,馬体共しっかりしている。出遅れ1馬身不利も、出脚でカバーして中段。多少行きたがるのは仕方がないのだが、それよりも直線向いてから行き場がなく、右往左往する場面。ここがスムーズならもう少し違っていただろう。掲示板は確保したが、最後は戦意喪失気味。参考外。

サマースプリントシリーズ第5戦 第7回キーンランドカップ(GⅢ)

パドトロワ

-6s。絞れたのは良い傾向。馬体の張りも落ちていない。出脚は外の方が速かったが、枠の利でハナ。600m通過が33.5秒。ソコソコ速かったが、今年の北海道は6週ずつしか開催がない為、終始馬場状態が良好で、内で詰まるケースが多数。少々強引でも行き切った方が正解。直線入り口で突き放して、ダッシャーゴーゴーの猛追を振り切った。これでサマースプリントシリーズのチャンピオンが確定したが、同シリーズを既に3戦。力は何処へ行っても足る馬だが、次走以降はデキの問題。

ダッシャーゴーゴー

少しコズミ気味にも見えたが、雰囲気は悪くない。今日はゲート五分。この馬の出脚で好位から。3角で上手くパドトロワの直後を確保し、絶好の展開になったが、今開催お馴染みの光景がここでも。パドトロワとテイエムオオタカの間を割るのに一瞬手間取り、前が開いたのはラスト1F。相手も強いだけに、そこからでは1馬身差が詰め切れなかった。土曜日のエスポワールシチー同様、勝ち切れない馬になりつつ有るが、こちらは斤量面でのハンデがなかっただけに、根は深い。

テイエムオオタカ

馬体の迫力の割に非力な馬だったが、この歩様なら問題なし。ハナへ行くかと思ったが、内からパドトロワが来て2番手に控える形。スムーズには運べたが、ラスト1Fでダッシャーゴーゴーに力でコジ開けられ、そこ迄だった。GⅠで好戦している馬とはやはり差が有る。下手な道悪よりは良いにしても、時計面でもこれだけ速いと厳しい。パワー強化が先決。

シュプリームギフト

パシュファイヤー。連勝馬だが、気配は上々。ただ、ここへ入ると馬が貧弱。外の方が出脚が速く、一旦立て直して好位直後。スムーズはスムーズだが、この相手で外を回って真っ向勝負。影も踏ませて貰えなかった。重賞ではまだ足らないと見るのが妥当。前走オープン特別が51kgで、今回が54s。この差も大きかっただろう。

スプリングサンダー

悪い時の硬さがない。手先にスナップが利いていた。一応ゲートは出ているが、出脚がなく広報から。ソコソコ流れたことも有って、この枠にしてはコースロスなく運べた方だろう。それでも4角は大外。前が止まる展開にもならず、今日のところはこれが一杯だった。1200mでも展開一つの馬だが、ベストは1400m。

第17回エルムステークス(GⅢ)

ローマンレジェンド

力感がなく、大して見栄えしないのは毎度。出脚の速い方ではなく、1角進入時に5頭横一線になる場面が有り、少しムキになる場面。道中も少し力んでいた。それでも断然の1番人気の馬、3〜4角中間から、エスポワールシチーを目掛けて積極的に動いて行ったが、相手も渋太く、最後何とか競り落とした格好。苦労はしたが、今迄ブッちぎりばかりだった馬がこの形でも勝ち切った事は評価出来る。意外に世代交代が進まないどころかゴルドブリッツに至っては死亡してしまった今年のダート界、今日の反省さえちゃんと生かせるなら、GⅠでも足る筈。

エスポワールシチー

これも満点はやれない。良い時を思うと歩様が硬い。外からジワッと好位。ローマンレジェンドとは違い、百戦錬磨の馬、どの位置でも折り合いは付く。3角で2番手に上がり、一旦一息入れて、ローマンレジェンドを待ってからの追い出し。マヤノトップガンとナリタブライアンではないが、最後迄渋太く抵抗した。結果は斤量と現状のデキの差だろう。堅実だが、勝てない馬になりつつ有るのも確か。

グランドシチー

馬体の迫力は悪くないが、トモの送りが硬い。出脚で負けた訳ではないが、スッと引いて後方のイン。ただ、コーナーでスムーズに回れておらず、結局4角では最後方。前がちぎってバラけたこともあり、最後良い脚を使って3着には来たが、少しチグハグな競馬だった。左回りの方が実績が有るのは確かだが...。

エーシンモアオバー

2人曳き。昨年のデキ迄はなさそう。悪くはないが。戦前の想定通りハナ。ただ、ゲートが少し悪く、少し脚を使わされ、1000m通過が1分を切るペース。エスポワールシチーにも早目に来られ、更に苦しくなった。スムーズでもどうかだが、3着は有っただろう。昨年とはデキと相手が違うのだが、少し勿体ない競馬に。

サイオン

2人曳き。遮眼革。寸詰まり気味だが、気配は文句なし。スタート直後に躓いて2馬身程の不利。ただ、誤魔化しの利く外枠で積極的に乗られて向正面で中段へ。ゲート以外はスムーズだったが、この相手では掲示板確保が一杯。

サマースプリントシリーズ第4戦 第47回テレビ西日本賞北九州記念(GⅢ)

スギノエンデバー

トモの張りは目立っていた。デキ自体は良さそう。この馬にしてはゲート出た方だが、無理せず後方から。今日は午後から外差し目立っていたとはいえ、外枠ながら、前に馬が密集し、道中そこ迄の距離損はなかった。直線だけ大外へ持ち出し、矢の様な伸び。前走は内有利な馬場状態だった時に外から差しての勝利。今日は条件が揃って、一気に重賞迄制した格好に。逆に言えば、次走以降は手が出し辛いのだが、サクラバクシンオー産駒は小倉1200mの差し合戦に強い印象も。混戦になればなる程、良く馬券に絡んでいる。

シゲルスダチ

2人曳き。コンパクトに纏まった馬体。ただ、歩様に伸びがないのは気になる。出遅れ1馬身不利。少し出して中段やや後方から。この枠で内にも外にも行けず、4角はジッとしていたが、直線向いて上手く前が開いた。一瞬はやったかの場面を外からスギノエンデバーに差されたが、2着は確保。東京で事故も有った馬だが、もう後遺症はないっと見て良いだろう。1200mも問題なさそう。

エピセアローム

+16kg。馬は一番よく見せた。歩様も中々力強い。最初から行く気なく後方から。道中はスギノエンデバーを見ながらの競馬となったが、結果的にスギノエンデバーの外では遠過ぎた。ただ、リュンヌが好発して先行。付いて行けば中段辺りの位置は取れたのだろうが、このハイペース。前へ行って同じ脚が使えたかどうかは結論の出ないところ。馬が良くなっている事は間違いないのだが。

コパノオーシャンズ

大分馬体の張りが良くなって来た。近走では一番。ゲートはむしろ速い方だったが、控えて後方から。4角外へ回さず、エーシンヴァーゴウとエーシンヒットマンの間を狙い、上手く行ったが、惜しい4着。ハンデが一番大きいが、小倉の時計勝負は結構走る。

ヘニーハウンド

この数字の割にはスカッと見せる。多少歩様が硬いのは何時もの事。この馬にしてはゲートはマシだった方だが、それでも1馬身出遅れ。枠の利で3角手前では中段に取り付いていたが、外に持ち出そうとして外に持ち出せず、仕方なしにインを突く形に。一瞬は脚を使っているが、最後に甘くなってしまった。今日は馬場状態が全て。中々使い込めない馬だが、今でも重賞勝てる力は持っている。

エーシンヒットマン

2人曳き。+16s。数字上は戻った形だが、馬体の張りは怪しい。今日はゲート出たが、道中の行き振りが一息。4角ではエーシンリジルにマクられそうになっていた程だったが、その割には直線良く粘っている。今日は1番人気で掲示板外した格好でも、能力は人気通り上なのだろう。このペースと馬場状態で勝っていたかとなると微妙だが、今日はデキの問題と見たい。

エーシンヴァーゴウ

一応は変わらず。良くも悪くも平行線。リュンヌには先を越されたが、ジワッと先行。ハイペースには巻き込まれたが、道中はスムーズだった。4角でも多少口向きの悪さを見せながらも頑張っていたが、最後はハンデも応えただろう。ラスト1Fで頭が上がって苦しくなっていた。

エーンダックマン

前走新潟戦と変わらず。もう一張り欲しいのは確か。斤量なのか、前走控えた影響なのかは分からぬが、リュンヌに出脚でやられた上に、内からジュエルオブナイルにも来られで、押して押してのハナ。無理矢理の副産物が前半3F32.2秒となった。今日はこの段階で失速が確定。結果的には中段より前に居た「エーシン」の他3頭迄潰す格好となってしまい、最悪の競馬に。それでもスギノエンデバーとは0.7秒差。良く粘っているという見方も出来るが。

サマー2000シリーズ第4戦 第48回札幌記念(GⅡ)

フミノイマージン

重量感の有る馬体。むしろ少し太く映る位。引き続き好調。最初から行く気なく後方から。前走で内を突いて前が詰まった事も有り、今日は最初から外へ出す作戦。3角過ぎから仕掛けて、今日は4角の脚が速かった。一気に前を捕え、ラスト200mで先頭。そのまま押し切ってしまった。近走は不利続きだったが、漸く本当の実力を証明出来た格好。限定戦へ向かうそうだが、牡馬相手でもGⅠで足る筈。

ダークシャドウ

オーストラリアンブリンカー。多少気負うのは何時も通り。馬体も出来ていたが、理想をいえば右後肢の送りが一息。出脚は一番速い位だったが、ハナへ行く気はなく、様子を窺っていたところ、1角でアリゼオとミッキーパンプキンが行ってくれて3番手から。ここ迄は妙に消極的だったが、3角過ぎから急に強気になり、前へ並び掛けて行ったが、フミノイマージンの強襲に遭い、差し返す余力が残っていなかった。折り合いも付いており、休み明けでこれだけ走れば上等なのだが、競馬が雑な印象ばかりが残る。福永騎手は何の為にアメリカから戻って来たのか...。

ヒルノダムール

2人曳き。いきなりから出来ていた。毛ヅヤがピカピカ。出たなりで中段のイン。折り合いは問題ない馬で、道中は完全にダークシャドウマークの競馬。スムーズに運べたが、道中の差がそのまま詰まらなかった。2000mではこんなモノかなという印象も。ベストはやはり2400m以上。

ハナズゴール

-8s。数字通り、少し細くなった印象も。テンション高いのもマイナス。折り合いに専念している内に、自然とポジションが下がり後方から。意外な程、折り合っていた。4角で動けなかった関係で、直線迄待ってからの追い出しとなったが、むしろ脚を余し気味になっていた位、最後の脚勢は目立っていた。斤量差は勿論無視出来ないが、ここでも十分通用する内容だった。次走限定戦なら本命視する手も。

ネオヴァンドーム

-12kg。絞れたと見て良いだろう。珍しくゲートが悪く中段やや後方から。フミノイマージンが外から動いた際に、手応え悪そうにも見えたが、その割には直線良く粘っていた。デキが中々一定せず、結果にムラが生じるのだが、GⅢレベルなら何とかなると思いつつも、中々展開が向かないのが現状。

サマーマイルシリーズ第2戦 第47回関屋記念(GⅢ)

ドナウブルー

大して見栄えする馬ではないが、馬体が維持出来たのが何より。ゲートが速く、出脚利かせて2番手から。各馬、かなり引っ張っており、見た目にはスローだったが、馬場状態が良いのか、それでも1000m通過は58.7秒。直線向いてからはエーシンリターンズとの一騎打ちとなって、叩き合いを力でネジ伏せた。力量差思うともう少し着差が有っても良いのだろうが、上がりが32.6秒でレコード駆け。これで良しとするところだろう。前へ行ける様になったのも強み。先々が明るくなった。

エーシンリターンズ

-8kg。理想的に絞れて来た。気配も良さそう。出脚が一番速く、一瞬はハナも覗かせたが、レッツゴーキリシマに行かせて好位。道中は折り合いも付いた。内からドナウブルーに併せ、ラスト500m辺りから熾烈な叩き合い。一旦は少し出る場面も有ったのだが、最後は底力の差が出た印象。良く食い下がっているが、相手が悪かったか。

スピリタス

叩き2走目。馬体の張りが全くない。意外に出脚は速かったが、レッツゴーキリシマが直ぐ外に居て、中段位から。普段は引っ掛かる馬がこの点も意外に折り合っていたが、かなり馬群が密集して、前の馬に乗っかかりそうになる場面。これは少し痛かった。それでも直線バラけてからは最内に進路を取って良く伸びて来た。展開を思えば良く差して来ている。デキはない様に見えるのだが、今夏は条件戦見ても下見からバテバテの馬が多く、フレッシュな分だけ有利だったという事なのだろう。

マイネイサベル

+6s。もっと増えても良い位。少し成長している。これも出脚が有って、好位から。少しズブい位の馬で、道中の折り合いは問題なし。直線向いてからの決め手不足は如何ともし難いのだが、それでもこの馬本来の渋太さは見せた。距離はもう少し有っても問題はなく、今秋馬券圏内の場面も十分有ろう。

ゴールスキー

馬体はともかく、集中して歩けていた。これが一番。とにかく集中力が続かない馬で、難しい馬なのだが、一旦下げて馬群の外へ。外へ持ち出している分、今日の展開では競馬にならなかったが、馬が最後迄真面目に走っていたという点では評価出来る。遠回りした関係で、GⅠは厳しいにしても、GⅢなら何とかなりそう。

スマイルジャック

2人曳き。この馬らしい気合。馬体の迫力も充分。これも例に依って後方から。この位置なら折り合いは付くのだが、ゴールスキーが直ぐ外に居て、直線迄待ってから追い出す形。この形では話にならないが、上がり3F32.4秒はゴールスキーと並んで最速タイ。最後の脚勢的にも一番勝っており、力は示した内容。勿論、もどかしさも相変わらずだが。

第4回レパードステークス(GⅢ)

ホッコータルマエ

まだ少し太い。ただ、トモの盛り上がりは中々。スケールには疑問も、デキは良い。ダイワスパンキーが先行し、枠の遠さがマシになった事も有り、好位の外。向正面でペースが落ちそうになった時に、控えずそのまま行かせて4角で前を捕まえに行く形。あまりにも早目に抜け出してしまったのと、直線が逆手前。最後は一杯一杯になったが、先行有利の新潟ダート。何とか振り切った。ダート馬としての器用さは持ち合わせているのだろうが、それ以上は評価し辛い面も。今日は勝ち切ったが、本来は相手なりの馬。

ナムラビクター

シープスキンノーズバンド。+8s。数字通り太いとは思うが、ダートなら。ゲートが若干悪かったが、オッツケて中段。たまたま馬群が切れた事も有って、1角で一回内へ潜り込んだのが正解。ホッコータルマエを相手と見た競馬が出来た。直線も、上手く捌いてはいるが、追って手前がしっかり替わったにも関わらず、届かず。ホッコータルマエの方が渋太い印象も有った。出遅れてスタート直後に脚を使った分も大きいだろうが。

イジゲン

これも、ダートならこれで良いのかも知れないが、少し太く映る。スタート直後に落馬寸前の躓く不利が有り、後方からの競馬。早目に外へ出して、3角から追い上げて行ったが、コーナーで砂を被った際に頭が上がっていた。直線向いてからは砂を被る位置を避けていたので、スムーズだったが、集中力を欠いた部分は有ろう。力は有る馬だが、細かい修正点は有る。

ダノンゴールド

シープスキンノーズバンド。もう少し造りにメリハリが来ると本物。現状は数字より少し小さく映る。出脚は速そうではなかったが、押してハナ。向正面でペースを落とそうとした際に、他馬に来られたのは少し痛かったが、それを差し引いても先行有利の新潟。もう少し粘って欲しかったところ。この相手では少し差が有る。

メテオライト

2人曳き。少し寸が詰まり気味。全体の雰囲気は悪くないが。これもナムラビクター同様、中段から一度内に潜ってからの競馬。追ってから瞬時に反応出来なかった面は有るものの、最後の最後に脚を使って掲示板を確保。もう少し機動力が来れば上のクラスでもやれそうだが。

サマー2000シリーズ第3戦 農林水産省賞典第48回小倉記念(GⅢ)

エクスペディション

2人曳き。前走福島戦から馬は悪くなかった。ただ、何時もよりテンション高い。出脚は五分だったが、枠不利の一戦、深追いは避けて中段待機。少し掛かる位で、終始行き振りは良かったのだが、4角手前から馬の気に任せて行かせ、ラスト200mで先頭。そのまま押し切った。横綱相撲といって良い内容。前走案外だったが、一息入った効果も大きかったのだろう。時計勝負もこの馬には向いた。ただ、この時計でも馬場状態を考慮すればむしろ遅い位。レースとしては低調ということにはなってしまうのだが。

トーセンラー

馬格の差を除けば、馬の造りはダノンバラードに良く似ている。歩様もスムーズ。出脚がサッパリで後方から。向正面ではコーナーワークで差を詰めて、向正面では中段に取り付いていたが、内から行っている関係で、4角捌き損ねてしまい、その間にエクスペディションが抜け出してしまっていた。出脚の関係で仕方がないといえばそうだが、今日は千載一遇のチャンス。勿体なさが残る。この相手で勝てないとズルズル行ってしまいそうだが...。

ナリタクリスタル

気力面はともかく、悪い時の硬さがない。その気になれば前へ行ける馬だが、枠とこの乗り役、思い切って後方から。4角、外を進出して、目の前に居たダノンバラードを交わして3着浮上。ハンデ差を別にしても、前述2頭とは能力差有りそうだが、やはり小倉は走る。ダノンバラードとのコーナーでの脚の差が勝負の決め手となっている。

ダノンバラード

皮膚を薄く見せて、ディープインパクト産駒らしくなって来た。ただ、トーセンラーと違い、歩様が硬いのが大減点。出脚も有る方ではないが、最初に一旦下げてから何時でも動ける外へ。4角でエクスペディションの後を追う形で、絶好の展開になったが、コーナーでの脚が怪しく、直線も伸び切れない。前走中京戦の脚が有ったら楽勝だった筈だが、右回りはやはり伸びが甘い。特にコーナーでの脚が重要となって来る小倉では尚更なのだろう。準オープンなら何処でも良かったのだろうが、重賞となると左回りでないと厳しい。

ゲシュタルト

-8kg。絞れただけマシになっているが、相変わらず馬体に張りがない。これも枠の関係で後方から。道中はダノンバラードと並走となっていたが、4角で置かれてしまったのが痛い。ナリタクリスタルの後から追い上げる形になってしまった。コーナーの脚も怪しそうだが、結果的にはもう少し積極的に乗った方が良かったかも。

第60回北海道新聞杯クイーンステークス(GⅢ)

アイムユアーズ

+24kg。毛ヅヤが怪しく、張りそのものは少し甘く見えるが、太目感はない。成長している。ただ、歩様の非力さは相変わらず。出脚は一番速かった位だが、外からレジェンドブルーが行って、好位に控える形。スタート直後に引っ掛かりそうになっていた事も有り、無理しなかった事で、上手く脚が矯められた。ただそれでも、4角は自力で動いて行っての勝利。中々強い内容だった。トモの甘さと斤量利が上手く噛み合っているとはいえ、この内容なら世代上位の実力なのは間違いないところ。

ラブフール

毛ヅヤ冴える。少し頭は高いのだが、しっかり踏めていた。叩いて良くなっている。出脚が鈍く、例に依って後方から。前走、最後は止まった様な競馬になってしまっており、今日は直線迄待ってからの外へ持ち出しての追い出し。ソコソコ流れた分も有るのだが、これも上手く脚が矯まっていた。距離短縮も勿論良かったのだろう。

ミッドサマーフェア

-10kg。極端に細くは映らず。一応はこれで良い筈だが。あまり行く気なく中段やや後方から。揉まれない位置でスムーズに運べた様にも見えたが、いざ追ってからが案外。少しデキが怪しいにせよ、斤量は51s。物足りなさが残った。数字がないと洋芝は苦しい面も有るのだが、一昨年がアプリコットフィズ。力が有れば勝てる筈だが。

レインボーダリア

-8kg。絞れたと見たい。トモの張りは目立っていた。この枠でも積極的に乗られて中段。スムーズには走っているが、外枠から馬鹿正直に乗り過ぎた印象も。アイムユアーズをマトモに追い掛けて、最後に甘くなった。もう少し工夫が有るか、ミッドサマーフェアの枠なら、結果も逆転していた可能性が高い。

オールザットジャズ

+6kg。表現が難しいのだが、馬体がスカスカに映る。ゲートは一番速かった位だが、この馬の出脚で中段のイン。序盤は少し力んでいた様にも見えたが、向正面ではスムーズ。枠を生かす競馬は出来た筈で、直線も内は開いていたが、追ってからの反応が鈍い。デキが怪しく見えたのも確かだが、器用さがない。

フミノイマージン

2人曳き。少し太い程度。馬体には迫力が有り、デキ自体は良い。道中は中段やや後方。オールザットジャズを見ながらの競馬。直線もそのまま内を狙ったが、そのオールザットジャズが伸びず、不完全燃焼の競馬に。今日は参考外。