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競馬回顧 2012年4回阪神

グローバルスプリントチャレンジ第8戦 第46回スプリンターズステークス(GⅠ)

ロードカナロア

2人曳き。-6s。狙い通り絞れて来た。文句なし。出脚はこの相手でも断トツに速い馬だが、この枠でも有り、無理せず中段から。同厩舎のダッシャーゴーゴーがチームオーダーでも有ったかの様な玉砕の先行策。これでマジンプロスパーとパドトロワが一気に苦しくなり、実質的にはカレンチャンとの一騎打ち。最後は追う者の利だろう。近走、レース内容にツキがなく、この枠順もどうかと思ったが、むしろ良い方に出た。前から述べているが、出脚が速いのでどうにでも乗れるのが強み。

カレンチャン

-12kg。これも万全の態勢を整えて来た。出脚はロードカナロアの方が速いのだが、枠の関係で好位から正攻法。今日は外有利の馬場状態だったとはいえ、前がやり合って、展開的には絶好だったが、徹底マークのロードカナロア。岩田騎手に上手くやられた印象だ。04年のデュランダルに差されたビリーヴと同様、競馬に負けただけで勝負には勝っている。連覇は逃したが、何等恥じることのない2着。

ドリームバレンチノ

戦前から絶好調が伝えられていたが、スカッと見せて下見は抜群。この馬の出脚で中段のイン。直線はダッシャーゴーゴーをパスする為に、内で少し立て直す場面も有ったが、デキの良さを生かし、しっかり伸びて3着。どう乗っても3着が一杯だっただろうが、スムーズならもう少し前に来れたかも。何れにしても、時計に対応出来たのは収穫。

エピセアローム

比較上目立たなくなっているが、前走阪神戦から変わらず。これも中段辺りから。3角過ぎ辺り迄はロードカナロアと前後する位置に居たが、4角で付いて行けず、一旦置かれる場面。最後は盛り返しているだけに、勿体ないところだが、それが現状の実力だろう。もう少し力を付けてくればこの相手でも通用する筈だが。

ラッキーナイン

下見は物見が激しかったが、遠征馬だけに仕方がないところ。腹回りがボテッとしているのも何時もの事。ゲートでアオッてしまい後方から。このレースの外国調教馬は自分で主導権握らないと、中々競馬にならない。これも最後方から大外へ持ち出して、力の有るところは見せているが、馬券に絡む迄が遠い。

サンカルロ

まだ完調ではない。馬体の張りに甘さを残す。

パドトロワ

+4s。立派は立派だが、流石に少し太く映った。この相手なら楽にハナかと思ったが、意外に出脚がなく、マジンプロスパーとダッシャーゴーゴーの3頭で大競り。600m通過が32.6秒は近年では一番速いペース。直線失速は仕方がないところ。逃げ切るなら、最初の200mを出脚で決着付けないと厳しい。

第16回シリウスステークス(GⅢ)

ナイスミーチュー

-6kg。少し硬さも感じるが、力強い歩様。馬体もまずまず。出脚は速い方ではなかったが、枠の利で中段に潜り込む形。道中は、掛かることもなく、砂にヒルむこともなく、良い感じで運べた。エーシンジーラインが早々に止まった関係で、レース全体の流れが早目早目。4角から外へ持ち出して、仕掛けのタイミングもジャストだったが、それでも3着以下は突き放した。前走小倉戦が準オープン55sで1着。ハンデが意外に厳しい印象も有ったが、力を付けている。

ヤマニンキングリー

+4s。特別に目立つ印象もないが、昨年辺りから馬体重が安定。これは何より。内へ入れる気は全くなく、砂を被らない様に乗って、中段の外。4角でも手応え十分。自力で進出して、坂下で先頭。少なくとも競馬には勝っているが、昨年と違って、先行策ではなかった分、ナイスミーチューに上手く乗られた感も。それでも悪い内容ではない。スムーズに運べるこの条件は堅実。

グレープブランデー

+8s。毛ヅヤピカピカ。馬は断然だった。あまり行く気なく中段やや後方から。最初から頭が高い走りだったが、勝負どころでも頭が高いままで手応えが悪く、3着を確保するのがやっとだった。前走小倉戦とは悪い方に"ガラリ一変"とでもいう様な内容。58sでも、この相手なら格上だが、これだけ結果にムラが出来る辺りは、まだ脚元万全ではないかも。

フサイチセブン

2人曳き。-2s。元々見栄えする馬。それを差し引いてもまずまず。好発。出脚も速く、スッと好位。少し掛かる位の行き振りは、この馬本来のそれ。追い出しはもう少し待ちたかったところだろうが、外から来たヤマニンキングリーに併せて動く形。3着逃したのはその分も有るが、それでも良く踏ん張っている。長欠だけだが、気性的にボケていないのが良い。

クラブトゥギャザー

+6kg。歩様に力がない。馬体も緩い。出脚は負けていないが、行く気なく中段やや後方から。丁度、目の前にナイスミーチューが居て、これをマークする形に。4角もスムーズに捌けた。この相手で直線ジリジリだったのはやむを得ぬところだろうが、少なくとも良い経験にはなった筈。準オープンなら楽勝レベル。

エーシンジーライン

何時ものこの馬。歩様も悪くない。好発。しかしm出脚がサッパリに近く、押して押して何とかハナ。道中の行き振りも一息で、既に3角で馬群に飲まれていた。ダートは悪くないと思っていたが、明らかに不適と思われる止まり方。

第58回産経賞オールカマー(GⅡ)

ナカヤマナイト

+10s。腹回りに少し余裕も有るが、歩様がこれなら許容範囲。1角進入時には中段辺りに居たが、向正面辺りから徐々に番手を上げ、3〜4角中間でダイワファルコンの直後へ。ダイワファルコンとは実力差も有るのだが、道中の折り合いに差が有って、余裕十分に差し切った。現役では唯一関西の中距離重賞で通用する関東馬。この相手なら格上だった。道悪も勿論良かっただろうが、GⅠでは話にならないのも今更。

ダイワファルコン

何時ものこの馬。馬体はソコソコ見栄えする。出脚も有る馬だが、この枠でも有り、少し押し気味に好位。内からルルーシュに併された関係で、前が壁に出来ず、3角過ぎから抑え切れずに進出し、4角手前で先頭に。やはり少し早かったが、それでも2着は確保した。今日は本当にメンバーが酷く、実質的にはオープン特別レベルだが、その中では流石に力が上。ただこれも、当然ながら強い関西馬が出て来ればその段階でイチコロだろう。

ユニバーサルバンク

-10s。デビュー以来最低体重。少し薄い気もするが、硬さがないのは何より。上手く馬群が切れて、中段の内目。ただ、乗り役が道悪が良くないと思っていた様で、外へ持ち出そうとしており、3〜4角中間でマトモに揉まれ込む形になったのが少し痛かった。最後、3着には来たが、ここをもっとスムーズにナカヤマナイトに続いて行ければ2着争いが際どくなっていたか。何れにしてもこの相手ならこれ位はやれても不思議ではない馬。

ルルーシュ

+10kg。少し立派過ぎる気もするが、トモのボリューム感は有った。少し押して好位のイン。完璧ではないが、折り合い面を含めて一応はスムーズな競馬。早々にバテた前の2頭も上手くやり過ごすことが出来たが、ユニバーサルバンクがタイトに回り、内を突かざるを得なくなった。上位2頭の様な道悪が得意をする馬なら問題はなかったが、明らかにノメる場面。最後に伸びを欠いてしまったか。この馬が1番人気というのは過剰で有ったとはいえ、今日は道悪が敗因。

コスモファントム

-4s。少しでも絞れたのは良い傾向。馬体の張りも問題はない。枠は遠いが、この馬の出脚で好位直後。3角迄はスムーズだったが、例のマクり合戦で内に押し込まれ、4角で思い切り躓く場面。道悪でこれをやってしまうと挽回が利かなくなってしまう。参考外。

第60回神戸新聞杯(GⅡ)

ゴールドシップ

2人曳き。戦前の話よりは出来ていた。気配には乏しいが、休み明け緒戦としては上々。今日も出脚がサッパリで後方から。折り合いには相当自信が有る様で、3角手前から外を徐々に進出。手応えが良かった訳ではないのだが、4角では好位に取り付き、坂を上る脚で一気に突き抜けた。追って頭が上がるところは相変わらずだが、それでも余裕綽々の勝ち振りだった。出脚には注文も付くのだが、それ以外は文句なしの内容。

ロードアクレイム

2人曳き。+6s。踏み込みに力強さは有ったが、馬体は少し緩く映った。出脚は五分に映ったが、後方でゴールドシップをマークする競馬。ゴールドシップとは違い、前を壁にする形で折り合いを付けていたが、早目に動いたゴールドシップに連れて外を動いて行った。直線は何度も手前が替わっており、苦しかったのは間違いないだろうが、それでも2着は楽に確保。福島1800mを乗り切る器用さはない馬だが、阪神2400mで力を発揮した格好。

マウントシャスタ

2人曳き。+18kg。多少立派だが、馬体の張りは良い。これもあまり行く気なく後方から。折り合いは問題なかった。道中は悪くない位置を通れたが、4角で思い切って内を突く形。前走から荒れ馬場を苦にしないのは分かっていたところで、狙いは悪くないが、立て直す場面が有ったのが勿体なかった。スムーズでも2着有ったかどうか、微妙なところでは有るのだが...。

ユウキソルジャー

数字はないが、馬振りは中々。毛ヅヤも上々。ゲートを真上に出てしまって出脚が鈍ったが、少し出して好位。このレース自体が差し馬有利ということも有るのだろうが、1000m通過が1分と少しのペースでも、縦長の展開に。それを早目に動いて4角先頭の形だったが、坂下でゴールドシップに捕まってしまい、権利を逃してしまった。ただ、それでも前に居た組では最先着。スタミナは見せた。抽選になるだろうが、出られれば面白い存在。父トーセンダンス、母父オースミタイクーンという渋さも菊花賞向き。

ローゼンケーニッヒ

ここへ入ると迫力で差が有る。デキは良さそうだが、造りが華奢。血統通りのゲートの悪さで、最後方から。この形なら折り合いはスムーズだが、最近トライアルでこの形は権利が取れないケースが殆ど。それなりに来てはいるが、届かない。パンパンの良馬場ならもう少し際どくなっていた筈では有るのだが。

ヒストリカル

+22s。背丈が伸びた印象。問題なく出来ていた。これも例に依って後方から。折り合いは問題ない馬で、直線向いた段階では突き抜けるかに見えたが、追ってからフォームがバラバラになってしまいサッパリだった。意外な敗戦。陣営は距離を敗因にしていたが、確かにそれ以外に考え辛い状況では有る。

第66回セントライト記念(GⅡ)

フェノーメノ

+8s。ダービーが究極の仕上げ。数字分だけ余裕は有る。この馬の出脚で、ジワッと好位。中山が課題だったが、揉まれるのを嫌って、外から来る馬に併せて徐々に進出。4角先頭に立った段階で今日は決着が付いた。危なげない勝ち方。強い内容では有ったが、器用さ云々に関しては、回れる馬という事が分かっただけ。次走は、セコい競馬が求められるところ。その点に関してはまだ疑問符が付く。

スカイディグニティ

2人曳き。馬体に強調点はないが、バランスは取れた造り。出脚は微妙だが、枠の利も有って中段のイン。道中は折り合いも付いてスムーズな競馬。4角で外へ持ち出し、直線もしっかり脚を使った。最後は単独で追い込んでフェノーメノと1馬身差なら充分の内容。前走新潟戦は決め手負けした感も有っただけに、直前にスコールが有ったのも良い方に向いたかも。距離は延びた方が良いタイプ。あとは瞬発力の問題。

ダノンジェラート

2人曳き。-10s。メリハリが利いていて、馬体はこれで良さそう。少しちょこまかした歩様は気になったが。この馬にしてはゲートマシだったが、外枠でも有り、中段やや後方でフェノーメノを見ながらの競馬。この枠にしては上手く潜った方だろう。4角もフェノーメノを目標に進出、一旦は2番手かの場面だったが、坂を上がって力尽きた。折り合いは問題ない馬だが、今日の歩様では距離はこれ以上延びない方が。

エタンダール

+6s。如何にもディープインパクト産駒といった風情で、キビキビした歩様。この馬自身の出脚もないのだが、外からも来られて後方に近い位置。これも折り合いは付いたが、4角でスカイディグニティに内から出られて、4角大外へ。これが痛かった。大して伸びていた訳ではないにしても、3着は有った内容。勿体なさが残る。

ラニカイツヨシ

+10s。ボテッと映る。数字通り太い。出脚はそこ迄悪い印象もなかったが、例に依って後方から。道中はまだ良かったが、これも4角は大外。中京でレコード駆けした様に、坂を上る脚が速いのだが、今日の展開では届かない。距離は何とかなる馬で、内枠なら前進も。

第30回関西テレビ放送賞ローズステークス(GⅡ)

ジェンティルドンナ

2人曳き。+12s。ほぼ出来ていた。ここでは馬が違う印象。出脚はヴィルシーナだが、少し馬が行きたがったのと、次走京都戦を見据えて、2番手。1000m通過が61.4秒。スローとはいえ、折り合いは怪しいのだが、一応は我慢が利いた。ただ、直線向いてからは独壇場。今春に続き、今秋も力が違うところを見せ付けた。次走も勿論最有力だが、今日の折り合いでは、前に行けずに終わる場面も考えられる。その辺りは枠順次第だろう。

ヴィルシーナ

+18kg。これも出来ていた。数字は成長分だろう。迫力は別だが、毛ヅヤ等から判断すれば、デキだけならジェンティルドンナより上。出脚はジェンティルドンナに勝っていたが、相手が行く気を見せたのと、枠の関係でマークに回る形。ただ、4角での手応えに差が有り過ぎた。直線は前走東京戦程ではないにしても、突き放された。真っ向勝負では厳しい。繰り返しになるが、枠の利が欲しいところ。

ラスヴェンチュラス

-10s。少し細い。例に依ってイレ込んでさえいなければ、ディープインパクト産駒はそれでも走るのだが。ゲートで負けている訳はないが、外枠という事も有り、無理せず後方から。このスローで引っ掛かる馬が多い中、この馬が一番折り合っていた。少頭数でも有り、外へ回さず、直線は内へ。ずっと右手前のままだったが、それでも最後迄しっかり脚を使って権利確保。馬体減が気になる材料では有るが、平坦ならもっと切れそうな雰囲気は有る。次走も2,3着には押さえたい。

キャトルフィーユ

馬の造りは悪くないが、微妙にトモの甘い歩様。出ッパは少し分が悪い位だったが、二の脚が速く、ジェンティルドンナと並走する位置。3角で少し行きたがる場面は有ったが、これは皆似た様なモノ。一瞬の反応で、ジェンティルドンナにやられるのは仕方がないが、一旦は3番手確保の態勢を坂を上がって力尽きた。パワー強化が先決。

トーセンベニザクラ

シープスキンノーズバンド。+10kg。もっと増えた方が良いが、トモの造りは中々。歩様も力強い。出遅れ1馬身不利。それでも挽回出来る出脚は有りそうだったが、矯めて後方から。スローでも人気馬が前に固まり、実質3着を争う競馬。位置取りはこれでも良かったが、直線向いて馬群が割れず、立て直して大外へ持ち出すロス。上がりが速いだけに、こうなると苦しい。賞金的に権利は有る馬だが、勿体ない競馬に。

サマーマイルシリーズ第3戦 第57回京成杯オータムハンデキャップ(GⅢ)

レオアクティブ

この馬にしてはこれでも落ち着いている方。馬体は大して良くなった印象はないが。今春は折り合いに泣かされた馬だが、前走新潟戦で折り合いが付き、今日も中段のインで折り合いスムーズ。ひたすらラチ沿いを通り、直線も最内。また見事に内が開いていた。終わってみれば脅威のレコード駆け。繰り返しになるが、折り合いさえ付けばこれ位は走れる馬。今夏は福永騎手がアメリカに遠征しても1勝しか出来ずに帰国した事が話題になったが、今日の空き方は日本の騎手のレベルの低さが見えた様な気も。

スマイルジャック

2人曳き。-12s。叩いて本調子。ただ、この馬にしては落ち着いていたのが、却ってどうかとも思ったが。好位直後のインで流れに乗る形。比較的バラけた位置には居たが、揉まれても全く苦にしないというよりは、これもレオアクティブ同様、若い頃は折り合いに苦労していた馬で、内で我慢させ続けた結果、馬が慣れた格好。レオアクティブの反応が抜群で、締めると審議対象になっていた可能性も高いのだが、最内を開けたのが少し悔やまれるところ。その辺りはハンデ差も有るだろう。マイルなら堅実。

スピリタス

馬体の張りは相変わらず甘いのだが、これも落ち着いていた。少し出負けしたが、押して中段。11番枠だったが、最内にスマイルジャックを置いて、1頭分だけ外を通る形。この枠にしては上手く乗られた方だろう。直線は馬群の中へ突っ込み、坂を上がってコスモセンサーを捕えて3着浮上。競馬を投げるケースも多い馬だが、今季は精神面がマトモ。この枠にしては最高に乗れたし、この点も何より。

コスモセンサー

馬体の雰囲気が良くなかった。休み明けの分は有りそう。好初も、ゼロスが主張して好位に控える形。スムーズはスムーズだが、1000m通過56.2秒をマトモに追い掛けて4角先頭。坂を上がっての一踏ん張りが利かなかった。GⅠとなればもうワンパンチ欲しいのは確かだが、今日は仕方がない。自分の競馬はしている。

ファイアーフロート

2人曳き。-6kg。馬体の張り上々。一昨年のデキは有る。道中は縦位置でコスモセンサーとスマイルジャックの間。得意の中山で、これも自分のパターンには持ち込んでいるが、4角での手応えが一息。その分、直線もジリジリだった。一昨年の覇者だが、当時はスローで1分33秒を辛うじて切る決着。これだけ時計が速くなると厳しい。

サマースプリントシリーズ第6戦 第26回セントウルステークス(GⅡ)

エピセアローム

前走で出来ていた。歩様の力強さが来ている。出脚は負けていないが、元々この距離では少しズブい位の馬、自然と中段に。内で脚をしっかり矯めて、直線だけ外へ。前がやり合う利も大きかったが、最後捉えて重賞初制覇。前走小倉戦は外を回され過ぎたが、内枠とコース替わりに依るペースダウンで巻き返した格好に。今日は完勝ではないだけに、次走評価が難しいのだが、勝負強さは見せた。この点が今日負かした3強に対してのアドバンテージとなる。

ロードカナロア

この中では流石に馬は一番。馬体の張りも有った。例に依って出脚は一番速いのだが、無理せず離れた3番手。折り合いもスムーズで、展開的にはドンピシャだったが、ヨダレが垂れたというのか、カレンチャンを意識し過ぎて、エピセアロームに漁夫の利を浚われた格好に。勝負に勝って競馬に負けた典型例。カレンチャンの良化度次第ながら、通常なら一応中心になるが、前々走中京戦,前走函館戦と運のなさが目立つ。単勝は果たして...。

アンシェルブルー

腹回りボテッと映るが、体型分も。良く言えばボリューム感が有る。あくまでこの馬にしてはだが、好発。直ぐ内の2頭が出遅れ、スッと中段に。前崩れの展開とはいえ、速い上がりの中、直線も良く差して来た。揉まれると良くないだけに、大外枠も良かったのだろう。オープン上がってからの好走が東京か外枠。となると、軸としては買い辛い馬では有るのだが。

カレンチャン

+22kg。額面通りではないが、確かに立派。メリハリがない。+16s。ロードカナロアに出脚でアオられ、叩かれまいと押したところ少し掛かり気味。結果的にマジンプロスパーをピッタリマークする形になり、オーバーペースになってしまった。坂を上り切った時点でも踏ん張っていた辺りは流石にGⅠ馬だが、ロードカナロアに交わされて戦意喪失。トライアルはあの手この手で負けているが、今日も敗因は明白。この路線、新興勢力不在だけに、次走巻き返し必至だろう。

サドンストーム

+16s。多少太いのだろうが、この位の方が馬に迫力は有る。出遅れ1馬身不利。油断すれば引っ掛かる馬で、そのまま中段やや後方で折り合わせる形。ゲートを差し引けば狙い通りの競馬だが、今日の馬場状態では後ろ過ぎた。アンシェルブルーやスギノエンデバーと並び、メンバー最速タイの上がりを使っている。今春中京戦で先着したレオアクティブが今日中山でレコードを叩き出したが、やはりこの馬、力は持っている。

マジンプロスパー

+8kg。数字通り太目残し。馬体の張り自体は悪くないが。カレンチャンに対してもだが、ロードカナロアの出脚が速く、押して押して何とかハナ。道中も、カレンチャンにピッタリマークされ、3〜4角中間では3番手のロードカナロアに対し、3馬身程離す場面も。唯でさえスタート直後に脚を使っているのに、こうなると苦しいところ。坂下で既に余力なし。今日は展開が悪過ぎた。次走、厳しいは厳しいのだが、今日より悲惨な展開にはならないだろうから、無視も禁物。

サンカルロ

この中間は良い話がなかったが、腹回りに少し余裕。ゲートは出ているが、今日は出脚が鈍くて中段から。直線もそのまま内を突いたが、少なくとも前は開いていたのに、伸び案外。イマイチ感が残る。デキの問題も大きいのだろうが、時計に天井が有りそう。ベストの1400mならまだしも、1200mで1分7秒台になると厳しくなって来る。