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競馬回顧 2013年3回京都

第127回農林水産省賞典目黒記念(GⅡ)

ムスカテール

2人曳き。前肢にバンテージ。首で曳き手を引っ張る様な気配。毛ヅヤが良く、デキはまずまず。出脚を使わず、ジワッと中段のイン。上手く折り合いが付いた。ダービーのキズナもそうだが、今の東京のクラシックディスタンスは、出脚を使うと終いが苦しくなる。直線向いて、追い出してからの反応も力強く、手前がラスト200mで替わったものの、完勝だった。前々走中山戦でも触れた通り、左回りが得意な馬。レコードも立派。

ルルーシュ

-10kg。前走中山戦も張りは有ったが、絞れたと見て良い。歩様も直っていた。少し行きたがっていた様にも見えたが、馬の気に任せて好位直後。4角で追撃態勢を造り、早目の正攻法だが、ラスト150m辺りで苦しくなった。それでも悠々2着は確保。枠が逆なら、結果も変わっていたか。この条件は本当に堅実。

カフナ

首をしきりに振るのは気合と見て良い。馬体も整っていた。これも折り合いに専念して中段やや後方から。追い出して直ぐは勝ったかの脚色だったが、ムスカテールに並んでから急に甘くなってしまう。良い脚が一瞬しかなかった。ただ、乗り役に言わせると右前が落鉄していたとのこと。今日のところはこれを言い訳にしたい。

ヒットザターゲット

少し立派過ぎる様にも見えるが、デキとしては悪くない。例に依って後方から。ラチを頼るイメージが有った馬だが、道中は比較的内目を回っていたにせよ。直線は馬群の狭いところを抜けて来た。4着だが、新味を見せた感。前々走小倉戦が勝つには勝ったものの、出脚がサッパリ。現状はこの位の距離の方が無難に走れそう。

タッチミーノット

-8kg。歩様に勢いが有る。軽い造りもこの距離なら。内の2頭だけ叩こうとしていたが、押しても大して進んで行かず、諦めて中段から。追ってからもどうもジリジリ。兎に角ズブい。東京ならまだ誤魔化しは利くが、基本的には時計勝負も歓迎しないのかも。

アドマイヤラクティ

2人曳き。ドタドタした歩き方。今日の歩様では。出たなりで中段から。道中のリズムは悪くなかった様にも見えたが、いざい追い出してサッパリ。フォームもバラバラになっていた。今日はデキが本当ではなかったことに尽きる。

第80回東京優駿(GⅠ)

キズナ

2人曳き。首でリズムを取って気配は絶好。相変わらずマイラー色が濃いのも確かだが。出脚を一切使わず、自然と下げて後方から。途中でメイケイペガスターが動き、緩みのない近年のダービーペース。直線だけ外へ持ち出して、マイネルホウオウとタマモベストプレイの間で一瞬だけ狭くなりなりそうな場面も有ったが、ここを上手く捌いたのが大きい。ラスト200mの段階でエピファネイアとは2馬身程有ったがが、既に何とかなったという脚勢だった。元を辿れば昨年の暮れの3着から歯車が狂ったのだが、上手くレースを選択。デキが維持出来たのが大きい。凱旋門賞云々は何ともいえないが、今日は強い勝ち方だった。

エピファネイア

前後肢にバンテージ。-8kg。少し細く映るが、前走中山戦の様に緩んでいるよりは良い。戦前、ソエ気味との話も有ったが、バネも有り、現状の究極。これも出脚は使わず中段。折り合いは1角迄悲惨なことになっていたが、インへ入れて向正面で我慢されられた。ただ、3角手前で乗り役が一瞬手綱を離す程躓く場面。最終的には痛恨過ぎる痛恨になってしまった。直線こそ上手く捌いたが、着差が着差だけに惜しい。能力面での評価には未だ疑う余地がない。それでもツキに見放され続けた春シーズンになってしまった。出来れば苦し紛れにマイル路線へ行く様なことは止めて欲しいが。

アポロソニック

シープスキンノーズバンド。後肢にバンテージ。+6kg。数字の割に重量感がないのだが、淡々と歩いていた。サムソンズプライドの方が勢いが良かったが、枠の利も有り、押して先行。途中でメイケイペガスターが動き、一旦は2番手。そこから再び交わしに行く、出入りの激しい競馬になったのだが、直線は二枚腰、三枚腰。途方もないスタミナと根性が有る。今日はダービーだが、1時間後の目黒記念なら勝っていたかも。

ペプチドアマゾン

2人曳き。前肢にバンテージ。少なくとも前走以上。一戦毎に良化している。枠も有るが、出脚が一息なところを無理矢理押して好位。ただ、その割には長手綱で折り合いは付いていた。直線向いて直後にロゴタイプが居たが、大トビでエンジンの掛かりは遅いものの、バテずに最後迄脚が使えている。下見通り、使う度に馬が良くなっている。器用さがないので菊花賞のタイプではないと思うが、楽しみな存在に。

ロゴタイプ

前肢にバンテージ。毛ヅヤピカピカ。前走中山戦のインパクトはないにせよ、デキは維持している。ただ、ちょっと気負っていたのがマイナス。積極的に乗られて好位。ただ、出した分、序盤は少し行きたがった。似た様な馬は少なからず居たが、出して掛かったのと、出さずに掛かるのとではスタミナの消耗が少し変わった来るところ。4角先頭で格好は造ったが、坂を上がって失速。矯める競馬ならまだ違ったかも知れないが、この競馬では距離不安が出てしまう。

第74回優駿牝馬(GⅠ)

メイショウマンボ

+10kg。この時期の牝馬は余程太く見せない限り、馬体増はパワーに直結。馬場入りこそ結構暴れていたが、返し馬では折り合いが付いており、下見での落ち着きも好感が持てた。ゲートを五分に出て中段のイン。前走阪神戦は大外枠のマイル戦、内枠や距離面も有って、今日は掛かる訳でもなく、オッツケる訳でもなく、流れに乗れた。今迄追走に汲々としながら最後に伸びるパターンだったが、この馬にとっては初めてマトモな競馬が出来た。前がバラけていた関係で、スムーズに前も開き、この馬本来の末脚を発揮。ラスト200mで左手前にはなったが、完勝。この相手で東京2400mなら何回やっても9割方勝つだろう。ただ、昨年と比較して2秒遅い時計で、要は例年の水準級の馬。ジャパンカップ挑戦は考え辛く、東京2400mを走るのは恐らく生涯で最後。これがこの馬のジレンマとなりそうだが。

エバーブロッサム

2人曳き。重厚感はないが、凛とした馬体。歩様の力強さが際立つ。出脚は速い方で、中段の外。3角手前からメイショウマンボが内から押し上げて来て、並走の形。ただ、4角で少し外を回され、ここで矯められなかったのが痛かったか。坂を上る脚でメイショウマンボに突き放され、並ぶ迄持って行かなかった。これで3戦連続の2着。もうワンパンチがないのも確かだが、相変わらず堅実。

デニムアンドルビー

前後肢にバンテージ。皮膚の薄さがディープインパクトだが、少し歩様が硬いのが減点。少なくとも前走のデキにはなかった。ゲート自体は出ているが、馬が硬い影響なのか、一瞬躓きそうになり、最後方から。向正面半ばで少し番手を上げ、外からマクり気味に進出したが、スイートサルサがタイトに回れず、この内を選択せざるをえなくなった関係でワンテンポ待たされたのが一瞬痛かった。勿論、出脚が付かなかったのも痛恨だったが、元を辿れば、未勝利を勝つのに苦労した為、前走がメイチの競馬になってしまった影響だろう。凱旋門賞の登録期限がオークス前ということで、戦前は少し話題になったが、これもツキを逃す典型的パターン。馬は頑張っている。

アユサン

2人曳き。少し気負っていたが、意外な程フックラ見せる。出脚は一番速かったが、折り合いに専念して中段。4角回って、メイショウマンボの1馬身後方。特に不利なく乗られたが、左手前で伸びはイマイチ。距離適性の差だろう。例年は強い桜花賞組だが、距離適性をカバー出来る能力ではなかった。メイショウマンボは別にして、その中では走っているともいえるのだが。

フロアクラフト

馬体は小ぢんまりと映るが、キビキビした歩様。ジワッと行かせて好位。狙いは悪くないが、クロフネサプライズが大外からの先行策で、1.5秒前後のオーバーペース。この馬でも少し速い位の位置。折り合いは付いていたが、坂を上がってヨレヨレ。その上での5着はスタミナも見せたか。まだ500万だが、準オープン迄は何とかなりそう。

レッドオーヴァル

前肢にバンテージ。-8kg。馬体減もそうだが、少しイラついていた。折り合いを重視して中段やや後方から。序盤のみ怪しかったが、この馬としてはスムーズに運べた方だろう。ただ、向いてから一瞬だけ反応して直ぐに止まってしまった。前走阪神戦は、アユサンが渋太かったというより、この馬が止まっただけの話。この距離で改めてそれが露呈した。

第20回平安ステークス(GⅢ)

ニホンピロアワーズ

シープスキンノーズバンド。+6kg。少し太い気もするが、馬体の張りも悪くない。絶好調かどうかはともかく、普通に走れる状態。戦前から述べている通り、包まれるとマズいところで積極的に乗られて好位。横にアントニオバローズが並び掛けて来れば、少し動かして被されない位置に誘導、向正面で外へ持ち出し、何時でも動ける態勢を造り、4角の手応えで勝負有り。弱点は弱点として残っているものの、力任せの圧勝だった。何処かでボロが出そうな気もするが、来月の大井戦迄は何とかなりそう。

ナイスミーチュー

毎度のことだが、ダート馬にしては素軽い馬体。その分、歩様にも力がなく映る。相変わらず出脚が甘く、いきなりステッキが飛んでいたが、それで漸く中段やや後方。ただ、砂を被っても余り苦にしない馬で、終始馬群の中を通り、直線も馬群を割る形で伸びて来た。好位勢の追っ掛けバテに上手く乗じた感は有るのだが、相変わらず末脚は手堅い。

ナムラタイタン

オーストラリアンブリンカー。腹回りがボテッと映る。流石に太いだろう。この距離では出脚の速い方。一旦ハナを覗かせたが、トウショウフリークが行って2番手。ただ、トウショウフリークが出負けしていたのを無理矢理先行したことも有り、1900mにしては流れた印象。ニホンピロアワーズに早目に来られた影響も大きいが、2着に残りそうで残れなかった。この距離も余裕はないとはいえ、やり様一つで何とかなることは分かったが、もう少しユッタリ行きたかったか。

アメリカンウィナー

シープスキンノーズバンド。前後肢にバンテージ。手先の撓りが強烈だが、ニホンピロアワーズとは迫力で差が有る。この相手では出脚が怪しく、後方から。枠なりに終始内々を通った分も有るが、良い脚を長く使っている。あの出脚では苦しいが、慣れれば改善される筈で、重賞にもメドは立てた。

ハタノヴァンクール

+6kg。余り良い様には見せず。ナムラタイタンには出脚でやられたが、少し押したら行き脚が付き、中段から。ただ、4角でニホンピロアワーズとは手応えが違い過ぎた。最後は掲示板を確保するのがやっと。同斤ならまだしも、59kg背負ってとなると、まだ馬力が足りない。

第8回ヴィクトリアマイル(GⅠ)

ヴィルシーナ

2人曳き。前後肢にバンテージ。-6kg。要はキッチリ造って来た。馬にも集中力が有った。出脚で1馬身抜けて一瞬はハナ。内からアイムユアーズに譲って2番手からの競馬になったが、道中は大分余裕を持って運べたか。ペースも大して速いとはいえず、4角では楽勝のケースだったが、坂下ではズルズル行きそうな位、いざ追ってからの反応が案外。しかし、内外から伸びる馬が居て、そこから思い出したかの様に根性を発揮。最後はハナ差で先着していた。前走阪神戦が牡馬相手とはいえ、少し負け過ぎ感は有ったが、基本的にはマイラー色が濃くなって来た印象。今日は今日として、秋はやや厳しい気もするが。

ホエールキャプチャ

悪い時は歩様が硬いのだが、今日はそれがマシ。馬体は芦毛で判断難しいのだが。ハナ差の決着となり、結果的にはスタート直後に躓いたのが応える形となったが、この馬に良く有ること。出脚でカバーして中団やや後方から。馬群の中で折り合いを付け、直線向いても暫く前が開かなかったが、我慢させて開いてからは一気の伸び。ただ、手応えでは勝っていた様にも見えたが、ヴィルシーナが想像以上に渋太かった。今日は相手を褒める外ないだろう。昨年のパフォーマンスは発揮している。

マイネイサベル

2人曳き。前肢にバンテージ。踏み込みの深さが印象的。悪い時の硬さが完全に解消されている。余り出脚の速いイメージではないが、オールザットジャズよりはマシなところで、これを制して好位のイン。近代競馬では最高の形となった。直線向いて、迷わずヴィルシーナに併せ、坂下からずっと併せ馬。坂を上がって見劣ったが、止まった訳ではなく、あくまでマイルでの決め手の差だろう。すっかりマイネルの主戦となった柴田大知騎手だが、騎乗としては先週以上に納得の仕事が出来たか。

ジョワドヴィーヴル

馬体は目立たないが、この厩舎にしては珍しく気配を表に出していた。出脚がサッパリに近く、後方から。性格の素直な馬で、道中は完璧に流れに乗れた。直線では少し進路に迷う場面も有ったが、確保してからの伸びは一番目立っていた。クラブの馬だが、繁殖に上げないだけのことは有る。一応は復調ムード。ただ、2歳時から使えていない影響で能力面での進境がないのも確か。これで人気になりそうで、馬券的には買い辛い。

ドナウブルー

前後肢にバンテージ。歩様はこの馬独特。見た目には良い時と然程変わらず。この馬の出脚で好位。ただ、向正面では少し掛かり気味にも見えた。枠の分、前が壁になっており、体裁だけは整った競馬になったが、やはり追ってからは一息。まだデキが本当ではないところか。

ハナズゴール

+10kg。馬体増は好感。落ち着いていたのも何より。ゲートは少し悪かったが、折り合い面では完璧な馬で少し出して中段から。4角でも手応えは抜群。最低でも馬券圏内の雰囲気で、追ってからの反応も軽快だったが、ラスト150mで急に内側へモタれてしまい万事休す。良馬場発表だが、道悪の状態で馬場を使っている為、力の要る馬場になっていた。ガサがない馬はこうなるとキツい。

第58回京王杯スプリングカップ(GⅡ)

ダイワマッジョーレ

馬体は普通に張りが有るといったレベルだが、歩様のキビキビ感が素晴らしい。ゲートは出たが、出脚は速い方ではなく、中段やや後方の外。徐々に番手を上げて行ったが、何時もの東京ならこの段階でアウトとなるところを、今開催は意外に外差しが利くのと、何よりペースが向いた。直線は右ステッキに少しモタれ気味だったが、それでも脚勢は明らかに一番力強く、完勝だった。1400mどうかと思ったが、今日のペースで力を発揮出来た形。ただ、次走となると今日より更に相手が強くなる。ヴィルシーナは安田記念をスキップするそうだが、その程度のレベルだとは思うのだが。

トライアンフマーチ

前後肢にバンテージ。年齢を追う毎に歩様がしっかりして来た。以前思えばゲートも出脚も良くなっており、中段から。流れた関係で2つに馬群が切れたが、後方グループの先頭に居た。従って、捌くのもスムース。一瞬は勝ったかの勢いだったが、坂を上がっての甘さは相変わらずでガルボと似た様な脚色。2,3着のクビ差は乗り役の差だろう。かつての皐月賞2着馬が重賞未勝利で終わりそうだが、結局成長力が甘かった印象も。見た目にはマシになっていても本質は変わっていない。

ガルボ

一時不振に陥っていたが、今季は好調。雨の影響も有るが、毛ヅヤが冴えている。出脚が速かった数頭では一番内に居たが、無理せず好位のイン。むしろオッツケ気味になっている位で、かなり流れたが、それでもこの馬の脚は使って3着に。もう少しペースが遅ければ勝っていただろうが、今日は東京1400mにしては珍しいペースになってしまった。堅実だが、パンチ力の足りないタイプ。毎回毎回勝ち切るという訳には。

レオアクティブ

-8kg。絞れたと見て良い。歩様もしっかりしている。出脚がサッパリなのは以前からでそのまま後方から。直線向いても迷わず外へ持ち出したが、シルクフォーチュンが外に居て、フタされそうになったところを脚でコジ開けてここ迄。外回したことを思えば良く走っているが、前崩れの展開が向いたのは確か。今日の展開で馬券圏内ないとすると余程恵まれないと厳しい計算になってしまう。

シルクフォーチュン

以前より大分馬体が増えているが、見た目はスカッと映る。そこは成長だろうが、歩様の硬さは相変わらず。普段よりゲートは出ているが、この枠でも有り自然と後方から。出脚が甘い割に時々ガツンと引っ掛かる癖も有るが、今日は折り合いも付いていた。何時も通り躊躇なく大外へ振って伸びているが、最後にレオアクティブに差し返されていた様に止まり気味。芝でも折り合えば脚を使えることが分かったのは収穫だが、馬券云々の対象ではない。

サダムパテック

海外帰りでも今は関係なくなっているが、少し緩く映った。これも枠の関係で余り行く気なく、後方に近い位置。それでも直線はダイワマッジョーレの直後に出て来れた。それで掲示板すら確保出来なかったのは情けない。叩けば変わって来るだろうが、この臨戦過程では次走は良くて3着だろう。

トウケイヘイロー

前肢にバンテージ。+6kg。好調だが、少し太い。内から押してハナ。スッと引いたガルボはともかく、パドトロワが良い勢いで来ており、2番手でも良かったと思うのだが、譲らなかったのが今日は失敗。東京1400mで33.9秒はハイペース。流石に坂を上がって苦しくなってしまった。内田騎手にしては解せぬミス。

第18回NHKマイルカップ(GⅠ)

マイネルホウオウ

2人曳き。前肢にバンテージ。これ位の煩さなら許容範囲。歩様が少し怪しいが、馬体の迫力は有る。ゲートは出ているが、自然と下がり後方から。直線も普通に外に持ち出しただけだが、力強い伸び脚で差し切ってしまった。着差こそ僅かだが、完勝に近い。前走中山戦は良馬場発表ながら渋った馬場が敗因で、良馬場で一変した形。前々走で見せた通り、外からでもへこたれずに差して来れる根性が素晴らしい。

インパルスヒーロー

シープスキンノーズバンド。前肢にバンテージ。腹袋が少しボテッと映る位だが、デキの良さがダイレクトに伝わって来る馬体。ゲートは速い方ではなく、中段やや後方から。これも折り合い面含め、スムーズに運んでいた。直線向いて外へ持ち出し、マイネルホウオウとの併せ馬。ラスト100mで先頭に立ったが、最後はマイネルホウオウにネジ伏せられた。乗り役は外枠を悔いたが、マイネルホウホウが更に外から差しており、能力差は認めざるを得ないだろう。前走中京戦が本物だったのは間違いないのだが...。

フラムドグロワール

-10kg。鞍下から発汗。間隔開けたの正解だったか。歩様が良くなって、トモにボリューム感。少しゲートが怪しかったが、好位を確保しに行ったところマトモに掛かり、引っ張る場面。ただ、前に馬が居たのは不幸中の幸いだったか。結果的に上手くインに潜り込んで脚を矯める時間が取れた。追ってスパッと切れる馬ではないだけにジリジリだが、スペースだけは的確に確保してここ迄。前走中山戦は1番人気ながらサッパリだったが、トラブルの影響が大きかった様。やはりこれ位は走れる力が有る。

レッドアリオン

緩いという訳ではないが、少し太く映る。出遅れ2馬身不利。そのまま後方で脚を矯める形。直線向いても暫く前が開かなかった影響も有ったが、それにしてもエンジンが掛かるのが遅過ぎた。最後は伸びている。ただ、反応の問題はこの時期の3歳馬としては良く有る光景。やはりゲートが痛かった。

ガイヤースヴェルト

キビキビ歩けている点には好感。ただ、数字程大きく見せず、デキには疑問。出脚が速く、スッと2番手。それなりのペースで流れた為、是非は有るのだが、見た目には上手く流れに乗った。坂を上がって一瞬は先頭。そこからが苦しくなったが、それでも0.3秒差。バタッとは止まっていない。矯める競馬なら勝っていたかも。強い内容。

エーシントップ

2人曳き。やはり馬は断然。下見では落ち着きも有った。コパノリチャードとガイヤースヴェルトに行かせての好位。ただ、一瞬思い切り引っ掛かる場面。内に入れればまだ別だが、一度でもこういう場面が有ると東京マイルはキツい。直線は狭くなる場面も有ったが、それ以前に脚がなかった。流れ次第では何とかなる可能性も有っただろうが、東京マイルの馬でなく、今日の流れには対応出来なかった。

ゴットフリート

前肢にバンテージ。歩様は悪くないが、ここへ入ると馬が負ける。出遅れ1馬身不利。直線向いても最後方に居たが、それにしても直線はサッパリだった。モタれてフォームもバラバラ。故障でなければ良いが...。

第35回新潟大賞典(GⅢ)

パッションダンス

2人曳き。前後肢にバンテージ。例に依って踏み込みが力強い。この馬の出脚でジワッと好位。折り合いも問題なく、4角での手応えが抜群。ラスト400mで先頭に立ち、少し早い抜け出しに見えたが、アドマイヤタイシとの一騎打ちをギリギリ振り切った。ディープインパクトのトビをする馬で、新潟も合っていた。骨折等が有り、中々出世出来なかったが、これで9戦5勝と、勝率5割を超える。まだ奥が有りそう。

アドマイヤタイシ

これも一息入れて正解。迫力有る馬体を維持出来ている。少し押し気味に好位直後から。内で折り合いを付け、結果的にパッションダンスが良い目標になったか。ラスト200mから馬体を併せ、ここ迄持ってきた以上は何とかしたかったところだが、相手の渋太さが一枚上。これで5戦連続の2着。一戦毎に内容は良くなっているのだが、ツキの問題かも。

ダコール

+10kg。少しチャカつくのは毎度。緩んだところがなく、この馬体増は好感。出脚の差で後方から。これは何時ものことだが、直線も手応えは有ったが、狙ったところが狭くなり、押し競饅頭状態に。内に切り替えてからは良く伸びているが、2馬身位のロスは有ったか。これもこの路線の常連だが、出脚がないだけに、新潟で落としたのは痛いところ。

サトノアポロ

シープスキンノーズバンド。前肢にバンテージ。+6kg。毛ヅヤピカピカ。筋肉質の馬体が印象的。道中は中段の外。ただ、折り合いが微妙に怪しく、馬群へ突っ込んだのが今日は裏目。これもマトモに挟まる場面が有った。バラけてからは伸びており、ナカヤマナイトを交わした点も評価出来る。前走中京戦は本物だった。

ナカヤマナイト

トモにボリューム感が有って、好ムード。歩様は何時ものこと。中段には行ける出脚の有る馬だが、全く行く気がなく後方から。これも直線で進路がなくなったクチ。ただ、一旦はサトノアポロに先行しており、前述した通り、抜かれた点には不満も残る。58kgは言い訳になるが...。

第61回京都新聞杯(GⅡ)

キズナ

歩様はキープ。デキに関しては文句なしだが、馬体はマイラー色が強い。ゲートをポコンと出てダッシュ付かず最後方から。坂の下りで少し惰性を付け、直線は大外。直ぐに右手前になってしまったが、むしろこの脚が強烈。殆ど追うところなく楽勝だった。このレースではアグネスフライト級のインパクト。日曜日のガイヤースヴェルトを寸法にとっても次走足りるかも。

ペプチドアマゾン

2人曳き。前肢にバンテージ。まだ力が付き切っていない現状だが、化けそうな雰囲気が有る。出脚はサッパリに近いが、押して好位のイン。前2頭が飛ばしている為、実質的にはハナに近い形。4角では後ろを振り返る余裕が有った位、手応えが良かったが、キズナの決め手が違い過ぎた。ただ、それでもしっかり脚を使って2着は確保。次走はともかく、もっと距離延びても行けそう。

ジャイアントリープ

スカッとした馬体。芦毛にしては毛ヅヤも良く見せる。ゲートが悪いのは何時ものこと。取り敢えず内へ潜り、中段やや後方から。3〜4角もコーナーワークで差を詰めて、セコくセコく立ち回って来た。ただ、逆にいえばそれで3着。一瞬はラチ沿いから先頭に立つ場面も有り、やはり2着は確保したかったところだろう。自己条件なら何とかなるとは思うが、ここでは能力不足。

シンネン

前肢にバンテージ。全体に緩慢。少しトモが薄いのも気になる。仕上げ切れていない印象。出たなりで中段から。これも内で脚を矯めていたクチで、直線向いてペプチドアマゾンの直後。ただ、追ってからがどうもじれったい。ペプチドアマゾンとの差が最後迄詰まらなかった。現状は決め手が足りない。

ウインアルザス

馬体はまずまず。もう少し歩様に伸びが来れば。戦前の想定通りハナ。ただ、外からキングデザイヤーに競り掛けられたのが少し痛かったか。1000m通過が59.2秒。馬場が良いとはいえ、少し速かっただろう。道中もキングデザイヤーに執拗に突かれており、今日は今日は良く粘った4着同着。まだ1勝馬だが、準オープン迄は楽に勝てるレベル。

第147回天皇賞・春(GⅠ)

フェノーメノ

2人曳き。前肢にバンテージ。今日もトモのボリューム感が抜群。ジワッと好位。サトノシュレンが2000m2分を切るペースで引っ張り、前がバラける展開となったが、折り合いも付いて正攻法。ゴールドシップのマクりに呼応した後続の仕掛けを待って追い出したが、直線は他馬を寄せ付けず完勝だった。枠も良かったが、素直に強い内容。今年に入ってステイゴールド産駒らしくなって来た。

トーセンラー

間隔開けて馬体をキープ。今日は落ち着きも有った。ゲートは出たが、中段で折り合う形。1周目の坂の下りでも行きたがることなく、スムーズに運べた。1角で馬群が切れた際に外へ持ち出し、ゴールドシップのマクりに併せて進出。フェノーメノに並び掛けた際には乗り役も夢を見ただろうが、そこからフェノーメノに突き放された。京都は下りの脚が速く、大の得意としているが、最後は距離適性が出たか。

レッドカドー

2人曳き。多少物見はしているが、馬体は遜色ない。少し小ぢんまりと映るのもこの距離向き。3200mにしては近年にないハイペースだったが、上手く流れに乗った。出来る限りコースロスなく立ち回って、ゴールドシップのマクりは一旦行かせて、2周目4角ではフェノーメノの直後に。この枠としては一番上手く乗られたが、最後は良く悪くも力量差か。日本ではGⅡにギリギリ手が届くかどうかのレベル。

アドマイヤラクティ

+6kg。少し煩いが、毛ヅヤ含めて馬はまずまず。出たなりで中段のイン。道中はトーセンラーを見ながらの競馬。岩田騎手らしく内に拘ったが、結果的にバテて下がって来る馬が居て、少し待たされる形。上位馬とは一瞬距離が出来てしまった。ただ、真っ向勝負で勝てる馬とも思えず、この策で今日は仕方がないところ。力を付けている4着。

ゴールドシップ

2人曳き。元々良く見せる馬ではなく、何時ものこの馬。ただ、この手の毛色はデキが分かり辛い。例に依って出脚がサッパリで後方から。何時もは最後方でジックリ構えるが、今日は少し早目。1角では5〜6頭交わした位置。手応え怪しいながらも強引にマクりに行くパターンに持ち込んだが、今日は他馬の方が脚が良かった。最後ジャガーメイルに前をカットされながらも盛り返しているが、この策のボロが出た印象も。競馬に盤石の手が有るなら、サイレンススズカの様な桁違いの出脚で逃げる形。やはりこの競馬は安全策でない。唯それだけのことだろう。これでこの馬の評価を下げる必要もない。

第20回テレビ東京杯青葉賞(GⅡ)

ヒラボクディープ

2人曳き。シープスキンノーズバンド。前後肢にバンテージ。皮膚を薄く見せて、デキは上々。ディープインパクト産駒にしては馬体が雄大。内の馬が極端に別れ、スンナリ好位のイン。1000m通過61.9秒のスローでこの位置で競馬出来たのは大きかった。直線だけ外へ持ち出し、乗り役はしきりに後続を気にしていた位の手応えだったが、終わってみれば前のアポロソニックとはアタマ差。意外に余裕のない競馬になってしまった。馬体はエピファネイア、ロゴタイプに次ぐレベルだが、今日だけをいえば凡戦。

アポロソニック

シープスキンノーズバンド。後肢にバンテージ。少し緩慢に映るが、攻め馬やっての結果。それだけデキが良いのだろう。出脚はヘイローフォンテンの方が速かったが、押してハナへ。行き切って、上手くスローに落とせた。4角で一旦引き付けて、少し早目に追い出す形にはなったが、先行勢は全部振り切った。一瞬は押し切り態勢。強いていえば内外離れたのが痛かったか。惜しい2着だが、権利を確保出来たのは何よりだろう。

ラストインパクト

チャカついていたが、手先は軽い。トモの造りも悪くない。上手く内へ潜って、ヒラボクディープの直後から。折り合いも何とか我慢させていた。直線向いても良いところに出て来れたが、ヒラボクディープが捕まりそうで捕まらず、前にも残られ痛恨の3着に。枠が逆で一つ前で競馬出来ていれば結果は違ったかも知れないが、それでも次走勝ち負けになっていたとは考え辛い。

サトノノブレス

2人曳き。-8kg。毛ヅヤが冴えて、スッキリとした馬体。出遅れたが、少し押して中段のイン。内々立ち回って、出遅れをそれなりに誤魔化したが、今日のスローでは前も止まらない。今日のメンバーレベルに疑問も有るが、悪い内容ではない。

アウォーディー

遮眼革。+8kg。前後肢にバンテージ。太い印象はない。気配も良かった。好発も、折り合いに専念して好位。それでも道中は折り合っていた様に見えたが、いざ追ってからは左手前のまま。途中迄は伸びていたが、最後は失速気味になっていた。もう少し鍛える余地が有りそう。

レッドレイヴン

テンション高いのはマイナスだが、馬は出来ていた。出たなりで中段。ただ、序盤で口を割り、思い切り引っ掛かる場面。向正面へ行ってからはまだ良かったが、ずっと外回されて競馬にならなかった。勿論、負け過ぎ感も有るのだが、休み明けも有り、スムーズでなければ惨敗も致し方ないところ。

第48回サンケイスポーツ賞フローラステークス(GⅡ)

デニムアンドルビー

前後肢にバンテージ。+2kg。数字はないが、デビュー前から馬は目立っていた。ゲートは出ているが、出脚がなく、自然と番手が下がり最後方から。向正面中間から外へ持ち出し、ジワジワ進出。4角では中段に取り付いていた。手前は何度か替えていたものの、直線でも脚勢は衰えることなく伸びて快勝。着差以上に強い内容。馬格がないので、今日の影響がどうかだが、桜花賞が今年は低調。本命視する手も。

エバーブロッサム

+6kg。キリッとした馬体。如何にもディープインパクト産駒。先行争いに参加せず、出たなりで中段から。出脚を使っていないので折り合いがスムーズ。外をマクって来るデニムアンドルビーに併せて進出。直線は一騎打ちとなったが、一旦置かれてから再び盛り返しての2着。デニムアンドルビーとは決め脚で差が有るが、スタミナは持っている。距離延長で望みを繋いだ。

ブリュネット

-10kg。漸く絞れて来た。筋肉の付き方は良いが、寸の詰まった体型でマイラー。ゲートは出ているが、これも先行激化を嫌って中段。ところどころで力む場面が有った。4角で包まれる様な格好となったのは東京だけに影響は軽微だったが、直線向いて進路で右往左往。最初から外と決めていれば2着争いが際どくなっていた。折り合い面での問題は有るが、エバーブロッサムとは能力五分。

テンシンランマン

後肢にバンテージ。-10kg。これ以上減るのは宜しくなさそう。既に歩様が怪しくなっている。ダッシュが付かず、少し仕掛けたら行きたがってしまい、向正面で持って行かれ気味に中段。そのままでは圏外だったが、内に潜って一息付けたのが良かったか。権利は取れなかったが、何とか4着に残した。オークスは抽選対象となるが、デキ落ちのサインも有り、無理に出ても馬を壊すだけ。

タガノミューチャン

牝馬のこの距離でこのテンションはマイナス。数字が一番有る様に、ここでも馬は上位だが。出脚を利かせて2角でハナ。4角迄単騎で回り、坂を上がってラスト200m迄は先頭だったが、そこで甘くなった。距離云々はまだ何ともだが、今日のところは休み明けが応えたと見たい。このテンションでも、ハナなら折り合えることが分かったのは収穫。

第44回読売マイラーズカップ(GⅡ)

グランプリボス

2人曳き。+10kg。毛ヅヤピカピカ。今季は絶好調。出たなりで中段の外。壁がない割には折り合いも付いていた。この辺りはデキの為せる技だろう。直線向いて内外が大きく広がったが、前とは2馬身差。開幕週の馬場で外はキツい筈だが、キッチリ捕らえて快勝。休み明けの外枠は判で押した様に毎回引っ掛かっていたが、それがなくなったのは大収穫。この路線は近年低レベルだが、コンスタントに走らないだけの話で、能力的には抜けている。次走はロードカナロアとの一騎打ちの様相。

サンレイレーザー

前後肢にバンテージ。目立つ馬体ではないが、緩んだところもなく、歩様が滑らか。少し押して中段から。道中はグランプリボスを見ながらの競馬。開幕週で本来はキツい位置だが、グランプリボスが勝つ展開。結果的に良い展開になった。外から一追い毎に伸びて、ここ迄。やはりマイルがベスト。とにかく堅実。

ダノンシャーク

2人曳き。前後肢にバンテージ。チャカつきは毎度。相変わらず馬に迫力が有る。折り合いも意識しつつ中段。道中はグランプリボスの内に居た。4角の進路は選択肢が複数あったが、カレンブラックヒルの後ろを選択。これが失敗した。直線で一瞬逡巡する場面が有り、その間に上位2頭に勢いが付いてしまっていた。僅差だけに尚のこと勿体ない形に。逆にいえば力負けではない。

カレンブラックヒル

2人曳き。前後肢にバンテージ。+8kg。今日も減点材料はないが、雰囲気は前走東京戦の方が上。前走程ではないが、今日もゲートは五分程度。3歳時はもっと速かった。タイキパーシヴァルとシルポートが行かせての好位。ただ、外からマジンプロスパー等にも来られ、少し包まれる格好になったのは今迄にないパターン。その分なのか、4角での手応えが少し怪しくなっていた。直線向いて自然と前も開き、一瞬は伸び掛かっているが、近い位置からの決め手勝負では厳しいところ。ロードカナロアの様に脚質転換するか、先行に徹するか、作戦を考える必要も出て来たか。

フィフスペトル

前後肢にバンテージ。コロンとした体型は昔から。今日は手先が軽い。乗り役の話では何度も手前を替えていたとのことだが、向正面では乗り辛そうにリズムを欠く場面。エンジン掛かってからは前と同じ脚で伸びているだけに残念な競馬になってしまった。一応は復調気配だが、開幕週に走るのも昔から。

ファイナルフォーム

毛ヅヤは冴えていたが、馬体の雰囲気は休み明け。左後肢の出が甘いのもマイナス。出遅れ1馬身不利。コーナーがキチンと回れておらず、内にモタれていた。直線向いてからは伸びているが、今日は競馬にならず。