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競馬回顧 2013年2回小倉

サマー2000シリーズ第5戦 第49回農林水産省賞典新潟記念(GⅢ)

コスモネモシン

前後肢にバンテージ。歩くスピードがこの馬にしては速い。馬体はともかく、気配は良かった。出脚が鈍く、後方に近い位置。ただ、最近引っ掛かる場面が多かったが、今日も行きたがってはいたものの、前が壁になったのと、鞍上の腕で何とか折り合いが付いたのが勝因。内が開く迄ジッとして、ラスト400mの競馬に持ち込んだ。逃げたエクスペディションも良い競馬をしており、相手も渋太かったが、斤量の一押しも有って、10年1月中山戦以来のV。松岡騎手、してやったりの競馬。

エクスペディション

大して変わっていないが、近走の中では一番マシだったか。出脚は速い方ではないが、誰も行かず、ジワッとハナ。1000m通過が59.9秒とこれ以上ない絶妙のペース。直線向いた際に一旦後続を引き付け、再び加速した際にはやったかに思われたが、直後に居たコスモネモシンに競り負け。斤量も有るが、絶好調時なら勝っていただろう。今日は色々条件が向いたが、良い時のデキではない。小倉に良績集中していたが、大トビなので新潟も向く。

ファタモルガーナ

前肢にバンテージ。ちょっと馬がボケッとしている様にも見えたが、馬体のバランスは悪くない。出脚がサッパリで後方も、スローを嫌って向正面から外を押し上げて進出、3角では好位に取り付いていた。従ってコースロスは軽微に留められたが、内で楽をしていた組には及ばず。ただ、トビが大きいので、この作戦で正解。もっと内が伸びない馬場ならベストだったが。

ダコール

-8kg。変わらず。今季、デキ自体は高値安定。スタート直後に躓いたことも有り、後方から。ただ、後方からの競馬は何時ものこと。折り合いも付いて、直線だけ外へ持ち出す策も予定通りだったが、追って前を交わせる迄、良い脚が続かなかった。単にジリッぽいというよりは、末脚の持続性の問題。ただ、これは馬場状態が大きい。雨男にも関わらず、雨が苦手というサクラホクトオーの様な馬だが、良馬場ならここでも勝てる能力を持っている。

ニューダイナスティ

馬体が締まっていた。歩様も力強い。好発も、エクスペディションが内から主張して2番手から。スムーズに流れに乗ったが、馬場の良否を問わず、瞬発力がイマイチ足りない。中京の様に時計が掛かれば良いのだが、上がりは35.0秒が限界。スタミナは有るのでそういうペースに自分から持ち込む位の競馬がベスト。従って結果的にはハナを切った方が良かった。

第33回小倉2歳ステークス(GⅢ)

ホウライアキコ

力が付き切っていないというよりも、単純に少し細く映った。出脚は負けていないが、無理せず好位のイン。内でしっかり脚を矯め、4角もベルカントが外へ行って自然と前が開く形に。追い出して少し外へモタれ気味にも見えたが、それでも快勝。ただ、馬場状態とペースを考えると時計が平凡。GⅠで勝ち負けの馬ではなさそう。

ベルカント

前後肢にバンテージ。少し集中力がないのだが、馬の雰囲気はまずまず。好発。出脚も抜群に速くハナ。ちょっと気が良過ぎる行き振り。直線で内を開けたのは、今開催コース取りが冴えている武豊騎手の判断。内から差されたとはいえ、これで正解だったのだろうが、ホウライアキコの方がメリハリが利いていた分、やられてしまった。現状では新潟直千でないと厳しい印象。レースを覚えるのが先決。

ラブリープラネット

骨格のバランスは悪くないが、まだ馬が緩い。出脚は少し差が有ったが、無理せず中段。内が開いていた為、自然と番手が上がり、直線入り口ではほぼ先頭。ジワジワ来ているが、あとワンパンチが出なかった。見た目は悪いが、最内でも脚が有れば伸びる筈で上位とはスピードの差が有りそう。仕上がり途上の馬体だけに、使っている内に変わる余地も残しているが。

ダンツブロード

シープスキンノーズバンド。+6kg。数字はなく、貧弱は貧弱だが、それなりに纏まっている。ホウライアキコが速かったのも有るが、余り行く気もなさそうで、後方に近い位置。ただ、3角辺りからかなりノメッていた。今日はその割には渋太く脚を使っている。見た目はともかく、レースに行っての根性は有りそう。馬体が成長してくれば先々走って来るかも。

エイシンキサナドゥ

2人曳き。前後肢にバンテージ。周回している間に落ち着いて来たが、腹回りがボテッと映る。実質510kg前後の馬。ゲートは少し悪かったが、出脚でカバーして中段。内も開いてこれもジワジワ伸びている。ただ、馬格の割にチョコまか走るタイプで、こういう馬場は向く筈。それを考えるともう少し伸びても良かった。仕上がりの問題も有るが、案外感も。

第48回農林水産省賞典札幌2歳ステークス(GⅢ)

レッドリヴェール

2人曳き。ステイゴールドそのまま。少し細く映る位。ここ20年でも記憶にない程の極悪馬場。当然、行った者勝ちとなったが、やはり先行激化。出遅れてそのまま後方から。3角から内目を進出、1頭だけ脚勢が違っていた。直線は流石に苦しかったが、マイネグレヴィルの差し返しも凌ぎ切ってV。能力比較云々は次走を待つ必要が有るが、レースもステイゴールド。

マイネグレヴィル

完歩の小さい歩様は道悪向き。トモのボリューム感は目立った。出脚というよりは、鞍上の気合だろうが、先行争いを制してハナ。全体の走破時計から換算すればハイペースだが、いくら脚を矯めていても、この馬場では数馬身差を交わす迄の脚が続かない。行き切った利は相当。水掻きの付いた馬が1頭居ただけで、今日はこれで最高の競馬。

ハイアーレート

2人曳き。前走福島戦は馬っ気迄出していたが、今日もイレ込みキツい。馬格の良さは最上位だが。先行争いに首は突っ込んだが、マイネグレヴィルに譲って好位のイン。終始、内を通り、4角では近い位置に居たものの、直線で突き放された。落鉄も有った様だが、道悪適性の差だろう。馬格は良いので気性面さえ成長してくれば先々走って来そう。

ピオネロ

前後肢にバンテージ。+14kg。今日だけをいえば少し緩いが、成長の過程としては悪くない。道中は中段のイン。3角過ぎからマイネルフロストと一緒に動いて行ったが、4角で脚が上がってしまった。あとは雪崩込んだだけ。何処かで仕掛けなければならないところで、今日はこれで仕方がないのだが、結果的にワンテンポ早かった。

マイネルフロスト

前後肢にバンテージ。トモの甘い歩様。寸が詰まってマイラー。ゲートが少し悪く後方に近い位置。これもピオネロ同様、途中で動いて行ったクチだが、4角手前で一杯に。道悪適性の差だが、パワーがないのも応えているか。

オールステイ

2人曳き。-8kg。もっと絞れても良い位だが、馬体に張りが有ってデキ自体は良さそう。押して行きたい素振りは見せているが、好位がやっと。3角で既にアラアラだった。トビが大きい為、こういった馬場はサッパリの様。参考外。

第33回新潟2歳ステークス(GⅢ)

ハープスター

造りにメリハリがない。まだ未完成感アリアリ。ゲートも少し悪かったが、この枠でも有り、最後方から。戦前から余程自信が有ったのだろう、そのまま折り合いに専念して、直線迄待ってから迷わず大外。エンジン掛かってからはアッという間だった。17頭を交わすのに僅か10秒、つまり200mも要していない。瞬発力が違い過ぎた。過去のこのレースの勝ち馬の中でも抜けた最上級。毎年このレースの度に、勝ち振りが派手でもその後が案外という話をしているが、今度こそ真打。

イスラボニータ

トモにボリューム感が有って、歩様もキビキビ。出遅れ1馬身不利。そのままインを突く形になったが、少し右往左往する場面。抜け出し掛かろうかのところでも、マーブルカテドラルが外へヨレて来て、一瞬逡巡している。良い根性を持っている。一応はこの馬で例年の水準級だろう。20年に一度の化け物がやって来ただけ。相手が悪過ぎた。

ピークトラム

迫力はないが、スカッと見せる馬体。大外枠だが、積極的に乗られて中段。4角で前を射程圏に捉え、向いた時の手応えは勝ち負けかに思われたが、3着でも手応えを考えるとジリジリ、最後の最後にエンジン掛かった様にも見えたが、賞金面を考えても2着欲しかったところ。取り敢えず距離はもっと延びた方が良いのは間違いないところだが、新潟でこれではもう少し機動力が来ないと辛い。

ウインフェニックス

前後肢にバンテージ。骨格は悪くないが、まだ馬体が緩い。出遅れ半馬身不利。道中はハープスターと並走。ハープスターよりワンテンポ先に仕掛けて、新潟としては正攻法。狙い通りの競馬は出来ているが、ハープスターの決め手が違い過ぎた。走るフォームは悪くないだけに、馬体に力が付いて来れば変わる余地も有りそう。

マーブルカテドラル

ガサがないので仕方がない面も有るが、歩様に力強さが欲しいところ。出脚が速く、ほぼ抑えたままで2番手。直線向いた段階でも手応えは悪くなかったが、追ってから伸びてはいるもののフラフラ。スムーズなら2着が有ったかも。これも成長待ち。

サマースプリントシリーズ第5戦 第8回キーンランドカップ(GⅢ)

フォーエバーマーク

2人曳き。前後肢にバンテージ。牝馬だが、数字通りのパワフルな造り。ゲートは少し怪しかったが、内からスッとハナ。結果的にラチ沿いピッタリを走っていたが、馬場が悪く、抜け切って良いところを細かく選べたのは良かったか。4角で一回引き付けて直線入り口で突き放し、このリードを一杯一杯守り切った。パワーが有るのでこういう馬場も得意。ただ、最後詰められた辺りにこの馬の限界が見えた気もしないでもない。

ストレイトガール

背丈がないだけでバランスは取れている。気合も乗っていた。行き脚が付かず、自然と番手が下がり、3角では10番手辺り。3角辺りでやっとエンジンが掛かり、4角では外から被せに来たサンカルロとストークアンドレイに抵抗しつつネジ込んで直線へ。この段階では前と4〜5馬身差が有ったが、一追い毎に脚を伸ばしてここ迄。今年函館6走目だが、デキ落ちせずこのパフォーマンス。次走中山はデキが課題になるものの、ロードカナロア以外なら何とかなる能力を持っている。

シュプリームギフト

毛ヅヤ冴える。スプリントの馬にしては馬体は少し軽過ぎるが。出たなりで道中は中段のイン。道悪はあまり良くないイメージも有ったが、直線で一瞬待たされても、前が開いてからはしっかり脚を使ってここ迄。昨年の4着馬だが、今年は着順を一個上げた。その分、力を付けていると見て良いだろう。

アドマイヤセプター

毛色がくすんで見えるのはこの馬独特だが、良くは見せない。もう少し前へ行ける出脚の有る馬だが、外からパドトロワを行かせて好位直後から。包まれて楽ではない位置だったが、相変わらずジリジリ。堅実は堅実、今日に関して馬場状態も有るが、どうもワンパンチに欠ける面が有る。

ストークアンドレイ

-6kg。芦毛でも明らかに毛ヅヤが良い。筋肉の輪郭が浮いて、デキは絶好。最近のこの馬にしてはゲートはマシだったが、例に依って後方から。3〜4角中間から積極的に外を仕掛けて行ったが、それなりの脚は使えた。馬券圏内迄は難しいだろうが、一時の不振は脱した様。

パドトロワ

+8kg。毛ヅヤは悪くなく、デキ自体は悪くない筈だが、今日は太過ぎる。好発もこの枠で好位から。少し外は回されているが、4角で既にアラアラの手応え。直線もほぼ無抵抗でズルズル下がってしまった。「太い」「外回った」と複合要素が重なって祟ったにしても負け過ぎ。単にデキがないかも。

第18回エルムステークス(GⅢ)

フリートストリート

2人曳き。前後肢にバンテージ。気配が1頭抜けていた。馬体にも迫力が有る。好発切って2番手。戦前から逃げると思われていたエーシンモアオバーを射程圏に捉えての競馬は当初の想定通りだろうが、内からブライトラインが並走。内田博幸騎手にとっては最高の形になった。3角で前と一瞬離れたが、4角でブライトラインを外へ出させない様にだけ気を付けて回ればあとは事実上の一騎打ち。相手も渋太かったが、勢い付けて回っている分、前に出てそのまま押し切った。外枠を生かした好騎乗。斤量を無視すれば、上位3頭は能力互角。

エーシンモアオバー

2人曳き。+14kg。前後肢にバンテージ。数字は回復分。少し緩いが、短期間での馬体増だけに許容範囲。少し押し気味だったが、出脚も速くスッとハナ。単騎だったが、2番手にはフリートストリート。4角で一息入れようとしたところで一気に来られて苦しくなった。ただ、前述の通り、フリートストリートがブライトラインを潰したお蔭で、この馬も2着確保。差引ゼロだろう。58kgだけにこれだけ走れば上等。何れにしても北海道は堅実。

ブライトライン

何かに驚いて暴れる場面も有ったが、毛ヅヤが冴えていた。馬も張っている。エーシンモアオバーの出脚には負けるが、この馬の出脚で好位のイン。序盤は少し掛かり気味。ただ、折り合いよりも今日は4角で内で閉じ込められたのが敗因。フリートストリートにタイトに回られ、一手後手踏んだのが最後迄応えた。見た目には伸びていないのだが、馬場が馬場だけに前も止まらないだけ。力負けでないだけに悔やまれる結果。

ツクバコガネオー

チャカついていたが、馬体には張りが有った。出脚でやられて中段。1角では相当外に振られたし、道中も最低内に2頭は居た。積極的に動いて行ったが、今日の時計勝負でこれだけ外回されるとキツい。本来はもう少し前で競馬したい筈だが、機動力の差が出た格好。そこがオープンの壁ということになろう。

グランドシチー

多少腹回りがボテッと映るが、何時ものこと。この馬の平均点。ゲートは出ているが、何時も通り後方から、何時もより早目に動く意思を見せているが、この馬場ではマクる形迄持って行けない。不発は止む無し。

サマースプリントシリーズ第4戦 第48回テレビ西日本賞北九州記念(GⅢ)

ツルマルレオン

+6kg。前肢にバンテージ。少し太く映ったが...。毛ヅヤもイマイチ。出遅れ気味だったが、少し出しつつ中段やや後方から。4角もそのまま外に回しただけだが、今日の超ハイペースでハマった。気性面で遠回りさせられただけで、デビュー当時から素質は高く評価されていた馬で脚は持っている。この位走っても何等不思議はないが、今日に関しては展開も大きいだろう。

ニンジャ

もう少し馬体に張りが有っても。まだ良くなる余地を残している。ゲートは出ているが、あまり行く気なく後方から。道中はツルマルレオンを見ながら、4角からその内へ併せて行く形。決勝線直前では「ニンジャが忍び寄る」と実況されていたが、スルスルと伸びて来た。前後半ほぼ前走と同じ様に走っているが、やはりこういう時計勝負は強い。この形ならオープンでも足りる。

バーバラ

好発。これも無理せずジワッと中段から。このペースだが、少し押さえる位の追走だった。直線もそれなりに伸びており、先頭に立たんかの場面で外から2頭が強襲。ただ、ペースの関係で差しを許しただけで、競馬としては一番スムーズに運んでいる。この競馬を続けて行けばチャンスは有りそう。

ローガンサファイア

2人曳き。前後肢にバンテージ。少しテンション高い。馬体も貧弱ではないが、然程目立たず。重量感はないが、背丈も低い。バランスの取れた造り。出脚もなかったが、行き場もなくなったのか、最後方から。直線だけ外へ持ち出し、大外からここ迄来ているが、トビが大きいので回転不足にも見える。単に今日の時計が追い込み不利というだけでなく、この馬自体が小回り向きではなさそう。

スギノエンデバー

何時ものこの馬。トモに張りが有った。この馬にしてはゲート出ているが、例に依って後方から。ツルマルレオンの直後で展開的にはハマっているが、4角で1馬身程度の差が逆に突き放され気味だった。これだけ時計が速くなるとハンデが応えているのか...。何れもしても今日の負けは頂けない。重賞では手が出せない馬。

マイネルエテルネル

馬はここへ入ると一枚上。チャカついているが、これでも以前よりはマシ。集中力は有る。出遅れという程ではないが、少しゲートが悪く、中段から。今日のペースならこれはこれだが、バーバラにピッタリ合わされ、4角で行き場がなくなったのが痛い。上位馬が抜けてからは伸びるところを見せている。今日は参考外。

アイラブリリ

2人曳き。テンションもこれ位なら問題なし。ガサはないが、デキは良かった。ハナへ行くイメージはなかったが、好発と最内枠で迷わず押してハナへ。単騎で4角では楽勝にも見えたが、実は前半3Fが32.2秒。流石に速過ぎた。マトモなペースなら勝っていた。ペース判断が出来ない鞍上の問題。

サマー2000シリーズ第4戦 第49回札幌記念(GⅡ)

トウケイヘイロー

前肢にバンテージ。馬体は変化ないが、歩様のスムーズさでは前走の方が少しスムーズだった。ネコパンチの出脚がなく、ほぼ出脚を使わず楽にハナ。あとはマイペース。1000m通過61.7秒は結果的にハイペースだったが、これも後続に脚を使わせる点では良い方に作用した様。3角過ぎからスッと後続を引き離し、直線は独走だった。ただ、今日は馬場状態が大きく、評価不能。あとは東京直行だそうで、立て直せる時間は有るものの、ちょっとデキ落ち気配なのもどう出るか。

アスカクリチャン

2人曳き。前肢にバンテージ。馬体はキリッとしていたが、少し歩様が甘い。トウケイヘイローに叩かれたが、立て直して好位から。前述の通り、レースが流れた為、縦長になり、馬群が切れて、向正面で内に潜れた。ただ、これだけ着差が開いてしまうと、効果が有ったかどうかは微妙なのだが、脚を矯めた内からスルスルと伸びて2着浮上。尤も、この馬の実力はあくまでギリギリGⅢレベル。今更成長が有るとも思えず、馬場に助けられた以外に好走の理由がないのだが。

アンコイルド

毛ヅヤだけはマシになった。あとは変わらず。トウケイヘイローに内から抵抗しつつ好位のイン。ただ、勝負どころで一瞬反応が悪くなり、置かれたのが痛かった。この馬場になれば何処を通っても一緒で、結果的に外を回される形になったのも痛かったが、それでも直線はヘコたれずに伸びて3着浮上。こういうのが真の道悪巧者。

アイムユアーズ

トモにボリューム感。前走で触れた通り、完全に本格化。好発。トウケイヘイローの逃げに乗り2番手。ただ、向正面半ば辺りから手応えが怪しくなり、トウケイヘイローには突き放されてしまった。そこをアスカクリチャンに内からスクわれ、外からアンコイルドに差され4着に。ただ、この辺りの差は勝負どころで脚を使わされたかどうかが大きい。この馬場でもそれなりに踏ん張ったのはデキが良いからだろう。

ロゴタイプ

+4kg。前肢にバンテージ。成長度に疑問も感じる程、戦前の話よりは出来ていた。本来なら中段から行く馬だが、積極的に乗られて好位。1番人気に推されたことも有り、勝負どころからも積極的だったが、まだ馬が若い分踏ん張っているだけで、ここ迄悪い馬場はサッパリの様。今日は故障しなかっただけヨシとするべきところ。

トーセンジョーダン

+10kg。しっかり踏めており、昨年よりは雰囲気は良い。スタート直後にノメッて後方。結果的には今日はこの段階で終了。追い上げる気配もなく、後方ママだった。ただ、デキは明らかに昨年以上。ゴールドシップは東京向きでない上に、オルフェーヴル不在で、2000mが若干手薄なのは間違いなく、まだまだGⅠでも馬券になるだろう。

サマーマイルシリーズ第2戦 第48回関屋記念(GⅢ)

レッドスパーダ

遮眼革。+8kg。馬体に張りが有って、太くは見せず。バネも有った。好発。ナンシーシャインが仕掛けて2番手。1000m通過が57.9秒。ほぼフラットなペース。ナンシーシャインが故障したことも有り、押し出される形で直線入り口で先頭。しかし、我慢することもなく、そのタイミングで追い出して、そのまま押し切った。かつて伊藤正徳厩舎に居たタイキブライドルの様な器用貧乏の代表格で、勝つにはこれしかない。それが新潟で決まったのは中々の皮肉。

ジャスタウェイ

+10kg。多少余裕残しも、充分走れる状態。出遅れ1馬身不利。リカバーするべく、内へ突っ込むのも致し方ないところだが、問題はまたしても捌き損ねた点に尽きる。内が開いていなかったのも確かだが、前が開いたのはラスト200m。最後に脚は見せており、今日も比べ馬では勝っている。賞金を加算出来たのをせめてもの救いと考える以外にないのだが、勝てるレースを2つ連続で落とした。

レオアクティブ

毛ヅヤが一息に映ったが、気配自体は悪くない。ゲートが少し悪いのは何時ものこと。それでも新潟とこの枠で中段やや後方から。内を立ち回って、レッドスパーダが早目に仕掛けてくれる展開もシメシメといったところ。最高の形になったが、基本的に良い脚は一瞬しかなく、新潟は直線が長過ぎる。レッドスパーダとは真逆のタイプだが、これも新潟にしては良く走っている。

ドナウブルー

前後肢にバンテージ。スカッと見せる様になって来た。これなら。スタート直後からかなり手が激しく動き、3番手から。向正面で外から他馬が来た際も3番手は譲らず、終始早目早目の競馬だったが、流石に新潟でこれだけ強気に乗ってしまうと終いが保たなくなる。かなり上向いて来たとはいえ、デキの問題も多少は有るだろうが、今日に関しては競馬が雑過ぎた。

ワイズリー

+12kg。馬体増は少し緩い程度で許容範囲。それよりもイレ込んでいたのがマイナス。ゲート五分に出て、中段から。少しコーナーで外を回されたが、一瞬は2番手。そこで力尽きてしまった。ここ2走は広いコースで堅実に走っているが、上位とは少し差が有る。

第5回レパードステークス(GⅢ)

インカンテーション

前後肢にバンテージ。+8kg。馬体増は成長分。ここに来て馬が良くなっている。この馬の出脚で好位のイン。最初から決めていたかの様にスッと潜り込んでいた。4角迄内でジッとして、直線は少し待たされたが、ラスト250m辺りでケイアイレオーネの脚が止まり、スペースが出来るとアッサリ捕まえて、最後は突き放して見せた。圧勝。自在に乗れる点も強み。例年の勝ち馬と比較しても上級。GⅠでも勝てる馬。

サトノプリンシパル

2人曳き。+12kg。少しテンション高い。少し太いだろうが、元々が大型馬で然程目立たず。ゲートは内の数頭の方が速かったが、押してハナ。ただ、押して行っている分なのか、下見のテンションの分なのか、序盤は少し引っ掛かっていた。それでも一応は単騎。ケイアイレオーネも振り切ったが、内で脚を矯めていたインカンテーションの差し切りを許した。前述した様にインカンテーションもかなり強そうだが、この馬自身も出脚がもう少し速ければ楽になるだろう。

ケイアイレオーネ

前後肢にバンテージ。垢抜けた馬体。-6kg。毛ヅヤが冴え、相変わらず馬は見栄えする。何時ものパターンで、道中は中段の外。アドマイヤイバマに急かされる様にマクりに行ったが、並ぶ迄だった。直線は手前が替わっておらず、この影響も有ったか。一旦は3馬身程置かれたものの、最後は再び盛り返しており、力は有るのは間違いないのだが、競馬が雑。砂を被っても全く苦にしないインカンテーションとはこの部分で相当の差が有る。

ジェベルムーサ

2人曳き。前後肢にバンテージ。-6kg。絞れるのは良い傾向。大分締まって来た。ゲートも少し悪かったが、トビの大きいタイプで急かせても良いことはなく、後方から。目の前でアドマイヤイバマが3角手前から一気に動いたが、ワンテンポ待ってからの追い出し。これはこれで良いが、ケイアイレオーネ同様、手前が替わっていない。もっと機動力も欲しいところ。

ドコフクカゼ

前後肢にバンテージ。コロンとした体型でマイラー。もう少し絞れても良い様に映る。もっと前が欲しかったようだが、押しても大して進んで行かず、インカンテーションの後ろから。出脚だけではなく、道中の行き振りも一息。その割には直線で止まっていないのだが、ジリジリだった。パワー強化が先決だろう。

サマー2000シリーズ第3戦 農林水産省賞典第49回小倉記念(GⅢ)

メイショウナルト

しっかり踏めていた。馬体はバランス取れているが、迫力には欠ける。出脚は速かったが、直ぐ内のメイショウサミットが主張して好位のイン。道中は折り合いも付き、3〜4角中間から一気に進出。4角手前で前を叩き切って、そのまま押し切った。内に居た利は有ったが、自力で動いてのモノだけに完勝といって良い。この時計に対応出来たのも収穫だろう。スケールの問題は有るが、今のデキが有る内にもう一丁稼ぎたい。

ラブリーデイ

一息入ったが、馬体に張り。デキは文句なし。外回って、気配も良かった。好発も行く気なく、中段から。この枠にしては外を回されたのは痛かったが、メイショウナルトとマイネルラクリマの直後で、縦の位置取りとしては絶好。追い掛けて行って、最後にマイネルラクリマを捕まえて2着浮上。今にして思えば春は毎日杯が余計だった。今日は色々恵まれた面も大きいが、普通に重賞で通用する力は持っている。

マイネルラクリマ

2人曳き。前走福島戦と変わらず。好調持続。スタートと出脚でゲシュタルトにアオられ、少し脚を使わされつつ好位の外。2角からはスムーズ。ワンテンポ早く動いたメイショウナルトに連れて動いて行ったが、最後の最後で甘くなった。悪い内容ではないが、58kg背負ってこの時計では少々のミスでも影響が大きい。今日は仕方がないところ。

ダコール

スケールはないが、緩んだところがなく、落ち着いていた。ゲートは出ているが、最初から行く気なく後方から。マクりに行った馬が多く、3〜4角で馬群が横に厚くなり、そこを最内伝って進出。ただ、理想は直線も最内。そこ迄は叶わず、外へ持ち出す形に。それなりに伸びているが、右手前のままで馬券圏内迄は届かず。この時計も速過ぎたか。

マックスドリーム

叩いて馬体が締まって来た。明らかに前走福島戦以上。出遅れ1馬身不利。押しても全く進んで行かず最後方から。向正面から外へ持ち出し、3〜4角でも外をマクって行ったが、今日の展開ではここ迄。発表は稍重だが、この時計。この馬自身は元々道悪を道悪を得意としており、時計自体も速過ぎた。勝ち切れる迄はどうかだが、力は重賞でも足りる。

サマースプリントシリーズ第3戦 第13回アイビスサマーダッシュ(GⅢ)

ハクサンムーン

2人曳き。ここでは単純に馬が上位。今日はゲート五分。戦前、唯一の懸念がこれでクリア。出脚は勿論抜群に速く、外ラチ沿いを直ぐに確保。道中はフォーエバーマークと並走だったが、これはあくまで余裕。序盤のペースが遅いのは毎度で、出脚でケリを付けているから。貯金を最後に生かし、ラストはしっかり突き放して見せた。戦前は馬場入場時に抵抗、馬場入り時には場内から拍手が湧き上がっていたが、レースではキッチリ走る。一走のみとはいえ、ゲート難を出さなかったのも今後へ向けての収穫となるだろう。

フォーエバーマーク

2人曳き。前後肢にバンテージ。牝馬だが、見た目の筋肉量では牡馬顔負け。好発。ゲートプラス出脚では、ハクサンムーンに勝っていたが、この枠でも有り、ハクサンムーンの前には行けず並走。ただ、こちらの方が道中アクセルを開け気味に、噴かして乗っている様に見えた。ラスト突き放されたのはその分だろう。絶対的なスピードで分が悪かった。

リトルゲルダ

-8kg。スプリントの馬としてはスカッと見せ過ぎている。毛ヅヤからデキはキープしていると判断出来るが、これ以上細くならない方が良い。ハクサンムーンには先行されたが、この馬の出脚でその直後から。上手く壁が出来たが、ラスト300m辺りから2頭が抜け出してしまい、アッという間に3馬身半差。"直千"の適性は間違いなく有るが、能力そのものは準オープンクラス。

レオパステル

前後肢にバンテージ。均整の取れた造り。歩様の硬さは気になったが。出脚で少し差が有って、リトルゲルダの更に後ろから。ただ、一旦は置かれた様にも見えたが、最後は盛り返して3/4馬身差迄詰めて来た。これもこの条件だとスピードの絶対値が足りないのだが、差す脚は持っている。1200mでしっかり矯める競馬を覚えさせた方が良さそう。

デュアルスウォード

踏み込みの深さは目立ったが、腹回りがボテッと映る。ゲートは出ているが、行く気がないのか、ほぼ最後方。ただ、ラスト400m辺りで内をコジ開け、一瞬はオッという脚を見せている。惜しいが惜しいだけで、適性のない典型例。これも周回コースの方が良い。

第61回北海道新聞杯クイーンステークス(GⅢ)

アイムユアーズ

かつては甘いばかりの馬だったが、トモにボリューム感。明らかに本格化。好発も、内からクィーンズバーンが主張して2番手。完璧ではないが、折り合いも付き、少頭数らしく、道中は淡々と流れた。4角手前で仕掛けて先頭。追って突き放すといった印象ではなかったが、相手が来たら来ただけ伸びた形。何処迄行っても逆転出来ない様な完勝だった。終わった馬が揃った重賞だが、成長力が残っていた分、この相手では力が違ったか。

スピードリッパー

しっかり踏める様にならないとダメ。馬の造りは悪くないが、歩様に力感がない。出遅れも、そのまま最後方で待機。徒に動かなかったのが正解だったか。直線だけ外へ持ち出し、一追い毎に伸びて来た。少頭数が一番だが、動きのない淡々とした競馬でも、数字自体はそれなりに流れていたのも良かったか。この馬自身も、2歳時以来ながら北海道戦はオール連対継続と、相性が良い。ただ、イマドキこの形が決まるのはメンバーレベルが低い証なのだが...。

オールザットジャズ

+16kg。前後肢にバンテージ。太くはないが、少し歩様が硬いのと、毛ヅヤが一息。本調子ではなさそう。出脚はほぼ互角だったが、喧嘩せず3番手。道中の行き振りは良かった。多少強引だったが、4角でアイムユアーズの外、コスモネモシンの内へネジ込み、理想的な競馬が出来た筈だが、追って案外。下見通り、デキが戻り切っていない。

マルセリーナ

+8kg。数字は増えているが、見た目は前走阪神戦と変わらず。出脚は速い方ではなく、後方の内目で待機。終始、内を狙う策は悪くなく、前も開いたが、追ってからがもう一つ伸びを欠いた。前走の復活劇を考えると案外の内容。馬場が合わないか、距離適性がもっと上にシフトしており、今日のソコソコ流れたペースが合わなかったか。

キャトルフィーユ

+8s。前後肢にバンテージ。もう少し絞っても良い位だが、筋肉が浮き出て好ムード。出脚は五分だが、この枠で中段。岩田騎手としてはもう一歩前で競馬したかったところだろう。重賞の相手で外を回って真っ向勝負となったが、4角での反応が悪く、内外からやられてしまった。ただ、重賞といっても、今日の相手なら何とかしたかったところ。準オープンでは少し厳しいかも。