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競馬回顧 2013年4回阪神

グローバルスプリントチャレンジ第8戦 第47回スプリンターズステークス(GⅠ)

ロードカナロア

-6kg。多少気配的に上向いた感も有るが、馬体は然程変わらず。メイチの仕上げではなさそう。珍しく1馬身弱の出負けも、出脚でカバーして中段。流石に前走阪神戦の様な深追いは出来ず、ここで待機する形。ただ、この馬はこの方が良い。4角で横に並び掛けて来たマイネルエテルネルを気合で弾いて、直線だけ外へ。坂を上るパワーが違った。どうも乗り役は焦っていた様で多少怪しい競馬になったが、あくまでこの馬は終いを生かす馬。次走が引退レースになる様だが、今日よりデキが悪いことは考え辛く、何処へ行っても確勝級だろう。

ハクサンムーン

2人曳き。パシュファイヤー。これも前走阪神戦から平行線。歩様も維持出来ていた。1/4馬身程の出遅れ。この馬にしてはかなりマシな部類。戦前はフォーエバーマークとやり合う展開予想も有ったが、圧倒的出脚でアッサリケリを付けてハナへ。前半3F32.9秒は内有利の馬場状態と中山1200mのコース形態を考えれば極端に速い訳ではないが、それでもフォーエバーマークだけではなく、サクラゴスペルにも突かれた。坂もしっかり上っているものの、最後にロスの分、ロードカナロアに捕まった格好。GⅠはそんなモノといえばそれ迄だが、もう少しスムーズなら勝っていたか。取り敢えず休ませる形になるが、今ならマイルでもやれる筈。

マヤノリュウジン

2人曳き。-14kg。もう一絞り有っても良い位のはち切れんばかりの馬体。大幅マイナス体重だけに、一際目を引いた。この馬の出脚でフォーエバーマークの直後。2枠2頭がゲートに失敗しており、今日はこの位置を取れたのが大きかった。4角手前からフォーエバーマークが積極的に外へ仕掛けて行った関係で更に番手が上がり、前にはハクサンムーン。勝たないと評価が上がらない位、これ以上なく絶好の展開になった。それでも3着なのは追って頭が上がる走法故だろう。次走、京阪杯なら人気背負って消えるパターンだが...。

マジンプロスパー

毛ヅヤから判断すると絶好調ではなさそう。緩んだところはないが、良くて8割。好発も内が速く中段。最近は馬場に穴を開けて含気率を上げる工夫をしているとのことで、3週目迄は外も決まっていたが、4週は保たず一転して内有利な馬場状態。しかも、この時計で外を回されるとかなりキツいところ。終いもそれなりに脚を使っているが、1分7秒台では勝っていない馬で時計面に限界が有り、ここ迄が一杯だった。ただ、前に行けばという話も有るが、マヤノリュウジンの様に内枠ならまだしも外枠では無駄に脚を使わされた可能性が高い。かといって、この馬は内枠で揉まれるとサッパリで、ハクサンムーンのゲートもそうだが、こういう微妙な部分がGⅠ馬かそれ以下かを分けている。

アドマイヤセプター

2人曳き。-8kg。数字は絞れた形。一歩一歩が力強く、近走の中では一番。珍しく出負けして中段やや後方から。不利なく来ているが、マヤノリュウジンより良い脚を使っているものの、位置取りの差を挽回するには至らなかった。デキが良かっただけに勿体ない印象が有る。実績無視しても、マヤノリュウジンよりは強そうだが、今日はゲートが痛恨。

グランプリボス

この馬にしてはスカッとした造り。いきなりから出来ていた。これも出遅れて中段。流石にこのペースなら折り合いは付いたが、直線外へ持ち出したのが失敗。マジンプロスパーの内から併せることも出来た筈だが、あの部分が1200mの経験不足で、その外から追い込む形になってしまった。最後の最後に伸びているが、既に競馬が終わった後。今後を考えないスプリント戦挑戦だっただけに、これもゲートが残念。次走、マイルに戻る様だが、引っ掛からなければ良いが...。

第17回シリウスステークス(GⅢ)

ケイアイレオーネ

+16kg。前後肢にバンテージ。大型馬だけに、そこ迄太い印象はない。むしろ気配の良さが目に付いた。無理に行く気もなさそうだったが、芝での出脚が甘く、バラけた後方から。そのままインで待機させて、直線だけ外へ。ダイナミックなフォームでキッチリ捉えて快勝。トビが大きいので、距離が苦にならない。下手に行かせるよりこの方が良さそう。ただ、恐らく人気背負うとこの競馬が難しくなる。そういった部分ではクラス慣れが必要ということになる。グレープブランデーがそうだった様に、内を捌ける様になった時が狙い目に。

ナイスミーチュー

数字の割に迫力がないのだが、いきなりから出来ていた。押しても進んで行かず、中段から。ただ、ダートへ入ってからは行き振りも悪くなく、3角から積極的に動き、4角で2番手。飛び道具のケイアイレオーネにはやられたものの、目標としていたハートビートソングは交わしており、競馬では勝っている。昨年の覇者としてのレースは出来た。見た目には出来ていたが、1回使っていれば勝負でも勝っていた。

グランドシチー

-14kg。前肢にバンテージ。数字分だけスカッと見せる。この歩様も許容範囲。この距離なら出脚で苦労することもなく、好位馬群の中。4角では既にハートビートソングの直後に付けていた。先行した分、スパッとは切れないのだが、ジワジワ伸びて3着浮上。この斤量だけに多少セコい策に走るのは止むを得ないところ。ただ、58kgの重賞勝ちとはいえ、58.5kgのハンデは些か厳しい。

ハートビートソング

+8kg。前後肢にバンテージ。馬は間違いなく良かったが、イレ込みがキツい。外枠だったが、押して積極的に乗られて2番手。サトノプリンシパルを終始突いて早目早目。これで勝てば格好良かったが、一旦は完全に抜け出していながら最後捕まってしまうのだから、早漏たったと言わざるを得ない。今日は騎乗ミス。

クリールパッション

-10kg。前肢にバンテージ。ベストは案外この位かも。筋肉が浮いてデキは良さそう。歩様もしっかり。例に依って出脚が速い方ではなく、後方に近い位置。4角迄は上手く捌いたが、坂を上がって前が詰まり万事休す。ただ、この数字の方が機動力が有りそう。東京なら一発有りそうだが、東京2100mのレースがほぼ絶滅しており。

サトノプリンシパル

-8kg。数字は絞れたと見て良い。テンション高いのは前走新潟戦同様。出脚でハナ。ハナへは楽に行けているが、ハートビートソングがピッタリマーク。ただ、それにしても4角で既に並ばれての殿負けは頂けない。実力のない馬が人気背負って逃げるとこんなモノかも知れないが、案外の内容。

第59回産経賞オールカマー(GⅡ)

ヴェルデグリーン

バランスの取れた造りだが、下見は全く目立たず。ゲートも少し悪かったが、後方でジックリと。3角辺りから外を進出。4角で中段に取り付き、坂下で「勝った」という手応えで、完勝だった。レース自体はダノンバラードの早仕掛けをメイショウナルトが捕まえた競馬で、決してこの馬には展開が向いているとは思えないのだが、意外な強さ。血統表には、ジャングルポケットだけでなく、スペシャルウィークやウメノファイバーの名前も見える東京血統だが、回り脚が速い。正に中山向き。

メイショウナルト

好調持続。迫力はないが、それも含めて前走小倉戦と変わらず。少し折り合いも意識しつつ中段のイン。ダノンバラードが絶好の目標となり、前の止まった馬もスムーズに捌いた。完全な勝ちパターンだったが、外からヴェルデグリーンが強襲。前走は完勝だったが、今日の展開とメンバーで負けたとなると先行きが暗い。最近多いとはいえ、スケール感を全く感じさせない馬なのだが、この辺りが天井かも。

ダノンバラード

前肢にバンテージ。何時もの馬。時々歩様が硬くなる時も有るが、今日はその点もクリア。戦前から想定されていた行きたい馬に行かせて離れた好位。ソコソコ流れたが、例に依って折り合いはスムーズ。ラチを頼る馬で、早目に動いてラチ沿いへ寄せたところ迄は狙い通りだったが、そこからが甘くなった。結果的には仕掛けが早かったのだろうが、結局これしか手がないのも確か。昨秋から時々勝ち切る場面も出て来たが、基本的には2,3着の馬。

サトノアポロ

シープスキンノーズバンド。前肢にバンテージ。馬体に張りは有るが、脚が短くどうも不恰好。出脚は案外も、少し押し気味に中段のイン。ただ、4角がキッチリ回れていない。直線は馬場の3〜4分どころに居たが、フラフラしながら回っている間に、そこ迄流れてしまった様にも見えた。着差が着差だけに惜しい。広いコース向き。

アスカクリチャン

2人曳き。前肢にバンテージ。ファイティングポーズを全面に出して気配は良い。ただ、馬自体は平凡。折り合いに専念して中段。向正面ではメイショウナルトと並走。序盤は口を割っていたが、直ぐにスムーズに。4角で外を回したが、エンジンが掛かるのが遅い。ヴェルデグリーンに一旦交わされてから加速した様にも見えた。着差が着差だが、インを突いていても似た様な結果に終わった筈。ただ、基本的にはハンドリングは良い筈で、坂を上り切ってから追い込んでいる様に、昨年よりは確実に強くなっているが、坂がダメなのかも。

ハナズゴール

-8kg。何時ものこの馬。歩様もキビキビ。折り合いは何処でも付くのだろうが、この距離でも有り、後方から。インで脚を矯める競馬も戦前から決めていた策だろう。内を捌いて上手く乗られているが、これも坂が上れていない。ただ、距離自体はベストではないものの、一応はこなせる。恐らくエリザベス女王杯を見越しての参戦だったのだろうが、連下の評価は出来る。

第61回神戸新聞杯(GⅡ)

エピファネイア

前後肢にバンテージ。馬は断然。ただ、歩様が多少怪しいのと、発汗は目立った。出脚は使わず、出たなりで中段。乗り役は徹頭徹尾折り合っていたといった雰囲気でコメントしていたが、向正面半ば辺り迄は力んでいた。それでも4角進出の手応えで今日は勝負有り。坂下迄追い出しを我慢しながらも先頭。そこからは独壇場だった。折り合いも含めて、良くも悪くも春の状態は維持。言いかえればトビの高さも健在。次走、何処へ行っても本命だが、東京へ行った方が確率は高い。

マジェスティハーツ

2人曳き。気配は光った。馬もはちきれんばかり。ゲートは出ているが、押さえ込んで後方から。4角でも最後方のインに居て、直線だけ外へ。直線で少し内にモタれていたが、それでもしっかり脚を伸ばして2着確保。マイルなら前でも折り合えるが、この距離だとこれがベスト。次走もこの形で展開待ちになるだろう。ただ、マイル〜2000mの馬として普通の競馬をした方が無難といえば無難。

サトノノブレス

2人曳き。エピファネイアを除けば馬振り上位。出たなりで好位のイン。前2頭が飛ばす形となって、実質的には3番手から。阪神2400mなのでコーナーで動く必要はなく、直線も不利なく捌いているが、追ってからがフラフラだった。道中の折り合いも、少し気負っていたのは確か。距離面、能力面共疑問符が付く。権利は取れたものの、次走は出走するだけになりそう。

アクションスター

+8kg。淡々と歩いていた。太い印象はなく、キッチリ出来ていた。ゲートは少し悪かったが、徐々に番手を上げ、向正面でエピファネイアの直後。馬群を縫ってここ迄持ってきており、上手く乗られた様に見えたが、直線向いて坂を上がる途中で力尽きた。ゲートの悪さは相変わらずだが、競馬は上手くなっている。あとは力関係の問題。

タマモベストプレイ

-8kg。相変わらずフックラ映る。多少トモの甘い歩様だが、この一族としてはこれでもマシ。出脚は速い馬だが、折り合いもスムーズ。好位で流れに乗れた。ただ、能力面というよりはこの距離が長い。あと一押しが利かなかった。能力はこの一族の中でも屈指。マイルなら相当のレベル迄行ける筈。

テイエムイナズマ

2人曳き。毛ヅヤピカピカだが、少し気負い過ぎ。2馬身近い出遅れ。後方で折り合いに専念する形だったが、少し掛かり気味。直線はマジェスティハーツに併せた迄は良かったが、並ぶ間もなかった。今日は案外の内容だが、この手の馬にテン乗りでコンスタントに結果を求めるのは難しい。

第67回セントライト記念(GⅡ)

ユールシンギング

2人曳き。少し緩慢にも映るが、数字が有って、馬振りは上位。ゲートも少し悪かったが、中段。序盤は内で脚を矯め、向正面で何時でも動ける外へ。ただ、2週目の馬場で大外へ持ち出す訳にも行かず、少し変なところへ突っ込んで進路がなくなる場面も有ったのだが、前が開いてかららの脚が違った。500万を勝ったばかりだが、完勝。ダービーフィズを基準に採れば、京都でも馬券圏内有りそう。

ダービーフィズ

歩様にバネ。首を水平に保ち、気配も良かった。あまり出脚が速い方ではなく、外枠の馬を行かせて、立て直してからの競馬。折り合いも付いていたが、乗り易い馬で、向正面で少し番手を上げて、ユールシンギングの横に付け、閉じ込める余裕も有った。それなりに外は回っているにせよ、全てが上手く運んでいるのだが、一旦抜け切って殺した筈のユールシンギングに外からやられてしまった。今日は完敗。先々も苦しそうな負け方。

アドマイヤスピカ

+8kg。気配はサッパリだったが、馬自体は春より良さそう。例に依って出脚がサッパリで後方から。少し惚けた位の馬で折り合いは付く。3〜4角から外を回って進出と、この馬の正攻法だったが、一旦はユールシンギングより前に出ながら差されている。権利が確保出来たのは何よりでも、これも重賞クラスの馬ではなさそう。

ナンヨーケンゴー

前肢にバンテージ。大物感はないが、筋肉の輪郭が浮いて、デキはまずまず。最初から内に入れて後方に近い位置。直線で行き場がなく、全部行ってから外へ行く形になったが、これもユールシンギング同様、坂を上ってからの脚に見どころが有った。菊花賞は使えなくなったが、出走叶えば馬券的には絶好の狙い目となる馬。恐らく、東京2500mも向く筈で、出走ならこちらでも面白い。

ケイアイチョウサン

2人曳き。前後肢にバンテージ。馬の能力はともかく、デキは抜群。はち切れんばかりの馬体だった。中途半端を嫌う横山典弘騎手らしく、最後方からジックリと。今日は内がないと見て、直線迄待ってから外へ持ち出し、一瞬は脚を使っているのだが、坂を上り切ったところで止まった。今日の内容からは距離かデキなのか、何かに疑問が付く。

第31回関西テレビ放送賞ローズステークス(GⅡ)

デニムアンドルビー

前後肢にバンテージ。+14kg。多少緩いが、太い訳ではなさそう。馬体に成長は有る。出遅れ1馬身不利。スタートしてからも全く進んで行かず、離れた最後方からの競馬に。3角で追い付いて、メイショウマンボに連れる形で進出。この馬場で決して楽ではなかっただろうが、早目早目の競馬で差し切ったのだから強い。1000m通過が58.2秒。ペースは確かに向いたとしても着差以上の能力差が有る。

シャトーブランシュ

後肢にバンテージ。気配は上々。メリハリが利いておらず、馬体は見栄えしない。ゲートは出ているが、単に行く気がなく後方から。3〜4角で一回、デニムアンドルビーに行かせて、直線迄待ってからの追い出し。道悪も全く苦にしておらず、大外からしっかり脚を伸ばして2着浮上。ただ、デニムアンドルビーが前を掃除して展開が向いた感は有る。これが良馬場なら評価出来るが、今日は道悪適性も利いていそう。

ウリウリ

+8kg。一息入ったが、キッチリ出来ていた。毛ヅヤも良かった。ただ、寸が詰まってマイラーの相。出たなりで中段やや後方のイン。直線は徐々に外へ持ち出し、メイショウマンボの直ぐ内迄持って行っての併せ馬。道悪とはいえ、上位馬がコースロスが有ったことを思えば多少評価も下がるのだが、休み明けを考慮すれば悪くない。こういう競馬が出来るなら京都2000mも向きそう。再度の内枠なら穴としては面白い。

メイショウマンボ

+8kg。ほぼ出来ていた。落ち着いていたのも何より。道中は中段やや後方の外。中途半端な位置で少し行きたがっていたが、ソコソコ人気を背負っていたこともあり、今日はこれで仕方がないところ。ただ、結果的にずっと外を回されてしまった。直線はジリジリ来ているが、道中のロスの分、あと一踏ん張りが利かなかった。内容的には強い競馬をしている。能力だけをいえば次走も圏内だが、京都2000mが向くとは思えず。

ウインプリメーラ

2人曳き。前後肢にバンテージ。数字がない割に緩い。少し出し気味に中段。ステイゴールド産駒にしては道悪が下手なのか、道中の手応えは案外に見えたが、その割には差している。今日は内を回った利も有り、次走の馬券になる馬ではないだろうが、牝馬重賞では充分足りる存在。

サマーマイルシリーズ第3戦 第58回京成杯オータムハンデキャップ(GⅢ)

エクセラントカーヴ

2人曳き。-8kg。かなり気負っていたが、堪えも利いていた。数字はないが、馬体も充実。好発も、行く気なく中段で待機。ハイペースで流れたが、特に前に壁がなくても折り合いがスムーズ。今日は4角の手応えで勝負有り。ほぼ楽勝だった。ハンデや展開が向いた感も有るが、上位戦でも通用しそう。ただ、レース後に骨折が判明。現役は続行する様だが、勢いに冷や水掛けられた感も有る。

ダノンシャーク

2人曳き。前後肢にバンテージ。イレ込み気味。毛ヅヤは冴えていたので、デキは悪くないが。ゲートも少し悪かったが、出脚も速い方ではなく中段やや後方から。丁度エクセラントカーヴを見ながらの競馬に。4角の手応えでエクセラントカーヴを相手と決めて追い出したが、ハンデ差も有ってその差が最後迄詰まらなかった。それでも休み明けの58kgを考慮すれば良く走っている方だろう。地力は示した一戦。

ゴットフリート

前肢にバンテージ。今日は妙に馬が軽い。現状ではもう少し増えた方が良いかも。出脚は速かったが、外から2頭が喧嘩しながら行って、これらには付き合わず離れた3番手。それでも自力で捕まえに行く形となり、苦しくなった。渋太い脚は使っている。かつてはもっと淡泊な印象が有っただけに、粘っこいレースが出来ただけでも収穫は有った。

ミッキードリーム

馬体はこんなモノだが、力強いというよりトモの送りが硬い。好発。ただ、行きたい馬に行かせている間に番手が下がり、3角では中段辺り。脚は上手く矯められたか。そのままインを突くのも中山では定跡だが、ジワジワ伸びているものの、一瞬の決め手に欠いた感も有る。能力は有る馬だが、ベストが中山ではなさそう。

マルカボルト

前後肢にバンテージ。+6kg。腹回りが少しボテッと映るが、歩様にバネ。ゲートはたまたま出たが、初マイルだけに出脚で差が有って、ミッキードリームの直後から。3角から外へ持ち出して、エクセラントカーヴやダノンシャークに連れて動いて行ったが、最後迄しっかり脚を使っていた。初のマイルでしかもハイペースだった上手く対応出来たといえるだろう。この距離でも稼げる馬。

ルナ

2人曳き。毛ヅヤは悪くないが、ここで目立つ馬ではない。ゲートが少し悪かったが、無理矢理先行。そこをテイエムオオタカに来られて1000m通過が56.7秒のハイペース。行き切って直線入口で突き放す形迄は造ったが、坂が上れず。ゲート自体は元々速い方ではなく、もう少し距離が有った方がスムーズな競馬が出来るのは間違いないだろう。

サマースプリントシリーズ第6戦 第27回セントウルステークス(GⅡ)

ハクサンムーン

2人曳き。ロードカナロアには迫力で負けるが、何時ものこの馬。出遅れ1馬身不利。ただ、大外枠で立て直す余裕が有り、ビウイッチアスが少し邪魔になりながらも、出脚でハナへ。並の馬ならオーバーペースになるところだが、出脚が速い為、3Fを33.8秒で行けた。上がりもほぼ同タイムで纏めて、ロードカナロアの猛追を振り切った。毎回述べている通り、出脚が速い為、物理的にエンジンを使う時間が短いのと、後続が直ぐに諦めてくれるという2点から道中が楽。ただ、今日は外枠に助けられた。サマースプリントシリーズを目標にして次走は余勢になるのと、内枠で出遅れた時が課題になる。

ロードカナロア

ここでは馬が違う。ちょっと余裕残しにも見えるが、休み明けとしては上々。ハクサンムーンには叩かれる形になったが、立て直して好位。ただ、この馬にしては少し押し気味。4角では充分射程圏、坂下で1馬身差に追い付いた時には何とかなかったかに見えたが、相手も渋太かった。かつては最速の出脚を持っていたが、58kgと近走差しに徹している関係で少し鈍っている。今日はその上で先行したのが裏目に出た格好。勿論、ハクサンムーン1頭に絞った競馬は間違いではなく、差していたらそれはそれで届かなかった可能性も高い。今日はこれで仕方なし。

ドリームバレンチノ

今日は落ち着いていた。スカッとしたラインで、デキは良い。ゲートは一番速かった位だが、喧嘩せず中段から。馬群の切れ目で外に出す策は悪くないが、少し掛かったのは痛かったか。4角でローズカナロアの1馬身後方に居たが、直線は離される一方になってしまった。ただ、敗因は明白。前走函館戦よりは内容の有る競馬になった。

マイネルエテルネル

2人曳き。+12kg。馬体に張りは有るが、ちょっと太い。ゲートは五分に出たが、無理せず中段のイン。インで上手く脚を矯めて、直線だけ外へ持ち出す理想的な競馬が出来たが、追って伸び案外。引っ掛かったドリームバレンチノには先着したかったところ。こちらも太い影響が有ったのも確かだが...。

ビウイッチアス

前肢にバンテージ。迫力はないが、トモに張り。キビキビした歩様も目に付いた。100m程ハクサンムーンに抵抗したが、相手の意志が固いと見て、引いて2番手。ハクサンムーンの造ったペースは絶妙だったが、結果的にハクサンムーンの壁になった格好。ロードカナロアに来られて苦しくなった。悲観する内容ではないが、GⅠの馬でもないのだろう。