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競馬回顧 2014年1回阪神

第63回フジテレビ賞スプリングステークス(GⅡ)

ロサギガンティア

2人曳き。手先は軽かったが、体型はマイラー。出遅れ1馬身不利。しかし、そのまま内へ突っ込んで、中段は確保。内目の馬場へ結構悪い筈だが、パワーに任せて進出。4角で好位に取り付いた際には勝ったという手応えだった。金曜日のバウンスシャッセもそうだが、今の中山に合うパワーが有る。強い弱いという前に、前向きな気性がレース向き。体型から距離が延びて良いとは思わないが、2000m迄は保つ筈で、次走も有力。

アジアエクスプレス

後肢にバンテージ。前走より毛ヅヤが良い。少し緩いが、馬体には迫力。スタート直後に結構押していたが、やはり出脚が甘く、中段。4角での反応が悪いのも前走と一緒だったが、それでも直線はキッチリ伸びて来る。今日のところはロサギガンティアのソツのなさにやられた印象。一応2歳王者としての貫録は示したともいえるが、反応の悪さが何処かでボロを出す危険も高い。

クラリティシチー

前肢にバンテージ。-8kg。コンパクトに纏まった馬体。もう少し前で競馬したかった筈だが、この枠で行き切れず中段やや後方。4角では少し外を回されたものの、勢い良く回って来たが、直線で2番手へ上がったところで脚が鈍り、アジアエクスプレスに捕まってしまった。競馬の上手さは有ると思われていただけに、意外な失速。距離が長いか、パワーがないかどちらか。

モーリス

2人曳き。前後肢にバンテージ。イレ込みキツい。スプリンター的ボリューム感の有る馬体。出脚で少し差が有って、中段やや後方から。1角で少し頭を上げる場面も有あったが、直ぐに折り合いは付いた。4角でアジアエクスプレスの直後。ここでアジアエクスプレスがモタついてしまい、この馬も一手後手を踏まされる形になってしまった。最後は似たような脚色ながら良く伸びている、力は互角。

リーゼントロック

2人曳き。トモ高の馬体。送りも硬さが有って、ダート向き。押して押して好位。道中はスムーズだったが、4角で手応えが怪しくなっており、雪崩込むのがやっとだった。12番人気だけに、健闘したといえるが、上位馬とは能力差が有る。

第62回阪神大賞典(GⅡ)

ゴールドシップ

2人曳き。遮眼革。+10kg。少し太目残りだが、しっかり踏めていた。この馬にしてはゲートも出た方だが、押して3番手。押した分、かなり掛かっていたが、この位の行き振りが有った方がこの馬は走る。1周目のホームストレッチから折り合って、後続の仕掛けを待ってから動いたが、この脚が速かった。直線は突き放す一方で楽勝だった。この馬の場合は、少々掛かったところで走る気さえ有れば無尽蔵のスタミナが何とかしてくれる。その行き振りが戻ったのが大きい。これなら京都でも何とかなるかも。

アドマイヤラクティ

-6kg。馬体は然程目立たないが、キビキビ歩けていた。出脚は速かったが、無理せずジックリと折り合いに専念。道中は折り合いも付いて、良いリズムで走れていた。2周目3角から進出して、4角で一瞬だけゴールドシップと並走。そこからの脚がゴールドシップとは違っていたが、渋太く伸びて2着は確保した。この位は充分走れる馬。この距離での安定感が有り、次走も圏内に。

バンデ

-10kg。皮膚を薄く見せてデキ自体は良さそう。テンションはこの距離にしては少し高いが。戦前の想定通りにハナへ。多少ゴールドシップがチラチラ見える場面も有ったが、基本的には単騎で行けた。ゴールドシップに4角で交わされても、2番手を窺って来たアドマイヤラクティには最後迄抵抗。スタミナというよりは勝負根性を見せた印象。ただ、重賞で勝ち切るだけの能力も感じない。ホクトスルタン程度の評価が妥当だと思うのだが。

サトノノブレス

馬体には迫力有るが、歩様が硬い。出遅れ1馬身不利。前走京都戦の様に前で運びたかった様だが、出遅れて中段から。道中は問題なく、アドマイヤラクティを目標に動いた時には、相手の方がコーナリングが雑でむしろ外から前に出た位だったが、そこからが甘かった。ゲート五分ならという話も有るが、上位とは少し能力差も感じたが...。

ヒットザターゲット

馬体にメリハリがない。良いとは言えない。武豊騎手らしく、思い切って最後方から。仕掛けも遅らせてイチかバチかだったが、前も止まらなかった。狙いは間違っておらず、結果が出なかっただけ。ただ、3000mは少し長い様な印象も。

第28回中日スポーツ賞ファルコンステークス(GⅢ)

タガノグランパ

2人曳き。叩いて更に上昇。毛ヅヤ良くなって、歩様が力強い。ゲートは少し悪かったが、後方でジックリと。4角大外になったのは誤算だっただろうが、1000m通過が57.1秒とハイペース。詰めが甘い印象も有ったが、今日はハマッた。ただ、毎回述べている様に、一走毎に内容が良くなっており、今日は見事勝ち切ったのが大きい。相手なり、混戦でも強いタイプで、GⅠでも。

サトノルパン

コンパクトなディープインパクト産駒。トモには張りが有る。2馬身近い出遅れ。後方からの競馬は仕方がないが、道中で外に持ち出せず、馬群に突っ込む形。結果的に真っ直ぐ走れず、大外一気のタガノグランパには届かなかった。今日は取り溢し。あくまで展開の綾で、一瞬の決め手は相当なレベル。

アルマエルナト

2人曳き。イレ込みキツいが、数字の割に迫力が有る。ゲートも悪かったが、急かせず最後方から。結構なペースだったが、むしろ矯めている様にも見えた。こちらも馬群を割る形になったが、サトノルパンよりも前が開くのが早く、その分の3着。1200mばかりを使っており、初の1400mだったが、大事に乗ったのが良かった。ただ、能力差は間違いなく大きい。

ベルルミエール

前後肢にバンテージ。キッチリ出来ていた。好発。行こうと思えばもう少し行けた筈だが、この枠で無理せずジワッと好位。少し首が高い走法では有ったが、追ってからの反応も悪くなく、一旦は先頭。最後は決め手の差だろう。今日は相手が強かったが、オープン特別なら何とかなりそうな能力は持っている。

タガノブルグ

2人曳き。チャカつく。数字の割には纏まっているが。出脚が速くなく、中段やや後方から。少し早目に仕掛けて、それなりに伸びているが、坂を上がる足がイマイチ甘く、上り切ってから再び伸びてここ迄。前走阪神のマイル戦よりは良い内容だが、詰めが甘いのは距離短縮でも一緒だった。

第28回フラワーカップ(GⅢ)

バウンスシャッセ

+6kg。メンバー中唯一の500kgを超える雄大な馬体。数字通りの迫力が有る。出脚が決して速かった訳ではないが、押して好位。少し掛かったが、覚悟して押した様にも見えた。4角も接触して。後ろを気にする場面が有るなど、決してスムーズだったとは言い難いのだが、直線はパワーで道中のロスを関係なくネジ伏せてしまった。強いというよりは、馬格に任せてパワーで勝った印象。牡馬相手でどうかはともかく、今の中山は合っている。

マイネグレヴィル

2人曳き。少しテンション高いが、皮膚を薄く見せてデキ自体は良い。出脚も速かったが、リーサルウェポン以外を叩いて2番手。4角先頭で回って、追いすがるパシフィックギャルも突き放したが、バウンスシャッセとは脚が違っていた。しかも、交わされてからが甘く、一旦はやっつけた筈のパシフィックギャルに再び並ばれ同着の2着に。ちょっとダラしなさが残った。距離が微妙に長いかも。

パシフィックギャル

前肢にバンテージ。芦毛にしては毛ヅヤが良い。腹袋がしっかりしていて、デキの変動が少なそうなタイプ。これも積極的に乗られて好位。コーナリングが若干甘く、4角でフクれていたが、坂下でマイネグレヴィルに追い付き、そこから突き放されそうになりながら、坂を上がって再び盛り返して同着に。スタミナなのか根性なのか、味なレースを披露した。実戦で勝負強い。

マローブルー

数字はないが、キリッとした馬体は中々見栄えがする。出脚は一番速かった位だが、行きたい馬に行かせて好位直後でジックリと。4角はパシフィックギャルの直後で充分勝負圏内だったが、追ってからが似た様な脚色。トビが大きく、性能は高いが、今日のところはパワー負けだろう。

ショウナンパンドラ

前後肢にバンテージ。首でリズムを取って気配は良かった。馬体も数字の割に大きく見せる。ゲートが少し悪く後方から。スローを嫌ったのか、向正面で少し番手を上げて中段。追ってからがジリジリで、一瞬は対クリスマスで前に出られているのだが、相手が止まって差し返す形となり、掲示板確保。ただ、あくまでジリジリ。現状は平坦向き。

第32回ローレル競馬場賞中山牝馬ステークス(GⅢ)

フーラブライド

-10kg。細くは見せないが、これ以上は減らない方が良い。この距離でも、それ程出脚でやられている訳ではなく、中段やや後方から。今日は馬の力を信じて、早目に外へ持ち出し、直線も外から力でネジ伏せる形。牡馬相手でも好走する実力の持ち主で、トリッキーな中山1800mでも関係なく、単純に力が違い過ぎた。ただ、東京マイルという話になると、さすがに少し短過ぎる気もしないでもないが。

ケイアイエレガント

前肢にバンテージ、トモのボリューム感は目立った。歩様がもう少し伸びれば文句なし。この枠だが、押して先行。道中のペース自体は大して速くなかったが、逃げたエディンにずっとプレッシャーを掛け続けて、4角も手応え良く先頭。一旦は後続を完全に突き放してやったかの感じだったが、今日は相手が悪かった。切れる脚がないので、こういった早目早目の競馬が合っている。最近は芝ばかりだが、北海道へ出て来るか、ダートへ出て来た時が狙い目に。

キャトルフィーユ

前後肢にバンテージ。この馬独特の歩様。力感有って、皮膚を薄く見せる。ケイアイエレガントの先行策に乗って好位。折り合いも付いて、スムーズな競馬は出来た。強いて言えば4角で少し外を回され過ぎた感も有り、ここがもう少し内を回れていれば単独2着の可能性も高いのだが、フーラブライドと併せ馬の形にはなっており、差し引きゼロだろう。今日はフロックではなく、何れにしても力は付けている。

アロマティコ

何時ものこの馬。歩様も悪くない。出遅れ1馬身不利。ただ、後方からの競馬は何時ものこと。ただ、今日は珍しく掛かっていた。4角で外へ出さず、内へ突っ込む判断は悪くなかったが、もう一脚がなかった。これが掛かった影響なのか、ハンデなのか微妙だが、どちらにしても今後余程相手に恵まれない限りは重賞を勝つ場面はなさそう。

ノーブルジュエリー

-6kg。数字よりは馬が軽いのだが、まずまず。しっかり踏めていた。行く気なく中段やや後方から。道中はフーラブライドの内に居たが、頭を上げて行きたがる場面、4角では逆に置かれて後方。それでいてここ迄追い上げて来たのだから能力は有る。ただ、これで引退とのこと。使えばチャンス有りそうだが、規定だけに。

第48回報知杯フィリーズレビュー(GⅡ)

ベルカント

2人曳き。前後肢にバンテージ。-6s。馬体は牡馬相手でも負けない迫力。最初から行く気がなく好位のイン。下見は少しイレ込んでいたのが、レースに行ったら折り合いが付いていた。あとは前を可愛がるだけ可愛がって追い出すタイミングだけ。インからキッチリ抜け出した。ただ、今日の内容で距離云々は論じ辛い。新味は出たが、ベストはハナ。

ニホンピロアンバー

2人曳き。歩様が硬いので、ダート向きは間違いないのだろうが、デキは目立った。好発。内からフクノドリームには抵抗されたが、出脚が違っており、相手も諦めてハナへ。結果的にフクノドリームが良い壁役になった。1000m通過が58.4秒と大して速くない上に4角迄単騎で回って来て、ベルカントが内から交わす展開もこの馬には良かっただろう。全てが上手く行った。ただ、出脚が有るのは間違いないところ。オープンでも1200mなら行ったきりの場面は十分有るだろう。

エスメラルディーナ

前後肢にバンテージ。まだ少し馬が緩いが、馬体そのものは上位。ニホンピロアンバーの先行策に載って好位の外。距離短縮ということも有るが、前に壁がなくても折り合いは付いていた。直線もジワジワ来ているが、中々手前が替わらなかったのと、内有利の馬場で結果的に外枠が応えた印象。馬は頑張っている。絞れさえすればここでも勝てる馬。

アドマイヤビジン

2人曳き。バランスの取れた馬体。キビキビ歩けていた。出脚は有る馬だが、この枠でも有り、中段で折り合いに専念。ただ、それでも少し行きたがっていた。3角過ぎから馬の気に任せて進出、4角の雰囲気は悪くなかったが、今日の展開で外を回されるとキツい。最後の脚は決してヒケを取っていない。内枠なら折り合いも付く筈で、次走穴で一考する手も。

ホウライアキコ

2人曳き。+6kg。イレ込むのは仕方がないが、少し細く映った。ジワッと先行。多少怪しいところも有ったが、折り合いも付いていた。ただ、4角でエスメラルディーナに締められ、行き場をなくし、バラける迄少し待たされる場面。立て直してからは来ているが、元々がスパッと切れるタイプではないだけに、こうなるとキツい。少なくとも力負けではないのだが...。

第50回中日新聞杯(GⅢ)

マーティンボロ

2人曳き。前後肢にバンテージ。気配の良さが目立った。馬体もキリッとしている。出たなりで中段から。1角の先行争いを避けたのも正解だったが、道中で少し縦長になったことも有り、極端に外を回されずに済んだのは良かったか。4角からはラブリーデイを目標に直線の叩き合いを制した。54kgが恵まれていたとはいえ、外枠を克服したのだから立派。本格化。

ラキシス

前後肢にバンテージ。筋肉の付き方は牡馬にもヒケを取らない。ゲートが少し悪かったが、好発も、あまり無理せず出たなりで好位。上手く流れに乗った。ただ、4角での反応が案外。手応え以上に伸びているのは間違いないのだが、少し案外感も残った。牡馬相手にこれだけ走れば充分とはいえ、左回りはあまり良くないかも。

ラブリーデイ

2人曳き。+6kg。少し余裕残し。気合乗りは良いが。道中は中段から。ただ、下見での気合の良さが裏目に出たか、道中は少し掛かり気味。最後もそれなりに伸びているのだが、着差が着差だけに惜しいところ。ハンデ差を考慮すれば実質的な勝ち馬になるが、初重賞制覇のチャンスを逃したのも事実。

ユールシンギング

2人曳き。ちょっと腹回りがボテッと映る。ゲートは出ているが、内外から行かれてしまい最後方から。後方にいる分には折り合いも付いていた。4角だけでなく、直線でも少し押し競饅頭になる場面も有ったが、最後の脚は一番目立っていた。スローを考えると惜しい内容。絞れればもっとやれる筈で、新潟戦辺りに出て来た時が狙い目に。

トウカイパラダイス

遮眼革。前肢にバンテージ。久々だが、キッチリ出来ていた。好発。大外からサムソンズプライドがハナを主張して好位のイン。流れにも乗れていたし、直線向いて一旦は抜け切っているのだが、坂を上がって甘くなってしまいここ迄。休み明けは言い訳になるが、中京は得意コースだけにどうなのかという部分も有る。こういうところに厩舎技量が出る。

第51回報知杯弥生賞(GⅡ)

トゥザワールド

2人曳き。暖かくなって毛ヅヤが良化。迫力有る造りは血統。歩様の伸びやかさが素晴らしい。ゲートは速くないが、ジワッと中段。乗り役は何処かで内へ入れたかった様に見えたが、それが叶わずずっと外を回される形。どうしようもないので、4角で一気に脚を使って坂下で締め切って先頭。流石に苦しくなったが、一杯一杯振り切った。今日は乗り役のミス。馬は強いと言えば強い。東京向きかどうかが少し微妙な面も有るのだが、回り脚は速そうで、中山は間違いなく上手い。

ワンアンドオンリー

+10kg。トゥザワールドの直後で霞んでしまっていた。もっと増えても良い位。出脚が速い方ではなく、後方でジックリと。トゥザワールドが動いた際に2テンポ待って、といっても通常の感覚ならこれで正常な仕掛けだが、追い出し、トゥザワールドが失速、並んだところがゴールだった。今日はトゥザワールドのミスで、現段階では能力差有ると言わざるを得ないのだが、昨年よりは確実に強くなっている。厩舎の悲願分が若干重たい気もしないでもないのだが、上昇度ではNo.1。東京迄には間に合うかも。

アデイインザライフ

まだ少し馬が緩い。スケールは感じるが、もっと絞っても良い位。今日はゲート出て中段のイン。折り合い面も問題なく、内でセコい競馬は出来た。ただ、この時計で決着するなら、馬場もそれなりに悪く、決して内一辺倒の馬場状態でもなかったのだろう。それだけに評価が難しいのだが、権利が取れたのは大きい。こういった競馬が出来た経験も大きく、何より絞れればもう少し前進も可能。

エアアンセム

2人曳き。前後肢にバンテージ。毛ヅヤがピカピカ。筋肉も浮いて、完成度が高い。ゲートは出ているが、行く気なく後方から。早目に外へ持ち出した迄は良かったが、目の前に居たワンアンドオンリーが前を追って行かず、自力でトゥザワールドを追い掛ける形。ワンアンドオンリーが行ってくれていれば、3着は有った気も。ただ、それはあくまで他力。上位とは力量差が有る。

キングズオブザサン

前肢にバンテージ。馬体にボリューム感は有るが、寸の詰まった体型。出遅れて、後方の内ラチ沿いをピッタリと。4角でも外へ持ち出せず、馬群の中で突っ込んで行く形。狭いところをそれなりに伸びているが、出遅れたのが痛かった。

第9回夕刊フジ杯オーシャンステークス(GⅢ)

スマートオリオン

シープスキンノーズバンド。-6kg。連闘だが、更に上昇。歩様も落ちていない。ゲートが吸少し悪かったが、押して好位のイン。ハクサンムーンとの間に入られるとあとから一手間掛かるところで、常に他馬に入られない程度の距離を取り、直線でハクサンムーンの手応えがないと見るや否や、最内から一気の伸び。馬も強かったが、今週も乗り役が冴えていた。ただ、ハクサンムーンを除けば相手が大概。次走は厳しそうだが。

スノードラゴン

シープスキンノーズバンド。前肢にバンテージ。何時ものこの馬。トモの送りが少し硬いのも何時ものこと。ダートでも芝スタートの中山1200m等、悪くない出脚は見せていた馬だが、流石にジックリと。アドマイヤコジーン産駒でトビが大きいのだが、今日は外枠で揉まれずに行けたのが良かった。少し前が詰まる場面は有ったものの、前が開いてからはダイナミックなフォームで伸びている。次走も道中の運び次第。中京自体は合いそう。あと、今ならマイル位でも走れる筈。馬券的にはこちらが狙い目。

レッドスパーダ

+6kg。少し太く映った。歩様は悪くないが。この距離でも出脚は速く、ジワッと好位。器用さ一本で食っている馬で、今日もジワジワ来ているが、スノードラゴンの方が脚が良かった。今日は外枠から先行している分も有るが、自分の力を出し切れれば堅実。ただ、これも道悪はサッパリのクチ。外枠で助かった分も有る。

インプレスウィナー

少し腹回りがボテッと映る。この馬にしては気配を表に出していたが。この馬としてはゲートも出た方で、中段のイン。勝ったスマートオリオンの直後で展開は絶好。そのあとを追い掛ける様に伸びて来たが、一瞬3番手に見えたが、最後に甘くなってレッドスパーダに差されてしまった。数字上は出来ていたが、一回叩いていればという内容。

アフォード

-6kg。キビキビ歩けていた。毛ヅヤも上々。今日はゲートが悪く、後方から。ただ、前走引っ掛かっており、その轍は踏まず、折り合いは付いていた。4角は少し早目に動いて、スノードラゴンを締め切った筈が、相手に脚でコジ開けられ、もう一伸びが利かず。昨年も5着だったが、重賞だとこんなモノ。

ハクサンムーン

2人曳き。返し馬までパシュファイヤー。この馬の迫力は有って、一応は出来ていた。最近のこの馬としては出ない方だったが、出脚は抜群に速く、一気にハナへ。600m33.9秒ならこの馬としてはマイペースだが、4角で一瞬ノメる場面。直線は無抵抗だった。ゲートがアテにならないのは今更で、今日は微妙に緩い馬場が原因だろう。パンパンの良馬場なら巻き返し必至。

第21回チューリップ賞(GⅢ)

ハープスター

この厩舎独特の筋肉の造り。歩様もしっかり踏めていた。ゲートは出ているが、前回の轍は踏めず、今日は最初から外を回すつもりで後方から。4角手前で何時でも動ける外へ持ち出し、追ってからは単純に脚が違っていた。特に坂を上がる時の回転数と、ゴール前で流した時の飛距離が別次元。父馬同様に、飛ぶ様に走っている。手の内はバレバレになったが、それでも阪神外回りなら力が違う筈。左回りだともう一段ギアが有りそうな印象も有る。

ヌーヴォレコルト

前肢にバンテージ。全体に小さく纏まっていたが、輸送減りがなかったのは何より。ゲートが少し悪かったが、外枠だけにジワッと中段。前に壁はなかったが、折り合いは付いていた。ハープスターは大外で1頭違う競馬だったが、直線は3〜4頭の叩き合いから、坂を上る脚でグイッと出て2着浮上。充分力は示した。次走、再輸送になるのがどうかだが、このコースで結果が出たのは大きい。

リラヴァティ

前後肢にバンテージ。数字の割に歩様が力強い。気配も光った。外枠だが、仕掛けてハナへ。逃げるのに少し脚を使わされた様にも見えたが、1000m通過59.4秒ならベストのペース。それ程早目に来られている訳ではないが、坂を上るところで並ばれてからが渋太く権利は確保。最後はスタミナというよりパワーの差。上位とは能力差有るが、馬主にとっては権利が取れたのは何より。

ブランネージュ

2人曳き。少し気負っていたのと、腹が巻き気味。出脚は速かったが、控えて中段。折り合って、リズム良く流れに乗れていた。追ってからの反応も軽快で、一瞬は2番手かの脚勢だったが、坂を上がって脚が鈍った。完全なパワー不足。器用さは有るが、まずは馬体回復が先決。

ウインリバティ

背丈が小さいだけで馬体のバランスは悪くない。出遅れ1馬身不利。そのまま後方でジックリと。4角回ってハープスターと一瞬だけ並走。勿論、並ぶ間もなくだったが、フォームは重心が低く、良く伸びていた。ゲート出ていれば際どい競馬になっていた。

第88回農林水産省賞典中山記念(GⅡ)

ジャスタウェイ

+6kg。少し緩い。満点はやれない。横山典弘騎手だけに、戦前から想定出来たが、押して押して好位のイン。ここで折り合ったのが全て。逃げたトウケイヘイローが苦しくなってラチ沿いが開いたところを一気に突っ込んで直線は突き放す一方だった。完全に本格化。昨秋東京戦時に4歳秋に東京で爆発したのは父をなぞると述べたが、その後中山でも強いところも父をなぞる。今日の競馬なら外を回っても勝っていただろう。

アルキメデス

パシュファイヤー。前後肢にバンテージ。気性面では問題有りそうだが、マイラー気味の体型だが、馬体はシャープ。トウケイヘイローが出遅れて、結果的に先行の隊形が決まらぬまま1角へ。もう少し前に行きたかったところだろうが、中段やや後方。ただ、インへ潜れたのは不幸中の幸いだったか。4角でロゴタイプの直後。馬群もスムーズに捌いて、最後の最後で2着浮上。一線級と当たるのは今回が初めてだが、今日は決して楽な競馬ではなかったところで、評価出来る2着。香港遠征だそうだが、充分圏内。

ロゴタイプ

+12kg。前肢にバンテージ。太目感はない。つまりは成長分。出脚は速かったが、ラチ沿いをジャスタウェイに取られ、道中はその直後から。その分、4角の仕掛けが早目にならざるを得なかったか。一旦は2番手だったが、坂を上がって甘くなり、決勝線寸前で3着に。ジャスタウェイの位置なら2着は有っただろうが、ただ、アルキメデスを相手に如何なる理由が有ろうとも負けてはいけないところ。休み明けは一応言い訳になるものの、失望の敗戦。

マイネルラクリマ

2人曳き。姿勢が少し高いが、骨格のしっかりした馬で、数字以上に大きく見せる。横位置ではハナ迄行ったが、外枠でも有り、叩く迄は行かず好位の外。前に壁がなくとも折り合い付いてスムーズに運べたが、コースロスは大きかった。特に上位3頭は4角で全てインに居り、開幕週では尚のこと厳しかったか、ただ、逆にいえば力負けではない。暮れの阪神戦等、時々ダラしない時も有るのだが、総じて見れば少しずつ内容が良くなっている。

ヴェルデグリーン

しっかり踏めていた。気配は大人しいが、最近の中でも良い方。出脚が鈍く、道中は後方から。ただ、この馬の場合はマクり身上で、外へも出せず、インも突けずで、苦し紛れに回って、直線は馬場の真ん中へ。今日は消化不良。距離も短いが、最内枠が良くない。

トウケイヘイロー

前肢にバンテージ。キッチリ出来ていた。文句なし。ゲート内の駐立が悪く、潜りそうになったところで開けられ、大きく出遅れ。それでも果敢に行き切って、2角でハナ。道悪とはいえ、1000m通過が61.1秒ならスロー。一応の格好は造ったが、流石に甘くなった。ただ、この形でバタッとは止まっていない。力は見せた6着。

第58回阪急杯(GⅢ)

コパノリチャード

+6kg。前後肢にバンテージ。デキは高値安定。落ち着いていた。今日もちょっとゲートが怪しかったが、最内枠でも有り、何が何でもハナへ。今日はこれが正解。結構早目に来られているが、良いスピードで飛ばしている分、後続も脚を使わされている。直線入口で突き放して勝負有り。最後は4馬身差の圧勝だった。ただ、昨秋の京都戦で触れた通り、あくまでダイタクヘリオスの生まれ変わりで、スムーズでなければ脆い。次走1200mでハクサンムーン相手。普通なら厳しいところ。

サンカルロ

+4kg。年齢分は有るのだが、昨年暮れよりは良い状態。この馬にしてはゲート出ているが、出脚がサッパリで後方から。流石に最近は引っ掛かる場面はなくなった。何処かで外に出したかっただそうが、外は全く開かず、苦し紛れにインに突っ込んだら、前が上手く捌けて2着浮上。阪神1400mは得意コースだが、今日は結果オーライ。前が追っ掛けバテした感も有り、実質的には4,5着の競馬。

レッドオーヴァル

前後肢にバンテージ。チャカついていたが、この馬なりに馬体はフックラ。毛ヅヤも良くなっている。少しゲートが悪かったが、仕掛けて中段。仕掛けた分、少し行き振りが良過ぎて道中は掛かり気味。それでも4角でがまんさせて格好は造ったが、追ってそれ程切れる脚を使えなかった。ただ、馬場状態もかなり影響している筈。非力なだけに、パンパンの良馬場でやりたいのだが、中々願いが叶わない。

ガルボ

前後肢にバンテージ。左後肢の出が少し悪い。馬体は良かったが、ややデキ落ち。この馬にしては出脚が少し怪しかったが、積極的に乗られて好位から。ペースもそれなりに速かったが、4角は自力でコパノリチャードを捕まえに行く形。坂を上がる脚で差が有り、最後は苦しくなってしまったが、今日の展開では止むを得ないところ。この馬としてはもっとスローで競馬したかった。

エピセアローム

前後肢にバンテージ。毛ヅヤは冴えないが、牝馬にしては迫力が有る。出たなりで中段。バラけた位置で、上手く揉まれずに競馬が出来た。先に仕掛けたガルボを目標に、一旦は3番手だったが、そこからが甘い。少し外を回った分は有るが、折り合い面を考えると展開的にはドンピシャだった筈。現状は1400mでも少し長いかも。

ダノンシャーク

2人曳き。+4s。前後肢にバンテージ。キッチリ出来ていた。デキは満点。ゲートが少し悪く、最初は後方に近い位置だったが、仕掛けて3角で中段。4角では好位に取り付いていた。1番人気だけにこの競馬で仕方がないのだが、追ってからが案外。やはりこの馬は良い脚が長く続かない。あくまで自分の競馬に徹するべきタイプ。今日はコパノリチャードがこの馬にとって最悪のペースに持ち込んだ分も有るのだが、基本的には1400mが向かない。

第23回アーリントンカップ(GⅢ)

ミッキーアイル

-6kg。イレ込んでいないのが何より。今日もキビキビ歩けていた。またしても好発。出脚も速く、スッとハナへ。マイペースだが、3角で後続に4馬身、4角で7馬身抜けていた。直線入口で一回引き付けて、追い出してからは差が開く一方。オイデオイデの大楽勝。ここではスピードが違っていた。次走、東京戦直行だそうだが、相手が楽過ぎて苦しい状況を経験せぬまま来てしまった。東京マイルでその点がどうか。スピードは間違いなく最上位だが。

タガノグランパ

2人曳き。-8kg。馬がここに来て良くなっている。腹回りが絞れて来た。流石にミッキーアイルとは出脚が違ったが、ジワッと2番手。一瞬だけ行きたがったが、直ぐに折り合いも付いた。4角でミッキーアイルを捕まえに行った馬も居たが、徒に動かず直線迄待ってからの追い出し。前とは差が開いたが、2着は悠々確保。最初から着狙いだった様な気もしないでもないが、渋太いところは見せた。賞金加算出来たのも大きい筈。

フェルメッツァ

前後肢にバンテージ。まだ馬は緩いが、馬を大きく見せる。歩様も力強い。好発。ゲートは一番速かった位だが、今日は最初からの決め打ちで離れた最後方。ミッキーアイルへ後続がもう少し追い掛けてくれれば良かったが、2番手のタガノグランパが積極的に行かなかったことで、この馬には苦しくなった。それでも、この形なら折り合いが付く様になったのは収穫。取り敢えず自分の型は出来た。

タガノブルグ

2人曳き。デキは悪くないが、テンション高く、寸詰まりの造り。出脚はなさそうで、道中は中段。インへ入れて折り合いを付けようとしていたが、メンバー中では一番その部分が怪しかった。4角で同馬主タガノグランパと並走、後続に居た組では少し早目に動いたが、最後に脚が上がって4着に。恐らくはこの距離でも長い。

マキャヴィティ

-13kg。馬体減だが、見た目には重量感が有る。ただし、気配は地味。少し出し気味に2番手。タガノグランパが並び掛けて来た際に控えて、タガノグランパと一緒になって我慢していたが、その割に追ってからの脚が甘かった。休み明けは言い訳になるが、少し決め手が甘いかも。