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競馬回顧 2014年2回京都

第48回共同通信杯(トキノミノル記念)(GⅢ)

イスラボニータ

しっかり踏めているのが何より。馬体がこじんまりと映るのは何時ものこと。好発。出脚も強力に速かったが、この時期にハナへ行く訳にも行かず控えて好位のイン。流石に暫く行きたがっていたが、3角手前で折り合いが付き、そこからはスムーズ。直線は待てるだけ待って、早目に来たサトノアラジンを行かせてから外へ。57kgも関係なく楽勝だった。この相手では力が違った。競馬に対する課題がないのも良い。ゲートもクリアし、これなら中山も問題ないだろう。ただ、馬体から距離延びて良いタイプではなく、ダービーはやや厳しい筈だが、現段階ではこの馬が皐月賞の真打ち。

ベルキャニオン

線の細い馬だが、そこはディープインパクト産駒。キビキビ歩けていて筋肉が浮いていれば力は出せる。ゲートは少し悪かったが、出脚と枠でカバーして中段。一応は折り合っていた。4角でイスラボニータの直後。ここ迄持って来れれば捌くのは容易で、イスラボニータの外へ持ち出す余裕はなかったものの、内から馬群を割っての2着。一応、イスラボニータが強過ぎるだけで、ドングリの背比べの中には居る。

サトノアラジン

大分重量感が出て来た。少しずつでも馬は良くなっている。ゲートは出ているが、折り合いに専念している内に自然と番手が下がり、3角で後方4番手。向正面に居る間もスムーズさを欠いていたが、3角からも引っ掛かってしまい、外を回って4角で好位。この3着はむしろ良く残せた方だろう。ただ、折り合い重視で色々やって来た筈だが、今日は賞金加算も出来ず、全てが台無しになる敗戦。少なくとも春は厳しそう。

マイネルフロスト

途中から2人曳き。シープスキンノーズバンド。前後肢にバンテージ。少しイレ込んでいた。馬体は悪くないが、少し歩様が硬い。ゲートは互角。何とか折り合いを付けようと前を壁にしたりしていたが、このスローでは中々上手く行かずどうしても掛かり気味。4角ではほぼ後方に近い位置迄押し込まれていた。ただ、追ってからの脚は目に付いた。トビが大きくダイナミックなフォームでサトノアラジンとクビ差なら良く追い込んでいる方だろう。課題も目に付いたが、能力は持っている。

ピオネロ

-10kg。前後肢にバンテージ。絞れたと見て良い。メリハリの利いた造りで歩様もキビキビ。戦前は先行策を考えていた様だが、自分より外の馬の方が出脚が速く、後方で折り合いに専念。今日の展開では苦しいのも確かだが、脚が有ればマイネルフロストには先着出来た筈。この2頭に能力差は有りそう。期待の東京でこれでは厳しい。

第31回フェブラリーステークス(GⅠ)

コパノリッキー

前走中山戦より毛ヅヤが良くなっていた。上位数頭を除けば馬も負けていない。好発。出脚も一番速かったが、内からエーシントップが主張して2番手。ペースが遅いのは、恐らくエーシントップにはダート適性がないからだろうが、何れにしても終始手応えが良く、坂を上がって先頭に立った段階で何とかなりそうな雰囲気だった。スローは有るが、見た目には完勝。実際、3歳時には素質を高く評価されていた馬で、兵庫のGW戦で圧勝している様に同世代のベストウォーリアよりは上で最低人気は過小評価過ぎたか。本当のGⅠのペースに慣れる迄、暫く時間が掛かるかも知れないが、少なくとも地力そのものは互角。出脚も速いので、王者として長期政権となる可能性も。

ホッコータルマエ

前肢にバンテージ。今日はテンション高い。馬は良くも悪くも変わらないのだが。コパノリッキー、ダノンカモンが行って、それに乗る形で好位の外。スローでこの位置が取れたのは大きかった。4角はブライトラインの仕掛けに内から併せる形で進出。坂を上がって相手の脚色が鈍る中、この馬だけが唯一バテずにコパノリッキーを追い掛けたが、前も止まらず最後は同じ脚色になってしまった。上手く運んではいても、決め脚のなさが出た格好。

ベルシャザール

2人曳き。前後肢にバンテージ。もうチョイ絞れても良いだろうが、ダートだけに充分合格点。出脚が付かず、一旦は後方。今日はこれが痛恨。3角から外を回る以外になく、後方に居た組では良く追い込んでいるが、前とは途方もなく離れてしまっており、競馬が終わった後。1番人気に相応しい力は示した3着。ただ、前走阪神戦にしてもゲートが悪く、出脚が課題になる。今日でも簡単に叩かれ過ぎ。

ノーザンリバー

前肢にバンテージ。今期はデキが良い。迫力で一線級とはいえないが、キビキビ歩けており、気配が良かった。内枠に居た組では出脚が速かった方で、ジワッと好位。折り合いも付く馬で、スムーズに流れに乗れていた。ただ、直線はスローで馬群が密集し、かなり窮屈になっていたが、捌いて捌いて最後は最内。忍者の様に忍び寄ってここ迄。上手く乗れていれば3着も有った内容。馬力で上位とは差が有るが、器用さは現役でも屈指。

ブライトライン

数字は増えていたが、前走よりは馬に張りが有った。絞れたのが良いのは確かでも、叩いて上昇。外の馬とは出脚で差が有ったが、中段から。スピードが有るだけに、このペースでは少し掛かり気味。それでも4角ではホッコータルマエにプレッシャーを掛ける等、格好は造っているが、坂を上がって失速。パワーが出た印象。スピードで勝負する馬が一度叩かれる展開になっていては厳しい。折り合い面は有るが、勝ちに行くならコパノリッキーに付いて行く位でないと。

ワンダーアキュート

2人曳き。パシュファイヤー。前肢にバンテージ。東京で多少煩いのは許容範囲だが、年末の方が雰囲気は良かった。ゲートは出ているが、余り行く気なく中段。折り合いは付いていた。ただ、直線向いて前がズラッと壁。中々外へ持ち出せず、マトモに追える様になったのはラスト200m。消化不良の一戦に。ただ、最後の脚は一番光った。苦しい状況下でも諦めずに走れるところは堅実派。

ニホンピロアワーズ

シープスキンノーズバンド。-16kg。絞れたと見て良い。迫力は落ちておらず、馬は上位。この枠でどうかと思ったが、中段でマトモに揉まれ込む格好。最後は走る気をなくしていた。こうなるとダメ。今日は参考外。

第48回小倉大賞典(GⅢ)

ラストインパクト

+6kg。元々が細身。メリハリの利いた馬体で、デキは上々。出遅れ1馬身不利。掛かりそうになっていたが、1角で外へ持ち出し、そのまま行かせて2角でハナへ。スローになり掛かっていただけに、自分でペースを握ったのが正解。ただ、そこからほぼワンラップで押し切っており、単純に能力が違っていた印象も。こういうタイプはイマドキのディスタンス戦で強い。京都挑戦なら穴馬になる。

カフナ

2人曳き。トモの張りが戻って来た。気配も表に出て来ており、むしろ休養前より良くなっていた。1角を5頭雁行で飛び込む展開となり、その直後。そのままなら絶好の展開だったが、ラストインパクトが動いて、それに呼応した馬も数頭。下手すると位置取りが悪くなる危険も有り、少し外へ持ち出して、馬群の切れ目で一気に仕掛けた分の2着。ラストインパクトは強かったが、こちらは乗り役が掴んだ形。

プレイズアトレイル

2人曳き。-14kg。テンション高いのはマイナスだが、馬体減は絞れただけ。毛ヅヤも悪くない。出遅れも、上手く立ち回って中段の外。ただ、ラストインパクト等が動いた際に、少し連られる場面。マイルでも折り合いに気を遣う馬で、内へ入れて折り合いに専念したのは選択として止むを得ないが、今日の展開では仕掛けが遅れる形にもなった。

ゼロス

前後肢にバンテージ。馬は迫力が有って一番良く見せた。好発。1角の先行争いに首を突っ込んでいたが、引いて2番手。前述の通り、出入りの激しい展開になり、決して楽ではなかったが、3角でハナのラストインパクトの直後に潜り込めたのは不幸中の幸い。序盤の行きたがっていたロスも含めて、一息つける形にもなった。それでも差し引きすればまだマイナスの方が多かった筈だが、僅差の4着。スムーズなら馬券になる馬。

アロマティコ

馬体は変化ないが、しっかり踏めていた。例に依って後方で折り合いに専念。前は出入りの激しい展開になったが、何時も通りの直線勝負。ペースもそうだが、馬場状態も内有利で、大外ではちょっと厳しいところ。最近は限定戦がスローばかりで突っ込み切れていないが、脚は持っている。今後も展開一つ。

第64回ダイヤモンドステークス(GⅢ)

フェイムゲーム

前後肢にバンテージ。数字通りの迫力だが、歩様にバネが利いている。ゲートのタイミングが合わず、大きく出遅れて道中は離れた最後方から。ただ、長距離のこの形はかつてのソングオブウインドの様に、折り合い面でプラスに出ることも多く、今日もそのパターン。長手綱プラプラで折り合っており、脚に自信が有ったのか、2周目向こう正面半ばから徐々に動いて、4角で好位、坂下で先頭。坂を上がってからは流石に苦しくなっていた様にも見えたが、後続も脚が上がっており、そのまま押し切った。今日は道中で折り合えたのが勝因。京都戦挑戦も視野に入るが、これを毎回期待するのは酷。

セイクリッドバレー

馬体の張りに年齢も感じるが、毛ヅヤが良いのと、歩様はしっかりしていた。ゲートは出ているが、行きたい馬に行かせて中段のイン。引っ掛かる馬が多い中、フェイムゲームを除けば、一番折り合っていた。直線は最初内へ潜り、坂を上がって外へモタれる等、フラフラだったが、渋太く伸びて2着。左回りは得意とするところ。上がりがソコソコ掛かったのも幸い。

タニノエポレット

-6kg。馬体は悪くないが、手先のスナップが利いていないのが気になった。少し出遅れ気味になり後方から。馬群の最後方だったが、1周目のホームストレッチ迄はかなり行きたがっていた。それでも追ってから迫力有る脚勢で伸びており、一旦は2番手だったが、最後に失速し3着に。長距離適性は間違いなく有るのだろうが、序盤に折り合いを欠いたのが敗因。ここが安定してくれば重賞でも上位クラスの馬。

ラブラドライト

キビキビ歩けていて、馬体もシャープ。戦前の想定通りにハナ。全くのスンナリではなく、多少の嫌がらせは有った様にも見えたが、道中は単騎。フェイムゲームに交わされてから、一瞬は差し返す素振りも見せていたが、直ぐに苦しくなって頭が上がっていた。上位とは少し力量差が有る。

メイショウジンム

前後肢にバンテージ。気配が地味なのはこの距離だけに気にならないが、歩様が硬い。道中は中段やや後方。道中ずっと外を回されて、直線もタニノエポレットに弾かれる様な格好になっていたが、前とは差の有る5着。距離自体は問題ないとしても、力差もそれなりに有りそう。

第49回デイリー杯クイーンカップ(GⅢ)

フォーエバーモア

シープスキンノーズバンド。後肢にバンテージ。馬体はそれ程目立たないのだが、その割に歩様がしっかり。先々考えるともう少し矯めて行きたかった筈だが、マトモに引っ掛かり2番手。一瞬は落ち着く場面も有るのだが、ところどころで噛んでいた。それでも直線は余力充分。我慢するだけ我慢して、坂を上ってからの追い出し。着差は僅かでも、抜け出すとフワッとする部分も見せており、単純に力が違っていた。折り合いは課題になるが、前走阪神戦から1000m通過で2.6秒遅いペースで止むを得ない面も。充分矯正出来る範囲だろう。

マジックタイム

+12kg。前肢にバンテージ。数字分がそのままパワーアップ。歩様が力強くなって、馬が張っている。ゲートも少し悪かったが、出脚が怪しく後方から。直線向いて中々前が開かず、かなり待たされたが、ただスローで馬群が横一線となり、その影響は軽微。むしろ結果的には脚が矯められたか。フォーエバーモアが強過ぎて、今日はどう乗っても2着だが、折り合い面に不安はなく脚も持っている。西下せず東京戦目標にする様だが、悪くない選択。

ニシノアカツキ

前肢にバンテージ。小走り入るのは許容範囲。ただ、トモに張りが有る割に腹が巻き気味。ゲート自体は一番速かったが、行く気なく後方から。折り合いは完璧ではないものの、比較上はマシな部類。直線は左手前のままながら、スローの大外ブン回しでその中では最先着。この馬にとってはこれがベストなのだろうが、今日は展開に泣いた。ただ、雪の影響で外が伸びる馬場でも有った。上位2頭と互角の評価と迄は言えない。

プレミアステイタス

2人曳き。シープスキンノーズバンド。前後肢にバンテージ。テンション高いが、馬体はボリューム感が有る。1枠2頭が出遅れて助かっただけで、出脚は遅く、何とか中段。内で我慢させて、直線も前が開いたが、一瞬でマジックタイムに抜かれ、そこ再び盛り返して接戦の4着。未勝利上がりでこれだけ走れば充分だが、現状は決め手不足。500万で人気になっても過信は出来ないところ。

デルマサリーチャン

もう少し絞っても良い位。ゲートは出ているが、後方迄下げてインを突く策。スローの中、上手く捌いて来れたが、今週は内目に残雪の影響が有るのか、インが伸びないケースが多く、この馬も例外ではなかった様。一瞬の反応は3着位有りそうだったが。とはいえ、500万でも完敗続きの馬。次走も手は出し辛い。

サクラパリュール

前肢にバンテージ。馬体そのものは悪くないが、迫力不足。トモに力がなかった。出脚速く、スッと好位。道中はずっと力んでいたが、それはフォーエバーモアも似た様なモノで、この馬は直線向いたら余力なし。条件も悪かったが、今日は失望の敗戦。

第64回東京新聞杯(GⅢ)

ホエールキャプチャ

この馬にしては歩様も悪くない。昨季から好調を維持出来ている。半馬身程出負けしたが、この馬としては許容範囲。それでも今日は積極的に乗られて中段。直線で手応え充分に馬場の良い外目へ持ち出されると坂を上り切った段階で今日は勝ったという気配。完勝だった。発表は重馬場だが、恐らく雪の影響で馬場状態にムラが有ったことは想像に難くなく、いいところを通って来たことは間違いないにしても、57kgを背負ってこの勝ち振りは立派。関西馬がどれだけマトモだったかという問題を差し引いても、東京マイルの適性をいえば牝馬では抜けている。

エキストラエンド

前後肢にバンテージ。前走京都戦の方が明らかに良かった。再輸送の影響だろう。これもホエールキャプチャと同じレベルで出遅れ。ただ、道中の手応えが多少怪しく、最初からオッツケ気味。ホエールキャプチャが最初に外へ持ち出し、馬群の中へ突っ込んで行く形になったが、結果的に捌いている間に馬場の悪い内目へ。見た目以上に苦しい競馬を余儀なくされた。2着は首の上げ下げだが、悪条件でこれだけ走れば上等。今日は無理をした面も有り、これで放牧も正解だろう。

クラレント

気配に乏しいのは何時ものこと。逆にいえば関西馬の中では、輸送の影響が一番少なかったかも。出脚は有る方でスッと先行。珍しく折り合いは怪しかったものの、坂下で先頭。形は作ったが、そこから一旦馬群に吸収されそうになり、再び盛り返しての3着。強いのか弱いのか良く分からない内容。東京マイルの適性と渋太いのは確かだが...。

コディーノ

+8kg。まだ馬体が細く映る。もっと増えても良い位。好位直後で折り合いに専念。4角で多少力んでいた様にも見えたが、ホエールキャプチャに交わされながらも一瞬は2番手の場面。そこからがダラしなかった。良い脚が一瞬しか続かない。マイルでも脚の使いどころに難しさが有る。現状だと1400m以下がベスト。ただ、馬体に迫力がないので、揉まれるとそれはそれで厳しいのだが。

サトノギャラント

+8kg。多少太いが、充分走れる状態。毛ヅヤも良かった。出遅れ1馬身不利。道中はそのまま後方で待機していたが、直線で何処へ出すか一瞬迷って、ホエールキャプチャの通ったところへ。結果的にこれが正解。元々が重賞級ではないだけに、今日はここ迄だが、この馬の力は出し切れた。

ショウナンマイティ

2人曳き。前肢にバンテージ。少し馬が緩んで映る。良い時の迫力に欠ける。出遅れ1馬身不利。後方待機も含めて、何時もの競馬だった筈だが、追って案外。デキがないと走らないタイプで、今日は仕方がないところか。

第107回農林水産省賞典京都記念(GⅡ)

デスペラード

シープスキンノーズバンド。+14kg。太いのは確かだが、歩様が力強い。デキは間違いなく良かった。押して押してハナ。単騎で行っての1000m通過63.7秒は超スロー。成り行き各馬も早目早目。一旦は完全に吸収されて、トゥザグローリーには半馬身出られ、トーセンラーにも並び掛けられているのだが、そこから盛り返して3/4馬身差。他馬が馬場状態に殺された印象で、パワーの有るこの馬がバテなかった。今春京都戦は毎年特殊な馬場状態になるだけに厳しいだろうが、北海道戦で狙い目となりそう。

トーセンラー

+14kg。それ程太くは見せないが、もっとスカッと見せた方が走る。テンション高いのは気にならないが。例に依って後方で折り合いに専念。更に後ろに居たトゥザグローリーが坂の下りを利して一気に動いて行ったが、これは流石に早仕掛けでワンテンポ待ってからの追い出し。展開的にはドンピシャだった筈だが、手前が替わらず途中で止まってしまった。この馬場で58kg。条件が厳しいのは確かだが、昨秋にゴールドシップが凡走した際に3着、今回も似た似た様な状況で2着と、どうもチャンスを生かせない面が有る。

アンコイルド

+12kg。馬体には迫力が有るが、多少太目。それよりも、左後肢の出が若干怪しいのがマイナス。出脚は勝っていたが、デスペラードが主張して、少し抵抗しつつ2番手のイン。内で折り合いを付け、マクり合戦にもインで我慢させて悪い展開ではなかったが、向いてからが意外にジリジリ。内目の馬場も悪いのだが、もうちょっと伸びてくれても良かった。この条件で能力はそれ程ヒケ取るとは思わないのだが、少なくとも馬場状態の適性差は有るのだろう。

ラキシス

+10kg。前後肢にバンテージ。緩んだところもなく、更に上昇。ゲート内が煩く、出遅れ1馬身不利。ただ、出脚で直ぐに中段へ潜り込んでいた。直線はジリジリだったが、牡馬相手に牝馬がこの馬場で止まっていないだけでも大したモノ。前走も道悪だったが、根性で走るタイプ。

ヒットザターゲット

+8kg。数字分だけ太い。少し緩慢に映った。ギリギリ及第点。ゲートは出ているが、行く気なく後方から。4角迄はインに居て、直線は徐々に外へ持ち出して行ったが、この馬場とペースで後ろから行き過ぎた感は有る。最後の最後に伸びて来た印象。乗り方一つで馬券圏内有った筈だが。

ジェンティルドンナ

2人曳き。前後肢にバンテージ。馬自体は素晴らしいが、デキが良いかと言われると疑問も。少し緩く映った。出たなりで2番手。休み明けで折り合いが怪しいのは昨秋同様。それでも何とか我慢させて、格好は付いていた筈だが、トゥザグローリーに交わされた際に余力がなく、そのトゥザグローリーは何とか交わしたものの、ここ迄だった。もっと矯めた方が良いのは確かだが、前走東京戦の際に少し触れた通り、ちょっと出涸らし感も出て来た。少なくとも馬券的には買えない馬に。

第54回きさらぎ賞(NHK賞)(GⅢ)

トーセンスターダム

2人曳き。+10kg。少し緩いが、馬体増は良い傾向。ただ、少しイレ込み気味。何時も通り、後方、といっても前から6〜7番手だが、で最初から馬場の悪い内目は通る気がなく、馬場の良い外目でジックリと。今日"も"だが、急かさず、自分の競馬に専念。追い出した段階で、前とは7馬身程有ったが、今日はズブいところも見せず反応も俊敏。前が渋太い分、見た目にはジワジワだが、キッチリ捕らえて快勝。着差は僅か、バンドワゴンに粗相も有り、現段階では相手の方が強いが、少しずつでも内容は良くなっている。皐月賞直行とのことで、実質はスキップ。目標はあくまでダービーと考えれば、メドは立つ内容。

バンドワゴン

2人曳き。前後肢にバンテージ。横から見ている分にはボリューム感を感じないのだが、幅が有る。メリハリの利いた造りにも好感が持てる。スタート直後に一瞬乗り役がバランスを崩し、ダッシュ付かず後方から。馬が行きたがってしまったことも有り、直ぐに挽回して、600m程走ってハナへ立ち、ここからはスロー。昔の菊花賞ではないが、単騎で坂をゆっくり上って、ゆっくり下って来れた。直線向いて一旦は突き放し、何とかなったかに見えたが、外からトーセンスターダム。能力は示したが、着差が着差だけに、スタートのロスが痛かった。ただ、能力も証明。セイウンスカイ級の評価は出来る。

エイシンエルヴィン

+16kg。多少太いが、緩んでいる印象はない。ほぼ成長分。出脚は五分だったが、行く気なく内でそのまま追走。内外の差は有ったが、直線向いてトーセンスターダムと同じ位置。そこから1馬身遅れなら健闘したといって良い。未勝利上がりだけに、尚更だろう。自己条件には目もくれず、次走も重賞挑戦だが、充分圏内。

ピークトラム

馬体は数字通り前走と変わらず。もう少し右後肢が出て欲しいところ。ゲートは少し悪かったが、掛かり気味に好位。それでも、この馬としては折り合い面もマシだった方。それだけに直線はもう少し伸びて欲しかったが、3着とは3馬身差。競馬自体は少しずつ上手くなっているが、能力が重賞級ではない。

オールステイ

連闘で少しチャカついていた。馬体は変化ないが、歩様もキープ出来ていたのは何より。好発切ってハナ。直ぐにバンドワゴンが来て、2番手になったが、折り合いは付いていた。直線も脚勢としては止まっている様に見えないのだが、追って案外。トビが大きく、回転不足の印象も有る。

第28回根岸ステークス(GⅢ)

ゴールスキー

後肢にバンテージ。ダートにしてはスカッと見せる。歩様はバネが利いてしっかりしていたが。ゲートは少し悪かったが、押して中段やや後方から。3角迄はインに居たが、4角で外へ持ち出し、直線は乗り役の派手なアクションに応えて快勝。それ程、先行馬が不利になる展開にも見えなかっただけに、力が有ったということだろう。ただ、この馬が悪い訳ではないのだが、ベストウォーリアの様な若い馬は出走が叶わずに高齢馬ばかりが集まってしまい、結果的に相手が一線級ではなかった面も。

ノーザンリバー

前肢にバンテージ。馬体はそれ程目立たないが、外目を周回して好気配。芝、ダート問わず、器用さの有る馬で、ジワッと先行。上手く流れに乗って、直線で外へ持ち出して、追い出した時の反応からは勝ったかに見えたが、ずっと左手前のまま。その分、ゴールスキーに差されてしまった。前回の東京戦は馬場状態が原因だが、ベストは右回り。

シルクフォーチュン

この位の体重の方が良く見せる。以前よりイレ込まなくなったのは良し悪し有りそうだが。例に依って最後方。折り合いはスムーズに付いていた。直線大外も、何時も通りだが、追ってから時々変わらないケースも有る手前が今日はしっかり右手前になっており、最近の中では一番の脚。微妙に衰えが来ているのは確かだが、堅実は堅実。

ブライトライン

-4kg。今日も少し腹袋が目立った。もっと絞れた方が良い。ゲートが少し悪かったが、出脚でカバーして好位。ペース的には大して速くなく、押し切っても良いペースだったが、先行勢こそ制したものの、そこからの一踏ん張りが利かなかった。着差は僅かだが、案外感も残った。ただ、次走はスタート地点が芝。出脚はもっと付けやすくなる筈で、今日の様に出負けせずスムーズなら巻き返す余地も。

アドマイヤロイヤル

若い頃から馬体の変化がない馬。毛ヅヤも悪くなく、高値安定。行きたい馬に行かせて中段のイン。4角で上手く外へ持ち出し、ゴールスキーの内へ併せる形。併せた段階でゴールスキーの方に勢いが付いていたのも確かだが、そこから2馬身近く伸びられており、能力差もそれなりに有りそう。重賞で毎回人気になって、ソコソコ走る馬だが、単勝だけは絶対に買えない馬。

第19回シルクロードステークス(GⅢ)

ストレイトガール

前肢にバンテージ。皮膚を薄く見せて、この時期の牝馬にしては毛ヅヤが良い。イレ込みもこの馬としては堪えている方。ゲートはレディオブオペラに勝っていたが、無理せず好位に控える形。レディオブオペラが矯め逃げを打った為、4角で雁行の展開になったが、最内で無理せず番手が上がり、絶好の展開に。上手く行ったが、元々オープンでも実績が有り、時計に対応出来たのが収穫。また、乗り役にとっても大きい勝利。前開催4勝だったのが、今週土日で7勝の固め勝ち。昨秋辺りから絶不調に陥っていたが、これでリズムが上がって来そう。

レディオブオペラ

後肢にバンテージ。-14kg。歩様は悪くないが、数字分だけ迫力がなくなった。ゲートはストレイトガールに負けたが、最内枠と出脚でハナへ。それでも600m通過が34.1秒、ペースそのものは決して速くなく、この馬いつもの矯め逃げのパターン。4角先頭で回って来た際には何とかなったかに見えたが、直ぐにストレイトガールが接近。最後は2着確保がやっとだった。斤量が有るとはいえ、ストレイトガールとは同斤だけに意外なやられ方。1分7秒前半では走れる馬で、少なくとも0.3秒分は何時もより走っていない。馬体減が響いたと見るのが妥当。

リトルゲルダ

例に依ってスカッと見せるタイプの馬だが、少しでも増えて出て来たのは好感。毛ヅヤも悪くない。出脚は速かったが、行きたい馬に行かせて好位直後に控える形。4角で最内ストレイトガールの直後。要は上手く脚が矯められた。スローでワンテンポ仕掛けが遅れている分は有るのだが、直線もジワジワ伸びているものの、あと一歩。ただ、牝馬相手で実質4kg差。オープンでバリバリ通用の馬ではないのも確か。器用さだけは有るのでハンデ戦や"直千"で少し押さえる程度の扱いで良いだろう。

マジンプロスパー

+8kg。太いのか、少し馬体の張りが怪しい。あくまで及第点レベル。最近は1400m戦も多かったが、特に仕掛けることもなく、ジワッと2番手。少し押さえる位の行き振りで追走の雰囲気は良かった。ただ、追ってからの反応が一息。リトルゲルダに脚で弾かれた様な格好になり、ジリジリになってしまった。不振の京都で気持ち良く行かせ過ぎた影響も有りそうだが、最近こんな競馬が多い。実績を考慮すれば仕方がないハンデでも、それを克服出来るだけのパワーがなくなっている。

ワキノブレイブ

前肢にバンテージ。多少チャカついているが、許容範囲。馬体に張りが有って、デキだけならコレ。出脚が速い方ではなく、道中は中段馬群の中。4角での反応が一息で、どうかと思ったが、直線向いてからは渋太く伸びていた。今日のところはクラスの壁。ただ、3歳時に世代限定戦で経験は有るものの、実質は初オープン。経験で変わって来そう。

サイレントソニック

シープスキンノーズバンド。後肢にバンテージ。落ち着いているのが何より。馬体も維持出来ている。最初からの決め打ちで最後方迄一旦下げて、インを狙う競馬。今日の展開でこれはこれで正解だが、追い出した際に、外と前に馬が居て、追い出しが遅れてしまった。バラけてからは良く伸びているのだが...。ハマればここでも通用する筈。買い続ければ何時か全回収だけの馬なのは間違いない。