Sakura Archives

競馬回顧 2015年2回小倉

サマー2000シリーズ第5戦 第51回農林水産省賞典新潟記念(GⅢ)

パッションダンス

2人曳き。前後肢にバンテージ。叩いて上昇。馬体、気配共良くなっていた。決して出脚は速い方ではないのだが、何時も通り積極的に乗られて好位から。3角手前でマジェスティハーツの幅寄せは有ったが、この直前に押し上げておいたの大正解。ここで不利を食らわずに済んだのが大きかった。4角でマイネルミラノの直後に付けて、追い出しを一瞬だけ遅らせる形。相手も渋太かったが、最後の最後に捕まえた。近走不振だったが、新潟巧者の面目躍如。乗り役が上手く乗った感も強く、それ以上でもなさそうだが。

マイネルミラノ

遮眼革。+8kg。太目感はない。手先のスナップが利いているのも好感。ゲートも速かったが、出脚も速くハナへ。途中でアーデントがハナへ行ったが、向正面は内外離しており、コーナーからは一気に行ってくれた為、影響は全くなかった。直線外へ持ち出して、最後迄粘り切ったかに見えたが、最後にパッションダンス。前走函館戦は外枠で大敗したが、出脚が速いので内枠から行ったほうが確率は高そう。道悪も上手そうだが、何れにしてもチャンスは続く。

ファントムライト

下見は物見して集中力がなかった。馬自体は纏まっている。隣でユールシンギングが暴れていたが、ゲートは五分。向正面ではパッションダンスの直後に居たが、こちらはマトモに不利を食らったクチ。この手の馬場でリズムを崩すとフォームがバラバラになってしまう馬も多いが、この馬は最後迄しっかり走っていた。ただ、昨年新潟の準オープンで2着2回有ったが、何れもキレ負けしており、ちょっと決め手が甘い面は有る様。馬場の良否を問わず堅実な反面、詰めが甘いという評価にはなる。

ロンギンダンサー

血統馬だけ有って、骨格のしっかりした馬で見栄えする。チャカつきも許容範囲。徹底して後方待機。前に馬を置いて、泥もそれなりに被っている筈だが、この馬場でも苦にせず走っていた。直線も開く迄待ってからの追い出し。結果は4着だが、この馬の脚は使っている。パワーは有るのだろうが、現状こんなモノ。

ラブイズブーシェ

腹回りが緩い。最悪は脱しているが、まだ本当ではない。これも後方から。3角のアクシデントで少しゴチャついたが、間に噛んでいた馬が多く、この馬にとっては酷いモノではなかった。直線も内からそれなりに伸びている。往時の迫力が戻って来ないのも確かだが、キッカケは掴めたのでは?

第35回小倉2歳ステークス(GⅢ)

シュウジ

一息入ってちょっと太い分も有るが、完全なスプリンター体型。出遅れ1馬身不利、痛恨かに見えたが、出脚で直ぐに好位を確保。4角から外へ持ち出すと一気に先頭に立ちそのまま独走だった。この相手では単純にスピードが違った。下見で落ち着いているのも好感が持てる。先週のロードクエストとは別方向に突き抜けた馬。馬場を考えると、この時計も優秀。ダートでイケるかどうかはともかく、2003年のメイショウボーラー級という評価で良いのでは?

サイモンゼーレ

+10kg。数字は単純に成長分。毛ヅヤも冴えていた。出脚は速そうだったが、ジワッと好位で流れに乗る形。直前に蹄鉄を打ち替えるアクシデントも有ったが、気負うことなく走れていた。4角の手応えが抜群で、シュウジを目標に勝ちに行く競馬。シュウジとは器の差が出たが、この馬も最後迄止まっていない。外を回らされ過ぎたことを考慮すれば時計も悪くなく、例年の水準級は有る。

レッドラウダ

2人曳き。+14kg。力感有る造りだが、太い。腹回りがボテッと映る。出脚は一番速かったが、内から2頭行く馬が居て3番手から。前は飛ばしており、悪い展開ではなかった筈だが、コーナーで外へ逃げそうになり、そこでスピードが鈍ったのが痛かった。シュウジは別格としても、2着のサイモンゼーレとは首差。この時期は賞金が欲しいところで、後々響かねば良いが...。

レッドカーペット

前後肢にバンテージ。+10kg。歩様の力強さがないのは気になるが、馬体増でも緩んだところはない。ゲートが少し悪かったが、2歳戦らしくバラけた展開となったのと、シュウジも出遅れて絶好の目標に。ただ、4角の機動力が圧倒的に違っており、苦し紛れにインを突く形。ただ、この馬場では内目は厳しい。一瞬は2番手に上がりそうだったが、踏ん張り切れなかった。これも差がないといえば差がない。

コウエイテンマ

素軽い造り。前向きな気配も良かった。レッドカーペットとは違い、ゲートは出ているが、出脚の差でシュウジマークの形。ただ、こちらはレッドカーペット以上にコーナーの脚がなかった。直線もジリジリ。前走はそんな気配がなかっただけに、乗り役の話通り、緩い馬場が応えたと見るべきなのだろう。

第50回農林水産省賞典札幌2歳ステークス(GⅢ)

アドマイヤエイカン

2人曳き。まだ締める余地を残しているが、馬に迫力が有る。外の馬に叩かれたことも有るが、この馬の出脚がなさそうで、後方に近い位置。ラブアンドポップのマクりに抵抗する形で3角過ぎから進出、直線はプロフェットとの併せ馬になったが、ネジ伏せる様に追い比べを制した。新馬では逃げていただけに、こんな競馬が出来たのは意外。ハーツクライ産駒にしては、センスと回り脚が有りそう。ただ、稍重とはいえ、走破時計が1分50秒8。"1分50秒を切って一流"というのは今でも当て嵌まる格言だと思うが...。

プロフェット

2人曳き。+6kg。垢抜けた造りだが、もっと増えても良い位。ちょっとテンション高いのがマイナス。先行争いに首だけ突っ込んでいたが、引っ掛かりそうになり引いて中段。アドマイヤエイカンを待って仕掛けて、直線では一瞬だけ突き放す場面も有ったが、アッという間に捕まってしまった。直線の短い札幌で僅差になっただけで実際には完敗。ただ、これも控える競馬が出来たのは収穫。

クロコスミア

トモに張りが有って、この数字の割には良く出来ている。毛ヅヤも良かった。好発。それでも行く気はなかっただろうが、枠の利で中段は確保。2角で少し外へ持ち出し、4角では一旦アドマイヤエイカンを行かせる形となったが、直線はジワジワ伸びて来た。前述した様にメンバーレベルの問題は有り、決して高い評価が出来る訳ではないのだが、戦前述べた様に追い出すと重心が沈むのが大物の相。何処かで大仕事が有っても不思議ではない。

ラヴアンドポップ

前肢にバンテージ。気配が前向き。良い悪いは別にして、コロンとした体型。半馬身程出遅れて後方から。3角からマクッ行ったが、アドマイヤエイカンが抵抗。4角迄だった。機動力は持っているが、出遅れたのが痛恨。直線もそれなりに踏ん張っていたことを考えると、上位ともそれ程能力差はない。

アラバスター

見た目から地味な馬だが、しっかり踏めている。これも出遅れて最後方から。マクりに行った馬が多いレースになったが、この馬は直線迄待ってから外へ。それなりに伸びているが、コーナー出口で少しモタつく場面が有った。血統馬だが、ハービンジャーの不器用さは有りそう。

第35回新潟2歳ステークス(GⅢ)

ロードクエスト

2人曳き。マイラーっぽい体型だが、トモには迫力が有る。出遅れ1馬身不利。インで我慢させて、各馬が外へ持ち出す中、持ったままで一瞬で先頭に取り付き、そこから馬場の良い外へ。圧倒的に力が違った。兎に角パワーが有るのが長所。飛距離と回転数が両立しており、歴代覇者の中でも明らかに一番強い。ただ、毎年このレースの勝ち馬はアテにならない部分が有る。むしろ強過ぎて新潟向きという気もしないでもないが、他場で勝てるならバケモノクラス。

ウインファビラス

+8kg。一言でいえば完成度が高い。歩様が伸びているのも好感。出たなりで好位の外。前に壁がない分、少し行きたがっていたのは仕方がないところ。外過ぎず、馬場の良いところを通って抜け出せたが、ロードクエストが強過ぎた。ただ、この馬でも例年の勝ち馬レベルは有りそう。器用さが有るのも評価出来る。この荒れ馬場で止まらない、しかも左手前のままでフラフラだったことを考えると、スタミナも案外持っているのでは?

マコトルーメン

前肢にバンテージ。-10kg。シルエットから数字は絞れたと考えて良さそうだが、歩様が硬い。例に依ってダッシュが付かず後方から。1200mでは付いて行くのが一杯だった馬で、勿論折り合いは付いていた。4角はロードクエスト同様、内から。渋太く脚を伸ばしている。前走函館戦でも触れたが、兎に角不器用な馬で、新潟は合っている。もっと距離を延ばしても良さそう。

ペルソナリテ

+10kg。勿論馬体増は好感。馬を大きく見せる。今後、これ以上テンション上がらなければ。これも急かさず中段から。馬場の良いところは通れたが、内の馬がこれだけ外へ張り出して来る状況だと、ちょっと外を回され過ぎたかも。マコトルーメンとはあくまでその分の差。ただ、これだけ前と離され過ぎると追っ掛けバテしている馬も多い筈で、鵜呑みに出来ない部分も有るのだが。

キャプテンペリー

2人曳き。シープスキンノーズバンド。太いのか、メリハリに欠く造り。歩様はしっかりしているが。ゲートを五分に出て好位馬群の中。道悪でこの位置だとノメるケースも多いが、上手く走れていた。最後伸び切れなかったのは能力だろうが、3着以下は立ち回り一つで大差はない。先々、道悪巧者として何処かで一発穴を開けるかも。

サマースプリントシリーズ第5戦 第10回キーンランドカップ(GⅢ)

ウキヨノカゼ

2人曳き。テンション高いが、毛ヅヤが冴えていた。馬体もまずまず。ゲートも少し悪かったが、行き気もなく後方から。3角で仕掛けてからエンジンが掛かる迄に少し時間が有った様にも見えたが、3〜4角中間辺りから一マクり。実質は準オープンで頭打ちだった馬だが、洋芝適性が相当有る様。この馬自身の前走もそうだったが、函館スプリントステークスもそうで、今年の北海道場所はこういった競馬が多かった。

トーホウアマポーラ

遮眼革。シープスキンノーズバンド。前肢にバンテージ。-8kg。迫力はないが、絞れてスッキリ。もう少し行ける馬だろうが、枠が遠くこれも後方。マクりに行ったウキヨノカゼを行かせての直線勝負。4角で惰性を付けられた分は有るとはいえ、ティーハーフに競り勝ったのだから評価して良い。残念ながらこれで引退とのことだが。

ティーハーフ

前後肢にバンテージ。筋肉が浮いてデキは文句なし。強いていえば少し歩様が硬い。例に依って出脚が速い方ではなく中段やや後方から。ただ、前走函館戦がマクる競馬だったのに対し、人気を背負っていた関係で今日は中段に付けての直線勝負。4角で待っている間にウキヨノカゼが抜け切ってしまっていた。前走と乗り方を変えて失敗した格好。乗り役は責められない範疇では有るが...。

オメガヴェンデッタ

前肢にバンテージ。全体に緩慢な造り。最近のパターン通り、積極的に乗られて好位から。直線向いてウキヨノカゼへ併せて行ったが、一押しを欠いた。手前が替わっていなかったのが一義だが、もうひとつゲートが少し悪かったのも終いに悪影響が出ている。1200mは微妙に忙しい。

レッドオーヴァル

前後肢にバンテージ。若い頃から見栄えがする馬だが、今日は少し案外。張りがなく映った。好発も、行く気なく後方から。今日は明らかにこれが裏目。4角でインを狙ったが前が開かず、結局はトーホウアマポーラの外へ持ち出す形になってしまった。最後は伸びているが、これではどうしようもない。

サマースプリントシリーズ第4戦 第50回テレビ西日本賞北九州記念(GⅢ)

ベルカント

2人曳き。前後肢にバンテージ。馬自体は文句ないが、例によってチャカつく。外から4頭が飛ばし、3角では2番手グループ以下と数馬身離れるというスプリント戦では珍しい展開になったが、2番手グループのハナ。つまり、折り合いが付いて揉まれることもなく、スムーズに走れていた。4角でほぼ勝負が決まった様な手応えで、直線も独走だった。過去には競馬を投げる様な場面が多く、直線競馬では良くてもオーバルコースの1200mとなると半信半疑だったが、今日の内容なら文句なし。あまり揉まれ込んで良いとは思わないが、スプリント路線はロードカナロア以降が低調で、報道通り阪神戦スキップなら充分通用するのでは?

ビッグアーサー

太く見せるのは体型だが、出来ればマイナス体重で出て来て欲しかったところ。ゲートは出た方だが、出脚が多少鈍く中段から。挟まれたという訳ではないにしても、3角手前で少し引く場面が有り、ワンテンポ待たされている。直線向いてから前も開いて伸びているが、ベルカントが止まらないだけにどうしようもない。力は見せたが、オープンになると上には上が居たということ。今後も出脚は課題になりそう。

ベルルミエール

前後肢にバンテージ。馬は張っている。しっかり踏めていたのも何より。ゲートが微妙に悪かったが、押してベルカントと並走の位置迄。ただ、深追いを避けて3角で少し控える形。そこで前と距離が出来てしまったのと、コーナーで5枠2頭が間に入ってしまい、外を回されてしまった。勿論、追っ掛けバテしていた可能性も高いのだが、このパターンだと勝ちがない。1400mで先行した方が安心感は有る。

バーバラ

前後肢にバンテージ。数字のない馬だが、フックラ見せており、まずまず。痛恨の出遅れで後方から。3角過ぎから積極的に押し上げて行ったが、内からミッキーラブソングに併せられたのは少し痛かったかも。最後は飛んで来ているだけに、"タラレバ"をいえば3着争いが際どくなっていた。これでこのレースは過去3年3,5,4着と来ているが、何れにしてもこのメンバーだと力上位。

ミッキーラブソング

迫力はないが、バランスの取れた造り。毛ヅヤがピカピカ。出脚がサッパリで、スタート直後から押し通し。ただ、行き脚が付いてからは逆に掛かりそうになっていたり、コーナーで置かれそうになっていたりとどうもチグハグ。大外から伸びてはいるが、更に外に居たバーバラの方が脚は上だった。結果的に家賃が高かったかも。

サマー2000シリーズ第4戦 第51回札幌記念(GⅡ)

ディサイファ

前肢にバンテージ。歩様が伸びていた。このメンバーでは一番良く見せる。トウケイヘイローに叩かれる形となり、スタート直後から少し行きたがっていたが、馬の気に任せて2番手。道中も前向き過ぎる位だったが、4角で追い出されると後続が来ただけ伸びて凌ぎ切った。単純に完勝。ただ、今日でもゲート自体は決して良くなかった。たまたま行けたが、何かの拍子に後手に回ると前走東京戦の様なパターンも。

ヒットザターゲット

前走東京戦と変わらず。悪くない程度。スタート直後からかなり押していたが、東京2500mの後では出脚が付かず、後方から。インで脚を矯めて、4角ではインを狙おうとしていた位だったが、これが少し失敗だったかも。インは開かず、外目のトーホウジャッカルが止まったところのスペースが開いて、そこから慌てて持ち出して伸びて来た。東京迄はこなせるものの、基本的には平坦の方が切れる。

ダービーフィズ

前肢にバンテージ。気合が乗って、馬体にも張りが有った。好発切ったが、あまり行く気がなく、中段やや後方のイン。今夏は重賞を勝ちまくった岩田騎手らしく、そのままインを突いて、狭いながらもコジ開けて来たが、あと一歩が届かず。僅差だが、最後はフワッとした様にも見えた。この相手では微妙に差が有る。あくまでGⅢレベル。

ヤマカツエース

-4kg。また馬体減。流石に細く映る。それでも気配だけは良い。例に依ってこの距離では出脚上位だが、そのまま行かせると引っ掛かるところで中段のインへ押し込める形。怪しいながらも何とか我慢させていた。強いていえば3角過ぎから外へ持ち出し勝ちに行ったのが失敗だったかも。良い脚で伸びているが、この距離はやはり微妙に長いのか、一押しが利いていない。素直にマイル戦へ行った方が良さそうな気もするのだが。

ラキシス

前後肢にバンテージ。馬体が締まって来た。今年の中では一番の状態。時折ゲートが悪い馬だが、きょうは五分に出て好位のイン。道中はディサイファとの並走でしかも内に居る状態。結構流れたのは確かだが、ディサイファも同じ位置に居ただけに直線の伸びが甘かったのは頂けない。牡馬相手だとこんなモノかも。前々走阪神戦は道悪が良い方に向いただけで、昨夏新潟戦でのマイネルラクリマの2着が実質の能力。

ラストインパクト

+8kg。少し緩い。歩様は大分力強さが出て来たが。基本的には出脚が速い筈だが、ヤマカツエースが更に速く、一旦立て直す形で1角進入時には後方に近い位置。それだけにちょっと掛かっていた。3角過ぎから外をマクる様に進出して、前へ並び掛けそうになったところで甘くなった。基本的に非力なタイプで軽い馬場の方が良いのは間違いないが、今日は位置取りが悪くなったのがそれ以上に応えている。展開の綾。叩いた上積みも見込めば次走は変われる筈。

トーホウジャッカル

2人曳き。叩いた効果は有りそう。馬自体は前走阪神戦以上。もう少し気合が乗ってくれても良いが。スタート直後にトウケイヘイローが締めて来て接触。軽微だったが、ちょっと馬が怒ったかも。それでも積極的に乗って道中は4番手。向正面辺りからは落ち着いて走れていた様に見えた。ただ、4角で手応えがなくなっていた。敗因不明。乗り役は洋芝を言い訳にしていたが、小回りも合わないかも。

サマーマイルシリーズ第2戦 第50回関屋記念(GⅢ)

レッドアリオン

シャープな造りで、ギリギリ迄仕上げている。それでいて落ち着いていた。出遅れたが、新潟外回りで戦前から想定されていた逃げ馬不在の組み合わせ。先行争いにはならず、ジワッとハナへ。1000m通過が59.3秒だから如何に楽だったか。直線向いてスマートオリオンには並び掛けられているが、この馬は前半がスローだとここからが渋太い。GⅠでこの形は10年に1回位の確率だろうが、そうなれば充分チャンス有りそう。勿論、今回の様に外枠が大前提だが。

マジェスティハーツ

少し腹回りがボテッと映るが、張りは有る。歩様も伸びていた。マイルへ来ると出脚が速い方ではなく、少しオッツケ気味で何とか中段。直線向いてから暫く前が開かなかったが、ラスト300m辺りで前がフリーになると1頭違う脚で追い込んで来た。ハミを替えたそうだが、何時もよりは真っ直ぐ走れていたのも収穫だろう。ただ、今日は好位勢がレッドアリオンを目標にして伸びあぐねる様な競馬になっている。無関係だったこの馬が漁夫の利で2着に来た感も有る。実績馬の復活劇だが、過信も避けたい。

ヤングマンパワー

シープスキンノーズバンド。+18kg。多少太い程度。成長分もゼロではない。外からジワッと先行。レッドアリオンには上を行かれる形になったが、折り合いは付いていた。ただ、以前にも述べた通り、追い出すと天井向いてしまう為、良い脚が長く続かない。直線の長い新潟で、その中では良く走っているともいえる。明らかに小回りの方が向いている。

アルマディヴァン

煩かったが、歩くスピードが速く、良い方に解釈出来る。寸が詰まってマイラー体型。好発もハナへは行きたくなかった様で好位のインに控える形。新潟で窮屈に乗っていいことは少なく、特にスローだと尚更。案の定、ラスト200m辺りで狭くなってしまった。新潟のスローは向正面だと直線でも狭くなるケースが多い。馬は頑張っており、このメンバーなら充分足りる。

アルバタックス

シープスキンノーズバンド。是後肢にバンテージ。元々こういう馬だが、腹回りが緩んで映る。毛ヅヤが良いだけにデキは問題なさそうだが。昔から出脚が速い方ではなく、後方から。大外からジワジワ伸びているが、今日の展開ではどうしようもなかった。ただ、この馬自身も全身が使えていない。現状は飛距離だけ有って、回転数が足らない。

第20回エルムステークス(GⅢ)

ジェベルムーサ

2人曳き。前後肢にバンテージ。下見は後方を周回していたが、落ち着いていた。馬体も数字通りパワフル。出脚がサッパリの馬で、1角では後方。しかし、向正面から徐々に進出すると、3角で中段、4角で先頭。グレープブランデーには最後来られているが、直線の短い札幌だけに一杯一杯振り切った。マクり一手で相変わらず競馬が雑だが、道中の距離損で結果が決まっている。4角で外を回されなかったのが良かった。中々買いどころが難しいタイプ。

グレープブランデー

遮眼革。前後肢にバンテージ。好調持続。スカッと見せつつも、しっかり踏めていた。エーシンモアオバーだけを行かせて好位のイン。序盤はちょっと掛かっていた。結果論をいえばもう少し早く動きたかったところだが、序盤で掛かった点、4角でもクリノスターオーが外で並走していた点、斤量を背負っていた点等、待たなければならない形になってしまった。その分が届かず。ただ、この馬自身も広いコース向き。小回りで地力は見せたのでは?

エーシンモアオバー

前後肢にバンテージ。-10kg。出来ていたが、気配は地味。好発。年齢も有って、出脚が鈍っているが、折角だからとハナへ。この形なら強い。4角手前からジェベルムーサには来られているが、3番手以下とは少し離れていたのも良かっただろう。何とか3着には粘り込んだ。最高の競馬で3着だから、大分衰えているのも間違いないのだが、とはいえこのレースは6年連続で参戦して3着3回目 (2着1回) 。こんなモノといえばこんなモノ。

クリノスターオー

2人曳き。遮眼革。前後肢にバンテージ。-8kg。キビキビ歩けており、デキは問題ない。ゲートが少し悪く、押して好位の外。広いコースでも行き振りが怪しい馬で、今日はジェベルムーサのマクりに付いて行けなかったのが全て。小回りだけに直線も挽回が利かない。もう一つ前で競馬出来ればまた違うのかも知れないが...。

ソロル

2人曳き。遮眼革。-12kg。500kgを超えると太く映る馬で、これ位が丁度。ただ、チャカつき目立つ。クリノスターオーの先行策に乗る形で中段。ただ、4角で手応えが怪しく汲々としていた。カチューシャにもマクられそうになっていた程。どうも安定感がない。

第7回レパードステークス(GⅢ)

クロスクリーガー

現時点では悪くないが、メリハリのない造り。まだ完成途上。出脚は速そうだったが、内に速い馬が居る割に誰も叩きに行く気配がなく、コーナーではコースロスを避ける為に一旦引く形。向正面で番手を上げ、3角過ぎに手応えが有るのを確認するとあとは横綱相撲だった。最後はダノンリバティに詰められたとはいえ、あくまで勝ちに行った分。単純計算ではこの0.5秒差にノンコノユメが居るということになるが、どんな競馬でも出来るのは強み。

ダノンリバティ

馬体はスッキリしているが、頭が高く、突っ張った様な歩様。砂を嫌がっていたとのことだが、最初からとにかく頭が高い走法。それ故、道中はずっと外を回していたが、それでも力任せに追い込んで来た。初ダートでも適性は有ったということだろうが、クロスクリーガーが前を掃除してくれる展開になったのは良かったか。最後の最後に少し重心が沈んだ様にも見えただけに、今後の経験で変わって来る部分も有るだろう。芝よりは向いているのは間違いない。

タマノブリュネット

シープスキンノーズバンド。前後肢にバンテージ。+10kg。数字分だけ太いが、キビキビした歩様には好感。ゲートをポコンと出てしまった分も有るが、あまり行く気もなさそうで、後方から。道中は内を回して、直線だけ外へ。牝馬ながらトビの大きい走りで、出脚がないのが近代競馬で不利となる以外はスケールが大きい。東京2100mで走らせてみたいタイプ。

ゴールデンバローズ

+8kg。毛ヅヤは冴えており、デキは良いだろうが、少しイレ込み気味。好発。誰も行く気がなく、枠の利で押し出される形でハナへ。ただ、結構力んでいた上に3角過ぎから後続に来られると厳しいところ。直線は余力がなかった。ちょっと味のなさが見え隠れしている気もしないでもないが、今日のところは展開を言い訳にしたい。勿論、リズムを崩したダート馬を追い掛けてもいいことはないのだが。

カラパナビーチ

前後肢にバンテージ。534kgの馬で、馬格はその通りだが、歩様に力がない。出来ればハナへ行きたいクチで、先行争いに参入していたが、枠なりに好位。少しコーナーで外へ逃げていた様にも見えたが、諦めずに渋太く伸びて来た。ベストでない形でこれだけ走れば充分だろう。ハナなら準オープンでも足りる。

サマー2000シリーズ第3戦 農林水産省賞典第51回小倉記念(GⅢ)

アズマシャトル

+10kg。この方がむしろ良く見せる。仮令太かったとしても、この時期だけに弛んでいなければ問題はない。この枠で行く気がなく後方から。1角手前では少し頭が上がって行きたがっていた様に見えたが、向正面でバラけてからはスムーズ。むしろズブい位に見えた程。4角でマローブルーが外へ持ち出した際にベルーフが邪魔になり、前をカットされていたが、それでも長く良い脚を使って差し切った。ソコソコ流れてくれたのも良かっただろうが、単純に力が違っていた。ただ、前走中京戦は道悪で案外の内容。今日のズブさだと時計が掛かった方が良さそうな気もするのだが、そうでもない様で狙いどころが難しい。

ベルーフ

遮眼革。+16kg。ほぼ成長分。筋骨隆々の造りで、3歳馬でも馬自体が上位。ゲートを真っ直ぐに出ず、中段やや後方から。揉まれる様な状況ではなかったにしても、内外前に馬が居て、少し力んでいた様にも見えた。4角でマローブルーに弾かれながらも強引にマクって押し切り態勢だったが、直線半ばでソラを遣った様でフワッとしたのが痛い。アズマシャトルが来てからは盛り返している。休み明けだけに良く走っているといえる。今年の3歳馬はそれなりのレベルに有りそう。

ウインプリメーラ

前後肢にバンテージ。スカッとした造りの割に一歩一歩が力強い。出脚は一番速かったが、ノボリディアーナに行かせて好位のインで折り合う形。ローカルハンデ重賞らしく結構流れた上に各馬の仕掛けも早く、絶好の競馬が出来たが、最後の最後で甘くなってしまった。元々詰めの甘いタイプながら、2000mだとその傾向が顕著。良い脚が長く続かない。

クランモンタナ

首でリズムを取って好気配。締まった馬体にも好感。出脚は怪しい方で後方でジックリと。1角進入時にゴチャつきそうになり、更に下げる形になったとはいえ、アズマシャトルマークの競馬が出来た。それだけに展開上は悪くないだったが、

マローブルー

牝馬だけに馬体はこれでも良いが、如何せん煩い。滞在でこの気性では...。もう少し行ける筈だが、中段からの競馬。下見でチャカついていた割に行き振りが悪かった。4角で無理矢理外へ持ち出そうとしていたが、直線は流れ込んだだけ。前走の内容ならもう少し動けて良い筈だが、敗因不明。

サマースプリントシリーズ第3戦 第15回アイビスサマーダッシュ(GⅢ)

ベルカント

前後肢にバンテージ。+12kg。多少立派だろうが、緩んだところがなかった。それよりもこの馬の場合は気性の問題の方が遥かに大きい。好発。外ラチ沿いに寄せてマイペース。一旦はヘニーハウンドの方が先行している様にも見えたが、ラスト400m辺りで二の脚を使って突き放した。気持ちが続かない様なレースが続いていたが、1000mだと我慢が利く様。今日はそれ以上でもなさそうだが。

シンボリディスコ

下見から意外に良かった。活気が有って、トモに張り。歩様も短距離なら目を瞑れる範囲。出脚は速くなさそうで、エーシントップを壁にして走る様な格好。直千だが、ちょっと行きたがっていた様にも見える場面が有り、良い形になっていたのかも。500m辺りで狭いところを割って進路を確保し、後続の追撃を振り切った。ただ、天井向いた走法で、距離延長は絶対にマイナス。

アースソニック

前肢にバンテージ。+4kg。前を歩くレンイングランド程ではないが、少し太い。外枠だったが、これもジックリ乗られていたクチ。ただ、ちょっと仕掛け遅れた様にも見えた。シンボリディスコが抜けてからも、100m程待たされている。最後がハナ差だけに尚のこと勿体ないレースになってしまった。もう少し出脚が有れば、というところ。

セイコーライコウ

キビキビ歩けていた。スカッと見せていたのも好感が持てる。ゲートも少し悪かったが、ダッシュも付かず、スタート直後に対ベルカントで1馬身やられていた。それでも今日は外枠だっただけに2着は欲しかったところだろうが、一伸びを欠いた。ゲートが思いの外応えたか。

リトルゲルダ

出来ていた。歩様の堅いのはこんなモノ。ゲート内の駐立が悪く、出負け。この枠では仕方がないのだが、ヘニーハウンドの直後だとちょっと位置的に苦しいところ。最後は伸びている。一番走れる筈の3歳時ですら3着だった馬で、恐らく直千の適性はない。今日は力で差して来た形。

第63回北海道新聞杯クイーンステークス(GⅢ)

メイショウスザンナ

遮眼革。前後肢にバンテージ。それ程強調材料もないが、骨格がしっかりしている分、良く見せる。大外枠でも有り、後方でジックリと。3角手前から徐々に動き、4角で上手くレッドリヴェールの直後が取れた。走らない時はサッパリの馬だが、馬群を割って、最後も併せ馬の形になったことで終始気を抜かせない競馬が出来た。力は持っているのだろうが、全てが上手く行った感。

レッドリヴェール

前後肢にバンテージ。今日は良かった。歩様キビキビ。馬体も締まっていた。今日はゲート五分。先行争いに首を覗かせていたが、引いて好位のイン。ただ、2角でイリュミナンスをパスして、結構早目に動いて行った。狙い通り前は掴まえたが、最後にメイショウスザンナ。恐らく距離が長い。それでもちゃんと勝ちに行く競馬をして、結果が残せたのは収穫。勿論、相手関係も大きいのだが。

イリュミナンス

前後肢にバンテージ。しっかり踏めていた。馬自体も上位。好発。内から何が何でもの構えで2頭が行って控える形。前述した様に、途中でレッドリヴェールが先に動いてくれたのもこの馬にとっては良かった筈。4角回っても、良いところに出て来れたが、もうあと一押しが利かなかった。京都1800mに良績の有る馬だが、坂の下りで惰性付けた方が合っているのかも。

ノットフォーマル

-6kg。毛ヅヤが冴えていた。歩様もまずまず。ゲートが少し悪かったのが痛恨だったが、無理矢理行ってハナへ。イリュミナンスもプレッシャーを掛けて来て、多少ペースを速くしてしまったのは否めないところ。終始フレイムコードにも絡まれており、良く粘った方の4着。あとは相手関係の問題。今日は低レベル感がかなり有った。

フレイムコード

+10kg。多少太い。少し硬目の歩様もマイナス。ハナへ行ける出脚だったが、内からノットフォーマルが主張して2番手。かなり追っ掛けていたが、最後はむしろこちらの方がタレてしまった。馬が行きたがっていたことも有るが、結果的に深追いし過ぎた。