Sakura Archives

競馬回顧 2015年4回阪神

グローバルスプリントチャレンジ第8戦 第49回スプリンターズステークス(GⅠ)

ストレイトガール

2人曳き。皮膚の薄さや馬体の張り、デキ自体は上向き。ただ、何時もより歩様が硬い。ちょっとゲートが悪かったが、枠の利でカバーして中段。2着に来たサクラゴスペルの後ろだから、前後半のペースが逆転するスローで厳しかった筈だが、坂下で馬群を割って突き抜けた。決め手がこのメンバーでは抜けている。戦前は坂がどうかと思ったが、このスローだとそれ以上に瞬発力が生きた印象。現代的なスプリンター。

サクラゴスペル

シープスキンノーズバンド。前後肢にバンテージ。-10kg。絞れたと見ていい。細い印象はない。迫力はないが、器用さ一本のタイプでこんなもの。出脚は有る方で好位の内目。少し行きたがってしまった影響で、末が甘くなってしまった印象も有るが、少し前に行った分、捌き易くなったかも。GⅠを勝てる馬とも思えず、今日はこれで最高の結果。中山には良績残している馬だが、このレースに関してはスローの方が好実績馬が好走し易い。

ウキヨノカゼ

2人曳き。-6kg。多少気負っていたが、スカッと見せてデキ自体は良い。出遅れ1馬身不利。腹を括って最後方から。このスローの割に追走には骨を折っていた位だったが、4角で勢いが付いてここ迄追い込んで来た。32.8秒の脚を使っており、これで負けたらどうしようもない。何処で目覚めたのか分からないが、今日の内容だけをいえば文句なくデュランダル級。結果がデュランダルでないとすれば、馬場やペースが向かなかっただけ。

ミッキーアイル

腹回りが多少ボテッと映るが、キビキビ歩けていた。好発も、この枠でハナは想定して居らず控えて好位。ただ、このスローで坂の下りで掛かったのは痛かったか。坂を上がる脚で一旦は先頭に立ったが、最後は決め手負け。折り合っていれば勝っていただろうが、この馬の場合はスプリントが不向き。流れていればまた別の後続にやられていた。基本は1400〜1600mで逃げるのがベスト。

ウリウリ

戦前は輸送が課題となっていたが、少し気負っていた程度。馬体は維持出来た。出たなりで中段やや後方から。ストレイトガールの近くに居ただけに、最低でも馬券圏内迄は伸びて来て欲しかったが、追って案外。基本的には外を回ると良くない様。勿論、人気背負っていただけに仕方がない面も有る。外を回ると良くないのは、乗り役にも同じことがいえるが...。

第19回シリウスステークス(GⅢ)

アウォーディー

遮眼革。+8kg。胴長でスカッとした造りだが、馬体増でパワーアップ。この頭数であまり行く気なく中段。リズム良く走っていた。スローを嫌って途中でマクりに行ったも無視して、自分のタイミングで追い出す形。その時点での反応も抜群だった。ただ、他の粗相も大きい。マトモな相手と闘って何処迄通用するかは未知数。むしろ過信は避けたい位だとも思うのだが。

ダノンリバティ

後肢にバンテージ。少し太いのと、寸が詰まって距離延長はマイナスになりそうなタイプ。スタート直後から行きたがっていたが、何とか宥めて好位。壁がない割には我慢していた様にも見えたが、スローで途中から動いて行った馬が居て、連られる場面が有ったのが痛かった。この距離は長いのだが、乗り方と経験で踏ん張りが利くことが分かったのは収穫。

ナムラビクター

シープスキンノーズバンド。腹回りがボテッと見せるのは毎度。これでまずまず。ゲート入りに梃子摺って約4分遅延。大きく出遅れてそのまま最後方から。道中は急かさず、馬を宥める様に走っていた。リカバーが上手く行った面は有るが、最後は良く追い込んでいる。やはりこの相手では力が一枚上。勿論、この後はゲート入り再審査が有り、調整に神経を使うことになるが...。

キングヒーロー

少し緩く映った。この相手だと迫力で劣る。これも行く気なく後方から。道中はインベタで走って、直線もインを突いたが、前が開かず捌きながら伸びて来た。3着ナムラビクターとは3/4馬身差。決着がついた後に追い込んで来た印象も強いが、直線でのロスを考えるとそんなに差はなさそう。現状は差す競馬の方が合っていそう。

トーシンイーグル

遮眼革。前後肢にバンテージ。水平首で気配は良かった。馬体にも重量感が有る。芝での出脚も悪かったが、道中も行き振りが悪く、ナムラビクターにすら交わされて最後方に置かれる始末。道中が死んでいるだけに、終いは確実なのだが、これでは競馬にならない。馬主としてはこれでヨシかも知れないが、馬券は手が出せない。

第61回産経賞オールカマー(GⅡ)

ショウナンバンドラ

前後肢にバンテージ。-6kg。休養前よりむしろ良くなったかも。筋肉が浮いて、歩様もパワフル。気配も良かった。ゲートも出脚も微妙だったが、行く気なく後方から。折り合いは付いていた。4角の手応えが抜群で、少し外へ持ち出すとキレにキレた。少し内にモタれていたが、今迄にないパフォーマンスだった。前走阪神戦は内枠の利が有った様に思えたが、本当に力を付けている。東京で牡馬相手でも足りるかも。

ヌーヴォデコルト

前肢にバンテージ。出来ていたが、目前のショウナンバンドラと比較すると迫力で劣る。本来出脚が速い方ではないが、仕掛けて好位。道中は結構掛かっていた。それでも内から一旦は抜け出したのは立派。対ショウナンバンドラで見栄えが悪かったのは確かだが、道中が苦しかったことを考えると単純に勝負付けが付いたと決め付けるのも可哀相。明らかにヴィクトリアマイルが余計だった。走るリズムを崩している。

ミトラ

前後肢にバンテージ。+8kg。腹回りがぼテッと映る。8割程度のデキ。出脚は速い馬だが、この距離だけに折り合いに専念して中段。正月の同条件を考えると少し行きたがっていた様に見えた。直線でも、ショウナンバンドラに交わされた際に、一瞬逡巡しているのだが、何とか最後にロゴタイプを捕まえて3着浮上。中々渋太い。中山巧者といって良い。

ロゴタイプ

前肢にバンテージ。+10kg。多少立派だが、緩んだところはない。出脚は一番速かったが、マイネルミラノとメイショウカドマツが主張して3番手から。多少力んでいたのは仕方がないところだろうが、それでも逃げ馬の直後に居た利はそれなりに有った筈。ショウナンバンドラとは勢いが違ったにしても、3着が守れなかったのは情けなかった。ミトラとは対照的にマイラー色が濃くなっている。

マリアライト

前肢にバンテージ。+12kg。元々が細身。これがベストかどうかはともかく、見栄えは良くなった。ゲートは出ているが、外枠で無視せず後方。外差しだったのは開幕週だけで、2週目以降は何時もの中山になっており、外を回っていては届かない。ただ、最後の最後に伸びて来たのも確かで、力負けでもなさそう。条件変わって改めて。

第63回神戸新聞杯(GⅡ)

リアファル

2人曳き。多少チャカつくが、イレ込んでいる気配ではなかった。まだ馬体に若さを残すが、現状としては悪くない。好発。出脚が抜群に速く、外を牽制しつつハナへ。直ぐに先行争いに決着を付けてしまった為、1000m通過62.4秒と、道中はかなり楽に行けた。4角迄競り掛けられることもなく運び、追ってからのストライドも中々ダイナミック。電車道だった。恵まれ過ぎたのは確かだが、逃げ馬は出脚が有れば常にこの形が造れる。今年のメンバーなら最有力に近い。

リアルスティール

2人曳き。馬体の雰囲気、気配等、全体にまあまあレベル。出脚は速いが、引っ掛かりそうになっており、宥めて中段。折り合いは付いたが、スローで馬群が固まってしまい、3〜4角で動くに動けない場面が有った。その間にリアファルに突き放されてしまい、2着確保迄だった。馬は頑張っているが、引っ掛かる癖も有り、一概に騎乗ミスともいい辛い。馬の適性だけをいえば3000mが歓迎ではなさそう。

トーセンバジル

馬振りはデビュー当時から悪くなかったが、もう少し落ち着いて欲しい。ゲートは出ているが、押しても進んで行かず後方から。下見の気配の割にはズブさが有る。そのまま後方で進め、直線は馬群を割る形で、リアルスティールの後ろ辺りから伸びて来た。このスローで3着なら充分走っている。3000mも問題はない筈。ソングオブウインド的破壊力は持っていそう。あとは出脚と位置取りの問題。

バイガエシ

腹回りがしっかりしているのは体質が強くなった証。歩様も力強い。積極的に乗られて好位から。序盤は外からティルナノーグに行かれた関係で、行きたがる場面も有ったが、折り合いは直ぐに付いた。好位勢の中では一番手応えが有り、前に並び掛け様とした迄は良かったが、そこからが案外。坂が上れていない。成績通り、平坦向き。

ジュンスパーヒカル

2人曳き。シープスキンノーズバンド。スカッとした造りだが、発汗が目立つ。スタート直後に掛かりそうな気配も有り、控えて後方。ずっとインに居て、直線もそのままインを突いたが、ここ迄。スローだとインがもう少し利いて良い筈で、「2回目の芝としては良く頑張った」といった程度の評価。

サンライズセンス

前後肢にバンテージ。前走小倉戦より更にイレ込んでしまった。馬体はここでも最上位だが。出たなりで中段。少し掛かっていたのと、荒れ馬場に脚を取られてノメッていた。参考外。

第69回朝日杯セントライト記念(GⅡ)

キタサンブラック

+12kg。前肢にバンテージ。太いが、春はスマート過ぎる程だっただけに、良い方に受け取りたい。出脚でジワッと先行。前に壁がない分、少し力んでいたが、1000m通過61.1秒のペースがそれ以上に遅かった。坂を上る脚でミュゼエイリアンを捕らえ、着差は僅かながら後続を振り切った。先週がそうだった様に、今開催は差しも届く馬場だが、これだけスローだと前が残る。距離もあまり長いとどうかと思うが、器用さは何処でも武器になる。

ミュゼエイリアン

馬体はヒケを取らないが、もう少し落ち着いて欲しい。スタート直後に外へ飛び、ロッカフェスタの進路を潰していたが、出脚が速くハナへ。行かせたのは下見でイレ込んでいた影響も有っただろう。道中は単騎、4角手前からキタサンブラックには来られたが、直線入り口で抵抗。2着には踏ん張った。強い弱いをいえば、キタサンブラックのほうが上だろうが、長距離の方が合っているのは間違いない。

ジュンツバサ

2人曳き。馬体はまだ貧弱だが、馬に気合が入っていた。出脚はなさそうで、内外にアッサリやられていたが、割り切ってウイングチップの直後を確保。結果的に中段から進めることが出来た。スローで4角が団子の展開、こうなると最内で我慢していた利が生きる。戦前、少し期待した通り、内で器用さを生かす競馬が出来た。出脚の問題は有るが、一段前で競馬出来ていれば際どくなっていた筈。このメンバーでも展開一つ。

ウイングチップ

2人曳き。前肢にバンテージ。チャカつきは許容範囲。重量感はないが、筋肉の輪郭は浮いていた。出ッパ自体は悪い方だったが、出脚で好位を確保。逃げ馬の直後のインだから、今日の流れでは絶好の展開。強いていえば道中が少し行きたがっていたとはいえ、今日の展開なら2着には来ないと値打ちがない。次走1000万で人気になるなら嫌ってみたい。

ベルーフ

遮眼革。シープスキンノーズバンド。-8kg。絞れた分も有り、垢抜けた造り。歩様にバネが有って力強い。出脚は速い筈だが、引っ掛かりそうになった為、控えて中段から。悪い形ではなかったし、狭いところをコジ開けて来たが、もどかしい結果に。スローに泣いただけで、乗り方一つで何とかなりそうな範疇だが、ハービンジャー産駒で不器用さが有るのは致し方ないところ。

サトノラーゼン

+8kg。緩さが気にならないでもないが、多少太い程度。8割のデキは有る。少し引っ掛かりそうになっていた影響も有るだろうが、無理せず中段。今日は前有利の流れだったとはいえ、4角でタンタアレグリアの直後なら悪い位置ではなかった筈だが、伸びあぐねていた。明らかに急坂が向いていない。

ブライトエンブレム

2人曳き。増減なしで9割程度の仕上がり。皐月賞以来だから成長面に疑問符も付くが、毛ヅヤは良かった。この馬にしてはゲートも出た方だが、行く気なく後方から。3角手前からマクりには行ったが、直線向いて中段では競馬にならない。スローで展開が向かなかった格好。パンパンの良馬場では厳しい面が有り、少し時計が掛かった方が良いかも。

第32回関西テレビ放送賞ローズステークス(GⅡ)

タッチングスピーチ

前後肢にバンテージ。骨格がしっかりしており、歩様も力強い。出脚もない馬だが、道中もむしろオッツケ気味で後方から。前走札幌戦でもそうだが、コーナーの脚がない直線一本のタイプ。ハイペースも向いて、一気に突き抜けた。戦前は「過去10年のうち、9回が前走オークス組」ということで実績馬有利というデータも囁かれていたが、今年はやはり低レベルだったか、条件上がりが鮮やかに決めた。ただ、この馬自身は前述した様に回り脚がない。次走は平坦小回り2000mで、苦しい面も出て来る。

ミッキークイーン

+8kg。まだ細い。武器が有るとすれば、下見の歩様から分かるバネだが。1番人気でも、最後方から行かざるを得ないレベルの出遅れ。前のタッチングスピーチよりは行き振り良さそうだったが、4角での差が詰まらなかった。坂を上がって手前が替わった辺り、むしろ止まり気味だった様に見えた程。休み明けとゲートの差を考えれば本番で逆転可能だが、この馬体で上積みが見込めるかどうか、多少疑問も残る。

トーセンビクトリー

前後肢にバンテージ。垢抜けた造りだが、細身に映るのは否めない。出脚は速い方だったが、折り合いに専念して後方から。4角手前から少し動いたが、坂下迄持ったまま。何とかなったかに見えたが、坂を上る脚がなかった。今日のところはパワー負け。これも平坦で変わる余地は有る。器用さは有るので、出来れば次走は内枠が欲しい。

レッツゴードンキ

+14kg。多少緩い程度。減って出て来るよりは遥かに良い。好発。ハナへ行ける雰囲気だったが、シングウィズジョイに内から主張され、連られそうになり、叩く形で脚を使わされてハナへ。この分、1000m58.4秒とハイペースになった。坂を上がって苦しくなったが、一旦は完全に突き放す場面を造って、先行勢総崩れの中で良く粘っている。スンナリ行けていたら逃げ切っていただろう。今年は細身で体力不足の馬が多い印象も有るが、パワーが有りそうなのも強調出来る。条件も好転するだけに次走は本命。

クイーンズリング

2人曳き。相変わらず細いが、気配は文句なし。外枠だが、積極的に乗られて好位。上手く内に潜ったが、少し行きたがっていた。直線はジワジワとしか伸びず。今日の流れで前へ行ったのが裏目に出た格好。距離が微妙に長い様な気もするが、外枠が応えた感は有り、評価は下げ辛い。

サマーマイルシリーズ第3戦 第60回京成杯オータムハンデキャップ(GⅢ)

フラアンジェリコ

前肢にバンテージ。減点材料はないが、何時もより歩様が柔らかい様な気がした程度で、強調材料にも欠ける。淡々と歩いていた。ゲートは一応出ているが、決め打ちの後方待機策。4角の手応えが有ったのは確かだが、坂下でフラつくヤングマンパワーの内外で捌き損ねていたにも関わらず、一気の伸び。小回りで一瞬の脚を生かす一発屋だが、前崩れの展開に乗じて久々にハマッた。ただ、1分33秒3は稍重だった10年前と同じ時計 (前走も同タイムだったが、新潟開催)。レベルの低下は否めないところ。

エキストラエンド

2人曳き。しっかり踏めていた。夏場は苦手な馬だが、今年はそこ迄悪く見えない。最近、ゲートが怪しい傾向も有るが、今日は何とか普通に出て好位グループ。3角辺りから手応えが怪しくなりながらも、中山マイルだけに内目に居れば自然と番手が上がって、4角でアルビアーノの直後が取れたのは大きかった。直線で上手く進路が取れた。前述した様に寒い時期に強く、また登坂力の甘いイメージも有ったが、両方を克服。ただ、こういうケースは得てして衰えのサインで有ることが多い。

ヤングマンパワー

シープスキンノーズバンド。-22kg。前走新潟戦で多少太い程度。骨格がしっかりしているので目立たないだけで、ここ迄減ると少し細いかも。落ち着いていたのは何よりだが。外枠勢の中ではゲートを出た方だが、無理せず中段から。ただ、この馬は時々有るそうだが、4角を前後の手前が逆の状態で回ってしまい、外へ飛んでしまったのが痛かった。ベクトルが真正面向いたのは坂を上がる辺り。着差が着差だけにマトモなら勝っていた。

グランシルク

2人曳き。気合乗り文句なし。毛ヅヤも良いが、まだ馬体が若い。ヤングマンパワーとは逆の形で、内枠勢の中ではゲートで後手に回ったクチだが、やはり中山マイルで内に居れば番手は上がって3角で中段やや後方辺り。前も開いたが、前走東京戦でもそうだった様に、期待程伸びてくれない。ここ数走は勝てる展開を落としている。着差以上に評価が下がる敗戦。

ショウナンアチーヴ

2人曳き。シープスキンノーズバンド。-14kg。イレ込みに近い位の気配だが、何時もこんな感じ。馬体も絞った方が良く見せる。ゲートはそこ迄悪くなかったが、折り合いに専念して後方から。その点では上手く行っていた。外目から前も開いて良く差して来たが、あと一歩。上手く行ってこの程度ということもいえるが、最近の中では一番の内容。

アルビアーノ

牝馬の割にドッシリと見せる馬だが、ダートに使ったのが分かる様な歩様の硬さが相変わらず。最内のアルマディヴァンが好発。これをケイティープライドと一緒に叩きに行く形。ハイペースになり易いパターンだが、序盤のロスを意識し過ぎたケイティープライドが抑えたことでスローになり、マクり合戦の様相。坂下で抜け出して格好は付けているものの、坂を上がってからが踏ん張り切れなかった。最近は馬場の改良で開幕週の方が差し有利となりつつ有るが、それ以上に展開が大きい。先行馬総崩れの中で、7着といっても0.1秒差だから悪い内容ではない。歩様の硬さが毎回気になる馬で、何かに悪影響が出ている筈だが、序盤のスムーズさが大事となって来る様。

サマースプリントシリーズ第6戦 第29回セントウルステークス(GⅡ)

アクティブミノル

毛ヅヤは良かったが、歩様に力がない。好発。内枠の馬に速い馬が居らず、そのままハナへ。ハクサンムーンに叩く気はなかったのと、4角で少し外へフクれたことに依って、ハクサンムーンが絶好の壁役になってくれた。前半3F34.0秒のペースも逃げ馬にはベストペース。それでハナ差だから程度は知れているということになるのだが、結果的に1200mは3戦3勝。何かツキが有るのも確か。

ウリウリ

歩様キビキビ。雰囲気が1頭だけ違った。出遅れ。この枠だけに不利がどうかは微妙だが、岩田騎手らしくインへ潜る形。直線迄待って外目に進路を取ったが、上手く前が開いてほぼ真っ直ぐ伸びて来た。普通に外を回っていればこの脚はなかった筈で、今日は好騎乗だが、それでも一番強い競馬をしているのはこの馬。後述するが、次走を考えると坂をちゃんと上れる点も評価出来る。

バーバラ

2人曳き。前後肢にバンテージ。デキ自体は高値安定。イレ込みもこんなモノ。今日はゲート互角。好位のインで理想的な立ち回り。前も開いて、これで負けたら仕方がないという競馬が出来たが、前は捕まらず、後ろに差されての3着。重賞でも勝負になる馬では有るが、このクラスに入ると少し差が有るか。尤も、常に出遅れの危険が有って、GⅢでも中々アテにし辛い面は有るのだが。

ストレイトガール

前肢にバンテージ。見た目には出来ていた。多少頼りないのは何時ものこと。この枠とマイル戦の後ということも有り、前を積極的に追い掛けることはせず、中段から。折り合いは何が有っても付く馬で、スムーズに流れに乗れたが、直線は外へ持ち出しても、伸びそうでもう一押しが利かなかった。休み明けで攻め量不足を考慮すれば良く走っているという見方も出来るが、戦前述べた様にスピード一辺倒というタイプ。東京で限界で、坂は上れないと考えるのが妥当。そこがウリウリとの差。

マヤノリュウジン

まだ緩いが、少しでも絞れたのは良い傾向。ゲートは出ているが、例に依って後方待機。ウリウリよりは終始外を回っていたが、そこ迄外を回されずに済んだ。ただ、直線でストレイトガールが外にヨレて、そこで立て直す不利が有った。1馬身位のロスは有った筈。4着との差を考えれば、今日はどう乗っても5着には変わりないのだが、前と内が有利な展開だっただけに、次走も無視はし辛いところ。