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競馬回顧 2016年1回京都

第57回アメリカジョッキークラブカップ(GⅡ)

ディサイファ

前肢にバンテージ。+12kg。歩様が力強い。ちょっと立派に映るが、馬がヤル気になっていた。出脚は有る馬で、マイネルフロストは叩いたが、この馬自身も距離に不安が有るところで、中段から。折り合いは問題なく付いていた。4角でバテた馬を捌きつつ、外へ。坂下では勝負有ったかの手応えで、このメンバーでは力が違った。昨年5着だが、強敵相手に揉まれた分は有るにしても、能力的な上積みはそれ程ではない筈で、今年はメンバーが低調だったとみるのが妥当。

スーパームーン

毛ヅヤが良く見えるのは毛色だろうが、キビキビ歩いていた。ジワッと行かせて中段。ディサイファの隣に居たが、4角でヤマニンボワラクテが間に噛んでしまったのは少し痛かったか。その分、外を回されてしまった。少し前とは差が開いており、今日はどう乗っても2着だっただろうが、この内容なら完全復活といえる。あとは残り少ないチャンスを逃さないか。

ショウナンバッハ

多少毛ヅヤが怪しいが、トモにボリュームが有って、しっかり歩けていた。スズカデヴィアスが外に張りながら先行。行く気もなさそうだったが、頭を抑えられる形となり、後方の内目から。4角も内を回したが、直線向いてディサイファの前に出て来れたのは大きかっただろう。一瞬の決め手をロスなく発揮出来た。この差だけに本当は2着が欲しかったところだが、来年はディサイファの地位に居ても不思議はない。

マイネルフロスト

シープスキンノーズバンド。前後肢にバンテージ。今日は明らかに前走以下。馬体の張りは悪くなかったが、歩様が妙に硬かった。前述した様に、ディサイファに叩かれる形となり、中段やや後方から。前走は逃げたが、距離を意識したか、今日は最初から行く気がなかった。前走と違い、ソコソコ流れており、控えたことは一概に責められないが、この形なりの脚は使っていても、僅差の追い比べを落としての4着だけに見栄えが悪い。ディサイファの位置だったら馬券圏内有っただろう。

ヤマニンボワラクテ

前後肢にバンテージ。毛ヅヤは冴えず、見栄えしないが、緩んでいる様子はない。デキ自体は悪くなさそう。隣のフラガラッハに連られてゲート内で暴れ、多少出ッパが悪かったが、出脚は有る馬で立て直して中段。勝負どころでもディサイファを目標に積極的に動いて行ったが、坂を上がっての脚があと一歩だった。重賞初挑戦でもソコソコ人気になっていただけ有って、ディサイファとも0.3秒差で良く走っている。一つ位は手が届きそう。

サトノラーゼン

+6kg。馬体は悪くないが、今日はイレ込み過ぎ。好発。スッと好位に取り付いた迄は良かったが、道中は結構力んでしまっていた。4角で既にアラアラの手応え。ほぼ無抵抗だった。乗り役の話では周囲に馬が居ると良くないとのことだが...。

第33回東海テレビ杯東海ステークス(GⅡ)

アスカノロマン

前肢にバンテージ。毛ヅヤは悪くないが、少し腹回りがボテッと映る。モンドグラッセに叩かれる形となったが、立て直して2番手。序盤は少し掛かっていたが、何とか2番手で宥めた。道中はモンドクラッセの半馬身位後ろでマーク。坂を上がって競り落とすと最後は抑える余裕が有った。スローで後続が何も出来なかった面も大きいが、見た目には完勝。良馬場のパワー勝負では少し分が悪い印象も有ったが、スローで上がりの競馬に持ち込んだことで決め手が生きる展開になった。逆に言えばこれで成長していると評価するのは早計。

モンドグラッセ

前肢にバンテージ。数字の割に大きく見せるタイプではないが、しっかり踏めていた。出脚が抜けて速く、スッとハナへ。外枠からの逃げでも、スッと先手を取った為、道中は1000m通過が62.9秒とかなりペースを落とせたのは大きかったか。結果的にアスカノロマンがピッタリマークされて捕まる形になってしまって、飛ばして逃げていたらまた結果も違ったのかも知れないが、悠々2着は確保。安全策故の産物で、今日はこれでヨシだろう。ダートは看板より賞金。

ロワジャルダン

シープスキンノーズバンド。前後肢にバンテージ。相変わらず馬の造りは軽いが、見栄えする。出脚はアスカノロマンより速そうだったが、無理せず好位から。道中はずっと力んでいた様に見えた。外から早目に動いていた馬も居たが、その分、コーナーで強気に動けなかった印象。そこで前との差が一気に離れてしまった。最後は良く差している。事故に依る乗り替わりだけに止むを得ない面も有ろう。馬は頑張っている。

ダブルスター

シープスキンノーズバンド。前後肢にバンテージ。-10kg。数字は絞れたと見て良さそう。歩様が力強い。少し仕掛けて3番手から。このスローで内ラチ沿いを走れたのは大きかったか。引っ掛かる馬が多い中で、折り合いも付いた。それでこの4着だから、上位との力量差は相当有りそうだが、器用さは持っている。グランド牧場と伊藤圭三厩舎のコンビは今日も2頭出しで、スマートボーイの時代からダートに良績が集中しているが、今もその伝統は受け継がれている。

グランドシチー

遮眼革。毛ヅヤがピカピカ。馬体に多少年齢も感じるが、現状としてはマックスに近い。この馬としてはゲートは出ているが、例によって後方から。ただ、スローながらも、馬群が固まってくれたのと、頭数が少なかったのはこの馬としては有利に働いたか。3〜4角中間から押し上げて、ここ迄。それでも5着だから、馬券に絡むことは今後もないだろうが、確実に賞金を咥えて来る。

インカンテーション

前後肢にバンテージ。見た目には出来ている。馬振りはこのメンバーでは一枚抜けている。出遅れ1馬身不利。道中は引っ掛かり通しだった。途中から行かせていたが、これではどうしようもない。今日は参考外。元々出遅れると結果が悪い馬だが、休み明けで余計に応えた。手が出し辛い負け方だが、ゲートさえ五分なら次走変わっても不思議はない。

第63回日経新春杯(GⅡ)

レーヴミストラル

少し気負っていたが、デキ自体は高値安定。踏み込みに力強さが出たのが大きい。全く行く気なく最後方から。恐らく前走中京戦で追走に汲々としていた反省も有り、距離延長でもゆったり行かせる形。ペースは遅かったが、直線で大外へ持ち出されると、別次元の脚で突き抜けた。多少遠回りは有ったが、やっと能力を証明出来た。今後も楽しみだが、調教師が来月で定年を迎える。転厩自体がマイナスとなるだけでなく、最後の餞として、京都記念辺りを使うことになりそう。天皇賞へ向けては1走余計となる。

シュヴァルグラン

2人曳き。毛ヅヤと馬体の張りがイマイチ。お世辞にも満点はやれない。あまり行く気なく後方から。ゲートが少し悪かったが、1回外へ持ち出して中段。そんな形でも折り合いは問題なく付いていた。ただ、乗り役もコメントしていた様に4角で他馬と接触した分、直線向いた段階でで1馬身位後ろになったのが痛かった。僅差でも2着確保出来たのは能力の照明だろう。少しハンデが見込まれた様な気もしたが、この内容なら充分足りる。

サトノノブレス

このメンバーに入ると、馬の造りの良さで抜けている。毛ヅヤも問題ない。この馬の出脚で2番手から。途中でメイショウウズシオが動いて行ったが、一気に行ってくれた為、問題なし。基本的には淡々と流れている中での2番手だっただけに、絶好の展開だった筈だが、追って一息。特に2着のシュヴァルグランは不利が有っただけに、この競り負けは頂けない。58kgだと少し家賃が高いのだろう。

ダコール

+22kg。数字程太く見せないのは中身がないのかも。冬毛も目立つ。スタートを決めてスンナリハナ。前述した様に途中でメイショウウズシオが動いたのだが、離して行ってくれたのは大きかった。4角でも手応え充分。これも形としては悪くなかったが、伸び切れなかった。馬体が少し緩かった影響は有りそう。ハンデも明らかに見込まれていた。

ベルーフ

2人曳き。硬さもなく、仕草に問題ない。馬体も悪くない。好位置取りに行った影響も有ったが、スタート直後から結構力んでおり、中段馬群に入れて何とか宥めようとしていた。上位4頭はこのペースでもピタリと折り合っており、今日はその差が大きかった印象。大きく負けていないだけに、能力はヒケを取らない筈だが、気性面が問題に。

第56回京成杯(GⅢ)

プロフェット

スカッと見せつつも、筋肉の輪郭が浮いている。歩様も力強い。ただ、体型がマイラー寄り。ゲートが微妙に悪かったが、促して好位。道中は基本的にケルフロイデと並走していた。勝負どころからもケルフロイデと併せ馬。この馬の方が外を回っていたにも関わらず、競り勝って完勝。単純に強かった。前走京都戦は鋭さ負けした様な格好だったが、今日は登坂力が光った。決め手勝負でどうかという部分は有るものの、パワー面では強化されている。

ケルフロイデ

2人曳き。前後肢にバンテージ。+10kg。一息入ってちょっと太いのは確かだが、動きは軽快。まずまず。少し急かして好位から。序盤は少し行きたがっていたが、直ぐに折り合いは付いた。道中はラチ沿いと立ち回って、4角も上手く捌いて来たが、プロフェットとの併せ馬ではネジ伏せられた様な格好。明らかに力量差が有った。ただ、休み明けだった影響も有るだろう。馬自体はプロフェット同様、確実に良くなっている。

メートルダール

2人曳き。前後肢にバンテージ。毛ヅヤが冴えている。もう少し締まっていればがベストだが、トモの造りもしっかりしており、この時期の3歳馬としては良く出来ている。出遅れ1馬身不利。そのまま後方から。直線入口で少し狭くなったが、そこを脚でコジ開けて伸びて来た。坂を上がって右手前になっていたが、脚勢自体に影響はなく、取り溢し感が強い。尤も、クラブ馬とはいえ、同馬主ワンツースリー。重賞ではサンデーレーシングの2012年ジャパンカップ以来2回目だそうだが、GⅠならまだしも、GⅢでの出来事だけに、レース選択が下手だったという話にはなる。

アドマイヤモラール

シープスキンノーズバンド。+12kg。少しチャカつく。馬体には張りが有るが、立派は立派。好発。出脚も速かったが、内からオンザロックスが主張して2番手。オンザロックスは離して逃げてくれた為、決して悪い展開ではなかったが、恐らくは決め手負け。トビが大きく、決してバテている様には見えなかった。今日は太い影響も有っただろうが、距離を伸ばしても結果は一緒。芝は諦めた方が良いかも。

ウムブルフ

踏み込みしっかり。馬体も緩んだところがなく、完成度が高い。ゲートは分が良かったが、最初から行きたがっており、抑え込む形で中段。それでも頭を上げていきたがっていた。これでは伸びない。尤も、堀厩舎はこの手の難しい馬を得意としている。1年後大化けしている可能性も否定出来ない。

第53回農林水産省賞典愛知杯(GⅢ)

バウンスシャッセ

+22kg。腹回りがタプタプ。明らかに太い。ただ、歩様が力強いのと、妙に気配が良かった。最初からかなり行きたがっており、宥めて後方から。道中もずっと行きたがっていたが、坂を上がる途中で外に持ち出されると、ジワジワ伸びて最後は2着馬に1馬身1/4差。完勝だった。中京2000mにしては結構流れた影響も有っただろうが、それにしても道中が悲惨だった割に強かった。色々アテにならない部分も有る馬だが、まだまだ稼げそう。

リーサルウェポン

前肢にバンテージ。+6kg。歩様にバネが有った。毛ヅヤも悪くなく、この馬としては良い方。落ち着きも有った。スタート直後に躓いたが、距離にも不安有って中段やや後方から。ただ、コーナーで外を回って進出。脚も矯まっていない様にも見えたが、追ってもしっかり脚を使っていた。ハンデも有ったが、この内容なら距離はこなしたといえる。選択肢が広がったのは大きい。

アースライズ

-4kg。この馬体減はマイナス材料。馬が淋しく映った。歩様に硬さがないのがせめてもの救い。これも最初から引っ掛かりそうになっており、控えて中段から。直線は上手く捌いて来たが、結果的に早く抜け出し過ぎたかも。頭が高い走法で、一踏ん張りが利かなかった。詰めが甘いのは毎度だが、毎回惜しいのも確か。強敵相手でもソコソコ走れるのは馬券的に魅力。

マキシマムドパリ

-10kg。テンション高いのはまだしも、腹が巻いている。これではダメ。半馬身位出遅れたが、出脚でカバーして中段。これはこれだったが、ペースが上がった時にオッツケ気味になっていた。とはいえ、その割には直線は良く踏ん張っている。距離はもう少し有った方が楽になりそう。馬体減も考えると、強い競馬をしている。

レイヌドレージュ

シープスキンノーズバンド。前後肢にバンテージ。強調材料もないが、悪くもない。出脚でやられて後方から。序盤は少し行きたがっていたが、向正面からは折り合っていた。4角でバウンスシャッセを内に閉じ込めて、上手く外へ持ち出したが、結果的に外過ぎた印象。それでも最後は良く伸びている。6歳だけに残されたチャンスは少ないが、このメンバーでも展開一つ。

第32回フェアリーステークス(GⅢ)

ビービーバーレル

前肢にバンテージ。少しチャカつく。トモに迫力が有って、馬体は良く見せる。ダイワダッチェスの方が速かったが、思い切って叩いてハナへ。最初は脚を使っただろうが、3角手前で抑えており、息を入れる余裕が有った。トビが大きいので、ハナへ行って素直に走らせたのも良かっただろう。後続はゴチャついていたが、関係なく逃げ切った。あとは一線級との相手関係。昨年のノットフォーマルがその後サッパリなだけに。

ダイワドレッサー

シープスキンノーズバンド。少しトモが薄い造りだが、この時期にしては毛ヅヤが冴えている。3枠2頭程ゲートは速くなく、好位から。2角過ぎにゴチャつく場面が有り、引っ張って頭が上がる場面。ただ、この馬自身が引っ掛かっている訳ではなく、その後がスムーズだったのは大きかったか。ビービーバーレルとは離されたが、直線もしっかり脚を使っている。スカッとした造りだけに距離が延びても問題なさそう。

ダイワダッチェス

シープスキンノーズバンド。筋肉が浮いているが、ちょっと所作が硬い。気配は良い。出脚は速かったが、掛かりそうになっており、控えて好位。ただ、それでも頭を上げ気味で行きたがっていた。追ってからも少し頭が高い走り。その分、伸びを欠いた。折り合えばもう少しやれそうだが、現状だと500万でも危険かも。

クードラパン

前肢にバンテージ。尻尾が短い為、不格好だが、歩様が力強い。皮膚を薄く見せて、デキだけなら一番。ジワッと行かせて2番手。前に壁がない状態だったが、折り合いは付いていた。4角の雰囲気では楽々2着かに思われたが、いざ追ってからが案外。見た目に脚が上がっている様に見えないだけに、決め手不足なのかも。

コパノマリーン

前肢にバンテージ。数字のない馬の割には良く出来ている。毛ヅヤがイマイチだが、その割に張りが有る。この馬もゲート速かったが、ダイワダッチェスの方が勢いが良く、引く形。ただ、そのダイワダッチェスも抑えて、結局中段位から。追ってからも脚は有りそうだったが、坂下で大きく外へヨレてしまった。能力云々の以前に、今日は経験不足。

第50回日刊スポーツ賞シンザン記念(GⅢ)

ロジクライ

遮眼革。前肢にバンテージ。腹回りがボテッとして見栄えしない。ただ、歩様の力強さは特筆出来る。出たなりで中段から。内で折り合いを付けて、3角過ぎから各馬が動いた時にも我慢。直線で前が開く迄待って追い出し、後続の追撃を一杯一杯振り切った。浜中騎手はこの4勝目だそうだが、今日は上手く乗った感が強い。2着を数馬身離したというならまだしも、追ってフラフラで何とかクビ差。何かと強運のオーナーだが、この先、未勝利で終わっても不思議はない。

ジュエラー

2人曳き。+10kg。脚長の馬で、まだ造りは軽い。もっと増えた方が良さそう。出遅れ1馬身不利。引っ掛かりそうにもなっており、宥めて後方から。これも坂を大事に下っていたクチで、直線迄待ってから外へ。重心の低い走りで、矢の様な伸びを見せてここ迄。今日の馬場でこれだけやれれば能力は間違いなく最上位。出世レースだが、特に牝馬は確率が高い。馬体の細さだけは気になるが、この馬も例外ではなさそう。

シゲルノコギリザメ

出脚は一番速かったが、内から主張する馬も居て、好位の外。ただ、中途半端を嫌ってか、3角手前からハナへ行って、早目早目。4角で3馬身位離していたのが、直線向いて一気に差が詰まりながらも、3着に踏ん張った。乗り役の話ではもう少し距離が短い方が良いとのことだが、マイルでもとにかく渋太い。

アストラエンブレム

2人曳き。もう少し増えても良いかも。何となくギスギス感が有った。気配は悪くないが。行きたい馬に行かせて中段のイン。ただ、シゲルノコギリザメが動いたのを意識してか、3角過ぎから少し外へ持ち出して動いて行った。直線はラスト300m辺りで横一線となり、何とかなったかに見えたが、そこからが案外だった。この相手ならアッサリでも不思議はなかったが、意外に動けず。初の右回りが応えたか、早く動き過ぎたか。今日の段階では敗因不明。

レオナルド

2人曳き。-8kg。数字は絞れたモノ。少しテンション高いのと、寸詰まりだったが、馬は良かった。毛ヅヤもピカピカ。出遅れ1馬身不利。出す意思は見せていたが、それでも後方。大事に乗って直線はジワジワ伸びているが、伸びはもう一つ。ゲートがマトモだったらもう少し良い結果だった気もするが、それでも現状は上位と差が有りそう。

第54回スポーツニッポン賞京都金杯(GⅢ)

ウインプリメーラ

前後肢にバンテージ。昔はイレ込んでいた筈だが、落ち着いている。メリハリの利いた造りで馬も良く見せた。ゲートを決めて、ジワッと好位。折り合いもスムーズに付いていた。今日を含めて5勝全てが京都だが、坂の下りで我慢し切れない馬が多い中、この馬だけスムーズに回って来れていた。その分、直線が伸びる。出脚がしっかりしているのもイン有利になり易い最近の京都と合っている。

テイエムタイホー

前走阪神戦と大きく変わらず。悪くはない程度。好発も、内の馬に行かせて好位直後。前走阪神戦と違う点が有るなら、外に馬は居なかったものの、ウインプリメーラを前に置けたのは大きかったか。4角でも宥めて宥めて、内にモタれながらも伸びて来た。前走がサッパリだったが、折り合えばオープンでもやれることが分かったのは収穫。57kgでの好走だけにフロックではない。

ミッキーラブソング

軽快な造り。水平首で気配が良かった。毛ヅヤもピカピカ。出脚はウインプリメーラの方が速そうだったが、押して枠を譲らず2番手。前に居た利は有っただろうが、ちょっと力んで走っていた様にも見えた。その分、終いが甘くなった印象。今年は例年になくレベルが低く、今日の内容だとオープンでは少し足りない。

シベリアンスパーブ

+6kg。数字分だけ重いかも。毛ヅヤがこの時期にしては冴えていて、デキは良さそうだが。内からジワッと出して、スタート直後は好位に居たが、直ぐ内に居たバッドボーイが譲らず、一つ下げる形。3角過ぎにケイティープライドに入られたのも痛かった。今日の展開で、ここ迄位置取りが悪くなると厳しい。3番枠でも、枠順に泣かされた格好。

ニンジャ

寸の詰まった造り。毛ヅヤは悪くないが。最内枠を得て、戦前から決めていた様で、押して押してハナ。"人気薄の逃げ馬"で、4角迄は単騎で回って来れたが、直線は粘れる脚がなく、ここ迄が一杯。強いていえば、もう少し出脚が有るともっとペースを落として行けたかも。それでも、今日のイン有利な馬場でこの結果だと、余程のことがない限り、馬券圏内はないだろう。

第65回日刊スポーツ賞中山金杯(GⅢ)

ヤマカツエース

少し毛ヅヤが落ちて来たが、馬体には張りが有る。高値安定。出脚は有るが、急かすと掛かりそうになるのでジワッと5〜6番手。道中は縦長の展開だったが、流石に遅いと踏んで4角手前でジワッと仕掛け、坂を上る脚で捕まえた。見た目には完勝。これで2000mで重賞連勝。基本はマイラーだと思うのだが、道中で余計なことをしないのが距離をこなせる要因。特にこういった淡々とした流れになると強い。先月中京で重賞を勝ったミトラに似たタイプ。

マイネルフロスト

シープスキンノーズバンド。前後肢にバンテージ。トモが甘いのは何時ものこと。ただ、馬体が少し緩慢に映った。毛色の影響も有るのかも知れないが。アオリ気味に出たが、誰も行かないのを見て、決勝線過ぎた辺りでハナへ。2番手スピリッツミノルがガッチリ押さえた為、1000m通過62.3秒のスロー。4角でも単騎で回って来れた。今日はむしろこの展開でも勝てなかったことを嘆くべきだろう。阪神で重賞は勝っているものの、坂が上れない可能性も多少有りそうだが。新嘉坡のクランジもほぼ平坦だった。

フルーキー

前後肢にバンテージ。+6kg。チョコマカした歩様は相変わらずだが、馬体はシャープ。トップハンデ57.5kgも有り、大事に乗られて中段やや後方から。ただ、今日はこのスローでどうしようもない。直線は32.7秒の脚を使っている。同馬主フィエロ共々中々重賞が遠かったが、この脚をただ、追って少し少し内にモタれていた。今日の内容なら2000mも保つだろうが、ベストではないかも。

ライズトゥフェイム

前後肢にバンテージ。迫力はないが、バランスの取れた造り。集中力有って、気配も良かった。全く行く気なく後方から。スローは承知だった筈だが、フルーキーが動かない為、この馬もコーナーでは大して動かず、直線勝負。フルーキー以上の32.6秒の脚で4着だから完全に脚を余してしまっている。どちらかといえば中山で外から差して来るイメージだが、前走は東京で初連対。力を付けている。オープンでも展開一つ。

ステラウインド

シープスキンノーズバンド。前肢にバンテージ。毛ヅヤや馬体の張りは悪くないが、少し腹回りがボテッと映る。ゲート内の駐立が悪く、バカつき気味のスタート。しかし、出脚に影響はなく、掛かりそうになりながら好位。2角辺りからはスローの割に折り合っていた様に見えたが、いざ追ってからが案外。力んで走るタイプだけにもっと流れないと厳しいだろう。