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競馬回顧 2016年3回中京

サマーマイルシリーズ第1戦 第64回トヨタ賞中京記念(GⅢ)

ガリバルティ

前肢にバンテージ。皮膚を薄く見せてデキ自体は良さそうだが、多少歩様が硬い。スタート直後に外から寄られている分も有るのだが、行く気もなく後方から。今週芝で6勝と勝ちまくっていた福永騎手、勝てるコースが見えていた様で、直線向いても慌てず外へ持ち出して一気の伸び。下見は少しイレ込んでいた様にも見えたが、後方で折り合いを付けたのも大きかった。前走阪神戦は道悪としても、近走外国人ジョッキーで結果が出なかったが、この馬に関しては福永騎手が合っている様。

ピークトラム

前肢にバンテージ。メリハリのなさはこんなモノだが、多少トモの甘い歩様。好発。内からカオスモスとスマートオリオンが行って3番手から。流れに載れていた。逃げたカオスモスが内目5頭分程を開けており、更に外となったが、これ位が丁度良い位置。ただ、ラスト100m辺りで先頭。結果的に少し早かったか。こういった特殊な馬場で何かにやられるのは仕方がないところ。広いコースで器用さを生かすタイプ。次走新潟なら圏内。

ケントオー

2人曳き。太く見せる馬が多い中で、スカッとした造り。気合乗り抜群。一完歩目は出ている様に見えたが、出脚が鈍く最後方から。腹を括って4角でもそのまま。直線迄待って大外へ持ち出して追い出す形となったが、目の前の馬も似た様な競馬を試みており、捌く形になったのが痛かった。ガリバルティとは同じ脚を使っている。前走阪神戦は道悪での勝利だったが、この馬場でも結果を出せたのも収穫。オープンでもメド。

ダンスアミーガ

背丈が低く不格好だが、デキ自体は悪くない。外から少し押し気味に好位。ただ、引っ掛かりそうになっており、引っ張っている内に3角では少し番手下がっていた。直線向いてピークトラムの直後。上手く脚を矯めて一瞬の脚を使ったが、そのピークトラムに最後の最後で寄られたのが痛かった。真っ直ぐ走れていたら3着有っただろう。全く人気はなかったが、こういった時計の掛かる良馬場は強い。折り合い面が怪しい為、安定性とは無縁だが、忘れた頃の一発は警戒必要。

ダノンリバティ

+10kg。シープスキンノーズバンド。馬体増も筋肉の輪郭が浮いて太く見せない。歩様も力強い。ゲートは少し悪かったが、出脚で挽回して中段。折り合いは怪しいながらも付いていた様に見えたが、いざ追ってエンジンが掛かる迄に少し間が有った。最後の最後は前と似た様な脚を使っているが...。芝に転戦して4戦目だが、まだ経験不足の部分が有る。

第48回函館2歳ステークス(GⅢ)

レヴァンテライオン

-8kg。数字は締まったモノと見て良い。歩様の力強さがここに入ると断然。好発。1馬身抜けていたが、行く気なく好位に控える形。4角を手応え充分に回り、早目先頭。直線は少し外にモタれていたが、後続の追撃を振り切った。今日のところは馬体が絞れた上積みが大きかった様子。最近は意外にレベルが高いと思わせる馬も多かったこのレースだが、今年は下見から明らかに子供子供した馬が多かった。この相手では完勝だが、レベルには疑問も付く。レコードも今年は明らかに馬場状態が良かった。

モンドキャンノ

前後肢にバンテージ。馬体はこのメンバーでは上位だが、左後肢の出が若干悪い。気配は良かった。出脚で少し差が有って好位直後。馬群の中で多少周囲を気にしていたのは仕方がないところ。それでも手応えは良く、4角で前が壁になっていたことも有ったが、引っ張り切りで回って来ていた。追ってそれなりに伸びて来ているが、前のレヴァンテライオンはそれ以上に楽をしていた。ただ、キンシャサノキセキ産駒でスプリンターとしては上級。馬群の中で競馬出来たのも収穫といえるのでは? 歩様からダートでもイケる筈。

タイムトリップ

前肢にバンテージ。+6kg。トモは薄いが、腹回りはボテッと。要は仕上がり途上。出遅れ1馬身不利も出脚で挽回してスッと好位。こんな形でも意外な程、流れに乗れていた。只管インに居て、レコードの馬場で粘り込む格好。能力面での評価は何ともいえないが、器用さを見せたのは何より。ゲートさえマトモな面白い存在。ただ、前走福島戦はちゃんと出ていた。その当時は4角で外にフクれる場面も有ったが、今回はスムーズに回れていた。

メローブリーズ

シープスキンノーズバンド。前後肢にバンテージ。コロンした体型。手先だけで歩いている。出遅れ1馬身不利。出脚は鈍かったが、前が壁になる迄行かせて中段。結果的にここで暫く矯めが出来たのは良かった様。バラけた馬群を割ってここ迄。能力はともかく、これも競馬の上手さは感じる。ただ、追って明らかに頭が上がりそうになっていた。距離面では限界が有りそう。

ドゥモワゼル

2人曳き。+12kg。これも寸の詰まったスプリンター体型。馬体が増えて余計にそういった印象が強くなった。半馬身程出遅れて後方に近い位置。後方の数頭は別にして、馬群は結構固まっていたが、その外で後方と最悪の位置取り。それでこの伸びは評価出来る。このメンバーなら差はない。

函館競馬場開設120周年記念 サマー2000シリーズ第3戦 農林水産省賞典第52回函館記念(GⅢ)

マイネルミラノ

遮眼革。-8kg。前走東京戦が太かった。まだコロンと映るが、大分締まって来ている。毛ヅヤも良かった。少しゲートを斜目に出たが、気合を入れて戦前の想定通りハナへ。オツウも行きたかっただろうが、叩ける雰囲気ではなく、2番手で我慢してくれたのは大きかった。向正面で少しオツウとの距離を取ったことで4角で一息付く余裕も出来た。直線は誰も差して来ることなく、オイデオイデの楽勝だった。前走3着でハンデが重くなる危険も有ったが、結果的に56kg据置は恵まれたか。微妙な馬場状態も後続の決め手を殺ぐという意味で良い方に向いた。

ケイティープライド

前後肢にバンテージ。冬場は硬く映った馬だが、今日は幾らかマシ。馬体もスカッと見せて悪くない。外枠勢の先行策に抵抗しつつ好位のイン。只管内でジッとしていた。この馬が伸びたというよりは外を回した組が全滅となり、最後に脚を使った分の2着。最後の一押しはハンデが利いた感も有るが、それ以前の問題。とはいえ、内々を立ち回るのは上手い。2月小倉戦の内容から重賞級ではない様な気もしつつも、今後も逃げ馬が勝つ様な展開だと2,3着の穴候補として警戒必要なのだろう。

ツクバアズマオー

増減なしだが、叩いて良化。叩いて張りが出て来た。順当に良化。これも最初から内へ潜るつもりだった様だが、1角で上手く潜り込めた。ただ、出脚も速くなさそうではあったとはいえ、枠の関係でケイティープライドの後ろになったのは痛かったか。マデイラも含めて内ラチ4頭が上位独占の格好となったが、枠の差が明暗を分けている。尤も、函館は未勝利脱出の地でも有るが、8走して全て掲示板を確保。最近の北海道の開催日数を考えると8走するだけでも大変なところで、陣営も余程自信を持っているのだろう。

マデイラ

オーストラリアンブリンカー。前肢にバンテージ。前走は目が血走っていたことを考えると、これでも大分落ち着いている。出脚は大したことなさそうだったが、押してマイネルミラノの直後。馬装通り、レースの流れに乗る迄に時間が掛かっており、それが終いの甘さに繋がっている。絶好位で伸び切れない格好で、今日は4着でも評価が下がる内容なのだが、逆にいえばその点が直る様だとオープンでも足りる筈。

バイガエシ

2人曳き。-6kg。少し踏み込み浅い。実績以上に人気していたが、このメンバーでも少し劣る。内外から来られて1角では後方から。スローでどうしようもない展開、しかも3〜4角中間でも動く馬が殆どいない悲惨な状況だったが、外を回って最後迄脚を使ってここ迄。今日はこれで良く走っている方。函館の馬場自体は向いていそう。今日は昨年惨敗のマイネルミラノが雪辱を果たした形だが、来年この馬がリベンジする場面が有っても不思議ではない。

ネオリアリズム

休み明けの影響は有りそう。馬に集中力がなく、馬体も緩かった。出遅れ1馬身不利。それを挽回しようとして急かしたところ、引っ掛かってしまった。馬を前に置いて折り合わせる努力は見せていたが、結果的に4角の位置取りを悪くしてしまう副作用も。そんな中で最後迄馬は頑張って伸びていた。戦前期待したが、乗り方がマズかっただけで力は示した。次走狙い目。

サマー2000シリーズ第1戦 第52回七夕賞(GⅢ)

アルバートドッグ

-4kg。しっかり踏めていた。これ以上減って欲しくない気もするが、高値安定。内の出方を窺いつつ、中段から。1000m通過が57.9秒、といってもメイショウナルトが1頭だけで飛ばしているペースで、馬場状態を考えると実質的にはスローに近い流れ。今日は出脚を使わずに中段位置を確保出来たのは大きかった。3角過ぎから馬群がバラけて進出、この脚が速かった。ラスト200mで前を捕まえると、ダコールには迫られているものの、1馬身近い差は確保しており、最後は抑える余裕が有った。完勝といっていいだろう。勝てる力は持っていながら、後方から行って届かずの競馬が続いていたが、乗り役の好騎乗が一押しとなった。最近、牝馬は何でも勝たせる戸崎騎手と述べたが、牡馬も何でも勝たせてしまっている。

ダコール

一歩一歩が力強い。馬体にも張りが有って、年齢を感じさせない造り。ゲートをポコンと出てしまったのも有るが、斤量も背負っており無理出来ず中段やや後方から。真後ろではなかったが、アルバートドッグをマークの形。3〜4角中間も、アルバートドッグが動いたのを見て、連れて動く形。コーナーの脚は似た様なモノだったが、前との差を詰めるには至らず。とはいえ、この年齢とこの斤量でこれだけ走れれば立派。この辺の相手なら常に圏内。以前よりGⅠで関東馬が勝つ場面は増えてきているのだが、この手の馬が案外多いのが栗東の底力。

オリオンザジャパン

かなり白くなった芦毛だが、明らかに毛ヅヤが良い。馬体にも張りが有った。ゲートは出ているが、出脚がサッパリに近く後方から。最初から腹を括ってラチ沿いに寄せていたが、道中も追走に骨を折る様な状態。4角もインを通って差を詰め、直線だけ外に持ち出すと最後の最後で3着浮上。縦長の展開となったことで、コーナーで上手く内が開いていたのが幸い。前2頭が抜けてしまう展開も向いた。全てが噛み合ってやっと3着。追走がマトモに出来ていない状況でも有り、間違っても芝をこなしたとは言い難い。

マイネルラクリマ

腹回りが緩んでいる。まだ本当ではなさそう。意外な程出脚が鈍く、押してやっと好位。道中の手応えは悪くなさそうだったが、勝負どころでオッツケ通しだった。そんな中でも直線はジワジワ伸びている辺りに地力の一端は示しつつも、オリオンザジャパンにやられている様では値打ちは下がる。デキのなさとハンデで合わせ技一本になってしまった。逆にいえばこの2つが好転すればまだ稼げるということにはなるが。

クリールカイザー

パシュファイヤー。前肢にバンテージ。馬体には張りが有った。発汗は時期が時期だけに気にならない。少し歩様が硬い程度。出脚は有ってメイショウナルトに行かせて、2,3番手から。メイショウナルトが飛ばした為、少し距離が開いていた。内は見た目より悪くなかった筈で、勝負どころの手応えも悪くなく、4角手前でメイショウナルトを捕まえに行った程だったが、そこからが甘かった。結果的には早漏過ぎた。勝ちに行っての結果だけに乗り役は責められないが。

第21回プロキオンステークス(GⅢ)

ノボバカラ

シープスキンノーズバンド。前肢にバンテージ。-10kg。数字分だけスッキリした印象だが、それでも重量感が有り、デキに問題はない。好発。ただ、出脚が怪しく、ハナへ行きたいのに内の馬に抵抗される形。200m程で引いたが、ここで少し脚を使わされたのはそれなりのロス。それでも3角過ぎから手応え充分に動いて行って、坂を上って先頭。ちょっと早目に抜け出し過ぎてフワッとしていたが、乗り役が気合を付けるともう一伸び。細かいミスは有ったが、単純に馬が強かった。あくまで馬が強ければだが、ダートの短距離は外枠の方が相手の出方を窺いながら行ける分、良い方に出ることが多い。ただ、馬装通り、追い出して少し頭が高い気もしないでもない。一線級ではないだろう。

ニシケンモノノフ

歩様キビキビ。一息入ったが、特に緩んだところもなく、デキは悪くなさそう。恐らく出脚は一番速いのだろうが、最初から引いており、好位から。目前にノボバカラを置く形。これはこれだったが、何故かコーナーで置かれており、ステッキが飛んでいた。直線向いてからは差しているだけに、もう少しコーナーで食らい付いて行っていれば際どくなっていた。特にこの馬場で差しているのは評価出来る。勿体ない競馬になってしまった。左回りはあまり走っていないのだが、意外に良くないかも。

キングズガード

前肢にバンテージ。腰に筋肉が付いて、歩様がしっかりして来た。出遅れ半馬身不利。出脚もなさそうで後方に近い位置。腹を括って内ラチ沿いをひたすら回り、馬群を割って伸びて来た。特に坂を上がる一瞬の脚はオッと思わせるモノが有ったが、最後は少し甘くなった様にも見えた。人気になっていたが、この馬場で重賞ともなると前に何頭か居るのは仕方がないところ。そもそも前走京都戦はハンデ55kgでの勝利でも有り、些か人気になり過ぎていた。

ブライトライン

多少ボテッと映るが、緩んだところはなく、ダートならこれで許容範囲。ゲートで微妙に安目を売ったが、押して好位。4角回ってノボバカラの直後なら悪い位置ではないが、追い出して手前が替わらず内にササッたのが痛かった。左からムチを入れて何とか矯正していたが、一押しが利かず。前走は東京1600mで勝っており、しかもちゃんと手前は替えていた。着順はこの馬の能力を考慮すればこんなモノだろうが、ちょっと意外な印象。前走は58kgを背負っており、反動が有ったかも。

グレープブランデー

遮眼革。前後肢にバンテージ。全盛期の迫力はなく、腹回りが緩んでいる。ただ、今年の中では悪くない方。全盛期を考えると出脚が怪しくなっており、無理せず好位から。内枠の分、良い位置が取れた。直線向いて、前は開いていたが、追っての脚が一息。斤量と時計の速い馬場を考えると現状の能力は出し切っている。次走、韓国遠征だそうだが、マトモなら何とかなるだろう。

第65回ラジオNIKKEI賞(GⅢ)

ゼーヴィント

2人曳き。馬体はここへ入ると上位だが、首の上げ下げが激しく、かなりイレ込んでいた。今日はゲート五分。乗り役はもう少し前に行きたかったようだが、あまり出脚は速くなく、中段から。ただ、今日は小回りらしく前の出入りが激しい展開となり、これはこれで良かったかも。4角を上手く捌いて直線の進路を造り、追い出されると矢の様な伸びで突き抜けた。返し馬もそうだが、下見の気配では引っ掛かりそうなのに、レースに行くと折り合いが付くのが何より。多少ハンデに恵まれた感も有ったが、能力はそれなりに持っていそう。ただ、このレースが開幕週に施行される様になって以降、昨年のアンビシャスの様にマイラーの適性を持っている馬が勝つことが多い。この馬もその点では例外でなさそう。

ダイワドレッサー

シープスキンノーズバンド。+6kg。数字は回復分。牝馬にしてはトモにボリューム感が有る。GⅠの後だが、歩様もまずまず。出脚が結構速く、1角では2番手。2角手前辺りでミエノドリーマーがガツンと引っ掛かりハナへ行ってしまったが、無視してマイペース。上手く行った部分も有るのだが、4角の手応えを考えると相当渋太い。前々走の東京戦でマイルでも短いと述べたが、距離延長で良さが出た格好。ただ、当時はゆったり構えた方が良い印象も有ったのだが、行かせても結果が出たのは成長しているのだろう。オークスを使ったとはいえ、休み明けでクラシックは事実上捨てた様な格好だったが、その甲斐は有ったといえそう。

アーバンキッド

前後肢にバンテージ。筋肉が浮いてしっかりした造り。毎度ながら踏み込みも力強い。好発。前走東京戦はマイル戦だったが、行かせて失敗しており、今日は行く気なさそうで後方に近い位置。開幕週の外枠で、多少キツい面は有っただろうが、最後迄しっかり脚を使って伸びている。ゼーヴィントの一瞬の決め手はちょっと目立っていたが、この馬もハンデ差を考えると頑張っている。昔の第3週の馬場だったら勝っていただろう。マイラー体型でも、器用さが有るので距離をこなせるタイプ。東京のディスタンス戦に出て来た時が特に狙い目。

アップクォーク

前後肢にバンテージ。-6kg。前走新潟戦が+18kg。数字の上ではもう少し絞っても良いことになるが、馬はこれで張っている。ゲート内でガタガタしており、タイミングを逃して出遅れ。最初からかなり引っ掛かっており、2角辺り迄はどうしようもなかったが、何とか前を壁にして折り合いを付けたのが大きかった。コーナーでエンジンの掛かりが悪い様にも見えたが、直線向いてブラックスピネルとアーバンキッドの間から伸びて、ブラックスピネルには先着。不器用だが、力は有りそう。現状は広いコース向き。

ブラックスピネル

今日は少し緩んで見えた。最近の中では一番悪い。ゲートの態勢が悪い時に開けられ、2馬身近い出遅れ。この枠でも有り、腹を括って後方から。これはこれだったが、ハンデ頭でも内から併せて来たアップクォークには先着したかった。負けるべくして負けた形だが、オープン特別を恵まれて勝った馬が57kgは流石に見込まれ過ぎていた。ゼーヴィントの54kgは明らかに軽く、今日はハンデキャッパーに泣かされたか。

サマースプリントシリーズ第2戦 第52回CBC賞(GⅢ)

レッドファルクス

シープスキンノーズバンド。前肢にバンテージ。多少馬体にメリハリがない気もするが、毛色の影響も有ろう。緩んだところはなかった。キビキビ歩けており、歩様にも硬さはない。ゲートが若干分が悪く後方から。直線勝負というよりは最初から行き振りが悪く、少し促しての追走。3角過ぎからやっと行き脚が付いたが、外を回しているので直線向いてもまだ後方。後述する様に少し前がやり合った影響も有るのだが、今日の馬場、しかも1分7秒2の時計で差し切ってしまうのだからお見事の一言に尽きる。上がりの32秒7も出色。ロクな持ち時計のなかっただけに、余程中京は走るのだろう。展開が向いたことも含めて、相性で片付ける外ない。

ラヴァーズポイント

-6kg。毛ヅヤが冴えて、シャープな造り。歩様は一見すると手が出し辛いのだが、この馬独特。出脚は差が有ったが、少し出して好位追走。直後でも良かったのだろうが、外からシンデレラボーイが来たことで、少し抵抗しつつベルカントに併せて行く形。中京でこの形はかなり早い筈だが、それでもベルカントを捕まえてあと一歩だった。漁夫の利を得た馬が居ただけで、惜しい2着。ただ、今後オープンで闘って行くにはもう少し出脚に余裕が欲しいところ。前走京都戦も行き切れずに競り合う形で共倒れしている。

ベルカント

2人曳き。前後肢にバンテージ。坂路動くのは何時ものことだが、スッキリ見せてデキも悪くない。気配も良かった。好発切ってハナ。これは戦前の想定通りだが、開幕週ということも有って、土曜日から前残りが続出。流石に重賞ともなると、何かが来るのは止むを得ないところ。ラヴァーズポイントやシンデレラボーイに来られて少し息が入り辛い展開になった。ただ、直線向いて外にモタれ気味。ハンデ差有ったとはいえ、ラヴァーズポイントに交わされたのもちょっとダラしない印象も有る。左回りはあまり得意ではないと見るのが妥当なのだろう。

サドンストーム

前後肢にバンテージ。今日は抜群に良く見せた。馬体も素晴らしいが、一歩一歩が力強い。以前よりは行ける様になっており、好位直後。コーナーでは前3頭の直後に居た。直線向いてそれらの外へ持ち出し、絶好の形に見えたが、いざ追ってからが案外。軽ハンデで思い切った馬に有利な展開になった面は有るが、ちょっと深追いし過ぎたかも。

ベルルミエール

前後肢にバンテージ。-6kg。前走京都戦が太かっただけにこれ位で丁度。馬に活気が有った。出脚は速そうだったが、直ぐ内のシンデレラボーイが無理矢理行って中段に控える形。4角の反応が悪く、少し置かれ加減だったが、最後迄止まっていない。昨年は4着だったが、オープンでは久々の好走。夏場は基本的に走る。