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競馬回顧 2017年2回小倉

サマー2000シリーズ第5戦 第53回農林水産省賞典新潟記念(GⅢ)

タツゴウゲキ

前走小倉戦も良かったが、今日も毛ヅヤが冴えてデキ自体が良い。トモがしっかりしたのも大きい。新潟2000mの先行争いは出脚の問題ではないだろうが、積極的に乗られて2番手。馬場の良い外へ持ち出したかった様で、前へ行って好きなポジションを選んだ形。前半1000m59.0秒だからほぼスローの流れ。直線で外へ持ち出すことを考えると前のウインガナドルを出来るだけ可愛がって、馬場の6分どころへ持ち出して、内外からの猛追を凌ぎ切った。急遽の代打だった前走も好騎乗だったが、今日も鞍上にとって見せ場タップリの内容。尤も、馬に出脚が有って器用さが有るからこれが出来る。

アストラエンブレム

馬はこのメンバーなら最上位。歩様にも伸びが有った。この一族にしては器用さが有り、この馬の出脚でスッと好位。4角も引っ張り切りで、例に依って先頭に立つと止める癖を出さない様に出来るだけ追い出しを我慢しているのだが、タツゴウゲキを交わせる勢いが有りながら、明らかに止めている。何とか2着確保出来たから最悪は免れているが、3着のカフジプリンスとはハナ差で危ないところだった。馬の癖はどうしようもない部分が有るとはいえ、馬券買う側からすれば迷惑な存在。

カフジプリンス

前後肢にバンテージ。前走小倉戦より馬体の張りが良くなった。歩様にも柔らかみが有る。小回りだと行けないケースも多い馬だが、新潟2000mなら速くならず出して行って3番手。毎度のことながら誰も動いていない4角から直線入口で置かれていたが、直線は渋太く盛り返して3着に。エンジンさえ掛かれば、最後迄確実に脚を使ってくれる。

ウインガナドル

オーストラリアンブリンカー、シープスキンノーズバンド。均整の取れた馬体。毛ヅヤも良く見せた。好発切ってハナ。馬装が馬装だけに最初から行く気だっただろうが、タツゴウゲキの方が出脚が速く、急かされた感も有り、微妙に力んでいた様に見えた。ただ、前述した様にタツゴウゲキが直線序盤で可愛がってくれたことも有り、何とか粘って4着に。前走福島戦にしてもハナへ行けさえすれば渋太いが、もう少し出脚が有った方が競馬が楽になるのは確か。ハンデが軽い状況でこれだと、現状は別定戦だと苦しいかも。

フルーキー

前後肢にバンテージ。馬体は黒光りして見栄えがするのだが、何時もこんな感じ。それよりも、全体に硬く映るのがマイナス。急かして行っても良いことはないタイプで、ジックリ乗られて後方から。直線は進路を探しながらだったが、内の方にスペースを見付けると一瞬良い脚を使ってここ迄。今日は前の展開になっただけに良く頑張っているといえそう。尤も、元々が掲示板止まりが多かった馬で、進歩も後退もないということにはなるのだが。

第37回小倉2歳ステークス(GⅢ)

アサクサゲンキ

前肢にバンテージ。筋肉質の馬体。中々力強い。好発。内の行きたい馬に行かせて好位の外。ハナは1000mでも速かったフローラルシトラスと人気を背負っていたモズスーパーフレアだったが、こちらはゲートで安目を売っており、無理をさせる形になったのが大きかった。過去の芝2走は2番手で負けて、ハナで未勝利脱出だが、外から揉まれずに行っているだけにあまり関係なし。馬場の真ん中へ持ち出して押し切った。兎に角ゲートを決めたのが最大の勝因。この馬自身は一戦毎に内容が良くなっているが、時計が1分9秒1では今後は何とも。このゲートが今後もアテになるなら大きな武器となるが。

アイアンクロー

430kgの馬で、小ぢんまりと纏まっている。特に非力な印象はない。アサクサゲンキに限らず、外枠勢にゲートを決めた馬が多かったが、こちらは若干分が悪く中断から。ただ、行き脚が付いてからは行き振りが良く、むしろ引っ張り切りの追走。4角でアサクサゲンキの直後に付け、この馬も伸びているが、アサクサゲンキが同じだけ伸びて2着止まり。今日は明らかに展開が向いた。アサクサゲンキが高い評価が出来ないだけに、そこから完敗の1馬身1/4差では更に落ちるということなる。

バーニングペスカ

スッキリした造り。迫力はないが、悪くない。半馬身程出遅れ。立て直して中段やや後方から。これもアサクサゲンキのラインに居て、掛かる位の行き振りだったが、周囲に馬が意外な程少なく、揉まれなかったのが良い方に出た。アイアンクローの内に併せてあと一歩。メンバーレベルの問題は有るにせよ、新馬がハナへ行ってのもので、いきなりの控える競馬で結果が出たのだからそれなりの評価は出来るだろう。枠が逆だったら、アイアンクローに先着していた可能性が高く、将来性も含めて少なくともアイアンクローよりは上。

ヴァイザー

前後肢にバンテージ。+12kg。馬体増は好感だが、まだ前肢にパワーがない様な歩様。ゲートは五分に出ていたが、行く気がなく控える形。今日の展開なら控えて正解だったが、直線入口で外に居たナムラアッパレと接触する不利が有ったのが痛かった。馬はへこたれずに伸びて来ており、不利がなければ馬券圏内有っただろう。精神的ダメージは一応案ずるが、操縦性の良さは垣間見えた。

イイコトズクシ

まだ成長の余地は有るのだろうが、筋肉の輪郭が浮いて、現状のデキとしては悪くない。出脚が極端に悪いという訳ではなさそうだが、内の悪いところを通らされていることも有り、中々進んで行かず後方に近い位置。18頭のフルゲートだけに仕方がないのだが、道中もずっと悪いところを通らされた。それでも直前はズルズル行っておらず、最後の最後にモズスーパーフレアを交わして掲示板確保。明らかに外有利の展開だっただけに、好内容といえるだろう。少なくとも2着以下とは差がない。前走は他馬を気にしたとのことだが、その点が解消されていた点も評価出来る。

第52回農林水産省賞典札幌2歳ステークス(GⅢ)

ロックディスタウン

2人曳き。前肢にバンテージ。雄大な馬体で見栄えがするが、まだ全体に緩慢。外3頭に叩かれる展開となり、1角進入時には頭を上げていた程だったが、何とか立て直して中段。そこで折り合いが付いたのが大きかった。先に動いたファストアプローチを目標に、直線はスパッと切れる印象こそなかったものの、ネジ伏せる様な勝ち振りだった。見た目も派手だった序盤の部分が課題ということになるが、経験で変わって来る部分でも有る。むしろ課題は時計が速くなった時にどうかだろう。もう少し馬体が締まって来れば変わってくるのだろうが、現時点では成長待ち。

ファストアプローチ

+6kg。出走メンバーでは最高体重の538kgだが、手脚が素軽くて力強さも有る。馬体も整っている。大外枠だけに影響は軽微だったが、ゲートは外にヨレる形。直ぐ内の2頭が行ったことも有り、付いて行く形で3番手から。これも序盤だけ多少行きたがっていた様に見えたのと、前走函館戦同様にコーナリングがぎこちなかったが、2角では折り合いが付き、更に4角はスムーズに回って来れた。直線はロックディスタウンに目標にされてしまった分の負けということになるが、初の1800mだったことも考慮すれば同情の余地は有る。あとは内枠を引いた際にどうかだろう。

ダブルシャープ

2人曳き。シープスキンノーズバンド。スカッとした造りで仕上がっているのだろうが、テンション高いのはマイナス。ゲートは出ているが、最初から行く気なく後方から。3角からマクりに動いて、直線入口ではほぼロックディスタウンの真横迄迫っていた。直線もコースロスを考えれば渋太く伸びているが、前も同じだけ伸びていてあと一歩止まり。馬装の割に首が使えており、回り脚が速いのがセールスポイント。中央場所でも大崩れしないのでは?

シスターフラッグ

前肢にバンテージ。数字は有るが、線は細い。ただ、トモの造りが大きく、素質は秘めていそう。これも最初から抑えていたが、最内枠ということも有って中段やや後方辺りから。向正面迄はインに居たが、3角から馬場の良い外を意識、最内枠の立ち回りとしては悪くなかった様に見えたのだが、最後の最後に甘くなった様に見えた。前3頭とは離され、あと一完歩で後続に捕まっていた。今日の重い馬場だとパワー面の問題という可能性も有るのだが、高い評価は出来ない内容。

コスモインザハート

前肢にバンテージ。+8kg。キビキビした歩様。大物感はないが、現時点での完成度が高い。馬体増えても緩んだところもない。外から来た馬に抵抗しつつ好位。ファストアプローチとロックディスタウンの間から。お世辞にも行き振りが良いとはいえず、道中は結構手が動いていたが、それでもバテずにここ迄。中々渋い。馬場を気にしたのか、ハーツクライ産駒で小回りが向かないのかが良く分からないが、この手の馬は歯車が噛み合うと化ける可能性も。

第37回新潟2歳ステークス(GⅢ)

フロンティア

前後肢にバンテージ。-10kg。前走中京戦の方が明らかに馬が良かった。気配は良いのだが...。好発。出脚も有って、スタートして暫くはハナに立っていたが、ハナだけは行く気がなく譲り合いとなり、内からマイネルサイレーンが押し出され、更にコーディエライトが行って4角時点ではコーディエライトがハナで、内にマイネルサイレーン、この馬はその外という構図。何れにしてもそんな状況だけにスローで流れたのだが、折り合いは付いていた。直線もスパッと切れた印象はないのだが、600m以上の直線を最後迄脚取り確かに伸びていた。古馬でも中々出来る芸当ではない。下見からは手が出し辛い馬では有るが、器用さが有って人間に従順なのが何より。

コーディエライト

+14kg。太い印象はないが、多少緩慢。テンション高いのも良い材料ではない。これも好発。半ば押し出される様にハナへ。外枠からの先行だったが、出脚を使っていないので1000m通過61.6秒のスロー。フロンティアの方が明らかに余裕が有ったが、相手がジワジワ脚を使うタイプでこの馬も頑張れた印象。これだけ上手く行くことは中々ないだろうが、これも出脚が有るのは強み。あとは中央へ行ってキレ負けしなければ。

テンクウ

2人曳き。新馬の前走東京戦を考えたら落ち着いている。コンパクトに纏まった造りで、現状のデキ自体が良さそう。ゲートは他馬の方が速かったが、出脚で好位。折り合いは付いていた。追い出して直ぐの反応が良く、一瞬はほぼ並走迄持ち込んでいるのだが、渋太さという点で上位2頭が上だった。ただ、前走はむしろ追ってモタつく位だっただけに馬は進歩しているともいえる。あとは体力面だろう。

エングローサー

+4kg。まだ線が細い。恐らく力がないのだろうが、歩様も硬く映る。半馬身程出遅れて後方に近い位置。道中は少し掛かっていたことも有り、3角で中段。直線は何度も手前が替わってフラフラだったが、前で決まる展開の中、後方に居た組では最先着。従って、素質は有るということにはなるが、馬が若過ぎてもっと成長が欲しいところ。次走500万で人気になる様なら嫌ってみたい。

キボウノダイチ

480kgの数字より馬を小さく見せるのがどうかだが、整った造りで完成度は高い。ただ、今日はイレ込む。ゲートは前の馬と差が有ったが、出脚自体は互角で好位から。これもハミを噛んで掛かり気味。4角は上位3頭と近い位置に居たのだが、エングローサー同様に追ってから手前が替わってフラつき、突き放されていた。乗り役の話ではイレ込みが前向きさに繋がったとのことだが、使ってテンションが上がるのは良い傾向ではない。馬自体は良さそうだが、気性面がネック。

サマースプリントシリーズ第5戦 第12回キーンランドカップ(GⅢ)

エポワス

+20kg。9歳馬の馬体増だが、筋肉の輪郭が浮いて若々しい。ただ、多少歩様が硬いのはマイナス。この馬としては好発。行こうと思えば行ける出脚も有る筈だが、行く気なく控えて後方から。ただ、今日は前半3F33.5秒とソコソコ流れたことも有って差し有利の展開になった。内目の馬場が悪く、意外な程前がバラけたのも幸い。9歳馬とは思えぬ末脚で突き抜けた。前走は接触が有っての大敗で、この人気は流石に低過ぎたにしても鮮やかだった。時計が掛かったのはメンバー構成と馬場状態と半々だろうが、それもこの馬には良い方に向いた。今更ながら洋芝は走る。

ソルヴェイグ

毎回良く見せるタイプの馬だが、歩様が伸びていて今日も好ムード。ハナへ行く気はなかった様だが、この馬の出脚で2番手。4角も手応え充分で、馬場の良い外へ持ち出し押し切ったかに見えたが、内からエポワスにスクわれてタイトルを逃した。多少フラついた様に見えたのは恐らく1頭になってしまった分だと思うのだが、毎回述べている様に内を開けてやられたら乗り役の責任。GⅠで勝つ迫力はないにせよ、良いスピードは見せており、1200mなら馬は堅実。

ナックビーナス

+10kg。数字分だけ立派に映るが、歩様に力強さが有ったのは何より。休養前よりデキ自体は上向き。戦前から決めていたのか、内から押してハナ。3角迄はスピードでソルヴェイグの方が分が良い様に見えたが、それでも行き切った。4角でソルヴェイグが外へ行ったのに対し、こちらは最後迄内ラチ沿いをピタリ。結果的にマークが緩んで息が入る形になったのが最後の粘りにも繋がっている。これもGⅠで勝ち負けという馬ではないだろうが、内枠引いて2番手で競馬出来る展開が見込めるなら重賞に手が届いても。

フミノムーン

前後肢にバンテージ。まずまずの状態で平行線。毛ヅヤが良くて、馬体がしなやか。半馬身程出遅れ。例に依って出脚もなくて後方から。モンドキャンノをマークするイメージだった様に見えたが、そのモンドキャンノが全く伸びず、更にソルヴェイグが外へ張ったことで必要以上に外を回されてしまった。今後も展開次第ということになるが、今日は不向きな中で良く頑張った4着。また、前走福島戦は少頭数ということも有って珍しく先行していたが、今回はそれが利いたのが道中の行き振りが良さそうに見えた。今日に関しては結果に繋がらなかったものの、先行した後のレースは狙い目ということになるのかも。

ライトフェアリー

前後肢にバンテージ。寸が詰まったスプリンター体型。ただ、トモの造りが大きい割に歩様に力強さを欠く。結構押してはいたものの、ソルヴェイグの先行策に乗る形で好位の外。直線も手前が替わらず今日のところはスピード負けということになるが、最後迄渋太く粘っていたのは収穫。慣れれば何とかなりそう。

札幌競馬場開設110周年記念 サマー2000シリーズ第4戦 第53回札幌記念(GⅡ)

サクラアンプルール

叩き2走目ということになるが、大きく変わった様子はなかった。むしろ歩様は悪化している様に見える。好発。出脚も有る馬だが、行きたい馬に行かせて中段。ロードヴァンドール、タマモベストプレイ迄は想定通りだろうが、サウンズオブアースも前に居て、イメージよりは一段後方からの競馬。3角から外へ持ち出し、コーナーでの手応えが決して良かった様には見えなかったのだが、直線向いてからは一瞬の脚を生かし切って抜け出した。乗り役の話では最後詰められたのは馬が遊んでいたとのことだが、この馬自身も末脚の持続性に疑問の有るところ。また、後述する様に今日は人気馬が自滅した感も。

ナリタハリケーン

8歳馬でも、馬体が若々しい。動き自体もキビキビしていた。サクラアンプルールとは半馬身近く出脚で差が有ってそのまま直後から。終始、サクラアンプルールを追う形で動き、人気馬が失速する中でしっかり脚を使って2着浮上。半分着狙いに徹した様な競馬が当たった。従って、能力面は何ともいえないのだが、前々走函館戦は最後の脚に見どころが有ったのは確か。見た目通り、デキが良かったのと、こういう馬場が合っているのは間違いないのだろう。

ヤマカツエース

-6kg。戦前から調子の良さが報道されていたが、確かに良く見せた。気配も文句なし。行きたい馬に行かせて中段から。サクラアンプルールが思ったより行かなかったことも有って、コースロスは承知で最初から外へ持ち出していた。2角では折り合っていたが、そこ迄が少し掛かり気味。これだけでも結構ロスしているのだが、エアスピネルの先行策も意識に有って、更に早目に前を捕まえに行ってしまった。もがき合いに近い状態になっており、こうなると終いが保たない。今日は良く頑張った3着。少なくとも馬に責任はない。人気を背負っていただけに仕方がない面も有るが、もう少し丁寧に乗らないと。

サウンズオブアース

海外遠征帰りだが、何時ものこの馬。歩様もこんなモノ。珍しくゲートを五分に出て先行。中段でヤマカツエースの内から。4角手前で仕掛けてヤマカツエースに対し、こちらは直線迄待って追い出したが、ヤマカツエースを交わせなかったのは些かダラしがない。小回り2000mで新味に期待したのだろうが、アテが外れた格好。結果論だが、現状だと有る程度の距離で矯める競馬をした方が良さそう。ゲートが悪いのに馬が慣れたというべきか、後方からの競馬が板に付いてしまった印象。

エアスピネル

2人曳き。前後肢にバンテージ。前走東京戦の方が明らかに良かったが、走れない状態ではない。これも出遅れの常連、今日もゲートを真っ直ぐ出ていないのだが、大外枠ということで立て直す余地が有ったのと、前走で後方からの競馬で失敗していることも有り、先行策。道中の折り合いは付いていた。勝負どころでヤマカツエースの仕掛けに内から併せる形で進出したが、伸び案外。前の最後の最後にロードヴァンドールを捕まえるのがやっとだった。ヤマカツエースの雑な競馬に巻き込まれた面は有るにせよ、課題の折り合いがスムーズでこれなら距離が長い。

サマースプリントシリーズ第4戦 第52回テレビ西日本賞北九州記念(GⅢ)

ダイアナヘイロー

+6kg。多少煩いのは何時ものこと。寸が詰まって少し立派に映るが、許容範囲。好発。出脚にも余裕が有ったが、アクティブミノルが主張して2番手。600m32.8秒とかなり流れたものの、終始手応え充分だった。4角手前から前を捕まえに行き、直線半ばで先頭に立つと、あとは危なげなく押し切った。完勝といえる内容。今日の9R1000万条件と同じ時計だけに評価が難しい面は有るのだが、出脚が速く、ほぼ自分で競馬を造って勝った点は強調しておきたい。3歳時は非力さが目立っていた馬だが、パワーが相当強化されている。

ナリタスターワン

前後肢にバンテージ。+6kg。細身に映る馬で、馬体が増えるのは良い傾向。今日は気配も良かった。これも出脚はまずまず速く、好位追走。恐らく3角辺りで、手応えから勝ち馬がダイアナヘイローというのは乗り役も気付いた様で、早目に動いて行った。この回り脚がまずまず速かったのと、普段は直線で手前を替えない筈の馬が今日はちゃんと替えていた。その分、最後迄脚が使えての2着。今日の内容なら安定して走ってくれそうだが、とはいえ時計が時計。勝たないと値打ちがないのは確か。

ラインスピリット

-6kg。流石に細い気もしないでもないが、馬に活気が有った。好発。ほぼ1馬身抜けた。行きたい馬に行かせて好位の外。流れに乗るのに使う出脚を最小限に留めた。馬体が減っていた分なのか、直線は少し苦しくなっていたが、それでも何とか3着は確保。このハンデでも有り、実力でもぎ取ったといえる。京都の正月戦で58kgを背負って3着が有り、斤量を背負ってもソコソコ走る。ガサのなさは揉まれ弱さに繋がっており、アテにはならないのだが、今日の様にゲートを決めると一発が有る。

キングハート

前肢にバンテージ。ちょっと馬体が緩慢に映る。気配も地味。半馬身程出遅れたが、押して中段から。それでも4角の手応えは悪くなかったが、いざ追ってからが案外。上がりが34秒台なので限界という訳でもない筈。少なくとも前走函館戦よりは走っていない。無理使いしている訳ではないものの、デビューからほぼ休みなしで使われており、そろそろヘバって来た感も。狙い目は一度立て直してから。

ファインニードル

前後肢にバンテージ。迫力でダイアナヘイローに分が有ったが、垢抜けた馬体。歩様も力強い。先行争いに首だけ突っ込んでいたが、出脚が怪しく、一旦好位に引く形。位置取り的には決して悪くなかったのだが、前の馬がフラフラ。更に外に居たキングハートがずっと壁になり、ほぼ追えず終いだった。完全に脚を余してしまった。今日は参考外。馬は重賞でも足りることを証明。

サマーマイルシリーズ第2戦 第52回関屋記念(GⅢ)

マルターズアポジー

前走福島戦とそう変わらず。イレ込みは多少マシになったが、この数字だと少し立派に映る。出脚で1馬身抜けてスッとハナ。今日は追手も来ず、最初の1Fを競られることなく行けたのは大きかった。この時点で半分勝った様なモノだっただろう。ずっと単騎で運び、直線向いた段階で2番手と3馬身程の差。このリードを最後迄守り切った。前走のボロ負けと久々のマイル戦ということで妙に人気を落としていたが、これでも結果的に吉と出た印象。この辺りのメンバーで自分の競馬が出来れば大威張り出来る実力は有る。ただ、秋の東京へ向かう様で、流石に家賃が高い印象も。また、キタサンブラックにとって最も厄介な存在ということになる。

ウインガニオン

前走中京戦から平行線。歩様が維持出来ていたのと、皮膚を薄く見せる。この枠で無理が出来ず、ジワッと行かせて2番手。戦前は先行激化という予想も有ったのだが、結果的にマルターズアポジーを楽に逃がす形になった。ただ、今日はこれで正解といえば正解。この手の飛ばすタイプの2番手は案外厳しいモノだが、序盤に脚を使わなかったことで2着に踏ん張れた。勿論、馬自身も強くなっているのは間違いない。馬場状態不問で、器用さが有るのは 何時の時代も有利。

ダノンリバティ

叩いて順当に良化。馬体にキレが出て来た。歩様もキビキビ。好発。外からウインガニオンを行かせて3番手から。折り合いも序盤を別にすればスムーズに付いていた。ただ、直線でウインガニオンの内外でフラフラ。馬の問題というよりは乗り役が迷ったとのことだが、最後の最後にエンジンが掛かって詰めているだけに勿体なかったか。最初から外と決めていれば2着は有ったかも。良く言えば、昨年のパフォーマンスは出来たということにはなるが、言い換えれば上積みがなかったということになる。今後は良くて3着、少し厳しいと見るのが妥当。

ヤングマンパワー

シープスキンノーズバンド。+16kg。ここへ入ると馬自体が上位だが、少し太い。テンション高いのもマイナス。この馬の出脚で然程急かすことなく好位から。これも折り合いは付いていた。追い出して天井向いてしまうのがこの馬の特徴だが、その割には最後迄しっかり脚を使えるのもこの馬の特徴。展開が1馬身、太目が1馬身のビハインドといったところ。馬体が絞れれば際どい競馬になっていた筈で、今秋は期待出来る。

ダノンプラチナ

シープスキンノーズバンド。前肢にバンテージ。+12kg。馬体に張りが有ってデキ自体は有りそうだが、数字分だけ太い。出遅れ1馬身不利。そのまま後方のイン。直線向いて一瞬は良い伸びを見せたが、最後に甘くなった。乗り役の話では太目が祟ったとのことだが、元々末脚の持続性に問題の有るタイプ。ゲートは出るに越したことはない。

第22回エルムステークス(GⅢ)

ロンドンタウン

-14kg。前後肢にバンテージ。前走京都戦が太かっただけ。気配に乏しかった面は有るが、馬体は締まっていた。恐らく決め打ちだったのだろうが、最内のコスモカナディアンだけ叩いて、好位のイン。ドリームキラリとテイエムジンソクが行く展開は戦前の想定通りで、絶好の形になった。今週は土日共異様に時計が速く、インに居ないとどうしようもない馬場状態。この位置で脚を矯めれば只貰いも同然だった。特にテイエムジンソクが2番手からの競馬となったことで、後方への意識が甘くなった点もこの馬には良い方に向いた。レコードは前述した様に馬場状態の恩恵が大きいが、この馬自身は2月の佐賀戦も不良馬場で制しており、こういった馬場も得意。

テイエムジンソク

芦毛でも毛ヅヤが良かった、ただ、馬体に迫力がないのは毎度としても、多少歩様が落ちて来た。理想はハナだったが、ゲートの時点で差が有って、2番手から。とはいえ、道中は良く、逃げたドリームキラリをピッタリマーク。3角からの手応えは楽勝かに思えたが、追ってドリームキラリがあまりに渋太く、梃子摺っている間にロンドンタウンの強襲を許してしまった。最後は何とかの2着。ロンドンタウンに上手く乗られた面は有るのだが、それでもここ2走を考えると走っていない。これで北海道場所3戦目で、馬がヘバって来たと考えるのが妥当。

ドリームキラリ

遮眼革。実の詰まった馬体。キビキビ歩けていた点も好感。好発。スタート時点でテイエムジンソクとは半馬身近く差が有り、スンナリハナへ。流石にテイエムジンソクのマークがキツく、3〜4角中間辺りから並走の形になったが、それでも最後迄渋太く踏ん張っていた。今日は馬場状態が特殊で、何とも言えない部分が有るのだが、この馬の本領は発揮出来た。今週から復帰の三浦騎手にとっても良いアピールになったのでは?

コスモカナディアン

2人曳き。下見だけパシュファイヤー。パワフルという訳ではないが、黒光りして馬は良く見せる。気配も良かった。ロンドンタウンに出脚でやられる形となり、その直後から。ただ、4角手前辺りから前とは少し機動力で差が有った様に見えた。着は位置取りの時点で半分決まっていた様なモノで、4着でも仕方がないのだが、もう少し差を詰めて欲しかったところ。この馬自身はオープンでもソコソコ走っているが、今日の馬場に関しては適性の差が有ったと見るのが妥当。

ショウナンアポロン

前後肢にバンテージ。骨格のしっかりした馬で見栄えはするが、少し緩慢。ゲートは出ているが、そのまま行っても外を回されるだけと判断した様で、最後方迄下げる形。道中はインを回って、このペースで前がバラけたことも有って、スムーズに直線だけ外へ。乗り役もデキに自信がなかった故の入着狙いの競馬とのことだが、5着なら充分ということになるだろう。

第9回レパードステークス(GⅢ)

ローズプリンスダム

数字の割に馬を大きく見せる。チャカつくのが減点材料では有るが、毎度のこと。出脚は速そうだったが、今日は行く気がなく好位のインで待機。そのままインを突く手も有っただろうが、前が開かないと見て、外へ持ち出したのが正解。それ迄、矯めていた脚を一気に繰り出し、新潟では中々見られない決め手だった。好位で流れに乗って渋太い脚を使うタイプだったが、意外な一面を発揮。尤も、今日はエピカリスの失敗に助けられた感が強い。札幌、小倉とメーンカードを2番枠が勝っており、アノマリーが勝者という気も。

サルサディオーネ

オーストラリアンブリンカー。前後肢にバンテージ。スラッとした造りで格好の良いタイプ。歩様もスムーズ。ゲートを決めて、出脚でハナへ。後続が向正面半ばから突きに来ており、単騎でも楽ではない展開になったが、1馬身のリードを守って、直線は一旦突き放している。流石に最後は甘くなったにせよ、力は見せたといえる内容。乗り役の話ではあれで息が入っていたとのことで、馬に良いスピードが有るのだろう。ただ、恐らく軽い馬場の方が良さそう。今後は交流戦での馬力が鍵となる。

エピカリス

前肢にバンテージ。何となく馬体の張りが甘い気もするが、一応は及第点。歩様はこんなモノ。行きたい馬に行かせて好位から。砂は被ったものの、道中は問題なく、直線向いて直ぐの段階でも前は開いていたのだが、少し追い出しを待ったところ、両サイドに出られて、前が思い切り壁になってしまった。外へ持ち出して伸びたローズプリンスダムとは対照的な結果に。最後は伸びており、馬は力を示している。上手く乗ろうとした結果だけに乗り役は責められないが、勿体ない。

ブライトンロック

しっかりした造りの馬。チャカついていたが、ローズプリンスダム同様、毎回のことで、酷暑期に大人しいよりはマシ。元々出脚のない馬だが、ゲート内で外のハルクンノテソーロが立ち上がり、更に内のテイエムアンムートがスタートしても進まずと、枠の並びにも恵まれず後方から。直線迄待ってから追い出し、最後迄しっかり脚を使えている。レース前は1800mが若干長いという話も有ったが、この内容なら充分守備範囲。

ノーブルサターン

前後肢にバンテージ。-7kg。毛ヅヤ、気配、馬体の張りとまずまずだが、ダート馬としてはもう少し迫力が欲しいところ。ベストはハナだっただろうが、サルサディオーネの方が速く、好位の外。揉まれない競馬は出来た。最後は甘くなったものの、直線向いてからも一瞬反応している。もう少し出脚を強化出来れば競馬が楽になる筈。

サマー2000シリーズ第3戦 農林水産省賞典第53回小倉記念(GⅢ)

タツゴウゲキ

毛ヅヤが冴えてデキ自体も良いのだろうが、以前よりトモがしっかりして来た。外からバンドワゴンがジワッとハナへ行って、その番手から。ペース自体が極端に速かったという訳ではないが、ローカルハンデ重賞らしく、仕掛けが全体に早目で、インに居たこの馬に絶好の展開になった。前走福島戦とは違い、直線を多少強引ながらも捌いて、一旦は先に抜け出していたサンマルティンを猛追。ラスト1Fで1馬身差が有ったが、ハナ差ひっくり返した。ハンデ据置でも有り、前走のレース内容から重賞でも圏内だった馬だが、今日は展開がハマったのが大きかった。乗り役にとっても急遽の乗り替わりで結果を出せたのも大きいのでは?

サンマルティン

放牧先から直接小倉へ持って来たとのことだが、ほぼ出来ていた。もう少し踏み込みに力強さが出るとベストだが、気配が良い。ゲートは出ているが、行く気がなく後方から。序盤は少し掛かり気味。3角から緩めて一気に進出、直線入口ではマクり切って、一旦は完全に抜け切っているのだが、内で脚を矯めていたタツゴウゲキとの首の上げ下げの勝負を落とした。内容としてはタツゴウゲキより強い内容。勝負の結果論をいえばもう少し大事に乗られても良かったということになるのだが、馬も追い出すと頭が上がり気味だったのは今後へ向けて多少工夫が要るところ。

フェルメッツァ

前後肢にバンテージ。一歩一歩が力強い。馬体の張りもまずまず。好発も、折り合いに専念して好位直後。狙い通りの競馬は出来た筈。前が忙しくなり、展開的にも悪くなかっただろう。サンマルティンと機動力が違っていたが、最後迄バテずに伸びてここ迄。この馬としてはもう少し時計が掛かって欲しかったところ。次走未定だが、新潟で時計が掛かる馬場になる様ならタイトルに手が届いても不思議はない。

ベルーフ

昨年ともそれ程変わらない状態。特に減点材料はない。この馬としてはゲートを出た方だが、行く気なく例に依って後方から。これもサンマルティンが動いたのを見て進出。4角でフェルメッツァと並走、この辺りの雰囲気では2着しても良い位の勢いだったが、そこからが案外。最後はフェルメッツァにも差し返されていた。ハンデ背負うと現状はこんなモノなのかも。下見が悪くなかっただけに尚更評価が下がる4着。

カフジプリンス

シープスキンノーズバンド。前後肢にバンテージ。気配はこんなモノだが、馬体の張り一息。満点はやれない。押して、更にステッキを入れても然程進んで行かず後方から。道中も3角からステッキが入っていたが、最後迄止まらずここ迄。最後の1Fが少し掛かる展開になったが、この馬はバテていないのでむしろ一番伸びていた様に見えた程。何れにしても良馬場の2000mは忙しい。それは承知で使っているのだろうが。

ストロングタイタン

-6kg。このメンバーだと馬格が有って馬振り上位。馬に覇気がない。ジワッと行かせて好位の外。1角迄はともかく、そこからはスムーズに流れに乗れていた。3〜4角もサンマルティンより先に動いた位だったが、4角で既にアラアラ。直線は余力が残っていなかった。このメンバーだったら、もう少し走れても良い筈だが、下見で覇気がなかった様に夏負けを含めてデキを疑うところ。

サマースプリントシリーズ第3戦 第17回アイビスサマーダッシュ(GⅢ)

ラインミーティア

下見所の外をキビキビと周回。馬体に強調点はないが、気配が妙に良かった。出脚の差も有るだろうが、行く気もなく後方から。ラスト400m程で追い出して、直ぐにエンジンが掛かったという気配ではなかったが、ラスト200mがキレにキレた。後述する様にフィドゥーシアが失敗している面は有るのだが、このカテゴリーのスペシャリストといっても過言ではないだろう。一般論としてはスピードが最も大事な直千だが、終いの脚で勝負する珍しいタイプ。乗り役も仕掛けどころが上手い。

フィドゥーシア

重量感の有る造り。もう少し歩様が伸びるとベストだが、スプリント戦だけに許容範囲。抜群の出脚とスピードで400m地点でハナ。結構余裕が有った様に見えたのだが、ラスト400mで追い出したのは明らかに早仕掛けだった。ラスト100mで苦しくなってしまい、ラインミーティアに捕まってしまった。勝ちに行っただけに仕方がないということにはなるのだが、今日は何とかなった競馬。ただ、馬の能力は充分証明。勿論、この馬なら1200mでも勝ち負け出来る。

レジーナフォルテ

イレ込みはマシだが、腹回りがボテッと映る。もっと絞れても良い。ジワッと行かせて先行。途中でフィドゥーシアに出られる形になったが、渋太く踏ん張っていた。1000万からの参戦でこれだけ走れれば上等ということになはなるが、斤量利が有っただけに連対迄持って行きたかったところ。適性とスピードは有るが、まだ重賞では壁も有りそう。

アクティブミノル

遮眼革。+8kg。重心の低い造りで、更に上昇。馬はほぼピーク。枠の利を生かしてハナ。自分の形は造ったが、スピードそのものはフィドゥーシアの方が明らかに余裕が有った。400m位走ったところで、既にフィドゥーシアに出られており、そこから盛り返す脚はなかった。絶好枠でこれだと案外感が強い。乗り役の話ではフィドゥーシアに行かれたというより、馬に息を入れさせる為に行かせたとのことだが、何れにしても適性の差を感じさせる内容。

アースエンジェル

前肢にバンテージ。+14kg。多少太いだろうが、馬体に張りが有った。この馬としては集中力も有った。内枠税の中では出脚に余裕が有ったが、一旦引いて外へ持ち出す形。ただ、ところどころで右往左往。引っ張る場面も何度か有り、今日は頑張っているといえる5着。外枠なら馬券圏内は優に有っただろう。戦前は全く人気がなかったが、直千適性は相当。前走から良馬場の方が良いだろうが、オープン特別ならほぼ勝てる筈。

ネロ

前後肢にバンテージ。一息入ったが、ソコソコ出来ていた。歩様がもう少しスムーズさが出れば。58kgなのか、休み明けの影響なのか、押しても大して進んで行かず、やっと好位といった行き振り。最後もほぼ無抵抗で止まってしまった。やはりこのレースは斤量を背負うとダメ。

第65回北海道新聞杯クイーンステークス(GⅢ)

アエロリット

2人曳き。シープスキンノーズバンド。+18kg。緩んだところもなく、大幅馬体増でも出来ていた。ただ、マイラー色が濃くなって来た印象も。前走東京戦程ではないにしても好発。他に行きたい馬も居ただろうが、1角迄の距離がない札幌1800mということで内枠のこの馬が逃げ込む形。こうなるとマイペース。今日は斤量が軽いことも有って、更にペースが上がり、1000m通過58.3秒。大逃げの形になった。一度、4角で引き付けて、直線は再び独走。小細工なしで乗って、単純にスピードが違った。馬体増は見た目通り成長だったということだろう。マイラー寄りになったとはいえ、京都2000mなら踏ん張りが利く筈。ソウルスターリングは東京戦が目標となる様で、あとはファンディーナとの相手関係。ゲートが出る様になった点も特筆しておきたい。

トーセンビクトリー

前後肢にバンテージ。スカッと見せるタイプだが、この馬にしてはしっかりした造り。かつては非力さが目だった馬だが、歩様にも力強さが有った。最近の中では一番。出ッパ自体はアエロリットと五分、出脚も速い筈だが、アエロリットがそれ以上に速くて抵抗出来ず、中段から。インでひたすら脚を矯めて、直線入口でかなり強引ながら捌くと楽々2着確保。乗り役は騎乗停止とのことだが、被害馬に脚がなかったとはいえ、仕方がないところ。ただ、馬は適条件で本領発揮した格好。内が利く馬場で1800mだとこの位やれる力は有る。

クインズミラーグロ

オーストラリアンブリンカー。前肢にバンテージ。-10kg。見た目は減った印象はない。ゆったりした気配も変わらず。出遅れ1馬身不利。今日の相手だと出脚で挽回し切れず後方に近い位置。トーセンビクトリーの直後に居た。ただ、結果的にレースが流れて、これはこれで展開が向いた。直線入口でトーセンビクトリーが外へ張った場面を上手くやり過ごし、イン有利の馬場を生かして3着浮上。今日は展開と馬場に救われたが、基本的にはこのメンバーだと少し能力が足らないのと、距離がもう少し有った方が競馬が楽。1800mなら広いコース向き。

クロコスミア

+6kg。数字の割にトモに迫力が有る。この馬としては文句なし。アエロリットが主張したことで行き切れず好位の外。壁がない状態で、序盤だけ少し掛かり気味だったが、許容範囲。3角過ぎからかなり手応えが怪しくなっていたが、何とか踏ん張って4着。といっても、外が全滅になる展開に助けられた感も有る。現状で勝ち負けに持ち込むにはハナへ行った方がベストだが、今日はアエロリットにスピードの絶対値の差を見せ付けられた感も有って。

エテルナミノル

小ぢんまりと見せる造りは毎度だが、ちょっと歩様が硬い。出脚は有ったが、外枠で行き切れず中段やや後方から。折り合いは付いていた。乗り役は内に入れたかった様だが、内に入れず終始外を回されてしまった。このレースが内の馬で決まるのは毎度のことで、今日はこれで良く走っている方。2着トーセンビクトリーともそれ程差はない。アドマイヤリードに先着した点も高い評価が出来る。

アドマイヤリード

多少チャカつく面は有ったが、馬は前走東京戦より遥かに良くなっている。馬体の硬さがなくなった。この馬としては五分に出たが、エテルナミノル同様、枠の差が大きく後方から。これもずっと外を回され、エテルナミノルとの間にマキシマムドパリが噛んで更に苦しくしてしまった。戦前から有る程度想像は付いたが、今日は参考外。