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競馬回顧 2017年3回中京

サマーマイルシリーズ第1戦 第65回トヨタ賞中京記念(GⅢ)

ウインガニオン

多少小走りが入っていたのは良し悪し有るだろうが、馬には迫力が有って力強い。普段有る筈の出脚が珍しく一息だったが、押して2番手。基本的には行かないと二束三文といったイメージの馬ながら、結果的にはトウショウピストとの距離が前後左右と両方で離れてくれたのが良かった。内目の馬場は見た目には悪いものの、今日は最内だけが利く場面が目立ち、坂を上がって3馬身程のリードを築くと他を寄せ付けずそのまま押し切った。これで3連勝ということになるが、今日の内容だと何とも評価し辛い。馬が強いというよりは、デキの良さで頑張っている印象の方が強い。賞味期限は短そう。

グランシルク

2人曳き。前肢にバンテージ。マイラー体型だが、馬に幅が有る。毛ヅヤも良かった。ゲートが怪しいのは何時ものことだが、上手く捌いて中段から。コーナーで外を回さない様に気を遣って乗られたが、結果的に直線で前が開く迄待たされたのが痛かった。バラけたのはラスト200mで、ウインガニオンとは7〜8馬身の差が付いており、今日は良く2着を確保したといえる内容。ハンデ関係なくこのメンバーでは一枚上の能力の持ち主。あとは運の問題ということになるが、やはりゲートが悪いのが毎回展開を悪くしているのも確か。

ブラックムーン

前後肢にバンテージ。+10kg。数字の割に馬が華奢に見える。歩様もイマイチ頼りない。スタートして全く進んで行かず最後方から。ならばと腹を括って内ラチ沿いへ。今日の馬場状態ではこれで正解だったが、2番手に上がったところで手前が替わって甘くなった。上がり32秒台連発の馬で、この馬場は明らかに向いていない。唯でさえ今日はデキが怪しかった。次走は道悪なら論外、良馬場でも人気になる様なら嫌ってみる手も有りそう。

アスカビレン

多少気負っていたが、コンパクトに纏まっている。前走東京戦の様に急かすという程ではなく、出たなりで中段から。見た目には馬場を気にすることもなく、スムーズに運べていた様に見えた。直線もそれなりに伸びているが、牡馬相手だとワンパンチに欠ける印象。道悪も恐らく良くない。馬は馬場を気にしていなくとも、パワーがないので比較上不利に働いている。

ダノンリバティ

-4kgだが、腹回りが微妙にボテッと映る。昨年と比較すると若干力強さに欠く。ゲート自体は五分だったが、出脚が付いて行けず、後方に近い位置。道中は何度か下を気にする素振りが有った。直線は大外へ持ち出して良く伸びているが、実質的には競馬が終わった後。昨年と同じ5着だが、パフォーマンスそのものは良くなっている。昨年2着だった新潟戦に今年も向かう様だが、叩いてデキさえ上向けば全部面倒を見ても不思議はない。

第49回函館2歳ステークス(GⅢ)

カシアス

+8kg。気配絶好。寸が詰まって、完全なスプリンター体型だが、2歳馬離れしたボリューム感が際立っている。出脚は速そうだったが、少し引っ掛かりそうな気配も有り、引いて好位直後。ここで折り合いを付け、3〜4角中間からの仕掛け。ウインジュルベーラとは僅差になったが、一追い毎に伸びて捕まえた。今年の馬場なら1分9秒前半で走らないと値打ちはないのだが、レースセンスは感じさせる内容。スプリンターとしては上級。

ウインジュルベーラ

-6kg。気性面で若さを覗かせていたが、馬の造りはこのメンバーだと上位。数字分だけ馬体も締まって来た。出脚が速く一瞬はハナを覗かせた程だが、パッセが主張してこれも一回控える形。4角から再び並走に持ち込み、直線入口で先頭からが渋太かったが、尻尾を振ってステッキに抵抗した分、フォームが乱れてしまった。着差が着差だけに勿体ない。これも良いスピードを持っているということになるが、この時期に人間に反抗している馬は中々大成しないのが現実。

アリア

2人曳き。馬に集中力。トモに張りが有って、歩様にも力強さが有った。出遅れ1馬身不利も、出脚でカバーして中段。カシアスの直後に居て、付いて行く競馬が出来た。追って直ぐは多少フラつく場面は有ったが、最後はしっかり伸びていた。カシアスとはほぼ1馬身差だから、単純計算ではゲートさえ五分なら差がなかったことになる。尤も、馬格やスケールといった点ではカシアスと差が有るのだが、そんな馬が馬群の中でも怯まずに競馬出来た点も評価したい。

デルマキセキ

2人曳き。首を上下に振って、かなりイレ込んでいた。ただ、2歳のこの時期としては馬は良く出来ている。これも半馬身程出遅れたが、出脚でカバーして好位から。多少気負っていたが、下見の気配を考慮すれば折り合っていた方だろう。セコい競馬は出来たが、4角回っている時にぎこちなかったり、ちょっと不器用な面が有りそう。乗り役の話では他馬を気にするところが有ったとのことだが。

パッセ

バランスの取れた骨格だが、全体に緩慢。歩様にも力強さを欠く。出ッパ自体は多少怪しかったが、出脚と枠の利でハナへ。ウインジュルベーラは一旦控えてくれたが、それでもウインジュルベーラの方がスピードの余裕が有った様に見えた。早目に来られた割には良く粘っているという見方も出来るが、もう少しスピードを磨くか、ユッタリ行ける様に距離を延ばすか、何か対策が要るのは確か。

サマー2000シリーズ第3戦 農林水産省賞典第53回函館記念(GⅢ)

ルミナスウォリアー

2人曳き。シープスキンノーズバンド。鉄砲はオール連対で、今日も気配から良かった。馬体に迫力はないものの、歩様もスムーズ。ヤマカツライデンとタマモベストプレイに叩かれる形だったが、立て直して中段の外。重馬場でも、少し掛かる位の行き振り。乗り役が余程手応えに自信が有ったのか、3〜4角中間から一気に進出して直線入口で先頭。マクり切ってそのまま押し切った。今年の函館は時計が速かったが、上がり33秒台の脚はなく、雨と洋芝は他馬が苦しくなるだけ向いた印象。重賞でソコソコ走っていた馬が55kgのハンデというのも有利だった。今後は条件が噛み合った時に如何に取り溢さないかが鍵となる。

タマモベストプレイ

トボトボ歩くのは何時ものこと。良くなった印象もないが、休み明けでも出来ていた。好発切ったことも有り、ヤマカツライデンに抵抗しつつ好位のイン。14番枠でこの位置が楽に取れたのは大きかった。インで脚を矯めたが、内目の馬場が悪かったか、3角過ぎから手応えが怪しくなり、ルミナスウォリアーが抜けてから外へ。そこから渋太く脚を使って2着浮上。乗り役はルミナスウォリアーの後追いになった点を嘆いていたが、ケイティープライドの内から出られたのは不幸中の幸いだった。今年に入って重賞を勝っていた57kgの2頭が圏外に消えたことを考えると、この馬は3歳時のきさらぎ賞以来重賞勝ちがなく、56.5kgで済んだのも結果的に恵まれていたといえそう。この血統の持ち味で有る器用さ、そして一族の中でこの馬だけが持つ渋太さが生きた。

ヤマカツライデン

+6kg。馬体に張りは有ったが、腹回りがもう一絞り有っても良い。先行激化も予想されたが、ゲートと出脚でタマモベストプレイとこの馬が抜け、タマモベストプレイも内ラチ沿い迄行けた時点で引いてくれてハナ。全体の時計が2分01秒2で1000m通過が60.6秒だから平均ペース。斤量を背負っていたマイネルミラノに早目に来られたのは仕方がないところで、苦しくなりながらも序盤の貯金を最後に吐き出して渋太く3着は確保。少なくともアングライフェンは差し返しており、馬体が絞れていれば2着有ったという内容。自分のペースで行けさえすれば中々強い。これなら重賞の一つや二つは勝てる筈。

アングライフェン

メリハリの利いた馬体で、キビキビ歩けていた。デキだけならコレ。出遅れ1馬身不利。最初から行きたがっており、宥めつつ中段から。2角手前で折り合いは付いた。勝負どころで先に動いたルミナスウォリアーに対し、抵抗する形で進出。直線入口ではルミナスウォリアーと一緒に前を捉えたが、そこで脚が鈍り、死んだ筈のタマモベストプレイとヤマカツライデンが盛り返して4着に。ルミナスウォリアーの早仕掛けに殺された感は有るが、そのルミナスウォリアーとは同斤量だけに言い訳にならない。行き振りから馬場状態は問題ない筈で、多少能力面に疑問が残る内容。

ケイティープライド

前後肢にバンテージ。+6kg。良く見せる馬では有るが、多少馬体の張りと毛ヅヤが怪しい。休み明けの影響は有りそう。ゲートを五分に出て、少し出して内の3頭だけ叩く形。道中の折り合いは付いていた。3角辺りからタマモベストプレイの手応えが怪しくなっており、早目に外へ持ち出し、4角でルミナスウォリアーの1馬身後方。展開的にはズバリだった筈だが、死んだ筈のタマモベストプレイに差し返される等、直線が案外だった。

サトノアレス

馬は2歳時より確実に良くなっているが、寸が詰まってマイラー体型。この距離で急かす訳にも行かず中段やや後方。恐らく、ケイティープライドが控えたことで乗り役の想定より一段後ろになっていた筈。大事に乗った甲斐も有って、折り合いは付いていた。4角を上手く捌いてケイティープライドの直後だったが、そこから脚色ほぼ一緒だった。ケイティープライドを交わしていれば多少なりとも値打ちが有ったということになるのだが、上手く誤魔化して乗られてこれでは評価出来ない。戦前から懸念されていた通り、距離が長いと見るのが妥当だろう。

サマー2000シリーズ第1戦 第53回七夕賞(GⅢ)

ゼーヴィント

2人曳き。テンション高いのは何時ものことだが、3歳時と比較して馬体に迫力が出た。フェイマスエンドとの連係を事前に知っていたかどうかは定かではないが、あまり行く気なく後方から。ペースも速かったが、下見でイレ込んでいても折り合いは付くタイプ。むしろ今日はズブさが目立った。マイネルフロストが動いたことも有って、向正面から進出したい素振りは見せているのだが、機動力がイマイチ。直線もスパッと切れる印象ではなく、ジワジワ伸びて捕まえた形。瞬発力が有るタイプではないのかも知れないが、お膳立てが有ったにも関わらず辛うじて勝った感がどうしても残る。次走、人気なら嫌ってみたかったところだが、残念ながら故障とのこと。

マイネルフロスト

シープスキンノーズバンド。前後肢にバンテージ。+8kg。馬体増だが、太い印象はない。張りも有った。歩様が硬いのは毎度。多少出脚が甘かった気もしたが、ジワッと行かせて先行。折り合いは怪しいタイプだが、このペースで折り合いが付いた。ペースが落ち掛けた3角手前から動いて、マルターズアポジーを潰し、直線向いた段階では1馬身位リードが有ったが、最後の100mで脚が鈍り、ゼーヴィントに捕まった。惜しい内容。中々重賞に手が届かないが、以前の競馬を投げる様な状態から馬は立ち直っている。今後も展開一つ。

ソールインパクト

胴長の造りで馬は見栄えはするが、歩様に力がない。急かすことなく中段やや後方から。恐らくレース前からの決め打ちで只管ゼーヴィントマークの競馬。ゼーヴィントの競馬でも少し早かった筈で、この馬が展開ズバリだった筈だが、道中の1馬身半差が最後迄詰まらず、最後迄そのままだった。格上挑戦の3着では有ったが、3歳時から重賞でも期待されていた馬でハンデ差を考えると案外感が強い。要はワンパンチがない。単勝という意味では準オープンでもアテに出来ない。

スズカデヴィアス

この時期とはいえ、多少発汗が目立つ。馬体を大きく見せているが。最近は出脚もないが、促すことすらせず、最後方待機。3角から外へ持ち出し、伸びているが、今日は着狙いに徹した様な内容。乗り役の話では夏バテとのことだが、そもそも夏場は走った経験が殆どない。これで一息入れることになりそう。涼しくなって来ればまた走れる筈。

フェルメッツァ

前後肢にバンテージ。歩様しっかり。毛ヅヤが冴えて、馬体にもキレが有る。出脚で決して分が良い訳ではないが、少し出して中段やや前のイン。3角からゼーヴィントと一緒に進出。流石に機動力では差が有って、置かれ掛かってこちらはインを通ることで誤魔化していたが、直線は伸びずバテず。このメンバーに入ると能力差が有る。

マルターズアポジー

+8kg。この馬としてはイレ込んでいたのと、馬体も太目残し。戦前の想定通りハナ。ただ、内からフェイマスエンドに競られ、馬が引っ掛かっての逃げ。1000m通過58.0秒も速かったが、更に3角からマイネルフロストに来られてはどうしようもない。前述した様にフェイマスエンドは同馬主の連係プレーとしても、マイネルフロストが大誤算だった。負ける時の逃げ馬は惨敗でも仕方がない。むしろ次走が狙い目。

第22回プロキオンステークス(GⅢ)

キングズガード

トモにボリューム感が有り、馬体に幅が有る。目下絶好調。行く気もなかっただろうが、芝での出脚もなく後方から。カフジテイクより更に後ろで、インに入れての追走。ベストマッチョの進路を潰して過怠金1万円だった様だが、4角、更に坂下と、カフジテイクが外へ行ったのを確認してから強引に捌くと、外へ立て直している間にモタついていたカフジテイクの1馬身前に出られたのが大きかった。インに居ただけ脚は矯まっており、最後迄脚取り確かに伸びて重賞初制覇。過怠金は先行したレヴァンテライオンも食らっているのだが、このスタート直後の幅寄せが追い込み有利に働いた印象も。イン突きのギャンブルも含めて全てが上手く行った印象が強い。オープンでも好走例多く、圏内の馬だったのも確かだが...。

カフジテイク

前後肢にバンテージ。少し腹回りに余裕が有るが、歩様がキビキビしていた。気配も上々。この馬にしては好発だったが、例に依って後方から。ただ、今日はこれも内に入れて、直線だけ外へ持ち出す形。これも戒告を食らっていたが、この形は馬にとって得意ではない様で、前が開いても暫くエンジンが掛かっていない様に見えた。バラけてからは伸びているが、キングズガードに勢いが付いてしまっており、2馬身差の完敗。今日は今後の為にこの競馬を試したとのことで、一概に非難は出来ないが、1番人気だけに疑問も残る。

ブライトライン

馬体に年齢は感じさせない。もう少し気配が表に出ると良いが、そこは年齢かも。好発も、外枠で無理せず中段やや後方から。1400mだと引っ掛かるパターンも有るが、折り合いは付いていた。近況が軽かったことも有って、今日は機動力が有り、3角から積極策。4角で中段に取り付き、前を捕まえようとしたところで、キングズガードに並び掛けられ、更にカフジテイクにも交わされ3着に。もう一踏ん張り利かなかったのは、直線で手前が替わらなかったのが原因。カフジテイクと同じ土俵で戦いたくなかったのも確かだが、この馬の能力を出し切るという意味ではもう少し我慢させても良かったかも。

ゴーイングレート

後肢にバンテージ。シルエットはそれ程悪くないが、微妙にトモの送りが甘い。レヴァンテライオンの斜行の影響は受けず、上手く立て直して好位から。前に厳しい展開にはなったが、好位のインで脚を矯める競馬が出来た。直線向いてからも一瞬だけながら良い脚を使っている。今日は全く人気がなかったが、それ程差はない。既に7歳で残された時間は多くないものの、オープン特別位だったら手が届いても不思議はない。

メイショウウタゲ

皮膚を薄く見せて、ゆったりした馬体。歩様もキビキビ。出遅れ1馬身不利も、少しオッツケて中段やや後方から。元々1400mが初距離だった上に、出遅れたのを無理矢理行っているだけに流れに乗れていない様にも見えた。カフジテイクと一緒に伸びて来たが、100m程並走していただけでそこからは脱落。出遅れさえなければ1400mでも何とかなりそうだが、それは毎回のこと。当面は距離が有った方が良いのだろう。

第66回ラジオNIKKEI賞(GⅢ)

セダブリランテス

歩様にブレがなく、一歩一歩が力強い。馬体も単純に最上位。出脚が速く、外枠からでもスッと好位。折り合いもスムーズに付いていた。前走が新潟ということも有ったか、3角で少し手応えが鈍ったものの、4角から前を捕まえに行って、最後は力でウインガナドルをネジ伏せた。単純に強い。ディープブリランテ産駒だが、折り合い面に問題がなさそうなのが何よりで、距離は保ちそう。このレースが第3週 (6日目) に開催されていた頃は、この手の馬力タイプが強かったが、開幕週に開催される様になって近年はスピード優先になっており、そういう観点からも能力の高さで勝ったと見做して良いだろう。今後へ向けて馬がしっかりしているのも大きく、昭和の言い回しでいえば、関東の「秘密兵器」以上が期待出来る。

ウインガナドル

シープスキンノーズバンド。オーストラリアンブリンカー。バランスの取れた馬体。歩様もしっかり踏めていた。一瞬の出脚が怪しかったが、押して直ぐに行き脚が付き、スッとハナへ。2角から折り合いが付き、1000m通過59.5秒とペースも決して速くなく、セダブリランテスとの間にニシノアップルパイが噛んだことも良い方に働き、直線向いて一旦は突き放しているのだが、最後に捕まった。今日の展開で勝てなかったら相手を称える外ない。セダブリランテスと逆の見方をすれば重賞級かどうか微妙な面が残ったが、この馬自身は小回り向きの先行力が有るのがセールスポイント。

ロードリベラル

前肢にバンテージ。背丈が低いだけで、コンパクトに纏まった馬体。デキ自体が良い。イレ込みも何時もよりマシ。最初から行く気なく最後方から。ただ、前走東京戦は馬群の中で引っ掛かった為、今回は前々走のイメージで下げたとのこと。ガサのない馬でも有り、ちょっとしたことが他馬以上に響く筈で、折り合いも付いて今日はこれで正解。3〜4角中間からマクりに行って良く伸びているが、ラスト50m辺りで前と脚色が一緒になった。アテにはならないにせよ、今後も流れ一つ。

クリアザトラック

前後肢にバンテージ。-10kg。デビュー以来、最低体重だが、見た目には特に細い印象はない。ゲートオープン時に横を向いていた為、出脚が鈍ったが、外枠で立て直して好位の外。向正面に行く迄少し掛かっていた。乗り役は不慣れな小回りのペースを言い訳にしていたが、ゲートの失敗も影響が有った筈。ただ、3角から今度はオッツケ気味。要は流れに乗れていなかった。むしろ馬体減、ハンデ56kgと不利な条件が重なった中で、4着に踏ん張った点を評価したい。重賞の一つ位はは何処かで勝てる筈。

マイネルスフェーン

寸詰まりの体型。悪い印象はないが、もう少し踏み込みに力強さが欲しい。出たなりで後方に近い位置。折り合いは序盤だけ怪しかったが、これもクリアザトラック同様、勝負どころの反応が悪かった。最内をコトコト回って誤魔化してここ迄。このメンバーなら通用しても不思議はないのだが、競馬振りがイマイチ。サトノクロニクルにもいえることだが、ハンデが想像以上に応えているのかも。

サトノクロニクル

チャカつき目立つ。馬体も少し線が細い。少し仕掛けて好位から。ただ、ハンデの影響で道中の手応えが一息。恐らく小回りも向かない印象。その割には踏ん張っているともいえる。ハンデを嘆くより、陣営のレース選択ミスでは?

サマースプリントシリーズ第2戦 第53回CBC賞(GⅢ)

シャイニングレイ

前後肢にバンテージ。このメンバーだと単純に馬が上位。スプリント戦だけに気合乗りも丁度。半馬身程出負けして後方から。向正面はまだ良かったが、行きたがる癖を出して3〜4角から引っ張り切り。ただ、ここで我慢させたのは結果的に正解だったかも。直線向いた段階では前と10馬身程離れていたが、1頭違う脚で差し切った。馬も鞍上もお見事。このメンバーだと地力が一枚違った。今年のメンバーレベルなら秋の中山でも有力ということになるが、競馬が雑なのは気掛かり。この手の転向組スプリンターがGⅠを勝つケースは少ない。

セカンドテーブル

シープスキンノーズバンド。元々は多少トモの甘いタイプだが、見た目からボリューム感が増した。歩様も幾らかマシになっている。好発もアクティブミノルが主張して2番手。出脚は有る馬で、このペースでもスッと流れに乗れた。坂下から前を捕まえに行ってラスト100mで先頭。レース運びは完璧だったものの、シャイニングレイにあの脚を使われてしまっては仕方がない。今日は妙に人気がなかったが、このメンバーでスムーズに運べれば上位の力は持っている。今後も展開一だが、残念ながらレース後に故障が判明。

アクティブミノル

今回から遮眼革。手先だけで歩くのは何時ものこと。シャープな馬体も毎度。遮眼革着用ということも有って、出ムチを入れてスッとハナ。前半600m33.2秒と流れたが、気合で行き切ったのが大きかった。ラチ沿いピッタリを通り、ギリギリ3着に踏み止まった。これで中京は3走全て掲示板確保。脚質や走法から向いているとは思えないが、何故か渋太い。今後へ向けて出脚が若干微妙だが、今日は直前から土砂降りとなって他馬が無理しなかったのも良い方に向いており、そんな運も持っているコースといえる。

ティーハーフ

前後肢にバンテージ。馬体に張りが有ってキビキビ歩けていた。7歳馬でも単純に馬が若々しい。ゲートは出ているが、折り合いに専念して中段やや後方から。直前の雨は馬群がバラけるという意味で良い方に向いた気もするが、馬場が悪過ぎて流石に4角で苦しそうにも見えた。直線向いてからは伸びているが、ラスト100mで再び甘くなっている。良くも悪くも雨が影響した印象。ハンデ57kgも、基本的にはこなせているものの、雨でデメリットの方が強く出た気がしないでもない。

スノードラゴン

シープスキンノーズバンド。前肢にバンテージ。今日はテンション高い。真っ白だが、馬体の張りも落ちておらず毛ヅヤも良さそう。これもゲートは出ているが、脚を矯める形で後方から。直線もジワジワ脚を使っているが、ハンデを背負っていることも有り、切れるという程ではなかった。理想をいえばもう少し雨が早く降って欲しかったところか。この相手で定量戦なら充分やれそうな気もするのだが、別定戦でもハンデ差が有ると流石に突っ込み切れない。

メラグラーナ

シープスキンノーズバンド。前後肢にバンテージ。数字通り、出来ていた。歩様もこれなら許容範囲。微妙にゲートで安目を売って中段やや後方から。直線向いて外へ持ち出そうとして、他馬と接触する等、上手く行かなかった面は有るが、それにしても伸び切れなかった。乗り役は馬場を敗因にしていたが、確かにそれ以外敗因が思い浮かばない。