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競馬回顧 2018年4回阪神

第52回スプリンターズステークス(GⅠ)

ファインニードル

前後肢にバンテージ。前走阪神戦が直前の攻め馬サッパリだった割に出来ていたが、今日もそれ程変わらず。良くなったというより、高値安定。この馬としてはゲートを決めて中段から。前が飛ばしてくれたことも有ったが、センター枠で包まれる展開を避けたかったところを、外の馬が前に行くか後方に下がるかして、上手く避けられたのが大きかった。それでもちょっと4角で外に振られて、前とは一瞬10馬身近く離されているのだが、そこから一追い毎に伸びて最後はクビ差。1頭違う脚で追い込んだだけに圧勝に近い。レベルの問題は有るにせよ、現役馬としては文句なしのチャンピオン。この後は香港遠征ということになるだろうが、前述のレベルの問題をここで払拭したいところ。

ラブカンプー

また馬体増。使い詰めだが、一戦毎に馬が良くなっている。歩様も硬くなるところか、むしろ力強さが増している。ゲートは圧倒的に速かったが、ワンスインナムーンが何が何でもの構えで来て、仕方なしに2番手から。ただ、ワンスインナムーンは前半3Fを33.0秒で飛ばしており、これに付いて行くのは流石に無謀で一歩引いたのは正解だった。勿論、馬が気にせず流れに乗れていたのも大きかったが、坂下で前を捕まえて、坂を上がって周囲を振り切った際には乗り役も夢を見ただろうが、最後にファインニードル。惜しい2着。どう考えても無理使いだが、使う毎に馬が良くなっている。兎に角タフ。

ラインスピリット

今季はずっとデキが良い。毛ヅヤは雨で分からないが、歩様もしっかりしていた。ワンスインナムーンの方が出脚は速かったが、包まれる形だけは何とか避ける形で好位のイン。戦前は土砂降り迄考えられる天気予報だったが、雨が想定程ではなく稍重で済んだこと、更にバラける位置迄出てきたことで、有る程度馬場の良いところを選べたのは大きかった。ただ、ラブカンプーが4角を締めて回ったことで直線でかなり待たされてしまった。ラブカンプーとしては当然の乗り方とはいえ、最後の最後に伸びて来ただけに勿体なかった。道悪は宜しくないが、この馬自身は充実している。

ダイメイプリンセス

2人曳き。今日も馬に迫力が有った。前走小倉戦と比較して落ち着きも有ったが、若干歩様が落ちた印象も。ゲートで後手に回ったが、これは毎度のことで後方から。道中は動くに動けない位置にハマってしまい、4角で一旦下げてインに潜り、直線も内から。デキはベストでなかっただろうが、その中で良く頑張っている。最初は新潟1000mだけの馬だったが、1200mをこなせる様になっただけでも大きな進歩。

レッツゴードンキ

-8kg。数字分だけスッキリした印象。悪い時の硬さもなかった。1200mということも有って、出脚が全くなく後方に近い位置。この位置自体は目の前がファインニードルで悪い形ではなかったが、4角でモタついたのが痛かった。最後は差を詰めている。地力は示したといえる内容だが、やはり衰えは有る。

第22回シリウスステークス(GⅢ)

オメガパフューム

シープスキンノーズバンド。歩様に弱々しさはないが、馬体に力強さを感じない。ゲートで若干後手に回って中段やや後方から。この馬場だけに比較的内を回って、砂をマトモに被っていたが、特に気に素振りもなく追走出来ていた。3角から有り余る手応えで進出、ここからは外を回って4角で好位。直線は右手前のままだったが、ダイナミックなフットワークで突き抜けた。ハンデも味方したことが間違いないものの、単純に強かった。ただ、最後は完全に失速。良馬場で古馬相手に勝ち負けに持ち込むにはまだまだ鍛錬が必要。

ウェスタールンド

オーストラリアンブリンカー。これもどちらかといえば軽い造り。歩様にブレがなく、デキが悪い訳ではないが。ゲートを真っ直ぐに出ず、スタート直後にラインルーフと接触して出脚が鈍り、最後方から。今に始まったことではないにせよ、道中の行き振りもサッパリ。4角も前の馬が邪魔になって動くに動けなかったが、この時点でエンジンは掛かっていた様で直線は馬群を縫う様に伸びて来た。ただ、惜しい2着といってもこの形で中々突き抜けるのは難しい。もう少しでも出脚が欲しいところ。

サンライズソア

シープスキンノーズバンド。パシュファイヤー。前後肢にバンテージ。少し気負っていたが、3歳時より馬が逞しくなっている。1角迄に出脚で決着が付かず、コパノチャーリーと並走。ここで結構脚を使わされたが、それ以上に3角過ぎからヒラボクラターシュに迫られて早仕掛けになったのが痛かった。直線は流石に苦しくなってフラついたが、何とか3着は確保。かなり強い内容。ただ、東京マイルでもそうだが、芝での出脚が若干甘い。ゲートが決まれば良いのだが...。

ヒラボクラターシュ

前後肢にバンテージ。パワフルな馬体。手先のスナップも利いていた。芝での出脚はなかったが、ダートに入ってから行き脚が付き、好位から。道中の行き振りは良く、前がやり合うのを見ながら、抑え気味の追走。サンライズソアに並び掛けて行く脚も決して悪くなかったが、直線は全く坂が上れなかった。阪神でも実績が有り、敗因が良く分からないが、2000mの距離が長いのかも。ただ、阪神2000mは元々スタミナが要るコースではない上に、しかも今日は道悪だっただけに、何とも。

コスモカナディアン

馬体に幅が有って、一歩一歩が力強い。直ぐ外のサンライズソアに叩かれる形とはなったが、外枠で直ぐに立て直しが出来て中段から。3角過ぎからオメガパフュームに交わされたが、これに付いて行く形。展開的にも直線の出て来た位置も悪くなかった。ただ、前とは決め手の差。もう1秒速く纏めないと勝ち負けに参加出来ない。この馬が来るには上がりが38秒台となる様な展開でないと。

第64回産経賞オールカマー(GⅡ)

レイデオロ

少しテンション高いが、流石にこのメンバーだと馬が一枚上。状態も春以上。ゲートは出ているが、出脚がなくて後方に近い位置。1角進入時には内ラチ沿いへ寄せていた。引っ掛かる危険を考慮したのか、道中は妙に窮屈な位置で運んでいたが、4角で馬群が凝縮してアルアインの直後に出て来れたのが大きかった。直線もインが開いてスルスルと伸びて快勝。ダービー馬がこのレースを制するのは64回の歴史の中で初めてとのことで、要は求められる適性が全く違う中で勝ったことも含めて強い競馬だったが、ちょっと道中の位置取りから考えると折り合い面に不安が有りそう。次走はともかく、更にその先は疑問の余地も。

アルアイン

満点ではないが、まずまず。踏み込みもしっかりしていた。出脚は一番速かったが、ハナへ行く理由はなく、マイネルミラノに譲って2番手から。この距離で多少力むのは仕方がないところ。4角で追い出しを出来る限り待って、外からレイデオロが来ていないのを確認してから追い出したが、真後ろに居て内から差されて2着。最後は登坂力というより、距離だろう。力は示したといえる。ただ、2000mなら勝ち負け必至とはいえ、東京向きではなく、展開の助けが要る。

ダンビュライト

下見は後方を周回。戦前からデキの良さが報道されていたが、柔軟性が有って他の部分も文句なし。ゲートで妙にうるさく、アオり気味に出て後方に近い位置。折り合いは付いてこれはこれだったが、眼前に居たミライヘノツバサとゴールドアクターが揃って脚がなく、4角で動くに動けない展開となり、レイデオロの後追いになってしまった。最後は良く追い込んだ3着。完全に展開の綾。ただ、父ルーラーシップは古馬になってゲート内でマトモに駐立出来なくなって競走寿命を縮めた馬、その後を追っている気もしないでもないのは気掛かり。

エアアンセム

シープスキンノーズバンド。-4kg。テンション高いのは毎度としても、もう少し馬体に重量感が欲しいところ。出たなりで中段やや後方から。これも折り合いは付いていたが、勝負どころで外を回すしかなく、坂を上がる迄は3番手だったが、坂を上り切ったところで甘くなった。距離もベストは2000mなのだろうが、それ以上にこのメンバーで真っ向勝負を強いられた方が大きい。馬は間違いなく強くなっている。

ショウナンバッハ

遮眼革。特に減点材料はない。歩様に問題はなく、毛ヅヤも冴えていた。出脚サッパリで後方から。道中の行き振りも決して良い方ではなく、内ラチ沿いを只管回って直線だけ外へ。実質的には競馬が終わった後だが、最後の最後でひと脚使って入着。デキが良いのは確かだが、レース内容的には高い評価は出来ず。

第66回神戸新聞杯(GⅡ)

ワグネリアン

後肢にバンテージ。+10kg。9割方出来ていた。気配面でもこれ位で丁度。この手の乗り替わりの場合、引っ掛かった時が最悪で、折り合い重視で中段やや後方から。ただ、下手に包まれる訳にもも行かず、壁のない位置で多少力んでいた。3角過ぎから外を徐々に進出、直線入口で好位。前のメイショウテッコンも中々渋太かったが、坂を上る脚で決着を付けた。半信半疑のダービー馬だったが、力はそれなりに有ったことが証明出来た。距離面を嫌って東京戦へ向かう様だが、今年は古馬も大概で斤量を生かせる展開になれば。

エタリオウ

+14kg。ほぼ成長分。馬体に張りも有って、キッチリ出来ていた。歩様も伸びやか。元々が追い込み型だが、スタート直後に躓き、更にワグネリアンに寄られて最後方から。折り合いも付いていた。後方馬群がバラけていたことも有って、エポカドーロとワグネリアンの動きが良く分かる位置だったのは大きかっただろう。4角はむしろズブい位でどうかと思ったが、直線で大外へ持ち出し、坂下からエンジンが掛かってここ迄。マトモなら距離延長は歓迎材料となるが、

メイショウテッコン

2人曳き。前後肢にバンテージ。+14kg。これも数字は成長分。馬も負けていない。イレ込んでいるのは気になるが、毎度のこと。一瞬の出脚でビッグスモーキーに出られたが、立て直して馬の気に任せてハナへ。1000m通過61.9秒のスロー、行けば折り合いは付く。4角迄単騎で回って、道中楽させて貰ったことも有って僅差の3着。出来れば2着が欲しかっただろうが、ダービー馬相手に0.1秒差なら胸を張れる。次走京都戦へ向けて、イレ込みが3000mでどうかという部分は有るのだが、再度単騎で行かせて貰える様なら粘り込みも。

エポカドーロ

2人曳き。体型はマイラー。ただ、距離を意識しての調整が上手く行ったか、落ち着いていた。スタート直後に躓いて後方から。この手の先行タイプが序盤で失敗するとサッパリというケースが多いのだが、意外と流れに乗れていた。頭数が少なかったのが不幸中の幸いだったのだろう。眼前のワグネリアンを目標に追い出し、流石に伸び切れなかったが、充分ともいえる4着。次走京都戦でラチさえ頼れれば距離は保つ筈。次走本命級。

ステイフーリッシュ

2人曳き。テンションの高さは許容範囲。馬体も上級ステイゴールド産駒らしさは有る。折角の好発の割に真っ直ぐ出られず出脚が鈍ったが、それでもバラけた3番手から。折り合いもそれなりに付いて、展開的には決して悪くなかったが、直線は伸び案外。平坦ならまだ良いが、坂の有るコースだと差しに徹した方が良さそう。

第72回朝日杯セントライト記念(GⅡ)

ジェネラーレウーノ

オーストラリアンブリンカー。下見だけパシュファイヤー。前肢にバンテージ。+8kg。胴長でユッタリとした造り。肉体的成長は怪しいものの、落ち着きは増した。好発も、タニノフランケルが何が何でもの構えで主張して、2番手から。そのタニノフランケルは大逃げの形となり、一時は10馬身差程離れながら、1000m通過が60.9秒だから、この馬の位置なら結構なスロー。それでも折り合いが付いたのは大きく、自力で捕まえに行って坂下で抜け出し、坂を上がって流す余裕が有った。中山以外が脆いのと、時計が平凡なのが気にならないでもないが、この形は余程のことがないと速い時計にはならない。

レイエンダ

重厚感有る造り。このメンバーなら迫力は上位だが、多少気負っていた点がマイナス。あまり出脚が速い方ではなく、外枠ということも有って中段やや後方から。道中は馬を前に置いて、コースロスを最小限に留めつつ乗られた。4角手前から馬群を捌いて、直線だけ外へ。上手く立ち回っているが、前のジェネラーレウーノとは差が付き過ぎていた。評価に迷う内容では有るが、初重賞でベストの展開ではなくとも、大崩れしなかった点は評価しておきたい。

グレイル

前後肢にバンテージ。+8kg。馬自体が成長した様には見えないが、毛ヅヤだけは間違いなく良くなった。デキだけは間違いなく春以上。歩様も滑らか。出遅れ1馬身不利。油断すると引っ掛かりそうになる馬で、そのまま折り合いに専念して後方のバラけた位置で乗られていた。道中は只管インを回り、直線も内目が開いていたが、狙ったところをトラストケンシンに入られてしまい、斜めに坂を上ってここ迄。馬に芯が入っていない様な雰囲気で、狭いところではフォームを崩す為、今日の様な乗り方になったとのこと。距離延長はマイナスで京都戦は厳しい。

ブレステイキング

+10kg。馬自体はキッチリ出来ているが、チャカつく。発汗の跡も気になった。ゲートを決めて、好位直後から。下見の気配の割に、道中の折り合いは悪くなかったが、4角で前を捕まえに行こうとしても進んで行かず、その間にレイエンダに追い付かれてしまっていた。直線も一旦は3番手に上がりながら、あと一歩が踏ん張り切れず。鍛え方が甘い印象。近年やや重賞で快音が少なくなった堀厩舎だが、典型の様な馬。

オウケンムーン

シープスキンノーズバンド。これも馬体に成長はないが、一息入れて硬さがなくなった。今日も出遅れて最後方から。4角大外、しかも坂下でも絶望の最後方だったが、それでもここ迄追い込んで来た。意外といっては失礼だが、スタミナは有りそう。登坂力も評価しておきたい。京都は別にして、阪神か中山なら一発期待出来る。

第36回関西テレビ放送賞ローズステークス(GⅡ)

カンタービレ

前後肢にバンテージ。馬名に因んでトモに音符模様が入っていたが、毛ヅヤが良くないと出来ない芸当。歩様に力強さが有って、見た目には馬体も充実していたが、マイナス体重は気になった。好発。ハナへ行ける位の出脚も有る馬だが、折り合いを意識して好位から。3角で外を回されるのを嫌って2番手。手応えは終始抜群で、前は何時でも捕まえられそうだったが、直線入口で先頭。あとは独走だった。見た目は完勝だが、1000m通過が59.9秒とスローに近く、後続が差せない展開だった影響も有るだろう。次走京都戦も圏内ながら、先週のノームコア同様、本命馬の乗り役に手の内を見せている点が何とも。

サラキア

前肢にバンテージ。多少硬さは有ったが、馬は良くなっていた。気配も良好。出遅れ1馬身不利。出脚でリカバーして中段から。ただ、後から取った中段だけに、良い位置ではなく、一旦後方に下げてから外へ。スローで前、内有利の展開だった中で良く追い込んだ2着。前走小倉戦も500万ながら中々の内容だったが、今日も一番強い競馬をしている。ただ、ゲートが悪いのは毎度。次走は小回りのフルゲート戦となりそうで、致命傷となる危険も。

ラテュロス

前後肢にバンテージ。-12kg。数字だけ見たら手が出せないが、馬体は意外な程、細い印象はなかった。内3頭の出が悪く、ほぼ出脚を使わず好位のイン。前述した様にスローでこの位置を労せず取れたのは大きく、折り合いもスムーズ。直線もインから。坂を上る辺りで右手前になっており、間違っても余裕はなかったが、何とか権利は確保した。器用さは評価するが、今日は楽に流れに乗れたのと、コースロスなく運べたのが全て。馬の能力としては全く評価出来ない。

ゴージャスランチ

シープスキンノーズバンド。馬が張っており、歩様も力強い。休み明けからほぼ満点。ゲート、出脚ともカンタービレの方が速かったが、主張してハナへ。前述した様に、ペース自体はスローだったが、最初に脚を使わされたのは確か。3角からカンタービレに来られたのも痛かっただろう。早目に交わされた中では良く頑張っている。ただ、今日は是が非でも3着以内が欲しかった。痛恨のクビ差となってしまった。

ウラヌスチャーム

前肢にバンテージ。少し馬が薄く映った。歩様も力感に欠ける。若干ゲートで後手に回って後方から。外枠でも有って、4角大外へ行くしかなく、サラキアの後追いと絶望的展開だったが、これ以上は望めない脚を使っている。サトノワルキューレが坂下で内から併せて来たが、これには坂を上り切って突き放しており、その点も好印象。自己条件の1000万は楽勝レベル、準オープンでも充分通用する。

サマーマイルシリーズ第3戦 第63回京成杯オータムハンデキャップ(GⅢ)

ミッキーグローリー

シープスキンノーズバンド。前肢にバンテージ。デビュー時の500kgから遂に550kgに到達。それで居て太く見せない。毛ヅヤもピカピカ。ただ、完歩の伸びない歩様は明らかにマイラー。出たなりで中段やや後方から。近年の中山マイルはソコソコ流れることが多いが、今日も1000m通過58.1秒とそのパターン。特に今日は途中でウインガニオンが動いて、前が出入りの激しい展開となり、絶好の形になった。4角を勢い付けて回って、登坂力で決着を付けた。完勝だが、ワントゥワンをもっと突き放して欲しかった印象も。成長力を評価しつつも、GⅠで足りるかどうかは微妙。

ワントゥワン

小ぢんまりと見せるのは何時ものこと。ただ、悪い時はギスギス感が出るタイプでも、今日はスムーズ。出遅れ1馬身不利。外枠でも有り、そのまま後方から。これ自体は何時ものことだが、もう少し4角でミッキーグローリーを追い掛けたかったところが、むしろ置かれ気味。直線入口で3馬身程有った差を3/4差迄詰めており、1頭脚が違っていた。回り脚がもう少し有れば勝っていただろう。基本的には東京向き。ただ、脚の使いどころが難しい印象も有った中で、今日の様にコーナーで動かしても脚が使えたのは収穫。馬自体は充実している。

ロジクライ

シープスキンノーズバンド。-4kg。馬体も少し寂しく映ったが、それ以上に歩様が硬い。出脚は有ったが、内外から主張して来る馬が居て、好位に引く形。前述した様に、前の出入りが激しくなって、これはこれで正解だった。直線は間を割ってそれなりに伸びているが、決め手の有る馬にやられる形になった。とはいえ、デキが一息だった上に、先行争いを上手くやり過ごしたといっても連られた面も有り、同情の余地は少なからず有る。サマーマイルシリーズのボーナスゲットへ、ワントゥワン共々勝ちたかったところだったが...。

ロードクエスト

2人曳き。前走程気合が乗っていた訳ではないが、今日も気配上々。馬体も前走新潟戦と変わらず悪くない。最近のパターンで出して行って好位から。インに収まってこれはこれだったが、直線で少し待たされたのが痛かった。スムーズなら勝っていただろう。追い込み一手の以前と比べると大分競馬が上手くなっているが、近走はツキに見放されている印象。ただ、距離を色々使いまわしたが、ベストがマイルなのは明らか。

ゴールドサーベラス

2人曳き。前肢にバンテージ。馬体はこれで良いが、少しイレ込んでいた。出遅れ1馬身不利も、出して行って中段から。ウインガニオンを目標に動いたヤングマンパワーを追い掛ける形で、勝負どころでも積極的に乗られたが、流石に甘くなった。とはいえ、3着ロジクライとは同タイムと僅差。乗り役としては強引だったといわれても仕方がないのだが、馬の立場に立てば強くする競馬でも有り、6歳馬でも今後が楽しみに。

サマースプリントシリーズ第6戦 第32回産経賞セントウルステークス(GⅡ)

ファインニードル

前後肢にバンテージ。攻め馬は結構怪しかったが、下見は出来ていた。歩様も力強い。好発。出脚も有って楽に中段は確保出来た。あとは正攻法で仕掛けのタイミングだけ間違えない様に追い出し、坂を上る途中で逃げるラブカンプーを捕まえて、上り切って突き放した。58kgを背負って中山戦へ好発進という形になるが、今日はラブカンプーにキツい展開となり、雨も外枠の不利を消すという点で味方した印象。他が居ないだけに次走本命となるだろうが、圧倒的1番人気が予想され、配当面で妙味がなさ過ぎる。

ラブカンプー

+8kg。また馬体増。昨年と比較すれば、トモのボリューム感が別馬の域。好発。ゲートで1馬身抜けたが、徹底先行のネロが競り掛けて来て、600m通過が33.3秒。ネロがずっと引いてくれず、坂下辺りで相手の脚が鈍って振り切ったが、ファインニードルには屈して2着止まり。今日はバッタリ行かなかっただけでも大したモノ。見た目通り、馬が良くなっているのが大きいが、流石に使い過ぎの感も。次走中山戦を目指す様だが、中2週と間隔が詰まることも有り、軽視した方が良さそう。

グレイトチャーター

前肢にバンテージ。下見から舌がハミを越していたが、馬体締まって、見た目は悪くない。スタート直後に押していたが、出脚が有る方ではなく後方から。4角迄インを回して、直線だけ外へ。しっかり脚を矯められたことも有るが、ファインニードルより0.4秒速い、メンバー中最速の上がり3F34.2秒でここ迄。前走小倉戦の内容から重賞で通用するとは思えなかったが、準オープンを1分12秒1で決まる不良馬場で勝っており、道悪は得意としている様。

コウエイタケル

通常の遮眼革とは逆になる前面に透明なカバー。腹回りがボテッと映るが、動きに柔軟性は有った。ゲートを決めて労せず中段のイン。直線もインが開いて、一旦は3番手に上がったが、外からグレイトチャーターに差されて4着に。今日の展開ならラブカンプーを捕まえないと値打ちがないところ。実績通り、オープン特別で何とか馬券圏内の馬。

ラインスピリット

多少左後肢の出が悪いのは気になったが、馬体はシャープ。ゲートを決めて、ネロに抵抗しつつ好位の外。ここで少し脚を使ったが、前2頭がやり合うのを眺める形となり、悪くない展開に持ち込めた。それだけに直線はもう少し伸びてくれても良かったが、内外から交わされて掲示板止まり。この雨に祟られた印象。もっと軽い馬場になって欲しかったところ。

第3回紫苑ステークス(GⅢ)

ノームコア

キビキビ歩けていた。見栄えがするタイプではないが、緩んだところがなく、デキ自体は悪くない。出たなりでスッと好位。前に壁がない状態で、1角迄は結構引っ張っていた。向正面で壁が出来て折り合いが付き、4角でハーレムラインの内から抜けて来る回り脚が速かった。直線もオイデオイデの楽勝。時計も馬場状態が良いとはいえ優秀だが、それ以上に次走京都戦へ向けて小回り適性を示したのが大きい。尤も、次走は乗り替わり。アーモンドアイに手の内を見せてしまったのはどうなのかという気もしないでもない。

マウレア

+2kg。出来ているといえばそうだが、やはり成長は欲しかったところ。完歩の小さい歩様もマイナス。2番枠のオハナに叩かれる形だったが、その直後の中段やや前辺りから。乗り役が向正面でノームコアが抜群の手応えだったのに気付いた様で、3〜4角で上手くマーク位置へ誘導。完璧に乗られたが、直線は2着確保がやっとで離される一方だった。ただ、入線後に左前肢の歩様が乱れたとのことで、恐らく京都戦は回避することになりそう。マトモでも勝負になったとは思えず、成長を促して来年改めて。

ランドネ

前後肢にバンテージ。幅が有って、横から見るとスカッとした造り。歩様も力強い。ゲートを決めて、押して先行。1000m通過60.1秒は馬場状態を考慮すれば楽に行けた方だろうが、そこからカレンシリエージョが動いて来て、ペースを上げざるを得なかったのは微妙に痛かったところ。直線入口で突き放す形には持ち込めたものの、3着がやっとだった。とはいえ、トビが大きい割に首が使えず、元来が決め手が有るタイプではないのだろう。東京だと苦しいが、小回り向きということは間違いなく、各馬がアーモンドアイを意識してくれる様なら漁夫の利も。

パイオニアバイオ

多少発汗は有ったが、数字のない割に良く出来た造り。脚取りもしっかりしていた。ゲートを真っ直ぐに出ず、出脚が鈍って後方に近い位置。マウレアをマークする形。直線迄最内で我慢して、直線はマウレアの外へ。何処か間が割れていると結果も違った気もするが、乗り役が少し迷った様にも見えた。マトモに追えたのはラスト1Fを切っており、それを考えれば良く追い込んだ方だろう。4着でもGⅡ2着が有り、賞金面で除外ということはない筈で、京都戦へ出走可能。これも悪い内容ではなく、展開一つの馬。

ハーレムライン

+26kg。気配は良かった。腹袋が多少ボテッと映ったが、数字程は太くない。出脚が速いという訳ではなさそうだが、ランドネの先行策に付いて行く形で好位へ。途中で動いたカレンシリエージョにも連られることなくやり過ごしており、外でも流れに乗れた。4角で前を捕まえに行く雰囲気は悪くなかったが、坂が上れず。今日の内容だけだと上位とは差が有るが、馬体増の影響も有るだろう。叩いて改めて。