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競馬回顧 2019年3回阪神

第60回宝塚記念(GⅠ)

リスグラシュー

香港遠征帰りだが、キッチリ出来ていた。馬に活気も有った。初速が速いという訳ではなさそうだが、有力馬に行く気がなく、馬に行き脚が付いたことも有って、1角で2番手。1000m通過1分ジャストと、決して速い流れではなかったが、折り合いは付いていた。直線入口で並び掛け、あとは独走だった。若い頃は詰めの甘い馬だったが、同じハーツクライ産駒のジャスタウェイの再現を観ている様で、昨秋から別馬になっている。次走は、海外を含めて様々選択肢が有るとのことだが、何処へ行っても有力。

キセキ

前後肢にバンテージ。首でリズムを取って気配絶好。馬体も筋骨隆々で文句なし。ゲートも微妙に悪かったが、それ以上に出脚がなく、押して何とかハナ。強いていえば、坂迄に間に合ったのは不幸中の幸いといえるが、一息入れようとした1角でリスグラシューに来られたのはそれなりに痛かっただろう。直線向いて突き放す脚がなく坂下でそのリスグラシューに捕まった。出脚さえ有れば楽勝の競馬だが、逃げ馬はくっついて来られると厳しい。今日もパワーが有るからこその2着死守だが、ルーラーシップ産駒の悪いところも出て来た。今秋は仏国遠征だそうで、恐らくロジャーバローズのラビットとなるのだろうが、国内よりは出脚が通用する可能性は高い。

スワーヴリチャード

馬が緩んでいた2走前の中山戦と同じ数字だが、明らかに締まっていた。ただ、若干左後肢の入りが甘い。あまり出脚の速い方ではないが、外枠でリスグラシューに叩かれたことも有り、掛かり気味に好位の外。道中はガッチリ抑えて何とか宥めていた。ただ、これでは伸びは期待出来ず、3着粘り込みがやっとだった。行かせる様になってから成績は安定しているが、これだとパンチ力に欠く。今日の展開で矯めて良かったことはなかったとも思うが、自分の全能力を発揮させるには末脚勝負に徹した方が。

アルアイン

遮眼革。皮膚を薄く見せて、デキにケチは付けられない。ただ、如何せん毎回述べている様にマイラー体型。この馬の出脚でキセキに付いて行く形で好位のイン。前にキセキを置いて何とか我慢して走っていた。ここ迄はペースも含めて前走と似た様な形だが、今日は追ってからが案外だった。馬場はむしろ得意とするところで、距離が長いという外ない。ちなみに左回りもサッパリ、勝てる条件が少ない。今秋は遠征に行った方が良さそう。

レイデオロ

前走UAE戦程ではないが、今日もイレ込んでいた。馬体は悪くないが。出脚はキセキより速かった位だが、スタート直後から引っ掛かりそうになっており、折り合いに専念して中段から。早目に引いた分、2角位で馬が納得してくれたが、3角過ぎから再び行きたがって、直線も伸びを欠いた。明らかに精神面が前走からおかしくなっている。暫く掛かりそう。

第24回ユニコーンステークス(GⅢ)

ワイドファラオ

前後肢にバンテージ。毛ヅヤが冴えて、馬体もボリューム感タップリ。気配も文句なしで、今日はケチの付けるところがない。明らかに前走以上。ゲートはヴァニラアイスの方が速かったが、五分の出脚で主張して、3角手前から単騎。雁行で行った分、1000m通過58.4秒と結構流れた。それ故か、4角の手応えは決して良い様に見えなかったのだが、追ってからが兎に角渋太い。デュープロセスも良く追い込んで来ているのだが、一杯一杯振り切った。あとは揉まれた時にどうか。出脚が抜群に速いという訳ではなく、毎回同じ様に行くかどうかは甚だ疑問。

デュープロセス

メリハリの利いた馬体だが、迫力だけなら上の馬もチラホラ。寸が詰まってマイラータイプ。この馬も出脚は有る方だが、結構速い馬が多く、それらを行かせて中段の外。何時もよりは後方の競馬となったが、今日のペースならこれはこれ。直線の反応も良かったが、ラスト250m辺りで抜け出そうとしたところで、手前が替わって一瞬フワッとなってしまった。そこから再びワイドファラオに馬体を併せに行って頑張っているのだが、相手の渋太さが一枚上手だった。ソラさえ遣っていなければ勝っていただろう。このメンバーなら実力上位だが、ただ距離はマイルでギリギリ。

ダンツキャッスル

後肢にバンテージ。-8kg。数字は減ったが、締まった馬体で見た目は悪くない。ただ、頭が高いのはマイナス。ヴァニラアイスに付いて行くだけの出脚はなかったが、ダートへ入ってからの行き振りは悪くなく、好位を確保。出来れば逃げたかった筈だが、脚を使いながらもまずは揉まれない位置へ。直線向いて、スパッと切れるイメージではなかったが、ジワジワ最後迄伸びていた。最近は1800mのみで使っており、一度でもマイルを使っていれば違ったかも。距離が延びれば逆転も、ということになるが、残念ながら骨折が判明、年内絶望とのこと。

ヴァニラアイス

小ぢんまりとした造り。数字の割には良く出来た馬だが、もう少し落ち着いてくれるとベスト。好発。出脚も一番速かった位だが、内からワイドファラオが主張して2番手から。ただ、控えたことで道中は少し掛かり気味。マイルに経験がなかったことも有って、最後の粘りを欠いた。今日の内容だけをいえば距離が長いということになるが、経験や展開で変わる範囲だろう。牝馬のダート馬としては上級。

エルモンストロ

前後肢にバンテージ。+10kg。数字分だけ迫力が増した。皮膚を薄く見せて、目下充実。この馬の出脚で付いて行って好位のイン。折り合いも付いて、直線向いてからもインから一瞬だけ反応したが、ラスト200m辺りから甘くなってしまった。前走500万を1800mで勝った以上、距離は保つ筈で、今日のところは能力不足。

サマースプリントシリーズ第1戦 第26回函館スプリントステークス(GⅢ)

カイザーメランジェ

シープスキンノーズバンド。馬体は地味だが、キビキビ歩けていた。これでもこの馬としては気配の良い方。ゲートは五分程度だったが、押してハナ。2番手アスターペガサスが無理しなかったことで、前半600m通過34.4秒とスロー。勝負どころでもアスターペガサスの手応えが悪く、直線入口で突き放して最後迄リードを守り切った。中野栄治厩舎、江田照男騎手と人気薄の先行馬で強い組み合わせ。ただ、例の騒動で除外となった馬が多数。特に出脚の速いダノンスマッシュとシュウジが消えた影響は大きく、マトモなメンバーならこの出脚では通用しない筈。

アスターペガサス

前後肢にバンテージ。煩いのは毎度だが、発汗が収まっただけでも前走京都戦よりは遥かにマシ。馬体は古馬相手でも負けていない。前述した様にカイザーメランジェの先行策に乗る形で2番手。ペースも遅かったのだが、序盤は行きたがって、コーナーに入ると反応が悪くなり、直線向いて暫く経ってから再び伸び出した。結果は2着だが、どうも今日はチグハグ。とはいえ、新馬以来の先行策に馬が戸惑った分も有るだろう。経験で変わって来そうだが、根本的問題としてこれも今後重賞で先行出来るだけの出脚が有るかどうかは甚だ疑問。

タワーオブロンドン

馬だけなら単純に抜けた存在。首でリズムを取って気配も良かった。珍しく好発も、折り合いに専念して後方に近い位置、といっても5番手から。このペースで多少行きたがる場面も有ったが、想定の範囲内だっただろう。今日は58kgの影響も有って、直線向いてエンジンが掛かる迄、暫く間が有ったのが痛かった。反応が悪かった分、余計に外を回されてしまった。今日は58kgで使う方が無謀で、馬は良く頑張っている。今日のダメージさえなければ次走有力。

ダイメイフジ

毛ヅヤが良かったし、馬体にも張りが有った。淡々と歩いていたが、デキは悪くない。出脚は負けていなかった様にも見えたが、7枠2頭が先行して、そこから少し離れた3番手。競馬としてはこれはこれで良かったが、いざ追ってから緩い馬場を気にしたのか、ノメっている様にも見えた。頭も上がり気味で、本来の走りではなかった印象。やはりパンパンの良馬場がベスト。

ペイシャフェリシタ

前後肢にバンテージ。踏み込みが力強く、手先のスナップも利いていた。馬体も今年のメンバーなら迫力上位。ゲートは微妙に悪かったが、出脚で挽回してダイメイフジと並走する位置。今日は馬場が緩いとはいえ、開幕週でインを通れた利も有った筈だが、いざ追ってからがサッパリ。下見は文句ない状態に見えたが、これ迄休み明けは未勝利。叩いて改めて。

第36回エプソムカップ(GⅢ)

レイエンダ

オーストラリアンブリンカー。近走、結果は出ていないが、馬はずっと問題はなかった。叩いた分の上積みも有りそう。今日はゲート五分。出脚も付いて、逃げたサラキアに付いて行く形で2番手。兎に角ペースが遅かったが、前に壁がない状態でも折り合えていた。あとはサラキアを交わすタイミングだけで、坂を上り切った辺りで並び掛けると3/4馬身差突き放して初重賞制覇。オーストラリアンブリンカーがどれだけ利いていたかは良く分からないが、今日は行き振りが良くなっていたのは確か。ペース云々より、全体の時計が速い展開でポカすることが多く、今日は雨も向いた印象。

サラキア

2人曳き。+6kg。少しでも増えるのは良い傾向だが、まだまだ線は細い。普段はゲートの悪い馬だが、珍しく五分。行きたい馬が居らず、押し出される形でハナへ。2番手のレイエンダがガッチリ抑えたことで、1000m63.9秒と馬場状態を考慮しても異様に遅いが、それを楽々単騎で行けた。直線は馬場の良いところへ持ち出し、それなりに踏ん張っているが、レイエンダに並ばれたラスト250m辺りで左手前になってしまい、そこからは内にモタれ気味で甘くなった。今日の内容だけだと高い評価は出来ないが、未体験の競馬でこれだけやれれば充分。あとはゲート難が本当に解消出来ているかどうか。

ソーグリッタリング

馬体にメリハリが利いている。歩様もキビキビ。ゲートは一番速かった位だが、最初から引っ掛かりそうになっており、行きたい馬を壁にして宥める形。馬は我慢して走ってくれており、意図通りの競馬は出来た様に見えたが、これだけ上がりが速くなってしまうとどうしようもない。引っ掛かって末脚をなくしてしまったとしても、勝ちに拘るなら結果的にはもっと攻めて乗るべきだった。力そのものはこのメンバーでも足りるだろうが、近代競馬で少しでも弱みの有る馬は中々タイトルに手が届かない面も有って。

ショウナンバッハ

雨を気にしてか、集中力がなかったが、馬体は悪くない。出遅れ1馬身不利。そのまま後方からジックリと。直線は先行馬が最内を開けたことで、少し進路に迷っていた様にも見えたが、先行馬と同じ馬場の3分どころへ持ち出して、良い脚を長く使ってここ迄。これもソーグリッタリング同様、弱みの有る馬だが、左回りは手堅い。正直、2走前の新潟戦がサッパリで、衰えを感じたのだが、ここ2走は本来の走り。デキも上向いているのだろう。

ブレスジャーニー

+6kg。この血統からは想像が付かない様な小ぢんまりとした馬体だが、この馬としては歩様しっかり。ゲートが悪いのは何時ものこと。最初からインを突く気だったかどうかは微妙だが、4角で前がインが開けてくれたところで一気に進出。一瞬は先頭に迄立ったが、流石に甘くなった。奇襲だけに仕方がないのだが、結果的にもう少し我慢しても良かったかも。何れにしても道悪は得意。

第24回マーメイドステークス(GⅢ)

サラス

2人曳き。筋肉の輪郭が浮いて、踏み込みが深くて力強い。下見から明らかに良かった。出脚も微妙に甘かったが、外から被されて行き場をなくしたことも有り、最後方から。尤も、これは前走京都戦からのパターン。下が多少緩いとはいえ、飛ばしたアドラータで1000m通過が59.8秒だから決して速くなかった。4角も大外。エンジンが掛かる迄に暫く時間を要した様にも見えたが、登坂力が他馬と違っており、坂下で2馬身半差程有ったレッドランディーニをギリギリ捕まえた。ハンデが味方したことは間違いないが、追い込みが合っているのだろう。この競馬は前走からだが、その前走がスローとはいえ突っ込み切れなかっただけに坂の有るコースの方が確率は高そう。

レッドランディーニ

シープスキンノーズバンド。前後肢にバンテージ。これもしっかり踏めていた。馬体も充実。馬体細化に苦しんでいたデビュー当時とは別馬になった。大外枠ということも有って、最初から内へ潜りに行こうとしていたが、潜り切れず後方の外。引っ掛かりそうな気配も有るのだが、何だかんだで折り合いは付いていた。3〜4角中間の手応えが抜群だったことも有り、更に外のチカノワールが来たタイミングで進出。あまりに脚が有るので、坂下で既に先頭に立っていた程だったが、結果的に仕掛けが早かった。先頭に立ってフワッとしたところをサラスに強襲されて2着止まり。勿体ない競馬。重賞でも充分足りる。

スカーレットカラー

前肢にバンテージ。皮膚を薄く見せてフックラした造り。歩様に硬さもない。以前よりゲートを失敗しなくなっているが、外枠ということも有り、出たなりで中段やや後方から。これも折り合い重視で乗られていた。4角でレッドランディーニに被されたことで、馬群を割る形となったが、今日の展開ならこれはこれで悪くなかった。一瞬勝ったかの脚色だったが、明らかに坂を上り切った辺りから甘くなった。上位2頭とは2kg差で0.1秒差ならハンデ通りということになるのだが、今日の内容だけをいえば2000mが微妙に長いかも。

センテリュオ

胸繋。前後肢にバンテージ。一歩一歩が力強い。スカッとした造りで、気配も上々。ゲートは五分に出ているが、例に依って行く気はなく後方から。スカーレットカラー同様、馬群に包まれるパターンでも今日の展開なら決して悪くなかった筈だが、これも坂を上り切ってからの一押しがなかった。2200mでも勝ったことの有る馬だが、距離は2000mでもギリギリ。今日の様な緩い馬場だと誤魔化しが利かなくなる。

ウインクルサルーテ

前後肢にバンテージ。少し煩いのは毎度。数字の割に馬を大きく見せて、デキは悪くない。これもゲートは五分に出たが、何時も通り、折り合いに専念して後方から。今日の展開ならこれで悪くないのだが、勝負どころで外から次々にフタされて、我慢比べの展開とはいえ、流石に仕掛けが遅過ぎた感も。最後は伸びている。ハンデが味方した部分は勿論否定出来ないが、このメンバーなら小差。

第69回農林水産省賞典安田記念(GⅠ)

インディチャンプ

少し煩いが、増減なしでも前走京都戦よりは太く見せない。使った分の上積みは有った。ゲートの悪いイメージの馬だが、意外にも五分の発馬。少し出して好位のイン。出している分、序盤だけは力んでいたが、折り合いも3角手前からはスムーズ。直線向いて、何処を捌くかで迷っていた様にも見えたが、ロードクエストの外へ脚で持ち出して、そこからの加速力が1頭違っていた。後述する様に、人気馬が総じて失敗した上で時計勝負の馬場も向いたのだが、先行しても何時もの脚が使えたのだからお見事という外ない。尤も、ゲートを何時失敗するか分からず、今後も馬券的には取捨選択の難しい馬ということになりそうだが...。

アエロリット

下見は後方を周回。シープスキンノーズバンド。前後肢にバンテージ。歩様に伸びが有って、気配も絶好。毛ヅヤも良く、非の打ち所がない。ゲート自体は出ているが、直後に躓いて出脚が鈍り、グァンチャーレの方が速かったが、何が何でもの構えでハナへ。1000m通過が57.0秒、前走よりは楽に行けた。その分、直線に向いてからの粘りも違っており、何とか振り切ったかに見えたが、最後にインディチャンプ。これで2年連続の2着だが、躓いていなければ勝っていただろう。前走、無理矢理行ったことが出脚強化に繋がった。やはり時計勝負には強い。

アーモンドアイ

2人曳き。シープスキンノーズバンド。後肢にバンテージ。デビュー以来、最高体重でも太く見せない。キッチリ出来ていた。スタート直後にロジクライに寄られて後方に近い位置。これ自体は仕方がないが、道中はずっとダノンプレミアムにフタをされていたのが更に痛かった。道中で追い上げが利かず、漸くバラけたラスト400mの地点で前と10馬身近い差が有った。それで3着とはいえ、同タイムなら強い。途中で動いたら動いたで甘くなっていた可能性も有るのだが、動いて負けた方がまだ納得は行っただろう。

グァンチャーレ

前走京都戦とそう変わらず。この馬としてはしっかり踏めていた。好発。出脚も一番速かったが、アエロリットが何が何でもの構えで行って2番手から。道中は折り合いも付いて、直線も一旦はアエロリットに並び掛ける場面。ラスト150mで甘くなったが、並び掛ける場面を造っただけでも進境が有った。勝ち切るキャラクターではないのだろうが、現状でGⅢなら押し切る場面が有っても驚けない。尤も、中々マイルは手頃な番組がないのも確かだが。

サングレーザー

叩いて順当に良化。馬体が締まってシャープな造り。気配も良かった。ゲート五分。出脚はインディチャンプと同程度だったが、引っ掛かりそうになっており、深追い出来ず中段から。とはいえ、眼前のインディチャンプが外へ持ち出してくれたことでインに進路が出来、スムーズな競馬が出来たが、序盤に行きたがった分なのか、伸びそうで伸びなかった。これで2年連続の5着だが、外枠から積極的に乗られた昨年の方が内容は上。気性的な部分を解消させないことには。

第72回農林水産省賞典鳴尾記念 (GⅢ)

メールドグラース

遮眼革。多少煩いのは毎度。お世辞にも重賞クラスの馬には見えないが...。もっと成長の余地が有る筈。ゲートは悪く、後方から。鞍上も2回目だが、外枠で立て直しが利いて、ジックリ乗れた。1000m通過が60.4秒と、前半はスローだったが、内回りということも有って、各馬の仕掛けは比較的早目。それを更に外から動いて差し切った。前走新潟戦が54kgだったが、今日は別定56kg。下見はともかく馬は強くなっている。あとは一線級との相手関係。ステイフーリッシュ、ギベオンを相手にしなかっただけに、現状でGⅡ級は見えて来ている。

ブラックスピネル

遮眼革。-8kg。数字は絞れたと見て良い。馬体はソコソコ見栄えする馬で、歩様も問題はない。ただ、これも多少チャカついていた。戦前の想定ではタニノフランケルが行くという話も有ったが、タニノフランケルがゲートを真っ直ぐに出ず、出脚が付いたこの馬がハナへ。前述した様に、1000m通過は1分を超えるスローでも、後続の仕掛けが早いのだが、この馬もペースを上げて直線迄は単騎。メールドグラースには並ぶ間もなく交わされたが、一杯一杯粘って2着は確保。右回りだと外へモタれるということで左回りに良績集中の馬だが、単騎で行けたのが強かった。ただ、出脚が抜群というタイプでもないだけに、毎回これが叶う保証はない。

ステイフーリッシュ

馬体はこれで良いが、今日は何時もより少し煩い。ステイゴールド産駒だけに、良いのか悪いのかは判断出来ないのだが。出脚はそれ程速いタイプではないが、少し出して好位から。道中はスムーズだったが、本来なら得意の回り脚で前を捕まえるべきところを捕まえ切れなかった。前に届かず、後ろに差されての3着。明らかに前走はおかしかっただけに、調子を落としている面は有りそうだが、このメンバーで何とかならないのは評価が下がる。

ギベオン

+6kg。太くは見せない。毛ヅヤが良いのはこの時期、皆一緒だが、馬体に張りが有って気配も良かった。歩様も問題はない。この馬自身もゲートオープン時に横を向いていたが、更にタニノフランケルに寄られて後方から。腹を括って乗るしかなかった。基本がマイラーなので、道中も急かす訳にも行かず、コーナーで内を回る形で追い上げ、直線に向いてからメールドグラースの外へ。良く追い込んでおり、2着争いは際どくなったが、流石に今日の展開だと一手遅い。今日はアンラッキー。

ノーブルマーズ

シープスキンノーズバンド。毎度のこととはいえ、腹回りがボテッと映る。トモが甘いのもこの馬の特徴。この距離だと出脚で分が良いことはないが、何とか中段から。マークしていたという訳ではないだろうが、道中はステイフーリッシュに付いて行く形。直線向いてからは決め手の差ということになるが、良馬場でやられるのは仕方がないところ。得意の道悪になれば。