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競馬回顧 2020年2回京都

第70回東京新聞杯(GⅢ)

プリモシーン

2人曳き。+8kg。走らない時でも見た目はずっと悪くない。馬自体は単純に上位。むしろ今日は何時も以上にテンションが高かった。ゲートは若干分が悪かったが、少し出して好位のイン。下見のテンションが高かった割には、折り合いも付いていた。直線は追い出しを待つ余裕も有り、外へ持ち出されると計った様に差し切った。今日の馬場で外へ持ち出せるのも余程自信がないと出来ない芸当で、56kgだったことも有り、単純に強い。昨秋の不振からは脱出したといえそうだが、走らない時は走らない馬で、アテにはし辛い。

シャドウディーヴァ

前肢にバンテージ。この時期の牝馬としては毛ヅヤが維持出来ている。馬体もスカッと見せて、歩様も大分力強くなった。ゲートは五分に出たが、中段の外で折り合いに専念。3角からインへ潜って距離を稼ぎ、直線も内から。良く伸びているが、追っている最中に頭が上がりそうになっており、そこを鞍上が上手く御していた点も大きい。コース取りも含めて最高に乗れた。これもアテにはし辛い面が有りそうで、次走人気になる様なら嫌ってこそ。特に手替わりになればもっと危険度は増す。

クリノガウディー

+8kg。今日は他にもテンション高い馬が多いのだが、この馬も同様。馬体も500kg近くなってくると少し厚ぼったく見える。基本的に出る馬で今日も好発。1馬身近く抜けていたが、折り合いに専念して好位。1F程で上手く馬群が切れてインへ潜り込み、プリモシーンの一歩前で運べた。折り合いも問題なく最高の形で、内から一旦は抜け切っているのだが、最後に2頭。結果的に上手く行き過ぎたというべきか、仕掛けが早かったかも。とはいえ、多少太い分も有り、馬も鞍上も責められないところ。このメンバーならチャンスは充分。

サトノアーサー

+10kg。落ち着いていて気配は良かったが、数字分だけ太く映る。全体に緩慢。脚の運び自体はスムーズだが。出脚を生かして最初はハナ争いに首を突っ込んでいたが、1Fで引いて好位から。 折り合い問題なく付く馬で、スムーズだったが、33秒前半の脚がなく、最後は決め手負けした様な格好。トビが大きく回転数が足らないタイプで、上がりの勝負になるとキツい。逆にトビが大きくても道悪を苦にしないのはせめてもの救いで、狙うなら雨。

クルーガー

前後肢にバンテージ。海外遠征帰りだが、ちゃんと出来ていた。多少腹袋が立派に見えるのは体型。皮膚を薄く見せて毛ヅヤも冴えていた。出脚は一番速かった位だが、内からモルフェオルフェが主張して2番手から。悪くない形だったが、4角でモルフェオルフェが外へモタれて暴走気味になり、前と距離が離れたことで自力で捕まえに行く形となり、最後はこれも決め手負け。また海外遠征に出る様だが、8歳馬でも有り、これも時計が掛かってくれた方が良さそう。

第60回きさらぎ賞(NHK賞)(GⅢ)

コルテジア

前肢にバンテージ。前走とほぼ変わらず。コンパクトに纏まった造りだが、トモの送りに力強さがない。手先だけで歩いている。ゲートは五分程度。出脚も抜群に速いという訳ではないが、少し出して好位から。1F程で既に外へ持ち出しており、基本的には馬場の良いところを選んでの追走。先に動いたストーンリッジを目標に、4角はそのストーンリッジが外へ持ち出して、更に外を回される形となったが、ジワジワ伸びて捕まえた。前走内容から重賞で通用するとはとても思えなかったが、この馬場でベストの位置を選択して流れに乗れたのが好走の要因。かつてのサムソンビッグではないが、このレースは年に依ってレベル差がまちまち。今年は明らかにハズレの年。

ストーンリッジ

+6kg。熊の様な、全体に馬体がボテッとした印象。歩様にも力強さを欠く。要は鍛錬不足の印象。今日はゲート五分。スタート直後から引っ掛かったというより、内にモタれてコントロール不能に近い状態だったが、2F程で落ち着いてそこからはスムーズ。ただ、坂の下りで少し行きたがって、結果的にコルテジアの良い目標になってしまった。逆にいえば色々子供だった割には最後食い下がっているともいえる。馬体も鍛錬の余地を相当残しており、恐らくクラシックには間に合わないだろうが、まだこれからの馬。

アルジャンナ

2人曳き。馬体は脚長で如何にもディープインパクト産駒という印象。緩んだ印象はなかったが、もうチョイしっかり踏めると理想的。眼が血走っており、イレ込みもマイナス。ゲートをソロッと出して折り合いに専念しようとしていたが、馬を前に置いても結構力んでいた。3角手前で漸く宥めたが、今度は追ってからの反応が鈍く、エンジンが掛かる迄に付いてしまった差が詰め切れなかった。最後はそれなり詰めており、トビも中々ダイナミックで化ける要素は持っているが、気性面の課題を解決しないことには。

ギベルティ

2人曳き。前肢にバンテージ。後肢は蹄を覆う様なプロテクター。数字からして抜けているが、馬振りはこのメンバーなら断然。歩様や気配も悪くなかった。内の出方だけ確認して、出脚を生かしてスッとハナへ。この馬場を考慮して1000m通過62.0秒とスローに落とせたが、ストーンリッジに早目に来られて、最後は決め手負けした様な格好。馬場適性自体は有る筈だが、スローに落とし過ぎて他馬が接近していたのがマズかった。このペースでも内ラチへ寄せられていればまた違っていたが、この馬場ではそれも叶わず。

トゥルーヴィル

全体に見た目が子供。馬体はまだまだ成長の余地を残すが、その割に歩様はキビキビ。馬に集中力が有って、気配も良かった。アオり気味に出て、出脚が鈍り、中段やや後方から。道中は序盤だけ少し行きたがっていたが、そこからはスムーズ。ただ、坂の下りで馬場に脚を取られたか、バランスを崩す場面が有り、最後迄諦めずに走っているものの、前を交わせるだけの脚はなかった。コルテジアの様に、外へ持ち出すタイミングが有れば話は違っただろうが...。

第34回根岸ステークス(GⅢ)

モズアスコット

ちょっと間隔を開けたことで歩様の硬さは何時もよりマシ。勿論、馬体は元々見栄えする馬で、このメンバーでも上位。出遅れ1馬身不利。ただ、芝だとそこ迄行き振りの良い馬ではない筈だが、妙にスイスイ進んで行って、3角では中段に取り付いていた。あまりに手応えが有るので、4角も自信タップリに外へ持ち出し、コパノキッキングを難なく捕まえた。圧勝。歩様からダートが向いているのは明らかだったが、かつてのトゥザヴィクトリーの様な先行タイプは別にして、大抵のケースで差し馬の初戦は失敗するのが常。余程、適性が有るのだろう。マイルも問題はなく、次走も有望。

コパノキッキング

2人曳き。後肢にバンテージ。馬体はこれで良いが、ちょっと歩様が落ちて来たのと、テンションが何時も以上に高い。好発。出脚も以前と比べれば強化されているが、今日は競られてしまった。特に外からハナへ行ったドリームキラリを追い掛けてしまい、直線坂下で先頭と形は造ったが、坂を上って踏ん張る脚がなかった。先行する様になって、正確には藤田騎手が鞍上になってから競られる場面はなかったが、乗り替わりになるとマークが厳しくなるのは仕方がないところ。再度、鞍上を藤田騎手に戻して、1200mの大井戦が目標とのことだが、自分のペースで行けさえすれば何とかなる筈。

スマートアヴァロン

前肢にバンテージ。-4kg。8最馬としては良く出来ているともいえるのだが、多少腹回りがボテッと映る。その割に歩様はスムーズだが。ゲートは五分だったが、他に速い馬が居て、何時も通り一旦砂を被らない位置迄下げる形。これも直線は外へ持ち出し、流石にモズアスコットの後ろからでは届かないのは仕方がないところだが、左手前のままだった割には良く伸びていた。1200mだと突っ込み切れないが、1400mだとコースを問わず堅実。

ダノンフェイス

シープスキンノーズバンド。前後肢にバンテージ。馬体は迫力満点。腹袋は目立つが、緩んだところはない。ただ、歩様に力強さが有る反面、少し硬い。ゲートは五分か若干分が悪い程度。外枠でも有る程度付いて行って中段から。行き振りも意外と良かったが、結果的にメリハリのない競馬になってしまった感も有り、直線は決め手の有る馬にやられてしまった。ただ、それで4着なら良く頑張っているともいえる。この辺りのメンバーならチャンスは充分。

ワイドファラオ

前後肢にバンテージ。+6kg。小走りは入っていたが、何とか堪えている様にも見えた。脚長の馬で、見た目も中々。コパノキッキングを少しアオっておいた後に引いて4番手から。流れには乗れていた様に見えたが、いざ追ってコパノキッキングが捕まえる脚がなかった。58kgが背負い切れていない印象。斤量が苦しいならもっと極端な競馬を考えるべき。

第25回シルクロードステークス(GⅢ)

アウィルアウェイ

前後肢にバンテージ。3歳時は華奢な印象も有った馬だが、大分ドッシリ見せる様になって来た。テンションは高いが、スプリント戦だけにその点も許容範囲。出遅れ1馬身不利。押して直ぐ馬群には取り付いていた。道中は取れた位置で只管我慢。仕掛けも他馬と比較して少し遅らせ気味にも見えたが、ダイメイプリンセスとジョイフルの間を脚でコジ開け、一気に突き抜けた。下見通り、馬も成長していることは確かだが、馬が頑張ったというより、今日の馬場で更に好騎乗がハマったという印象。ジョイフル等、色気を持って早仕掛けが裏目に出た馬が多かったが、我慢が生きた。今の低レベルスプリント戦なら次走も圏内だが、脚の使いどころは常に難しいタイプ。

エイティーンガール

寸が詰まった体型で、明らかに短距離向き。数字はないが、その分、トモも張っている様に見えた。歩様もしっかり踏めていた。ゲートは五分に出て、出脚も付いて行ける程度には有りそうだったが、行く気なく後方から。4角でズラッと前が壁になり、アウィルアウェイとは違った進路が有れば結果も変わっただろうが、単なる後追いになってしまった。最後はクビ差迄追い詰めていただけに惜しい。ハンデ戦とはいえ、このクラスでもやれるだけの脚を見せたことは収穫だが、過去の戦績から1分08秒前半の決着になると厳しい面も。今後は時計にどれだけ対応出来るかが鍵となる。

ナランフレグ

活気充分。横から見る分には、480kgも有る様に見えない馬だが、つまりはそれだけ幅が有る。毛ヅヤも良かった。出遅れ半馬身不利。道中の手応えは決して良い方ではなく、3角から追走に汲々だったが、直線で大外に持ち出されるとエンジンが掛かってここ迄。直線で手前が替わる迄に少し時間が掛かったが、左手前になってからは滞空時間が長く、飛距離の有りそうなトビだった。左回りに良績集中している馬だが、左右の問題というよりは、直線の長いコースをノビノビ走らせると能力を発揮してくれるタイプ。1200mだと少し忙しい印象も有り、中京1400m辺りに出て来た時が狙い目に。

モズスーパーフレア

-6kg。この時期の牝馬にしては毛ヅヤは維持出来ている。歩様に硬さもなく、馬体も数字分だけスッキリした程度で、迫力充分。ゲート自体は他にも速い馬が居たが、例に依って出脚がケタ違いに速く、一瞬でハナへ。ペース云々よりは絡まれない方を優先して有る程度飛ばし、600m通過は33.9秒。ただ、今日の馬場でセイウンコウセイを突き放す脚がなく、ラスト1Fで脚が上がって4着止まり。今日はこれで仕方がないところ。次走の中京も中々先行馬には楽をさせてくれないプラットフォームだが、下手に抑えていくと、今後出脚が鈍って来る危険も有り、これはこれで次走に繋がる競馬。

セイウンコウセイ

+12kg。元々これ位の数字で走っている馬で、決して太い印象はないが、緩いのは確か。歩様も何時もより硬い。好発。徹底先行タイプがモズスーパーフレア程度だったことも有るが、58kgの割には出脚も有って楽々2番手。道中の手応えはしっかりしており、直線で手前を替えた際に反応が有って一瞬はモズスーパーフレアを捕まえる様な気配だったが、これもラスト150mでフォームがバラバラになって脚が上がった。ただ、脚が上がってからもモズスーパーフレアには迫っており、中々渋太い。58kgを背負っていたことも考慮すれば、少なくとも衰えがないということはいえる。