Sakura Archives

競馬回顧 2022年4回阪神

第166回天皇賞・秋(GⅠ)

イクイノックス

2人曳き。1頭だけ別格の迫力。毛ヅヤも冴えて、デキの良さも目に付いた。前走後の脚部不安も、歩様を見る限り、問題なさそうだった。両サイドから来られる展開になったことも有るが、スタート直後は行きたがっており、まずは折り合い重視で乗られて中段やや後方から。揉まれない位置で隊列が決まってからは我慢して走れていた。直線に向いた段階で大逃げのパンサラッサとはこの時点で150m近く離れていたが、鞍上には一瞬待つ余裕。今年、消極的な騎乗が多い鞍上だが、結果的にそれが最後の決め手に繋がったか。ラスト250mで左手前にはなっていたが、1頭だけ違う脚で楽々突き抜けた。お見事という外ない完勝劇。鞍上はともかく、今日のところは馬を褒めたいところだが、このレースを3歳馬が決め手一本で勝つと、古馬になった際に一抹の不安も残る。制度変更の影響で来年から58sを背負うことが多くなるが、背負い切れるかどうか...。

パンサラッサ

馬体は良くも悪くもこんなモノ。このメンバーに入ると明らかに見劣るが、今日は何時もより歩様が力強い。真っ直ぐ出なかったが、一応はゲート五分。ただ、出脚自体はジャックドールに大して劣勢だったが、何とか制してハナへ。最近は逃げても迫力がなかったが、久々にこの馬らしい大逃げを打ち、1000m通過が57.4秒。人気どころに決め手身上のタイプが多く、余計に道中は差が開く形になった。前述した様に直線入口でもかなりの差が有り、ラスト200mでも10馬身近くリード。流石に最後は苦しくなり、ギリギリ残した形ながらも、見せ場充分の2着。最近、大逃げを打たなくなったのでどうかと思っていたが、手の内を隠していたのが結果的にここで生きた。次走は香港遠征とのことだが、引き続き有力。

ダノンベルーガ

2人曳き。+6kg。僅かながら馬体に余裕を感じなくもない。歩様も元々がそういうタイプとはいえ、少し甘い。ゲートが微妙に分が悪かったことも有るが、行く気もなく直ぐに内へ寄せて中段やや後方から。道中の折り合いは問題なく、スムーズに流れに乗れていた。道中は内外前に馬が居て、動き易い位置ではなく、直線に向いてから進路を探す形。内目へ誘導して上手く捌いて来たが、追うと頭が上がり気味。最後迄伸びてはいるが、パンサラッサが捕まえ切れなかった。結果的に外をノビノビ走った方がいい展開だったことも有るが、賞金面を考えると2着が欲しかったところ。意外と堅実に走っているとはいえ、一線級とはいい難い。

ジャックドール

-8kg。何時もドッシリと見せるタイプだが、この数字でもそのまま。気性の勝ったタイプの割に、落ち着いていたのが印象的。好発。出脚も一番速かったが、パンサラッサが内から主張、外からバビットとノースブリッジも行って4番手に控える形。展開は想定の範囲だった筈で、前走札幌戦同様、好位で我慢する形でもリラックスして走れていた。ラスト200m辺りでパンサラッサを除いた2番手グループの先頭に立ったが、そこで左手前になり、あとは雪崩込んだだけだった。今日の展開になると、決め手の差が露呈するのは致し方ないところ。小回りか、自分で競馬を造る形の方が向いているが、東京だとこんなモノか。

シャフリヤール

結果的に少し立派過ぎたかも知れないが、馬体には張りが有った。比較的大型馬の多いメンバー構成だったが、馬は負けていない。ジャックドールには叩かれたが、そこからの出脚は速く、上手く立て直してその直後から。少し力んでいた様にも見えたが、我慢は利いていた。ただ、直線でジャックドールに並び掛ける場面すらなく、外のイクイノックスには並ぶ間もなく交わされていた。ベスト条件かと思われただけに、意外な敗戦。3歳時は2400mよりは2000m方が良さそうな印象も有ったのだが、むしろ2400mの方が結果を残している。今日は重目も祟った面が有り、言い訳がなくなる次走が試金石。

第11回アルテミスステークス(GⅢ)

ラヴェル

+8kg。馬自体も数字の割にドッシリと見せるが、歩様の力強さは特筆モノ。下見所の外をキビキビと歩いていた。出遅れ1馬身不利。そのまま行く気もなく後方から。早い段階で馬群と離れていたが、それでも序盤は少し行きたがっていた様に見えた。ラスト1000m辺りで漸くリラックスして走れる様になり、直線は大外へ。後述する様に、リバティアイランドにはずっと壁が有り、4角時点ではミシシッピテソーロが外の進路を塞いでいたが、これを利用して東京の仕掛けとしては少し早いタイミングながらも動いて行く形。今日はこれがハマった形だが、上がり3F33.0秒に纏め、最後迄脚が上がっていない点は高く評価したい。相手がリバティアイランドという点を考えてもGⅠを勝てる馬。

リバティアイランド

前後肢にバンテージ。少しテンションが高くなりそうな面は有るが、馬振りだけをいえば1頭だけ別格。トモのボリューム感は古馬でも中々ないレベル。牡馬を含めても、世代No.1級。歩様にもバネを感じさせる。ゲートは五分か少し分が悪い程度。出脚は速い方だろうが、無理せず中段で折り合いに専念。ただ、結果的に今日はこれが裏目。他馬の執拗なマークに遭い、内外前後にずっと馬が居て、馬もエキサイトする寸前だった。直線に向いてからも中々前が開かず、外に出せたのはラヴェルが抜けた後。実質300mもない競馬だったが、ここからの脚が他馬とは別次元。重心の低い走りかつトビが高い。そもそもデビュー戦の上がり3F31.4秒が新記録とのことだが、どんなに低く見積もっても数年に1頭レベルの素質の持ち主。ラヴェルがGⅠを勝てる馬なら、こちらは世界を席捲出来る馬。無事なら必ず歴史に名を遺してくれる筈。

アリスヴェルテ

寸の詰まったマイラー体型。454kgの馬としては、その分幅が有るともいえる。毛ヅヤも悪くないが、曳き手に甘える様な素振りが多く、まだ仕草は子供。出脚はディナトセレーネの方が速かったが、2番手では掛かり気味だったことも有り、馬の気に任せてハナへ。1000m通過ジャスト1分なら、この時期の2歳馬としてはスローで先行馬としては丁度いいところ。直線に向いてからも好位グループは全部振り切っているのだが、ラヴェルとリバティアイランドの決め手が違っていた。今日は相手が悪かったという外ない。この馬でも例年なら重賞クラス。

デインバランス

-4kg。新馬の新潟戦はまだ緩く映ったが、馬体が締まって確実に良くなっている。歩様もキビキビして、気配も良かったが、季節の変わり目で毛ヅヤは少し怪しくなった。好発。出脚も有った筈だが、ハナへ行く気はなく、ディナトセレーネの番手。そのディナトセレーネが控えたことで4番手辺り。これもリバティアイランド程ではないにせよ、馬群に包まれてしまって少し窮屈そうには見えた。直線に向いてからの追い出しという点でもラヴェルが抜けた後だったが、ジリジリ伸びて4着浮上。ジリジリといってもリバティアイランドの脚が凄過ぎるだけで、新馬即重賞の馬としては充分な内容。500万は楽勝級。

マラキナイア

後肢にバンテージ。+8kg。430kgの馬だけに、馬体増は無条件で歓迎。数字の割にはトモが張って、良く出来ているが、歩様はまだ甘い。ゲートは五分だったが、出脚は速くなさそうで中段の外。向正面ではリバティアイランドの壁役だったが、3角で1列前へ押し上げて、立ち回りとしては実にスムーズ。ただ、直線に向いてからの瞬発力がなく、ずっとジリジリ。ただ、最後の最後にディナトセレーネを交わしている様に、上位馬に先を越されてからも諦めずに走っていた。今日は現状の完成度の差。ジャスタウェイ産駒でも有り、長い目でみたい。

第65回MBS賞スワンステークス(GⅡ)

ダイアトニック

-6kg。今日は何時ものこの馬。前走中山戦と違い、アバラが浮いて頭も下がっていた。歩様にも柔らか味が有った。好発。その気になれば逃げる出脚は有る筈だが、行きたい馬に行かせて3角で5番手。道中は馬群の中に居たが、4角で外へ持ち出し、坂下で先頭。今春同様、内にモタれていたが、内ラチを頼ってからは真っ直ぐ走って、大接戦の2着争いを後目に1馬身差押し切った。1400mがベストの馬で、ここ目標に一度叩いてデキが良くなっていたことも有るが、早目に抜け切ったのが正解。内にモタれる癖がどうも危なっかしいのだが、そこを誤魔化して乗れたのが良かった。毎回、何かしらの工夫が要る馬。

ララクリスティーヌ

迫力が有るという訳ではないが、スカッと見せて毛ヅヤも良好。歩様にもキビキビ感が有り、デキの良さは目に付いた。ゲートは分が悪い方だったが、出脚が速く、スッと好位。ダイアトニックの直後が楽に確保出来た。4角の手応えはそこ迄いい様には見えなかったが、眼前のロダイアトニックのとロータスランドが外へヨレ気味だったことで前は開いており、ロスなく捌いて2着浮上。競馬が上手いという点に関しては間違いないところだが、上手く行き過ぎて能力判定が難しい。唯でさえ3着以下もオープン特別級の馬だけに尚更。次走が試金石。

ルプリュフォール

色々有って休み休み使われている馬だが、前走新潟戦から雰囲気は良さそうで、今日も高値安定。馬体に数字通りの迫力が有る。この馬としてはゲートを出た方だが、行く気なく後方で待機。4角も無理に動く気はなく、直線迄待ってから進路を探す形。外目に上手く進路を見付けて伸びて来たが、坂を上り切る直前に、眼前でロータスランドが外へヨレて逡巡したのが痛恨だった。これがなければ2着有った筈。中段辺りでも競馬は出来る筈だが、折り合い面がややこしくなり勝ちで、追い込み一手の方が末脚に安心感は有る。今回が初重賞挑戦だったが、このメンバーなら力は足りる。

トゥラヴェスーラ

+10kg。数字は回復分だが、馬体の張りにまだ甘い面は残っていた。下見で舌がハミを越していたが、ノンビリとは歩けていた。ゲートは五分か少し怪しい程度。出脚がサッパリという馬ではないが、最近のパターン通り、行く気なく後方から。番手が下がって行く過程で自然とインへ潜っており、直線もインからスパッと馬群を割って来たが、登坂力がなく、坂を上ったところで甘くなった分の4着。重賞常連の馬で1400mでも連対実績の有る馬だが、脚の使いどころが難しくなる傾向。本当のベストは1200m。

キングオブコージ

+8kg。微妙ながら腹回りに余裕が有ったが、筋肉の輪郭は浮いていた。何時もより硬さは気にならず、一応は走れる状態。流石に一完歩目は分が悪かったが、二の脚からはほぼ互角。意外な程、楽に追走出来た。4角時点で前から3列目迄押し上げ、直線はダイアトニックの造った進路から。この辺の反応も中々機敏で、流石に最後の一押しこそなかったものの、僅差の5着。現状の短距離路線がそれだけ低調という面も否定出来ないが、今ならこの距離の方がいいのかも。

ロータスランド

前後肢にバンテージ。牝馬としては立派に見せる方だが、前走東京戦より更に馬体が増えていたのは頂けない。馬体の張りは有ったが、明らかに重目。好発。ダイアトニックをマークする形で好位から。道中の折り合いも問題なく付いていたが、直線で坂が上れず、ダイアトニックには一瞬で離されてしまい、外にヨレてもいた。今日のところは完敗。まずは馬体を絞ることが先決。ただ、次走はマイル戦とのことで、距離面が課題となる。

第83回菊花賞(GⅠ)

アスクビクターモア

前肢にバンテージ。叩いて前走中山戦以上。その前走も悪くなかったが、毛ヅヤが明らかに良くなった。歩様もしっかりしており、この馬としては落ち着いていた点も好感。セイウンハーデスがロケットスタートを決め、この馬の出脚で離れた2番手。1000m通過58.7秒、2000m通過時点でも121.4秒とソコソコ速かったが、2周目3〜4角中間から後続を待たずに進出。直線入口では出し抜け気味に2番手以下に数馬身リードを取り、最後は苦しくなりながらも、ハナ差だけ凌ぎ切った。この乗り方で負けたら鞍上が責めを負うところだったが、勝ったのが何より。春はセコい競馬で入着こそ果たしていたものの、後続にやられていただけに勝ちパターンが見付かったという点でも収穫が有った。何時の時代も器用さが有る馬は距離が延びれば延びただけ有利。

ボルドグフーシュ

前走中京戦で成長を感じさせたが、今日もそのまま。元来は胴長で軽い造りの馬だが、今季は幾らか重量感が出て来た。踏み込みが深いのも特徴。半馬身程出遅れ。そのまま中段やや後方のイン。2周目の向正面半ばから追い上げる意思は見せていたが、中々外へ出せず、前が開いたのは各馬に脚がなくなって来た2周目3角過ぎから。4角の回り脚は1頭だけ抜群に速く、直線も良く差を詰めているが、あと一歩だけ届かなかった。何かがひとつスムーズなら勝っていただろうが、これが差し一手の辛さ。先々は東京2500m辺りで堅実に走ってくれる馬になりそう。

ジャスティンパレス

前走中京戦で述べた様に、この数字の割にはドッシリ見せる。歩様は前走の方が良かった気もしないでもないが、毛ヅヤが冴えていた。好発。最初から内へ入れることを考えていた様だが、ゲートが決まったことが大きく、中段やや前辺りで流れに乗れた。内に居た分、2周目3角で前が壁になってしまっていたが、4角で何とかパス。直線はボルドグフーシュとの併せ馬。しかし、坂を上り切って脚が上がり、フォームがバラバラになった分の3着。3角で捌けていたらまた違った展開も有っただろうが、ボルドグフーシュにもいえることで、今日のところは力負け。距離が少し長い。

ドゥラドーレス

前後肢にバンテージ。皮膚を薄く見せていた点は好印象。馬体に迫力はないが、良くいえば纏まっている。ゲートが悪いのは何時ものことだが、そこからの脚が速く、中段やや後方は確保。こちらは何時でも動ける外に居て、2周目3角から外を動いて行ったが、3〜4角中間辺りでボルドグフーシュが内から進出した際に接触。この距離だけに地味に痛かった。直線でボルドグフーシュの1馬身後方に居たが、付いて行けたのは坂下迄。距離も微妙に長いのだろうが、2000m迄しか経験がなかった割には折り合い面で我慢出来ていた。経験次第で何とかなる範囲か。

シホノスペランツァ

まだ馬が若いことも有るが、少し寸が詰まった体型。テンションも高く、マイラー寄り。ただ、毛ヅヤは冴えていて、現状のデキ自体はいい。ゲートは五分に出たが、行く気なく後方で折り合いに専念。500万を勝ったばかりということも有り、只管インを回って入着狙いの競馬。内目の馬場が少し悪くなっていたことも有るが、上手く抜けて来れた。次走1000万で即通用かと言われればまた別問題だが、人気の一角だったガイアフォースに先着した点は評価したい。こういう馬が真の馬主孝行。

ガイアフォース

-4kg。芦毛で分かり辛いのだが、見た目には前走中山戦と変わらない。ただ、キタサンブラック産駒にしては歩様に伸びがない点も同様。ゲートが微妙に分が悪く、中段のイン。もう少し攻めた乗り方をしたかった様だが、道中は行きたがる場面が多々有り、この位置で折り合いに専念。勝負どころは何とか捌いたが、直線に向いた段階で余力はなかった。単純に距離が長い。ローカルの2000mの方が向いているタイプ。

ヴェローナシチー

前肢にバンテージ。増減なしの数字が示す通り、前走中京戦とほぼ一緒。歩様にもブレがなく、デキにケチを付けるところはない。出遅れ1馬身不利。出脚もなく、そのまま最後方から。このレースの場合、ソングオブウインドやファストタテヤマ等、これはこれで時折ハマることも有るが、2周目の3〜4角を上がって行く脚が怪しく、最後は明らかに止まった。現状だと力不足。

第25回富士ステークス(GⅡ)

セリフォス

前後肢にバンテージ。古馬相手でも迫力で圧倒。下見所の外をキビキビ周回して活気も有った。歩様にも力強さが有って、いきなりから完璧に出来ていた。今日はゲート五分。出脚も有る方だが、好発を決めた6枠2頭に前をカットされる形となり、一旦は引かざるを得ず中段やや後方から。道中は少し力んでいた様にも見えた。直線に向いてズラッと前が壁になり、進路を探した結果、ダノンスコーピオンやソウルラッシュの外へ。ロスが多い競馬に見えたが、左手前のままギリギリ捕まえて今年初勝利。鞍上の話では意図的に矯めて乗ったとのことで、あくまで意図的だった様だが、馬にストレスを掛ける競馬になったことは確か。能力の高さは証明出来たとはいえ、課題の残る一戦に。

ソウルラッシュ

遮眼革。500kgの馬としては少し胴が短目で、馬体に幅が有るタイプ。腹回りがボテッと映るのは何時ものことだが、手先のスナップが利いていたのは何より。今日は好発。出脚の速い方ではないが、少し押して中段。直ぐ外のダノンスコーピオンに対して、暫く抵抗していたが、3角でダノンスコーピオンを前、左後方にセリフォスを置く形。コーナーでペースが落ちたことも有るが、3角は少し引っ張り気味にも見えた。直線に向いて、丸々500m分、ダノンスコーピオンと併せ馬。見応えの有る追い比べになったが、最後の最後で競り落したところで、その外をセリフォスがクビ差交わしていた。後ろからやられたのは頂けないところだが、とはいえ東京は直線が長過ぎるのだろう。阪神の方がまだマシ。

ダノンスコーピオン

+2kg。数字は大して変化ないが、今日は明らかに馬体の張りが甘かった。歩様は昨春と比べると幾らか頼りない。好発。最初は内の出方を窺っていたが。3角手前で行きたがりそうになり、ラウダシオンを前に置いて我慢させる形。ソウルラッシュが早目に来なかったお陰で、直線に向いてからも進路が有り、前述した様に丸々500mずっと追い比べ。良く粘っていたが、ラスト100mで明らかに脚が鈍った。今日は上位3頭の中ではデキの点で甘かった面も有るが、基本的には最後の踏ん張りが足りないタイプ。本当に良くなるのはまだ先。

ピースオブエイト

+8kg。馬体の張りは有って、デキ自体は良さそうだが、数字分だけ重目。何時もよりはイレ込んでおらず、気配はこれ位でいいが。一完歩目も遅かったが、その後の出脚もなく、後方から。4角でソウルラッシュの直後だから、今日の展開ならそこ迄悪い位置ではなかった筈だが、いざ追ってからがモタついたのが痛かった。反応が俊敏ならセリフォスにフタをすることも出来たが、みすみす進路をやってしまった。ただ、今日は初のマイル戦。同情の余地は有る。経験を積めば対応出来る様になる筈。

エアロロノア

-8kg。元々がドッシリと見栄えのいいタイプで、少々減ったところで少しスカッとした程度。気配は地味なのも毎度。ゲートで分が悪かったが、最内を徐々に追い上げて3角で中段。馬群を捌いて伸びて来るイメージはない馬だが、今日は最後迄しっかり走れていた。上位馬が全て外を回って来ただけに、高く評価したい。アテにはし辛い面も有る馬だが、GⅢクラスなら何処かで一発有っても。

第27回秋華賞(GⅠ)

スタニングローズ

今年のメンバーなら迫力上位。前走中山戦で気になった緩い部分がなくなった。トモもパンとして、気配も良好。ケチを付けるところがない。ゲートは五分も、スタート直後に外へヨレてナミュールと接触。少し馬が怒ったのか、掛かり気味にアートハウスを前に置く形で、好位5番手辺りから。それでも操縦性はいい方の馬で、2角迄には折り合いが付き、流れには乗れていた。アートハウスが勝ちに行く競馬をしてくれたことで進路も出来、直線に向いて外へ持ち出されると坂下で先頭。内外からスターズオンアースとナミュールには迫られたが、最後も余裕は有った。スタート直後の接触がこの馬に有利に働いた面は否めないが、道中で前へ行ける器用さが生きた格好。ただ、昨春のままなら差されていた筈。能力の絶対値では大差ないところ迄、成長していたことも大きい。

ナミュール

+20kg。見た目にはもっと増えてもいいが、取り敢えずは細化傾向から脱したのが何より。歩様もこの馬としては悪くない。スタート直後にスタニングローズに寄られて出脚が鈍ったが、この馬としてはゲートを出ていたのが救いとなり、上手く立て直して1角で中段やや後方の外。道中は折り合いも付いて、全く問題なく追走出来たが、4角でかなり外へ振られてしまったのが痛かった。最後は良く差して来ていたが、マトモなら勝っていただろう。とはいえ、そこを含めての能力。良し悪し有るが、悪い面を誤魔化すなら、左回りの方がいいかも。

スターズオンアース

前後肢にバンテージ。+8kg。トモの迫力は流石といったところだが、微妙に緩い。気配は元々こんなモノ。一完歩目が遅く、更に内から張られて後方から。これ自体は想定の範囲内だろうが、道中はずっとプレサージュリフトにフタをされており、動けるタイミングが何処にもなかった。仕方なしに内目を突き、進路を探しながらでも伸びて来た。ただ、一旦は2番手確保かの場面を、坂を上り切った後に甘くなってナミュールに先着されている。負けるのは仕方がないが、ズブい位の馬だっただけに、意外な印象も。デキが本当ではなかったか...。

メモリーレゾン

坂路で好時計を叩き出して戦前は話題になっていた馬だが、馬に活気が有って、歩様にもキレが有る。馬体も前走中京戦より迫力が有った。一瞬、ゲートで潜ろうとしていたことも有り、出脚が鈍ったが、上手く立ち回ってスタニングローズの直後。全体で8番手から。この作戦自体は正解だが、4角手前でエグランタインと接触して一瞬だけ怯んだ間にナミュールにもフタをされたのは痛恨だった。直線はナミュールの外へ出さざるを得ず、ここで後手に回って、唯でさえ決め手の差が有るのに余計に前と水が開いてしまった。前走中京戦が案外で、ここ迄走れば充分ともいえるのだが、準オープンでも少しキツい様な内容。

アートハウス

前後肢にバンテージ。前走中京戦と大して変わらず。馬体もこれでもいいが、歩様の甘さが直らない。ゲートは五分程度。短距離馬のウォーターナビレラに叩かれたのは致し方ないところ。更に何頭か来られたが、行きたい馬に行かせて内はブロックしつつ好位の外。道中もスムーズで立ち回りとしては完璧。この馬にGⅠを勝たせるのは鞍上の悲願とのことで、4角を少し早目に動いて勝ちに行く形。これ自体は鞍上を責められないが、今日は馬に坂を上る脚がなかった。まだ現状は力不足。

第70回アイルランドトロフィー府中牝馬ステークス(GⅡ)

イズジョーノキセキ

前肢にバンテージ。+6kg。3歳時と比較して、プラス20s以上。それだけの成長は有る。元々背丈の高い馬だが、馬体に幅が出た。一歩一歩が力強い。今日は気配も良かった。ゲートが微妙に分が悪く、中段やや後方から。恐らく、最初からソダシマークのつもりだっただろうが、ゲートや出脚の差で距離が出来てしまい、鞍上が珍しく慌てたか、馬が少し行きたがっていた。ただ、それでも途中から腹を括って内でジッと待機。直線に向いて眼前のソダシとアンドヴァラナウトが一緒に伸びて来たことで進路も出来、左手前のままで前が開いて直ぐは少しモタついていたが、ラスト100mの脚でアタマ差届いて先着。決して完璧ではなかっただけに馬も強くなっているが、鞍上のギャンブルも当たった。これ以上を期待するのは酷だが、それでもソダシに勝ったのは立派。GⅡということで斤量面は背負うこととなるが、これからも限定戦なら相当稼げる筈。

ソダシ

白毛でデキの分かり辛い馬だが、スッキリとは見せていた。ただ、何時もよりテンションが高い。ゲート五分。当然、出脚も速いが、行きたい馬に行かせて好位のイン。前走札幌戦の止まり方を考えると、1800mでも乗り方には少し気を遣うところだが、上手く折り合いを付けていた。ただ、直線に向いて外へ持ち出そうとしたのが失敗。外には壁が有り、ラスト400mで切り替えて内から出て来たが、待った分のロスが有った。勝ったイズジョーノキセキとは同タイムのアタマ差だっただけに勝っていた可能性が高い。イズジョーノキセキも上手く乗ったが、勿体ない競馬になってしまった。馬は頑張っている。マイルに戻る次走阪神戦こそ何とかしたいところ。

アンドヴァラナウト

+14kg。休養前の前走が細く、数字は回復分。馬体に張りが有って、デキ自体も問題なさそう。イレ込みも前走よりはマシだった。歩様も悪くない。ゲート五分。スタート直後はソダシに抵抗していたが、スピードで差が有って、直後に控える形。無理しなかったことで道中の折り合い付いていた。直線に向いて、ソダシが一旦は外を狙ったことで前が開き、内へ切り替えて来たソダシと一緒になって伸びて来たが、スムーズに運べた分、一旦はソダシより前に出ているのだが、最後は明らかに止まった。2000mでも実績の有る馬だが、今日の内容だけをいえば距離が長い。

サトノセシル

舌がハミを越していたが、動きはキビキビ。馬体もキリッと締まって、今日は抜群に良く見せた。ゲート五分。内枠の馬が先行したことも有るが、この馬自身も出脚の速い方ではなく、中段から。ただ、一度として内に入れる場面がなく、ずっと外を回されてしまった。直線も伸びていない訳ではないが、最後迄ジリジリだった。尤も、内枠を引いたところでそれを生かす一瞬の脚はなく、今日はどうしようもなかった。限定戦なら勝負になる馬では有るが、決め手の点でアテにし辛い。

アブレイズ

+8kg。太いという程ではないが、微妙な緩さは有った。今日は少しチャカついていた点も減点材料。ゲートは微妙に分が悪かったが、馬がその気になっており、掛かり気味に3番手。前2頭が飛ばして距離が出来たが、この位置に収まってからは我慢して走ってくれていた。直線に向いて、少し待つ余裕が有り、ソダシよりも後から追い出されているのだが、待った割に脚が一瞬しかなかった。54kgで限定戦なら勝負になっていい馬だが、案外の内容。デキが本当ではなかったかも。このあと中1週で天皇賞へ向かう話も有る様だが、最初からそれを見越して余裕残しで造って有ったのだろう。

シャドウディーヴァ

前肢にバンテージ。腹回りがもう少しスッキリしてもいいが、動き自体は軽快。歩様が伸びやかで、可動範囲が広い。この馬としてはゲートを出た方だが、例に依って出脚がなく後方から。こちらはサトノセシルと違って、インを突いても伸びて来れる馬だが、直線に向いて暫く迷いながらもラスト400mで外へ。伸びてはいるが、ラスト400mの時点で前とは5〜6馬身離れてしまっており、届く様な位置ではなかった。今日は参考外。

クリノプレミアム

+12kg。496kgはデビュー以来、最高体重。今日は少し重目残り。歩様も何時も程のキビキビ感がない。この馬としては出ッパが良く、そのまま積極的に乗られて好位から。特に不利なく運べていた様に見えたが、3角過ぎから少し手応えが怪しくなり、少し置かれそうになっていた。その分、直線の反応も悪く、最後の最後に少し盛り返した程度で、案外の内容。重目祟ったことも有るだろうが、極端な時計勝負は歓迎しない。

第57回農林水産省賞典京都大賞典(GⅡ)

ヴェラアズール

+8kg。青毛の分、格好良く見せるということも有るが、トモの張りは目立つ。ただ、余りにも気配が地味で、歩様がイマイチ頼りない様にも映る。例に依ってゲートをポコンと出て、後方から。1000m通過60.7秒、2000m通過121秒7と、そこ迄遅いペースではなかったが、道中は少し行きたがっている様にも見えた。3〜4角中間でマイネルファンロンに外からフタをされて、更に苦しくなったが、直線に向いてマイネルファンロンの脚がなくなり、前が開くと1頭だけ違う脚で突き抜けた。完勝といえる内容。芝へ転向してから別次元の走り。ジャパンカップへ向かう様だが、今年のメンバーなら軽視禁物。

ボッケリーニ

+8kg。毛ヅヤは悪くないが、全体に馬体の張りが緩慢。元々が硬い方とはいえ、今日は歩様も少し気になるレベル。出脚には余裕の有る馬で、直ぐ内のアフリカンゴールドに行かせて、それに付いて行く形。全体で5番手辺りから。競馬に注文は付かない馬で、理想的な形で追走出来た。直線も進路を探す場面こそ有ったものの、坂下で抜け切って先頭。一瞬は勝ったかに見えたが、坂を上り切る寸前に右手前になって失速。ヴェラアズールには並ぶ間もなく交わされていた。やはり脚の使いどころが難しい。今日はまだ内枠を生かして、上手く乗られた方。

ウインマイティー

遮眼革。元々、牡馬相手でもそこ迄ヒケは取らない馬だが、馬体に柔軟性が出て来たのがいい。当然ながら、歩様も問題ない。ゲートは少し怪しかったが、上手く内へ潜って中段のイン。普段は操縦性のいい馬だが、何時もよりは行きたがっていた様にも見えた。直線に向いてからも、少し進路に迷う場面が有ったが、坂下辺りで前が開いてからジリジリと最後迄伸びて3着は確保。中々渋太い内容。最近、使う距離がバラバラで、行き振りが良過ぎたのはその影響も有りそう。阪神の限定戦へ向かう様だが、有力馬の1頭に。

ヒンドゥタイムズ

少し煩いのは何時ものこと。決して見栄えのいい方ではないが、今季に入って少し迫力が出て来た。一歩一歩しっかり踏めていた点も好印象。スタート直後から少し押していたが、出脚の速い方ではなく、中段から。内ラチ沿いをウインマイティーに取られたことも有るが、外枠の割には積極的に乗られた印象。向正面半ばから少しオッツケて、3角過ぎから外を進出。4角で先頭集団に取り付いていたが、そこから坂を上る脚がなかった。ただ、以前は重賞だと壁を感じる馬だったが、今日は仕掛けが早かったことを考えれば、頑張っている部類。確実に馬は強くなっており、そろそろ何処かで一発有りそう。

ディアスティマ

遮眼革。前肢にバンテージ。横から見れば寸詰まりだが、馬に幅が有るタイプ。馬体の張りも悪くなかったが、今日は歩様が硬い。この距離にしては先行馬の多い組み合わせだったが、その中では一番外枠だったユニコーンライオンが主張して、その番手から。かつてのタイキブリザードの様に、妙に首を下げながら走っていたが、タイキブリザードとは違って気負っていたか。4角で前へ並び掛け、坂下で先頭には立ったが、その時点で既に手応えが怪しくなっており、最後は掲示板確保がやっとだった。出脚で負けていた訳ではないだけに、ハナを主張していればと悔やまれるところ。ひと先ずはこれがいい経験になれば。

アイアンバローズ

前後肢にバンテージ。+16kg。骨格のしっかりした馬で、数字程、太い訳ではないが、全体に緩い。ゲートは出ているが、外から強く来られて、一旦は引かざるを得なくなり、中段やや後方から。鞍上の話では出来ればもう一列前で闘いたかったとのことだが、後ろから行っている割には行き振りがイマイチ。ずっとオッツケており、最後もジリジリ。今日の内容だけをいえば距離がもっと有った方がいい。次走中山戦直行とのことだが、距離延長は歓迎。尤も、この馬の場合は3600mともなると、引っ掛かる可能性も有るのだが。

第73回毎日王冠(GⅡ)

サリオス

+6kg。馬体には張りが有ったが、少しボテッと映る。大幅馬体減だった休養前の前走が怪しかっただけに、これ位でいいのかも。歩様に窮屈さがないのもいい。ゲートは五分に出たが、急かすことなく好位直後のイン。序盤は少し引っ張る場面も有ったが、何とか我慢。本来ならもう一列前で闘いたかったところだろうが、折り合い重視で乗られた。直線に向いて、グリーンベルト時代の安田記念の様に、馬群が密集して暫くは出られるところがなかったが、ラスト400mで一列上がり、ラスト200mで漸く前が開いて一気に突き抜けた。1分44秒1とレコードが出る馬場で、決め手の違いを見せ付けた。古馬になってギアが上がるハーツクライの血が覚醒したか。次走は何処へ行っても本命級。

ジャスティンカフェ

シープスキンノーズバンド。+8kg。馬体に太い印象はないが、下見は頭が高く、かなり気負っていた。ただ、頭が高い割には歩様の非力さは感じない。半馬身程、出遅れてそのまま後方からジックリと。外枠としては道中は比較的コースロスなく乗られ、直線だけ外へ。これだけ馬群が密集すると、外をノビノビ走ったことがプラスに働いた感も有り、一瞬は勝ったかの脚で、サリオスよりも前に出る場面も有ったが、最後はサリオスの差し返しに屈した。このメンバーでも足りるだけの力は有るが、末脚の持続性に課題が残ったのは前走同様。現状で重賞を勝ち切るにはもう少し力を付ける必要が有る。

ダノンザキッド

2人曳き。何時ものこととはいえ、気性面が課題の馬だけにイレ込まないに越したことはない。今日はまだ堪えていた方だが...。馬体は寸詰まりながら、幅が有って、キッチリ出来ていた。ゲートで突進して、外枠発走となったが、好発を決めて好位の外。一応、コントロールは利いていたが、道中で行きたがるのは仕方がないところ。4角手前からレイパパレを目標に追い上げ、レイパパレには先着したが、瞬発力に勝る上位2頭には屈した。唯でさえ、気性的に苦しくなっていた状況で、最後に甘くなるのは仕方がないところ。白星から2年半以上、遠ざかっているが、これもまだまだ工夫が要る。

レイパパレ

牡馬相手、特に500kgを超えるサリオスやダノンザキッドには迫力負けするのは致し方ないところだが、トモの厚みだけはひと際目立つ。何度も述べているが、昨年とは別馬。ただ、今日は少しイラつき気味。ゲートは出ているが、内のレッドベルオーブ、外のキングオブコージが主張。一旦は引いて3番手。ただ、道中のスピードは流石にキングオブコージより速く、200m程走って2番手へ。多少の力みは有ったが、序盤はほぼスムーズに運べた。追い出しを待つ余裕も有り、持ったままでラスト400m地点で先頭。一旦は抜け切っているのだが、最後は瞬発力の差。東京向きのタイプではなく、これだけ時計が速くなると、この馬には厳しい。むしろこの展開なら良く粘った方だろう。次走未定とのことだが、阪神戦なら有力。

ノースブリッジ

前肢にバンテージ。下見は最後方を周回。気性一本で走るタイプで煩いのは致し方ないところ。馬体の張りも申し分なく、デキは文句なし。まさかの出遅れで後方から。序盤は意外と大人しく走っていたが、3角辺りから行きたがっていた。決め手の差は如何ともし難いが、サリオスからも0.4秒差と、直線も良く食い下がっていた。この形でも走れたのは気持ちが充実しているからこそ。賞金面で微妙ながら、次走も東京戦見込みとのことだが、穴で一考したい存在に。

第8回サウジアラビアロイヤルカップ(GⅢ)

ドルチェモア

2人曳き。前後肢にバンテージ。-8kg。馬体が絞れて、明らかに良くなった。曳き手を自分から引っ張って行く程で、気配も上々。好発。出脚も一番速かったが、グラニットが徹底先行の構えを見せて、離れた2番手。この形でも変に前を追い掛けようとすることもなく、しっかり折り合えていた。グラニットとは10馬身程差は有ったが、直線に向いてから1頭だけ違う脚で追い込み、最後は余裕の1馬身1/4差。大逃げの馬を1頭だけで捕まえるのは、脚力だけでなく精神面も必要で、中々強い内容。前走札幌戦と違い、逃げずに競馬出来た点も好印象。GⅠが視野に入る馬。先々に課題が有るとすればゲート。血統表には出遅れの常習犯が並んでおり...。

グラニット

遮眼革。前後肢にバンテージ。コロンとした体形だが、緩んだところもなく、キッチリ出来ていた。ただ、少しトモが甘い。好発。正味の出脚はドルチェモアの方が速いのだろうが、今日は最初からの決め打ちだった様でハナ。先頭に立ってからも押しており、1000m通過が57.8秒、4角の時点で後続に10馬身近い大逃げの形。坂を上って苦しくなったが、それでもラスト50m迄は先頭。見せ場充分の2着だった。走法自体が頭の高いタイプだが、コーナーで手前を替える場面も有り、小回りの方が良さそう。距離が保たないかも知れないが、中山で一発を期待したいところ。

シルヴァーデューク

歩様を含めて、全体に活気が有るのがいい。ただ、少し硬さは有る。筋肉の付き方も含めて、ダート馬の印象。ゲート自体は分がいい方ではなかったが、出脚は悪くなく、直ぐ内のドルチェモアに付いて行って3番手。折り合いも付いており、展開上はドンピシャなのだが、いざ追ってからピリッとしなかった。ラスト200m迄はドルチェモアに食らい付いていたのだが、そこから左手前になってフォームがバラバラ。最後は雪崩込んだだけだった。追い出して、マトモに走れていた間の走りは中々力強かったのだが...。要は鍛錬不足。

ノッキングポイント

2人曳き。+10kg。少しテンションが高いのは気になったが、馬体はこのメンバーなら迫力上位。ただ、数字分だけ、腹回りが立派。ゲート自体も悪かったが、両サイドから挟まれて、出脚も付かず後方から。今日はこれが一番の誤算だったが、開幕週といえども、単勝1倍台の人気を背負って、インへ突っ込む訳にも行かず、終始外を回して余計に苦しくなった。要は前走とは全く違う競馬になり、経験不足が露呈した格好。ただ、ジリジリながらも、最後迄フォームが乱れず走れていた点は評価したい。距離が延びた方がいいかも。

マイネルケレリウス

前肢にバンテージ。+8kg。ガサがない馬だけに、馬体増は素直に好感。ただ、少し緩さは有った。歩様も少し硬いが、許容範囲。これもノッキングポイント同様、出遅れた上に接触し、最後方から。道中は全く動かずインに居て、直線だけ外へ。ただ、追い出してからがフラフラ。コーナーでも手前が替わる場面が有り、課題が残った。フォームに柔軟性が有るので、馬格がない割には走れる筈だが、まずは体質強化から。現状だと500万突破が心許ない。