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競馬回顧 2025年1回京都

第42回フェブラリーステークス(GⅠ)

コスタノヴァ

2人曳き。中2週で硬さが出る懸念も有ったが、その点はクリア。寸詰まりの体型だが、馬体も前走とほぼ変わらず、状態面は問題なさそう。ゲートは失敗したが、芝での出脚で挽回して好位。この出脚は中々速かった。道中の折り合いも付いて。4角も手応え充分。坂下で逃げるミトノオーを捕まえて先頭に立ち、後はそのまま押し切った。早目に抜け切った割に、最後は詰められたが、ゲートで失敗した分と距離もベストが1400mということなのだろう。それでも、自分から勝ちに行く競馬で、完勝。今後の路線は色々考えることにはなるだろうが、今開催の力の要る馬場がこなせるなら、地方の馬場も苦にしない筈。あとは数少ない適条件を確実にモノに出来るかどうか。ゲートはネックになりそうだが。

サンライズジパング

前走中京戦は少しテンションが高かったが、今日は落ち着いていた。馬体はそれ程、変わらない。胴長でマイル向きではなさそう。ゲートも微妙に悪かったが、出脚もなく、後方から。徐々に内へ潜って。3角で内ラチ沿い。馬が密集せず、進路がそれなりに開いていたことも有るが、内からしっかり脚を伸ばして2着確保。最後の最後はコスタノヴァと同じ脚色だった様にも見えたが、初めてのマイル、しかもこの形で対応出来たのは収穫。追って直ぐの反応も結構良さそうで、間違いなく競馬が上手くなっている。

ミッキーファイト

前後肢にバンテージ。-5kg。太い印象はない。少し硬いタイプの馬だが、歩様もこれなら許容範囲。ゲート五分。芝での出脚も速く、掛かる位の行き振り。3角手前で何とか折り合い、4角はコスタノヴァを意識して少し早目の押し上げ。直線に向いて、ペプチドナイルと併せ馬の形で伸びて来たが、3着止まり。最初から折り合っていれば、2着有ったかも。このメンバーでも互角の能力は持っており、馬の問題というよりも、前へ出して行っても折り合いを付けたという点で鞍上の差と言われても仕方がないところ。

ペプチドナイル

シープスキンノーズバンド。前後肢にバンテージ。昨年のこのレースと比較しても、遜色のないデキ。一歩一歩しっかり踏めていて、ケチを付ける部分はない。好発。出脚も一番速い位だったが、折り合いに専念して好位から。眼前にコスタノヴァを置いて、レースも組み立て易かっただろう。直線に向いて自然と前が開き、追い出すタイミングもドンピシャだった筈だが、昨年の脚は使えず、最後は止まった。芝でも走っていた馬で、今年の馬場が合わず、馬力負けした印象。これも中々適条件がない馬だが、少なくとも能力的な衰えではない筈。

エンペラーワケア

2人曳き。+12kg。一息入って、明らかに腹回りが少し緩かった。東京マイルを目標にしていた筈で、残念という外ない。スタート時にトモを滑らせて出脚が鈍ったが、押して好位。4角の手応えは良さそうで、追い出しも待っている位に見えたが、前が開いて1頭分のスペースに割って入ったところで、脚が一瞬しか続かず、あとは雪崩れ込んだだけだった。確かに東京マイルの最内枠は歓迎材料ではないのだが、今日の立ち回りは悪くなかっただけに案外感が強い。

第59回小倉大賞典(GⅢ)

ロングラン

-8kg。腹回りが大分スッキリとした印象。この時期にしては厚ぼったさがないのがいい。歩様も伸びやか。ゲートも微妙に悪かったが、鞍上に行く気もなく、後方から。道中はインに居て、3角過ぎから徐々に外へ。前が引っ張って縦長となり、4角の段階では15馬身程の差が有ったが、直線に向いてからの脚が違った。ここ2走はオープン特別で59kgを背負わされて伸びを欠いたが、やっと決め手を生かせた。ただ、基本的に夏場がダメなので、早い内にもう少し稼ぎたいところ。

ショウナンアデイブ

+10kg。数字分だけ少し余裕残しだが、毛ヅヤが冴えて、デキ自体は良さそう。ただ、初コースということも有るのか、今日は妙に煩かった。ゲート内でソワソワしていた割には五分に出たが、出脚が足りず、押して押して好位直後。全体に少しズブく、勝負どころからはオッツケ通しだった。ただ、その分、いい脚を長く使える様で、鞍上が追い捲って2着確保。ただ、今日は前が飛ばして、上がりが掛かる展開も向いた印象。準オープンでも決め手負けする場面が多かった馬で、今後も良くて2,3着の競馬が続きそう。

ラケマーダ

-6kg。前走京都戦がかなり太かったが、もうひと絞り有ってもいいかも。とはいえ、緩さはなくなった。歩様も悪くない。出遅れ1馬身不利。鞍上も腹を括って、後方からジックリと。距離が延びた分、前走京都戦より行き振りは良かった。3角からショウナンアデイブに付いて行く形だったが、モタついているショウナンアデイブがマクれそうでマクれず。マクれていれば2着有っただろう。ただ、所謂ワンターンの競馬ばかり使われて来た馬で、初の正面発走で競馬になった点は収穫。競馬に癖はないが、経験でもう少し器用さが身に付けば重賞でも足りる。

セルバーグ

2人曳き。パシュファイヤー。前肢にバンテージ。気負うのは何時ものこと。歩様は良く分からなかったが、小ぢんまりと纏まっていて、馬体も何時も通り。ゲートも決まったが、明らかに出脚が抜けて速く、外からでもスッとハナ。コーナー迄が距離がないコース形態だけに、1角迄に先手が取れたのは大きかった筈だが、その割に掛かってしまった。1000m通過58.6秒自体はそこ迄速くないが、掛かった分、直線で失速。折り合っていれば、逃げ切り迄有っただろう。とはいえ、絡まれると前走京都戦の様に二束三文の馬で、単騎の方がまだ競馬になる。この手の馬は何処かで大穴を開けていいのだが...。余程のことがない限り、絡んで来られる心配のない新潟の方が却っていいかも。

エピファニー

前肢にバンテージ。-6kg。何時も首を下げて周回する馬だが、今日は集中力が有った。ゲート五分。数字分だけ絞って、有る程度、ここが目標だったか。スタート直後から引っ掛かりそうな気配も有り、ソロッと乗られていたが、1角でゴチャついてホウオウプロサンゲと接触、2角も外からショウナンアデイブに前をカットされる様な格好になり、1馬身後ろへ下げる形。唯でさえ、ハンデを背負わされてキツい状況で、勝負どころでの反応が鈍くなるのは仕方がないところ。直線も雪崩込んだだけだった。今日はこれでも良く頑張っている方。小倉巧者らしさは見せた。

シルトホルン

-6kg。前走は大分太かったので、それと比べたら、幾らか絞れたか。ただ、今日は少し歩様の硬さが目に付いた。出遅れ1馬身不利。道中は内目に居て、4角から外へ。捌き自体はスムーズだったが、直線で手前が替わらず、大して伸びず。そもそも、道中の行き振りももうひとつだった。恐らく、小倉は不向き。前走は前で競馬出来たので、競馬になったが、1800mの重賞で今日の様に流れると厳しい。東京で改めて。

ヤマニンウルス

+9kg。遂に600kgとなったが、全体に緩い。570kg前後でないと厳しい印象。歩様の窮屈さがないのは救いだが。ゲート自体も微妙に悪かったが、直後に躓く場面。合わせて1馬身以上のロスになっている筈だが、そこからが速く、2番手。ただ、前述した様に、見た目程は速いペースではない。それだけにもう少し直線は踏ん張ってほしかったが、全く伸びなかった。上擦った様な走法で、芝は向かない印象。自分で引っ張る形ならまだ違うだろうが、次走はダートに戻すということで改めて。

第75回ダイヤモンドステークス(GⅢ)

ヘデントール

2人曳き。+10kg。かなり気負っていたが、馬ははち切れんばかりで、デキ自体は上々。手先が軽いのもいい。ゲートは後手に回ったが、少し押して好位直後。折り合い面を考えると、少し嫌なパターンだったが、直ぐにコントロールが利いた。バラけ位置で、道中はスムーズに追走。2周目4角で外から来たワープスピードに併せて進出。直線に向いて坂下でワープスピードを突き放して先頭。ラスト200mで左手前になって、少し苦しくなったが、再び右手前に戻すとグイッとひと伸び。完勝だった。頭が高いので、長距離向きとは思えないのだが、折り合いが付いて、最後迄渋太い。胸を張って、GⅠに向かうことになるが、あとは京都の時計勝負でどうか。アーバンシック、ビザンチンドリームと同世代に頑張っている馬が居て、例年より面白いレースになることは間違いない。

ジャンカズマ

2人曳き。前後肢にバンテージ。ゲート五分。出脚は速くなさそうだが、押して2番手。出して行った割に、1周目4角迄は我慢してくれていた様に見えたが、ホームストレッチに入ってからは頭が上がりそうになり、かなり行きたがっていた。ショウナンバシットとの併走になっていたのも良くなかったか、向正面に入って併走状態から抜けて、そこからはスムーズ。直線に向いて、ヘデントールには突き放されたが、何とか2着は死守した。最後はハンデも味方しただろうが、勿論スタミナが有ってこそ。京都戦はともかく、東京2500mや暮れの中山で狙ってみたいタイプ。

ヴェルミセル

ゲートは五分に出たが、あまり進んで行かず、後方に近い位置。後方は馬群が固まっていたことも有るが、無理に内へ入れることはせず、外を回っていた。2周目4角で自然と前との差が詰まり、直線に向いた段階では中段。直線は各馬フラフラでこの馬も例外ではなかったが、、まだマシな方だった様で、最後迄脚を使って3着浮上。初の重賞挑戦だったが、いいスタミナが有る。距離は有れば有っただけいいタイプか。ビザンチンドリームではないが、こういう馬は海外へ連れて行くのもひとつの手。

ワープスピード

遮眼革。前後肢にバンテージ。昨春京都戦と大きくは変わらず。完歩の小さい歩様だが、馬体に柔軟性は感じさせる。見た目には悪くない。ゲート五分。出脚は他に速い馬が居て、中段から。前で集団が出来て、後方でも固まり、真ん中は馬が少なかったが、バラけた位置で追走出来た。当然、道中の折り合いは問題なく、ならばと前のヘデントールを目標に2周目3〜4角中間から勝ちに行く競馬に出たが、直線に向いて比較的早い段階でフラフラになってしまった。仕方がないとはいえ、強気に乗り過ぎた印象。休み明けで中身が本当ではなかった分も有るのだろうが。

シュトルーヴェ

遮眼革。首を何度か振って、何時もの気配。数字の割に大きく見せず、少し硬い歩様も毎度のこと。ゲート五分。出脚はそこ迄、悪くなさそうだが、鞍上に行く気がなく、後方に近い位置。丁度、後方馬群の先頭。眼前がワープスピードで、通常ならいい形といえるところだが、そのワープスピードが3〜4角中間から動いたことで、流石に付き合えず、自分のタイミングで追い出す形。直線迄、待った分、一瞬だけ脚は有ったが、最後は59kgが応えた様で、脚色一緒になってしまった。近年のハンデ戦は全体に斤量が重く、59kgを背負うケースも少なくないが、重賞で好走するのは年に1回程度。流石に厳し過ぎると思うのだが...。少なくとも馬は責められない。

第69回阪急杯(GⅢ)

カンチェンジュンガ

+12kg。数字は増えたが、前走も腹回りはこんな感じだった。踏み込みが深く、少なくとも悪い印象はない。ゲートは微妙に分が悪い程度。1200mだと、出脚の差で最後方近く迄、置かれる形になるが、1400mだと労せず中段やや後方。道中は引っ張り切りの手応えで追走出来た。4角大外だったが、回って来る雰囲気が良く、直線に向いた段階では最低でも馬券圏内の勢いだったが、中々手前が変わらず、ラスト100mで左手前に替えてグイッとひと伸び。内回りの1200mでも惜しい競馬が続いていたが、外回りの1400mなら決め手が違った。条件が合ったということだろう。これで中京戦へ向かうことになる様だが、逆に適条件とは思えない。内枠を引いて、イチかバチかでインを突いた時に来れるかどうか。一般的に考えるなら、外枠だと厳しい。

アサカラキング

前肢にバンテージ。筋肉の輪郭が大分浮く様になって来た。歩様にもキレが有って、馬に活気も出て来た。1400mなら、楽に行けるかと思ったが、1完歩目で後手に回り、押して行ってハナ。それでも行き切ってからは、2番手のジャングロが無理に来なかったことも有り、単騎の1000m通過58.6秒。前走阪神戦と違って、道中は楽が出来た。直線に向いてからも後続を突き放す脚が有り、一瞬はやったかの場面だったが、カンチェンジュンガの決め手が勝った。今日は相手を称える外ない。中京戦はスキップする様だが、ピューロマジックにスピードで敵わないだけに、それもひとつの選択だろう。デキのいい時にタイトル奪取しておきたいところ。

ソーダズリング

前後肢にバンテージ。-6kg。前走阪神戦が少し重目だったので、絞れたと見ていい。牝馬にしてはドッシリと見せて、踏み込みも力強い。ゲート五分。この馬の出脚で中段から。馬群の中で、少し窮屈そうでは有ったが、何とか我慢して走っていた。直線に向いて、前も自然と開いたが、追ってからの反応がもうひとつ。暫くモタついて。ラスト200mを切った辺りから伸びて来た。もう少し加速し出すのが早かったら2着だったか。見た目は悪くないにせよ、まだ中身が本当ではないのだろうが、惜しい内容。次走注目だが、調教師が定年のため、転厩になる点がどうか。状態面はカギ。

ダノンマッキンリー

例に依って、下見は落ち着いている。太い印象はなく、馬体はこれでもいいが、もう少し歩様に勢いが欲しい。ゲートをソロッと出して中段。昨秋の当地戦と同じ17番枠でも、外に1頭でも馬が居ると違うのか、今日はずっと引っ掛かっていた。直線は外からジワジワ来ているが、いい時の脚は使えず4着止まり。とはいえ、他馬より重い58sを背負い、あれだけ行きたがって、この競馬なら圧勝しても不思議ではない能力が有る。中京戦なら人気もなさそうで、全て度外視して狙ってみる手も。

フォーチュンタイム

前肢にバンテージ。+12kg。首を下げて、気配は良好。デキがいいので、馬は張っているが、少し重い。毎度のこととはいえ、1完歩目が遅く、押して好位。リカバーする脚は速かったが、どうしてもこの形だと多少なりとも力んでしまう。逃げたアサカラキングの番手で、悪い形ではなかったが、脚が矯められていなかったか。インから押し上げて来る形だったが、アサカラキングが捕まらず、掲示板がやっとだった。重賞初挑戦だったことも有るが、鞍上の差も少なからず有りそう。差し当たっては、もう少しゲートをスッと出て欲しいところ。

第59回共同通信杯(トキノミノル記念)(GⅢ)

マスカレードボール

パシュファイヤー。-8kg。前走中山戦に有った緩さがなくなった。GⅠを狙うなら、もう少し馬力が欲しいが、馬振りはいい。一歩一歩しっかり踏めている点も好印象。好発。ハナへも行ける出脚だったが、レッドキングリーに行かせて、その番手から。意外と折り合いも付いていた。4角の手応えが良く、直線入口で鞍上は勝ちを確信しただろうが、直線はずっと内にモタれていた。その分、カラマティアノスとの着差が付かなかったか。一応、東のエース格ということになるが、これでは通用しない。

カラマティアノス

+4kg。歩様の力強さがデビュー当時とは別物。フラフラ感がなくなった。トモにボリューム感が出て、最近は少なくなったパターンだが、使い込んで良くなって来た。ゲートで微妙に分が悪く、さらい序盤の先行争いが激しくなったことで、引かざるを得ず、後方から。といっても、全体で6番手辺りで、大した不利ではなく、揉まれずリズム良く運べた。終始、インを立ち回って、直線もインから。上手くスクッたが、マスカレードボールにネジ伏せられた。マスカレードボールが真っ直ぐ走れていてこの着差なら、高い評価が出来るのだが、内にモタれていただけに、微妙な面が残る。ただ、気性的には結構前向きに走るタイプ。2400mは恐らく長いだろうが、中山2000mなら馬券圏内も充分。

リトルジャイアンツ

シープスキンノーズバンド。-4kg。脚が長く、雰囲気の有る馬だが、まだ線が細い。歩様にもかなり甘さが残る。ただ、前走中山戦と違って、今日は落ち着いていた。ゲートは出たが、進んで行かず後方から。直線も大外。トビが大きいので、この手でいいが、3着でも実質は競馬が終わった後だった。ただ、前走は内にモタれていたが、今日はまっすぐ走れていた点は収穫。左回りの方がいいのかも。一度、東京2400mで見てみたい馬。

ネプラディスク

2人曳き。-6kg。新馬の京都戦はかなりチャカついていたが、今日は我慢出来ていた。馬は数字なりだが、毛ヅヤがこの時期にしては良くて、デキは良さそう。ゲート五分。出脚が速いというより、馬が最初から行きたがっていて、引っ張って中段で待機。それでも3角辺り迄はかなり力んでいた。直線に向いてから、それでも伸びる感じが有り、ラスト200mで左手前になってからも、最後迄、諦めずに走っていた。能力は有りそう。アテには出来ないが、中山でハイペースの展開になれば、ハマる可能性も。

サトノカルナバル

2人曳き。前走は米国遠征で未計量だが、前々走函館戦と比較して、+22kg。明らかに背丈が伸びた。ただ、まだ良くなりそうな感じが有る。もっと筋肉が付いていい。ゲート五分。出脚は速く、スッと好位。インで折り合いも付いた。それだけに、直線に向いてもっと伸びていいのだが、イマイチ弾けなかった。経験で変わって来る可能性も有るが、今日の内容だけをいえば距離が長い。

レッドキングリー

2人曳き。左だけオーストラリアンブリンカー。前走から増減なしだが、馬は幾らか締まって来た印象。歩様も伸びやかで、下見にケチを付ける部分はない。好発。暫くは内の様子を窺っていたが、少し行きたがっていたことも有り、そのまま行かせてハナ。1000m通過60.0秒だから、決して速くなく、丁度いいペースで行けたが、いざ追って案外。昨秋東京戦を考えると、もう少し走れていいのだが...。鞍上の話では呼吸器系が怪しいとのことだが...。

第118回農林水産省賞典京都記念(GⅡ)

ヨーホーレイク

+20kg。流石に腹回りは大分ボテッと映ったが、そこ迄緩い居印象はない。単純にデキがいいのだろう。歩様はこんなモノ。数字を考えれば、窮屈感はない。好発。流石に出脚は速くないが、労せず好位直後。リビアングラスを前に置く形。道中の折り合いは付いていた。スローは分かっていても、そのリビアングラスが坂の下りで動かず、自力で動く形。今日の馬場だけにスパッと切れた印象こそないが、最後迄止まらず伸びた分の勝利。明らかに太かったので、時計勝負になると競馬にならなかっただろうが、このメンバーだと地力が違ったのも確か。尤も、今日の様な馬場は暫く考え辛く、今後は時計との闘いとなりそう。

リビアングラス

昨秋中京戦以来の500kg台だが、今の方が迫力が有る。毛ヅヤも冴えて、確実に筋肉量が増している。歩様にも力強さが出て、本格化。半馬身程出負けしたが、押してバビットの番手。出して行ったが、直ぐに折り合いが付いた。坂の下りでの反応が悪く、ヨーホーレイクに先を越される形になってしまったが、直線に向いて内から渋太く脚を伸ばして2着浮上。ただ、ゲート以外は最高の立ち回りだった筈。坂の下りで反応が悪かった点もまだ甘さが有るといわざるを得ない。勝つ可能性を上げるという意味では、もう少し距離が有ってもいいかも。

マコトヴェリーキー

-4kg・腹回りだけをいえば、もう少し絞ってもいいが、少し馬が薄い点は気になる。今日の方が集中力が有って、気配はいいのだが。スタート直後にセイウンハーデスが叩いて行ったが、立て直して馬の気に任せて好位。馬群の外でも折り合いが付いて、スムーズに運べた。ただ、4角でセイウンハーデスに内から弾かれる形になり、1馬身の不利。ゴール前は唯一伸びていたが、最後は対ヨーホーレイクで1馬身差で、最低でも2着は有った競馬。これも上がりが掛かった方がいいタイプでは有るのだろうが、オルフェーヴル産駒らしく、馬力が有るのは強み。

バビット

前後肢にバンテージ。+10kg。見た目は太い印象はない。毛ヅヤも良くなって、デキは上向き。歩様,気配は近走とほぼ一緒だが。好発。逃げ馬にしては出脚の速い方ではないが、誰も競り掛けに来ず、今日は楽に行かせて貰えた。2番手のセイウンハーデスがガッチリ抑えたことで、1000m通過62.9秒とスロー。結果的にスロー過ぎた感も有るのだが、今日は誰も速い脚が使えない馬場状態で、後続も追い上げが利かない。最後はこの馬が止まった分の4着。昨年も3着で、このレースとは好相性だが、今日が限界か。

ソールオリエンス

-4kg。前走東京戦が太かった。昨夏京都戦の様に、460kg位迄、絞ってもいいが、これなら許容範囲。歩様も悪くない。活気も有って、走れる状態。ゲートは出たが、前走東京戦の失敗が有り、出して行く訳にも行かず、後方から。序盤はチェルヴィニアをマークして運んだが、そのチェルヴィニアが不発と見るや、3〜4角は内へ。これでインを突いていればまだ違ったが、直線に向いて外へ持ち出し、チェルヴィニアとプラダリアの間を割ろうとしたところで進路が塞がれて立て直す場面。右往左往してしまった感は強い。逆にいえば、最終的にその2頭を交わしたのだから、馬は頑張っている。デキ自体はいい時に戻っているとみていい。あとはハマるかどうか。

プラダリア

後肢にバンテージ。昨年は少し緩さも有っただけに、今年の方が雰囲気はいい。一歩一歩の歩幅も広く、下見にケチを付ける部分はない。ゲート五分。出脚はソコソコ速い方だが、引っ掛かりそうな気配も有り、控えて中段。当初はチェルヴィニアに対して前に居たが、3角辺りでチェルヴィニアが動いて、付いて行く形。ただ、チェルヴィニアがそこ迄動けず、後手に回ってしまった印象。元々、切れる馬ではないだけに、今日の展開だとこれが一杯だった。結果論だが、もっと積極的に乗った方が良かったかも。

チェルヴィニア

2人曳き。+4kg。3戦連続の馬体増ということになるが、太いというより、馬体にメリハリがない。歩様は良くも悪くもこんなモノだが。出負けして一旦は後方。この鞍上だけに、ペースが遅いなら途中で動くのは当然だが、坂の下りでの進みが悪く、直線もサッパリだった。UAE遠征は当初の予定通りとのことだが、まずは馬体を絞らないことには。

第60回デイリー杯クイーンカップ(GⅢ)

エンブロイダリー

前肢にバンテージ。+8kg。馬体のメリハリという点では前走の方が良かった。テンションが高くなって来たのも気にならないでもないが、あとはそう変わらず。好発。そのままジワッと行かせて2番手。壁のない外だったが、気分良く行かせて、4角は馬が待ち切れないといった雰囲気で前へ並び掛け、坂下で抜け出すと、あとは独走だった。ラスト100mで左手前になってはいたが、完勝。1分32秒2はレースレコードで、時計も優秀。スピードの持続力に秀でたタイプ。力だけなら阪神戦でも有力ということになるが、関東馬で西下経験がなく、輸送が鍵。

マピュース

筋肉の輪郭が浮いて、良く出来ていた。前走より集中力が有った点もいい。ただ、歩様は少し甘い。ゲート五分。出脚で負けたというより、外から次々来られて狭くなり、引かざるを得ない形となって中段。それでも馬はエキサイトすることもなく、健気に走っていた。直線に向いてエンブロイダリーの直後。早目に抜け切ってくれる展開も、この馬には味方しただろうが、それで最後は突き放され気味だったのだから、救いがない。賞金が加算出来たので、阪神戦直行する様だが、現時点では通用の目がない。

エストゥペンダ

前後肢にバンテージ。数字の割に良く出来た馬。ただ、動くと歩様の力強さがなくて、まだまだ。今日は少しテンションも高かった。ゲートは出たが、鞍上に行く気がなく、後方から。近くに馬が居ない位置だったことも有るが、リズム良く走れていた。直線は大外へ持ち出し、左手前のまま、かなりフラつきながらも、最後迄伸びていた。もう少し体幹を鍛える必要が有りそうだが、能力は持っている。東京戦目標に切り替えた様だが、距離は延びても良さそう。まずはトライアルが目標になるが、何とか権利は取れる筈。

コートアリシアン

冬毛が目立って、良く見せないのだが、馬自体は前走京都戦とほぼ変わらず。小ぢんまりとは見せるが、歩様もそんなに悪くない。ゲートは出たが、無理せず中段。道中の折り合いは特に問題ない様に見えた。直線に向いてからの反応もしっかりしていたが、いい脚が長く続かないのか、ラスト100mで明らかに止まった。折り合ってこれだと弱いといわざるを得ない。賞金的にずっとオープンを走っていくことになるが、余程のことがないと厳しい。

スライピングロード

これも少し冬毛が目立つ。まだ線の細さは有るが、緩い印象はない。歩様も悪くなく、それなりに纏まっている。ゲート五分。出脚は速い方ではなさそうだが、押して中段。道中の折り合いは大丈夫だった。直線だけ少し外へ持ち出して、暫くは反応しなかったが、最後の最後に伸びて来た。鞍上の話では、モタついている間は前の馬を気にしていたとのことだが、距離は延びても良さそう。デキが上向けば、もう少し走れる筈。

マディソンガール

前後肢にバンテージ。-6kg。垢抜けたいい馬で、歩様にもバネを感じさせる。ただ、少し物見が目立った。出遅れ1馬身不利。そのまま最後方から。これはこれだが、道中の手応えが悪く、追ってからも大して伸びなかった。期待の血統馬だが、まずは馬が走る気にならないことには。これも暫く掛かりそう。

ショウナンザナドゥ

2人曳き。-6kg。今日もイレ込みがキツい。馬は数字を考えたら、相当いい方の馬だが...。歩様にブレがないのもいい。ゲートを五分に出て、スッと好位。折り合い面もそこ迄、気にならなかったが、直線に向いてフラフラだった。イレ込みの影響なのか、徐々にパフォーマンスを落としてしまっている。これも一度、立て直さないと競馬にならない。

第75回東京新聞杯(GⅢ)

ウォーターリヒト

前走中京戦と大きくは変わらず。前走中京戦で触れた様に、歩様の硬さがマシになったのは大きい。馬体もスッキリと見せていた。ゲートはやや後手。出脚も速い方ではなく、後方に近い位置。馬群の外でも折り合いは付いていた。直線も小細工なしで大外。今日の展開だと、かなりキツい形だが、ラスト200mで左手前になりながらも、一追い毎に伸びて、ギリギリ捕まえた。前走も強い内容ではなかったが、今日の競馬で通用したのは意外といえば意外。厩舎が3月で解散となるが、馬が知っていて頑張ったという外ない。

ボンドガール

+8kg。ちょっと太いだろうが、厳寒期のGⅢ戦なら、これで充分。しっかり踏めていて、活気も有った。ゲート五分。出たなりで中段の内目。馬群の中で揉まれる形になってしまい、窮屈な形になったが、馬は特に気にせず、リズム良く走れていた。直線に向いて前は開いていたが、暫く我慢。ラスト400mから追い出し、前はキッチリ捕まえているが、これで後ろの馬にやられたら、相手を称える外ない。強いていえば、もっと下げた方が勝つチャンスは有ったのだろうが、人気を背負ってそれも中々難しいところ。今日はこれでベスト。むしろ、2000mの際はずっと下げて乗っていたにも関わらず、マイルに替わって、中段から競馬出来たことを評価したい。

メイショウチタン

2人曳き。-8kg。下見は最後方を周回。前走中京戦が明らかに太目で、絞れたとみていい。集中力も有って、今日は良かった。好発。出脚自体はそこ迄、速くない筈だが、押してハナ。1000m通過57.7秒は今日の馬場なら、平均ペース。2番手のセオが無理をせず、更に後続が抑えたことで、かなり楽になった。そのセオは直線に向いてからの脚がなく、突き放す形になったのも、この馬には味方しただろう。ラスト100m迄は先頭、そこから例の噛み付き癖を出して、外へ寄って過怠金の対象になっていたが、何とか3着は確保。道中は馬が周囲に居ない方がいい。出脚が速くないのがネックだが、徹底して行くしかない。

ブレイディヴェーグ

+14kg。元々が細身の馬で、馬体増自体はいい傾向。ただ、馬体にメリハリがなく、これだと状態面に疑問が残る。歩様はこれでいいのだが。出負けしたが、馬群には取り付いて中段やや後方。馬群に取り付いたことで、内外に馬が居る形になったが、道中の行き振りは悪くなかった。直線に向いてからも前は開いていたが、追ってもうひとつ伸びなかった。前の馬が捕まらないだけならまだしも、更に後方に居たウォータリヒトにやられている以上、言い訳がない。次走、1800mのUAE戦とのことで、距離延長はプラスだろうが、今日のメンバーで勝てない以上、1着4億円強のレースを勝てるとはとても思えないのだが...。

マテンロウスカイ

これだと多少太い気もするが、馬体の張りは悪くない。気配がいいのが何よりで、歩様にも勢いが有り、デキ自体は良さそう。好発も、行き切る出脚はなく、好位から。前を追い掛けなかったことで、道中は内ラチ沿いを通ることが出来た。絶好の形だった筈だが、追って大して伸びず。最後はフラフラになっていた。とはいえ、59kgを背負っていただけに、馬は責められないところ。次走中山戦は斤量が軽くなるだけに、改めての期待。

シャンパンカラー

前肢にバンテージ。+4kg。3歳時と比較しても、歩様は良くなっている。ただ、単純に馬が緩い。まだ本調子ではなさそう。ゲート五分。急かさず中段のイン。道中の行き振りがもうひとつで、ところどころでオッツケていた。直線に向いてからの反応も鈍く、雪崩れ込んだだけ。尤も、今日は59kgも応えただろう。現状のデキでこれだけ走れるなら、次走狙い目では?

サクラトゥジュール

+4kg。前走中京戦よりも、馬の張りが落ちていた。いいところを無理に探せば、今日の方が落ち着いた程度。明らかに歩様の硬さも有って、今日は戦前から厳しかった。ゲートは五分に出たが、そこからの出脚がなく、中段やや後方から。ペースはそこ迄遅くないのだが、今日はずっと引っ掛かっていた。直線に向いての反応も鈍く、スペースが有るのかないのか微妙なところで、割って入れず、挙句にはシャンパンカラーに前をカットされる場面。最後は鞍上も追うのを止めていた。今日は競馬にならず。尤も、騙馬にされる位だから、負ける時はこんなモノ。暫く左回りのマイル戦がなく、一息入れて改めて。

第65回きさらぎ賞 (NHK賞)(GⅢ)

サトノシャイニング

2人曳き。馬体重は増減なしだが、今日の方が馬にメリハリが有って、成長を感じさせた。ただ、トモの甘さはまだ完全に直ったとはいえないが。ゲート五分。急かさず中段。馬は行きたがっていたが、何とか宥めた。直線に向いて追い出すと、少し内にモタれていたが、それでも他馬とは脚が違った。中山戦直行とのことだが、まだ体質が弱い。気性的にも課題が有る上に、何より真っ直ぐ走れない様では、現実的には厳しいか。とはいえ、鞍上にとってはチャンス。東京戦に乗れる様に、勝てない迄も最低限の騎乗が求められる。

リンクスティップ

前肢にバンテージ。垢抜けた造りの馬だが、まだ細身。歩様にも力強さがなく、今日は少しテンションが高いのも気になった。ゲート五分。出脚が速いという訳ではなさそうだが、押して2番手。前に内から先手を取ったジェットマグナムを置いて折り合いを付ける形。ペースが途中から落ち、外からウォーターガーベラも来たが、それでもリズム良く走れていた。坂の下りで動いて、直線入口で先頭。サトノシャイニングにはラスト200mで捕まってしまったが、その後も渋太く粘って2着確保。能力の絶対値は良く分からないが、道中で余計なことをしないのがいい。逆にいえばマイルは微妙ということもいあるのだが。

ランスオブカオス

キビキビした歩様で、今日も集中して周回出来ていた。大物感はないが、良く纏まっていて、完成度は高い。ゲートでアオって出遅れ。出脚もなく、後方のバラけた位置から。マイルからの参戦だったが、むしろオッツケ気味の追走。4角で馬群が固まり、そこを上手く捌いて抜けて来ることも出来たが、一瞬はリンクスティップに並び掛けながら、最後は脚が上がって3着止まり。鞍上は1F長いという話をしていた様だが、腕の差も有るだろう。何より2回続けて惜しい3着で、賞金が加算出来なかったのが痛い。

ショウヘイ

脚長の馬で、少し寸詰まりの体型。今日はトモの送りに硬さが有った。テンションが上がらないのはいい傾向だが、前走の方が雰囲気は良かった。好発も、行く気なく、出たなりで好位。道中のリズムは悪くなかったが、直線に向いて追って案外。前走の脚が使えなかった。時計は詰めているが、序盤のペースが速かっただけで、明らかにパフォーマンスを落とした印象。デキがなかったか。暫く掛かるだろうが、立て直して改めて。

スリーキングス

しっかり踏めていた点は好印象。緩い部分もなく、キッチリ出来ていたが、500kgの馬としては少し迫力に欠く。ゲートは出ているが、行く気がなく、後方から。バラけた位置で、気分良さそうに走っていたが、直線に向いて、大して伸びず。これもまだまだ。500万でも入着止まりの馬だが、それが現状の実力。一度、放牧に出した様だが、500万を突破するには相当の鍛錬が必要。

エリカアンディーヴ

今日は少しテンションが高かった。垢抜けた造りで、このメンバーなら上位の迫力。いい馬なのは確かだが、集中力が欲しい。ゲートでアオって1馬身不利。そのまま後方から。それでも前走の脚が使えれば勝ち負けになった筈だが、前走と違って、ペースが流れたことで、前走の脚が使えなかった。今日のところは経験不足に泣いた形。これを次走以降に生かしたいところ。

第39回根岸ステークス(GⅢ)

コスタノヴァ

2人曳き。半年振りだが、ほぼ出来ていた。この時期にしては皮膚を薄く見せて、デキ自体も良さそう。しっかり踏めていた点も好印象。ゲートはやや後手も、特に急かすこともなく、中段やや後方。砂はそれなりに被って、少し気にしていた様にも見えたが、内ラチ沿いに居た割に何故か周囲に馬が居らず、揉まれずに競馬が出来た。直線で外へ持ち出す際に、カラ馬が邪魔になり、ワンテンポ待たされているのだが、2着に4馬身差だから、関係なしの圧勝。上手く行った部分も有るとはいえ、呆れる程、強かった。胸を張って、GⅠということになるが、レモンポップが引退して、新興勢力の台頭が期待されていた中で、出て来たタイミングもベスト。

ロードフォンス

遮眼革。シープスキンノーズバンド。少し毛ヅヤが落ちた感は有るが、あとは変わらず。馬体の張りは悪くない。歩様もこんなモノ。ゲートは出た方だが、出脚は速くなさそうで、これも中段やや後方から。ただ、こちらは気分良さそうに追走出来ていた。基本的には枠なりに外を回っていたが、4角でカラ馬にマクられて、手綱を引っ張る場面。コスタノヴァは待った程度だが、こちらはマトモにブレーキを踏まされた。最後は良く伸びている。今週は妙に時計の掛かる馬場で、好位勢がバテバテの形になったことも向いたが、通った位置の差も考慮すればコスタノヴァとはそこ迄、差がないということもいえそう。馬場状態が大きく変わることも考え辛く、これも次走注目。

アルファマム

左だけオーストラリアンブリンカー。普段は気配の地味な馬だが、今日は何時になく気合が乗っていた。寸詰まりの体型だが、馬体も締まって、迫力が有った。歩様も良くなって、下見で目立っていた1頭。半馬身程、出遅れ。隣で落馬が有った影響も有ったか、出脚も付かず、最後方から。道中の行き振りも、決していい様には見えなかった。直線は大外へ持ち出し、かなり大味な競馬になったが、最後迄、しっかり脚を使って3着確保。とはいえ、前述した様に、今日は前が総崩れ。明らかに展開が向いた。行き振りの悪さから、距離が延びた方がいいのは確かだが、高い評価はし辛い。

サンライズフレイム

2人曳き。-6kg。休み休み使われている馬だが、前走中京戦が太目残りで、今日はスッキリ。小走りに近い状態だったが、これが本来の姿。ゲートは微妙に分が悪かったが、押して先行。外からサトノルフィアンが来たが、全く引かず、内のドンフランキーと3頭雁行で先行する形。直線に向いて、両サイドが脱落する中、一旦は抜け出す形になったが、坂を上り切る前に脚がなくなり、最後は他馬も止まった分の4着。もう少し大事に乗っていれば、結果は違った感も有るのだが、これはこれで馬の走る気を引き出した結果という味方も出来る。何れにしても強い内容。何処かで一発有りそう。

クロジシジョー

前後肢にバンテージ。+8kg。前走中山戦位の方が見た目はいい。元々腹袋の目立つタイプだが、これだと少し緩さが出て来る。尤も、歩様にそこ迄、窮屈さはない。集中力も有った。発馬は五分だったが、進んで行かず後方から。枠なりに内ラチ沿いに居たが、揉まれずに競馬出来た。只管、最内を回って直線もインから。ただ、今日は前崩れの展開。せめてサンライズフレイムは捕まえたかったところ。距離も1200mの方がいいのだろうが、上とは能力差が有る。

フリームファクシ

シープスキンノーズバンド。前後肢にバンテージ。相変わらず細身だが、これでもトモにボリュームが出た方。ダートで走る様になって、歩様の甘さもマシになった。1馬身出遅れ。そのまま無理せず、後方から。カラ馬に内から寄られて、少し避ける場面も有ったが、今日は基本的に道中の手応えがイマイチ。直線に向いて、一瞬は伸び掛かったが、直ぐに前と脚色が一緒になってしまった。今日の馬場だとパワー不足。

ドンフランキー

話題性は別にして、見た目だけなら、600kgは切った方がいい。緩いという程でもないが、少し腹回りがボテッと映る。歩様はこんなモノだが。好発。一瞬は1馬身近く抜け切ったが、そこからの行き振りがイマイチで、直ぐに追い付かれ、ずっと雁行の形。最悪の形になってしまった。序盤に楽が出来ていれば、終いの踏ん張りも違った筈。馬場が渋った方が明らかに成績がいいタイプで、馬格の割にパワーがないかも。

第30回シルクロードステークス(GⅢ)

エイシンフェンサー

+4kg。首を上下に振りながらの周回は何時ものこと。微妙に歩様が硬いのも前走中山戦同様。馬体はキッチリ仕上がっていた。好発。頑張れば行ける出脚も有った筈だが、内の行きたい馬に行かせて中段。ピューロマジックの逃げだけに、それなりに速く、この馬の位置で平均ペース。上手く脚を矯められた。その割に4角の反応はもうひとつだったが、直線に向いてからはメイショウソラフネと接触しながらも、しっかりした脚取りで快勝。尤も、今日は微妙に緩い馬場状態の影響で他馬が凡走したのが味方した感も有るのだが、前走中山戦は好時計で勝っており、馬が良くなっているのだろう。今後も注目。

グランテスト

前後肢にバンテージ。今日は少し煩い。ただ、前走中京戦は少し馬が緩かったが、今日の方がシャキッとしていた。尤も、チャカつくのは割と有ることで、これでデキは上向いたとみていい。更に好発も、無理はせず好位直後。エイシンフェンサーの一歩前からの立ち回り。向正面でのリズムは悪くなかったが、コーナーが上手く回れず、外へ張り気味になっていた。直線に向いてからの脚は悪くな2着確保。行き切ってこそのイメージも有ったが、差す形で競馬になったのは収穫。尤も、今日はゲートを決めたのが大きく、少しでも後手に回ると苦しくなる危険も有るが。

ウインカーネリアン

遮眼革。シープスキンノーズバンド。これだと少し太いが、同じ522kgでも、前走よりは締まって見えた。歩様は力強さが有っていいのだが。ゲート五分。流石に59kgを背負って出脚は苦しいが、それでも押して好位。ピューロマジックとは少し距離を取り、追っ掛けバテはさせないイメージで乗られた。それでも、4角での反応がもうひとつで、かなりピューロマジックに楽をさせてしまったが、直線に向いてからはジリジリ盛り返している。最後の最後に甘くなったとはいえ、何とか3着は確保。地力を示した一戦。ただ、GⅠとなるともう一丁ペースがキツくなる点がどうか。斤量面で恩恵は有っても、本質がスプリンターではないだけに、些か厳しい印象も。

カピリナ

前後肢にバンテージ。スプリント戦だけに迫力という点でどうかだが、緩んだところもなく、スッキリと出来ていた。歩様も伸びやかで、踏み込みも深い。ここに来て、馬が良くなっている。ゲートはやや後手。出脚も速い方ではなく、中段やや後方から。ただ、ちょっと行き振りがもうひとつで、3角過ぎからオッツケ気味。4角の段階では圏外かに見えたが、直線は渋太く伸びていた。とはいえ初重賞、しかもまだ芝転向5戦目で、これだけやれれば上等。次走注目。

メイショウソラフネ

前走中京戦から大きくは変わらず。前肢の勝った体型だが、踏み込みは悪くない。集中して歩けていた。出遅れ1馬身不利も、積極的に乗られ、内目を上がって行って、3角で中段。ただ、直線で外へ持ち出そうとした際にエイシンフェンサーと接触して、逡巡したのが痛恨。立て直してからは伸びている。ゲートは出るに越したことはないが、スプリント戦で、道中上がって行けるだけでも大したモノ。これも可能性を感じさせる馬。

ピューロマジック

2人曳き。テンションが高いのは何時ものこと。増減なしの数字通り、キッチリ出来ていた。チャカついているので分かり辛いが、硬さもなさそう。少なくとも、デキに問題はない。何時も程ではないが、好発を決め、出脚も速く、スッとハナ。流石に速く、道中は離し気味の逃げが打てたが、今日の馬場だと前半3F33.1秒はオーバーペースだったか。直線に向いてからも暫くリードを保っていたが、ラスト200m辺りから脚が鈍った。馬場がパンパンの良か、ハンデがもう1kg軽ければ勝っていた筈。今日は仕方がない。次走改めて。