昨年は水沢の雄と呼ばれたメイセイオペラもいまや日本競馬界の雄だ。2年前、頭蓋骨骨折から立ち直った精神力。意地とプライドが2度の過ちを許さない。もう、デキ云々の次元ではない。昨年同様の圧勝劇だ。
メイセイオペラの圧勝劇ならばヒモが微妙だが、そうなるとオースミジェットの手堅さは魅力に映る。馬体重と左回りが嫌われて人気がないが、軽いダートが相殺してくれよう。
ファストフレンドも堅実な一頭だ。前走はインテリパワーの出し抜けに動揺してまった。東京ダート1'34"9は持ち時計No.1。
ヒモがもつれるとビーマイナカヤマも怖い。時計の速いダートも歓迎であるし、昔と比べてズブいので、むしろこの距離のほうがいい。
コウチエラミーは3前走のハンデが57.5。そして今回のハンデが56.5kg。なまじ自力進出ができるだけに、後ろの組が届くようなHペースは歓迎しないが、マイル戦を使ったあとのショーザランニングがハナならば、そんなペースにはなりそうもない。叩いて確実にデキもアップし、狙い目。
マヤラブリーはここ数走はマイル戦で度外視。追い込み馬にとっては有り難い少頭数。そしてハンデ戦。デキも目立つ一頭だけに突き抜けても。
ショーザランニングは単騎逃げが濃厚。最近1400mで好走例が目立つのは、1400mのほうが競り掛けてくる馬が少ないからに他ならない。ならば、単騎である以上1200mも問題はなく、あとはデキが若干落ちているのがどうでるか。
エターナルビートはタイキダイヤと重賞で同タイムの競馬。ダートの前走の大敗はハンデ戦のここを使うためと考えれば納得がいく。多少、太い嫌いはあるが、気で走るタイプなだけに一概には。
押さえに、2走前が見せ場タップリのマチカネエンムスビ。
ゴーイングスズカのハンデは見込まれた嫌いがあるが、それも東京3勝の実績があるからこそ。良馬場でも、前走の上がり34.9の脚が使えれば大丈夫。一戦ごとに着実に出来もアップし、漸く待望の東京のディスタンス戦。ここを逃すと、次は目黒記念まで狙い目がないだけに陣営も必死。
◎▲とは対称的にハンデに恵まれたのがメジロロンザンだ。前走はラングラクィーンの大逃げにペースを乱され、シンコウシングラーに目標にされる辛い展開だった。対タヤス2kg差も手伝って、対タヤスではこちらが上位。
タヤスメドウはデムーロが鞍乗。東京でジリっぽいこの馬に追えるデムーロはそれだけで狙いが立つ。ただ、ハンデは相当見込まれた。
メジロサンドラは前走、先行馬にキツい流れをよく粘っている。あとは牡馬相手でこの距離がどう出るか。
ユーセイトップランはハンデも軽くなった。攻め馬ではナリタトップロードに先着。変わり身あっても不思議はない。
ホーマンスピリットは、前走スローの1800mで折り合って快勝。今回はオープンになるが、京都1400mは2戦2勝。ハンデも手頃で、前走のような内から抜け出す競馬ができれば勝てるし、またそれができる枠。
キョウエイフォルテはデキ落ちだが、ここ数走、あと一歩の競馬が続いている。Hペースなら台頭。
エイシンサンルイスはなかなか順調に使い込めないが、ダート短距離の強さはケタ違い。ただ、追い切り本数が一本足りない。
距離に限界のあるエンドスウィープ産駒のサウスヴィグラスは1200mなら本命だが、今回は1400m。4歳時、マイルでも連対があるが、古馬のオープンではそうはいかない。
押さえに、距離実績を買ってヘイアンウインザー、タガノサイレンス、テンパイ。
連闘実績のあるブロードアピールは、この距離も得意。この距離にしてはペースが速くなりそうにないが、短距離のスローの瞬発力はスワンステークスで証明済み。充分、届くと見る。
今季好調のジョープロテクターは、並んで強いタイプで、この大外枠はむしろ有り難くない。安藤騎手が上手く気を抜かないように馬を御すれば、の条件つき。
マイネルラヴはマクる競馬が身上。人気を背負うと目標になってしまいやすいタイプでマイナス。
タイキダイヤは前走が強かったが、52kgも多分に見方していた。55kgでどうか。
現状トロットスターは芝向きのようだ。ただ、デキが落ち気味。
押さえに、ハマったときのスピードスター。
ラチを頼る癖のあるクリスザブレイヴの前走はインの馬場状態が悪くて、外を回ってしまって馬が戸惑ったのが敗因だ。今回はパンパン馬場で競馬が出来、しかも差しの利き難いCコースだ。ちょっと逆らう余地がない。
2着探しが難解だが、その中でマリアジュダムールの変わり身に期待。ここ3走は苦手の中山で度外視でき、先行馬有利の流れも見方するだろう。
全く同じことがサクラナミキオーにも言える。ただ、力量的には一枚足りない。
押さえに、重賞勝ちの底力でビッグバイキングと先週魅せた岡部騎手の乗るマイネエルザ。
さすがに条件では力の違いすぎたシンコウエドワードは叩いて更に良化。55kgも恵まれた。滑り込み出走の運も味方につけて、最強世代の力を見せつける。
シンボリインディは昨年のNHKマイルカップの覇者。全く同じ舞台でこのメンバー。稽古の動きも一変した。常識的には本命に推すのが相応しいが、Cコース、開幕週のパンパン馬場と、差し馬にとって辛い条件が揃いすぎた。そこがどうでるか。
その先行有利な馬場でクローズアップされてくるのが、バイオマスターとダイワカーリアンだ。特にバイオマスターは前走で折り合いに進境を見せた。マイルが嫌われているなら、かえって狙い目。
一長一短のメンバーだが、その中でも好調教を買って、本命に推すのがグラスグラードだ。左回りは共同通信杯4歳Sの悪夢が甦るが、だからと言って、ストライドの大きいこの馬に中山の小回りもきつかっただろう。距離延長も好材料。
シアトルブリッジを寸法に採れば、当然トーヨーベクターも注目だ。東京も欅ステークスの直線一気がある。あとは、この大外枠が課題。
レッドチリペッパーは芝なら無論本命だが、初ダートが鍵。また、牝馬で56kgもキツいし、追い切りの感じがイマイチだったので...。
トキオパーフェクトが逃げない素振りを見せているので、チアフルマスターが単騎で行けそうだ。前走は揉まれ込んで、競馬にならなかったので、度外視していいだろう。よく見ると、2番手グループにハナ切れないと脆い面々がいて、後ろが戸惑っているようだと、逃げ切りも。
この時期の休み明けだけに絞れているとは思えないシンコウスプレンダは、昨年のこのレースの覇者だ。その時、将来のダート界を背負ってたつ筈だったタイキレッドに完勝。力でどこまで。
押さえに、ゲイリーアリエス、パーソナリティワン、ヴィエントシチー。