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競馬予想 2002年5回阪神・5回中山

有馬記念(GⅠ)

雨で一転難解ムードが漂うが、武豊騎手をマークするペリエ騎手の構図は絶対に変わらない。良馬場ならこの流れのまま決まっていた可能性も有ったが、この雨で馬場が悪化した分ジャングルポケットが差し届くと判断。前走は注文を付けての最後方からの競馬も、休み明けで馬がボケていた分、馬群に突っ込み切れなかった。叩いた今回はあんな事は無い筈で、何れにしても外を通った方が有利な道悪。得意のクラシックディスタンスで、「並ぶ間も無く差し切るシーン」を1年振りに。

相手は中山向きの器用さを買ってシンボリクリスエス。今季は日本調教馬に先着を許さず、負かされた外国招待馬も、出遅れに泣いただけの話。ただ、文字通り降って湧いた道悪が、絶好枠となる筈だった1番枠を課題にさせて、今週妙に攻め馬を手控えてきた点も気掛かり。GⅠ連戦の疲労の産物で無ければ良いのだが、まずは下見に注目。

皐月賞勝ちの中山でノーリーズンを見限れない。前走は落馬の影響なのか流れに乗り切れずに競馬が終わってしまったが、あれが本来の実力では無いことは言わずもがな。道悪は経験こそ無いとはいえ、ピッチ走法だけに合う筈。縺れる展開ならば器用さで浮上するシーンが有っても。

馬単
9=1 9=6

ラジオたんぱ杯2歳ステークス(GⅢ)

ザッツザプレンティのレースセンスはこの世代No.1。京都2歳ステークスで負けたエイシンチャンプの朝日杯勝利で俄然株が上がった形になるが、そのエイシンチャンプとは仕掛けのタイミングの差で敗れただけの話で、互角以上の評価が出来る内容。本質的にはスローの差し馬で、京都よりは阪神でこそ力を発揮するタイプでもあり、相手関係からも連は外さない筈。

相手は一番人気になりそうなブルーイレヴン。デイリー杯2歳ステークスで差しを覚えて、いきなりから結果が出たのが東京スポーツ杯2歳ステークス。一応、インにササる面が課題なのと、この中間どうも稽古が軽過ぎる印象で、一枚重い嫌いもあるが、この2頭での一騎打ちが濃厚。

馬単
9-12

CBC賞(GⅡ)

左回りを嫌われて人気を落としているサーガノヴェルだが、あくまであの2戦は引っ掛かり癖が裏目に出ただけの話。まあ、中山との相性の良さを説明する際に引き合いに出されるニュージーランドトロフィーは、相手が弱過ぎて残ってしまっただけの話で、無理に引っ張って負けたという点で内容に大差は無い。ここは最内枠で横山典弘騎手が乗る以上、小細工無しの競馬で、ショウナンカンプがいないのだから、競り掛けられるだけのスピードの有る馬もいない。課題は一頭になって抜け切ってしまうとソラを遣う癖があることで、つまりは外から差してくる馬が脅威なのだが、この点は今週からCコース使用で差し辛い馬場になっている分で相殺出来る筈。

そして前走で時計勝負にメドを立てたサニングデールが相手。スプリンターズステークスこそ原因不明の惨敗を喫したが、中京ではファルコンステークス勝ちもあり、中京との相性の良さが光る。マトモに走れば上位に来て当然だが、最後方から競馬していては届かないだけに、差し馬のこの馬にとってのこの枠は致命的とも言える不利な枠。余程上手く立ち回らないと済し崩しに脚を使わされて終わる危険も。

キーンランドスワンはニュージーランドトロフィーでサーガノヴェルを押さえ込んで逃げ、前半3F32.4秒で撃沈したが、差しに目覚めてからスッカリ成績が安定。この馬もサニングデール同様に枠順が内目の分不利だが、とはいえ大外からでもハマった時の切れ味は相当なモノ。今週坂路一番時計のデキの良さも手伝って纏めて面倒を見るシーンまで。

馬単
1=3 1=8 3=8

伊吹山特別

草丈を長目に伸ばしている事も有って、開幕週から逃げ馬壊滅の中京芝コース。今週からCコースで施行するのが微妙なところだが、先週の恵那特別の様な大外一気は流石に無いと思われるだけに、ここはツルマルザムライを推す。トップハンデで厳寒期の休み明けと課題は多いが、実績は言わずもがなで、枠も手頃、先週JRA初勝利ルメール騎手の手腕に期待。

相手も同枠パインアキナ。前走は開幕週の馬場に騙され、テンが速くなり過ぎて撃沈。流石に今回はそんな事も無い筈で、シッカリ差しに回ってくれるだろう。前4勝の内、中京芝1200mで3勝と相性の良さも光り、ガサの無い牝馬に1kg減も有り難い。

押さえにチェロキーソウル。スローの流れに乗ったとはいえ、本質的に1F長い1400mでアドマイヤコンドルに0.5秒差ならここでは充分主力級。この内枠が揉まれ込んだ時に不利だが、ハイペースで縦長でバラけてくれる展開になりそうで、それなりに捌き易い筈。

馬単
9=10 9=3 10=3

朝日杯フューチュリティステークス(GⅠ)

過去10年、10番枠より外で勝ったのはグラスワンダーとエイシンプレストンしかいない。やはり中山マイルの一般的な傾向通り、内で立ち回る策が有利ということで、今年も本命は2番枠のサクラプレジデント。確かに2歳戦で休み明けは不利だが、この馬デビュー時から古馬の様なセンス有る競馬で、休み明けの分を差し引いてもこの馬の優位さは揺るがない。

相手はマイネルモルゲン。デイリー杯2歳ステークス3着だが、インを差したブルーイレブンよりは外を回ってきたこの馬の方が余程値打ちはある筈で、言い換えればシルクブラボーのいないここは実績最上位。逃げ差し自在、そして晴雨兼用と、中々テリトリーが広いのも道悪で魅力だ。

一発の怖さはやはりサイレントディール。追っての頼りなさは課題だが、先週の坂路と今週の本馬場での動きは中々シャープな伸び。道悪も、走法と爪の形からは歓迎材料。インに閉じ込められると、気性の若さをモロに出してしまう危険があるだけに、ジワッと行けるこの枠も手頃。

馬単
2=14 2=12 14=12

中日新聞杯(GⅢ)

展開厳しいのは承知だが、一応の中心はヒマラヤンブルー。父は1800m時代の中日スポーツ賞4歳ステークス (京都で施行) 勝ちのネーハイシーザーで、この辺も中々良く出来たストーリー。前走は出遅れて競馬にならず、あれは度外視すべき。時計の掛かる馬場はこの馬向きで、中々熱心に乗り込まれているのも好感が持てる。

相手はナムラサンクス。展開向いたとはいえ、天皇賞馬のシンボリクリスエスに0.7秒差ならば、ここでは一本被りになっても良い程の実績だろう。前走は前残りの展開で、3着は良く押し上げてきた部類。葉長が長く、前の止まり易い馬場もこの馬向きだが、左回りは課題。

大穴はエーティーダイオー。連闘になるが、この馬場を思うとハロン平均12秒を切ってきた時計は速い。以前の様にムキになって行くことも無くなって、競馬振りに進境が見られる。近年のこのレースは、下手なオープン馬より条件上がりの方が圧倒的に良績を残しているだけに、今年もこの馬の一発が怖い。

馬単
8=12 8=10 12=10

阪神ジュべナイルフィリーズ(GⅠ)

ワナは稽古動かなかった事を嫌う向きがある様だが、メンコの効果が出ているとも考えられる。前走はとにかくイレ込んで競馬にならず、持っている実力の半分も出せなかったが、牡馬相手に重賞勝ちの実績はやはり上位。枠順も絶好で、人気どころにマイル未経験馬が多いのも好材料。

相手は順当にピースオブワールド。強い競馬をしてきたのは確かだが、中一週続きの反動と初コース、そしてマイルが未経験なのがネック。牝馬の事だけにこれで良いのかも知れないが、攻め量が軽過ぎる嫌いも。

一発長打の魅力はアドマイヤテレサだろう。前走は距離不足で追走に汲々としていたが、外に出してからは凄い瞬発力。馬体が細化傾向にあるのが課題だが、あの脚はマイル向きの筈で、ハマれば大仕事の可能性が。

馬単
3=5 3=2 5=2

スポーツニッポン賞 ステイヤーズステークス(GⅡ)

少頭数にも関わらず意外に混戦だが、一応の中心はスエヒロコマンダーだろう。昨年はレース中に骨折しながらの2着だったが、ホットシークレットがハナに固執しなくなった以上、昨年同様の単騎楽逃げが濃厚。最近は60kgで逃げ切った札幌日経オープンが光る様に、老いて益々盛ん。前走の分も含めて倍返しといきたいところ。

相手はそのハナに固執しなくなったホットシークレット。一昨年のこのレースの覇者で、あの時は2段ロケットでも積んでいる様な二の脚を見せてくれた。あまり速い上がりの決着になると京都大賞典や宝塚記念の様になってしまうが、この馬の場合はどんな展開になろうとも35秒前半の脚が使えるのが強み。その意味からは離れた2番手で自在に競馬出来そうなのは有り難い。

武豊騎手に「変わったタイプの馬」と評されたストップザワールドも面白いところ。人気になりそうな組はあまり上がりの速い決着を歓迎しないだけに、一瞬の決め手があるこの馬に凱歌が上がる可能性もある。ただ、折り合いをつけるのが難しいタイプで、この点はマイナス。

馬単
3=11 3=7 7=11