Sakura Archives

競馬予想 2003年2回京都・2回中山倉

フェブラリーステークス(GⅠ)

7年前は出走馬のレベル云々に批判が集まっていたモノだが、大き過ぎた筈の器に中身が追い越してしまった。ここ数年、毎年史上最強のメンバー構成で、特に今年は芝でも集まらない様なメンバーだが、ジャパンカップダートでノーザンファームのアドマイヤドンに執拗にマークされ、追分ファームへ初JRAGⅠをプレゼントし損ねたゴールドアリュールが今度こそ。カネツフルーヴにハナを叩かれそうな展開はマイナス材料だとしても、馬場がこうなってしまってしまった以上、スピードの絶対値を生かせば負け様が無い。

相手は前走折り合いを欠いて負けたビワシンセイキ。とはいえその前走はあれだけチグハグな競馬をしながら4着だから、東京大賞典2着がフロックではないということ。まあ、今回は東京大賞典同様に先行して前で流れに乗る策だろう。下の渋った馬場は経験が無いが、元々が1400mでオープンまで上がってきたスピード馬でゴールドアリュール同様に向く筈。

前走はカネツフルーヴを追いかけ過ぎて失速したプリエミネンスだが、ジャパンカップダート3年連続掲示板は後にも先にもこの馬ただ一頭。時計勝負にも実績が有り、東京でオアシスステークスを勝った時が生涯で一番強い競馬。ゴールドアリュールが突き抜けて、インを立ち回るセコい競馬なら出番は有る。

ハギノハイグレイドは中々絞れて来ない点が厳寒期で課題だが、前走は大外枠で位置取りが悪くなった分が裏目に出ただけで内容そのものは決して悲観する内容ではない。中山実績は無いが、下の渋った馬場は得意で、前に付けさえすればやれる筈。

レギュラーメンバーは最近無かった坂路49秒台。前走は明らかに重目が祟った形で、坂路でこれだけ動いた以上、一叩きの効果が有ったということだろう。このレース2頭使いの厩舎が多いが、山本厩舎もその一つ。カネツフルーヴに引っ張るだけ引っ張らせるという競馬も十分考えられ、一時控える競馬を覚えさせていたことがここに来て実を結ぶ可能性が出てきた。

一昨年の覇者ペリエ騎手騎乗のノボトゥルーを無視出来ない。1800mに実績の無い馬だが、近走馬が枯れてきた印象で、枯れてからがこの血統の真骨頂。案外距離を克服してしまう可能性が有り、ガサの無い馬が57kgを生かすシーンがあれば。

馬単
5-8 5-3 5-12 5-11 5-10

農林水産省賞典 京都記念(GⅡ)

有馬記念をスキップし、一息入った形のサンライズジェガーが天皇賞へ向けて始動。53kgとはいえ、アルゼンチン共和国杯では、有馬記念3着、日経新春杯2着のコイントスに0.6秒差をつける圧勝劇。これまで詰めが甘く、1000万条件を勝ち切るのに苦労していた馬が、本格化成って3連勝。休み明けでこの点は割引だが、目下の充実振りならばこの相手でも。

相手は立て直したノーリーズン。単純な落馬の後遺症というよりは、GⅠ目一杯に仕上げたモノが発散出来なかったのが近走の不振の原因で、立て直した今回こそは大丈夫だろう。皐月賞馬で、これ以上長い距離には疑問の余地もあるが、この距離ならば問題無い筈。

前走早仕掛けが裏目に出たファストタテヤマだが、流石に同じ轍を二回も踏むとは思えない。トウカイパルサーの逃げならばスローは必至だが、ここは人気どころが自力で潰しに行ってくれるだけに、展開はハマりそう。あとは相手関係だけ。

前走行きたがってしまったマイネルプレーリー。前に馬を置きたいこの馬にとってこの大外枠は痛いところだが、1Fでも距離短縮するのは有り難いところ。前走でオープンでも通用することは判っただけに、上手くインに潜り込んで折り合いさえつけば一発も。

馬単
5=6 5=2 5=16 6=2 6=16 2=16

きさらぎ賞(GⅢ)

一騎打ちムードだが、スケールの差でサイレントディールが上位。前走は着差こそクビだが、直線早目に抜け切ってしまってソラを遣ってしまっただけのことで内容は圧勝に等しい内容。加えて道中は揉まれ、馬群を嫌がって萩ステークス惨敗した筈のこの馬が、何の問題も無くクリアした辺りは如何にも血統馬らしい学習能力の高さも見せた。サンデーサイレンス産駒は使い込んでいくと萎んでいく馬が多い中、この馬は一戦毎に馬体が良化し、この中間ゴールドアリュール、ノーリーズンと併せて互角の稽古。競馬には調教技量というファクターもあることを知らしめて欲しい。

相手は当然マッキーマックス。サイレントディール相手では馬のスケールに差が有り過ぎる訳だが、これを瞬発力と1F延長でどうカバーするかが問題。加えてゲートに難が有り、ここは前走同様の逃げ馬不在のメンバーでスローが必至。極端なスローならば決め手の差でということも有り得るとしても、サイレントディールは自力で動いていくタイプの馬、同じ様に動けば当然末脚を無くす訳で、乗り難しさも有る。

今年は暮れの中京戦に出てきた組が意外に優秀で、ホシコマンダーもそのクチ。まあ、小回りの1800mと京都の1800mを同系列に扱うのは無謀だが、とりあえず2勝が1800mで挙げたモノであるのは紛れも無い事実。こういう一騎打ちの場合は、サイレントディールの前にいるか、マッキーマックスの後ろにいる馬が有利で、その間にいる馬は展開上不利になる訳だが、この馬はマッキーマックスの後ろからという点で有利。器用なだけに、インを立ち回るセコい策も出来る筈で、そうなれば2頭の間に割って入ることも可能。

そのホシコマンダーに中京戦で敗れたネオユニヴァースも押さえておきたい。その中京戦だが、追い出してからが内にササるシーン。新馬、前走とそんな素振りは無かっただけに、左回りが合わないということなのだろう。この馬、サンデーサイレンス産駒らしくスカッとしていて、毛色が違えど全兄チョウカイリョウガに良く似た、如何にも走るサンデーサイレンス産駒といった馬体。一角崩しは大変そうだが、将来性を買って。

あくまで大穴だが、行き切った時のチキリテイオーも無視は出来ないだろう。まあ、前走はザッツザプレンティに相当可愛がってもらっていたし、あのレース自体それ程レベルが高くなかったが、それでも単騎で行けそうなのは魅力。ただ、今週の稽古の動きが悪過ぎたのはマイナス材料。

馬単
7-1 7-9 7-8 7-2

すばるステークス

1F延長が嫌われているディバインシルバーだが、今回はそれ以上に相手が楽。前走は差しに回ったところ大外へ回されて位置取りが悪くなり、前々走は内で包まれて砂を被り通しと、近走は運に泣かされ放し。ただ、その影響もあって、昨夏サウスヴィグラス相手に互角に渡り合いながらの56kgは明らかに過小評価。京都は全て6F戦ながら全勝。この条件、意外に内枠有利で、極端にモマれることがなければ連は外さない。

相手が難しいが、一番手にはツルマルファイターを抜擢。歩様ガタガタ、気性の若さを出しながら、7着にまで押し上げてきた中日スポーツ賞ファルコンSはマズマズといったところだったが、このあとを休ませてからが良くなった。前走はゲートでアオったのを無理にハナへ行った為、ビワシンセイキに捕まったが、そのビワシンセイキは東京大賞典2着の馬。ハンデ55kgは、実力、実績上共に妥当、あとは一息入って重目が残らなければ良いのだが。

コウエイキンラベルも京都を得意とする馬。目下3連勝中、寒くなるに連れて不凍液を撒く様になって時計が掛かる筈だが、この馬の場合は1戦毎に時計を詰めている点も評価のポイント。まあ、前走準オープンを54kgで勝った馬だけに、今回オープンで据え置きというのは実績上見込まれた訳だが、実力的には克服しても。

前走は1年1ヶ月振りながら圧勝したタニノゴードンだが、下見では多少重目に映っただけに2走目の反動が怖いケース。ここも行き切る展開にはなりそうだが、ここは好位勢が強力で、早目に潰しに来られる可能性も。またハンデも見込まれただけにあまり強くは推せない。

タニノゴードンの項で述べた通り、人気どころが前で競馬したい馬ばかり。それだけに一応差し馬を押さえておくべきで、となれば当然名前が挙がるのはホシオー。最近は中山が象徴的な様に、何処の競馬場でも追い込みの利く馬場状態にならないだけに、中々結果が出せないが、それでも破壊力は衰えていない筈。1400mは実績が無いが、前が止まる確率が少しでも高くなることを思えば、1800mよりはむしろマシ。

殆ど同じことがスターキングマンにも言えてこの馬も押さえておきたい。ハンデ戦の前々走ではなく、別定戦の前走の方が時計が速く、徐々にペース慣れしていることが窺える。スプリントに慣れた現状での1F延長がどう出るかは微妙だが、ハンデもまだ過小評価されているだけに。

馬単
2=7 2=4 2=13 2=6 2=11

シルクロードステークス(GⅢ)

結局のところ、この雨の影響が全てといった印象、となれば背負っている組はアテに出来ないだけに、ゴールデンロドリゴを本命に推す。前走のCBC賞は直線で寄られる不利があり、当時似た様な不利に泣いて5着に終わったキーンランドスワンが淀短距離ステークスで圧勝。ハンデ56kgはこの馬の実力からすると多少見込まれた気もしないでもないのだが、いくら実力があったところで道悪で57kg以上の馬を本命には推し辛い。

相手は距離不足を道悪で相殺するテイエムサンデー。準オープン上がりということでハンデ54kgになったが、この馬の実力は55kg相当でこの点は道悪になって俄然有利。内回りで差し届くかどうか心配する向きもあるが、3年前に道悪になった時はブロードアピールとトロットスターでズボズボの展開、ハマれば突き抜けても。

サニングデールは上記で述べた通り道悪の57kgが不利な上、馬体にガサが無い点も問題。まあ目下成長期だし、CBC賞は今になって思えばかなりのハイレベル。勢いをもってアッサリ通過してしまう可能性も充分にあるのだが、とりあえずは馬場の回復を祈るしかないだろう。

トップハンデを背負うリキアイタイカンも全く同じことが言えるが、馬格はあるとしてもトビが大きい分が道悪で不利。前走は攻め馬が途中で飛んでいただけに、今回はその点で上積みがあるが、とにかく馬場が乾かないことには。

馬単
14=8 14=7 14=12 8=7 8=12

斑鳩ステークス

先々週辺りから馬場状態が微妙になってきて、以前の様に差し馬のみを狙うという訳にも行かなくなったが、それでも未だに差し馬の方が確率が高いのもまた事実。そこで本命はエーティーダイオー。中日新聞杯3着馬だが、直線を手前を替えずに走ってしまった分の差のみで、後に日経新春杯を勝つバンブーユベントスとは互角の内容。今回は右回りに替わり、モタれることも無い筈で、あとはマイル未経験という点がどう出るかだけ。

休養前はとにかくパッとしなかったが、1年8ヶ月休ませた以上は脚元も大丈夫になったと判断してマチカネホクシンが相手。ニュージーランドトロフィー4歳ステークス2着で、NHKマイルカップ3着馬。数字こそ480kgある馬だが、細身に見せる馬で、休み明けでも攻め馬動いた以上は走れる筈。

人気になりそうなダイワファルコンは前走内容だけを見れば案外だが、負けた相手がボールドブライアンならば仕方が無い。前走時に述べた通り、近走は不利続きで運が無かったし、前走も真っ直ぐ走っていた点で収穫があった。前走よりもここは相手弱化した感もあるだけに突き抜けるシーンがあっても。

メジャーカフェはこのクラスに上がってからあと一歩の競馬が続いているが、負けたい相手がニホンピロハーレーにキングオブサンデーならオープン特別級の実力はあるだけに、相手が悪過ぎたと判断するのが妥当だろう。外国人ジョッキーでもあり、最内枠引いた以上は前で流れに乗るしか手が無いだろうが、馬場状態が変わってきたのも好材料。

展開が味方しそうなのはジュエリーソード。確かに距離延長は課題だが、ここは望み通りに単騎で行けそうなメンバー。まあ、この馬が早目に潰れた場合はメジャーカフェやハギノスプレンダーを道連れにズボズボになってしまうケースも有り得るとはいえ、2番手からになりそうなサンエムノヴァにしても距離に不安を抱えていることを思うと、4角までは楽に回って来れる筈。

馬単
9=3 9=7 9=1 9=2 9=6

京都牝馬ステークス(GⅢ)

前走準オープンとはいえ、56kgを背負って勝ったハッピーパスが今回54kgで、これが狙い目。3走前にはステイヤーズステークス2着のダイタクバートラムを押さえ込んでいるが、牡馬相手に全く通用しないダイヤモンドビコーが最優秀古牝馬に選ばれた様に、昨年来牝馬路線がとにかく手薄で、牝馬戦線の上位組を狙うよりは、牡馬に伍さず闘える馬の方が強い筈。ペリエ騎手との相性も良く、かなり堅い軸馬。

相手も牡馬相手に実績のあるジェミードレス。前走はスローにハマってしまい、差し届かずの6着だったが、0.4秒差ならば悲観するどころかむしろ良く走っているとさえいえる。まあ、遮眼革着用の効果は微妙だが、京都外回りならば前崩れも充分有り、マイル適性の点でも優位に立つ。

前走は折り合いを欠き、別の意味でスローに泣いたトーワトレジャーも怖い。京都は坂が無い分ペースが速くなる筈だし、この内枠で新潟戦の様に前を壁にすれば折り合いは付く筈。ただこの馬、関西圏に実績が無い、つまり当日輸送に弱いだけに、イレ込まなければ良いのだが。

前走のミツワトップレディは誰も行かないとみてハナへ行ったまでは良かったものの、ダイヤモンドビコーに目標にされる辛い展開。まあ、今回流石にあんなことは無い筈で、ならばダイヤモンドビコーにレディパステルを押さえ込んだクイーンステークスを見直す手だ。

恐らく一番人気になるだろうが、サクラヴィクトリアはあくまで押さえ止まり。古馬とやったのがクイーンステークスの一戦だけという点はさておき、ローズステークスにしても秋華賞にしてもファインモーションをマークとしただけという競馬で、評価に値するモノでは無い様な気も。今日はマークされる立場になるだけに、それでも競馬が出来るかどうか試金石となる一戦。

馬単
12=13 12=1 12=3 12-10

根岸ステークス(GⅢ)

中山では距離のバリエーションが無いだけに、ガーネットステークスは苦肉の策でハンデ戦へ変更。そしてそれをトップハンデで圧勝したニホンピロサートが本命。今回は別定戦で、むしろ他馬の方が重い斤量を背負わなければならない点も有利だが、前走は超ハイペースを自力で追い掛け無理やり潰すという常識では有り得ない内容。今回は前走程のハイペースにはならないだろうが、ペース云々は関係無く、最悪の乗り方をした前走でも圧勝なのだから、普通に乗りさえすれば中山1200mでは負け様が無い。

相手探しが難しいが、その一番手はタガノチャーリーズ。前走は無理やりエンドレスデザートにコスられ、失速してしまったが、エンドレスデザート陣営があれを騎乗ミスだと思っている以上、あの悪夢を再現してしまうことは無い筈で、行き切れさえすれば先週のスマートボーイ同様にこの馬も強さは格別。サウスヴィグラスの早仕掛けさえ無ければ、4角を単騎先頭で回ってこれる筈。

相手2番手は名前の挙がったそのサウスヴィグラス。東京1400mでアッと言わせた昨年の覇者で、中山1200mならば当時より条件は好転。鉄砲利くとはいえ、大型馬のこの時期の休み明けで、この点は大幅なマイナスだが、後にJBCスプリントを勝ったスターリングローズにも完勝の実績と、当時の勢いは無視出来ない。

ノボトゥルーは、Broadbrush産駒らしくブロードアピール同様に老いて強かさを増して、一段上のステップに辿り着いた印象。ただ、その強かさは地方の馬場の方が発揮し易く、それだけに中央の時計勝負となると、ニホンピロサートやタガノチャーリーズの様な勢いに任せた競馬の方が有利なのも事実。ニホンピロサートが先行馬一掃してくれる様な展開になって浮上出来るシーンがあればヒモまでは有りそうだが。

同馬主ノボジャックは、前走の笠松戦の追っ掛けバテよりも、前々走のJBCスプリントでノボトゥルーに負けた点をどう評価するかが問題。メンバー中、唯一のスプリントGⅠ勝ち馬で、不凍液を撒いた馬場も得意だとは思うが、近走とにかく勢いが無い点が微妙。

押さえに一応ディバインシルバー。前走はニホンピロサートの連られて動く形になったのが誤算。ニホンピロサートとは能力差が有り過ぎる以上、あれでは終いが保たないが、今回は前走の轍を踏まない様、ニホンピロサートの後ろで競馬する可能性も有る。この馬、強敵相手でも2着を確保する術も心得ている点も怖い。

馬単
14=5 14-7 14-6 14-12 14-9