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競馬予想 2003年1回阪神・3回中山

阪神大賞典(GⅡ)

京都大賞典と並び、このレースもガチガチ決着の代名詞的存在だったが、今年は選手権距離の層が薄いことも有り、一転混戦模様。従ってどの馬に本命を打とうかかなり迷ったが、一応の中心はサンライズジェガー。京都記念はイレ込んでいたし、歩様も一息で、やはり叩いて良くなるタイプだったのだろう。今回は望み通りの良馬場。3000mは初距離になるが、リアルシャダイ産駒で悪い筈が無い。メンコを再び着用してイレ込み対策も万全、叩いた効果に期待。

相手はダイヤモンドステークス好内容のダイタクバートラム。この距離が本質ではないのは過去何度も述べている通りだが、それでも前走は前で決まった流れの中、道悪で57.5kgを背負って3着まで突っ込んで来たのだから、ここへ来ての地力強化振りは相当なモノが有る筈。ここは人気の重心がかなり後方になりそうで、前有利が予想される点が課題だが、近走の堅実さからは一歩リード。

前有利という点ではコイントスに食指が動く。有馬記念で3着、日経新春杯2着と、詰めの甘さは相変わらずといった印象だが、京都記念の再現になりそうな展開が予想されているだけに、前で立ち回れば相当に有力。安藤勝己騎手、重賞騎乗機会4連勝が懸かっており、この点でも注目の1頭。

マイネルプレーリーは馬群の固まり易い阪神でこそ力を出せるタイプ。それだけに京都でのここ数走は地力強化を窺わせるモノ。2500m以上は走ったことが無いが、グリーングラスの肌にタマモクロスという血統で、サンライズジェガー同様、この距離がマイナスに出ることは無いだろう。他が背負うだけに56kgで競馬出来るのも好材料。

どうもファストタテヤマは良馬場前提といったタイプなのだろう。良馬場で競馬出来る今回は巻き返しが期待出来るが、阪神コースも鳴尾記念が好内容で、全くダメということは無い筈。例に依って他力本願な上に、今回は展開も向きそうにないのだが、それでもツボにハマった破壊力は凄まじく、押さえには必ず残しておかなければならない。

あくまで大穴だが、トシザブイは残しておきたい1頭。前走も相当にデキが目立っていて、完全な前残りの流れをインを突いて、マイソールサウンドから0.5秒差。この距離は当然プラスに出る筈で、例年のメンバーならばともかく、今年の相手ならこの馬にも出番が有って良い。

馬単
15=9 15=4 15=10 15=5 15=14 9=4 9=10 9=5 9=14 4=10 4=5 4=14

時事通信杯 フラワーカップ(GⅢ)

先週の中山牝馬ステークスが全部内枠で決まってしまっただけに、外の馬には厚い印が打ち辛い印象。ならば多少怪しくともセイレーンズソングを中心に据えるのが妥当。デビュー以来2戦2勝は全て中山コース、中でもトリッキーな1800mで大外を差し切り、2200mではインを突いての勝利と自在性も有る。とにかくデキ自体に問題が有りそうな気もするだけに、何処にもいない可能性も高いのだが、とはいえここは相手に恵まれた印象も。

相手も難解だが、一応距離に望みを託すマコトスズランが筆頭格。デビュー当時は、歩様の硬いところが有った馬だが、ここへ来て大分良化した印象。前走でもインを突くセコい競馬が出来ている様に、折角の内枠を無駄にすることは無い筈で、あとは天気さえ保ってくれれば。

一発の魅力はパッションキャリー。外枠は確かに課題だが、少なくとも本質が芝にあることは間違いないだろう。遮眼革を外すということで、これがどっちに転ぶかはやってみないと判らない部分もあるのだが、そのままでは引っ掛かってしまうのは確実で、何か新しいことをするのは間違いではないだろう。3歳牝馬同士の争いでは流石にハイペースにはならない筈で、スンナリ好位を取れさえすれば出番は有る。

マイネヌーヴェルは皐月賞を目指す牡馬の登竜門的レースになっているホープフルSを牝馬の身ながら勝った。まあ、今年はとにかく牡馬の関東馬が手薄過ぎる嫌いもあるのだが、それでも牝馬同士で闘って来た馬よりは評価出来る。ここは休み明けで常識的には不利だが、雨が降れば前進可能。

未勝利を勝ったばかりだが、エルダンジュを無視出来ない。連闘、中1週、中1週とかなり強行軍ではあるが、これでも無理やり結果を出してしまうところが松田国英調教師の手腕。サンデーサイレンス産駒ということで当然本質は芝に有る筈。前走はかなり不利が有っただけに今回上手く運べれば。

レマーズガールを一応押さえるが、DeputyMinister系Defrere産駒ということで、どうも本質はダートにありそうな印象。例に依って稽古は動いているし、このメンバーとにかくオープン馬が4頭しかいないという例レベルさ、絶対能力の差で芝でも纏めて面倒見る可能性も。

馬単
1=6 1=14 1=12 1=10 1=4 6=14 6=12 6=10 6=4 14=12 14=10 14=4

報知杯 フィリーズレビュー(GⅡ)

ここは意外に混戦模様。多少ヒネってモンパルナスを狙う。スティルインラブと0.1秒差の前走だが、当時の京都は前崩ればかりが目立ち、逃げて残ったこの馬の頑張りは目に付いた。松永騎手ということで、誰かが来た時にハナを叩きに行くかどうかは微妙だが、流石にこの枠なら主張するだろう。馬体細化とイレ込みさえ無ければ、昨年の様な逃げ切り濃厚。

相手は当然ヤマカツリリー。前走はメンコ外したら掛かってしまったとはいえ、それでも2着をを死守した様に、能力自体は相当。今回はメンコを実戦でも着用。トライアルは総じてスローになる傾向で一応この点が課題、加えて坂路一番時計でやってしまった様に多少急仕上げの嫌いが。

天候を嫌って1週延ばしたワナだが、今週も雨というのは運が無い。まあ、とにかくイレ込みが全てで、下見の気配を見ないことには評価のしようがないのだが、とにかくこの世代で牡馬相手に重賞を勝った馬というのはこの馬とメイプルロードだけだ。

3番枠を引いたレイナワルツも怖い。 母のレイナロバリーはライデンリーダーが勝った年のこのレース (阪神大震災の影響で京都で施行。当時の名称は「報知杯4歳牝馬特別」) で5着ながらレース中に故障、そのまま引退となってしまった馬、今回安藤勝己騎手の馬が一番人気なのは何かの因縁なのかも知れないが、何れにせよここはその遺恨戦。使い詰めで上昇度という点は微妙だが、あの開幕週の逃げ一辺倒の馬場で差して後続を突き放したのは充分評価出来る。

馬単
2=7 2=10 2=3 7=10 7=3 10=3

ローレル競馬場賞 中山牝馬ステークス(GⅢ)

京都牝馬ステークスの覇者ハッピーパスが中心。その京都牝馬Sは着差こそ僅かだが、スローが影響し、加えて4角で前が壁になる不利が有ってのモノで内容自体は完勝。馬体が良化し本格化した今ならこなせる筈といっても、一応56kgを中山内回りの1800mで課題とするが、目下の勢いを重視。

相手はハッピーパスと同斤のレディパステル。ハッピーパスがGⅢ1勝なのに対して、こちらは古馬GⅠでも好走してきたオークス馬だから、明らかに恵まれた。ただ、こちらは休み明けなのに加えて、前が速くなりようがない中山1800mの追い込み馬という弱点が有る。

オースミコスモが怖い。京都牝馬Sではハッピーパスと2kg差有っての競馬、それが今回0.5kg軽くなるのだから、対ハッピーパスの0.2秒差は逆転出来る算段が成り立つ。元々この世代のフジキセキ牝馬の出世頭的存在だったが、ここへ来て馬体が成長してきた分が更に差がついた印象。ただ、武豊騎手は最近アテにし辛いだけにこの点が微妙なのだが...。

上位3頭は互角の評価だが、結局のところ中山1800mの馬でないという点が問題で、荒れるとすればここを突いた馬だろう。その意味からすれば内枠引いたショコットが浮上。京都牝馬Sでも勝ち馬とは0.4秒差。しかもスローな流れを後ろから行き過ぎて届かなかっただけの内容、今回は地の利が有るだけにインを捌き切れば突っ込んでくるシーンが。

あくまで大穴だが、ビーポジティブを押さえておきたい。ここは先行馬揃いで、ハイペース必至と見られている様だが、何れも人気薄。所詮中山1800mであることを思うと、誰かが行き切ってしまえば案外兼ね合いが付く筈。芝は未勝利だとはいえ、とにかくトゥザヴィクトリーの下。非力な印象を受けた一時期とは全く馬が違うだけに、今ならやれる。

馬単
9=3 9=6 3=6 9=2 3=2 6=2 9=7 3=7 6=7

報知杯 弥生賞(GⅡ)

現段階でクラシック最短距離にいるザッツザプレンティがここから始動。とにかくレースセンスが素晴らしいまでに高く、走る精密機械とでも言わんばかりの完璧な競馬振り。あまりにレースセンスが高過ぎて、案外誰が乗っても結果は一緒。むしろ武豊騎手ではマークされる分マイナス材料にしかならないとさえ思えるが、ファインモーションの様なパワーで圧倒する馬が最近多い中、GⅠクラスの馬でセンスで勝負する馬は珍しい。渋化残れば鬼に金棒、次走武豊騎手を確保する為にも、ここは負けられない一戦。

相手も当然エイシンチャンプ。朝日杯フューチュリティーステークスは確かにハマったモノ、ザッツザプレンティに勝った京都2歳ステークスも展開利が有ったが、とはいえそれでもここへ入れば明らかに地力は抜けた存在。あまり休み明けからガンガン来ない厩舎でこの点がどう出るかだが、ザッツザプレンティとの一騎打ちが濃厚。

馬単
2-6

チューリップ賞(GⅢ)

エルフィンステークス勝ちチアズメッセージが絶好枠を引いてこれが本命。この枠なら前で流れに乗れる筈だが、とにかく今の阪神コースは圧倒的に先行馬有利。多少決め手不足の嫌いがあっても、追ってバテない馬の方が有利だろう。武豊騎乗ということで、下手に行き切ると目標にされてしまう分が最内枠で一応の課題だが、2番手で折り合いつけば押し切るシーン濃厚。

当然、相手は前走強かったスティルインラブだが、◎馬が阪神マイルで牡馬と闘った経験が有るのに対して、こちらは牝馬としか闘ってこなかった点と、マイルが未経験な点が課題。加えて前走は馬が萎んだ様に見えただけに、状態面にも疑問。

オースミハルカのジュベナイルフィリーズはペリエ騎手をもってしても馬が動かなかった様で、4角で置かれてしまう有様。イレ込む気性で下手に使い込むよりは休み明けの方が良い筈だが、そんなことよりペリエ騎手で動かなかった馬が安藤勝己騎手で動くかどうかという中々興味深いポイントが。

ダイワカーリアンの下シェリールに一発の魅力。血統上の字面からいってもマイラーではないだろうが、これも牡馬相手に競馬してきた馬で、前走負かしたアドマイヤロッキーはゆりかもめ賞でブラストサンデーに完勝。今の馬場で外枠は疑問符がつくとはいえ、力で圧倒してしまうシーンも。

馬単
1=6 1=10 1=14

阪急杯(GⅢ)

香港戦は道中息も入らなかったが、馬体減でデキそのものが無かったショウナンカンプが立て直して良化ムード。ダッシュ力の違いで行き切って道中楽をするという戦法、内から来るイシノグレイスが多少厄介な以外はこの馬本来の競馬が出来る筈。古くはヤマニンゼファー、最近ではグラスワールド同様にコズむ傾向のある馬で、その意味からは下の柔らかい馬場はプラス。

前走はテイエムサンデーの決め手に泣いたゴールデンロドリゴが相手。前走は結局のところ、前を深追いし過ぎたということ。ここは内枠を引いてインを立ち回る策が可能で、何より魅力なのは56kgの斤量。今の阪神は前が止まらないだけに、追っての渋太さ生かし切れば。

馬格の無いサニングデールはハンデ見込まれての道悪で、明らかに条件が悪過ぎた。今回も背負っているだけに、馬場が乾くかどうかが全てといった印象。器用なタイプでこの内枠は良い方に出るだろうが、やはり馬場が乾くことが大前提。

アグネスソニックが目先を変えてスプリント戦に出てきた。オースミエルストもそうだが、この馬も道中気負ってしまうだけに使える脚が一瞬。今回結果が出なくてもスプリントに使うことは長期的に見れば正解、馬体絞れてくればいきなりから。

スプリンターズステークスの覇者ビリーヴは一応押さえるが、やはり牝馬の57kgは致命傷になる危険が高い。香港で大幅な馬体減、馬体回復で思う様に出来なかった攻め馬、不安材料を挙げていけばキリが無い。まあ、ここは意外なことに阪神実績の有る馬が少ないだけにセントウルステークス圧勝をクローズアップしても良いのだが...。

阪神実績という点ではエアトゥーレを無視出来ないが、これも同厩アグネスソニック同様に道中気負って脚が続かないタイプ。前走重目、この時期だけに馬体が絞れているかどうかが鍵になりそうだが、まあ稽古が出来ないビリーヴを思えば数段マシ。あとは展開向くかどうか。

馬単
7-6 7-1 7-9 7-10 7-13

アーリントンカップ(GⅢ)

昔とは違って、京都の開幕週は差し有利で、阪神のそれは先行有利の傾向、ならば中心はワンダフルデイズになるのが当然の帰結。前走内容からマイルは1F長い印象で、これが唯一の課題だが、雨が降りそうな天候は好都合。休み明けもそれ程気にしなくて良い筈で、総合力で一歩上位。

相手はこれ以上評価を落とせないゴールデンキャスト。骨折明けの馬でこの点が課題だが、幸いなことに雨が降って下が柔らかくなりそうで、ならば坂路での稽古は駆けているだけに、力は発揮出来る筈。あとは前有利の馬場で何処まで差し込めるかの一点に懸かっている。

途中からハナへ行って結果を出したニシノシタンだが、外枠を引いて前走同様の競馬になりそう。その前走はラントゥザフリーズを押さえ込んだし、何といっても順調に使っている強みがある。一応、道悪と時計の無さが課題だが、前有利な馬場状態を生かせば。

コスられた相手が、朝日杯フューチュリティステークスで前科の有ったマイネルモルゲンでは致し方のない面もあったドローアウターはニシノシタンとの兼ね合いが鍵。距離短縮でもあり、兼ね合いついて単騎で行き切れば、持ち前のスピードを生かせそうなのだが...。

馬単
14=13 14=11 14=7 13=11 13=7 11=7