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競馬回顧 2002年5回阪神・5回中山

有馬記念(GⅠ)

シンボリクリスエス

2人曳き。攻め馬手控えて馬体減。一時はどうなるかと思ったが、スカッと見せてあの毛ヅヤ。まさか天皇賞より良い状態で出てくるとは。最初折り合いを欠き掛け、外に出そうかという気持ちも有った様だが、スローの団子状態になってしまったので、道中は中段の内々。一瞬タップダンスシチーにやられたと思ったが、あそこから伸びて捕まえ切る辺りが道中ロス無く運べている分だろう。今日はジャングルポケットやファインモーションとは我慢の差が出た形で、とにかく他馬のレース運びが下手過ぎる。当然原因は騎手の教育能力不足以外の何モノでも無く、今年は菊花賞とジャパンカップが象徴的だった様に、乗り役の技量不足が目立った一年だった。「昨年はジャパンカップを勝てたし、今年は有馬記念を勝てて幸せです。前とはかなり離れていたけど、馬群に閉じ込められていたので脚が残っていたし、先頭が止まるのが見えて何とかなると思った。武豊の馬とは離れていたが、すぐ前に岡部騎手がいてここでいいと安心した。彼はペースを間違わないからね。今回競馬場にきた人達にグッドラックといいたい。(ペリエ騎手・週刊競馬ブック)」

タップダンスシチー

2人曳き。京成杯は叩き台と割り切っていただけの事は有って、キッチリ絞ってきた。戦前の報道通り押してハナへ。スタンド前でファインモーションが引っ掛かり、一端は2番手で控える形にはなったが、この馬としては同じラップを守ってファインモーションのペースが落ちたところへ再びハナへ。結果的にはラストの坂で止まるまで、ほぼ同じ速度で走り続けた形になったが、決め手の無いこの馬にはこれしか策が無かったのも事実。東京競馬場改装で無理やり良くした馬場状態、雨が早めに上がって滑る馬場にはならなかったこと。色々ファクタはあるのだろうが、上手く行く時は得てしてこういうモノ。

コイントス

2人曳き。何時も通り気配を表に出し、多少重く見せるのも何時も通り。終始、シンボリクリスエスの一歩前で競馬する形になったが、流れに乗ってシンボリクリスエスより一歩先に仕掛け、シンボリクリスエスが抜け出してくるスペースを作りながらの捌きは見事で、今日は思い通りの競馬が出来ただろう。結果、藤澤厩舎1,3着の形で、今日は乗り役を褒める外無い。

ナリタトップロード

あの馬体重は頂けないが、今日は過去3年の有馬記念の中で一番毛ヅヤが良かった。この馬もホットシークレット同様にダッシュ力の無さが課題だった馬だが、今日は外枠で包まれずに競馬出来、馬場はともかく漸くにしてマトモに競馬させて貰えた印象。結局これが引退レースだそうだが、来年はディスタンスの層が手薄。天皇賞に出てこれば意外に勝てた様な気もする。

ファインモーション

2人曳き。落ち着いていたし、あの踏み込みは流石だと思ったが、ここへ入ると馬体のインパクトが無い気も。タップダンスシチーが押して行っただけに、この馬としては控える訳だが、スタンド前の大歓声で引っ掛かった。ただ、そのあとはどうにかこうにか行けていた筈も、やはり引っ掛かった分と一気の相手強化の分で、仕掛けを遅らせざるを得ない訳だが、武豊騎手が仕掛けを遅らせた時はロクな事がないのは当欄で繰り返し指摘している通りで、今日も案の定自滅。まあ、早めにタップダンスシチーを捕まえに行っても、勝つまであったかどうかは微妙だが、この馬にとっては二桁着順も5着も全く同じだった筈。

ノーリーズン

2人曳き。多少重い様に見えるのだが、数字が皐月賞時と大差無い以上、中身が無いということなのだろう。とにかく行き振りが悪かった印象。終い伸びてはいるが、デキが無いとしかいい様が無い。

ジャングルポケット

2人曳き。年齢と共に落ち着いてきたという見方も出来るのかも知れないが、3歳時の活気が有った方がこの馬らしい気もする。後方で折り合いをつけて早めに動く策は予定通りだっただろうが、そこまで。敗因は中山で平均的に速いラップで、成し崩しに脚を使わされてしまう分だろう。もうちょっとスローにならないと。

テイエムオーシャン

戦前美浦に入れて調整していたそうだが、その効果は相当有った様。馬体回復していたし、落ち着いていた。前で流れに乗れていた筈だが、4角でインに包まれて馬がヤル気を無くした形。これもファインモーション同様に乗り手の自信の無さが自滅を招く典型的な競馬。

ラジオたんぱ杯2歳ステークス(GⅢ)

ザッツザプレンティ

一戦毎に馬体が良化。デビュー当時はただ競馬の上手い馬という印象だったが、これなら見た目も一線級。毎回そうである様に、今日も2番手を取りに馬が勝手に飛んで行ってしまったが、何故かこの位置で折り合いがつくのも毎度の話。あとはとにかく道中無駄なことを一切せず、この無駄が無い分が直線の伸びに繋がっていて、とにかく離す一方。レースセンスに関しては古馬含めても現役No.1といって良く、この馬自身が競馬の教科書を馬が隅から隅まで読んできた様な競馬振り。正に走る精密機械。

チキリテイオー

キャリアを積んでイレ込まなくなった。最内枠を生かしてハナへ。勝ったザッツザプレンティが2番手で遊んでいる為、下手な気を遣わなくて良い分がこの馬にとって楽。直線もザッツザプレンティが可愛がって貰って、何とか2番手を確保したが、本質的には距離が長い印象。

ゲヴァルト

叩いて絞れたが、全体的に非力。相手をザッツザプレンティ一頭に決め付けての競馬。折り合いもついたが、ノメったまではいかなくても、非力な分、知らず知らずの内にスタミナをロスしていた印象で、勝負どころに掛かっての行き振りが悪い。直線も手前を替えるのが遅く、着差が着差だけに、この分が2,3着を分けたということになるのだろう。

マイネルアンドレア

道中はブルーイレヴンと前後する位置。勝負どころで置かれ掛けたが、直線は最後まで諦めずに伸びていたが、流石にダンスインザダーク産駒で阪神は走る。

クラフトワーク

歩様が一息。中段やや後方で折り合いをつけて4角大外。ここまでは良かった様に見えたが、そこからがジリっぽい。道悪はダメということか。

ブルーイレヴン

戦前懸念した通り、攻め手控えた分が太い。とにかく終始引っ掛かっていては競馬にならない。

サンケイスポーツ杯 阪神牝馬ステークス(GⅡ)

ダイヤモンドビコー

エリザベス女王杯を100%とすれば、今日は良く見積もっても90%のデキ。目一杯に造って来ると気負う可能性があるので、普段は適当に加減して仕上げて来る馬だが、前走の反動は隠し切れなかった様。ペース関係無く、とにかく終始宥めながらの競馬。一つ間違えば馬が競馬を投げてしまう危険も有った筈だが、その辺の上手さはペリエ騎手ということなのだろう。当欄で他馬に対して「他馬に気を遣ってしまうだけに矯めた方が分が悪く、中途半端に矯めるよりは何が何でも行き切った方が」と述べる事があるが、どうもこの馬生真面目過ぎて周りが良く見えていない様で、周りの馬を無視して走っている印象。

オースミコスモ

今季はトモの甘いのもマシになっているのだが、最早そんなことはどうでも良く、先週とは気配が一変。連闘とはいえ、ここまで変わったケースは最近稀。 道中は前から5〜6頭目で、前を壁にして折り合いを付けながらの競馬。4角の捌きが完璧で上手く外へ出せた事もあるが、ローズバドに競り勝ったのは立派。昨年の今頃スポットライトを浴び続けたフジキセキ産駒とはいえ、その後トモの甘さと成長力の無さに泣いた馬は枚挙に暇が無いのだが、この馬だけは一味違う模様。

ローズバド

目黒記念の様な420kgで競馬してしまうとレース後の回復力が無くなるのだろうが、ただこの数字ではどうしても一枚重い印象を受ける。オースミコスモと同じ様な位置で、何時もより前での競馬。この馬自身、突っ込み切れない競馬が続いていた事も有っただろうが、先行勢がダイヤモンドビコーが強過ぎると判断してペースを落としに掛かっているだけに、展開面からもこの策は一応正解。結果的に昨秋のデキまでのデキが無い分と付いて行った分で、終いが伸び切れなかったが、今日の流れではここらが限界と判断して良さそう。

ミツワトップレディ

前走デキの良さを買われて穴人気していたが、確かにそれだけの事は有る。思い切ってハナへ行ったものの、ダイヤモンドビコーに終始絡まれてしまったのは痛い。数字的に楽だった分ここまで残せたが、今日の展開は同情の余地が有る。

トーワトレジャー

派手にイレ込んだ前走とは違って落ち着いている。馬体増も良い傾向。これもオースミコスモと似た様な位置。ただ、追って坂に掛かったところでバッタリ。なるほど全5勝を平坦コースで挙げているのだが、ここまで酷いとは。

ジェミードレス

前走は大敗したが、府中牝馬ステークスで述べた通り今季好調。外に出して伸びているが、競馬が終わった後。

エアトゥーレ

2人曳き。森秀行厩舎の馬は「スカッとみせて煩い」というのが相場だが、この馬も例外では無い。外枠で馬が喜んで行き過ぎて、終いまで脚が保たず。

CBC賞(GⅡ)

サニングデール

以前は硬いところの有った馬だが、それが無くなって時計勝負に対応出来る様になったのが前走。今日もその状態のまま。内枠を懸念していたが、結果的にはサーガノヴェル、セレクトグリーン、そしてカフェボストニアンが前に行って、自然とポケットが出来、ここへハマったのが今日の最大の勝因。4角でサーガノヴェルのインが開く事まで読んでいた...かどうかはともかく、インも開き、ココへ突っ込んで直線も良く伸びた。福永騎手の香港遠征に伴う乗り変わりでも結果が出た事自体が象徴的な様に癖の無さという点ではこのカテゴリー随一だが、今日は展開に恵まれた面は否定出来ないだけに、暫くの間危険な人気馬となりそう。

カフェボストニアン

2人曳き。ボテっと見せるのは+22kgが無くてもの話。ただ、多少チャカつきが目立っていた。クリスタルカップはたまたまだった様で、今日もゲートはマトモ。大型馬の割にダッシュ力も有り、スッと3番手。クリスタルカップ1番人気は戦前から眉唾モノで、終わってみて案の定の結果だと思っていたのだが、今日のレース振りは当時のファンの評価が正しかったということなのだろう。ただ、首をあまり使わない走法で、追ってからも頭を上げ加減。見た目も含めてダートの方が結果が出そうなのだが。

テンシノキセキ

毛ヅヤは良かったが、名前負けしている印象でどうにも見栄えが地味。好発も、相手がサーガノヴェルでは引かざるを得ないが、とはいえこれで終始外々を通らされる羽目に。最後まで渋太く伸びてはいるが、そのまま突っ込んでいたら、終いバタバタになっていただろう。とにかくこの馬を除けば、二桁馬番の最先着はブルーショットガンの9着。例年の馬場なら (昨年の馬場なら確実に) 突き抜けていた筈で、これだけの馬場差がありながらの好走はかなり評価出来る。

ゴールデンロドリゴ

2人曳き。このレース、総じてデキが良い馬が揃っていたのだが、休み明けにも関わらずこの馬も例外では無く。道中は中段だが、サニングデールの項で述べた通り、今日はインにポケット。サニングデールの更に内、つまりラチ沿いを通って良く伸びているが、トラックバイアスは否定出来ない。

キーンランドスワン

昔の様に気負わなくなって、終いまで脚が残せる様になった。向正面半ばで狭いシーンが有って引かざるを得なかったのもあったが、今日の馬場でテンシノキセキの更に外へ回している様では届かない。差す競馬は完全に板についた印象で、この点は評価出来るのだが、ただ今日はこの差す競馬がアダとなってしまった。

マンデームスメ

芦毛の割にスカッと見えるし、今日のところは上々のデキといって良いが、ただ流石にここへ入ると馬体が抜けているという訳でも無い。このメンバーではスピードのアドバンテージが無く、行き切れない。直線も寄られるシーンがあって。

サーガノヴェル

2人曳き、シープスキンノーズバンド着用。煩いのは今更な話で、今日はデビュー以来最高のデキと断言出来る程馬体が抜けていたが...。折角スタート良かったのに、隣枠のセレクトグリーンにコスられたのは痛かったが、今日はそんなことより4角でインを開けてしまった事の方が問題で、横山典弘騎手ほどの力量であれだけ開けてしまうのだから、この馬自身が左回りがダメという外無い。ただ、レース後の外傷で長期休養もしくは引退とのこと。

ダンツキャスト

2人曳き。数字通り太かったし、イラついている様に見えたが...。中段から前の止まらない馬場ここまでといったところだが、休み明けでこの内容なら次走変わる。

ブレイクタイム

冬場はどうしても絞るのに苦労する。付いて回っただけといった印象だが、アチコチ変な距離に使い過ぎて馬が戸惑っている印象も。

トロットスター

馬体はこんなものだが、気配が無い。後方から全く見せ場無し。完全に気が抜けているだけに、引退はむしろ遅過ぎた。

伊吹山特別

ツルマルザムライ

出来ていたし、馬体がここではズバ抜けている。スッと3番手。とにかく揉まれずに競馬出来た分も有るだろうが、トウショウメロスが早めに捕まえにに行ってくれたのが有り難く、これに乗ってG前寸前で交わした。今日は明らかに展開向いたとはいえ、やはりここでは地力上位なのも確かな様。

マキシマムスピード

歩様はスムーズも、多少重い様にも映る。ダッシュ利かせてハナへ。行き切って離して逃げていただけに、このままかと思われたが、3〜4角中間辺りからトウショウメロスに突かれたのが痛かった。先週程ではないしても、微妙に力の要る馬場で、前の止まり易い状態だった分も有って寸前で捕まる。

ジャズスペシャル

昇級だが馬体はここでも見劣らないし、張りが有った。後方からということになるが、昇級でも楽に追走出来ていた。何処かで外に出そうとしていた様だが、外に馬がいて、結果的に最内ピッタリを回ってきた分が3着。今週からCコース使用で、インが伸びる馬場状態、昇級でやれた事自体は褒めて良いが、内容そのものを高く評価出来るかどうかと言えば微妙なところ。

テイエムサザンオー

今日はイレ込みマシ。これも中段のインにいたクチ。4角で行き場を無くし、馬場状態を思うと殆ど絶望的な位置にいたが、最後まで諦めずに伸びてきた。このコース、相性が良い。

トウショウメロス

例に依ってトモが甘い。2番手から、結果的に早仕掛けということになるだろうが、前が楽をしそうになっていただけに、これはこれで仕方が無いだろう。そういえば、3年前のブラックホークが勝ったスプリンターズステークスが丁度こんな感じで、つまりこの馬がマイネルラヴの役だという事になる訳だが、どうしても前を一番先に捕まえに行く馬は道化を演じる形になってしまう。

朝日杯フューチュリティステークス(GⅠ)

エイシンチャンプ

デイリー杯2歳ステークスの時からそうだが、例に依って気配は地味。ただ、当時指摘した歩様はマトモ。このペースを3番手のインで折り合っての追走。あとはインを立ち回ってスムーズに捌いて来るだけといった感じだったが、最内からサクラプレジデントに一端出られてもう一伸び。時計は水準の1分33秒台だが、上がりが掛かってこの馬に流れが向いたのと、戦前述べた通りこのレースは圧倒的に内枠が有利。中々堅実に駆けるタイプの馬で、使い込んでいく内にタニノギムレットになっていた可能性を否定しないが、今日のレース振りはどうも半信半疑。

サクラプレジデント

2人曳き。札幌戦の際に仕上がり過ぎていた印象が有っただけに、馬体増は素直に好感。まあ、太いといえば太いが、緩んでいなかったのと元々の馬の形が良いので、然程目立たない。2馬身分アオったが、馬がムキになってしまい、前の馬に乗り掛からんとする勢いでの追走。ただ、このハイペースで前崩れになったのと、馬群がバラけてインが捌き易くなったのは、ツイていたと言えるだろう。まあ、今回掛かってしまったのは、あくまで出遅れて馬がパニックになったからであってこれが本来の姿ではない筈だし、あれだけ行きたがりながら伸びてくる訳だから能力も相当。今日のところは前述の通り「不幸中の幸い」的部分に助けられた影響も大きいのだが、一応このメンバーの中ではこの馬を一番評価しておきたい。

テイエムリキサン

2人曳き。多少気負い気味。持って行かれたサクラプレジデントに接触して最後方からの競馬。しかし、この馬もハイペースに救われたが、如何せん今の中山マイルでは外に出している暇は全く無いだけに、外に出した段階で権利が消滅。池添騎手、そんなことは今の中山を見ていれば解る筈なのだが、とはいえ先週Cコースを使って今週Aコースに戻すコース設定自体も問題。

タイガーモーション

シープスキンノーズバンド。これもイレ込んでいた。勝ち馬を見ながらの競馬で、それだけにもうちょっと伸びても良い筈なのだが、伸び切れず。ただ、外からワンダフルデイズに来られた時は思い出した様に伸びていて、要は並んでこその馬ということなのだろう。まあ、元々スローを好む馬で、何れにせよ今日のペースはこの馬向きでは無かった。

ワンダフルデイズ

馬体は良かったが気負う。中段から雪崩れ込んだだけ。距離だろう。

サイレントディール

馬はとにかく最上位。しかしまだ全体的に緩慢な印象。前半56.9秒で飛ばしたことよりも、今日はペリエ騎手のマイネルモルゲンに終始突かれたことで、1600mを丸々無酸素で走ってしまった印象。前日、1日で8勝の新記録を打ち立てた武豊騎手、たまには有名税も払う必要があるということか。

中日新聞杯(GⅢ)

マイソールサウンド

2人曳き。今日は馬体に張りが有ったし、かなり気負っていても、この馬はこれ位の方が走る。今日はデキの良さが全てといった感じで、道中引っ張り切り。4角で手応え充分で先頭に並び掛けた時にはほぼ勝ちが決まっていた。追い出してからの頭の高さが気になったとはいえ、一応は完勝。

バンブーユベントス

攻め強化の甲斐はあった印象。トモが大分シッカリしてきた。2角までは後方にいたが、向正面で一気に脚を使って先団へ。一気に脚を使った分か、直線向いた時の手応えは悪い様に見えたのだが、インに潜り込んで伸びてきた。中々渋太い内容で、地力強化していると言って良い。

エーティーダイオー

目下の充実振りを窺わせる馬体。道中は中段の外で、向正面から仕掛けたバンブーユベントスに連れて上がってきたが、直線手前を替えずに走ってしまい、その分が伸び切れず。惜しい。

ヒマラヤンブルー

馬体は戻っただけ。イラついている様に見えるのも何時も通り。好位で流れに乗れたが、最後は決め手の差。まあ、今日はデキは本当では無かったし、各馬に早目に来られたのも痛いが。

トウショウアンドレ

まだ絞れる余地が有る筈。中段からインをコトコト雪崩れ込んで入着。もうちょっと絞れてこれば、スパッと切れる脚が使える様になる気もする。

ユウキャラット

デキは相変わらず良い。ペース自体はそれ程速いモノではなかったが、1角でグリーンソニックにハナを叩かれ、また3角から来られと、今日は終始邪魔が入ってしまった。まあ、きょうの展開では失速も仕方が無いだろう。

阪神ジュベナイルフィリーズ(GⅡ)

ピースオブワールド

2人曳き。一頭だけ違うところから借りてきた様な馬体。ただ、レースを使う毎に気配を表に出しつつあるので、これが行き過ぎなければ。道中は中段馬群の中。3〜4角中間で一端引いて外に出したのが好判断で、余程手応えと自信が有ったのだろう。単純な能力の違いという事も有るが、一端引いても競馬の出来るセンスの高さも中々評価出来る。近年、3歳クラシック路線はマイルがギリギリという馬ばかりの争いになっているが、この馬なら距離が延びても平気だろう。

ヤマカツリリー

骨量の有る馬で良く見えるのだが、今日は歩様が一息で、トーセンリリーより酷いというのは頂けない。スタート良かった組は全て掛かっていたという悲惨な状況だったが、こういう時こそ乗り役の腕の見せ所で、一番上手い人が乗っていた分が2着ということなのだろう。2番手で何とか宥め、直線も内からブランピュールに出られたところを差し返しているのだが。

ブランピュール

ヤマカツリリー同様に骨格のしっかりした良い馬だと思うが、今日はまだ全体的に緩い。外からトーホウアスカに来られた時に連られそうになった程だが、3角からペースが上がった時には置かれ加減。一端は伸び掛かっている様に自力の片鱗は見え隠れするのだが、どうも競馬がチグハグ。

シーイズトウショウ

2人曳き。イレ込んでいたし、まだ馬が薄いが...。道中はピースオブワールドと前後する位置。相手が福永騎手といえども容赦せず、ピースオブワールドをインに閉じ込めたまでは良かったが、そこからがジリっぽい。折り合いついていただけに、もうちょっと伸びても良さそうなモノだが、結果的に仕掛けがワンテンポ早かったということか。

プラントパラダイス

2人曳き。落ち着いていた。ついて行けずに置かれて後方から。4角上手く捌いて大外、そして目の前にはピースオブワールドが。競馬が明快な分良く伸びたが、今日の馬場では突っ込み切れない。

オースミハルカ

多少気負っていたが、2歳牝馬だけにこんなものだろう。馬体増も良い方に受け取って良さそう。好位の直後にいた筈だが、4角で置かれて後方。そこから諦めずに来てはいるが、あれだけ置かれると辛い。

ワナ

2人曳き。下見では何とか堪えていたが、返し馬に行ったらそれまで。馬体は新潟2歳ステークス以上だったが。ゲート入り嫌がる。直線で不利はあったが、今日はそれ以前の問題。とにかく気性を何とかしないことには。

トーホウアスカ

もっとシャキッとしてこないと。スタート良かった事も有るのだが、外々を通らされるのを嫌って、気合を付けたら、引っ掛かってしまった。今日は騎乗ミスだろう。

スポーツニッポン賞 ステイヤーズステークス(GⅡ)

ホットシークレット

遮眼革着用。気合も乗っていたし、毛ヅヤも良かった。長距離戦の良いところは、皆が押さえてくれること。ダッシュ力の無いこの馬でもスッと良い位置が取れる。そしてこの馬の良いところは、道中スムーズに運べさえすれば、必ず35秒前半の脚を使ってくれること。後続が早めに仕掛けてくれて、これで末脚の持続性を問われる展開になってくれたのもこの馬には向いた。そういえばこの馬、オーストラリアの長距離GⅠに登録だけして出走しないのが年中行事の様になっているが、来年辺り出ても面白い様な気もする。

ダイタクバートラム

デキだけをいえばNo.1。トモが甘い印象を完全に払拭したとまでは言い切れないが、それもかなりマシになった部類。道中は注文を付けて後方から。初距離というより、2000mより長い距離を走った事が無い馬だが、宥めるのに一苦労。それでも2着へ来れたのは、2周目3角で他馬が動いた時にワンテンポ遅らせることが出来たのが良かったのだろうが、直線で外へ立て直すロスが有ったのも確か。従って今日の敗因は、掛かった分と直線で立て直した分という事になる訳だが、それでもここまでやれたのは立派。一度でも2400m辺りを使えていれば、突き抜けるシーンまで有った気もしないでも無い。

スエヒロコマンダー

取消明けになるが、見た目には全く影響を感じない。戦前の予想通りハナへ。スタミナ勝負では流石に分が悪いだけに、武幸四郎騎手、この馬としての理想的なペースで逃げていたといえるだろうが、如何せん中山のペースとしては遅過ぎた。2周目3角から一気に来られ、ダイタクバートラムとは対照的に仕掛けがワンテンポ早くなった分が3着。まあ、結果的にはハナ+クビ差。何だかんだ言っても、惜しい競馬だったのも事実だが。

イングランディーレ

まだ緩い様にみえたが...。スローの流れを前で受けて、インでジッと我慢。まあ、バテてないだけという気もしないでもないが、それで960万円稼げるのだから美味し過ぎる。

アクティブバイオ

遮眼革外す。後方からの競馬。2周目3角から一気にマクっていったが、外に振られる不利が有ったし、今週Cコース使用でインが伸びる馬場だったのも応えた。