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競馬回顧 2005年1回京都・1回中山

平安ステークス(GⅢ)

ヒシアトラス

大き過ぎて見栄えしないタイプだが、この馬にしてはスカッとした造り。好発も、無理せず中段。終始インに拘った競馬もハマッたが、抜け出す時の脚の速さは本格化を窺わせるモノ。ただ、追い出した途端に頭が上がるのが気になった。気持ちが前に来て勝ち切れる様になったが、肉体面ではまだ良くなる余地が有りそう。

ブラックコンドル

2人曳き。遮眼革。ヒシアトラスの直後を歩かされていたのは可哀相だったが、造りは流石。ただ、前走時と比較して歩様が落ちて来た。道中はヒシアトラスの直ぐ前。やり合う先行馬の直後で展開バッチリだったが、抜けて来る時の脚が違い過ぎた。450kgの馬で、こういうパサパサのダートとなると流石に限界が有るのだろうが、砂を被っても全く苦にしないタイプだし、ダート適性は相当。時計勝負になれば更に。

ジンクライシス

歩様は問題無かったが、気配が薄い。出ッパも良くなかったが、引っ掛かったり、反応悪かったりで競馬がチグハグ。4角外を回るロスが有ったにしてもジリジリとしか伸びなかったし、この辺は初コースの弱みなのだろう。ただ、同じ事はピットファイターにも言えた事。不利が有りながらでも3着迄押し上げて来た点は評価しておきたい。

サカラート

2人曳き。テンション高かったし、多少緩い造り。ゲートも良かったが、掛かり気味に先行。道中も宥めて宥めての追走だったが、ちょっと真面目に走り過ぎていた印象。1800mでも勝った事の有る馬だが、ベストは1400m〜1600m。

ホーマンベルウィン

2人曳き。毛ヅヤ良かったが、多少重い造り。近走前へ行けなくなっていて、今日も後方の内目。要はヒシアトラスの通ったルートをという事になるのだが、元々能力はソコソコ有る馬。この時期にしては時計の速い決着も向いた。

クーリンガー

+6kg。この馬にしてはスムーズな歩様だが、一枚重い。戦前懸念した様に、この枠だと外へ馬を置く形になってしまい、何度かハミを掛け直すシーン。それでも最後迄諦めずに走っていて、掲示板は辛うじて確保したのだから立派。一枚重かったのは確かだが、何故か冬場は気持ちが充実している。

ピットファイター

2人曳き。馬の造りは良かったが、多少気負っていたのと、歩様が硬い。ゲート良く、中段の外。まあ、多少一生懸命過ぎた分も有るのだが、3角からマクりに行ったのが今日は一番の失敗。枠が外だけにこの策は仕方無いのだが、この競馬で勝てる程の能力は無かった。元々ダートで器用さを生かすタイプの馬だし、この馬にとって外枠は競馬が難しい。

トーセンブライト

2人曳き。現4歳世代では見栄えする方なのだが、ここへ入ると馬自体に差。ただ、今日のデキだけをいえばコレがNo.1。道中は後方。ジンクライシスをマークする形で動いて行ったが、流石に外を回って勝てる程の物量差は無かった。ただ、この馬もピットファイター同様、ダート馬の割には器用なタイプ。今は気持ちも充実しているだけに、砂を被っても苦にしない筈で、出来る事なら内枠でもう一度やりたいところだろう。

ローエングリン

例に依って「造りは良いが、歩様がダメ」という状態。ハナへ行くつもりだった筈だが、内からクーカイが譲らず2番手。安藤騎手、相手が吉田稔騎手では無理に競り掛ける訳にも行かないのだろうが、ちょっとでも抑える形だと力が発揮出来ない。やはり何が何でもの構えでハナ叩いておかないとダメで、ペース云々はそれからだ。

アメリカジョッキークラブカップ(GⅡ)

クラフトワーク

2人曳き。気合で走るタイプでその意味では満点だが、歩様がここに来て落ち気味。多少出が悪くダッシュ付かなかったが、押し上げて中段から。3角辺りから早目に動いたユキノサンロイヤルに被される形になり、ちょっと仕掛けのタイミングが遅れたが、それでも外へ持ち出してからは決め手が違っていた。前述した通り気で走るタイプ、その副作用で折り合いに難が有ったのだが、今日は内にモタれ気味だった分が却って折り合えた印象。これが良いのか悪いのか、ちょっと評価に迷うところ。

エアシェイディ

2人曳き。前走の京都戦とは違って落ち着いていたが、相変わらず馬に張りが無い。道中はグラスポジションと前後する位置。前走スローの大外枠でも折り合えた様に、折り合いに難が無いのは強みだが、今日は仕掛けが早過ぎた。結果、坂を上がって一旦はユキノサンロイヤルに出られる形となってしまったが、最後は差し返す脚はデビュー以来初めて見せたこの馬の根性。この経験は今後に生きる。

ユキノサンロイヤル

シープスキンノーズバンド。トモの甘さも今季はマシだし、馬体の張りと毛ヅヤの良さが目に付く。道中は後方。3角辺りからクラフトワークをインへ閉じ込めた時は乗り役も夢を見ただろうが、最後はエアシェイディにも差し返される始末。マイルは最近忙しそうに見えるだけに、乗り易さを言えばこの距離の方が良いのだろうが、本質的には長いのかも。

アクティブバイオ

500kgを切るのが理想だろうが、この造りでもパンパン。毛ヅヤも目立っていた。これも後方から。ハードル帰りで、流石に4角の手応えは怪しいが、それでもデキが有るだけに、ここ迄詰めて来る。次走距離延長なら怖い。

グラスポジション

今日もスムーズな歩様。造りも良かった。ゲートも悪かったが、前半からとにかく行き振りが悪く、最後方。4角の反応も悪かったし、ステイヤーズステークスの反動で片付けて良いだろう。今日は仕方が無い。

日経新春杯(GⅡ)

サクラセンチュリー

歩様は許容範囲。ただ、馬振りがGⅠ級では無い。例に依って後方。阪神とはいえ、2000mの後で折り合いを懸念していたが、意外にスムーズ。4角では多少接触するシーンも有ったが、一番外へ出したのが好判断。まあ、そう強い勝ち方では無かったが、それでも力は一枚上の勝ち方。ベストのディスタンス戦で勝ったのも大きい。

マーブルチーフ

+8kg。デキが良いのは伝わって来るが、数字通り多少重目なのと、相変わらずトモが甘い。前走とは違って道中は2番手から。ただ、折り合いには不安無いタイプで、どんな競馬も出来る点が強みで、今日はそれをフルに生かした形。4角で馬場の良い外へ持ち出す時が多少行儀悪かったが、京都のディスタンス戦は堅実。昨年と同じ54kgも恵まれていた。

ストラタジェム

まだトモの甘いところは残っているが、菊花賞時を思うとかなり馬に芯が入って来た。1角辺り迄多少行きたがっていたが、これも何時も通りの待機策。4角で多少反応悪かったとはいえ、直線向いて一瞬やったかに見えたが、最後の最後が伸び切れない。53kgで飛び道具に徹してこの結果。力量差は確実に存在する。

コイントス

近走確実に上向いていたし、この歩様は以前から。思い切ってハナへ。ただ、慣れないハナで、前半1000m通過64.1秒はスロー過ぎた。有馬記念を3着の後、一昨年のこのレースで2着止まりだった様に、元々が詰めの甘いタイプ。近走の成績から乗り手に自信が無かったのは止むを得ないだろうが、ミスはミス。

エアセレソン

煩いのは何時もの事。ただ、多少歩様が硬い。好位のイン。追い出してからが特にそうだが、頭の高い走法で距離延長は良くないと思っていたが、馬場の悪い内目を通りながらこの差ならそれなりの評価はして良い。1800m程度がベストだろうが、この距離も守備範囲。

タニノエタニティ

2人曳き。一息入ったが、馬振りも気配もこれで良いし、今日は歩様も良かった。道中は中段のイン。折り合いには不安無く、長距離は望むところだが、ジワジワ脚を使うタイプで、このスローは痛い。この馬場で外へ出すシーンが一度として無かったのも辛かった。

マイソールサウンド

+8kg。数字はこれでも良いが、この数字でパンパンに張るのは至難の業。その意味では、もう一絞り。好位の外。良い時はもっと掛かる位の行き振りで行く馬で、それ故距離には限界が有るのだが、この馬にしてはスムーズ過ぎる追走。下見のイメージでは活気も戻りつつ有るのだが、もう少し時間掛かりそう。

ナリタセンチュリー

2人曳き。相変わらず酷いといえる部類の歩様だが、この馬としてはこれでも平均的。ただ、今日は普段よりはテンション高目。例に依って後方。4角の反応悪く、今日はその分で不利を食らった形だが、ただそれはトニービン産駒だけに仕方の無い事。勝った京都大賞典でもそういう面は有ったし、これがテン乗りの弊害で、今日は厩舎サイドのミス。

京成杯(GⅢ)

アドマイヤジャパン

初東上。馬振りはラジオたんぱ杯2歳ステークスと同様だが、今日はテンション高かった。例に依って出遅れて後方。今日もマクり切るとは行かなかったが、外目を回って直線は手前も替えずに一頭だけ違う伸び。手前を替えなかった点は今後の課題だが、メンバー弱かったにしても強い内容。進歩は見られた。

シックスセンス

2人曳き。下見でイレ込まなくなったし、ラジオたんぱ杯2歳ステークスよりは馬を大きく見せる。これも後方から。道中は道悪を気にする素振りを見せ、4角の手応えも良いとは思えなかったが、直線諦めずに伸びて2着確保。競馬を投げていたデビュー当時を思うと一戦毎に良化して来た。圧倒的な破壊力という点が今後の課題だが、ここ迄持って来た厩舎技量も大したモノ。

コスモオースティン

下見は煩いタイプだが、今日はマシな部類。まあ、もうちょっとスカッと見せてくれても良いが。道中は2番手。道悪でも上手く流れに乗れていたし、下を気にする素振りも無かったが、最後は能力の差。スパッと切れるタイプでは無いが、この馬場を苦にしないのは強み。

イブキレボルシオン

遮眼革。多少イラついていた様には見えたが、デキ自体はまあまあ。道中は後方。4角からシックスセンスと一緒に上がって行くつもりだったのだろうが、行き脚に差が有り過ぎた。馬場か能力か、良馬場の次走が試金石。

ジョウノビクトリア

牝馬だが、この中へ入っても遜色無し。欲を言えばトモの力強さが欲しいが。ゲート失敗。後方のインで、直線だけ外へ。坂下迄手前を替えなかったのは気になったが、泥を相当被りながら最後迄諦めずに伸びていた。根性だけでは無く、能力も有りそう。

モエレアドミラル

2人曳き。道営史上最強との触れ込みだが、姉シルクプリマドンナ同様にあまり良く見せない。好位の外。道中割とスムーズに運べていたが、3角を過ぎた辺りからアラアラの手応え。道悪が向かなかったにしても、案外の負け方。次走巻き返す可能性は低い。

日刊スポーツ賞 シンザン記念(GⅢ)

ペールギュント

+4kg。現状はマトモに仕上げていない状態で、多少重いのは仕方が無いだろうが、前走から歩様が硬くなって来たのは問題。例に依って掛かり気味も後方から。武豊騎手、前走の轍を踏まない様、坂の下りを利してマクりに行ったが、流石に早過ぎた分が最後際どくなった印象。従って、着差よりは能力差を認めて良いのだが、マイルでしかもこの相手で、ちょっと他所行きの競馬をしただけでこうなってしまうのだから、今後全くアテに出来なくなった。

マイネルハーティー

多少気配は表に出す様になったが、見た目はほぼ前走と同様。これも後方から掛かり気味。坂の下りでペールギュントにマクられる形になったが、ここでワンテンポ遅らせたのが好判断。一瞬は抜け切っているのだが、良い脚が長く続かないタイプで、外からペールギュントに来られたのが結果的に響いた。ペールギュントがレース失敗して敗れたのだから、能力差は有るのだろうが、ペールギュントを内に置いて外からマークする形なら隙を突く可能性も有った筈。

マルカジーク

+8kg。トモが甘いし、馬が緩んでいる。道中は中段。スムーズに流れに乗れていたし、直線も前が開いていたが、最後は瞬発力の差。今日はデキが無かっただけに同情の余地は有るのだが、今後もオープンとなるとどうか。

ディープサマー

今季はとにかく好調。ただ、欲をいえばトモに力強さが欲しい。好位のイン。4角外へ出すタイミングも完璧だったし、一瞬勝ったかに思えたのだが、そこからが伸び切れない。決め手勝負がベストで無いとしても、もうちょっとやれると思っていたのだが、案外の内容。

ライラプス

2人曳き。下見は、如何にも松田国英厩舎らしい造りで、文句無いのだが。道中はディープサマーと前後する位置。従って、これも展開ハマッた筈なのだが、追っ手からが甘い。牡馬相手とはいえ、幾らなんでも酷い内容。

ガーネットステークス (GⅢ)

メイショウボーラー

最近は下見で気負わなくなったし、ここに入ると馬が抜けている。ゲートも良く、芝の部分でダッシュ利かせて2番手。外枠で砂を被らず、流れに乗れた分が大きいのだろうが、芝の一線級で闘ってきた力がここでは一枚上だった印象。直線向いて手応えそのままに3馬身差。課題のスプリントは、芝だと脚を矯めなければならない分が中途半端になってしまうが、その必要が無いダートだと問題無さそう。内枠でどうかという課題は有るが、この手の「スタート直後が芝のコース」なら現役最強クラス。

エンゲルグレーセ

前走の段階で既に復調気配は有ったが、歩様は前走の方が良かった。中距離だとソコソコ先行する馬だが、スプリントでは流石に行けず後方。無欲に直線迄待ってから追い出したが、それにしても良く伸びた。メイショウボーラーがチギる展開も向いたが、デキも上向いているだけに、決してフロックでは無い。

サミーミラクル

前走の方が気持ち馬が良かった気が。道中は中段。ただ、スプリントは忙し過ぎるのか、ヒカリジルコニアに一瞬被され掛けたが、砂を被っても全く嫌がらないタイプの馬で、ここから盛り返す脚も見せてくれた。前走内容から多少過剰人気かと思われたが、あくまで1200mが短いだけで、1400mならオープンでも。

ヒカリジルコニア

540kgの馬だが、もっと大きく見せて欲しい。これも中段。3角から相手を前と絞ってマクって行ったが、真っ向勝負出来る迄の力は無いのか、最後は追っ掛けバテの形。追っ掛けバテそのものは仕方無いが、サミーミラクルをこちらから動かしておいて、最後差し返されたのは頂けない。見た目以上に案外の内容。

プリンセスアスカ

馬に差が有るのは仕方無いが、この時期にしては毛ヅヤが良い。外から被されて位置取り悪くなり、結局3角では最後方。これもエンゲルグレーセ同様、直線迄待って追い出したのが良く、それなりには詰めている。とはいえ、50kgでここ迄だから力不足は明白。

アグネスウイング

歩様の怪しいタイプの馬だが、今日は比較的マシ。メイショウボーラーは別にしても、馬の造りも最上位クラス。好位の外。4角でもまあまあの手応えだったし、連は確保かに見えたのだが、相変わらず手前を替えずに伸び切れない。57.5kgがキツかった事は確かなのだが、この手の弱点を抱えている馬が負ける時はこんなモノ。デビュー以来初めて壁にブチ当たった形で、ここからが試金石。

アタゴタイショウ

+8kgも造りは文句無し。ただ、歩様は流石に落ちて来た。行きたい馬に行かせて好位直後。前が速かっただけに、この策でも間違いでは無いのだが、砂を被ってイヤイヤをするシーンが何度か有って、位置取りが悪くなってしまった。外へ出してからは伸びているだけに惜しい。

シャドウスケイプ

休み明けは何故か走らないタイプだが、デキは良さそう。13番枠も、最初からインへ潜り込む策。前崩れの展開もハマッた筈だが、とにかく休み明けは走らず全く伸びない。次走は変わる筈だが、こう負け振りが見事だと流石に不安も。

スポーツニッポン賞 京都金杯(GⅢ)

ハットトリック

-6kgも馬体充実。重賞初挑戦で敗れたラジオたんぱ賞を思うと雲泥の差。武豊騎手、内枠を懸念したそうだが、デュランダルのマイルチャンピオンシップの様に、最初から外へ出す策。前半1000通過が58.4秒、オープンとして遅い方だが、京都外回りはむしろ遅い方がこの手の馬に有利。言い換えれば、54kgで展開向いて、しかもこの相手でクビ差。デュランダルなら1秒違う脚で5馬身差前に居ただろう。まだGⅠ級では無い。

アルビレオ

張りは有ったが、馬自体に差が有るのと、歩様がイマイチ。道中は中段の外。外が伸びる馬場状態も向いたのだろうが、平坦だとソコソコ走る。ただ、現状は歩様がネックで、これが良くならないと坂の有るコースでは厳しい。

アズマサンダース

2人曳き。もうちょっと歩様に力強さが出て来れば更に良いが、馬の造りは確実に良化している。好位の外で一瞬行きたがるシーン。脚の使いどころの難しい馬で、こうなると厳しい筈だったが、外枠で動きたい時に動けたのが良かったか。チアズメッセージの様なアテにし辛さが有るとはいえ、能力は持っている。

キネティクス

+10kg。馬に張りは有るのだが、太く映るのも確か。中段の外も、多少掛かり気味。掛かり気味でもスムーズには運べているのだが、その割に追ってからが甘い。この馬もアズマサンダース同様に良い脚が長く続かない嫌いが。

メイショウオスカル

2人曳き。多少トモが甘いのは相変わらずだが、気配は悪くない。外のゲイリーファントムのゲートが良過ぎた面も有るのだが、流石にマイルだとハナへ行けずに中段。無理に外へ回さなかったのが良かったが、意外な程詰めている。ここ2走は余所行きの競馬だと思っていたのだが、ちゃんと板に付いて来た。

ダイワエルシエーロ

2人曳き。文句無い造り。これも行けなかったクチで、好位のイン。流れには乗れていたが、ベストがマイルでは無いだけに、こうなると辛い。距離が有ればオークスの様な途中から出て行く策も可能だが、マイルで勝とうと思うと最初からハナがベスト。

日刊スポーツ賞 中山金杯(GⅢ)

クラフトワーク

2人曳き。テンション高いのは何時も通り。昔のリアルシャダイ産駒の様な馬体のメリハリの良さが目立つ。例に依って位置取り構わず折り合いに専念。上手くインで脚を矯め、4角で既に射程圏。前開催は、人気馬がこの策で前が詰まるケースが多発したが、今日は珍しくスムーズ。結果的には力が一枚上だったという事だろうが、今日は比較的弱い部類のメンバー構成。京都のハットトリック同様、見た目程の強さでは無い点には注意したい。

マイネヌーヴェル

+10kg。馬の造りはこれでも良いが、歩様が相変わらず。何時も通り後方待機も、今日は向正面からペースが上がって、直線は皆がバタバタという展開が嵌った。決してこの馬が強くなっている訳では無ければ、中山が得意という訳でも無く、歩様が硬くてワンペースで走り続けた結果がこうなっただけ。まあ、中山は稀にこういう展開になるだけに、その意味で中山が好走する確率が一番高いとはいえるが、今後もアテには出来ない。

キーボランチ

毛ヅヤピカピカ。絶好調! 道中は終始クラフトワークをマーク。クラフトワークが上手くインを捌いた為、この馬もクラフトワークが抜けた道を通って一瞬は2番手。デキが有るからこの策が出来るのだろうが、この馬も基本的には展開。

エイシンチャンプ

どうしても緩い様に見えてしまうのだが、前走から歩様がマシになったのが良い。道中は3番手。前崩れの展開で唯一の先行馬という事になるのだが、この馬はバテないのが強み。逆に言えばスロー過ぎると鋭さ負けする可能性も有って、この馬も見た目よりは評価し辛いのだが、この馬の場合は厩舎技量の無さに潰されている面も相当。デキさえ良くなればもっとやれて良い。

アサカディフィート

昨年の覇者だが、当時が120%のデキだっただけで、悪くないデキ。また出負け。直線外へ出して来てはいるが、この競馬が本質で無い分が届かない。今日の流れは如何にもこの馬向きで、ゲートさえバッチリなら勝てた筈なのだが...。

トレジャー

遮眼革。欲言えばもうひと絞りだが、この時期にしては歩様が良いのが救い。道中は2番手。前半ペースが遅過ぎたのも有るのだが、馬が一生懸命過ぎる。遮眼革が利いているといえばそれ迄だが、これだと2000mは長い印象。

メジロマントル

+10kg。攻め馬相当やられたそうだが、その割に一枚重い。前半1000m通過が60.2秒。2角迄は速くなかったが、向正面からトレジャーが押さえ切れない手応えで来て、ここから息の入らない流れになってしまった。こうなると、一枚重い分も利いて、最後の我慢が利かなくなってしまう。今日は仕方が無いだろう。

カナハラドラゴン

+8kg。多少重いのだろうが、気配は充実。前走同様に中段から。ペースが違った分、マクり切ると迄は行かなかったが、そういうイメージでは乗られていたし、自分の競馬に徹して直線伸びなかったのは意外。一枚重かったとはいえ、気配有っただけに...。