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競馬回顧 2008年2回小倉・2回新潟

関屋記念(GⅢ)

マルカシェンク

-4kg。迫力は無いがバランス取れた造り。ただそれよりも歩様に伸びが有ったのが強調出来る。自在に立ち回れる馬だが、折り合い専念してジックリと。追ってからの反応も俊敏で、ラスト200mで先頭。新潟とはいえ、上がり32.3秒は上級馬で無いと出せない数字。危なげない競馬だった。ここでは格が違った。

リザーブカード

何時も良く見せる馬だが、もう少し歩様が伸びれば。今日はゲート五分。出たなりで中段の外。新潟も、外伸びの馬場になって来たとはいえ、追っての反応もしっかりしていて今日はマルカシェンクが強過ぎただけ。一応オープン特別級は有る。まあ、終わってみればこれも中山記念組。

タマモサポート

+6kg。休み明け思えば上等。基本的にトモの甘い馬がしっかり踏めているので文句無し。メンバー的には徹底先行タイプ不在だったが、主張してハナ。1000m通過59.9秒ならほぼ理想的。ハナか、前へ馬を置けば折り合いも付くタイプ。最後は決め手の差だが、ハナへ行くのに脚を使っている筈で、それでいて粘り込めるのだからソコソコ強い。

トウショウヴォイス

良い時の気配が出て来た。馬体も締まって一戦毎に良化。出遅れ。出脚も無くて後方から。この馬はこれでも良いが、直線向いても暫くエンジン掛からず、伸びて来たのは競馬が終わった後。2000mならとは思うが、今日は少頭数という点でこの馬には有利と思えただけに不満も残る。

マシュリク

+30kg。重たいが、これだけの数字でも緩んでいないのは成長分も。出脚速い筈だが、折り合い課題の馬で、ジワッと好位。決め手に差が有るだけで最後迄伸びていた。休み明け大幅馬体増でこれだけやれれば上等。オープンでも足りる。

フサイチアウステル

+20kg。重いのもそうだが、イレ込み。その気になればハナへも行ける出脚だったが、タマモサポートが主張して好位から。折り合ってはいたが、追ってタマモサポートも交わせず終い。大幅馬体増や急遽の乗り替わりも影響しているだろうが、ここ2走はメンバーにも恵まれていた。実力通りといえば実力通り。

函館2歳ステークス(JpnⅢ)

フィフスペトル

多少余裕残しにも見えたが、落ち着いていたのと歩様がしっかり。8枠2頭が好発切った事も有って下げて後方から。4角の手応えが抜群だったが、ここで我慢させて直線馬群を割る形。今年の新人賞確実な三浦皇成騎手、レースが見えていてしかも追える。今日はあまりに上手く乗り過ぎて能力判定不能。特にレースが大局的に見えている点が素晴らしい。

ナムラミーティア

+6kg。良くも悪くも完成度が高いが、チャカつく。前走の方がまだ落ち着いていた。好発も控えて中段やや後方。例年よりは良いにしても、2開催目の最終週、馬場が良い筈は無く、インへ押し込められたのは痛かっただろう。それでも3〜4角中間で上手く外へ出し一旦は抜け出したが、最後にフィフスペトル。追い出して一瞬内にモタれた等、細かい部分で気になる事も有るが、それは皆一緒。着差程の差は無い。

アイアンデューク

2人曳き。-8kg。馬体締まって来た。気配を表に出しつつチャカつかず。2歳時にこれが出来れば上等。出遅れ2馬身不利も、無理に急かせず離れた最後方を追走。3角からジワッと追い上げ4角大外。ただ、ここで外に振られ過ぎた印象。特にフィフスペトルが上手く乗っていただけに余計にそういうイメージが残る。それでも最後は良い脚でここ迄。距離は延びた方が良い。

サダムテンジン

歩様もそうだが、まだ全体に緩い。少しゲート悪かったが、出脚で好位。4角少し前は詰まり気味だったが、ラスト1Fで割って先行した組では最先着。芝で闘うにはもう少し決め手が有るとベストだが、それなりに渋太い。ただ、馬体は相当緩い現状。これが締まって来ればゲートや決め手も磨かれて来そう。

バイラオーラ

これも煩い。歩様にも力が無い。ゲートは出ているが、8枠2頭が好発切って控えざるを得ない形に。4角回ってフィフスペトルと同じ位置に居たが、決め手の差は歴然。成長待ち。

ディーズハイビガー

トモの造りが良く、馬だけならコレ。出脚で一瞬はハナも、内から2頭に競られる形。勝負どころでも外枠の馬が早目に来て苦しい展開。参考外。

サマー2000シリーズ第3戦農林水産省賞典小倉記念(JpnⅢ)

ドリームジャーニー

+8kg。チャカついていたのは良い方にも解釈出来なくは無いが、まだ細い。珍しく好発も例に依って後方。最初から外へ出していて、ずっとダイシングロウを見ながらの競馬。そのダイシングロウが3角過ぎから一気に動く奇襲に出たが、これに付いて行って終わってみれば3馬身差。状態面完璧では無かった筈だが、やはり地力が違っていた。ただ、この手の馬は一戦毎の消耗が激しい。この点だけはしっかり踏まえておきたいが。

ダイシングロウ

-6kg。毛ヅヤや馬体の張りは抜群だが、多少細い。もっと先行するかと思っていたが、ゲートが少し悪かったのと、他馬との出脚の関係上控える形。慣れない競馬故か、道中は少し掛かり気味だったが、3角から待ち切れずに一気の仕掛け。半ば腐っていた好打者でも、苦し紛れのストレートでは見逃してくれない。ここに来ての馬体細下傾向も気になるところ。

ケンブリッジレーザ

毛ヅヤは良いが、馬は元々見栄えするタイプ。出脚サッパリで最後方。道中の手応えも悪かったが、人気2頭がマクって前を掃除してくれる展開に。ハンデが恵まれていたのも確か。当然、次走以降も見送り。

ヴィータローザ

+8kg。今日は腹回りボテッと映る。ただ、前走福島戦は中身が無かった事を思えば良くなっている。珍しく出脚が良く好位のイン。展開上、マクり合戦に連られなかった位置には居られたが、年取って来ると乱れた展開には強くなる側面も。何れにしてもこのクラスなら掲示板下位は有るが、逆にハンデが軽くならない分、損している気もしないでも無い。

ミヤビランベリ

馬体は変わらないが、この馬にしては落ち着いていた。何が何でもの構えでハナへ行ったが、ダブルティンパニーとヴィータローザに牽制され、前走福島戦程は楽に行けず。しかも、4角手前からダイシングロウが早仕掛けして、さらに苦しくなった。前走時に述べた様に、出脚が甘い逃げ馬は中々2度3度と上手く行かない。

サマー2000シリーズ第2戦農林水産省賞典函館記念(JpnⅢ)

トーセンキャプテン

馬振りは3歳時から目立っていた馬。ただ、気持ち太い様に映るが。半馬身出負けも、押して中段のイン。4角他馬に乗っ掛かりそうになっていたが、ラチ沿い切り替えて一瞬の脚を生かした。ただ、今日は展開利が大きい。マンハッタンスカイがスムーズだったら、前も開いていなかっただろう。あくまで通用の馬といった程度。過大評価は禁物。

フィールドベアー

2人曳き。張りは有ったが、これも多少太い。一番人気なのに態勢整っていない時にゲート開けられ発馬後手。ただ、出脚が速くスッと中段。普段は折り合い付く馬だが、序盤のロスと下見のテンションが高かった分も含めて、少し掛かり気味。インに拘ったトーセンキャプテンとは対照的に普通に外回って最後はハナ差。今日は勝っていた競馬。函館も走るが、正月の京都戦で強敵相手に5着。何度も述べている様に今年はマイルの層が厚い。

マンハッタンスカイ

2人曳き。イレ込んでいた前走から一変、今日は落ち着いていた。ただ、デキ自体が落ち気味。出脚で完全にメイショウレガーロにやられ、好位で控える形。しかも今日はスロー。一瞬の脚が無いので4角モタつき、その隙をトーセンキャプテンにスクわれた。戦前から小回り向きでは無いとは思っていたが、スローでその辺りがモロに出た格好。距離も微妙に短く、少なくとも力負けでは無い。

エリモハリアー

-10kg。これ位がベスト体重。歩様に怪しいところは有るが、好調時でも有ったので、一応力は出せる状態。出遅れ。この枠でも有り、ジックリと後方から。ただ、今日はスローでこれが結果的に裏目。前開催含め今年の函館は殆ど雨が降らず、内目の馬場もかなり良好な中で施行されたのも痛かった。最後良い脚で、地力見せたが、小回りのハンデ戦は能力だけでは無く、展開面も大きなウェイトを占める。3回連続でも奇跡の域。ただ、勝てる状態で4回連続で出して来た厩舎技量。これだけは高く評価したい。

マヤノライジン

2人曳き。集中して歩けていて、気配は良かったが、馬自体は地味。ゲートは一番速かった位だが、出脚が無くて後方から。トーセンキャプテンと前後する位置には居たが、2頭共インを突ける筈も無く、外へ。ただ、スローで4角から競馬が動く中、それを一番外からマクッていてはキツい。前走フィールドベアーと同着だった訳だが、乗り役のミスが0.3秒の差を招いた格好。

タスカータソルテ

2人曳き。多少テンション高いが、造りや毛ヅヤが良く、トータルなら許容範囲。これもゲート速かったが、無理せず中段。内に居たが、ゴチャついてミストラルクルーズに後ろから乗っ掛かられる不利。基本トモが甘い馬なので、こうなるとキツい。参考外。

ミストラルクルーズ

変わらず毛ヅヤピカピカ。気配も抜群。内外の様子見ながら中段。ただ、前述の通り3角で不利が有って万事休す。スローで前も伸びているので目立たないが、立て直してからは再び伸びている。エルコンドルパサー産駒らしい不器用さは残っているので、小回りだと前走福島戦の様に有る程度スムーズに運ぶ必要が出て来るが、新潟なら関係無いだろう。札幌よりは新潟で狙い目に。

サマースプリントシリーズ第2戦アイビスサマーダッシュ(JpnⅢ)

カノヤザクラ

前走中京戦は良く見せなかったが、意外な程良くなっていた。多少テンション高いのも結果的に良かった感。前走程では無いにしても今日もゲート後手。ただ出脚が速く、枠なりに外ラチ沿いの好位。丁度サープラスシンガーが機関車の役割に。ラスト100mだけ内へ進路切り替えてもう一伸び。関係者含めサープラスシンガーには何の縁も無い筈だが、機関車を可愛がるだけ可愛がるマーク屋のお手本というべきレースが出来た。最近ゲートが悪いだけでレース運びが上手いのは承知の通り。デキが戻ってこの枠なら勝って当然だが、ゲートの悪さは周回レースで悲惨な目に遭うケースも。

シンボリグラン

遮眼革。気合乗り悪いのはスプリント戦だけに気になったが、今日は毛ヅヤが良かった。1000mの出脚では無いが、行き脚が付いてからは中段。ラスト200m辺りからアポロドルチェとの併せ馬になったが、それを制しての2着。折り合いに課題が有るので、ショック療法になった印象。まあ、遮眼革が利いていれば周回レースでも期待出来るが。

アポロドルチェ

遮眼革。近走落ち着いているのが良い。ただ、毛ヅヤは良いにしても馬は地味。これも1000mの出脚では無く、ほぼ置かれ掛かっている状態。ただ、追って一瞬の脚は見せた。1200mなら流れに乗れる様になっていて、大外枠の馬が勝つ展開で最内枠からこれだけやれれば上等。競馬を知らなかった唯のウマが競走馬になって来た。

サープラスシンガー

元々良く見せる馬だが、休み明け思えば良く出来ている方。出脚でハナ。ただ、1馬身抜け切る迄は無かったのと、最後も脚勢自体は鈍っていない様に見えるのだが、要は瞬発力が無いのだろう。単に休み明けで止まったのでは無い。今なら出脚で楽が出来る1400m辺りの方が向く可能性も。

クーヴェルチュール

+10kg。シープスキンノーズバンド。毛ヅヤは良いが、腹回り多少立派に映る。出脚でハナ。サープラスシンガーとは違い、外へ寄せて行った距離損も有ったが、それを考慮しても対サープラスシンガーで1馬身半下がった。太目祟ったか?

ステキシンスケクン

手先のスナップが利いて歩様に伸び。止め絵も良く、デキ絶好。ゲートは五分も置かれて後方から。ただ、アポロドルチェの様に内枠ならまだ良いのだが、外枠はどうしても前が詰まる。エンジン掛かってからはメンバー中一番良い脚を使っていたが、それも競馬が終わった後。つまりは1000m向かなかったという事になるが、この辺りも結局は枠順次第。

エイムアットビップ

歩様一息なのが気になるが、張りは有っていきなりとしては上等。出脚でスッと先行。比較的楽に行けていた様に見えたが、500mで既に手応え怪しかった。デキ?