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競馬回顧 2008年4回阪神・4回中山

スプリンターズステークス(GⅠ)

スリープレスナイト

-8kg。ガレた印象は無い。充分丸みの有る造り。まだ所作に硬さは残っているが、充分許容範囲。好発も控えて好位。このレース、外から一回でも被されるシーンが有ると苦しく、脚を矯めて追い出しは我慢しながら、そこだけは外さない競馬。4角で並び掛けて来たキンシャサノキセキを坂の上りで突き放して1馬身1/4差。戦前に述べた様にセンター枠に出脚の速い馬が揃い、内枠の馬に辛い展開。一番強い馬に一番展開が向いた形。時計も平凡。

キンシャサノキセキ

2人曳き。馬はここでも上位。最近下見で落ち着いているのも良い傾向。ジワッと中段。当然スリープレスナイトをマーク。例に依って道中は多少行きたがっていた。4角回って坂下でスリープレスナイトと同じ位置に居たが、坂を上がる脚が無く、2着確保がやっと。相変わらず追ってからがイマイチ甘い。特に坂を上がる脚が無い。デビューからの2戦を別にして、坂のキツい阪神や中山で未勝利なのは偶然では無さそう。

ビービーガルダン

-6kg。腹回りはスカッと見せてトモに張り。文句無い状態。ハナへも行ける出脚だったが、ウエスタンビーナスが主張して好位から。ただ、道中の手応えの割に4角モタついていて、一旦はスリープレスナイトに出られたのだが、差し返してキンシャサノキセキとはクビ差。安藤勝巳騎手の話では中山だとこの癖が有るとの話だが、前述した様にこのレースは一回外から叩かれると駄目。キンシャサノキセキとは着差通り能力五分と見て良いだろう。この辺りは何とか攻め馬の工夫で。

スズカフェニックス

前走阪神戦時に述べた様に、今季は良い方のこの馬。半馬身程出遅れて後方から。前が止まり易い馬場になって来た事も有り、今日の展開ならこれが却って良い方に出そうだったが、手前が替わらず伸びイマイチ。少なくともデュランダルでは無かったという事だろう。

アポロドルチェ

キビキビ歩いていて好気配。スカッと見せているのは何時も通り。ゲート少し悪かった位だが、上手くスリ抜けて好位から。今日はこの利が相当大きかったが、最後迄渋太い脚。これ位の時計なら競馬になる。

カノヤザクラ

今日は集中力が無かった。馬自体は悪くないが。出遅れ。中外枠の馬がソコソコ先行して最後方からの競馬に。今日の展開では競馬にならなかった。戦前から集中力が無く、怪しい雰囲気有ったが、肝心なところで弱い面が出た。

シリウスステークス(GⅢ)

マイネルアワグラス

多少太目にも映るが迫力満点。歩様も硬さを感じさせつつ力強い。正統派ダート馬といった印象。ゲートも悪かったが、出脚も鈍く後方から。4角ワンダースピードに並び掛け、一旦は出られたが、最後迄しっかり伸びて逆転。ワンダースピードがソラを遣ったにしても最後迄脚勢鈍らなかった点は評価出来る。東京2100m向きの馬だが、今年から東京2100mの重賞が無くなってしまい...。

ワンダースピード

+11kg。春よりは遥かに良い状態。とにかく馬体が増えるのは良い傾向。ゲートアオッたが、出脚で中段。4角外を回って追い上げ、一緒に動いたマイネルアワグラスを一旦は突き放したのだが、最後に止まった。ただ、距離やデキの問題で止まったとは思えず、単にソラを遣っただけだろう。勝負には勝っている。

ダークメッセージ

オーストラリアンブリンカー。トモの甘い馬だが、これ位なら許容範囲。止め絵は元々悪くない。出脚が甘く、例に依って後方からだが、意外に行き振りが良かった。4角の手応えも中々で、何時もは置かれる位の馬がこの辺りの動きも機敏だった。まあ、最後はこの馬の絶対能力の問題だろうが、ダート適性は見せた。

ラッキーブレイク

前を歩くマイネルアワグラスを思うと見劣るが、この馬なりには悪くない。プロヴィナージュにスタンド前で外から寄られる不利。そこからはスムーズに運んだが、この馬は広いコースをセコく立ち回って稼ぐタイプ。もう一歩前で競馬したかっただろう。ただ、これだけの内容が普通に出来る馬なのに単勝12番人気。本当に人気にならない馬。

ドラゴンファイヤー

-8kg。ダートなので微妙なところは有るのだが、これ位の方が馬体が締まって映る。例に依って後方。コーナーでの脚が無いのは有る程度仕方無いが、直線向いてからもジリジリ。デキは悪くない筈だが、結果的に細かったのか。

ユキチャン

2人曳き。-14kg。少し細い様にも映る。気配自体は良いが。序盤は少し掛かり気味だったが、出脚が速く好位から。4角、悪くない雰囲気で前へ並び掛けて行ったが、ここ迄。決め手が無いので辛い部分は有るのだが、今日は力負けだろう。

農林水産省賞典札幌2歳ステークス(JpnⅢ)

ロジユニヴァース

2人曳き。+26kg。流石に太い。トモも甘く、毛ヅヤだけが良い。今日もゲート後手。1角迄は包まれて2歳馬にとっては厳しい展開だったが、上手くバラけ向正面で外へ。歩様の割に力強いフォームで抜けて来た印象も有ったが、首が使えず頭が高い。最近の馬で言えばオウケンブルースリの様な走法。道営馬が2,3着に来るメンバー構成とはいえ、今日のデキで走るなら素質は有るが、道中の折り合い面の怪しさも含め距離は2000m迄。

イグゼキュティヴ

トモの造りの良さが目立つ。張りも有ってデキは良い。好発。ハナへ行ける出脚も有ったが、メジロチャンプが主張して2番手。4角で前述メジロチャンプを見切って先頭。ロジユニヴァースには交わされたにせよ、直線入り口で並び掛けて来たモエレエキスパートは退けた。折り合いも付く様になっていて、まあまあの内容。認定厩舎の馬だが、学習能力が高い。

モエレエキスパート

中央2走目。前走思えば落ち着いていた。スカッと見せて芝向き。出脚イマイチも枠の利で好位。序盤少し行きたがっていたが、向正面でスムーズに。直線入り口で外から一旦は先頭に立っているのだが、そこで止まった。前走は終い迄切れていただけに案外の内容。距離?

テーオーストーム

2人曳き。馬体自体は悪くないが、もう少し歩様に力強さが欲しい。メジロダッシュに叩かれて中段やや後方。馬群を縫って徐々に進出し、直線入り口ではロジユニヴァースに内から併せる形になったが、そこからが無く、前とはかなりの差が有った。良くて1000万条件の馬だろう。

ピロートーク

数字の無い馬だが、体高が無いだけで動き自体はしなやか。この距離ならもう少し前に行ける筈だが、1角で内からメイショウイエミツに当てられてリズム崩して後方から。競馬が終わった後とはいえ、最後の脚は悪くなかったが、ガサの無い牝馬でこういうロスは大きく響く。今日は良く走っている方。

産経賞オールカマー(GⅡ)

マツリダゴッホ

+12kg。シープスキンノーズバンド。まだ完璧では無いが、前走札幌戦を40%とすれば今回は85%。充分及第点。キングストレイルの先行策に乗って2番手。序盤行きたがるのは何時もの事だが、直ぐに折り合えるのも何時も通り。3角でまずゴーウィズウィンドがマクりに来て、更にシャドウゲイトと、得意の回り脚を使えない展開にされたが、直線は格の差を見せ付けた。他馬にこういう競馬をさせただけでも立派。ただ、今日は相手が大概。もっと言えばGⅠで2回続けてマクった馬は最近居ない。暮れの中山戦が絶好の飛ばし時。

キングストレイル

-8kg。普段タルさも見せる馬が、気配を表に出していた。絞り込んで来たと見たい。押してハナ。デビュー戦以来2回目の逃げ。途中からゴーウィズウィンドやシャドウゲイトが絡んで来たが、叩かれる迄では無かったのと、結果的に集中力を切らさず、そして何よりマツリダゴッホがマクりに来なかった。久し振りに全能力を競馬に使えた格好。力は有るが中々真面目に走らない、ここの厩舎は本当にこういう馬が多過ぎる。

トウショウシロッコ

この位の数字がベスト。オープンで大威張りの馬では無いが、デキは悪くない。その気になれば行ける出脚も有る馬だが、中段やや後方から。前の方は出入りの激しい競馬になったが、道中無理せず直線も内から。前走新潟戦同様しっかり捌いての3着。この路線、特に関東は手薄な印象も有るのだが、堅実は堅実。

マイネルキッツ

ハチ切れんばかりの馬体で目下絶好調。周回するスピードにデキの良さが現れる。道中は中段。ソコソコ人気になっていて、皆が早仕掛け。どうしても連られてしまう。器用さの無い馬を無理に動かしてしまうと終い伸びないのは何度も述べている通り。中山は向かない。

エアシェイディ

2人曳き。+8kg。多少余裕残しだが、今年は良い状態をキープ出来ている。折り合い付けようとしたが、少し行きたがって好位から。ラチ沿いに居るとまた違うのだが、乱ペースにマトモに巻き込まれてしまった。今日は競馬にならず。

シャドウゲイト

毛ヅヤが良く、気配も抜群。間違い無く今季はデキが良い。距離も有ったとは思うが、出脚も甘く中段から。多少力んで走っていたのは仕方無いところ。マツリダゴッホを押さえ込もうと一発狙ってマクって行ったが、キングストレイルを叩き切る迄の脚が無かった。ただ、前述した様にデキは良い。距離短縮なら変わる筈。

神戸新聞杯(JpnⅡ)

ディープスカイ

-6kg。前走東京戦が一枚重い状態だったとはいえ、攻め量足りないのか緩い。出脚の甘い馬だが、少し出して中段。早目に外へ持ち出して積極的な競馬。ただ、何とか勝っただけで今春の力強さは無かった。今日はデキの無さを力でネジ伏せた格好。まあ、今日のデキの差でも勝てたのだから、やはり同世代では力が違い過ぎる。次走、東京へ行くという話も有るが、どちらでも本命視出来る。

ブラックシェル

2人曳き。落ち着いているのが何より。手先のスナップも利いていて、馬体もいきなりから完璧に近い。スマイルジャックに出脚で叩かれて中段。早目に動いたディープスカイとは対照的にインで脚を矯め直線ディープスカイの内から併せに行く競馬。最後は同タイムクビ差迄。ひと夏を越して、確実に差を縮めて来たという見方も出来るが、向こうが5〜6分の仕上がりならこちらは9割以上。大駒一枚位の差は有った。

オウケンブルースリ

馬体がまず重賞級。気配も良く、下見だけならブラックシェルと2頭で抜けていた。出脚無く、例に依って後方から。道中はインに居て、直線は無理に外へ持ち出さず馬群を捌く形。結果的には前崩れだが、ペース自体は速くなく差した馬が強かっただけ。したがってこの馬も強いという事にはなるのだが、首が使えない走法。少しモタれる癖も有って、距離延びて良いとは思えないのだが...。

ベンチャーナイン

2人曳き。キッチリ出来ていた。ただ、上位とは馬自体が見劣る。出遅れて後方。折り合い課題の馬だが、前に馬を置けば折り合える。4角外へ持ち出し、直線少し捌くのに手間取ったが、前が開いてからはしっかりした伸び。実質競馬が終わった後だが、まずまずの内容。先週の中山戦へ使っていれば充分権利は取れた筈。

ロードアリエス

2人曳き。+22kg。太くは無いが、これも上位馬とはトモの筋肉で差。出脚甘いが、この枠でも有り出して好位へ。少し掛かったが、今日はそれよりも前に行けた利の方が大きかっただろう。ミッキーチアフとスマイルジャックは捌いてル前に居た組では最先着。これも中山に使っていればという馬。

ナムラクレセント

2人曳き。少し縦長気味に見せる馬だが、馬体充実。デキは悪くない。行きたがるのを宥めて後方から。最後は伸びているが、追い出して暫くモタついている間にベンチャーナインに前をカットされるロスが。戦前述べた様にスマートギアにも勝てる馬だから性能は高いのだが、成長途上。

スマイルジャック

2人曳き。これも落ち着いていたのは良い傾向。ただ、今日は少し細く映った。中身に疑問。折り合い付けようと急かしていないにも関わらず、出脚の速さで好位から。ただ、それでも行きたがって失速。特に皆が脚を矯める3角で行きたがったのが痛い。とはいえ、この馬、1戦おきで走る馬。前走東京戦も皆が不安視していたのにスムーズだった事を思うと次走3000mでも案外イケるのでは。セオリーには反するが、逆に狙いたい馬。

ラジオ日本賞セントライト記念(JpnⅡ)

ダイワワイルドボア

2人曳き。胴長の馬だが、張りは一息。ただ歩様の伸びは良かった。出たなりで好位直後。前走新潟戦は少し行きたがっていたが、今日はスムーズ。追っての脚もしっかりしていた。距離延長にも関わらず折り合った格好だが、メリハリの利き過ぎる新潟2000mよりはオーヴァル気味の中山2200mの方が向くのだろう。今日は事故レース、しかも次走京都戦は毎年ペースが変わるだけに何とも読み辛い部分も有るのだが、一つだけ言える事はこの馬相手に楽勝したオウケンブルースリという馬がメチャメチャ強いという事。

マイネルチャールズ

-6kg。多少太い細いは有るにせよ、前走札幌戦時から今季は抜群のデキ。歩くスピードが速いのも特筆出来る。直ぐ外クリスタルウイングが好発を切り、これを制して好位のイン。前走の不甲斐無さを振り切る様に、4角手前で前を見切って先頭。相手がノットアローンだから何ともいえない部分も有るのだが、一旦出られたにも関わらず差し返して2着は確保。中山でこの相手なら手合違いだった印象も有るが、前述した様に事故レースになったのとメンバーが大概。休み明けの影響が有ったにしても、前走の惨敗は力量差が多少影響していた筈。次走は微妙な立場に。

ノットアローン

デキ自体はかなり良い線だが、欲目で成長が無い。ゲートも少し悪かったが、クリスタルウイングとマイネルチャールズに出脚でやられて中段から。序盤は行きたがっていたが、向正面の頂点辺りからはスムーズ。早目に動いたマイネルチャールズ目掛けて、直線は追い比べ。一旦はハナだけ出掛かったのだが、最後に差し返されて3着。以前よりは追って伸びるイメージも出て来たが、それでもマイネルチャールズを負かさないと値打ち半減。ただ、この手の馬は距離延長を意外に苦にしない。次走狙い目。

ダイバーシティ

大物感は無いが、バランスの取れた馬。キッチリ出来ていた。1角迄は中段も、例の不利で後方から。上位3頭は中段より前に居た組だが、後方待機組ではこの馬が最先着。近年ラジオNIKKEI賞がハイレベルな事が多く、今年も例外では無いのだが、如何せん1000万条件の身。痛い4着に。

ナリタダイコク

手先の柔らかさが目に付いた。重心の低い馬体も中々。これも1角の不利が有って後方から。道中ずっとインに居て、直線もインから。メンバー中最速の上がりだが、中山2200mのこの形は結構届く。弱いとは言わないが、これで過大評価もどうか。

関西テレビ放送賞ローズステークス(JpnⅡ)

マイネレーツェル

+12kg。毛ヅヤピカピカ。ステイゴールド産駒らしい馬。歩様もそうだが、先週のドリームジャーニーに良く似ている。好発も無理せず後方から。ただ、今日は道悪という事も有り、内外に馬場差が出来たのと、好発の分道中の脚に余裕が有った。4角では既に中段。ムードインディゴ,レジネッタとの3頭併せの真ん中から最後に一伸びしてハナ差。ただ、馬主に血統もトライアルで強いのは確か。今日は馬体に成長を感じたので一概にはとも思うが、本番は見送り。

ムードインディゴ

-18kg。絞れて順当に良化。馬体の重量感が残って、歩様もしっかり。出遅れて後方から。向正面では枠なりに進んでいたが、3角から外へ出してマイネレーツェルの後を追う形。最後は出遅れた馬と好発切った馬の差だが、最後迄しっかり伸びていた。この内容なら本番でもとは思うが、勝った3走前の阪神も時計の掛かる馬場。時計勝負が確実の京都でどうか。

レジネッタ

下見は最後方を周回。馬は前走札幌戦時から出来ていたが、今日はテンション高い。以前よりも出脚が来ているが、中段で折り合いに専念。直線も追い出しを出来るだけ我慢していたのだが、結果的に追い負け。こういう馬場で思い切った乗り方が出来た2頭と比較して乗り方が消極的になってしまった面は有るのだが、やはりこの馬は脚の使いどころに難しさが有る。本番もこの馬が一番人気になるだろうが、京都内回り2000mはワンペースの競馬が殆ど。条件楽では無い。

オディール

2人曳き。+10kg。ここでも上位の馬だが、歩様の甘さが直らず。出脚悪くなく、道中は中段から。道悪の影響なのか、このプラットフォームにしては流れて縦長の展開。3角ではインへ入れて直線もインから。内に居た組では最先着だから、悪い内容では無いが、追って甘い印象はどうしても付き纏う。

メイショウベルーガ

+8g。多少余裕有るにせよ、馬自体は悪くないのだが、歩様が硬い。出遅れ2馬身半不利。ただ、オッツケて馬群には取り付いていた。直線向いてレジネッタの直後に居たが、4角から既に手応え一息で、直線も手前が替わらず伸びあぐねた。元々瞬発力身上の馬で、こういう馬場は良くない。発馬は課題だが、出られれば本番注目。

トールポピー

+14kg。2人曳き。雨で毛ヅヤが分かり辛いが、悪くは無さそう。ただ、それ以前に太い。出遅れたが、これもオッツケて中段から。道中は掛かる位の行き振り。今日は直線も前が開いていたが、そこからが伸びず。叩いての良化待ち。

ハートオブクィーン

当然、1走毎に状態は違うのだが、見た目は世代上位。ジワッと好位。坂下で一瞬は先頭。そこで止まったが、見せ場は造った。何時も思うが、乗り易さが有って競馬で真面目。何処かで大穴開けそうな気もするのだが...。

ブラックエンブレム

2人曳き。シープスキンノーズバンド。ドッシリ見せる馬が多く、ここへ入ると小さく纏まり過ぎている嫌いも有るのだが、縦の比較なら悪くない。落ち着いていたのも良い傾向。スタート直後から押していたが、好位確保がやっとの出脚。唯でさえ前の馬に厳しい展開、追ってからもサッパリだった。乗り役は馬場を言い訳にしていたが、それにしても案外の内容。

朝日チャレンジカップ(GⅢ)

ドリームジャーニー

2人曳き。-8kg。歩様はしっかりしていたが、少し細く映る。出遅れて後方から。何時もの感じで3〜4角中間から徐々に進出、こういう馬場でスパッと切れる訳では無いのだが、しっかり脚を伸ばして最後は3/4馬身差。完勝。ただ、前走小倉戦時にも述べたが、この手の馬は反動が出易い。特に今日は馬体減っていただけに確率が高くなる。

トーホウアラン

+6kg。馬体の張りが微妙に甘いが、休み明け思えば及第点。見た目より出脚の速い馬で、好位のイン。上手く乗っているが、追ってからが鈍く、最後は決め手に差が有った。キャプテンベガは振り切ったといっても向こうのデキが一息。こちらも休み明けなのだが、今日の立ち回り完璧だっただけに、課題が残る。

キャプテンベガ

-10kg。この中間、カイバが上がったという話も有ったが、その影響が有りそう。動き自体は悪くないのだが。この枠でも有り、無理せず中段。道中折り合って、4角の雰囲気は一番良かった位だが、追って案外。戦前述べた様に力は足りる筈だが、今日は馬体減が響いた。

ニルヴァーナ

マシになったと思う時も有るのだが、基本的には歩様に力が無い馬。アドマイヤメインが穴人気していて、ハナへ行きそうなムードも有ったのだが、出遅れ。この馬がスンナリハナへ。道中1000m通過59.8秒なら悪くないペースだが、坂を上がって脚が鈍った。乗り役は距離を敗因に挙げていたが、それよりも坂が問題だろう。時計的にもここらが一杯。

サンバレンティン

休養前から良いデキだったが、一息入っても変わらず。特に毛ヅヤが良い。ゲートの中が煩い。それでもこの馬にしては出ている方だが、後方から。4角手応えが少し悪く、内を回って誤魔化して、直線はドリームジャーニーの後から。流石にこれだけ時計が速いと、この馬にとってはキツいのだが、少なくとも悪い内容では無い。今後も穴で注目。

京成杯オータムハンデキャップ(GⅢ)

キストゥヘヴン

2人曳き。シープスキンノーズバンド。歩様が伸びていた。馬体も充実しており、今年は本当にデキが良い。前半1000m通過が55.9秒。一昔前のスプリンターズステークス並のラップで前が飛ばし、超の付くハイペース。最近はソコソコ出脚も来た馬だが、中山マイルの外枠でも有り、後方から。道中一度としてインに入れる場面が無かったが、それでも差し切ったのは最近の重賞では中々珍しい。土曜日の500万条件が異様に速い決着だった事も有り、戦前は1分31秒台の期待も有ったが、上がりが掛かって1分32秒1。勿論、展開が無ければ来れないが、前述した様に今年はデキが良いのも大きい。昨年は低空飛行だったが、もう一段上に来れた印象。

レッルゴーキリシマ

この馬にしては歩様スムーズ。ただ今日は気配の良さが一番強調出来る。出脚速かったが、ゴスホークケンとダンツキッスイが主張して好位から。その2頭が無謀なペースで飛ばす中、しっかり折り合ってマイペース。その分、一伸びが有った。競艇で言えばレース脚の良い馬。ハイペースも内で脚が矯められれば前に居た方が当然有利。

ステキシンスケクン

これも硬くなり易い馬だが、今日は手先も柔らか味が有った。毛ヅヤも冴えていた。出遅れて後方から。ハイペースの縦長、早目に外へ出してキストゥヘヴンを追っ掛ける格好。ただ、例に依ってコーナリングが悲惨。その分でレッツゴーキリシマに割って入られた。ワンペースの競馬が向くのは確かだが、出遅れて今日の展開になるのだから、これだけでは中山マイルの相性の良さは説明出来ない。方角も向いている?

ヤマニンエマイユ

-8kg。ガレたという程では無いが、迫力不足。好発も、無謀な例の2頭が居て、好位に控える形。これはこれで良いのだが、掛かった影響なのか、3角辺りでは馬群の外に居て早目先頭に立つ最悪の展開。レッルゴーキリシマがこのハイペースでも前でしっかり脚が矯まっていたのは対照的だった。掛かるのは仕方が無いにしても、少なくとも内に居ない事には話にならない。最悪の騎乗。

ジーンハンター

太いという印象は無いが、一息入って多少緩い。7〜8分のデキ。出脚が甘く後方から。道中も追走に汲々としていたが、コースロス無く立ち回り、直線だけ外へ。ジワジワとでも伸びている。まあ今日は展開だが、休み明けでこれだけ走れば上等。得意のダートで狙い目に。

サマースプリントシリーズ第5戦セントウルステークス(GⅡ)

カノヤザクラ

+8kg。前走新潟戦からほぼ完調だが、今日は少し余裕残し。今日もゲート五分。出脚で好位から。道中結構余裕が有り、追っての脚もしっかり。直線競馬なら別だが、好位の馬が33.2秒で上がられれば、流石に後続は手も足も出ない。今日の内容なら次走も有力。ただ、一流厩舎だけに対策立てて臨んでいるとは思うが、一時ゲートが悪かった。この点は課題。

シンボリグラン

遮眼革。かなり白い部分も目立つ様に。ただ、毛ヅヤは良く、今季は良い方のデキ。マルブツイースターに先行策に乗って2番手。1000mの後で仕方無い部分が有るとはいえ、道中は結構行きたがっていたのは相変わらず。最後は力で粘っているが、道中余裕の有ったカノヤザクラにはどうしてもやられてしまう。進歩が無い。

スプリングソング

+6kg。毛ヅヤの関係でどうしても良く見えるが、少し緩い気も。ゲート少し悪かった位だが、出脚でハナへ。ペース自体は然程速くは無いにせよ、8枠2頭マルブツイースターにシンボリグランが競りかけて来て、結構鬱陶しい展開だった筈だが、その割には良く粘っている。休み明けでこれだけ走れば上々。しかも初めてハナへ行く展開で結果を出せたのも収穫。相変わらずゲートが悪いので、この点は課題だが、次走狙い目。

ジョリーダンス

この馬も大分白くなって来た。ただ、この馬の場合は落ち着いていれば力は出せる。スプリントの馬では無いが、外枠でも有り、この馬の出脚でも中段。道中も問題無く付いて行けていた。直後に居たスズカフェニックスと直線は同じ脚。以前に述べた様に揉まれ弱く、アテに出来ない部分が有るのだが、これも力は有る馬。

レッドバトラー

独特の重量感有る馬体。血統だろう。見た目は太いが、歩様に硬さが無く、張りが有ればOKとすべきだろう。これも1200mの出脚では無く中段から。早目に動いて内で脚を矯めていたタニノマティーニに並び掛けた迄は良かったが、そこからはジリジリ。こういう上がりの速い競馬で云々の馬では無く、良く走っている方。デビュー以来ずっと芝、最近は短距離を中心に使われているが、芝ならマイル,短距離ならダートの方が良さそう。

タニノマティーニ

馬体は悪くないが、少し硬さが。この辺りは反動だろう。好発。行きたい馬に行かせて好位から。前走札幌戦同様、上手く乗っているが、直線向いてレッドバトラーが内にモタれ、抜け切れない間に終わってしまった。ただ、出脚で叩いたレッドバトラーに外から並ばれて前に出られていたのだから、乗り役が怒るのは筋違い。

スズカフェニックス

-8kg。昨秋の休養明けと同じ数字だが、今年は中身が違う。ゲートが悪く最後方から。早目に外へ持ち出してこの馬の脚は使っているが、勝ったカノヤザクラが33.2秒で上がられては何ともならない。今日はゲートが全て。

ファイングレイン

トモに張りが有り、馬体は上々。ただ、その割に歩様が甘い。そこ迄速い出脚の馬では無いが、中段から。ただ勝負どころの手応えが悪く、直線も然程伸びず。開幕週の馬場で59kgはやはり楽では無かった。ただこの馬、勝ったのは全て平坦コースで、基本的には非力な馬。その影響で斤量が余計に応えている部分が有りそう。

エルムステークス(JpnⅢ)

フェラーリピサ

毛ヅヤが良くて馬に集中力。馬体から超A級の馬では無いのだが、気配が出て来たのは良い傾向。出脚はマコトスパルビエロよりも速かった位だが、好位から。道中引っ張り切りの手応え。4角、メイショウトウコンのマクりだけは制して、直線もしっかり。戦前、前開催は差し馬有利の馬場だった述べたが、今日は先行馬が結構残っていた。その辺りの影響も有るとはいえ、以前は追って手応え程伸びなかった事を思えば上々の内容。

トーセンブライト

一時、歩様が硬いのが気になったが、今日はスムーズで伸びていた。馬体も元々悪くない馬。ゲートが微妙に甘く、1700mでは折り合い面が怪しい事も有り、無理せず中段。道中も割と内目に居たが、4角も内から進出。メイショウトウコンのマクりが不発に終わる馬場でこの判断が大きかった。力量だけなら掲示板下位レベルだが、若い時期から馬群を苦にせず器用さが有るのが長所。

エアアドニス

デビュー以来最高体重。悪くないが、この中へ入ると馬が足りない。2角迄は6〜7番手に居たが、向正面でペースが落ちた際に行きたがり、3角で2番手。先行有利の馬場とペースで、比較的軽微だったが、痛いロスだったのは間違い無い。今日は良く頑張っている方。比較的メンバー手薄な一戦だったが、地力強化されている。

メイショウトウコン

+6kg。これもデビュー以来最高体重。数字以上に馬を大きく見せる様になって本格化した馬だが、今日は少し重い。例に依って後方から。マクッて行く策も予定通りだが、4角先団に並び掛ける迄の脚が無く、フェラーリピサに余裕持って併された。馬場,展開,そして一枚重い状態と、今日は走らない条件が揃い過ぎた。前開催のマツリダゴッホもそうだが、奇襲の馬は中々辛い。

マコトスパルビエロ

馬体はしっかり出来ていた。毛ヅヤも良いが、少しイレ気味。ゲートはコンゴウリキシオーが一番速く、出脚はフェラーリピサだったが、フェラーリピサに叩かれるのを嫌ってハナ。トータルすれば速くないペースだが、無理に行っている分、脚を使わされている。ただ、直線向いてほぼ無抵抗。デキ自体も無さそう。

ドラゴンファイヤー

意外に出脚が有って中段から。直線レーサーなのでコーナーでは置かれるが、直線は盛り返す脚を見せていた。悪くない内容。直線の長いコースで注目。